JP3901928B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによるアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は、従来の自動車等に使用される電動パワーステアリング装置に係る制御装置の概略を示す。
【0003】
ステアリングホイール41に連結したステアリングシャフト42には、トーションバー43が設けられている。このトーションバー43には、トルクセンサ44が装着されている。そして、ステアリングシャフト42が回転してトーションバー43に力が加わると、加わった力に応じてトーションバー43が捩れ、その捩れをトルクセンサ44が検出している。
【0004】
又、ステアリングシャフト42には減速機45が固着されている。この減速機45には、モータ46の回転軸に取着したギア47が噛合されている。更に、減速機45にはピニオンシャフト48が固着されている。ピニオンシャフト48の先端には、ピニオン49が固着されるとともに、このピニオン49はラック51と噛合している。
【0005】
ラック51の両先端には、タイロッド52が固設されている。このタイロッド52の両端には、ナックル53が回動可能に連結されている。このナックル53には、前輪54が固着されている。又、ナックル53は、クロスメンバ55に回動可能に連結されている。
【0006】
従って、モータ46が回転すると、その回転数は減速機45によって減少されてピニオンシャフト48に伝達され、ラック&ピニオン機構50を介してラック51に伝達される。そして、ラック51に固設されたタイロッド52に連結されたナックル53は、モータ46の回転方向に応じて右方向又は左方向に移動する。尚、前輪54には車速センサ56が設けられている。
【0007】
そして、前記モータ46の回転数及び回転方向は、モータ駆動装置57から供給される正負のアシスト電流によって決定されている。このモータ駆動装置57がモータ46に供給するアシスト電流は、モータ駆動装置57を制御するアシスト電流決定手段58によって演算されている。アシスト電流決定手段58は、CPU等から構成され、トルクセンサ44からの検出信号からその時々のステアリングホイール41の操舵トルクを演算するとともに、車速センサ56からの検出信号からその時々の車速を演算する。
【0008】
そして、アシスト電流決定手段58は、この演算した操舵トルクと車速に基づいてアシスト電流(アシスト電流指令値)を算出する。この算出は、アシスト電流決定手段58内のメモリに予め記憶したアシストマップから求められる。そして、アシスト電流決定手段58はアシストトルクを発生させるモータ46の電流を前記アシスト電流(アシスト電流指令値)となるように制御する。
【0009】
しかし、前記アシストマップはある特定の路面反力状況(例えば平坦アスファルト路)で設定した値であって、路面反力状況が変わってしまう、すなわち、雪路等の低μ路やタイヤの空気圧低下、タイヤの諸元(摩耗、タイヤ種類等)が変わると、路面反力が変わり、そのため操舵力が変化してしまい、フィーリングの悪化を招いていた。
【0010】
又、操舵角に対する操舵トルクの立ち上がり(ビルドアップ感)を操舵フィーリングの判定の指標としているが、前記制御装置においては、操舵トルクと車速に対しアシスト電流を決定しているため、操舵角に対し所定の操舵トルクを出す(すなわち、ビルドアップ感を出す)ためのマップデータを設定することが非常に難しい問題があった。
【0011】
又、早い操舵等をしてモータや減速機等による慣性、粘性による外乱トルクが発生すると、アシスト電流決定手段ではこの外乱トルクを打ち消すことができないため、別途慣性、粘性を打ち消す制御が必要であった。
【0012】
又、左右に操舵した時の操舵トルクのヒステリシスのコントロールが自由に設定できず、理想の操舵フィーリングを実現するための自由度が低い問題があった。
【0013】
そこで、これらのような不具合を解決するために、本出願人は、操舵角、車速に応じて目標操舵トルクを設定し、操舵トルクと目標操舵トルク及びモータ電流によりアシスト電流指令値を決定してモータを制御(以下、MA−MT制御という。)する装置を提案している。
【0014】
すなわち、ステアリングシャフト42の操舵角を検出する操舵角センサ59(図16においては2点鎖線で示す)を設け、この装置のアシスト電流決定手段58は、操舵角センサ59からの操舵角と車速に基づいて目標操舵トルクを設定する。
【0015】
さらに、操舵トルク、前記目標操舵トルク、及びモータ46のモータ電流とに基づいてアシスト電流(アシスト電流指令値)を算出する。
この結果、車速と操舵角に対する目標操舵トルクを自由に設定でき、操舵角に対する操舵トルクの傾きが容易に設定可能となり、ビルドアップ感の適合が容易に行われる。又、路面反力が低下したり、モータ46やモータ46に接続される減速機45等による粘性や慣性により実操舵トルクが減少したり、増加したりしても、操舵トルクが目標操舵トルクとなるようにアシスト電流(アシスト電流指令値)を調整する作用が働き、安定した操作フィーリングの提供が可能となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の装置において、走行中にある操舵角だけ操舵し、ステアリングホイール(ハンドル)41を手放しした状態を想定する。すると、目標操舵トルクを設定する場合、その時点での操舵角、車速における目標操舵トルクが設定される。しかし、手放ししたことにより、操舵トルク(実操舵トルク)が0となり、目標操舵トルクにするためにアシスト電流決定手段58ではアシストするためのモータ電流を減少させていずれゼロとなる。ハンドル41を手放しした時点でタイヤに働くセルフアライニング(SAT)によりハンドル41は中立位置方向へ戻される。しかし、低速走行時にはこのSATは小さく、電動パワーステアリング装置の内部摩擦がまさり、ハンドル41が途中で止まったり、高速走行時では、このSATは大きく、モータ46や減速機45等の回転体の慣性により、電動パワーステアリング装置の内部摩擦があっても、ハンドル41の中立位置を超えてハンドル51がオーバシュートしてしまい、ハンドル41が中立位置に収斂するのに時間がかかり車両がふらつく問題がある。
【0017】
又、高速走行時に手放ししていなくてもハンドル41が中立位置付近では、操舵トルク(実操舵トルク)が微少になり、上記制御によるアシスト電流指令値がゼロとなる領域があり、モータ46や減速機45等の回転体の慣性によりハンドル41がオーバシュートしてしまいハンドル41の収斂性が悪化する問題があった。
