JP3922404B2 - ピストンリング加工装置のワーククランプ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は複数のワークを積層した状態で加工するピストンリング加工機のワーククランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ピストンリングのようなワークの内外周面を加工する場合、複数のワークを積層して円筒状とし、この円筒の両端を軸方向より加圧することによりワークをクランプしており、クランプ力は10トンにも及ぶため、強力なワーククランプ手段を必要とする。
【0003】
またワークをクランプする際、所定枚数のワークが適正な位置に搬入されてクランプされたかを検出する一方、加工中切削負荷により各ワークがバラバラにならないよう所定のクランプ力でクランプされているかなどを検出する必要がある。
【0004】
一方クランプ装置において、ワークが正常にクランプされたかを検出する方法や装置が従来から数多く提案され、また実用化されている。
例えば特開昭57−81931号公報では、トランスファバーに設けられた各フィンガにリミットスイッチを設けて、このリミットスイッチからの信号によりワークのミスグリップを検出するミスグリップ検出装置が提案されている。
【0005】
また特開平7−285045号公報では、流体圧で動作するクランプ本体の一部にリミットスイッチを設けて、このリミットスイッチからの信号によりワークの有無を、また各クランプ本体へ供給される流体圧をプレッシャスイッチで検出することにより、ワークのクランプを検出するようにしたワーククランプ装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者公報のミスグリップ検出装置では、ワークのミスグリップは検出できても、ワークが所定の圧力でクランプされたかは検出することができないため、ピストンリング加工機のワーククランプ装置には採用できない。
【0007】
また後者公報のワーククランプ装置では、ワークの有無や、ワークがクランプされたかを検出することができるが、積層したワークをクランプするワーククランプ装置に採用した場合、所定枚数のワークがクランプされたかなどが検出できないため、ワークの数が不足した状態で加工を開始することがあり、その結果工具がクランプ手段などと干渉して両者が損傷するなどの不具合があると共に、加工中ワークがバラバラになっても検出することができないため、遠心力によりワークが飛散したり、工具の間に挟まるなどして、安全ガードや工具などが損傷するなどの不具合もあった。
【0008】
この発明はかかる従来の不具合を改善するためになされたもので、クランプされたワークの正常、異常が正確に検出できるピストンリング加工機のワーククランプ装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、積層された複数のワークを、上下部ワーク支持手段の少なくとも一方に設けられた液圧シリンダへ供給される液圧によりクランプして、ワークの内外周面を同時に加工するピストンリング加工機のワーククランプ装置において、上記液圧シリンダへ供給される液圧よりワークのクランプ力を検出するクランプ検出手段と、上記液圧シリンダに設けられたピストンのストロークよりワークのミスクランプ及びクランプ、アンクランプを検出するワーク検出手段と、上記各検出手段からの信号により正常、異常を判断する制御手段とを具備し、
前記ワーク検出手段を、ピストンのストロークを拡大するレバーと、このレバーにより動作される複数のリミットスイッチより構成したものである。
【0010】
上記構成により、ワークのクランプ状態がクランプ検出手段とワーク検出手段より検出できるため、搬入されたワークの枚数が不足している場合、クランプ信号がクランプ検出信号を出力しても、ワーク検出手段がミスクランプ検出信号を出力するため、ワークの枚数が不足しているのを確実に検出することができる。これによってワークの枚数が不足したまま加工を開始して、工具を損傷したり、加工中ワークがバラバラになって工具や安全ガードなどを損傷するなどの不具合を未然に防止することができる。
【0011】
またワークの枚数が不足していたり、加工中ワークがバラバラになった場合、加工機本体を非常停止させることができるため、加工機本体の自動運転が安全に行えるようになる。
またワーク検出手段は、上記構成であるから、ピストンの僅かな動きでも、複数のリミットスイッチにより確実に検出することができるため、検出精度が向上する。
【0012】
