JP3861571B2 - 有料道路料金自動収受システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ITS (Intelligent Transport Systems)の中のETC (Electronic Toll Collection System :有料道路自動料金収受システム)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高速道路等の有料道路(以下、単に有料道路という)では、しばしば交通渋滞が発生して利用者の不満が絶えない。この交通渋滞の原因の一つとして、料金所における渋滞があげられる。近年、この料金所における渋滞の緩和策としてETCが運用されている。
【0003】
図5(a) は、現在実現されているETCにおける料金所の概略を示す俯瞰図であり、同図(b) は通過車両側に備えられる車載器の例を示す図、同図(c) はその車載器に挿入して用いられるICカードの例を示す図である。
【0004】
このETCは、同図(a) に示すように、料金所1に設置した道路側アンテナ2と、車両3に搭載した車載器4との間で双方向無線通信5を行うものである。この双方向無線通信5では、車両3の運転者の個人データの識別、有料道路の料金情報などの料金計算に必要な情報のやり取りを行う。
【0005】
車載器4は、車両3のダッシュボードの上などに設置される無線装置であり、料金情報などを表示する液晶表示装置6、入力操作ボタン7、報知灯8、カード挿入口9を備えており、このカード挿入口9からICカード11を挿入して用いる。ICカード11には料金決済方法などの運転者個人の契約情報が記録されている。
【0006】
双方向無線通信5による必要情報の交換が完了すると、両開きのゲート12(12a、12b)が開いて車両3の通過路が開放される。そして、上記算出されて液晶表示装置6に表示された通行料金は、後日車両3の運転者つまりICカード11の契約者口座から引き落とされる。
【0007】
これにより、車両3の運転者は、従来のように料金所の係員と料金のやり取りを行うことなく、料金所をノンストップで通過することが可能となり、有料道路の交通渋滞が大きく緩和されるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在実用化されているETCは、料金所に専用のアンテナの設置が必要であり、また車両には専用の車載器の搭載が必要である。更には利用する個人が決済方法等の契約情報を記録したICカードを所持する必要がある。
【0009】
このように、現在のETCには、料金所側では専用アンテナを設置しなければならず、利用者側では専用の車載器とICカードを購入しなければならず、このためETCを利用できるようになるまでの初期投資の経済的負担が大きいという問題がある。
【0010】
特に、個人利用者にとっては、高額な車載器やICカードを購入するための大きな費用負担は、渋滞緩和によって享受できると感じ取れる利益に比較して採算に合わないという不満の残るものであった。
【0011】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、個人の初期投資を不要にすると共に料金所の設備投資も最小限にする有料道路料金自動収受システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
先ず、請求項1記載の発明の有料道路料金自動収受システム利用登録方法は、移動体通信手段より有料道路の管理センターヘ接続して有料道路料金自動収受システムを利用すること及び利用する車両の車両番号を登録し、該登録された前記移動体通信手段が前記有料道路の入口ゲートに接近したことを示す情報に基づき、前記管理センターから前記入口ゲートの端末に前記車両番号を含む接近情報を送出する接近情報送出手段と、前記有料道路の入口及び出口に前記車両番号を検知することにより前記登録した車両の通過を検知する検知手段を備え、該入口及び出口の前記登録した車両の検知に基づき、前記有料道路の通行料金を前記移動体通信手段の所有者に課金するように構成される。
【0014】
そして、上記登録した車両が少なくとも入口を通過した検知に基づいて、例えば請求項2記載のように、システムの基本料金を上記移動体通信手段の所有者に課金するようにしてもよく、また、例えば請求項3記載のように、システムの基本料金を有料道路の管理者に課金するようにしてもよく、また、例えば請求項4記載のように、システムの基本料金を案分して上記移動体通信手段の所有者及び上記有料道路の管理者に課金するようにしてもよい。
【0015】
このように、移動体通信手段として殆どの人が所有している携帯電話あるいはPHSを利用することにより、経済的で簡便な構成の有料道路料金自動収受システムを構築することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態における有料道路料金自動収受システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、先ず自動車13には、携帯電話14(以下の説明では「携帯電話」とは携帯電話及びPHSその他の移動体通信手段を総称する用語として用いる)を携帯している者が必ず搭乗する。この携帯電話14の携帯者は運転者又は同乗者の何れでも良い。
