JP3875156B2 - ロールオフ低減剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロールオフ低減剤及びそれを用いた研磨液組成物に関する。更には、該研磨液組成物を用いた基板の製造方法及び基板のロールオフを低減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクは、高容量化を推進する技術に対しての要望が高まっている。高容量化への有力な手段の一つとして、研磨工程で発生するロールオフ(被研磨基板の端面だれ)を小さくし、より外周部まで記録できることが望まれている。このようなロールオフを低減した基板を製造するため、研磨パッドを堅くする、研磨荷重を小さくするといった機械的条件が検討されている。しかしながら、このような機械的研磨条件は効果があるもののいまだ充分とは言えない。また、研磨工程に使用する研磨液組成物によってロールオフを低減する観点から、水酸基を持つ有機酸に代表される特定の有機酸の使用(特開2002−12857号公報)、アルミニウム塩のゾル化生成物の使用(特開2002−20732号公報)、ポリアルキレンオキサイド化合物の使用(特開2002−167575号公報)等が検討されているがロールオフを充分に低減しえるとは言い切れないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、研磨速度が充分に得られ、かつ、研磨で生じる基板のロールオフを低減し得るロールオフ低減剤、該ロールオフ低減剤を含有する研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた基板の製造方法、前記ロールオフ低減剤又は前記研磨液組成物を用いたロールオフを低減する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 ロールオフ低減剤、研磨材及び水を含有してなる研磨液組成物であって、
該ロールオフ低減剤が、下式で示される粘度低下量が0.01mPa・s以上の粘度低下作用を有するブレンステッド酸又はその塩からなり、
粘度低下量=基準研磨液組成物の粘度 − ロールオフ低減剤含有研磨液組成物の粘度
〔但し、基準研磨液組成物は研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部及び水79重量部からなり、ロールオフ低減剤含有研磨液組成物は研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部、水78.9重量部及びロールオフ低減剤0.1重量部からなり、粘度は剪断速度1500S−1、25℃における粘度を意味する。〕、かつ
式1〜式3:
【化3】
(式中、M 及びM は、それぞれ同種、異種を問わず、水素原子、金属原子、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す)
に示される官能基を1つ以上含有する化合物
又は式4:
【化4】
(式中、M 及びM は前記と同じ。M は、水素原子、金属原子、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す)
で示される化合物であり、
前記研磨材が、α−アルミナ粒子と中間アルミナ粒子を含む、研磨液組成物
〔2〕 更に、有機酸又はその塩を含有してなる前記〔1〕記載の研磨液組成物、
〔3〕 有機酸がクエン酸である前記〔2〕記載の研磨液組成物、
〔4〕記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板を研磨する工程を有する基板の製造方法、並びに
〔5〕 前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の研磨液組成物を用いて研磨することにより基板のロールオフを低減する方法
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のロールオフ低減剤は、前記のように、下式で示される粘度低下量が0.01mPa・s以上の粘度低下作用を有するブレンステッド酸又はその塩からなるロールオフ低減剤である。
粘度低下量=基準研磨液組成物の粘度 − ロールオフ低減剤含有研磨液組成物の粘度
〔但し、基準研磨液組成物は研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl2O3純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部及び水79重量部からなり、ロールオフ低減剤含有研磨液組成物は研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl2O3純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部、水78.9重量部及びロールオフ低減剤0.1重量部からなり、粘度は剪断速度1500S-1、25℃における粘度(以下、特定粘度ともいう)を意味する。〕
【0006】
本発明においては、かかるロールオフ低減剤を研磨液組成物に配合することにより、基板のロールオフを有意に低減することができ、外周部まで記録できる記憶容量が大きな基板を生産できるという顕著な効果が発現される。
