JP3888008B2 - 第8族貴金属及び/又は有機ホスファイト化合物の回収方法 - Google Patents

第8族貴金属及び/又は有機ホスファイト化合物の回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ホスファイト化合物を配位子として有する第8族貴金属錯体を触媒とするヒドロホルミル化反応において、反応系から抜き出した触媒を含む溶液から第8族貴金属及び/又は有機ホスファイト化合物を回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
配位子として有機ホスファイト化合物を含む錯体は、均一系触媒反応によるオレフィン、カルボニル化合物、芳香族化合物等の水素化、オレフィンのヒドロホルミル化、及びヒドロカルボキシル化のような種々の反応の触媒として有用である。特にロジウム−有機ホスファイト化合物系錯体は、ヒドロホルミル化反応用触媒として、高い反応性と選択性を示すので、多くの検討がなされている。
【0003】
例えば、特開昭57−123134号公報には、フェニル環の特定部位に置換基を有するトリアリールホスファイトを配位子として用いる方法が開示されている。特開昭59−51228号公報及び特開昭59−51230号公報には、橋頭部にリン原子を含有する環式ホスファイト配位子を用いる方法が開示されている。特表昭61−501268号公報には、環状構造を持つジオルガノホスファイト配位子を用いる方法が開示されている。特開昭62−116587号公報には、2つのホスファイト基のうちの1つが環状構造を有する二座ホスファイト化合物が、また、特開昭62−116535号公報には、2つのホスファイト基が共に環状構造を有する二座ホスファイト化合物が開示されている。特開平4−290551号公報には、環状構造を有するビスホスファイト配位子を用いる方法が開示されている。また、本出願人による特開平5−339207号公報には、特定部位に置換基を有するビスホスファイト配位子及びポリホスファイト配位子を用いる方法が開示されている。
【0004】
第8族貴金属−有機ホスファイト化合物系錯体触媒を工業上有利に使用する為には、反応生成液から反応生成物と触媒を含む溶液成分(本明細書では、これを触媒液と称することがある。)とを蒸留により分離し、触媒液を反応域へ循環して再使用したり、或いは、反応生成物をガスストリッピングにより反応域から留出させて分離し、触媒液を反応域に残留させたままで連続的に反応を行なわせる等の操作を必要とする。しかしながら、ヒドロホルミル化反応においては、種々の高沸点副生物が生成するので、反応を連続的に実施する為には、高沸点副生物の蓄積を避けるため触媒液の一部を連続的または、間欠的に反応系外へ抜き出す事が必要である。
【0005】
この抜き出し触媒液には、高価な第8族貴金属及び有機ホスファイト化合物が含まれているので、これを効率良く回収する事は経済的に極めて重要である。抜き出し触媒液から、第8族貴金属を回収するにあたっては、回収したものをそのまま触媒として使用できるように、反応に活性な形態で回収する事が望ましい。抜き出し触媒液から第8族貴金属を分離回収する方法については、これまでも種々研究されている。
【0006】
特開昭51−63388号公報に示される方法では、ヒドロホルミル化反応の蒸留残留物を、鉱酸及び過酸化水素で処理して含まれているロジウムあるいはイリジウムを水相に抽出し、次いで、この水相を第3級ホスフィンとハロゲン化水素酸あるいはハロゲン化アルカリの存在下に一酸化炭素で処理し、再生された錯体を晶析により回収する。この方法は、ハロゲン化物を使用するため装置に耐ハロゲン材料を使用しなければならず、設備費が高価となって不利である。また、非ハロゲン系の錯体触媒の場合には、ハロゲンが触媒の失活要因となるため適用できない。
【0007】
特開昭54−26218号公報に示される、トリアリールホスファイトを配位子とするヒドロホルミル化反応の蒸留残留物からのロジウムの回収法では、酸素ガスを用いた酸化によりロジウムを0価の沈殿物として回収する。しかしこの方法では、回収した金属を活性な触媒に再生するためには繁雑な化学処理が必要である。
特開平2−145439号公報には、トリフェニルホスフィンモノスルホン酸塩を含有する水溶液でヒドロホルミル化反応の蒸留残留物を抽出処理し、水相にロジウムを回収する方法が示されている。しかし水溶性ホスフィンは高価であり、限られた系にしか適用できない。
【0008】
特開平3−146423号公報には、ヒドロホルミル化反応の蒸留残留物をカルボン酸及びカルボン酸のアルカリ塩の存在下、酸素ガスで処理した後、水で抽出することによりロジウムを回収する方法が示されている。しかしヒドロホルミル化反応の反応系にアルカリ金属塩が混入すると、高沸点物の生成を促進することが知られている。したがって回収したロジウムを触媒として再使用するにあたっては、アルカリ金属を予め除去しなければならないが、反応に影響を与えない程度にまでアルカリ金属を除去することは容易でない。
【0009】
米国特許第4390473号には、低圧ヒドロホルミル化反応において、触媒として使用されたロジウム及びコバルトを含有する溶液をギ酸水溶液と接触させ、酸素を含有するガスを導通した後、相分離し、水相に金属を回収する方法が示されている。この方法ではギ酸が還元的に作用するため、ロジウムが部分的に金属化する。この金属化したロジウムは実質上損失である。