【0017】
この自動車13の位置つまり携帯電話14の位置は、全国に設置してある携帯電話の基地局15(アンテナ基地局、例として以下の説明では3つの基地局A15−1、基地局B15−2、基地局C15−3で説明する)によって後述するように検出される。これらの基地局15から出力される情報は、移動体通信管理センター局16によって集中管理される。
【0018】
移動体通信管理センター局16は、各基地局15と無線或いは有線により情報の授受を行い、これらの情報のうち車両番号等の登録情報を利用登録センター局17に中継し、携帯電話14の位置(つまり自動車13の位置)の情報を同じく利用登録センター局17に通知する。
【0019】
利用登録センター局17は、上記登録情報に基づいて、有料道路の入口端末18または出口端末19と所定の通信を行う。入口端末18及び出口端末19はそれぞれ同様の機能を有している。すなわち、入口端末18には入口カメラ21と入口ゲート22が制御可能に接続され、出口端末19には出口カメラ23と出口ゲート24が制御可能に接続されている。
【0020】
上記の入口端末18及び出口端末19は、それぞれ利用登録センター局17を介して移動体通信管理センター局16から送られる登録車両(自動車13)の車両番号等の情報に基づき、入口カメラ21または出口カメラ23による自動車13の通過検知と、入口ゲート22または出口ゲート24の開閉を行うと共に、自動車13の通過情報を利用登録センター局17へ送信する。
【0021】
利用登録センター局17、は入口端末18及び出口端末19からの自動車13の通過情報に基づいて、有料道路の通行料金を演算し、この演算により算出された通行料金をクレジットカード会社25に請求する。クレジットカード会社25は利用者つまり携帯電話14の所有者が取り引きする銀行26の口座から上記請求された通行料金の引き落としを行う。
【0022】
尚、上記のデータは専用回線を利用して授受を行っても良いが、インターネットを介して行うことにより専用回線を構築するよりも安価にデータの授受を行うことができる。
【0023】
図2は、この有料道路料金自動収受システムにおける携帯電話の位置検知を自動的に行う方法を示す図である。この携帯電話の位置検知には、一般的な3角測量法が用いられる。すなわち、同図に示すように、携帯電話14が基地局A、B及びCから基地局コードを受信してこの受信した信号の電界強度を携帯電話14が記憶し、この記憶した電界強度を基地局コードとともに基地局A、B及びCに送信(返信)する。
【0024】
例えば基地局Aの基地局コードが0101で電界強度が10デシベル、基地局Bの基地局コードが0111で電界強度が20デシベル、基地局Cの基地局コードが1111で電界強度が30デシベルであったとすると、携帯電話14からは例えば0101−10DB、0111−20DB、1111−30DBというように基地局コードに対応した電界強度が送信される。尚、この送信は、携帯電話14により検知された各基地局15のいずれかの電界強度が所定値だけ変化したときに行えば良い。
【0025】
電界強度が強いほど、その信号を出している基地局15に近い位置に存在することになるので、上記の各電界強度の場合に各基地局15は、予め内部の記憶装置に格納されている電界強度と距離との関係を示すテーブルから、携帯電話14の位置を、基地局Aでは半径R1、基地局Bでは半径R2、基地局Cでは半径R3(但しR1>R2>R3)の位置に存在すると認識することができる。
【0026】
利用登録センター局17は、各基地局15から通報された上記携帯電話14の位置情報つまり半径R1、R2及びR3のデータに基づいて、これらを演算することにより、上記の半径R1、R2及びR3で描かれる円が交差した点Pに、携帯電話14が位置していると認識することができる。
【0027】
尚、上記の携帯電話14の位置算出の演算では、各基地局A、B及びCの緯度及び経度が予め解っているので、その各基地局A、B及びCの緯度及び経度から点Pの緯度及び経度を演算することができる。
【0028】
また、これら半径R1、R2及びR3の演算は、上記のように各基地局15で行ってもよく、又は各基地局A、B及びCからは基地局コードと電界強度を利用登録センター局17に送り、これらのデータから利用登録センター局17で一括して演算するようにしても良い。
【0029】
勿論、基地局15は、上記のように基地局A、B及びCの3局に限るものではなく、更に多くの基地局で位置検知を行うようにしてもよく、そうすることにより、携帯電話14のより正確な位置を認識することができる。
【0030】
本発明の有料道路料金自動収受システムは、上記のようにして検出される携帯電話14の位置情報に基づいて有効に機能する。
