JP3895472B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3895472B2
JP3895472B2 JP20796498A JP20796498A JP3895472B2 JP 3895472 B2 JP3895472 B2 JP 3895472B2 JP 20796498 A JP20796498 A JP 20796498A JP 20796498 A JP20796498 A JP 20796498A JP 3895472 B2 JP3895472 B2 JP 3895472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cold air
air
air passage
door
heater core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20796498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000038017A (ja
Inventor
勝 赤羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Calsonic Kansei Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Kansei Corp filed Critical Calsonic Kansei Corp
Priority to JP20796498A priority Critical patent/JP3895472B2/ja
Publication of JP2000038017A publication Critical patent/JP2000038017A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3895472B2 publication Critical patent/JP3895472B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース内において温風の上下に2つの冷風を配することにより3層流を形成して温度調整するようにした自動車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用空気調和装置は、内外気を導入するインテークユニット、この導入空気を冷却するクーラユニット、および導入空気を加熱するヒータユニットを有しており、これら3つのユニットを車両の左右方向に直列的に合体し、車室内のインストルメントパネルの内部という狭小な空間に設置されていることは周知である。しかし、この自動車用空気調和装置は、3つのユニットを直列的に連結するため、装置全体が大型化し、小型の車両に搭載すると、狭小な車室内空間をより狭小にすることから好ましくない。特に、助手席の足元にまでユニットが置かれるので狭くなる。
【0003】
これに対し、図16および図17に示すように、ケース内にエバポレータ(図示せず)やヒータコア4が車両の前後方向に並べて立設するように設けられた縦置き型と称されるものがある。このような装置では、クーラユニットとヒータユニットとを一体化し、エバポレータとヒータコア4とを近接して配置することによりコンパクト化を図っている。
【0004】
エバポレータにより冷却された空気は、図中左側から送り込まれ、ミックスドア15によりヒータコア4を通過させる空気流とヒータコア4をバイパスして流す空気流とに分けて流されるようになっている。なお、図17の装置では、エバポレータとヒータコア4との距離を短くするためにミックスドア15を偏平な板状ドアとし、略上下にスライドさせることにより温調制御を行なうようにしたものである。
【0005】
ここに、「エバポレータ」とは、周知のように冷房サイクル中の膨脹弁などで減圧された低温低圧冷媒が内部を流通し、ここに導入された空気を冷媒との熱交換により冷却するものである。また、「ヒータコア」とは、高温のエンジン冷却水が内部を流通し、ここに導入された空気を高温のエンジン冷却水との熱交換により加熱するものである。
【0006】
そして、ヒータコア4により加熱された温風とヒータコア4をバイパスして流れた冷風とはミックスゾーン7でミックスされる。ミックスされた空気は、所定の温度となって種々の配風モードに応じてベント吹出口Fvやフット吹出口Ff等から車室内に向けて配風されたり、あるいは前記ミックスが行なわれることなく冷風や温風のまま吹出される。ここで、各吹出口から吹出される冷風あるいは温風の温度は、ミックスドア15の位置により制御される。
【0007】