【0018】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、操舵トルクが検出されない、又は微少な場合のMA−MT制御において、低速走行時にはハンドル戻り特性を良好にし、高速走行時にはハンドルの収斂性を良好にする電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータ電流指令値に基づいてモータを駆動制御する制御手段を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、操舵角及び車速に基づいて目標操舵トルクを設定する目標操舵トルク設定手段と、操舵トルク、前記目標操舵トルク、及び前記モータのモータ電流とに基づいてアシスト電流指令値を演算するアシスト電流演算手段と、操舵角及び車速に基づいてハンドルを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定する目標操舵角設定手段と、前記目標操舵角と操舵角の偏差及び車速に基づいて目標操舵角速度を設定する目標操舵角速度設定手段と、前記目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基づいて目標収斂電流を設定する目標収斂電流設定手段と、操舵トルクに基づいてハンドルの手放し判定を行う手放し判定手段を備え、前記手放し判定手段の判定結果に基づいて、目標収斂電流設定手段の目標収斂電流の出力を、有効にし或いは抑制して、前記アシスト電流指令値に加算してモータ電流指令値とすることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0021】
請求項の発明は、請求項1において、目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の積分値に基づいて第2収斂電流を算出し、両収斂電流を加算して目標収斂電流を設定する電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0022】
請求項の発明は、請求項1において、目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の微分値に基づいて第3収斂電流を算出し、両収斂電流を加算して目標収斂電流を設定する電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0023】
請求項の発明は、請求項1において、目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の積分値に基づいて第2収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の微分値に基づいて第3収斂電流を算出し、これらの収斂電流を加算して目標収斂電流を設定する電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0024】
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のうちいずれか1項において、前記中立位置には、所定の残留角範囲を含み、前記目標操舵角設定手段は、車速が低速時には、この残留角の範囲内にハンドルを戻すように目標操舵角を設定する電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0025】
(作用)
請求項1の発明によれば、目標操舵トルク設定手段は、操舵角及び車速に基づいて目標操舵トルクを設定する。アシスト電流演算手段は、操舵トルク、前記目標操舵トルク、及び前記モータのモータ電流とに基づいてアシスト電流指令値を演算する。目標操舵角設定手段は、操舵角及び車速に基づいてハンドルを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定する。
【0026】
目標操舵角速度設定手段は、前記目標操舵角と操舵角の偏差及び車速に基づいて目標操舵角速度を設定する。又、目標収斂電流設定手段は、前記目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基づいて目標収斂電流を設定する。
【0027】
そして、制御手段は、目標収斂電流と前記アシスト電流指令値とを加算して得たモータ電流指令値に基づいてモータを駆動制御する。
さらに、手放し判定手段は、操舵トルクに基づいてハンドルの手放し判定を行う。この手放し判定手段の判定結果に基づいて、目標収斂電流設定手段の目標収斂電流の出力を、有効にし或いは抑制して、前記アシスト電流指令値に加算して得た値をモータ電流指令値とする。
【0028】
請求項の発明によれば、目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の積分値に基づいて第2収斂電流を算出し、両収斂電流を加算して目標収斂電流を設定する。
【0029】
請求項の発明によれば、目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の微分値に基づいて第3収斂電流を算出し、両収斂電流を加算して目標収斂電流を設定する。
【0030】
請求項の発明によれば、目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の積分値に基づいて第2収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の微分値に基づいて第3収斂電流を算出し、これらの収斂電流を加算して目標収斂電流を設定する。
【0031】
請求項の発明によれば、目標操舵角設定手段は、車速が低速時には、残留角の範囲内にハンドルを戻すように目標操舵角を設定する。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を、自動車に搭載したラックアシスト型の電動パワーステアリング装置の制御装置に具体化した実施形態を図1〜図14に従って説明する。
【0033】
図1は、電動パワーステアリング装置の概略を示す。
ハンドルとしてのステアリングホイール1に連結したステアリングシャフト2には、トーションバー3が設けられている。なお、説明の便宜上、ステアリングホイール1を以下、ハンドル1ということがある。このトーションバー3には、トルクセンサ4が装着されている。そして、ステアリングシャフト2が回転してトーションバー3に力が加わると、加わった力に応じてトーションバー3が捩れ、その捩れ、即ちステアリングホイール1にかかる操舵トルクThをトルクセンサ4が検出している。又、ステアリングシャフト2にはステアリングシャフト2の操舵角θを検出する操舵角センサ17が装着されている。これらのセンサ出力は制御装置20へ供給される。
【0034】
又、ステアリングシャフト2にはピニオンシャフト8が固着されている。ピニオンシャフト8の先端には、ピニオン9が固着されるとともに、このピニオン9はラック10と噛合している。前記ラック10とピニオン9とによりラック&ピニオン機構11が構成されている。前記ラック10の両端には、タイロッド12が固設されており、そのタイロッド12の先端部にはナックル13が回動可能に連結されている。このナックル13には、タイヤとしての前輪14が固着されている。又、ナックル13の一端は、クロスメンバ15に回動可能に連結されている。又、ラック10と同軸的に配置された電動モータ(以下、モータという)6は、モータ6が発生した補助操舵力をボールナット機構6aを介してラック10に伝達する。