【0007】
本発明のロールオフ低減剤において、ロールオフ低減剤含有研磨液組成物の、剪断速度1500S-1、25℃における粘度(特定粘度)の低下量としては、後述のように研磨液組成物のパッド−被研磨基板間への供給量と研磨クズの除去性を向上させ、十分なロールオフ低減作用を得る観点から、0.01mPa・s以上、好ましくは0.02mPa・s以上、より好ましくは0.03mPa・s以上、特に好ましくは0.1mPa・s以上であり、また、十分な研磨速度を得る観点から、好ましくは1mPa・s以下、より好ましくは0.9mPa・s以下である。ロールオフ低減作用と研磨速度の両面から考え合わせると、特定粘度の低下量は、0.02〜1mPa・sが好ましく、更に好ましくは0.03〜1mPa・s、特に好ましくは0.1〜0.9mPa・sである。
【0008】
本発明に用いられる基準研磨液組成物とは、研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl2O3純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部及び水79重量部から構成される研磨液組成物である。また、ロールオフ低減剤含有研磨液組成物とは、研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl2O3純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部、水78.9重量部及びロールオフ低減剤0.1重量部から構成される研磨液組成物である。そして、本発明における粘度低下量とは、前記基準研磨液組成物を比較対象とした、ロールオフ低減剤含有研磨液組成物の粘度の低下量をいい、この粘度低下量は、以下の式から算出することができる。
粘度低下量=基準研磨液組成物の粘度 − ロールオフ低減剤含有研磨液組成物の粘度
【0009】
前記粘度低下量を測定する際に研磨材として用いられるαタイプのコランダム結晶で構成されたAl2O3純度98.0重量%以上の高純度アルミナとしては、その他の成分としてSiO2 が1.2重量%以下、Fe2 3 が0.2重量%以下、Na2 Oが0.7重量%以下が好適であり、また、累積高さ50%点の粒子径が0.6μmのアルミナが好適であり、その具体例としては、フジミインコーポレーテッド社製の「WA#10000」(商品名)が挙げられる。
【0010】
前記粘度は、研磨液組成物の剪断速度1500S-1、25℃における粘度をいい、研磨液組成物の高いシェアー粘度を測定可能な機器で測定され、具体的には、後述の実施例に記載の条件にてReometric Scientific社製Ares-100FRT-BATH-STD(商品名)を用いて測定する値をいう。
【0011】
本発明のロールオフ低減剤は、前記のように、研磨液組成物の特定粘度の低下作用に加え、被研磨基板のロールオフ低減作用を有する。これら2つの作用機構の関係について、詳しくは明らかではないが、以下のことが考えられる。即ち、ロールオフ低減剤は、所謂レオロジーコントロール剤として、分散質の界面に作用し、分散質粒子同士の主に衝突の大きさや数を等をコントロールしたり、他の化合物が形成した構造を破壊したりすることで前記特定粘度が低減される。そして、このように研磨液組成物の特定粘度が低減されることで、研磨液組成物のパッド−被研磨基板間への供給性と研磨クズの排出性が向上し、このことにより被研磨物の内側(基板中心部)の研磨量が増大して、基板の内側と外側(端面部)の研磨速度の差が相対的に小さくなり、結果としてロールオフが低減すると推定される。
【0012】
本発明に使用されるロールオフ低減剤は、前記特定粘度を0.01mPa・s以上低減させるブレンステッド酸又はその塩である。ここで、ブレンステッド酸とは、水溶液にすることで水分子にH+ を与えオキソニウムイオンを生じる化合物をいう。また、その塩としては、特に限定はなく、例えば、金属又はアンモニウム又はアルキルアンモニウム、有機アミン等の有機アンモニウムとの塩が挙げられる。
【0013】
前記ロールオフ低減剤としては、例えば、分子内に式1〜式3:
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、M1 及びM2 は、それぞれ同種、異種を問わず、水素原子、金属原子、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す)
に示される官能基を1つ以上含有する化合物もしくは式4:
【0016】
【化4】
【0017】
(式中、M1 及びM2 は前記と同じ、M3 は、水素原子、金属原子、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す)
で示される化合物が好ましい。
【0018】
特定粘度低下と取り扱いの面から、分子内に式1〜式3に示される官能基を含有するロールオフ低減剤の分子量としては、100 〜10000 が好ましく、より好ましくは100 〜5000であり、更に好ましくは150 〜2000である。
【0019】
ロールオフ低減剤1分子当たりの式1〜3に示される官能基数は、特定粘度低下と取り扱いの面から、1〜100 が好ましく、より好ましくは1〜50であり、特に好ましくは1 〜20である。