なお、前記種々の配風モードとしては、ベントモード(乗員の上半身に冷風を吹き出すモード)、バイレベルモード(乗員の上半身に冷風を、下半身に温風を吹き出す、いわゆる頭寒足熱のモード)、デフロストモード(フロントおよびサイドの窓ガラスの曇りを晴らすモード)、フットモード(乗員の下半身に温風を吹き出すモード)あるいはデフ−フットモード(窓の曇りを晴らしつつ乗員の下半身に温風を吹き出すモード)等がある。
【0008】
このようなモードの内、ベントモードの場合は、車室内の上部に配風することから、ダクトを短くできるためにベント吹出口FvはケースCの上部に設けることが好ましく、また、フットモードの場合には、車室内の下部に配風するので、フット吹出口Ffは、ケースCの下部に設けることが好ましい。
【0009】
したがって、車室内の前部のインストルメントパネル内に設置される縦置き型の自動車用空気調和装置では、ケースCの上部にベント吹出口Fvを、下部にフット吹出口Ffを設けている。そして、このような装置では、空気が通過する流路を短くすることができるので、小型で通気抵抗も低く高風量を確保することが可能となっている。
【0010】
このように、縦置き型の自動車用空気調和装置においては、ベント吹出口Fvは、冷風が流れる側の近傍に開設されることになり、フット吹出口Ffは、ヒータコア4により加熱された温風が流れる側の近傍に開設されることになるので、バイレベルモードなどのように上部と下部の吹出口からそれぞれ冷風や温風を吹き出す複合モードの場合には、一般に、上下の差温が大きくなる傾向がある。しかも、ケースの前後寸法を詰めてコンパクトな構成にすればする程、ケース内において冷風と温風とを混合する十分なスペースを確保し難く、上下の差温がさらにつき易い。
【0011】
このため、図16および図17に示したように、ミックスドア15を、2枚の第1および第2ミックスドア15a,15bから構成し、上部冷風通路Bu、温風通路6、および下部冷風通路Blを形成して、これらの開閉制御を2枚のミックスドア15a,15bにより行う構成を採用したものが知られている(特開平9−175147号公報参照)。このような装置にあっては、ケースC内において温風の上下に2つの冷風を配することにより3層流を形成してエアミックス性を向上させることができる。すなわち、下部冷風通路Blを介してケース下方に流す冷風を増加させることができ、小型化を図りつつ上下の差温を小さくして所望の温度特性を得るようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような3層流が形成される自動車用空気調和装置にあっては、フルクール時で、ベントモードの場合には、エバポレータにより冷却された空気は、ヒータコア4を全量バイパスして図中矢印方向に上部冷風通路Buと下部冷風通路Blとを通って、ベント吹出口Fvに向けて流されることになる。
【0013】
しかしながら、このうち、下部冷風通路Blを通過した空気がヒータコア4の表面をなめるようにして上方へ導かれて、ベント吹出口Fvから図示しないベントダクトを通って車室内に吹き出すことになるため、フルクール時の吹出空気の温度が上昇してしまうという問題があった。
【0014】
このようなヒータコア4の表面からの受熱を防ぐためには、フルクール時に下部冷風通路Blを開度調整する第2ミックスドア15bを閉じるようにすることが考えられる。しかし、フルホット側から徐々にフルクール側へミックスドア15a,15bを動かしていく場合を想定すると、フルホット時にはまずミックスドア15a,15bは上部冷風通路Buと下部冷風通路Blとを閉じており、これらが次第に開いていって、温調時を経て、フルクール側つまりミックスドア15a,15bが全開になったと同時に、第2ミックスドア15bのみを全開から全閉に切り換えるという複雑なドア動作をさせなければならないという問題が生じることとなる。
【0015】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、温度調整時のエアミックス性を確保しつつ、冷房時の性能を向上させることができる簡易で低コストかつ小型の自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ケース内を流れる冷風をヒータコアを通して加熱して流す温風通路と、該冷風を前記ヒータコアをバイパスしてケース内上方に流す第1冷風通路と、該冷風を前記ヒータコアをバイパスしてケース内下方に流す第2冷風通路と、前記温風通路および前記第2冷風通路の上流側入口と前記第1冷風通路とを開度調整する第1ミックスドアと、前記第2冷風通路を開度調整する第2ミックスドアと、を有し、前記第1ミックスドアは、前記ヒータコアの前面よりも下流側上方に配置された中心軸に対して回動可能に設けられ、前記第2冷風通路は、前記中心軸と前記ヒータコアとの間から該ヒータコアの下流側表面に沿ってケース内下方に伸延する冷風ダクトにより形成され、前記第2ミックスドアは、前記中心軸に取り付けられて前記冷風ダクト内で回動されることにより、前記第2冷風通路を開度調整し、前記第1ミックスドアは、前記冷風ダクトの入口を開度調整することを特徴とする自動車用空気調和装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る自動車用空気調和装置の断面図である。なお、図16、図17に示す部材と共通するものには同一符号を付している。