【0035】
従って、モータ6が回転すると、その回転数はボールナット機構6aによって減少されてラック10に伝達される。そして、ラック10は、タイロッド12を介してナックル13に設けられた前輪14の向きを変更して車両の進行方向を変えることができる。
【0036】
前輪14には、車速センサ16が設けられている。
次に、この電動パワーステアリング装置の電気的構成を図1に示す。
トルクセンサ4は、ステアリングホイール1の操舵トルクThを示す信号を出力している。操舵角センサ17はステアリングシャフト2の操舵角θを示す操舵角信号を出力している。車速センサ16は、その時の車速Vを示す前輪14の回転数に相対する検出信号を出力している。又、制御装置20には、モータ6に流れる駆動電流(モータ電流Im、モータ電流値に相当)を検出するモータ駆動電流センサ18が電気的に接続されており、モータ駆動電流センサ18からのモータ電流Imを示す信号が供給されている。
【0037】
制御装置20は、制御手段としての中央処理装置(CPU)21、読み出し専用メモリ(ROM)22及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専用メモリ(RAM)23を備えている。
【0038】
このROM22には、CPU21により実行される各種制御プログラムが格納されている。RAM23は、CPU21が演算処理を行うときの演算処理結果等を一時記憶する。
【0039】
前記制御装置20の出力側にはモータ駆動装置24が接続されており、制御装置20からの制御信号に基づいてモータ6を駆動するようになっている。前記モータ駆動装置24は、後述するCPU21のPWM演算に基づいてPWM制御をするためのFET等のパワー素子(図示しない)を備えている。
【0040】
前記CPU21は、目標操舵トルク設定手段、アシスト電流演算手段、目標操舵角設定手段、目標操舵角速度設定手段、目標収斂電流設定手段、手放し判定手段に相当する。
【0041】
次に、図2〜図14を参照して、アシスト制御を説明する。
なお、以下のCPU21内部の機能の説明では、「車速V」、「操舵トルクTh」、「操舵角θ」等の各種パラメータは、説明の便宜上、それらの対応する信号の意味として使用するものとする。
【0042】
図2は、CPU21の制御ブロック図である。この実施形態ではCPU21内部は、プログラムで実行される機能を示している。例えば、位相補償器30は独立したハードウエアではなく、CPU21内部で実行される位相補償機能を示している。同じく図4、図7〜図10、及び図14は、CPU21がプログラムによって実行する処理機能を制御ブロック図で示しており、実際のハード構成を意味するものではない。
【0043】
以下、CPU21の機能と動作を説明する。
まず、説明の便宜上、MA−MT制御による車速感応アシスト制御について説明し、その後、収斂制御について説明する。
【0044】
(MA−MT制御による車速感応アシスト制御)
CPU21は、図2に示すように位相補償器30,35、アシスト電流決定手段として電流指令値演算部31、目標操舵トルク設定手段として目標操舵トルク設定部32、減算器33、電流制御部34、目標操舵角設定手段、目標操舵角速度設定手段、及び目標収斂電流設定手段としての収斂制御部81、手放し判定手段としての手放し判定部82、乗算器83、加算器84等の機能を備えている。
【0045】
目標操舵トルク設定部32は、車速センサ16から車速V、操舵角センサ17から操舵角信号を入力し、目標操舵トルクTh*の設定を行う。前記操舵角信号は位相補償器35を介して目標操舵トルク設定部32に入力されるようになっている。即ち、位相補償器35は、操舵角センサ17が出力した操舵角信号を、位相を進ませる位相補償し、操舵角θとして目標操舵トルク設定部32に出力するようになっている。
【0046】
更に詳しく説明すると、位相補償器35は、図4に示すように、微分器36とゲイン乗算部37と、加算器38とから構成されている。
微分器36では、操舵角センサ17からの操舵角信号を微分して操舵角速度Sを求め、ゲイン乗算部37では、その操舵角速度Sに予め設定したゲインTを乗算した値STを加算器38に出力する。前記ゲインTは、操舵角信号の位相遅れにより、操舵角信号に対する操舵トルク(実操舵トルク)Thが狙った目標操舵トルクTh*に一致しない現象が生じないように予め試験等よって得られた値に基づいて定められている。加算器38は、操舵角信号に対してSTを加算して位相を進ませた値(本実施形態では、これを操舵角θという。)とし、目標操舵トルク設定部32に出力するようになっている。
【0047】
図5に示すように、前記目標操舵トルク設定部32は、互いに異なる複数の所定の車速Vに対応した複数の目標操舵トルク設定マップを備えている。車速Vが高速になるにつれて、車速Vが低速の場合に比して目標操舵トルク設定マップは目標操舵トルクThの傾きが急になる設定をしている。
【0048】
具体的に、目標操舵トルクTh*の設定の仕方を、CPU21が実行する目標操舵トルク設定ルーチンのフローチャート(図3参照)に従って説明する。
まず、S10において、操舵角θを読込み、S11において、現在の操舵状態が右操舵(右方向への操舵)か左操舵(左方向への操舵)であるか、或いは保舵している状態なのかを判定するために、操舵角θを微分して操舵角速度dθ/dtを算出する。
【0049】
次のS12において、操舵角速度がゼロ近傍(|dθ/dt|≦ε、εは微少な値である定数)の場合には、保舵しているものと判定し(S12において、「YES」と判定し)、S17において前回の制御サイクル時に判定した操舵方向(前回値操舵方向)を今回の操舵方向とし、S14に移行する。
【0050】
操舵角速度dθ/dtがゼロ近傍でない場合(S12において、「NO」と判定した場合)には、S13において操舵角速度dθ/dtの符号を見て、操舵方向を判定する。
【0051】
次にS14において、車速Vに対し、予めROM22に記憶されている複数の目標操舵トルク設定マップのうち、車速Vに近い車速に係る目標操舵トルク設定マップを検策する。この車速Vに近い、マップ側の車速をV1,V2とする(V1≦V<V2)。
【0052】
なお、目標操舵トルク設定マップは、図5に示すように、各速度毎に、右操舵及び左操舵に対応して、目標操舵トルクが求められるようにされている。
次のS15において、検索した車速V1,V2の目標操舵トルク設定マップから、先にS13において判定した操舵方向に基づいて、操舵角θに応じて仮目標操舵トルクTh1*、Th2*をそれぞれ求める。続く、S16において、車速Vに対し線形補間の式にて、車速V、操舵角θに対する目標操舵トルクTh*を算出する。
【0053】