【0020】
式1〜式3で示される官能基を1つ以上有する化合物及び式4で示される化合物の中では、粘度低下量を考慮した場合、式1、2又は3で示される官能基を有する化合物が好ましく、特に好ましくは式2又は3で示される官能基を有する化合物である。
【0021】
中でも、工業的な入手性を考慮すると、式1で示される官能基を含有する化合物としては、式5:
【0022】
【化5】
【0023】
〔式中、R1 は炭素数1〜24の炭化水素基を示す。M1 及びM2 は前記と同じ。〕
で示される化合物がより好ましい。この場合、R1 中の1つ以上の水素原子は、水酸基、アミノ基、又は式1で示される官能基で置換されていてもよい。また、式2で示される官能基を含有する化合物としては、式6、7:
【0024】
【化6】
【0025】
〔式中、R2 は他に官能基を有してもよい炭素数1〜24の炭化水素基、R3 は炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基又は
【0026】
【化7】
【0027】
、R4 は炭素数1〜24の炭化水素基又は水素原子を示す。nは1〜100の正の整数を示す。M1 、M2 及びM3 は前記と同じ。〕
で示される化合物が好ましい。式中、R2 、R4 の炭化水素基中の1つ以上の水素原子は水酸基、アミノ基等の官能基で置換されていてもよい。更に式3で示される官能基を含有する化合物としては式8:
【0028】
【化8】
【0029】
〔R5 、R6 は炭素数1〜24の炭化水素基を示す。M1 は前記と同じ。〕
で示される化合物が好ましい。式中、R5 、R6 の炭化水素基中の1つ以上の水素原子は水酸基、アミノ基等の官能基で置換されていてもよい。
【0030】
また、式中のM1 〜M3 が水素原子でない場合、金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられ、中でも、ロールオフ低減の観点から、1A、3A、3B、7A又は8族に属する金属が好ましく、1A、3A又は3B族に属する金属が更に好ましく、1A族に属するナトリウム、カリウムが最も好ましい。アルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。有機アミン等の具体例としては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。これらの中では、アンモニウム、ナトリウム及びカリウムが特に好ましい。
【0031】
上記式1〜3の官能基を含有する化合物及び式4で示される化合物の具体例としては、直鎖又は環状の無機リン酸類、有機ホスホン酸類又はその塩、リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類及びそれらの塩等が挙げられる。直鎖又は環状の無機リン酸類としては、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸等が、有機ホスホン酸類としては、アミノトリ(メチレンホスホン酸)「ディクエスト2000(ソルシアジャパン製)」、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸「ディクエスト2010(ソルシアジャパン製)」、トリカルボキシルブタンホスホン酸「ディクエスト7000(ソルシアジャパン製)」等が、リン酸モノエステル類としては、ラウリルリン酸モノエステル、ステアリルリン酸モノエステル塩、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテルリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンモノミリスチルエーテルリン酸モノエステル等が、リン酸ジエステル類としては、ジラウリルリン酸ジエステル、ビス(ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル)等がそれぞれ挙げられる。これらのうち、工業的入手性、経済性及び取り扱いの面で、無機リン酸類が好ましく、特に好ましくは無機リン酸類を2つ以上縮合させた無機縮合型リン酸類である。
【0032】
本発明のロールオフ低減剤は、研磨材、水等を含有する研磨液組成物に配合して使用できる。このようにして得られる研磨液組成物を本明細書においては、特に「ロールオフ低減剤組成物」と呼ぶ。即ち、本発明のロールオフ低減剤組成物は少なくとも前記ロールオフ低減剤、研磨材及び水を含有するものである。
【0033】
ロールオフ低減剤組成物中における前記ロールオフ低減剤の含有量は、粘度低減(ロールオフ低減)の観点、研磨性能の観点から、研磨液組成物中0.001重量%以上が好ましく、また、経済的な観点、被研磨物の面質の観点から、5重量%以下が好ましい。より好ましくは0.005〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜1.5重量%、もっとも好ましくは0.05〜1重量%である。なお、ロールオフ低減剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