ドイツ特許第381203号には、エチレンのヒドロカルボキシル化反応で生成する、炭素数3〜10の脂肪族カルボン酸の混合溶液に含まれている金属を水洗により抽出回収する方法が示されているが、ヒドロホルミル化反応のように非水溶性有機リン配位子を含む錯体の溶液については、カルボン酸の有無に関わらず、水洗だけでは触媒金属は回収できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、上記したような従来技術の欠点を避け、簡単な操作で効率的にヒドロホルミル化反応の抜き出し触媒液から第8族貴金属及び/又は有機ホスファイト化合物を分離回収する方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、有機ホスファイト化合物を配位子として有する第8族貴金属錯体を含有するヒドロホルミル化反応の触媒液に、有機溶媒及び水を混合して第8族貴金属錯体及び有機ホスファイト化合物の少なくとも一方を晶出させ、ついで晶出物を液相から分離することにより、触媒液中の第8族貴金属及び/又は有機ホスファイト化合物を効率よく回収することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、触媒として用いる第8族貴金属錯体の配位子の有機ホスファイト化合物としては、従来からこの錯体の調製に用いることが知られている、トリアリールホスファイト、トリアルキルホスファイト、アリールアルキルホスファイト等を始め、これらの組合せを同一分子内に有するビスホスファイト化合物、ポリホスファイト化合物など、任意の有機ホスファイト化合物を用いることができる。
【0013】
具体的には、モノホスファイト化合物としては、環状構造を有し、リン原子がその環状構造中に含まれるホスファイト化合物と、リン原子を含む環状構造を有さないホスファイト化合物とがあるが、そのいずれをも用いることができる。
このうち後者、すなわちリン原子を含む環状構造を有さないホスファイト化合物の中で好ましいのは、一般式(1)で表されるものである。
【0014】
【化6】
P(OR1 )(OR2 )(OR3 ) ・・・(1)
【0015】
(式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は炭素数5〜30のヘテロ芳香族炭化水素基を表す。置換基としては、反応を阻害しないものであれば如何なるものでもよいが、通常は炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子などである)
一般式(1)で表される有機ホスファイト化合物のなかでも好ましいのは、R1 、R2 及びR3 の少なくとも1つは、一般式(2)で表される置換アリール基であるものである。
【0016】
【化7】
【0017】
(式中、R4 はCR9 1011又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、R9 、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素化されていてもよい炭化水素基を表す。R4 はイソプロピル基以上の立体障害を示すものであるのが好ましい。R5 、R6 、R7 及びR8 は、それぞれ独立して、水素原子又は有機基を表す。なお、R5 ないしR8 のうち隣接するもの、たとえばR6 とR7 が互いに結合して縮合芳香環又は縮合複素環を形成していてもよい。)
【0018】
これらの化合物の具体例としては、ジフェニル(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニル(2−イソプロピルフェニル)ホスファイト、ビス(2−ターシャリ−ブチル−4−メチルフェニル)フェニルホスファイト、ジフェニル(3,6−ジターシャリ−ブチル−2−ナフチル)ホスファイト、ビス(2−ナフチル)(3,6−ジターシャリ−ブチル−2−ナフチル)ホスファイト、ビス(3,6,8−トリターシャリ−ブチル−2−ナフチル)フェニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリターシャリ−ブチル−2−ナフチル)(2−ナフチル)ホスファイト等が挙げられる。
【0019】
一般式(2)で表される置換アリール基を有する一般式(1)の有機ホスファイト化合物のなかでも特に好ましいのは、一般式(1)におけるR1 、R2 及びR3 のすべてが、一般式(2)で表される置換アリール基である有機ホスファイト化合物である。
これらの化合物の具体例としては、トリス(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−ターシャリ−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−ターシャリ−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(o−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(o−メチルフェニル)ホスファイト、ビス(3,6−ジターシャリ−ブチル−2−ナフチル)(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(3,6−ジターシャリ−ブチル−2−ナフチル)(2−ターシャリ−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(3,6−ジターシャリ−ブチル−2−ナフチル)ホスファイト、トリス(3,6−ジターシャリ−アミル−2−ナフチル)ホスファイト等が挙げられる。
モノホスファイト化合物のうち、もう一方の化合物群である、環状構造を有し、リン原子がその環状構造中に含まれるホスファイト化合物としては、次式のホスファイト化合物が挙げられる。
【0020】
【化8】
【0021】
(式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表し、Yは置換基を有していてもよい炭化水素基又はヘテロ芳香族炭化水素基を表す。)
【0022】
一般式(3)においてZで示される二価の有機基の代表的なものは、二価の脂肪族基又は二価の芳香族基である。二価の脂肪族基としては、例えばアルキレン基、アルキレン−オキシ−アルキレン基、アルキレン−NR12−アルキレン基(R12は、水素原子又は炭化水素基を表す)、アルキレン−S−アルキレン基及びシクロアルキレン基並びにこれら類似の二価の脂肪族基が挙げられる。二価の芳香族基としてはアリーレン基、ビアリーレン基、アリーレン−アルキレン基、アリーレン−アルキレン−アリーレン基、アリーレン−オキシ−アリーレン基、アリーレン−オキシ−アルキレン基、アリーレン−NR12−アリーレン基及びアリーレン−NR12−アルキレン基、アリーレン−S−アルキレン基及びアリーレン−S−アリーレン基などが挙げられる。
これらの環状構造を有し、リン原子がその環状構造中に含まれるホスファイト化合物の好ましい例としては、一般式(4)で表されるものが挙げられる。