なお、前記線形補間の式は下記の式である。
Th*=(Th2*−Th1*)/(V2−V1)×(V−V1)+Th1*
次に電流指令値演算部31について説明する。
【0054】
トルクセンサ4から入力された操舵トルクThは、位相補償器30で操舵系の安定を高めるために位相補償され、電流指令値演算部31に入力される。又、車速センサ16で検出された車速V、モータ駆動電流センサ18で検出されたモータ電流Im及び目標操舵トルク設定部32からの目標操舵トルクTh*はそれぞれ電流指令値演算部31に入力される。
【0055】
電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTh、車速V、目標操舵トルクTh*、モータ電流Imに基づいて、モータ6に供給する電流の制御目標値である車速感応アシスト指令値(アシスト電流指令値に相当する)Iを決定する。
【0056】
電流指令値演算部31は、図7に示すように不感帯幅設定部25、車速感応アシストトルク演算部26とを備えている。
不感帯幅設定部25は、車速Vに基づき、図8に示すように、ROM22に予め格納された不感帯幅マップMPを使用して、通電しない操舵トルクの不感帯幅T0を求め、車速感応アシストトルク演算部26に供給する。なお、不感帯幅マップMPは、車速Vと、不感帯幅T0からなる二次元マップからなり、車速Vから、一義的に不感帯幅T0が求められる。
【0057】
車速感応アシストトルク演算部26は、図6に示すように、目標操舵トルク設定部32で求められた目標操舵トルクTh*が前記不感帯幅T0(すなわち、図6では、不感帯幅T0は、−T0〜T0の間のことである。)の中にある場合には、車速感応アシスト指令値(アシスト電流指令値に相当する、以下、アシスト電流指令値という。)Iを0と決定し、この値を減算器33に出力する。
【0058】
目標操舵トルクTh*が不感帯幅T0の範囲外の場合には、現時点での操舵トルクThとモータ電流Imで演算されるラック推力と、目標操舵トルクTh*、アシスト電流指令値Iでのラック推力が釣り合うようにアシスト電流指令値Iを設定する。
【0059】
以下に、ラックアシスト型である電動パワーステアリング装置の制御装置20におけるアシスト電流指令値Iの決定の仕方について説明する。
ラックアシスト型の場合、操舵トルクTh、モータ電流Imの時のラック推力Fは下記の(A)式で求まる。
【0060】
F = Fm + Fh ……(A)
ここで、Fmはモータ6がアシストする推力、Fhはハンドル操舵による推力であり、下記の式でそれぞれ求めることができる。
【0061】
Fm=2π・Tm・ηb/L ……(B)
Fh=2π・Th・ηp/St ……(C)
上記(B)中、Tmはモータトルクを表し、
Tm=Kt×Im ……(D)
で求まる。
【0062】
なお、Tmはモータトルク、ηbはボールナット機構6aのボールねじ効率、Lはそのボールねじリードである。Thは操舵トルク、ηpは前記ラック&ピニオン機構11のラック&ピニオンギヤ効率、Stはそのストローク比である。又、Ktはトルク定数である。
【0063】
従って、上記の(A)式を用いて、車速V、操舵角θにおける目標操舵トルクTh*、アシスト電流指令値Iのときのラック推力F(以下、この推力をF(Th*,I)で表す。)と、操舵トルクTh、モータ電流Imのときのラック推力F(以下、この推力をF(Th,Im)で表す。)が等しくなるようにアシスト電流指令値Iを設定する。
【0064】
F(Th*,I)=F(Th,Im)に、上記(B)、(C)、(D)を代入して、Iを求めれば、下記の式となる。
I=Im+(Th−Th*)L・ηp/(St・Kt・ηb)
このようにして得られたアシスト電流指令値Iを加算器84に出力する。
【0065】
なお、アシスト電流指令値Iが目標操舵トルクTh*と逆符号、すなわち、逆アシストとなる場合には、アシスト電流指令値Iをゼロと決定して、加算器84に出力する。
【0066】
従って、本実施形態においては、操舵角θ、車速Vに応じて目標操舵トルクTh*を設定し、操舵トルクThと目標操舵トルクTh*及びモータ電流Imによりアシスト電流指令値Iを制御(MA−MT制御)する。
【0067】
加算器84は、前記MA−MT制御によって電流指令値演算部31から出力されたアシスト電流指令値Iと、後述する収斂制御によって算出された目標収斂電流Ihd*とを加算して、モータ電流指令値Ioを減算器33に出力する。
【0068】
減算器33は、前記加算器84から入力されるモータ電流指令値Ioと実際のモータ電流Imとの差に相当する信号(アシスト電流制御値に相当する)を電流制御部34に出力する。
【0069】
電流制御部34は本実施形態では、公知のPI制御を行うようにされており、減算器33の出力と実際のモータ電流Imとの差に相当する信号に基づいてフィードバック制御を行うべくモータ駆動装置24に供給する。すなわち、電流制御部34では、モータ電流がモータ電流指令値IoとなるようにPWM演算を行い、その演算結果に基づいてモータ6を駆動する。この結果、モータ駆動装置24を介してモータ6を駆動制御することにより、モータ6による適正なアシスト力が得られる。
【0070】
(収斂制御)
次に、CPU21は、さらに、収斂制御部81、手放し判定部82の機能を備えており、それらについて説明する。
【0071】
まず、収斂制御部81について説明する。
図9に示すように、収斂制御部81は、目標操舵角設定部86、目標操舵角速度設定部87、目標収斂電流設定部88、微分器89及び減算器90,91とを備えている。収斂制御部81には、車速センサ16から検出された車速V、及び操舵角センサ17から検出され、位相補償器35にて位相補償された操舵角θが入力される。そして、収斂制御部81は、入力された車速V及び操舵角θに基づいて、ステアリングホイール1を略中立位置まで収束させるための目標収斂電流Ihd*を決定する。
【0072】
詳しく説明すると、図10に示すように、前記目標操舵角設定部86は、符号判定部92、目標操舵絶対角設定部93、乗算器94、及び目標操舵角演算部95とを備えている。
【0073】
目標操舵絶対角設定部93は、車速Vに基づき、ROM22に予め格納された目標操舵絶対角設定マップを使用して、車速Vに応じた目標操舵角θ*の絶対値、即ち、目標操舵絶対角| θ*** |を求め、乗算器94に出力する。なお、前記目標操舵角θ*は、ステアリングホイール1を中立位置へ戻すための値であり、前記中立位置は、所定の残留角範囲を含んでいる。
【0074】
具体的には、通常、中高速ではハンドル1を中立位置、すなわち、0度までを戻すのが普通であるが、低速では0度まで戻すのは従来の油圧パワーステアリング装置と比較して不自然であるため、完全に中立位置までは戻さずある程度の残留角を持たせるように設定する。
【0075】
このため、前記目標操舵絶対角設定部93は、目標操舵絶対角設定マップにて、車両の低速時に、ステアリングホイール1を操舵する場合に、中立位置から所定の残留角範囲内に戻るように目標操舵絶対角| θ*** |を設定する。演算される目標操舵絶対角| θ*** |は、車速Vが低速になるほど大きくなり、所定の車速V以上においては、目標操舵絶対角| θ*** |は0になる。