【0020】
図1に示す実施形態1に係る縦置き型の自動車用空気調和装置は、クーラユニット1とヒータユニット2とを一体化し、車両の前後方向の寸法を短くしたケースCを有し、このケースCの上流側風路内にはエバポレータ3が設けられ、下流側風路内にはヒータコア4が設けられる。
【0021】
車幅方向(図1の紙面に垂直な方向)から導入口Oを通って導入された空気は、ケースC内で車両の前後方向に曲げられ、エバポレータ3を通って冷却されるようになっている。また、空気の取り込みを行うインテークユニットは、ケースCの側面に配置され、車両前後方向の装置の長さが短くされている。
【0022】
そして、ケースC内には、エバポレータ3を通って冷却された冷風をヒータコア4を通して加熱して流す温風通路Hと、該冷風をヒータコア4をバイパスしてケースC内上方に流す第1冷風通路B1と、該冷風をヒータコア4をバイパスしてケースC内下方に流す第2冷風通路B2とが形成されている。
【0023】
本実施形態では、温風通路Hおよび第2冷風通路B2の上流側入口8と、第1冷風通路B1とを開度調整する折り曲げ可能な第1ミックスドア5が設けられている。また、第2冷風通路B2を開度調整する第2ミックスドア6が回動可能に設けられる。
【0024】
上流側風路から流下した空気流は、エバポレータ3とヒータコア4との間に設けられたミックスドア5が作動することにより、第1冷風通路B1と上流側入口8とに選択的に流されたり、あるいは所定の比率で流される。また上流側入口8の下流に第2ミックスドア6を配置することにより、上流側入口8を経て第2冷風通路B2に流れる空気を遮断できるようになっている。
【0025】
図2に示すように、第1ミックスドア5は、中心軸10に対して回動可能に設けられる第1ドア部11と、この第1ドア部11の中心軸10と反対側に、該第1ドア部11に対してヒンジ部13により回動可能に設けられる第2ドア部12とを有している。これにより、第1ミックスドア5を、ヒンジ部13の部分で折れ曲げたり伸ばしたりすることができる。また、第2ドア部12の両側方には、ケースCに設けられたガイド溝15に沿って移動する係合ピン14が設けられている。したがって、図示しないアクチュエータにより中心軸10を回転させることで第1ドア部11を回動させると、これにつられて第2ドア部12が動くことになるが、このとき第2ドア部12の係合ピン14がガイド溝15に沿って移動させられるため、全体としてミックスドア5を所望の折り曲げ形態でかつ軌道を一定に保つことができる。
【0026】
ピン14は、ドアの動きをスムーズにする観点から第2ドア部12の先端側に設けることが望ましいが、これに限定されるものではない。なお、上記ガイド溝15の代わりに例えばガイドレールとしてもよく、この場合には係合ピン14の代わりに係合溝を形成するとよい。また、ヒンジ部13は、例えば第1ドア部11の端部に連設された係合穴部と第2ドア部12の端部に連設された係合軸部とから構成されるが(いずれも図示せず)、薄厚の例えばポリプロピレン等の樹脂により形成してもよい。
【0027】
図1に示したように、第1ミックスドア5の中心軸10は、ヒータコア4の前面よりも下流側上方に配置され、第2ドア部12は、ヒータコア4の前面を開閉するように構成されている。これにより、第1ミックスドア5の上流側と下流側に、エバポレータ3とヒータコア4とをより近接して設けることができ、ユニットの一層のコンパクト化が可能となる。
【0028】
なお、第1ミックスドア5の第2ドア部12は、図示のような平板に限られるものではなく、所定の曲率半径で下流側に膨出するような円弧状を呈するように形成してもよい。このようにすれば、エバポレータ3を通過して冷却された空気を、第2ドア部の円弧状の表面に沿ってスムーズに第1冷風通路B1ないし上流側入口8の方向に向くように流れ方向を変えることができる。
【0029】