本発明に用いられる研磨材は、研磨用に一般に使用されている研磨材を使用することができる。該研磨材の例としては、金属;金属又は半金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物;ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8族由来のものである。研磨材の具体例として、α−アルミナ粒子、中間アルミナ粒子、アルミナゾル、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等が挙げられ、これらを1種以上使用することは、研磨速度を向上させる観点から好ましい。また、研磨特性の必要性に応じてこれらの2種以上を混合して使用してもよい。研磨用途別ではNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の粗研磨はα−アルミナ粒子、中間アルミナ粒子、アルミナゾル等のアルミナ粒子が好ましく、更にはα−アルミナ粒子と中間アルミナ粒子(なかでもθ−アルミナ)との組み合わせが研磨速度向上、表面欠陥防止及び表面粗さ低減から特に好ましい。また、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板の仕上げ研磨はコロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等のシリカ粒子が好ましい。ガラス材質の研磨には酸化セリウム粒子、アルミナ粒子が好ましい。半導体ウェハや半導体素子等の研磨では酸化セリウム粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子が好ましい。
【0035】
研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.01〜3μm、さらに好ましくは0.01〜0.8μm、特に好ましくは0.02〜0.5μmである。さらに、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、同様に研磨速度を向上させる観点及び被研磨物の表面粗さを低減させる観点から、その二次粒子の平均粒径は、好ましくは0.02〜3μm、さらに好ましくは0.05〜1.5μm、特に好ましくは0.1〜1.2μmである。研磨材の一次粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で観察(好適には3000〜30000 倍)又は透過型電子顕微鏡で観察(好適には10000 〜300000倍)して画像解析を行い、粒径を測定することにより求めることができる。また、二次粒子の平均粒径はレーザー光回折法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
【0036】
研磨材の比重は、分散性及び研磨装置への供給性や回収再利用性の観点から、その比重は2〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
研磨材の総含有量は、経済性及び表面粗さを小さくし、効率よく研磨することができるようにする観点から、ロールオフ低減剤組成物中において好ましくは1〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%である。
【0037】
本発明のロールオフ低減剤組成物中の水は、媒体として使用されるものであり、その含有量は被研磨物を効率良く研磨する観点から、好ましくは55〜98.999重量%、より好ましくは60〜97.5重量%、さらに好ましくは70〜96.8重量%である。
【0038】
また、本発明のロールオフ低減剤組成物には、目的に応じて他の成分を配合することができる。他の化合物としては、好ましくは研磨速度向上剤としての有機酸又はその塩が挙げられる。
【0039】
有機酸又はその塩は研磨速度を向上するものであれば特に限定はないが、モノ又は多価カルボン酸、アミノカルボン酸、アミノ酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらの化合物はその特性から化合物群(A)と化合物群(B)に大別される。
【0040】
化合物群(A)に属する化合物は、単独で研磨速度を向上することも可能であるが、顕著な特徴としては化合物群(B)に代表される他の研磨速度向上剤と組み合わせた場合ロールオフを低減する作用も有する化合物である。これらの化合物群(A)と本発明のロールオフ低減剤とを組み合わせることでロールオフをより一層小さくすることができる。化合物群(A)の化合物としてはOH基又はSH基を含有する炭素数2〜20のモノ又は多価カルボン酸、炭素数2〜3のジカルボン酸、炭素数1〜20のモノカルボン酸及びそれらの塩より選ばれる1種以上の化合物である。OH基又はSH基を含有するモノ又は多価カルボン酸の炭素数は水への溶解性の観点から2〜20であり、2〜10が好ましく、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6である。例えば、ロールオフ低減の観点から、α―ヒドロキシカルボキシル化合物が好ましい。炭素数2〜3のジカルボン酸とは即ちシュウ酸とマロン酸を指す。前記モノカルボン酸の炭素数は、水への溶解性の観点から、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜5である。化合物群(A)のうち、研磨速度の面からは、α―ヒドロキシカルボン酸又はその塩が好ましい。