【0076】
符号判定部92は、操舵角θに基づいた符号を判定して、その符号信号を乗算器94に出力する。即ち、操舵角θが右操舵を示している場合は+1を乗算器94に出力する一方で、左操舵を示している場合は−1を乗算器94に出力する。
【0077】
乗算器94では、前記符号判定部92からの符号信号、及び目標操舵絶対角設定部93からの目標操舵絶対角| θ*** |を乗算する。そして、目標操舵絶対角| θ*** |に符号を持たせ、暫定目標操舵角θ**として目標操舵角演算部95に出力する。
【0078】
目標操舵角演算部95は、前記暫定目標操舵角θ**、及び操舵角θに基づいて目標操舵角θ*を図9に示す減算器90に出力する。ここで、具体的に、目標操舵角演算部95における目標操舵角θ*の設定の仕方を、CPU21が実行する目標操舵角演算ルーチンのフローチャート(図11参照)に従って説明する。
【0079】
まず、S21において、暫定目標操舵角θ**を読込む。次にS22において、実際の操舵絶対角(即ち、操舵角θの絶対値をとった値)| θ |が、暫定目標操舵絶対角(即ち、暫定目標操舵角θ**の絶対値をとった値)| θ** |より小さいか否かを判定する。即ち、暫定目標操舵角θ**と現在の操舵角θとの大小関係の比較をする。
【0080】
現在の操舵角θが暫定目標操舵角θ**よりも中立位置側にある場合、換言すれば、操舵絶対角| θ |が暫定目標操舵絶対角| θ** |より小さい場合は(| θ |<| θ** |、即ち、S22の判定がYES)、S23に進む。そして、S23において、実際の操舵角θを目標操舵角θ*として設定し(θ=θ*)、出力する。
【0081】
一方、暫定目標操舵角θ**の方が現在の操舵角θよりも中立位置に近い場合、即ち、操舵絶対角| θ |が、暫定目標操舵絶対角| θ** |以上の場合は(| θ |≧| θ** |、即ち、S22の判定がNO)は、S24に進む。そして、S24において、暫定目標操舵角θ**を目標操舵角θ*として設定し、(θ**=θ*)、出力する。
【0082】
図9に示すように、減算器90では、前記目標操舵角θ*と操舵角θから、その偏差(以下、「操舵角偏差」という。)Δθを算出し、目標操舵角速度設定部87に出力する。目標操舵角速度設定部87は、前記操舵角偏差Δθと、車速Vを入力し、ROM22に予め格納された目標操舵角速度設定マップに基づいて、目標操舵角速度Q*を求め、減算器91に出力する。前記、目標操舵角速度設定マップは、操舵角偏差Δθと、車速Vと、目標操舵角速度Q*からなる三次元マップであり、操舵角偏差Δθと、車速Vに応じて目標操舵角速度Q*が決定される。なお、本明細書では、以下、大文字Qは、角速度の意味で使用する。
【0083】
そして、減算器91には、前記目標操舵角速度Q*と、微分器89で操舵角θを微分して得た操舵角速度Qとが入力される。そして、減算器91にてその偏差(以下、「操舵角速度偏差」という。)ΔQを算出し、目標収斂電流設定部88に出力する。
【0084】
目標収斂電流設定部88は、第1〜第3収斂電流設定部96〜98、積分器99、微分器100、及び加算器101とを備えている。
第1収斂電流設定部96には、車速Vと、前記操舵角速度偏差ΔQが入力される。第1収斂電流設定部96は、ROM22に予め格納された第1収斂電流設定マップを使用して、第1収斂電流Ihd1*を算出し、加算器101に出力する。第1収斂電流設定マップは、操舵角速度偏差ΔQと、車速Vと、第1収斂電流Ihd1*からなる三次元マップである。そして、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏差ΔQに応じて、同操舵角速度偏差ΔQに比例した第1収斂電流Ihd1*が設定される。即ち、第1収斂電流Ihd1*は、第1収斂電流設定部96により所謂P制御にて加算器101に出力される。
【0085】
第2収斂電流設定部97には、車速Vと、積分器99で操舵角速度偏差ΔQを積分して得た操舵角速度偏差積分値sum_ΔQとが入力される。第2収斂電流設定部97は、ROM22に予め格納された第2収斂電流設定マップを使用して、第2収斂電流Ihd2*を算出し、加算器101に出力する。第2収斂電流設定マップは、操舵角速度偏差積分値sum_ΔQと、車速Vと、第2収斂電流Ihd2*とからなる三次元マップである。そして、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏差積分値sum_ΔQに応じて、同操舵角速度偏差積分値sum_ΔQに比例した第2収斂電流Ihd2*が設定される。即ち、第2収斂電流Ihd2*は、積分器99及び第2収斂電流設定部97とにより、所謂I制御にて加算器101に出力される。
【0086】
第3収斂電流設定部98には、車速Vと、微分器100で操舵角速度偏差ΔQを微分して得た操舵角速度偏差微分値d_ΔQとが入力される。第3収斂電流設定部98は、ROM22に予め格納された第3収斂電流設定マップを使用して、第3収斂電流Ihd3*を算出し、加算器101に出力する。第3収斂電流設定マップは、操舵角速度偏差微分値d_ΔQと、車速Vと、第3収斂電流Ihd3*とからなる三次元マップである。そして、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏差微分値d_ΔQに応じて、同操舵角速度偏差微分値d_ΔQに比例した第3収斂電流Ihd3*が設定される。即ち、第3収斂電流Ihd3*は、微分器100及び第3収斂電流設定部98とにより、所謂D制御にて加算器101に出力される。
【0087】
そして、加算器101は、前記第1〜第3収斂電流Ihd1*〜Ihd3*を加算して算出される目標収斂電流Ihd*を、図2に示すように、乗算器83に出力する。
【0088】
従って、本実施形態においては、操舵角θ及び車速Vに応じて目標操舵角θ*を設定し、目標操舵角θ*と操舵角θの偏差(操舵角偏差Δθ)及び車速Vにより、目標操舵角速度Q*を設定し、目標操舵角速度Q*と操舵角速度Qの偏差(操舵角速度偏差ΔQ)及び車速Vにより、目標収斂電流Ihd*を制御(以下、この制御を収斂制御という。)する。
【0089】
次に、手放し判定部82について説明する。
手放し判定部82にはトルクセンサ4から検出された操舵トルクThが入力される。また、図14に示すように、手放し判定部82は、手放し判定マップを備えている。そして、このマップを使用して、操舵トルクThが0近傍のとき、即ち、ステアリングホイール1に手を軽く触れている程度、又は手放ししている状態のときには、「1」を乗算器83に出力する。一方、操舵トルク|Th|>X(Xは定数)のように、ある値X以上になると、「0」を乗算器83に出力する。
【0090】