ケースCの上部には、ベント吹出口Fvとデフ吹出口Fdとが開設され、下部にはフット吹出口Ffが開設されており、それぞれには各吹出口F(ベント吹出口Fv、デフ吹出口Fd、フット吹出口Ffの総称)を開閉する各モードドアD(ベントドアDv、デフドアDd、フットドアDfの総称)が図示矢印方向に回動可能に設けられている。また、ヒータコア4により加熱された温風とヒータコア4をバイパスして流れた冷風とを混合するミックスゾーン7が形成されており、混合された空気は、種々の配風モードに応じて各種吹出口Fから車室内に向けて配風されたり、あるいは混合されずに冷風や温風のまま吹出されるようになっている。
【0030】
次に、本実施形態1の作用について説明する。
図3は、フルクール時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【0031】
ベントモードにおいて、冷風を全量加熱せず車室内に吹き出すフルクール時には、第1ミックスドア5は、図3に示すように第1ドア部11および第2ドア部12の折り曲げ度合いが最も少ない状態とされ、第2ドア部12が下端位置にセットされる。ベントモードは、車室内を冷房するモードであり、ベントドアDvは「開」、フットドアDfは「閉」、デフドアDdは「閉」にセットされる。
【0032】
このようにして、フルクール時には、温風通路Hおよび第2冷風通路B2の上流側入口8は、第1ミックスドア5の第2ドア部12により閉鎖状態とされ、第1冷風通路B1が開放状態とされる。
【0033】
したがって、エバポレータ3により冷却された空気流は、冷風のまま、図中矢印方向に第1冷風通路B1を通って流れた後に、ベント吹出口Fvからベントダクト(図示せず)を通って車室内に向かって配風される。また、第1冷風通路B1からベント吹出口Fvに向けて空気が通過する流路が短く、通気抵抗が低減される。これにより、高風量を確保することができ、多量の冷風が車室内に導かれる。
【0034】
ここで、第2冷風通路B2の上流側入口8が閉鎖されるため、第2ミックスドア6の開度にかかわらず、第2冷風通路B2に冷風が流れることはない。したがって、冷風が第2冷風通路B2からヒータコアの表面近くを通過してベント吹出口Fvに送られることによる温度上昇を防止することが可能となり、冷房性能の向上を図ることができる。
【0035】
また、第1ミックスドア5により第2冷風通路B2の上流側入口8を開閉するようにしたので、温度調整をフルホット側からフルクール側に変化させる場合に、第2ミックスドア6の開度は単に「閉」から「開」に変化させるだけでよくなり、制御や機械構成が複雑化することなく、小型で簡易な構成とすることができ、低コストとなる。
【0036】
さらに、エバポレータ3の下面から上方に所定高さの縦壁9を形成することが容易に可能となるので、エバポレータ3からの凝縮水の飛水を防止することができる。
【0037】
図4は、温調時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【0038】
温調時においては、第1ミックスドア5は、図4に示すように、第1ドア部11および第2ドア部12の折り曲げ度合いが中間の状態とされ、第2ドア部12が上下方向中間位置にセットされる。また、第2ミックスドア6も中間の開度とされる。
【0039】
したがって、エバポレータ3により冷却された空気流は、一部が図中矢印方向に、第1ミックスドア5の下部を通って上流側入口8から流入し、温風通路Hを通りヒータコア4により加熱され温風となってミックスゾーン7に至ると共に、第2冷風通路B2を通って冷風のままミックスゾーン7に至る。また、残りの空気流は冷風のまま、図中矢印方向に第1ミックスドア5の上部を通って流れ、第1冷風通路B1よりミックスゾーン7に至る。
【0040】
そして、温風通路Hを経た温風と、第1冷風通路B1を経た冷風および第2冷風通路B2を経た冷風とは、ミックスゾーン7において衝突して混合され、所定の温度に調整される。このように、3層の空気流がミックスゾーン7で混合されることにより、冷風と温風とが十分に混合され、両者のエアミックス性が向上する。したがって、ケースC内の上下の差温は小さくなって所望の温度特性となり、違和感のない快適な温調状態となる。
【0041】
図5は、フルホット時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【0042】
フットモードにおいて、エバポレータ3からの冷風を全量ヒータコア4により加熱して車室内に吹き出すフルホット時には、第1ミックスドア5は、図5に示すように、第1ドア部11および第2ドア部12の折り曲げ度合いが最も多い状態とされ、第2ドア部12が上端位置にセットされる。フットモードは、車室内を暖房するモードであり、このとき、ベントドアDvは「閉」、フットドアDfは「開」、デフドアDdは「閉」にセットされる。
【0043】