上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、積層された複数のワークを、上下部ワーク支持手段の少なくとも一方に設けられた液圧シリンダへ供給される液圧によりクランプして、ワークの内外周面を同時に加工するピストンリング加工機のワーククランプ装置において、自動運転モード及び空運転モードを選択する運転モード選択手段と、上記液圧シリンダへ供給される液圧よりワークのクランプ力を検出するクランプ検出手段と、上記液圧シリンダに設けられたピストンのストロークよりワークのミスクランプ及びクランプ、アンクランプを検出するワーク検出手段と、上記各検出手段からの信号により正常、異常を判断すると共に、上記運転モード選択手段により空運転モードが選択されているときには、ワーク検出手段よりミスクランプ検出信号が入力されても、加工機本体の運転を可能にする制御手段とを具備し、
前記ワーク検出手段を、ピストンのストロークを拡大するレバーと、このレバーにより動作される複数のリミットスイッチより構成したものである。
【0013】
上記構成により、予め運転モード選択手段により自動運転モードを選択しておくことにより、ワークの内外周の加工が自動的に行えると共に、搬入されたワークの枚数が不足していたり、加工中ワークがバラバラになった場合、加工機本体を非常停止させることができるため、加工機本体の自動運転が安全に行える。
【0014】
また加工プログラムのチェックなどを行う場合は、運転モード選択手段で空運転モードを選択することにより、ワーク検出手段によりミスクランプが検出されても加工機本体の運転が可能となるため、加工機本体にワーク装着せずに加工機本体を運転して、加工プログラムのチェックなどが行えるようになる。
またワーク検出手段は、上記構成であるから、ピストンの僅かな動きでも、複数のリミットスイッチにより確実に検出することができるため、検出精度が向上する。
【0017】
上記目的を達成するため請求項記載の発明は、クランプ検出手段を圧力スイッチより構成したものである。
【0018】
上記構成により、クランプ力の変化が検出できるため、ワークが所定のクランプ力でクランプされているかの判断が容易に行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図において1は加工機本体で、ベッド1a上にコラム1bが設置されており、コラム1bの前側にZ軸駆動手段3により上下動方向(Z軸方向)へ移動自在なZ軸スライド2が設けられている。
上記Z軸スライド2は、隅角部に支柱2aを配置した箱形構造となっていて、コラム1bの前面にZ軸方向に布設されたボール式リニアガイドよりなるガイドレール1cに支承されていると共に、コラム1bの上部に設置されたNC制御されるサーボモータよりなるZ軸モータ4により上下動されるようになっている。
【0020】
すなわち上記Z軸モータ4の回転軸4aには、図4に示すようにボールねじよりなるねじ軸5が接続されていて、このねじ軸5にZ軸スライド2に固着されたナット部材5aが螺合されており、Z軸モータ4によりねじ軸5と正逆回転させることにより、ガイドレール1cに沿ってZ軸スライド2が上下動できるようになっていると共に、Z軸スライド2の上部にワイヤロープなどの索条6の一端が結着されている。
索条6の中間部は、コラム1bの上記に回転自在に支承されたプーリ7を迂回されていると共に、索条6の他端側には、コラム1bの後側に設けられたカウンタウエイト8が吊り下げられていて、小容量のZ軸モータ4により上記Z軸スライド2が上下動できるようになっている。
【0021】
また上記Z軸スライド2には、上下方向に離間して、上部ワーク支持手段10と、下部ワーク支持手段11が設けられている。
上部ワーク支持手段10は、図4に示すようにZ軸スライド2の上部に設けられた液圧シリンダ12の下方に設けられていて、液圧シリンダ12の上部に収容されたピストン12aの下方に、上部スピンドル10aを有している。
【0022】
上記上部スピンドル10aは円筒状をなしていて、複数の軸受け13を介して液圧シリンダ12の下部に上下動及び回転自在に支承されていると共に、上部スピンドル10aの外周部に嵌合されたリング10bの上面に、上記ピストン12aの下面側がスラスト軸受け14を介して当接されていて、液圧シリンダ12の液圧室12bへ液圧を供給することにより、ピストン12aを介して上部スピンドル10aを下方へ例えば10トンの圧力で加圧できるようになっている。
【0023】
上記液圧シリンダ12の中心部には、上端が液圧シリンダ12の上面に固着された固定軸10cが設けられている。
この固定軸10cの下端側はピストン12aを貫通して上部スピンドル10aの中心部に達しており、下端部に設けられたばね座10d上には、上記スラスト軸受け14より小型のスラスト軸受け14aを介して上部スピンドル10aをアンクランプ方向へ付勢するリターンばね10eが複数設けられている。
【0024】
そして上記液圧シリンダ12の液圧室12bには、図10に示す液圧回路より高圧及び低圧の液圧が供給できるようになっている。