【0041】
OH基又はSH基を含有する炭素数2〜20のモノ又は多価カルボン酸、炭素数2〜3のジカルボン酸、炭素数1〜20のモノカルボン酸の具体例としては、特開2002−12857号公報2頁右欄44行〜3 頁左欄45行等に記載されているものが挙げられる。
【0042】
OH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、メルカプトコハク酸、チオグリコール酸、乳酸、β- ヒドロキシプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、アロクエン酸、グルコン酸、グリオキシル酸、グリセリン酸、マンデル酸、トロパ酸、ベンジル酸、サリチル酸等が挙げられる。モノカルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2-メチルヘキサン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸等が挙げられる。これらの中で、酢酸、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸及びグルコン酸が好ましく、さらに好ましくは、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸及びグルコン酸であり、特に好ましくはリンゴ酸、酒石酸、クエン酸であり、最も好ましくはクエン酸である。
【0043】
これら化合物群(A)の塩としては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、有機アミン等との塩が挙げられる。金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの金属の中でも、目詰まり低減の観点から1A、3A、3B、7A又は8族に属する金属が好ましく、1A、3A又は3B族に属する金属が更に好ましく、1A族に属するナトリウム、カリウムが最も好ましい。
【0044】
アルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0045】
有機アミン等の具体例としては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。
【0046】
これらの塩の中では、アンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩が特に好ましい。
【0047】
化合物群(A)は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0048】
本発明に用いる化合物群(B)は、特に研磨速度向上の作用に優れる化合物である。化合物群(B)としては炭素数4以上のOH基又はSH基を有しない多価カルボン酸、アミノカルボン酸、アミノ酸及びそれらの塩等が挙げられる。
研磨速度向上の観点からは、炭素数4以上のOH基又はSH基を有しない多価カルボン酸中でも炭素数4〜20が好ましく、さらに水溶性の観点を加味すると炭素数4〜10が好ましい。また、そのカルボン酸価数は2〜10、好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。また、同様の観点から、アミノカルボン酸としては、1分子中のアミノ基の数は1〜6が好ましく、更に1〜4が好ましい。そのカルボン酸基の数としては1〜12が好ましく、更には2〜8が好ましい。また、炭素数としては1〜30が好ましく、更には1〜20が好ましい。前記と同様の観点から、アミノ酸の炭素数としては2〜20が好ましく、更に2〜10が好ましい。
【0049】
化合物群(B)の具体例としては、特開2002−30276公報4頁左欄13行〜4頁30行等に記載されているものが挙げられる。
【0050】
具体的にはコハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバル酸、アジピン酸、プロパン−1,1,2,3−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ジグリコール酸、ニトロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ヒドロオキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、グリシン、アラニン等が挙げられる。
これらの中でもコハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバル酸、アジピン酸、ジグリコール酸、ニトロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸が好ましく、さらにコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバル酸、ジグリコール酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸がより好ましい。
【0051】