図3は、上述した構成の本発明の有料道路料金自動収受システムにおける処理のフローチャートである。尚、この処理において、利用登録センター局17には、全ての有料道路(あるいは利用可能な有料道路)の位置情報が例えば経度及び緯度で不図示の記憶装置に記憶されている。
【0031】
図3において、先ず、図1に示す自動車13の運転者は、走行開始に先立ち、有料道路の料金自動収受システムを利用する利用登録の申し込みを行うために携帯電話14により有料道路の利用登録センター局17に電話する(S1がY)。尚、この処理では、上記の利用登録の申し込みに使用する携帯電話14の所有者は運転者である必要は無く、この携帯電話14はこれから利用する有料道路の通行料金を支払うことを承知した者の所有になるものであれば誰のものでも良い。
【0032】
すなわち、利用した有料道路の通行料金は利用登録の申し込みに使用された携帯電話の所有者の取り引き金融機関の口座から引き落とされるから、通行料金を運転者が支払う場合は運転者の携帯電話、同乗者が支払う場合は同乗者の携帯電話、親などが支払う場合であれば親の携帯電話を借り出して上記利用登録の申し込みに用いればよい。そして、この申し込みに用いた携帯電話14を所持して自動車13に乗り込めば良い。
【0033】
また、このように使用する携帯電話14の所有者と走行する自動車13の所有者とが同一である必要はないから、使用する自動車13も、自分の自動車、友人の自動車、あるいはレンタカーであっても、本システムは利用可能である。
【0034】
上記に続いて、運転者は、利用登録センター局17に、これから有料道路を利用する旨と、その際の走行車両(自動車13)の車両番号を通知して登録を申し込む。利用登録センター局17からは移動体通信管理センター局16及び最寄りの基地局15を介して登録情報として車両番号を入力するよう携帯電話14に指示が送信される。運転者は、例えば、車両番号が「□△あ−1234」であるとすると、その車両番号を携帯電話14に入力し、その入力した情報を送信する。これにより登録情報として車両番号が利用登録センター局17に送信される(処理S2)。
【0035】
この登録情報の送信によって携帯電話14の所有者情報と車両番号とが対のデータとして利用登録センター局17の記憶装置(不図示)に記憶され、これにより本システム利用者の利用登録センター局17への利用登録が完了する。また、このように、本システムの利用登録は自動車13の運転開始前に行われることにより、自動車13の運転中における携帯電話14の操作は不要であり、運転中の電話操作による事故の危険性を未然に防止することができる。
【0036】
この後、自動車13が走行を始めると、利用登録センター局17は、移動体通信管理センター局16を介して常に携帯電話14の位置を検知する(処理S3)。これにより、自動車13の走行位置が常に検知される。
【0037】
そして、携帯電話14が有料道路の入口ゲートに接近すると(例えば入口ゲートから予め設定されている特定の距離以内に入ると)(S4がY)、その入口ゲートの入口端末18に、利用登録センタ局17から「車両番号「□△あ−1234」の自動車が入口に接近している」という情報を送信する(処理S5)。
【0038】
このことにより、入口端末18は、すべての利用登録申込者の情報を記憶する必要はなく、例えば全国である時点の利用登録申込者が10万人いたとしても、特定の入口ゲート付近に10人が接近していた場合は入口端末18は10人の情報だけを記憶すればよい。したがって、入口端末18には極めて簡単な設備を設ければ良い。
【0039】
入口ゲートには入口カメラ21が設けられており、この入口カメラ21が入口ゲートに接近した走行自動車の車両番号を撮影して、その撮影データを入口端末18に送信する。入口端末18はその撮影データを認識し、撮影された車両番号が利用登録された車両番号「□△あ−1234」であるかを判断し(処理S6)、利用登録された自動車(以下、利用登録車という)の車両番号であれば(S6がY)、入口ゲート22を開き(処理S7)、利用登録車の車両番号でなければ(S6がN)、入口ゲート22を閉じる(処理S8)というように動作する。
【0040】
尚、入口ゲート22は常に開いておいて非利用登録車が撮影されたときのみ閉じるようにしても良く、また入口ゲート22を常に閉じておいて利用登録車が撮影されたときのみ開くようにしても良い。
【0041】
入口ゲート22を利用登録車13が通過すると、この入口通過の事実と通過時刻を示すデータが入口端末18から利用登録センター局17に送信され、この送信データを受信して、利用登録センター局17では、この受信データを利用登録車13の入口通過記録として記憶装置に記録する(処理S9)。また、このとき、処理S5において入口ゲートに対してなされた利用登録車の接近情報は消去される。
【0042】
尚、処理S5で利用登録車13の接近情報を入口端末18に送信した後に、利用登録車13が入口ゲートに進入せずに入口ゲートから遠ざかったとき(例えば入口ゲートから予め設定されている特定の距離以外に出たとき)は、利用登録車接近情報を解除する。
【0043】