すなわち液圧源40と液圧室12bの間には、液圧源40からの高圧を液圧室12bへ供給する電磁弁41と、液圧源40からの高圧を一部リリーフすることにより低圧とするパイロットリリーフ弁42が設けられていて、ワーク16を加工するときには、液圧室12bへ高圧を、また例えばプログラムチェックなどのように、ワーク16をクランプせずに運転する場合には、パイロットリリーフ弁42により設定された低圧が液圧室12bへ供給できるようになっていると共に、電磁弁41と液圧室12bを接続する管路43の途中には、プレッシャスイッチよりなるクランプ検出手段44が設けられていて、このクランプ検出手段44により、ワーク16のクランプ、アンクランプ状態が検出できるようになっている。
【0025】
また上記ピストン12aには、ワーク16の状態を検出するワーク検出手段45の作動杆45aの一端が接続されている。
作動杆45aの他端は液圧シリンダ12の上方へ突出されていて、先端部にレバー45bの一端部が枢着されている。
上記レバー45bは図5に示すように、中間部が支点45cにより回動自在に支承されていると共に、レバー45bの他端側は、リミットスイッチ群451 ,452 ,453 方向に突出されていて、これらリミットスイッチ群451 〜453 を作動するようになっている。
【0026】
上記リミットスイッチ群451 〜453 のうち上段はミスクランプ検出用リミットスイッチ451 、中段はクランプ検出用リミットスイッチ452 、下段はアンクランプ検出用リミットスイッチ453 となっていて、ピストン12aのストロークSによりワーク16の状態、すなわちミスクランプや、クランプ及びアンクランプが検出できるようになっている。
【0027】
なおレバー45bの支点45cから両端までのレバー比L1 :L2 は、対象ワーク16の最小厚±1枚分をリミットスイッチが検出できる値となっている。
【0028】
一方上部スピンドル10aの下部には、下部ワーク支持手段11に設けられた下部クランプヘッド11fの間でワーク16をクランプする上部クランプヘッド10fが設けられていると共に、上部スピンドル10aの外周部には、C軸駆動手段18を構成するギヤ列18aの従動ギヤ18bがキー止めされている。
上記C軸駆動手段18は、図4に示すようにコラム1bの上部にNC制御されるサーボモータよりなるC軸モータ19を有して、このC軸モータ19は減速機20の入力軸20aに接続されている。
【0029】
上記入力軸20aには、加工時ワーク16に回転ムラが発生しないよう回転を安定させるフライホィール20bが取付けられていると共に、減速機20の減速比は、NC装置の内部単位に小数点が発生しないよう、ワーク1回転に対し、C軸モータ19のアブソリュート指令が360°となるように予め設定されている。
そして減速機20の出力軸20cは、スプライン軸よりなる駆動軸18cの上端にスプライン係合されていて、上記C軸モータ19により減速機20を介して駆動軸18cが正逆回転できるようになっている。
【0030】
上記駆動軸18cはワーク16の軸心と平行するよう上下方向に回転自在に支承されていて、中間部と下端部に上部ワーク支持手段10及び下部ワーク支持手段11にそれぞれ設けられたギヤ列18aの駆動ギヤ18dがスプライン係合されている。
これら駆動ギヤ18dは中間ギヤ18eを介して上部スピンドル10aの外周部及び下部スピンドル11aの外周部に設けられた従動ギヤ10bに噛合されていて、C軸モータ19により駆動軸18c及びギヤ列18aを介して上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aを同方向へ同期回転できるようになっている。
【0031】
上記下部スピンドル11aも、上部スピンドル10aと同様に円筒状に形成されていて、軸受け21を介してZ軸スライド2側に回転自在に支承されていると共に、Z軸スライド2と、下部スピンドル11aの外周部にキー止めされた従動ギヤ18bの間にスラスト軸受け22が介在されている。
そして上記下部スピンドル11aの上部に、上部スピンドル10aに取付けられた上部クランプヘッド10fの間でワーク16をクランプするクランプヘッド11fが設けられている。
【0032】
なお、C軸モータ19により上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aを同期させて回転駆動する際、駆動軸18cのスプラインやギヤ列18aのバックラッシュにより、上下スピンドル10a,11aに回転ムラが発生して位相ずれが生じる。
これを防止するため、ワーク16の加工時には、C軸を一方向に回転させて上下ギヤ列18aのバックラッシュを除去した状態でロックタイトなどのロック手段(図示せず)で下部スピンドル11aのプレート11gが固定できるようになっている。
【0033】
一方上記コラム1bのほぼ中間部には、ワーク16の外周面を加工する外周加工手段24が、そしてベッド1a上には、ワーク16の内周面を外周面と同時に加工する内周面加工手段25が設置されている。