このようにして、フルホット時には、第1冷風通路B1は、第1ミックスドア5の第1ドア部11により閉鎖状態とされると共に第2冷風通路B2は、第2ミックスドア6により閉鎖状態とされ、温風通路Hが開放状態とされる。
【0044】
したがって、エバポレータ3により冷却された空気流は、図中矢印方向に、温風通路Hを通ってヒータコア4により全量加熱されて温風となり、この温風はフット吹出口Ffに流入し、フットダクト(図示せず)より乗員の足元に向かって配風される。また、フット吹出口Ffに向けて空気が通過する流路が短く、高風量を確保することができる。
【0045】
このように、第1ドア部11および第2ドア部12を所望の形態で折り曲げたり延伸させたりして、第1ミックスドア5を作動させることができ、したがって、第1ミックスドア5の作動スペースを小さくすることが可能となる。これにより、ユニットの一層のコンパクト化が実現される。
【0046】
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係る自動車用空気調和装置の断面図である。この実施形態では、第1ミックスドア5が中心軸10に回動可能に設けられる1枚の板状のドアにより構成されている点で、上記実施形態1と相違している。但し、その他の点では上記実施形態1と同様であり、図1に示す部材と共通する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。この実施形態によっても、冷風が第2冷風通路B2からヒータコアの表面近くを通過してベント吹出口Fvに送られることによる温度上昇を防止することが可能となり、冷房性能の向上を図ることができる。
【0047】
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係る自動車用空気調和装置の断面図である。この実施形態では、第1ミックスドア5がスライド移動して温風および冷風の空気流を制御する板状のドアにより構成されている点で、上記実施形態1と相違している。但し、その他の点では上記実施形態1と同様であり、図1に示す部材と共通する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
この実施形態の第1ミックスドア5は、エバポレータ3とヒータコア4間で上流側風路からの空気流を遮断する方向に伸延されかつ所定の曲率半径で下流側に膨出するような円弧状を呈している。この第1ミックスドア5は、図示のように、上下方向が上流側風路と下流側風路との開口部のほぼ半分程度であり、幅方向がケースCの一側から他側まで設けられたものである。第1ミックスドア5を作動するためのスライド駆動機構は、第1ミックスドア5の両側端近傍に形成された歯部に噛合する一対の歯車Gをモータ等で駆動する構成とされる。なお、スライド駆動機構は、これに限定されるものではなく、場合によってはコントローラとワイヤーケーブルを介して連結された手動操作機構としてもよい。
【0049】
この実施形態によれば、エバポレータ3とヒータコア4とを相互に接近させてコンパクト化を図りつつ、冷風が第2冷風通路B2からヒータコアの表面近くを通過してベント吹出口Fvに送られることによる温度上昇を防止することが可能となる。
【0050】
(実施形態4)
図8は、本発明の実施形態4に係る自動車用空気調和装置の要部断面図、図9は、ミックスドアの斜視図、図10は、冷風ダクトの斜視図である。上記実施形態1と同様に、第1ミックスドア5は、ヒータコア4の前面よりも下流側上方に配置された中心軸10に対して回動可能に設けられる第1ドア部11と、該第1ドア部11に対して回動可能に設けられヒータコア4の前面を開度調整する第2ドア部12とを有している。なお、図中ミックスドア周辺の黒い斑点で示した断面は、シール部材を表す。
【0051】
この実施形態では、前記第2冷風通路B2は、中心軸10とヒータコア4との間からヒータコア4の下流側表面に沿ってケースC内下方に伸延する冷風ダクト16により形成される。図10では、後面(図中右手前側)が開口して描いてあるが、この部分にケースCの壁面が位置することになる。冷風ダクト16の下部に拡開部16aが形成されており、冷風をケースC内下方に広く導くことができるようになっている。なお、図11に示すように、ヒータコア4側の縦壁16bを、ヒータコア4の方が凸状となるように山形ないし円弧面を形成するようにしてもよい。このようにすれば、ヒータコア4を通過した温風を、滑らかに左右に分けて流すことができる。
【0052】
また、第2ミックスドア6は、中心軸10に取り付けられ、冷風ダクト16内で回動されて、第2冷風通路B2を開度調整するようになっている。すなわち、第1ミックスドア5と第2ミックスドア6とは共に中心軸10に一体的に取り付けられ、バタフライ構造のミックスドアDmを形成している。