図2に示すように、乗算器83は、収斂制御部81からの収斂電流Ihd*と手放し判定部82から出力される「1」又は「0」の出力信号を入力し、乗算する。そして、前記手放し判定部82からの出力信号が「1」であった場合は、前記目標収斂電流Ihd*を加算器84に出力する。一方、手放し判定部82からの出力信号が「0」であった場合は、「0」という信号を出力する。
【0091】
(収斂制御のフローチャート)
次に、CPU21が前記収斂制御において実行する一連の処理のフローチャートについて図12及び図13に従って簡潔に説明する。なお、このフローチャートは、収斂制御部81及び手放し判定部82にて設定された目標収斂電流Idh*が、加算器84に出力されるまでの処理である。
【0092】
S101において、車速センサから検出した車速Vを演算し、S102において、操舵角センサ17の検出信号に基づいて操舵角を求め、操舵角速度Sに応じて位相補償を行い、得られた操舵角をθとする(位相補償器35の処理)。
【0093】
次のS103では車速V、操舵角θに基づき目標操舵角θ*を求める(目標操舵角設定部86の処理)。
次に、S104において、S103で求めた目標操舵角θ*とS102で求めた操舵角θとの操舵角偏差Δθ(=θ*−θ)を演算する(減算器90の処理)。そして、S105で車速V、操舵角偏差Δθに基づいて目標操舵角速度Q*を演算する(目標操舵角速度設定部87の処理)。
【0094】
S106では、目標操舵角速度Q*と操舵角速度Qとの操舵角速度偏差ΔQ(=Q*−Q)を求める(減算器91の処理)。
そして、S107〜S112にて目標収斂電流Ihd*を設定する。なお、このS107〜S112は目標収斂電流設定部88の処理に相当する。
【0095】
S107では、操舵角速度偏差ΔQと車速Vに基づいて、P制御を行い、P制御による第1収斂電流Ihd1*を演算する(第1収斂電流設定部96の処理)。
【0096】
S108では、前回制御サイクル時における操舵角速度偏差ΔQの積分値(即ち操舵角速度偏差積分値)sum_ΔQに対してΔQ×tを加算して、今回制御サイクル時の操舵角速度偏差積分値sum_ΔQとして更新する。すなわち、積分処理を行う(積分器99の処理)。なお、tは演算周期(すなわち、この制御フローの制御周期)である。
【0097】
S109では前記S108で得た今回制御サイクル時における操舵角速度偏差積分値sum_ΔQと車速Vに基づいて、I制御を行い、I制御による第2収斂電流Ihd2*を演算する(第2収斂電流設定部97の処理)。
【0098】
S110では、操舵角速度偏差ΔQの微分値(即ち、操舵角速度偏差微分値)d_ΔQ=(ΔQ−pre_ΔQ)/tを演算する。なお、ΔQは、今回制御サイクル時の値、pre_ΔQは前回制御サイクル時の値である。
【0099】
そして、今回制御サイクル時のΔQを、前回制御サイクル時のpre_ΔQとして更新する(微分器100の処理)。
そして、S111で、操舵角速度偏差微分値d_ΔQと車速Vに基づいてD制御を行い、D制御による第3収斂電流Ihd3*を演算する(第3収斂電流設定部98の処理)。
【0100】
S112でPID制御を合成した目標収斂電流Ihd*(=Ihd1* +Ihd2* +Ihd3*)を求める(加算器101の処理)。
S113では操舵トルクThにより、手放し判定を行い、ゲイン(即ち、「0」或いは「1」の値)ηを演算する(手放し判定部82の処理)。このとき、手放ししていると判定した場合には、ゲインηは「1」、そうでない場合(すなわち、保舵又は操舵している場合)は、ゲインηは「0」とする。
【0101】
S114では、操舵・保舵中と判定、すなわち、収斂制御の動作を禁止する場合(ゲインη=0、乗算器83の処理)、S115でI制御で使用する積分項(すなわち、S108で更新した今回制御サイクル時の操舵角速度偏差積分値sum_ΔQ)を0にクリアして再度収斂制御が有効になった時の積分項による誤動作を防止する。
【0102】
S116では、手放し判定で得られたゲインη(=「1」)で、S112で求めた目標収斂電流Ihd*を補正して最終的な目標収斂電流Ihd*を求める。すなわち、操舵・保舵中は目標収斂電流Ihd*が0に補正されて収斂制御が禁止される。手放しの場合には、収斂制御される。
【0103】
図2に示すように、加算器84は、乗算器83からの乗算の結果(即ち、目標収斂電流Ihd*又は「0」の出力信号)と電流指令値演算部31からのアシスト電流指令値Iを入力し、加算してモータ電流指令値Ioを減算器33に出力する。
【0104】
ここで、ステアリングホイール1が操舵又は保舵されており、所定の操舵トルクThが検出されている場合は、手放し判定部82からは「0」の出力信号が出力される。このため、前記加算器84からは、MA−MT制御のアシスト電流指令値Iがモータ電流指令値Ioとして減算器33に出力される。
【0105】
一方、ステアリングホイール1に手を軽く触れている程度、又は手放ししている状態の場合には、操舵トルクThが電流指令値演算部31に入力されない、また、入力されても微少な値となる。このため、MA−MT制御のアシスト電流指令値Iは、加算器84に入力されない。また、入力されたとしても僅かな値である。従って、このとき、減算器33には、アシスト電流指令値Iに目標収斂電流Ihd*が加算されてモータ電流指令値Ioとして出力される。
【0106】
その後、減算器33及び電流制御部34を介して、モータ電流指令値Ioに基づいてCPU21は、モータ6を駆動制御する。従って、たとえ走行中にステアリングホイール1をある操舵角だけ操舵した状態で手放ししても、収斂制御により高速から低速までモータ6の適正なアシスト力が得られる。
【0107】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ステアリングホイール1に軽く触れている程度、或いは手放しした状態では、その影響をMA−MT制御に基づくアシスト電流指令値Iは受けてしまうが、操舵トルクThに影響されない収斂制御に基づいた目標収斂電流Ihd*が、アシスト電流指令値Iに加算されて、そのモータ電流指令値Ioによってモータ6は駆動制御される。
【0108】
このため、従来と異なり、低速時において手放しした場合でも、電動パワーステアリング装置内の内部摩擦にてステアリングホイール1が移動途中で止まることなく、略中立位置である目標操舵角θ*まで、良好にステアリングホイール1を戻すことができる。
【0109】
一方、高速時においても、前記目標収斂電流Ihd*が、アシスト電流指令値Iに加算され、モータ6を確実に駆動制御するため、従来と異なり、操舵トルクThが「0」若しくは微少な場合に、ステアリングホイール1がオーバシュートすることなく、安定した収斂性を提供できる。
【0110】
(2)上記実施形態では、目標収斂電流Ihd*をアシスト電流指令値Iに加算するか否かの判定は手放し判定部82が検出する操舵トルクThの大きさに基づいて行うようにした。このため、手放し判定部82にて手放し判定がされていない、すなわち、切り込み操舵のときにアシスト電流指令値Iのみでモータ6を駆動制御するために十分な値である際に、不必要に目標収斂電流Ihd*が加算されることはない。その結果、モータ6による補助トルクが低下し、ステアリングホイール1の操舵を重く感じることはない。