外周加工手段24は図6に示すように、コラム1bに水平に固着された筒状のガイド部材24a内にボールスプライン24bを介して工具支持部材24cがX軸方向に移動自在に支承されている。
【0034】
上記工具支持部材24cのワーク16側端部には、ワーク16の外周面を切削加工する工具26が工具取付け部材24dを介して着脱自在に取付けられていると共に、工具支持部材24cの反対側の端部には、ナット部材27aが固着されていて、このナット部材27aにボールねじよりなるねじ軸27の一端側が螺挿されている。
上記ねじ軸27の他端側は、ブラケット28を介してコラム1bに取付けられたサーボモータよりなるX軸モータ29が接続されていて、このX軸モータ29によりねじ軸27を正逆回転されることにより、工具26をワーク16の接離方向へ移動できるようになっている。
【0035】
またワーク16の内周面を加工する内周加工手段25は、図7ないし図9に示すように、ベッド1a上に上記X軸と平行するU軸方向に布設されたリニアガイドよりなるガイドレール31上に支承されたU軸スライド25aを有している。
上記U軸スライド25aの上部は切粉が排出されやすいように,また冷却液がU軸モータ32側へ浸入しないように屋根形のカバー25cにより覆われていると共に、U軸スライド25aの下部とベッド1aの上面間には、U軸スライド25aをU軸方向へ駆動するリニアサーボモータよりなるU軸モータ32が設置されている。
【0036】
上記U軸スライド25aの先端側は下部スピンドル11aの下方に達していて、先端部にほぼ垂直に設けられたボーリングバー25bの下端が固着されている。
上記ボーリングバー25bの上端側は、下部スピンドル11a内を通ってワーク16内に達しており、上端部にワーク16の内周を切削する工具33が着脱自在に取付けられている。
【0037】
なお図8中34はU軸スライド25aの原点位置を検出するU軸原点検出手段、35はU軸スライド25aの位置を検出するリニアスケールなどのスライド位置検出手段で、これら検出手段34,35により検出された信号はZ軸モータ4、C軸モータ19、X軸モータ29、U軸モータ32などをNC制御する制御手段(図示せず)へ入力されるようになっている。
【0038】
次に上記構成されたピストンリング加工機のワーククランプ装置の作用を図12に示すフローチャートも参照して説明する。
加工に当っては複数のピストンリングを位相を揃えて積層することにより円筒状のワーク16を形成し、図示しないハンドキャリヤ治具により上下方向よりクランプして、その状態を保持したまま加工機本体1へ搬入し、上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aのクランプヘッド10f,11fの間にセットしたら、ワーク16の位相割出しを行う(図12のステップS1)。
【0039】
次に図示しないセレクトスイッチよりなる運転モード選択手段により自動運転モードを選択すると、液圧シリンダ12の液圧室12bに液圧源40より高圧の液圧が供給されて、ピストン12aとともに上部スピンドル10aが下降され、上部スピンドル10aのクランプヘッド10fと、下部スピンドル11aのクランプヘッド11fの間で、ワーク16の中心線が上下スピンドル10a,11aの中心と一致するようにクランプされる(ステップS2)すると共に、ステップS3でクランプ検出手段44からの信号を基に、ワーク16が正常なクランプ力でクランプされたかを制御手段が判断する。
【0040】
このとき積層されたワーク16の枚数が所定枚数より不足している場合でも、液圧室12b内の圧力が規定圧力に達すると、クランプ検出手段44よりクランプ信号が制御手段へ入力するため、ワーク16の不足は検出できない。
そこで制御手段はステップS4で、ワーク検出手段45より入力する信号によりピストン12aのストロークSを検出して、ワーク16の枚数が所定枚数あるかを判断する。
【0041】
すなわちワーク16の枚数が所定枚数ある場合は、ワーククランプ時レバー45bが中段のワーク検出用リミットスイッチ452 を動作させるため、このワーク検出用リミットスイッチ452 と、クランプ検出手段44からの信号によりワーク16が正常にクランプされたのを検出することができるが、ワーク16の枚数が不足していると、クランプ検出手段44でクランプ信号が検出されても、レバー45bにより上段のミスクランプ検出用リミットスイッチ451 が動作される。
【0042】
これによって制御手段は、クランプ検出手段44からの信号と、ミスクランプ検出用リミットスイッチ451 からの信号によりワーク16が所定枚数に達していないことを判断することができる。
そしてワーク16の枚数が不足している場合は、ミスグリップ信号を出力して加工機本体1の運転開始を中止すると同時に、表示手段などにミスクランプを表示する。
【0043】
一方制御手段へクランプ検出手段44と、クランプ検出用リミットスイッチ452 から検出信号が入力すると、制御手段はステップS5で自動運転の準備が完了したと判断し、ステップS6で自動運転信号ONとともにワーク16の内外周の加工を開始する。