有料道路の入口はたくさんあるので、乗り入れようとする入口以外の入口付近を通過することはままあるが、上記のように利用登録車13が入口ゲートから遠ざかったとき利用登録車接近情報を解除するようにすれば、入口端末18が累積する多数の利用登録車接近情報によって過負荷になることが避けられる。
【0044】
一方、上記のように入口ゲート22を利用登録車13が通過して利用登録センター局17に利用登録車13の入口通過が記録された後は、再び処理S3と同様の利用登録車13の位置検知を行い(処理S10)、この利用登録車13が出口ゲートに接近したことが検知されると(S11がY)、その出口ゲートの出口端末19に、利用登録センタ局17から「車両番号「□△あ−1234」の自動車が出口に接近している」という情報を送信する(処理S12)。
【0045】
出口ゲートにも入口ゲート22と同様に出口カメラ23が設けられており、処理S13、S14又はS15の動作は、入口と出口の違いだけであって、処理S6、S7又はS8の動作と同一である。そして、ここでは、利用登録車13が出口ゲートから出ることによって出口通過の記録が行われる(処理S16)。すなわち、これにより、利用登録車13の車両番号と通過時刻が記録され、この出口通過の記録が利用登録センター局17へ送信され、利用登録センター局17では課金すなわち通行料の演算が行われる。
【0046】
この演算により算出された通行料金はクレジットカード会社25に請求される(処理S17)。この請求に基づいて、クレジットカード会社25は利用登録車13の利用者つまり携帯電話14の所有者が取り引きする金融機関、例えば銀行26の口座から、上記請求された通行料金の引き落としを行って、上記有料道路の管理機構に支払う。
【0047】
尚、ここで、処理S17の課金請求の処理後の動作では、例えば二つの方法が考えられる。その一つは、先ず、Bで示すルーチンに移って再び処理S3の位置検知から始めて次の入口ゲート接近を検知するものである。この処理動作は頻繁に有料道路を利用する人、あるいは1日のドライブで複数回の有料道路を利用するときに便利である。そして、この場合は通常道路による帰路の走行に入って最終的に有料道路を使わなくなったとき、例えば帰宅したときに、利用者が、Cで示すルーチンに移って利用登録を解除するようにする。尚この場合の利用登録の解除は自動解除ではなく、利用登録センター局17に利用登録解除の電話をして解除を行う。
【0048】
二つ目の方法は、処理S17の処理後に直ちにCで示すルーチンに移って、利用登録の自動解除を行う方法である。この方法は有料道路の出口を出たときに利用登録を自動解除することにより、解除のし忘れによる次回の利用時の不用意な課金を防止することができる。
【0049】
また、利用登録の解除は少なくとも処理S9から処理S16の間は禁止することが必要である。即ち、有料道路の入口通過後で出口通過前に利用登録を解除すると出口での検知ができなくなるため、少なくとも上記処理S9〜S16間は解除禁止の処理を行う必要がある。
【0050】
次に、図4は、上記図3に示すシステムを簡略にすることが可能な変形例を説明するフローチャートである。この変形例の処理動作においては、図4の処理ST1及びST2の処理動作は図3の処理S1及びS2の処理動作とほぼ同様であり、これに続く図4の処理では、図3の処理S3及びS4に相当する処理動作が無くその後の図3の処理S5〜S9の処理動作に相当する処理ST3〜ST7の処理動作となっている。
【0051】
また、図4には図3の処理S10及びS11に相当する処理動作も無く、上記に続く図4の処理ST8〜ST13の処理動作が、図3の処理S12〜S17の処理動作とがほぼ同様となっている。そして、この変形例では、図3の場合と違って、処理ST13に続いて直ちに処理ST14の利用登録の自動解除が行われる。
【0052】
また、図3の処理S2では利用登録情報として車両番号のみの登録を行ったが、図4の処理ST2では車両番号の登録に加えて利用する有料道路の入口と出口も登録する。即ち、例えば中央高速道賂の八王子で入口ゲートに入り、河口湖で出口ゲートを出るというような登録を行う。処理ST3で入口端末18に利用登録情報を送信し、また処理ST8では出口端末19に利用登録情報を送信する。これは利用する有料道路のルートを予め決めているときに適用できる。尚、処理ST3で入口端末18と出口端末19に同時に利用登録情報を送信し、処理ST8を省略しても良い。この利用方法により、図3の処理S3及びS4並びに処理S10及びST11の処理動作が不要となり、本システムのサービスを提供する利用登録センター局17側の負担を軽減することができる。
【0053】
また、この場合、利用登録を申し込んでから所定日以内例えば2日以内に利用がないときは利用登録を自動的に解除することにより、利用登録後に急に予定が変わって解除をし忘れたときに起る不具合を防止できる。
【0054】