【0111】
また、一方で、ステアリングホイール1を軽く触れているときや、手放し状態時に、手放し判定部82にて手放し判定がされたときには、確実に目標収斂電流Ihd*を加算させることができ、ステアリングホイール1を中立位置へ所定の操舵角速度Qで戻すことができる。
【0112】
(3)上記実施形態では、収斂制御において、目標収斂電流設定部88にて目標収斂電流Ihd*を設定する際には、I制御にて算出された第2収斂電流Ihd2*を、P制御にて設定された第1収斂電流Ihd1*に加算する。従って、手放し状態のときに、ステアリングホイール1を略中立位置へ戻すための目標操舵角速度Q*と、実際のステアリングホイール1の操舵角速度Qとの間にオフセットが生じることなく、確実に、目標操舵角速度設定部87にて設定されたQ*に、実際の操舵角速度Qを収斂させることができる。
【0113】
(4)上記実施形態では、収斂制御において、目標収斂電流設定部88にて目標収斂電流Ihd*を設定する際には、D制御にて算出された第3収斂電流Ihd3*を、P制御にて設定された第1収斂電流Ihd1*に加算する。従って、手放し状態のときに、ステアリングホイール1を略中立位置へ戻すための目標操舵角速度Q*が、実際のステアリングホイール1の操舵角速度Qに対して応答遅れすることなく、実際の操舵角速度Qが目標操舵角速度Q*に収斂する際の追従性を向上できる。
【0114】
(5)上記実施形態では、P制御にて設定された第1収斂電流Ihd1*に、上記I制御及びD制御にて設定された第2及び第3収斂電流Ihd2*,Ihd3*を加算する。従って、前述した実施形態の効果(3)及び(4)の効果を備えた目標収斂電流Ihd*が設定できる。
【0115】
(6)上記実施形態では、低速走行時において、手放し状態となり収斂制御に基づいてモータ6が駆動される場合、目標操舵角設定部86の目標操舵絶対角設定部93にて、目標操舵角θ*がある程度の残留角を持つように制御される。従って、油圧パワーステアリング装置と比較してステアリングホイール1の回転動作が不自然になることはない。
【0116】
なお、上記各実施形態は以下のような別例に変更してもよい。
・上記実施形態では、収斂制御において、収斂制御部81の目標収斂電流設定部88では、所謂PID制御を合成した目標収斂電流Ihd*が設定されたが、少なくとも、P制御のみは実行し、I制御、又はD制御は実行しなくても良い。即ち、D制御を実行しない場合は、目標収斂電流Ihd*を、P制御にて設定された第1収斂電流Ihd1*と、I制御にて設定された第2収斂電流Ihd2*を加算して設定する。このようにしても上記実施形態の(3)と同様の効果を奏する。
【0117】
また、I制御を実行しない場合は、目標収斂電流Ihd*を、P制御にて設定された第1収斂電流Ihd1*と、D制御にて設定された第3収斂電流Ihd3*を加算して設定する。このようにしても上記実施形態の(4)と同様の効果を奏する。
【0118】
・上記実施形態では、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置の制御装置において、MA−MT制御を行うように構成したが、図15に示すようにコラム及びピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置の制御装置に具体化してもよい。
【0119】
なお、図において、ステアリングシャフト2には減速機5が固着されている。この減速機5にはモータ6の回転軸に取着したギア7が噛合されている。更に、減速機5にはピニオンシャフト8が固着されている。他の構成は、第1実施形態と同様の構成を備えているため詳細な説明は省略する。
【0120】
又、この態様においては、第1実施形態の電気的構成と同様の構成を採用し、アシスト電流指令値Iの決定の仕方についてのみ、第1実施形態と異なるため、このアシスト電流指令値Iの決定の仕方について以下説明する。
【0121】
コラム及びピニオンアシスト型の場合、操舵トルクTh、モータ電流Imの時のラック推力Fは次式(E)で求まる。
F(Th,Im)=2π(Th+Kt・Im・G・ηg)・ηp/St…(E)なお、Thは操舵トルク、ηpはラック&ピニオンギヤ効率、Stはそのストローク比である。又、Ktはトルク定数、Gは減速機5の減速比、ηgは減速機5の減速機効率である。
【0122】
従って、上記(E)を用いて、車速V、操舵角θにおける目標操舵トルクTh*、アシスト電流指令値Iのときのラック推力F(以下、この推力をF(Th*,I)で表す。)と、操舵トルクTh、モータ電流Imのときのラック推力F(以下、この推力をF(Th,Im)で表す。)が等しくなるようにアシスト電流指令値Iを設定する。
【0123】
F(Th*,I)=F(Th,Im)に、上記(E)式を代入して、Iを求めれば、下記の式となる。
I=Im+(Th−Th*)/(Kt・G・ηg)
このようにして得られたアシスト電流指令値Iを減算器33に出力する。
【0124】
なお、アシスト電流指令値Iが目標操舵トルクTh*と逆符号、すなわち、逆アシストとなる場合には、アシスト電流指令値Iをゼロと決定して、減算器33に出力する。その後は、第1実施形態と同様に処理する。
【0125】
・上記実施形態における目標操舵絶対角設定部93の目標操舵絶対角設定マップを路面μ(路面の動摩擦係数)に応じて補正するように制御してもよい。即ち、路面μ(路面の動摩擦係数)が低い領域では、目標操舵角設定部86にて設定される目標操舵角θ*が大きくなるように、前記マップを随時補正する。
【0126】
また、上記実施形態における目標操舵角速度設定部87の目標操舵角速度設定マップを路面μ(路面の動摩擦係数)に応じて補正するように制御してもよい。即ち、路面μ(路面の動摩擦係数)が低い領域では、目標操舵角速度をQ*を減少させるように前記マップを随時補正する。
【0127】
これらのようにすれば、路面μ(路面の動摩擦係数)に応じた目標操舵角θ*又は目標操舵角速度がQ*が設定され、油圧パワーステアリング装置と比較してステアリングホイール1の回転動作が不自然にならない。また、電動パワーステアリング装置内の摩擦の変化のみステアリングホイール1の収斂性に関する不偏性を持たせることができる。
【0128】
・上記実施形態では、収斂制御において、低速時には、目標操舵角θ*は、ある程度の残留角を持つように目標操舵絶対角設定部93にて制御したが、CPU21に前記目標操舵絶対角設定部93の機能を備えさせず、高速、低速に拘わらず、何れの場合も中立位置にステアリングホイール1が戻されるように制御してもよい。
【0129】
・上記実施形態では、CPU21は、目標収斂電流Ihd*をアシスト電流指令値Iに加算するか否かの判定は手放し判定部82の機能を備えていたが、同手放し判定部82の機能を備えないようにしてもよい。このようにしても、手放し状態、又は保舵状態の双方にてステアリングホイール1をアシストすることは可能である。