【0053】
そして、第1ミックスドア5の第1ドア部11により、冷風ダクト16の入口8aが開度調整される構成とされている。また、ヒータコア4の前面に入口8bが形成されており、これら入口8a,8bは、温風通路Hおよび第2冷風通路B2の上流側入口8の構成をなしている。その他の点では上記実施形態1と同様であり、図1に示す部材と共通する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
次に、本実施形態4の作用について説明する。
図12は、フルクール時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【0055】
ベントモードにおいて、冷風を全量加熱せず車室内に吹き出すフルクール時には、ミックスドア5は、図12に示すように、第1ドア部11および第2ドア部12の折り曲げ度合いが最も少ない状態とされ、第2ドア部12が下端位置にセットされる。すなわち、フルクール時には、温風通路Hの入口8bは、第1ミックスドア5の第2ドア部12により閉鎖状態とされると同時に、第2冷風通路B2の入口8aは、第1ミックスドア5の第1ドア部11により閉鎖状態とされ、一方、第1冷風通路B1が開放状態とされる。したがって、エバポレータ3により冷却された空気流は、冷風のまま、図中矢印方向に第1冷風通路B1を通ってベント吹出口Fvに送られる。
【0056】
この実施形態によっても、フルクール時には、第2冷風通路B2の入口8aが閉鎖されるため、第2ミックスドア6は開放状態となるものの、冷風が第2冷風通路B2からヒータコアの表面近くを通過してベント吹出口Fvに送られることはなくなる。
【0057】
図13は、温調時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【0058】
温調時においては、第1ミックスドア5は、図13に示すように、第1ドア部11および第2ドア部12の折り曲げ度合いが中間の状態とされ、第2ドア部12が上下方向中間位置にセットされると同時に、第2ミックスドア6も第2冷風通路B2に対し中間の開度とされる。
【0059】
したがって、エバポレータ3により冷却された空気流は、一部が図中矢印方向に、第1ミックスドア5の下部を通って入口8bから流入し、温風通路Hを通りヒータコア4により加熱され温風となってミックスゾーン7に至ると共に、第1ミックスドア5の第1ドア部11と第2ドア部12との間の側方の隙間を通って入口8aから流入し、第2冷風通路B2を通って冷風のままミックスゾーン7に至る。また、残りの空気流は冷風のまま、図中矢印方向に第1ミックスドア5の上部を通って流れ、第1冷風通路B1よりミックスゾーン7に至る。
【0060】
そして、温風通路Hを経た温風と、第1冷風通路B1を経た冷風および第2冷風通路B2を経た冷風とは、図14の一点鎖線の矢印で示すような空気流を形成し、ミックスゾーン7において衝突して混合され、所定の温度に調整される。したがって、この実施形態でも、温風と冷風との3層の空気流がミックスゾーン7で混合されることにより、冷風と温風とが十分に混合され、両者のエアミックス性が向上する。
【0061】
図15は、フルホット時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【0062】
フットモードにおいて、エバポレータ3からの冷風を全量ヒータコア4により加熱して車室内に吹き出すフルホット時には、第1ミックスドア5は、図15に示すように、第1ドア部11および第2ドア部12の折り曲げ度合いが最も多い状態とされ、第2ドア部12が上端位置にセットされる。すなわち、フルホット時には、第1冷風通路B1は、第1ミックスドア5の第1ドア部11により閉鎖状態とされると同時に、第2冷風通路B2は、第2ミックスドア6により閉鎖状態とされ、一方、温風通路Hが開放状態とされる。
【0063】
したがって、エバポレータ3により冷却された空気流は、図中矢印方向に、温風通路Hを通ってヒータコア4により全量加熱されて温風となり、この温風はフット吹出口Ffに流入する。
【0064】
このように本実施形態によれば、上記実施形態1と同様の効果を得ることができることに加え、第1ミックスドア5と第2ミックスドア6とをバタフライ構造に一体的に形成したので、両者を連動させるリンクやレバー等の部品が不要となって部品点数を削減でき、さらなる低コスト化が図られる。また、ヒータコア4の下に冷風通路を設けなくてもよいので、一層の小型化を実現することができる。さらに、組立作業も容易となり、作業工数を低減することができる。
【0065】