【0044】
ワーク16の加工は、C軸モータ19によりC軸駆動手段18を介して上下スピンドル10a,11aを同期回転させて、ワーク16を回転させると共に、外周加工手段24に設けた工具26をワーク16の例えば下端側よりワーク16の外周面を切削加工し、同時に内周加工手段25の工具33によりワーク16の内周面を下端側より切削加工する。
【0045】
またワーク16の内外周面は、異なる自由曲線により形成されているため、C軸の回転に同期させてX軸モータ29及びU軸モータ32を別個にNC制御してワーク16の内外周面を同時に加工すると共に、加工の進行とともにZ軸モータ4によりZ軸スライド2を下降させて、ワーク16の全長に亘って内外周を切削加工するもので、ワーク16の内周加工中に発生した切粉は下部スピンドル11a内を通って下方へ落下するため、切粉がワーク16内に停滞することがなく、これによって切粉により加工面が損傷されたり、ワーク16と工具33の間に切粉が食み込んで、工具が破損したり、工具寿命が早期に低下することがないと共に、これらの原因で加工精度が低下するなどの心配がない。
【0045】
一方ワーク16の加工中、何等かの理由で瞬間的に液圧室12b内の圧力が低下すると、クランプ力が不足して、切削抵抗や回転による遠心力でワーク16が図11に示すようにバラバラになって周囲へ飛散する。
バラバラになったワーク16は、下部クランプヘッド11fとボーリングバー25bの間や、外周面を加工する工具26と内周面を加工する工具33の間などに挾まって、下部クランプヘッド11fやボーリングバー25b、工具26,33などを破損したり、周囲に飛散したワーク16が安全ガードなどを破損するなどの不具合を発生する。
【0046】
かかる不具合を防止するため、ワーク16の加工中はステップS7でクランプ検出手段44が検出するクランプ力と、クランプ検出用リミットスイッチ452 からの信号を常に確認し、何れかの信号がOFFになった場合(ステップS8)、ステップS9で加工機本体1を非常停止させる。
加工装置本体1の駆動系は、何れもサーボモータを駆動源としているため、非常停止信号によりきわめて少ない惰走量で各駆動系を非常停止させることができるため、バラバラになったワーク16が飛散したり、ワーク16が工具などを破損するのを未然に防止することができるようになる。
【0047】
以上のようにしてワーク16の加工が完了したら、U軸モータ29及びU軸モータ32によりX軸スライド2及びU軸スライド25aを元の位置まで後退させ、またZ軸モータ4によりZ軸スライド2を元の位置まで上昇させた後、液圧シリンダ12の液圧室12bの液圧を排出して、リターンばね10eの作用で上部スピンドル10aを上昇させ、ワーク16をアンクランプする。
その後ハンドキャリヤ治具により各ピストンリングの位相がずれないようにワーク16を上下方向よりクランプして、各クランプヘッド10f,11fの間よりワーク16を搬出するもので、新たなワーク16を加工する場合は上記動作を繰返せばよい。
【0048】
以上はワーク16の内外周を同時に加工するときの作用であるが、作成した加工プログラムのチェックなどを行う場合は、ワーク16を装着しないで加工機本体1を運転する所謂「空運転」を実施する。
【0049】
この空運転を実施する場合は、運転モード選択手段により空運転モードを選択する。
これによって液圧シリンダ12の液圧室12bに液圧が供給されてピストン12aがストロークエンドまで下降され、液圧室12b内の圧力が規定圧に達すると、クランプ検出手段44よりクランプン検出信号が制御手段へ入力される。
【0050】
またピストン12aがストロークエンドに達したことにより、レバー45bがミスクランプ検出用リミットスイッチ451 を動作させるため、ミスクランプ検出用リミットスイッチ451 よりミスクランプ検出信号が制御手段へ入力されるが、運転モード選択手段により予め空運転モードが選択されているため、制御手段はミスクランプと判断せず、加工プログラムを実行する。
これによってワーク無しの状態で加工機本体1を空運転することができるため、加工プログラムのチェックなどが行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の正面図である。
【図2】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の側面図である。
【図3】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の要部の拡大図である。
【図4】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置のC軸及びZ軸駆動手段の断面図である。
【図5】図4のA円内の拡大図である。