【0023】
【化9】
【0024】
(式中、R13は互いに異なっていてもよく、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、若しくはアリール基を表し、nは0〜4の整数を表す。Yは有機基を表す)
【0025】
一般式(4)におけるR13で表される置換基の代表的なものとしては、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ナフチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
一般式(4)で表されるホスファイト化合物として好ましいのは、Yが一般式(2)で表されるような、酸素原子に結合する炭素原子の隣接炭素原子に置換基を有するアリール基であるものである。
また、環状構造を有し、リン原子がその環状構造中に含まれるホスファイト化合物の別の好ましい例としては、一般式(5)で表されるものが挙げられる。
【0026】
【化10】
【0027】
(式中、R14はo,m,p位の任意の置換基であるか、又はR14はその結合しているフェニル環と縮合してナフチル環等の縮合芳香環を形成していてもよい。Yは一価有機基を表す)
【0028】
一般式(5)におけるR14で表される置換基の代表的なものとしては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基又は置換基を有していてもよいアリール基等が挙げられる。またR14とフェニル環とで形成する縮合芳香環としてはナフタレン環等が挙げられる。
一般式(5)で表されるホスファイト化合物として好ましいのは、Yが一般式(2)で表されるような、酸素原子に結合する炭素原子の隣接炭素原子に置換基を有するアリール基であるものである。
また、環状構造を有し、リン原子がその環状構造中に含まれるホスファイト化合物のさらに別の好ましい例としては、一般式(6)で表されるものが挙げられる。
【0029】
【化11】
【0030】
(式中、2個のArは互いに異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基を表し、2個のyはそれぞれ独立して0又は1を表し、Qは−CR1516−、−O−、−S−、−NR17−、−SiR1819−及び−CO−(R15及びR16はそれぞれ水素原子、炭素数1〜12個のアルキル基、フェニル基、トリル基、及びアニシル基よりなる群から選ばれた原子又は基を表し、R17、R18及びR19はそれぞれ水素原子又はメチル基を表わす)よりなる群から選ばれた二価のブリッジ基であり、nは0又は1を表し、Yは有機基を表す。
【0031】
一般式(6)におけるYとして好ましいのは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ブチルエチル基、t−ブチルプロピル基、n−ヘキシル基、アミル基、sec−アミル基、t−アミル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜20の第1級〜第3級アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。アリール基としてはα−ナフチル基、β−ナフチル基のような縮合環を有するアリール基であってもよい。アリール基の置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基やハロゲン原子等が挙げられる。
【0032】
一般式(6)で表されるホスファイト化合物の好ましい例としては、一般式(7)又は(8)で表されるホスファイト化合物が挙げられる。
【0033】
【化12】
【0034】
式中、Q及びYは一般式(6)におけると同じである。R20、R21、R22、R23、R24及びR25としては、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、水素原子等が挙げられる。
これらの化合物の具体例としては、表1に示すような化合物が挙げられる。
【0035】
【表1】
【0036】
本発明において第8族貴金属錯体の配位子として用いるビスホスファイト及びポリホスファイト配位子としては、一般式(9)で表されるものが挙げられる。
【0037】
【化13】
【0038】
(式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表し、R26及びR27は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は炭素数5〜30のヘテロ芳香族炭化水素基を表す。Zで表される二価の有機基の代表的なものとしては、一般式(3)で例示したような脂肪族基又は芳香族基が挙げられる。R26及びR27の置換基としては、反応を阻害しないものであれば如何なるものでもよいが、通常は炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子等が挙げられる。R26及びR27によって表される基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基等の炭素数1〜20個の直鎖又は分岐のアルキル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基のような炭素数3〜20個のシクロアルキル基、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、メチルナフチル基、メトキシナフチル基、クロロナフチル基、ニトロナフチル基、テトラヒドロナフチル基等の置換基を有していてもよいアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ニトロピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ベンゾフリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンズイミダゾリル基、インドリル基等のヘテロ元素含有芳香族基等が挙げられる。
【0039】
Wは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ置換基を有していてもよいm価炭化水素基を表す。m1及びm2はそれぞれ0〜6の整数を表し、m=m1+m2であって、mは2〜6の整数を表す。なお、m1、m2が2以上の整数の場合には、複数のZ、R26、R27は互いに異なっていてもよい。一般式(9)におけるZとして好ましいのは、一般式(4)、(5)及び(6)で表される化合物におけるZに相当する基である。また、R26及びR27は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基であるのが望ましい。その具体例としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、α−ナフチル基、3−メチル−α−ナフチル基、3,6−ジメチル−α−ナフチル基、β−ナフチル基、1−メチル−β−ナフチル基、3−メチル−β−ナフチル基等が挙げられる。
【0040】
また、Wはアルキレン基、アリーレン基及びアリーレン−(CH2 y −(Q)n −(CH2 y −アリーレン基−(各アリーレン基は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基であり、Qは−CR2829−、−O−、−S−、−NR30−、−SiR3132−及び−CO−(R28及びR29はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表し、R30、R31及びR32はそれぞれ水素原子又はメチル基を表す)よりなる群から選ばれるブリッジ基を表し、各y及びnは、それぞれ独立して、0又は1を表す。)で表される二価の有機基であるのが好ましい。
【0041】
その具体例としては、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,3−ジメチル−1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,8−オクチレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2,3−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、1,1′−ビナフチル−7,7′−ジイル基、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、2,2′−ビナフチル−1,1′−ジイル基、2,2′−ビナフチル−3,3′−ジイル基等が挙げられる。
【0042】
一般式(9)において好ましいのは、Zが一般式(6)で表される化合物におけるZに相当する基であって、かつWが一般式(10)で表される基であるものである。
【0043】
【化14】
【0044】
式中、R37及びR38は、それぞれ独立して、炭素原子1〜12個のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。アルキル基やアルコキシ基として最も一般的なのは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基等である。またハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれであってもよい。R33からR36は、それぞれ独立して、炭素数1〜20個のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、又はハロゲン原子もしくは水素原子を表す。アルキル基やアルコキシ基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ヘキシル基、ノニル基、デシル基、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。また、一般式(10)において隣接する2個の置換基、すなわちR35とR37及び/又はR36とR38が互いに結合して、炭素数3〜40個からなる環状構造の一部分を形成していてもよい。その例としては、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基が挙げられる。Qは一般式(6)におけると同義である。
【0045】
一般式(9)で表されるポリホスファイト配位子の好ましい例は、一般式(9)におけるR26及びR27が、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基であり、かつWが一般式(10)におけるR33及びR34が、それぞれ独立して、炭素数3〜20個の分岐型アルキル基であり、R35及びR36が、それぞれ独立して、炭素数1〜20個のアルキル基又はアルコキシ基である1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル骨格、又は、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル骨格を有する置換アリーレン−アリーレン基であるものである。このようなWの具体例としては、3,3′−ジ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−6,6′−ジ−t−ブトキシ−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ペンチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′,6,6′−テトラ−t−ペンチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′,6,6′−テトラメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基等が挙げられる。
【0046】
Wとして最も好ましいものは、R33〜R36が上記で定義したものであり、更にR37及びR38が、それぞれ独立して、炭素数1〜3個のアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子であるものである。すなわちR37及びR38がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれかであるものである。このようなWの例としては、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′,6,6′−テトラメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジエチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジフルオロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基等が挙げられる。
【0047】
一般式(9)で表されるポリホスファイト化合物のうち、本発明で用いるのに好ましいもののいくつかを表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】
【表11】
【0058】
【表12】
【0059】
【表13】
【0060】
【表14】
【0061】
【表15】
【0062】
【表16】
【0063】
【表17】
【0064】
【表18】
【0065】
【表19】
【0066】
【表20】
【0067】
【表21】
【0068】
【表22】
【0069】
【表23】
【0070】
【表24】
【0071】
【表25】
【0072】
【表26】
【0073】
【表27】
【0074】
有機ホスファイト化合物は通常は1種類を用いるが、所望ならば2種類以上を混合して用いてもかまわない。たとえばモノホスファイトとビスホスファイト又はポリホスファイト化合物とを併用してもよい。有機ホスファイト化合物の使用量は特に制限されるものではないが、一般に、第8族貴金属1モル当たり約0.1〜500モル、好ましくは0.1〜100モル、より好ましくは1〜30モルの範囲から選ばれる。
【0075】
本発明で触媒として用いる第8族貴金属錯体は、あらかじめ、第8族貴金属化合物と有機ホスファイト化合物とから錯体を形成して用いてもよく、また、前駆体となる第8族貴金属化合物と有機ホスファイト化合物とを反応系に添加して系中で生成させてもよい。第8族貴金属化合物と有機ホスファイト化合物とからの錯体の調製は、公知の方法で容易に行うことができる。第8族貴金属としてはロジウムを用いるのが好ましい。ロジウム源としては、例えば、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、酢酸ロジウム、ギ酸ロジウム、塩化ロジウム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸カリウムのようなロジウムの無機又は有機酸塩、アルミナ、シリカ、活性炭などの担体に担持されたロジウム金属、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、ロジウム(1,5−シクロオクタジエン)アセチルアセトナートのようなロジウムのキレート性化合物、テトラロジウムドデカカルボニル、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル、μ,μ′−ジクロロロジウムテトラカルボニル、〔Rh(OAc)(COD)〕2 (CODは1,5−シクロオクタジエンを表す。)、〔Rh(μ−S−t−Bu)(CO)2 2 のようなロジウムのカルボニル錯化合物が挙げられる。第8族貴金属錯体の反応帯域における濃度は、金属原子換算で、反応媒体1リットルに対し通常は0.05mg〜5gである。0.5mg〜1g、特に10mg〜500mgの範囲にあるのが好ましい。
【0076】
ヒドロホルミル化反応は液相中で行われるので、反応系には反応に不活性な溶媒を存在させるのが好ましい。溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、ジ−n−オクチルフタレート等のエステル類などが用いられる。反応により生成するアルデヒドや、アルデヒド縮合体等の反応で副生する高沸点成分混合物等を溶媒として用いることもできる。更には原料のオレフィン性化合物自体を溶媒として用いることもできる。好ましくは、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、反応で生成するアルデヒド及び反応で副生する高沸点成分の混合物を溶媒として用いる。
【0077】
本発明において、ヒドロホルミル化反応そのものは常法に従って行えばよい。反応温度は、通常は15〜150℃であるが、30〜130℃、特に50℃〜110℃であるのが好ましい。反応圧力は、通常は常圧〜200気圧であるが、1〜100気圧、特には3〜50気圧であるのが好ましい。オキソガスの水素と一酸化炭素のモル比(H2 /CO)は通常10/1〜1/10、好ましくは1/1〜6/1の範囲から選択される。
【0078】
ヒドロホルミル化反応の原料であるオレフィン系化合物としては、分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも1つ有する有機化合物であれば特に制限はない。例えば直鎖、枝分かれ又は環式構造をもつオレフィン系化合物のいずれであってもよく、また二重結合は内部又は末端のいずれにあってもよい。原料として通常用いられるオレフィンは2〜20個の炭素原子を有するものであり、ヒドロホルミル化反応に実質上影響しないカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、ハロアルキル基等のような置換基を有していてもよい。オレフィン系化合物の例としては、α−オレフィン、内部オレフィン、アルケン酸アルキル、アルカン酸アルケニル、アルケニルアルキルエーテル、アルケノール等が挙げられる。
【0079】
これらの化合物のいくつかを例示すると、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、ペンテン、ヘキセン、1,4−ヘキサジエン、オクテン、1,7−オクタジエン、ノネン、デセン、ヘキサデセン、オクタデセン、エイコセン、ドコセン、スチレン、α−メチルスチレン、3−フェニル−1−プロペン、3−シクロヘキシル−1−ブテン、シクロヘキセン等のオレフィン;プロピレン〜ブテン混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン〜ブタジエン混合物等の低級オレフィン混合物;プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等の低級オレフィンの二量体〜四量体のようなオレフィンオリゴマー異性体混合物;アクリロニトリル、アリルアルコール、1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエン、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン、オレイルアルコール、1−メトキシ−2,7−オクタジエン、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、オレイン酸メチル、オクタ−1−エン−4−オール、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸3−ブテニル、プロピオン酸アリル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、n−プロピル−7−オクテノエート、3−ブテンニトリル、5−ヘキセンアミド等の極性基置換オレフィン類等が挙げられる。これらのうち原料として好ましいのは分子内にオレフィン性二重結合を1つだけ有するモノオレフィン系化合物である。なかでも炭素数2〜20の炭化水素オレフィンが好ましく、最も好ましいのはプロピレン、又は1−ブテン、2−ブテン、イソブテン及びその混合物、1−オクテン、混合オクテンである。
【0080】
ヒドロホルミル化反応の生成物は、反応方式により未反応ガスによるストリッピング、又は、蒸留等により、触媒を含む反応媒体から分離されて回収される。いずれの場合にも、触媒を含む反応媒体の一部は、高沸点副生物の蓄積を避けるために、連続的又は間欠的に反応系外に抜き出し触媒液として抜き出され、抜き出された量に対応する量の第8族貴金属及び有機ホスファイト化合物が新たに反応系に供給される。
【0081】
本発明では、この抜き出し触媒液から第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物を回収する。抜き出し触媒液に本発明を適用するにあたっては、これを予め蒸留して濃縮するのが好ましい。特に第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物の良溶媒となるような反応溶媒を多量に含有する場合には、予め蒸留を行うべきである。蒸留は温度50〜250℃、圧力0.5〜1000mmHgで行えばよい。さらに好ましくは、高沸点副生物の一部をも同様な操作で除去する。通常は液中の第8族貴金属錯体の濃度を、第8族貴金属原子に換算して、10mg/L以上としてから本発明を適用する。好ましくは100mg/L以上、特に500mg/L以上に濃縮してから、本発明を適用する。
【0082】
本発明では、上記の処理を経た抜き出し触媒液に有機溶媒又は有機溶媒及び水を混合し、第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物を晶出させて、分離回収する。
抜き出し触媒液に混合する有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン等の炭素数1〜8のアルコール、アセトニトリル、N−メチルピペリドン、ジエチルエーテル等の極性化合物、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の無極性化合物が挙げられる。好ましくは、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の炭素数1〜4のアルコールが用いられる。最も好ましくはメチルアルコールを用いる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、また、それらの混合物として用いてもよい。本発明では抜き出し触媒液に上記の有機溶媒又は有機溶媒及び水を混合するが、有機溶媒又は有機溶媒及び水の混合量は、抜き出し触媒液に対し該有機溶媒及び水の合計量で通常0.1重量倍以上、好ましくは1〜50重量倍程度である。有機溶媒に対する水の割合(水/有機溶媒)は、重量比で0/100〜50/50であるのが好ましい。一般に第8族貴金属錯体も有機ホスファイト化合物もメタノールを始めとする有機溶媒に溶解し易いが、水を加えて溶媒の極性を高めると第8族貴金属錯体も有機ホスファイト化合物も溶解度が低下して晶出し易くなる。この傾向は特に第8族貴金属錯体で著しく、錯体を晶出させる場合には水を添加すべきである。有機溶媒又は有機溶媒及び水の混合方法は任意であり、抜き出し触媒液に有機溶媒又は有機溶媒及び水を添加してもよいし、有機溶媒又は有機溶媒及び水に抜き出し触媒液を添加してもよい。更に、抜き出し触媒液に有機溶媒を添加し、最後に水を添加してもよい。
【0083】
第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物の晶出操作は、二酸化炭素、窒素、希ガス、メタン等の非酸化性雰囲気中で行うのが好ましい。酸素の存在は第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物を酸化させるので、できるだけ存在させないように管理するのが望ましい。晶出操作は水素を含む雰囲気中で行うのが好ましく、水素と一酸化炭素を含む雰囲気で行うのが最も好ましい。晶出する第8族貴金属錯体の組成は雰囲気により影響され、窒素雰囲気では第8族貴金属2原子に一酸化炭素や有機ホスファイト化合物が配位した錯体が生成するが、水素を含む雰囲気では第8族貴金属1原子に一酸化炭素や有機ホスファイト化合物が配位した錯体が生成するようである。そして一酸化炭素及び水素を含む雰囲気の場合には、錯体への一酸化炭素の配位が十分に行われるためか第8族貴金属錯体の晶出量が最も多い傾向がある。
【0084】
晶出操作は、第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物が分解しない温度であれば任意の温度で行い得るが、通常、−20〜150℃、好ましくは0〜70℃の範囲で行う。
晶出操作の圧力も任意であるが通常、絶対圧で0.001気圧以上、好ましくは1〜100気圧の範囲である。
また、晶出操作の時間は、通常数分以上、好ましくは数分〜数時間の範囲である。晶出した第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物は、通常の固体分離法、例えば、遠心濾過法、遠心分離法、加圧濾過法等により固液分離し回収することができる。分離回収した第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物は、ヒドロホルミル化反応の触媒として用いるのに十分な触媒活性を有している。従って、分離回収した第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物はそのまま、反応帯域に供給して、触媒として再使用する事ができる。
【0085】
以上、詳細に説明したように本発明方法によれば、抜き出し触媒液から、第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物を簡単な操作で効率よく回収でき、しかも回収した第8族貴金属錯体及び/又は有機ホスファイト化合物は触媒として十分な活性を有し、また、反応に好ましくない不純物を実質上含まないので、そのまま反応帯域に供給して再使用する事ができるので、本発明の工業的価値は極めて大きい。
次に実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
【0086】
【実施例】
実施例1
ロジウム化合物としてジ−μ−アセタト−ビス(1,5−シクロオクタジエン)二ロジウム(I)(〔Rh(C8 12)(μ−CH3 CO2 )〕2 )錯体、有機ホスファイト化合物として表2のNo.53の化合物を用いてプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、下記の組成の抜き出し触媒液を得た。
【0087】
ロジウム錯体濃度(ロジウム原子換算値) 135mg/L
有機ホスファイト化合物 0.5重量%
ブチルアルデヒド 28.4重量%
高沸点副生物 71 重量%
【0088】
この抜き出し触媒液95g及び30重量パーセントの水を有する含水メチルアルコール800gを窒素ガス雰囲気にて磁性撹拌子を入れた2リットルのオートクレーブに入れ、密閉した。温度25℃、常圧の条件で2時間撹拌をした。その後、0.2μmのテフロンフィルターによる濾過により固液分離し、晶析物を得た。ロジウムの回収率は95%、有機ホスファイト化合物の回収率は100%であった。
【0089】
実施例2
実施例1の抜き出し触媒液95g及び30重量パーセントの水を有する含水メチルアルコール800gを窒素ガス雰囲気にて磁性撹拌子を入れた2リットルのオートクレーブに入れ、密閉した。その後、25℃で水素:一酸化炭素=1:1の混合ガスを8気圧となるように圧入した。この圧力を維持したまま2時間撹拌した。次いでオートクレーブを放圧し、直ちに0.2μmのテフロンフィルターによる濾過により固液分離し、晶析物を得た。ロジウムの回収率は100%であり、有機ホスファイト化合物の回収率も100%であった。
【0090】
実施例3
実施例2において、30重量パーセントの水を有する含水メチルアルコールの代りに20重量パーセントの水を有する含水メチルアルコールを用いた以外は、実施例2と全く同様にして晶出操作を行った。その結果、ロジウムの回収率は87%、有機ホスファイト化合物の回収率は100%であった。
【0091】
実施例4
実施例2において、含水メチルアルコールを30重量パーセントの水を有する含水プロピルアルコールにかえた以外は、実施例2と全く同様にして晶出操作を行った。その結果、ロジウムの回収率は85%、有機ホスファイト化合物の回収率は99%であった。
【0092】
実施例5
ロジウム化合物としてジ−μ−アセタト−ビス(1,5−シクロオクタジエン)二ロジウム(I)(〔Rh(C8 12)(μ−CH3 CO2 )〕2 )錯体、有機ホスファイト化合物として表2のNo.65の化合物を用いてプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、下記組成の抜き出し触媒液を得た。
【0093】
ロジウム錯体濃度(ロジウム原子換算値) 134mg/L
有機ホスファイト化合物 0.5重量%
ブチルアルデヒド 29.4重量%
高沸点副生物 70 重量%
【0094】
この抜き出し触媒液95g及び30重量パーセントの水を有する含水メチルアルコール800gを、窒素ガス雰囲気にて磁性撹拌子を入れた2リットルのオートクレーブに入れ、密閉した。温度25℃、常圧の条件で2時間撹拌をした。その後、0.2μmのテフロンフィルターによる濾過により固液分離し、晶析物を得た。ロジウムの回収率は93%であった。また、有機ホスファイト化合物の回収率は100%であった。
【0095】
実施例6
実施例5の抜き出し触媒液95g及び30重量パーセントの水を有する含水メチルアルコール800gを、窒素ガス雰囲気にて磁性撹拌子を入れた2リットルのオートクレーブに入れ、密閉した。その後、25℃で水素:一酸化炭素=1:1の混合ガスを8気圧となるように圧入した。この圧力を維持したまま2時間撹拌した。次いでオートクレーブを放圧し、直ちに0.2μmのテフロンフィルターによる濾過により固液分離し、晶析物を得た。ロジウムの回収率は100%であり、有機ホスファイト化合物の回収率も100%であった。
【0096】
実施例7
実施例6において、含水メチルアルコールを20重量パーセントの水を有する含水メチルアルコールにかえた以外は、実施例6と全く同様にして晶出操作を行った。その結果、ロジウムの回収率は、88%であった。また、有機ホスファイト化合物の回収率は100%であった。
【0097】
実施例8
実施例6において、含水メチルアルコールをメチルアルコールにかえた以外は、実施例6と全く同様にして晶出操作を行った。その結果、有機ホスファイト化合物が回収率98%で回収されただけであった。
【0098】
参考例
回収した晶出物のヒドロホルミル化反応に対する触媒活性を試験する為に下記の実験を行った。
実施例1、2で回収した晶出物を、ロジウム原子に換算して125mg/Lになるようにそれぞれトルエンに溶解した。それぞれのトルエン溶液を用いてプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応率、みかけの反応速度定数、ブチルアルデヒドへの選択率を求めた。また、比較の為に、ジ−μ−アセタト−ビス(1,5−シクロオクタジエン)二ロジウム(I)(〔Rh(C8 12)(μ−CH3 CO2 )〕2 )錯体をロジウム原子に換算して125mg/Lになるようにトルエンに溶解し、さらにこれに表2のNo.53の化合物をトルエンに対し0.5重量%となるように添加したトルエン溶液(以下標準調整液という)を使用し、同一の条件で反応を行った。
【0099】
ヒドロホルミル化反応は、内容積200mLの電磁撹拌式オートクレーブに、上記のトルエン溶液50mL及びプロピレン4gを仕込み、70℃に加熱したのちオキソガス(H2 /CO=1(モル比))を圧入し、絶対圧で9気圧で反応を開始させた。反応中、圧力が一定に保たれるようにオートクレーブとオキソガス畜圧器とを自動定圧装置を経て連結し、反応によって消費されるオキソガスを補給した。2.5時間後にオートクレーブを急冷し、気相及び液相の残存プロピレン並びに生成ブチルアルデヒドをガスクロマトグラフィーにより分析した。また、畜圧器におけるオキソガス圧の減少曲線より、見かけの反応速度定数(1次)を求めた。結果を表3に示す。
【0100】
【表28】
【0101】
表3より本発明で回収したロジウム錯体は、オレフィンのヒドロホルミル化反応に十分な触媒活性を有しており、またヒドロホルミル化反応に有害な不純物を実質上含んでいないので、そのままヒドロホルミル化の反応系に再循環させても所望の反応成績及び反応速度が得られる事がわかる。

Claims (8)

  1. 一般式(9)で表される有機ホスファイト化合物を配位子として有する第8族貴金属錯体触媒を含有する液相中で、オレフィン性二重結合に一酸化炭素及び水素を反応させてアルデヒドを生成させるヒドロホルミル化反応において、反応系から抜出した第8族貴金属錯体触媒を含む溶液からの第8族貴金属及び/又は有機ホスファイト化合物の回収方法であって、この第8族貴金属錯体を含む溶液に有機溶媒及び水を混合して第8族貴金属錯体及び有機ホスファイト化合物の少なくとも一方を晶出させ、次いで晶出物を液相から分離することを特徴とする方法。
    (式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表し、R 26 及びR 27 は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は炭素数5〜30のヘテロ芳香族炭化水素基を表す。Wは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ置換基を有していてもよいm価炭化水素基を表す。m 及びm はそれぞれ0〜6の整数を表す。m=m +m であり、かつmは2〜6の整数を表す。)
  2. 第8族貴金属がロジウムであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 有機溶媒が炭素数1〜8のアルコールであることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 有機溶媒が炭素数1〜4のアルコールであることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  5. 有機溶媒がメタノールであることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  6. 一般式(9)におけるZが、アルキレン基、アルキレン−オキシ−アルキレン基、アルキレン−NR12−アルキレン基(R12は水素原子又は炭化水素基を表す)、アルキレン−S−アルキレン基及びシクロアルキレン基より成る群から選ばれた二価の脂肪族基、又はアリーレン基、ビアリーレン基、アリーレン−アルキレン基、アリーレン−アルキレン−アリーレン基、アリーレン−オキシ−アリーレン基、アリーレン−オキシ−アルキレン基、アリーレン−NR12−アルキレン基(R12は水素原子又は炭化水素基を表す)、アリーレン−S−アルキレン基及びアリーレン−S−アリーレン基よりなる群から選ばれた二価の芳香族基若しくは芳香族−脂肪族基であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 一般式(9)におけるR26及びR27が、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基であり、かつWが一般式(10)で表されるアリーレン基であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
    (式中、R33及びR34は、それぞれ独立して、炭素数3〜20の分岐アルキル基を表し、R35及びR36は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基を表し、R37及びR38は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。Qは−CR1516−、−O−、−S−、−NR17−、−SiR1819−である架橋基である。この架橋基において、R15及びR16は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基又はアニシル基を表し、R17〜R19は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。nは0又は1を表す。)
  8. 一般式(9)におけるR26及びR27が有していてもよい置換基が、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
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