なお、以上説明した実施形態は、本発明を限定するために記載されたものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。
【0066】
例えば、上述した実施形態4では、第1ミックスドア5は、中心軸10に対して回動可能に設けられる第1ドア部11と、該第1ドア部11に対して回動可能に設けられる第2ドア部12とを有する折り曲げ可能な構造としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、中心軸10に回動可能に設けられる1枚の板状のドアにより構成することも可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、温度調整時のエアミックス性を確保しつつ、フルクール時に冷風が第2冷風通路からヒータコアの表面近くを通過することによる温度上昇を防止することが可能となって冷房時の性能を向上させることができる。また、第1ミックスドアにより第2冷風通路の上流側入口を開閉するようにしたので、小型で簡易な構成とすることができ、低コストとなる。さらに、エバポレータの下面から上方に所定高さの縦壁を形成することが容易に可能となるので、凝縮水の飛水を防止することができる。
【0068】
また、上記の効果に加え、中心軸に第1ミックスドアおよび第2ミックスドアの双方を取り付けるようにしたので、両者を連動させる機構が不要となって部品点数を削減でき、さらなる低コスト化が図られる。さらに、ヒータコアの下に通路を設けなくてもよいので、一層の小型化を実現することができ組立作業も容易となり、作業工数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る自動車用空気調和装置の断面図である。
【図2】 同装置の第1ミックスドアの斜視図である。
【図3】 フルクール時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【図4】 温調時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【図5】 フルホット時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【図6】 本発明の実施形態2に係る自動車用空気調和装置の断面図である。
【図7】 本発明の実施形態3に係る自動車用空気調和装置の断面図である。
【図8】 本発明の実施形態4に係る自動車用空気調和装置の要部断面図である。
【図9】 同装置のミックスドアの斜視図である。
【図10】 同装置の冷風ダクトの斜視図である。
【図11】 冷風ダクトの変形例を示す斜視図である。
【図12】 フルクール時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【図13】 温調時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【図14】 温調時における空気の流れを説明するための模式的に示した斜視図である。
【図15】 フルホット時におけるミックスドア位置および空気の流れを説明するための断面図である。
【図16】 従来の自動車用空気調和装置を示す概略断面図である。
【図17】 従来の自動車用空気調和装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
3…エバポレータ、
4…ヒータコア、
5…第1ミックスドア、
6…第2ミックスドア、
7…ミックスゾーン、
8…上流側入口
8a,8b…入口(上流側入口)、
10…中心軸、
16…冷風ダクト、
B1…第1冷風通路、
B2…第2冷風通路、
H…温風通路、
C…ケース。

Claims (1)

  1. ケース(C)内を流れる冷風をヒータコア(4)を通して加熱して流す温風通路(H)と、
    該冷風を前記ヒータコア(4)をバイパスしてケース(C)内上方に流す第1冷風通路(B1)と、
    該冷風を前記ヒータコア(4)をバイパスしてケース(C)内下方に流す第2冷風通路(B2)と、
    前記温風通路(H)および前記第2冷風通路(B2)の上流側入口(8)と前記第1冷風通路(B1)とを開度調整する第1ミックスドア(5)と、
    前記第2冷風通路(B2)を開度調整する第2ミックスドア(6)と、
    を有し、
    前記第1ミックスドア(5)は、前記ヒータコア(4)の前面よりも下流側上方に配置された中心軸(10)に対して回動可能に設けられ、
    前記第2冷風通路(B2)は、前記中心軸(10)と前記ヒータコア(4)との間から該ヒータコア(4)の下流側表面に沿ってケース(C)内下方に伸延する冷風ダクト(16)により形成され、