尚、本システムの課金方法には、種々の方法が適用できる。まず利用者側から見ると料金所での渋滞が緩和されるという利点があるので、基本利用料金を利用者側に課金し、通常の通行料金を利用者に請求する。また他の方法としては、道路管理者側から見ると料金収受のための係員が不要となるので人件費を削減できるという利点があり、従って基本利用料金を道路管理者から徴収し、利用者には通行料金のみを請求するという方法も考えられる。また道路管理者も利用者も共に利点を享受できるので、道路管理者と利用者の両方から、基本利用料金を適宜に按分して徴収するようにしても良い。
【0055】
また図4に示す変形例の方法は、本システムサービス提供者の負担が軽減されるので、基本利用料金、又は通行料金も含めて図3の場合よりも低額にする(割り引く)ことも可能である。
【0056】
このように、本発明の有料道路料金自動収受システムは、危険防止の観点から自動車の運転中は携帯電話を操作する必要がないように構成され、また特に利用者のデータ量を少なくして料金所の入口と出口の端末設備をできるだけ簡単に構成している。
【0057】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、携帯電話などによる料金自動収受システムを利用することと使用する車両番号とを登録するだけで当該システムの料金所をその場で通行料金を支払うことなく通過できるので、利用者にとっては、携帯電話さえ持っていれば車載器等の特別な装置に出費する初期投資が全く不要であるため経済的であり、また、自己の車両のみならず友人の車両やレンタカーでも直ちに利用できるため使い勝手が良く便利である。
【0058】
また、同様に携帯電話などによる料金自動収受システムを利用することと使用する車両番号との登録を受け付けるだけで有料道路料金自動収受システムを構築でき、有料道路の管理者にとっては料金所に備えてある既存の車両認識用カメラを流用できるため設備投資を最小限で済ませることができて経済的且つ便利である。
【0059】
このように、移動体通信手段として殆どの人が所有している携帯電話あるいはPHSを利用することにより、経済的で簡便な構成の有料道路料金自動収受システムを構築することができる。
【0060】
また、料金自動収受システムを利用することと使用する車両番号との登録を運転開始前に行っておくだけで良いので、運転中に携帯電話を操作する必要が全く無く、これにより、安全運転上からも極めて好ましいシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の有料道路料金自動収受システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】一実施形態の有料道路料金自動収受システムにおける携帯電話の位置検知を自動的に行う方法を示す図である。
【図3】一実施形態の有料道路料金自動収受システムにおける処理のフローチャートである。
【図4】一実施形態の有料道路料金自動収受システムにおける処理の変形例のフローチャートである。
【図5】 (a) は現在実現されているETCにおける料金所の概略を示す俯瞰図、(b) は通過車両側に備えられる車載器の例を示す図、(c) はその車載器に挿入して用いられるICカードの例を示す図である。
【符号の説明】
1 料金所
2 道路側アンテナ
3 車両
4 車載器
5 双方向無線通信
6 液晶表示装置
7 入力操作ボタン
8 報知灯
9 カード挿入口
11 ICカード
12(12a、12b) ゲート
13 自動車
14 携帯電話
15 基地局
15−1 基地局A
15−2 基地局B
15−3 基地局C
16 移動体通信管理センター局
17 利用登録センター局
18 入口端末
19 出口端末
21 入口カメラ
22 入口ゲート
23 出口カメラ
24 出口ゲート
25 クレジットカード会社
26 銀行
Claims (4)
- 移動体通信手段より有料道路の管理センターヘ接続して有料道路料金自動収受システムを利用すること及び利用する車両の車両番号を登録し、該登録された前記移動体通信手段が前記有料道路の入口ゲートに接近したことを示す情報に基づき、前記管理センターから前記入口ゲートの端末に前記車両番号を含む接近情報を送出する接近情報送出手段と、前記有料道路の入口及び出口に前記車両番号を検知することにより前記登録した車両の通過を検知する検知手段を備え、該入口及び出口の前記登録した車両の検知に基づき、前記有料道路の通行料金を前記移動体通信手段の所有者に課金する有料道路料金自動収受システム。
- 登録した車両が少なくとも入口を通過した検知に基づきシステムの基本料金を前記移動体通信手段の所有者に課金することを特徴とする請求項1記載の有料道路料金自動収受システム。
- 登録した車両が少なくとも入口を通過した検知に基づきシステムの基本料金を有料道路の管理者に課金することを特徴とする請求項1記載の有料道路料金自動収受システム。
- 登録した車両が少なくとも入口を通過した検知に基づきシステムの基本料金を案分して前記移動体通信手段の所有者及び前記有料道路の管理者に課金することを特徴とする請求項1記載の有料道路料金自動収受システム。
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