【図6】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の外周加工手段の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の内周加工手段の平面図である。
【図8】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の内周加工手段の側面図である。
【図9】図8のB方向からの矢視図である。
【図10】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の液圧回路図である。
【図11】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の作用説明図である。
【図12】この発明の実施の形態になるピストンリング加工装置の作用を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…加工装置本体
1a…ベッド
1b…コラム
1c…ガイドレール
2…Z軸スライド
3…Z軸駆動手段
4…Z軸モータ
4a…回転軸
5…ねじ軸
6…索条
7…プーリ
8…カウンタウエイト
10…上部ワーク支持手段
10a…上部スピンドル
10b…リング
10c…固定軸
10d…ばね座
10e…リターンばね
10f…上部クランプ
11…下部ワーク支持手段
11a…下部スピンドル
11f…下部クランプヘッド
11g…プレート
12…液圧シリンダ
12a…ピストン
12b…液圧室
13…軸受け
14…スラスト軸受
14a…スラスト軸受
16…ワーク
18…C軸駆動手段
18a…ギヤ列
18b…従動ギヤ
18c…駆動軸
18d…駆動ギヤ
18e…中間ギヤ
19…C軸モータ
20…減速機
20a…入力軸
20b…フライホィール
20c…出力軸
21…軸受け
22…スラスト軸受け
24…外周加工手段
24a…ガイド部材
24b…ボールスプライン
24c…工具支持部材
25…内周加工手段
25a…U軸スライド
25b…ボーリングバー
25c…カバー
26…工具
27…ねじ軸
27a…ナット部材
28…ブラケット
29…X軸モータ
31…ガイドレール
32…U軸モータ
34…U軸原点検出手段
35…スライド位置検出手段
40…液圧源
41…電磁弁
42…パイロットリリーフ弁
43…管路
44…クランプ検出手段
45…ワーク検出手段
45a…作動杆
45b…レバー
45c…支点
451 …ミスクランプ検出用リミットスイッチ
452 …クランプ検出用リミットスイッチ
453 …アンクランプ検出用リミットスイッチ

Claims (3)

  1. 積層された複数のワーク16を、上下部ワーク支持手段10,11の少なくとも一方に設けられた液圧シリンダ12へ供給される液圧によりクランプして、ワーク16の内外周面を同時に加工するピストンリング加工機のワーククランプ装置において、上記液圧シリンダ12へ供給される液圧よりワーク16のクランプ力を検出するクランプ検出手段44と、上記液圧シリンダ12に設けられたピストン12aのストロークよりワーク16のミスクランプ及びクランプ、アンクランプを検出するワーク検出手段45と、上記各検出手段44,45からの信号により正常、異常を判断する制御手段とを具備し、前記ワーク検出手段45を、ピストン12aのストロークを拡大するレバー45bと、このレバー45bにより動作される複数のリミットスイッチ45 〜45 より構成してなることを特徴とするピストンリング加工機のワーククランプ装置。
  2. 積層された複数のワーク16を、上下部ワーク支持手段10,11の少なくとも一方に設けられた液圧シリンダ12へ供給される液圧によりクランプして、ワーク16の内外周面を同時に加工するピストンリング加工機のワーククランプ装置において、自動運転モード及び空運転モードを選択する運転モード選択手段と、上記液圧シリンダ12へ供給される液圧よりワーク16のクランプ力を検出するクランプ検出手段44と、上記液圧シリンダ12に設けられたピストン12aのストロークよりワーク16のミスクランプ及びクランプ、アンクランプを検出するワーク検出手段45と、上記各検出手段44,45からの信号により正常、異常を判断すると共に、上記運転モード選択手段により空運転モードが選択されているときには、ワーク検出手段45よりミスクランプ検出信号が入力されても、加工機本体1の運転を可能にする制御手段とを具備し、前記ワーク検出手段45を、ピストン12aのストロークを拡大するレバー45bと、このレバー45bにより動作される複数のリミットスイッチ45 〜45 より構成してなることを特徴とするピストンリング加工機のワーククランプ装置。
  3. クランプ検出手段44を圧力スイッチより構成してなる請求項1または2記載のピストンリング加工機のワーククランプ装置。
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