これら化合物群(B)の塩としては、前記化合物群(A)と同様のものが挙げられる。
【0052】
化合物群(B)は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。更には化合物群(A)と化合物群(B)を組み合わせることが研磨性能のバランスの上で特に好ましい。
【0053】
また、これらの有機酸又はその塩の総含有量は、機能を発現させる観点及び経済性の観点から、好ましくはロールオフ低減剤組成物中0.01〜10重量%、より好ましくは0.02〜7重量%、さらに好ましくは0.03〜5重量%である。
【0054】
また、前記有機酸又はその塩以外の他の成分としては、無機酸及びその塩、酸化剤、防錆剤、塩基性物質等が挙げられる。無機酸及びその塩、並びに酸化剤の具体例としては、特開昭62-25187号公報2 頁右上欄3 〜11行目、特開昭63-251163 号公報2頁左下欄7行〜14行、特開平1-205973号公報3 頁左上欄11行〜右上欄2 行、特開平3-115383号公報2 頁右下欄16行〜3 頁左上欄11行、特開平4-275387号公報2 頁右欄27行〜3 頁左欄12行等に記載されているものが挙げられる。無機酸及びその塩としては、具体的には硫酸、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸ニッケル、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、スルファミン酸アンモニウム等に代表される含硫黄無機酸及びその塩が挙げられる。これらの成分は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、その含有量は、それぞれの機能を発現させる観点及び経済性の観点から、好ましくはロールオフ低減剤組成物中0.05〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
【0055】
さらに他の成分として必要に応じて殺菌剤や抗菌剤等を配合することができる。これらの殺菌剤、抗菌剤の含有量は、機能を発現する観点、研磨性能への影響、経済面の観点からロールオフ低減剤組成物中0.0001〜0.1 重量%、より好ましくは0.001 〜0.05重量%更に好ましくは0.002 〜0.02重量%である。
【0056】
尚、前記ロールオフ低減剤組成物中の各成分の濃度は、研磨する際の好ましい濃度であるが、該組成物の製造時の濃度であって良い。通常、研磨液組成物は濃縮液として製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
また、ロールオフ低減剤組成物は、目的の添加物を任意の方法で添加、混合して製造することができる。
【0057】
ロールオフ低減剤組成物のpHは、被研磨物の種類や要求品質等に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、ロールオフ低減剤組成物のpHは、被研磨物の洗浄性及び加工機械の腐食防止性、作業者の安全性の観点から、2 〜12が好ましい。また被研磨物がNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板等の金属を主対象とした精密部品用基板である場合、研磨速度の向上と表面品質の向上、パッド目詰まり防止の観点から、pHは2〜10が好ましく、2〜9がより好ましく、更に2〜7が好ましく、特に好ましくは2〜5である。さらに、半導体ウェハや半導体素子等の研磨、特にシリコン基板、ポリシリコン膜、SiO2 膜等の研磨に用いる場合は、研磨速度の向上と表面品質の向上の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましく、9〜11が特に好ましい。該pHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、オキシカルボン酸、多価カルボン酸やアミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸、及びその金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。
【0058】
本発明の基板の製造方法は、前記ロールオフ低減剤組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を有している。
本発明の対象である被研磨基板に代表される被研磨物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属、及びこれらの金属を主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金が被研磨物であるか、又はそれらの金属を含んだ半導体素子等の半導体基板が被研磨物であることが好ましい。特に、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板を研磨する際に本発明のロールオフ低減剤組成物を用いた場合、ロールオフを特に低減できるので好ましい。従って、本発明は、前記基板のロールオフの低減方法に関する。
【0059】