    前記第2ミックスドア(6)は、前記中心軸(10)に取り付けられて前記冷風ダクト(16)内で回動されることにより、前記第2冷風通路(B2)を開度調整し、
    前記第1ミックスドア(5)は、前記冷風ダクト(16)の入口(8a)を開度調整することを特徴とする自動車用空気調和装置。
JP20796498A 1998-07-23 1998-07-23 自動車用空気調和装置 Expired - Fee Related JP3895472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20796498A JP3895472B2 (ja) 1998-07-23 1998-07-23 自動車用空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20796498A JP3895472B2 (ja) 1998-07-23 1998-07-23 自動車用空気調和装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000038017A JP2000038017A (ja) 2000-02-08
JP3895472B2 true JP3895472B2 (ja) 2007-03-22

Family

ID=16548448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20796498A Expired - Fee Related JP3895472B2 (ja) 1998-07-23 1998-07-23 自動車用空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3895472B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019131472A1 (de) * 2019-11-21 2021-05-27 Valeo Klimasysteme Gmbh Heizungs-, Lüftungs- und/oder Klimaanlage für ein Kraftfahrzeug

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000038017A (ja) 2000-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4084911B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP4196492B2 (ja) 車両用空調装置
JP3975377B2 (ja) 自動車用空気調和装置のエアコンユニット
WO2008050856A1 (fr) Climatiseur pour véhicule
JP3588979B2 (ja) 車両用空調装置
JP4123947B2 (ja) 車両用空調装置
JP4310905B2 (ja) 車両用空調装置
JP4032349B2 (ja) 車両用空調装置
JP3239519B2 (ja) 車両用空調装置
JP3963582B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP2000255247A (ja) 車両用空調装置
JP4067735B2 (ja) 自動車用空気調和装置のドア取付け構造
JP4084894B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP3895472B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP4063096B2 (ja) 車両用空調装置
JP4067653B2 (ja) 自動車用空調装置のドア構造
WO2020179446A1 (ja) 車両用空調装置
JP3835638B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP4059103B2 (ja) 車両用空調装置
JP3923182B2 (ja) 縦置き式自動車用空気調和装置
JP3931488B2 (ja) 車両用空調装置
JPH0671222U (ja) 空調ユニット
WO2017065101A1 (ja) 車両用空調ユニット
JP3872214B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JPH11222021A (ja) 車両用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees