JP4595495B2 - アルデヒドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルデヒドの製造方法に関し、より詳細には、第8族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させてアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法に関する。
オレフィン性不飽和有機化合物を一酸化炭素及び水素(通常、シンガスあるいはオキソガスと呼ばれる)でロジウム(8族金属)−リン(配位子)錯体触媒及び遊離リン配位子の存在下においてヒドロホルミル化することによってアルデヒドを製造する方法は、例えば米国特許3,527,809号の基本的な低圧オキソヒドロホルミル化プロセス及び米国特許4,148,830号のロジウム触媒ヒドロホルミル化プロセスに見られる通りに当分野においてよく知られている。
ヒドロホルミル化反応は、高価な貴金属触媒を用いるため、触媒を半永久的に使用するのが理想的である。このためストリッピングや蒸留などにより生成物と触媒を分離し、分離された触媒は次の反応に用いられる(あるいは生成物を分離しながら反応を行う)。しかしながら、このようなヒドロホルミル化反応においては、種々の高沸点副生物が生成し蓄積するので、触媒液の一部を連続的に又は間欠的に反応系外へ抜き出すことが必要である。抜き出された触媒液には高価な貴金属が含まれているので、これを効率よく回収することは重要である。
例えば、特公昭59−23858号公報では、アルコールと水の存在下、95℃以下の処理温度で水素と接触させ、水素原子が配位したロジウム−トリアリールホスフィン系錯体を晶出させて回収する方法が記載されている。
しかしながら、これまでの方法では、貴金属(第8属金属)の回収率がまだ充分ではなかった。
米国特許3,527,809号 米国特許4,148,830号 特公昭59−23858号公報
本発明の課題は、より貴金属(第8属金属)の回収率の高いヒドロホルミル化プロセスを提供することにある。
これに関して、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、貧溶媒存在下に水素処理し、ロジウム錯体を晶出させるに際して、驚くべきことに、系中に有機酸を存在させるとロジウム錯体の回収率が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は下記(1)〜()に存する。
(1)第8族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素とヒドロホルミル化反応させてアルデヒドを製造する方法において、ヒドロホルミル化反応液の一部を抜き出し、第8族金属−有機リン系錯体触媒に対する貧溶媒である、水と炭素数1から3のアルコールの混合物からなる溶媒、水素、炭素数8以下の有機酸、及びトルエン、キシレン、及びエチルベンゼンから選ばれる少なくとも1種の芳香族炭化水素を混合して第8族金属−有機リン系錯体触媒を晶出させ、ついで晶出物を反応液から分離する工程を含むことを特徴とするアルデヒドの製造方法。
(2)炭素数8以下の有機酸の混合量が前記貧溶媒100重量部に対して0.0001〜10重量部である上記(1)に記載のアルデヒドの製造方法。
(3)分離した晶出物をヒドロホルミル化反応工程に循環させる上記(1)又は(2)に記載のアルデヒドの製造方法。
(4)第8族金属がロジウムである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアルデヒドの製造方法
本発明により、より貴金属(第8属金属)の回収率の高いヒドロホルミル化プロセスを提供することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、第8族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素とヒドロホルミル化反応させてアルデヒドを製造する方法において、ヒドロホルミル化反応液の一部を抜き出し、第8族金属−有機リン系錯体触媒に対する貧溶媒、水素、有機酸を混合して第8族金属−有機リン系錯体触媒を晶出させ、次いで晶出物を反応液から分離する工程を含むことを特徴とする。
本発明方法において、第8属金属とは、1983年の周期律表における属金属であり、現在の周期律表における8〜10族の金属であり、具体的には、ロジウム、パラジウム、コバルト、ルテニウム、白金等が挙げられ、好ましくはロジウムである。
本発明方法を実施するにあたり、触媒原料として使用される第8属金属化合物としては、例えば塩化ロジウム、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金、臭化ロジウム、沃化ロジウム、硫酸ロジウム、硝酸ロジウム、硝酸パラジウム、塩化ロジウムアンモニウム、塩化ロジウムナトリウム等の水溶性の無機塩又は無機錯化合物、ギ酸ロジウム、酢酸ロジウム、酢酸パラジウム、プロピオン酸ロジウム、プロピオン酸パラジウム、オクタン酸ロジウム等の水溶性有機酸塩等を挙げることができる。また、それぞれの金属の錯体種を用いてもよい。その中でも反応活性及び触媒コストの観点から、酢酸ロジウムを用いるのが好ましい。