これらの被研磨物の形状には特に制限がなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明のロールオフ低減剤組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に特に優れている。
【0060】
本発明のロールオフ低減剤組成物は、精密部品用基板の研磨に好適に用いられる。例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、液晶用ガラス、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の研磨に適している。半導体基板の研磨は、シリコンウェハ(ベアウェハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等において行われる研磨がある。本発明のロールオフ低減組成物は、特に磁気ディスク基板の研磨に適している。
【0061】
また、本発明のロールオフ低減剤を用いる被研磨基板のロールオフ低減方法において、上記に挙げた被研磨基板を本発明のロールオフ低減剤を含有した研磨液又は本発明のロールオフ低減剤組成物そのものを研磨液として用いて研磨することにより、被研磨基板のロールオフを顕著に低減できる。例えば、不織布状の有機高分子系の研磨布等を貼り付けた研磨盤で基板を挟み込み、本発明のロールオフ低減剤を含有した研磨液又は本発明のロールオフ低減剤組成物を研磨面に供給し、圧力を加えながら研磨盤や基板を動かすことにより、ロールオフを低減した基板を製造することができる。
【0062】
本発明において被研磨基板に発生したロールオフは、例えば、触針式、光学式等の形状測定装置を用いて端面部分の形状を測定し、そのプロファイルより端面部分がディスク中央部に比較してどれくらい多く削れているかを数値化することにより評価することが可能である。
【0063】
数値化の方法は、図1に示すように、ディスク中心からある距離離れたA点とB点とC点といった測定曲線(被研磨基板の端面部分の形状を意味する)上の3点をとり、A点とC点を結んだ直線をベースラインとし、B点とベースラインとの距離(D)を言うものである。ロールオフが良いとはD値がより0に近い値であることを意味する。ロールオフ値はDを研磨前後のディスクの厚さの変化量の1/2で除した値を言う。
【0064】
本発明のロールオフ低減剤組成物は、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工程、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用することができる。
【0065】
【実施例】
実施例1〜5及び比較例1、2
〔粘度測定〕
1.粘度測定用研磨液組成物配合方法
イオン交換水69重量部にクエン酸1重量部を溶解、攪拌した後に研磨材(フジミインコーポレーテッド製、商品名:WA#10000)20重量部を攪拌しながら添加し、30分攪拌し、研磨液組成物(a)90重量部を得た。
【0066】
基準研磨液組成物は、前記研磨液組成物(a)90重量部を充分攪拌しながら、イオン交換水10重量部を加え、30分攪拌したものとした。
【0067】
ロールオフ低減剤含有研磨液組成物は、前記研磨液組成物(a)90重量部を充分攪拌しながら、目的のロールオフ低減剤の1%水溶液を10重量部加え、30分攪拌したものとした。
【0068】
2.粘度測定法
前記基準研磨液組成物及びロールオフ低減剤含有研磨液組成物の粘度を以下の条件で測定した。
測定機器:Reometric Scientific社製、Ares-100FRT-BATH-STD(商品名)
測定治具:ARES-COU32T34A(商品名)
測定条件:テストタイプ Rete Sweep
温度 25℃
初期剪断速度 1S-1
最終剪断速度 1500S-1
point per Decade 5
Measurement Time 2
解析ソフト:Orthestrator Software ver.6.4.3 (商品名)
得られた結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
表1の結果より、実施例1〜5で使用したロールオフ低減剤は、いずれも研磨液組成物の粘度低減作用を有することがわかる。また、比較例1の化合物は研磨液組成物の粘度を低減しないことがわかる。また、比較例2の化合物は、粘度低下量が0.01mPa・s以上であるが、ブレンステッド酸又はその塩でないものであり、後述の表2の比較例5の結果からわかるように、本発明のロールオフ低減剤に比べて、ロールオフ低減効果が劣ることがわかる。
【0071】
実施例6〜15、比較例3〜9
〔研磨液組成物配合方法〕
研磨材20重量部(一次粒径の平均粒径0.23μm 、二次粒子の平均粒径0.65μm のα−アルミナ(純度約99.9%)16重量部、中間アルミナ(θアルミナ、平均粒径0.22μm 、純度約99.9%)4重量部)、他の添加物として表2〜5に記載の添加剤を所定量、イオン交換水(残部)とを混合・攪拌し、研磨液組成物100重量部を得た。
【0072】