【0130】
・上記実施形態では、手放し判定部82では、ゲインηとして「0」又は「1」を出力するようにしたが、手放し検出がされない際には、ゲインηとして「0」の代わりに0<η<1の値を出力するようにしてもよい。このようにすると、第1実施形態と異なり、収斂電流の出力を禁止する代わりに、ある程度抑えられた値として出力することができる。
【0131】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、操舵トルクが検出されない又は微少な場合に、アシスト電流指令値が十分な値でなくても、操舵トルクに基づいていない目標収斂電流が加算されて、モータ電流指令値が設定される。従って、MA−MT制御において、従来と異なり、低速走行時にはハンドル戻り特性を良好にでき、高速走行時にはハンドルの収斂性を良好にできる。
【0132】
えて、手放し判定手段により、目標収斂電流の出力を有効にするか否かの判定が行われるため、アシスト電流指令値が不十分なときのみに確実に目標収斂電流が出力される。
【0133】
請求項の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の積分値に基づいて算出された第2収斂電流が、第1収斂電流に加算されることにより、中立位置へ戻すための目標操舵角速度と、実際のハンドルの角速度との間にオフセットが生じることなく、確実に目標操舵角速度設定手段にて設定された目標操舵角速度に、実際の操舵角速度を収斂させることができる。
【0134】
請求項の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の微分値に基づいて算出された第3収斂電流が、第1収斂電流に加算されることにより、中立位置へ戻すための目標操舵角速度が、実際のハンドルの角速度に対して応答遅れすることなく、実際の操舵角速度が目標操舵角速度に収斂する際の追従性を向上できる。
【0135】
請求項の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、請求項3の効果と請求項4の効果を両立できる。
請求項の発明によれば、請求項1乃至請求項のうちいずれか1項の発明の効果に加えて、車速の低速時には、残留角の範囲内にハンドルが戻るようにされるため、油圧パワーステアリング装置と比較して不自然になることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電動パワーステアリング装置の制御装置の概略図。
【図2】同じく制御装置のブロック図。
【図3】同じく目標操舵トルク設定ルーチンのフローチャート。
【図4】同じく位相補償器35の機能ブロック図。
【図5】同じく目標操舵トルク設定マップの説明図。
【図6】同じく不感帯の説明図。
【図7】同じく電流指令値演算部のブロック図。
【図8】同じく不感帯幅の算出の説明図。
【図9】同じく収斂制御部のブロック図。
【図10】同じく目標操舵角設定部のブロック図。
【図11】同じく目標操舵角演算ルーチンのフローチャート。
【図12】同じく収斂制御のフローチャート。
【図13】同じく収斂制御のフローチャート。
【図14】同じく手放し判定の説明図。
【図15】他の実施形態の電動パワーステアリング装置に係る制御装置の概略図。
【図16】従来の電動パワーステアリング装置に係る制御装置の概略図。
【符号の説明】
1…ステアリングホイール(ハンドル)、6…モータ、
21…CPU(制御手段、目標操舵トルク設定手段、アシスト電流演算手段、目標操舵角設定手段、目標操舵角速度設定手段、目標収斂電流設定手段、手放し判定手段)、
31…電流指令値演算部(アシスト電流演算手段)、
32…目標操舵トルク設定部(目標操舵トルク設定手段)、
81…収斂制御部(目標操舵角設定手段、目標操舵角速度設定手段、目標収斂電流設定手段)
86…目標操舵角設定部(目標操舵角設定手段)、
87…目標操舵角速度設定部(目標操舵角速度設定手段)、
88…目標収斂電流設定部(目標収斂電流設定手段)、
82…手放し判定部(手放し判定手段)。

Claims (5)

  1. モータ電流指令値に基づいてモータを駆動制御する制御手段を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    操舵角及び車速に基づいて目標操舵トルクを設定する目標操舵トルク設定手段と、
    操舵トルク、前記目標操舵トルク、及び前記モータのモータ電流とに基づいてアシスト電流指令値を演算するアシスト電流演算手段と、
    操舵角及び車速に基づいてハンドルを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定する目標操舵角設定手段と、
    前記目標操舵角と操舵角の偏差及び車速に基づいて目標操舵角速度を設定する目標操舵角速度設定手段と、
    前記目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基づいて目標収斂電流を設定する目標収斂電流設定手段と、
    操舵トルクに基づいてハンドルの手放し判定を行う手放し判定手段を備え、
    前記手放し判定手段の判定結果に基づいて、目標収斂電流設定手段の目標収斂電流の出力を、有効にし或いは抑制して、前記アシスト電流指令値に加算してモータ電流指令値とすることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の積分値に基づいて第2収斂電流を算出し、両収斂電流を加算して目標収斂電流を設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の微分値に基づいて第3収斂電流を算出し、両収斂電流を加算して目標収斂電流を設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 目標収斂電流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に比例する第1収斂電流を算出し、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の積分値に基づいて第2収斂電流を算出し、さらに目標操舵角速度と操舵角速度の偏差の微分値に基づいて第3収斂電流を算出し、これらの収斂電流を加算して目標収斂電流を設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記中立位置には、所定の残留角範囲を含み、前記目標操舵角設定手段は、車速が低速時には、この残留角の範囲内にハンドルを戻すように目標操舵角を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置
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