またヒドロホルミル化反応に用いられる有機リン化合物としては、単座配位子又は多座配位子としての能力をもつホスフィン又はホスファイト等が挙げられる。ホスフィンとしては、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリキシリルホスフィン、トリス(p−エチルフェニル)ホスフィン等のフェニル基にアルキル置換基を有するホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン等のフェニル基にアルコキシ置換基を有するホスフィン等、フェニル基上にヒドロホルミル化反応条件下で不活性な置換基を有するトリアリールホスフィン等が挙げられ、中でもトリフェニルホスフィンを使用するのがその入手の容易さから好ましい。
また単座のホスファイトとしては、トリメチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト等のトリアルキルホスファイト、置換基を有していてもよいトリフェニルホスファイト、置換基を有していてもよいトリナフチルホスファイト等のトリアリールホスファイト及びアルキルアリールホスファイト等が用いられる。
また多座ホスファイトの例としては、例えば、下記の式(1)〜(10)で示される3価のホスファイト化合物を用いることができる。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。)
式(1)中、置換されていてもよい1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基等が挙げられる。
式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、n−ブチルジエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリ−n−オクチルホスファイト、トリ−n−ドデシルホスファイト等のトリアルキルホスファイト;トリフェニルホスファイト、トリナフチルホスファイト等のトリアリールホスファイト;ジメチルフェニルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイト、エチルジフェニルホスファイト等のアルキルアリールホスファイト等が挙げられる。また、例えば、特開平6−122642号公報に記載されているビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)フェニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)(4−ビフェニル)ホスファイト等を用いてもよい。これらの中で最も好ましいものはトリフェニルホスファイトである。
(式中、Rは置換されていてもよい2価の炭化水素基を示し、Rは置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。)
式(2)中、Rで示される置換されていてもよい2価の炭化水素基としては、炭素鎖の中間に酸素、窒素、硫黄原子等を含んでいてもよいアルキレン基;炭素鎖の中間に酸素、窒素、硫黄原子等を含んでいてもよいシクロアルキレン基;フェニレン、ナフチレン等の2価の芳香族基;2価の芳香環が直接又は中間にアルキレン基、酸素、窒素、硫黄等の原子を介して結合した2価の芳香族基;2価の芳香族基とアルキレン基とが直接又は中間に酸素、窒素、硫黄等の原子を介して結合したもの等が挙げられる。Rで示される置換されていてもよい1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基等が挙げられる。
式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、ネオペンチル(2,4,6−t−ブチル−フェニル)ホスファイト、エチレン(2,4,6−t−ブチル−フェニル)ホスファイト等の米国特許第3415906号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
(式中、R10は式(2)におけるRと同義であり、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基を示し、x及びyは、それぞれ独立して、0又は1を示し、Qは−CR1112−,−O−,−S−,−NR13−,−SiR1415及び−CO−よりなる群から選ばれる架橋基であり、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基又はアニシル基を示し、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、nは0又は1を示す。)
式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト等の米国特許第4599206号公報に記載されている化合物、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル−(2−t−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスファイト等の米国特許第4717775号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
(式中、Rは環状又は非環状の置換されていてもよい3価の炭化水素基を示す。)
式(4)で表される化合物の具体例としては、例えば、4−エチル−2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン等の米国特許第4567306号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
(式中、Rは式(2)におけるRと同義であり、R及びRはそれぞれ独立して置換されていてもよい炭化水素基を示し、a及びbはそれぞれ0〜6の整数を示し、aとbの和は2〜6であり、Xは(a+b)価の炭化水素基を示す。)
式(5)で表される化合物のうち好ましいものとしては、例えば、6,6’−[[3,3’,5,5’−テトラキス(1,1’−ジメチルエチル)−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサホスフェビン等の特開平2−231497号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
(式中、Xはアルキレン、アリーレン及び−Ar−(CH)x−Qn−(CH)y−Ar−よりなる群から選ばれた2価の基を示し、R16及びR17は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基を示す。Ar、Ar、Q、x、y、nは式(3)と同義である。)
式(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開昭62−116535号公報及び特開昭62−116587号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
(式中、X、Ar、Ar、Q、x、y、nは式(6)と同義であり、R18は式(2)におけるRと同義である。)
(式中、R19及びR20はそれぞれ独立して芳香族炭化水素基を示し、かつ少なくとも一方の芳香族炭化水素基は、酸素原子が結合する炭素原子に隣接する炭素原子に炭化水素基を有しており、mは2〜4の整数を示し、各−O−P(OR19)(OR20)基は互いに異なっていてもよく、Xは置換されていてもよいm価の炭化水素基を示す。)
式(8)で表される化合物の中では、例えば、特開平5−178779号公報に記載されている化合物や2,2’−ビス(ジ−1−ナフチルホスファイト)−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル等の特開平10−45776号公報に記載されている化合物等が好ましい。
(式中、R21〜R24は、置換されていてもよい炭化水素基を示し、これらは互いに独立したものであっても、R21とR22、R23とR24が互いに結合して環を形成していてもよく、Wは置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、Lは置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)
式(9)で表される化合物としては、例えば、特開平8−259578号公報に記載のものが用いられる。
(式中、R25〜R28は、置換されていてもよい1価の炭化水素基を示し、R25とR26、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよく、A及びBはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、nは0又は1の整数を示す。)。
該有機リン化合物を反応器に導入するにあたっては、該有機リン化合物をそのまま該反応系に導入することもできるが、取扱やすさ等を考慮すれば、有機溶媒に溶解させて導入するのが好ましい。
本発明において使用されるオレフィンとしては、炭素数2〜20のオレフィンが挙げられ、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンあるいはα位以外に二重結合を持つ内部オレフィン等が挙げられる。
本発明においては第8属金属−有機リン系錯体触媒を用いて炭素数n(nは2〜20の整数)のオレフィンのヒドロホルミル化反応を行い、炭素数n+1(nは原料としてのオレフィンの炭素数nと同じ)のアルデヒドを生成させる。
炭素数n+1(nは原料としてのオレフィンの炭素数nと同じ)のアルデヒドとしては、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド等が挙げられる。またこれらのアルデヒドは、通常の場合、直鎖体と分岐鎖体の混合物の形で生成する。
ヒドロホルミル化反応は、第8族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させる。
ヒドロホルミル化反応の溶媒としては、生成するアルデヒドより高沸点で反応阻害作用のない溶媒が好ましく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、酢酸ブチル、酪酸ブチルエステル等のエステル類あるいはケトン類等があげられる。
ロジウム錯体触媒を用いたヒドロホルミル化反応の反応条件としては、通常、水素分圧0.01〜20MPa、一酸化炭素分圧0.01〜20MPa、全圧0.1〜30MPa、水素分圧/一酸化炭素分圧=0.1〜10、反応温度60〜200℃、Rh濃度は数重量ppm〜数重量%、P(遊離有機リン配位子)/Rh=2〜10000(モル比)、反応時間数分〜10数時間の範囲内で適宜選択される。
オレフィンのヒドロホルミル化反応は、通常流通式の反応器に原料であるオレフィン、オキソガスを連続的に供給し、上記ヒドロホルミル化反応条件にて実施されるが、回分式の反応器も使用することもできる。
流通反応の方式として主なものに、ストリッピング方式と液循環方式がある。図1、2を用いて説明すると、ストリッピング方式は、触媒液4を反応器3内に保持し、オレフィン2、オキソガス1を連続的に供給し、反応によって生成したアルデヒドを反応器内で気化させ、系外に取り出す方法である。一方液循環方式は、オレフィン2、オキソガス1だけでなく触媒液も連続的に反応器3に供給し、反応器内で生成したアルデヒドは、触媒液とともに液相で7により反応器外に抜き出される。反応器から抜き出されたこの混合物中の生成は、例えば未反応ガスによるストリッピングや、蒸留等の分離操作8によって、生成アルデヒド5と触媒液4等に分離される。分離された生成アルデヒドは、系外に抜き出され、一方触媒液は反応器にリサイクルされる。
例えば、液循環方式の場合、該ヒドロホルミル化反応によって生成するアルデヒドは、未反応ガスによるストリッピング、あるいは蒸留等により触媒液と分離されて回収されるが、該反応液の一部は、高沸点生成物の蓄積を避けるために連続的または間欠的に反応系外に抜き出される。抜き出された量に対応する量の触媒及び有機リン系化合物が新たに反応系に供給される。一方ストリッピング方式の場合、反応器内に保持されている触媒液は、通常間欠的に反応系外に抜き出されることが多い。
本発明の方法は、この反応系外に抜き出された反応液に適用される。具体的には、抜き出された反応液に、貧溶媒、水素、有機酸を混合して第8族金属−有機リン系錯体触媒を晶出させ、次いで晶出物を反応液から分離する。
反応液に、貧溶媒、水素、有機酸を混合する順番はどの順番でもよいが、例えば、貧溶媒に有機酸を加え、次いで反応液、最後に水素という順番で混合すればよい。実際の工業化を考えると、例えば、水素加圧された槽に有機酸を含んだ貧溶媒、反応液を同時に加えて混合する方法が挙げられる。
なお、本発明においては、より一層回収率を向上させるという観点から、貧溶媒、水素、有機酸を混合する際、芳香族炭化水素を共存させて添加することが好ましい。
本発明における貧溶媒とは、反応液よりも第8属金属化合物の溶解度が低いことが前提であるが、本発明の晶析操作においては、反応液と均一相を保つものであり、かつ反応系で反応に関与しないものがよい。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン及びそれらと水の混合物が挙げられ、第8属金属の回収率の観点から、好ましくは水と炭素数1から3のアルコールの混合物で、その混合比は、5:1〜1:5程度、好ましくは1:1〜1:4である。通常水の比率が少ないと錯体の溶解度の理由から回収率が低下し、逆に水の比率が高すぎても系が油水の2相となり、良好な回収率が得られない。
貧溶媒と反応液の比は、通常約10:1から1:2程度であり、好ましくは5:1〜1:1である。通常貧溶媒は少ない方がプロセススケールが小さくなるため好ましいが、基本的には適度な回収率が得られるような量が選定される。また貧溶媒の組成も影響する。
また、本発明における有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸等が挙げられ、第8属金属の回収率の観点から、好ましくは、炭素数8以下の酸が挙げられ、特に好ましくは炭素数4以下の酸である。
有機酸の量としては、貧溶媒に対して通常0.0001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上であり、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。有機酸は多量添加してもよいが、多すぎると経済的ではなく、少なすぎると第8属金属回収率向上の効果が得られない。
また、本発明における芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン、デシルベンゼン、ドデシルベンゼン等が挙げられ、第8属金属の回収率の観点から、好ましくはトルエン、キシレン、エチルベンゼンが挙げられ、特に好ましくはトルエンである。
芳香族炭化水素の量としては、貧溶媒に対して通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であり、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。芳香族炭化水素が少なすぎると第8属金属回収率向上の効果が得られず、多すぎても、第8属金属回収率が低下する。
反応液、貧溶媒、水素を混合する際の温度は、どのような温度でも良いが、通常反応液は常温〜200℃、水素は常温〜100℃、貧溶媒は、マイナス20℃〜100℃の範囲の温度で供給される。
晶析操作の際の温度は、通常マイナス20℃〜50℃の範囲で行われる。また、晶析操作の際の圧力は、通常常圧〜10MPaの範囲で行われる。
晶出した第8属金属化合物は、通常用いられる固液分離の方法で液体と分離される。具体的には、デカンテーション、遠心分離、濾過等の方法があり、工業的には遠心濾過が使われることが多い。
得られた第8属金属化合物は、反応器に戻される。その際通常の場合、反応溶媒に溶解して反応器に戻される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその用紙を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
第8属金属化合物として酢酸ロジウム、有機リン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応の抜き出し触媒液から、蒸留により反応溶媒を除去して、下記組成の釜残液を得た。
ロジウム錯体濃度(ロジウム原子換算値) 636wtppm
トリフェニルホスフィン 40.6wt%
トリフェニルホスフィンオキサイド 2.4wt%
高沸点副生物 56.9wt%
上記「釜残液24g」及び「イソプロピルアルコール:水:蟻酸=69.9986:30:0.0014(重量比)の混合溶媒64g」を、不活性ガスの雰囲気にて0.2Lの容量をもつ電磁誘導撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した後、ゆるやかに撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力2Mpaとなるよう圧入し、この圧力、温度を維持したまま4時間水素処理を行った。こののち、水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量したところ、ロジウム錯体の量を定量したところ、ロジウム錯体の回収率は、ロジウム原子に換算して37.3%であった。
実施例2
混合溶媒としてイソプロピルアルコール:水:ノルマル酪酸=69.988:30:0.012(重量比)の混合溶媒64gを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ロジウム錯体の回収率は41.1%であった。
実施例3
混合溶媒としてイソプロピルアルコール:水:蟻酸:ノルマル酪酸:イソ酪酸=69.9086:30:0.0014:0.0675:0.0225(重量比)の混合溶媒64gを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ロジウム錯体の回収率は58.6%であった。
実施例4
混合溶媒としてイソプロピルアルコール:水:蟻酸:ノルマル酪酸:イソ酪酸:トルエン=68.5086:30:0.0014:0.0675:0.0225:1.4(重量比)の混合溶媒64gを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ロジウム錯体の回収率は79.2%であった。
比較例1
混合溶媒としてイソプロピルアルコール:水=70:30(重量比)の混合溶媒64g(有機酸は入っていない)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ロジウム錯体の回収率は15.7%であった。
ストリッピング方式の反応器の図である。 液循環方式の反応器の図である。
符号の説明
1 オキソガス
2 オレフィン
3 反応器
4 触媒液
5 生成アルデヒド
6 パージガス
7 反応液(アルデヒド+触媒液)
8 分離器

Claims (4)

  1. 第8族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素とヒドロホルミル化反応させてアルデヒドを製造する方法において、ヒドロホルミル化反応液の一部を抜き出し、第8族金属−有機リン系錯体触媒に対する貧溶媒である、水と炭素数1から3のアルコールの混合物からなる溶媒、水素、炭素数8以下の有機酸、及びトルエン、キシレン、及びエチルベンゼンから選ばれる少なくとも1種の芳香族炭化水素を混合して第8族金属−有機リン系錯体触媒を晶出させ、ついで晶出物を反応液から分離する工程を含むことを特徴とするアルデヒドの製造方法。
  2. 炭素数8以下の有機酸の混合量が前記貧溶媒100重量部に対して0.0001〜10重量部である請求項1に記載のアルデヒドの製造方法。
  3. 分離した晶出物をヒドロホルミル化反応工程に循環させる請求項1又は2に記載のアルデヒドの製造方法。
  4. 第8族金属がロジウムである請求項1〜3のいずれかに記載のアルデヒドの製造方法。
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