得られた研磨液組成物をイオン交換水で3倍希釈(vol/vol )し、ランク・テーラーホブソン社製のタリーステップ(触針先端サイズ:25μm×25μm、ハイパスフィルター:80μm、測定長さ:0.64mm)によって測定した中心線平均粗さRaが0.2 μm、厚さ1.27mm、直径3.5 インチ(直径95.0mm)のNi-Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板の表面を両面加工機により、以下の両面加工機の設定条件でポリッシングし、磁気記録媒体用基板として用いられるNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の研磨物を得た。
両面加工機の設定条件を下記に示す。
【0073】
<両面加工機の設定条件>
両面加工機:スピードファーム(株)製、9B型両面加工機
加工圧力:9.8kPa
研磨パッド:フジボウ(株)製、H9900(商品名)
定盤回転数:30rpm
研磨液組成物希釈品供給流量:125ml/min
研磨時間:3.5min
投入した基板の枚数:10枚
【0074】
〔研磨速度〕
研磨前後の各基板の重さを計り〔Sartorius 社製、BP-210S (商品名)〕を用いて測定し、各基板の重量変化を求め、10枚の平均値を減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減少速度とした。重量の減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min )に変換した。
【0075】
【0076】
〔ロールオフ〕
Zygo社製、Maxim 3D5700(商品名)を用いて以下の条件で測定した。
レンズ:Fizeau ×1
解析ソフト:Zygo Metro Pro(商品名)
上記の装置を用いて、ディスク中心から41.5mmから47.0mmまでのディスク端部の形状を測定し、図1のように、A、B及びC点の位置をディスク中心からそれぞれ41.5mm、47mm及び43mmにとり、解析ソフトを用いて前記測定方法により、D(ベースラインとB点との位置の差)を求めた。この求められたDを研磨前後のディスク研磨量の1/2で除した値をロールオフ値とした。
【0077】
【表2】
【0078】
表2では比較例3の研磨速度及びロールオフ値をそれぞれ基準値1とした時の相対値を示す。表2の結果より、表1で特定粘度を下げたロールオフ低減剤を用いた実施例6〜10では比較例3と比較して研磨速度をほぼ維持したままロールオフを低減することがわかる。また、表1で粘度低下が見られなかった硝酸ナトリウムを用いた比較例4ではロールオフ値が低減しないことがわかる。ポリプロピレンオキサイドポリエチレンオキサイドブロックポリマーを使用した比較例5では、ロールオフの低減量が少ないことがわかる。
【0079】
【表3】
【0080】
表3では比較例6の研磨速度及びロールオフ値をそれぞれ基準値1とした時の相対値を示す。表3の結果より、表1で特定粘度を下げたロールオフ低減剤を用いた実施例11では比較例6と比較して研磨速度をほぼ維持したままロールオフを低減することがわかる。
【0081】
【表4】
【0082】
表4では比較例7の研磨速度及びロールオフ値をそれぞれ基準値1とした時の相対値を示す。表4の結果より、複数の助剤が存在しても本発明のロールオフ低減剤を使用することでロールオフの低減効果があることがわかる。
【0083】
【表5】
【0084】
表5では比較例9の研磨速度、ロールオフ値を基準値1とした時の相対値を示す。表5の結果より、複数の助剤が存在しても本発明のロールオフ低減剤を使用することでロールオフの低減効果があることがわかる。
【0085】
【発明の効果】
本発明のロールオフ低減剤又はロールオフ低減剤を含有するロールオフ低減剤組成物を精密部品用基板等の研磨に用いることにより、該基板のロールオフを著しく低減させる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、測定曲線とロールオフとの関係を示す図である。

Claims (5)

  1. ロールオフ低減剤、研磨材及び水を含有してなる研磨液組成物であって、該ロールオフ低減剤が、下式で示される粘度低下量が0.01mPa・s以上の粘度低下作用を有するブレンステッド酸又はその塩からなり、
    粘度低下量=基準研磨液組成物の粘度 − ロールオフ低減剤含有研磨液組成物の粘度
    〔但し、基準研磨液組成物は研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部及び水79重量部からなり、ロールオフ低減剤含有研磨液組成物は研磨材(αタイプのコランダム結晶で構成されたAl純度98.0重量%以上の高純度アルミナ)20重量部、クエン酸1重量部、水78.9重量部及びロールオフ低減剤0.1重量部からなり、粘度は剪断速度1500S−1、25℃における粘度を意味する。〕、かつ
    式1〜式3:
    (式中、M 及びM は、それぞれ同種、異種を問わず、水素原子、金属原子、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す)
    に示される官能基を1つ以上含有する化合物
    又は式4:
    (式中、M 及びM は前記と同じ。M は、水素原子、金属原子、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す)
    で示される化合物であり、
    前記研磨材が、α−アルミナ粒子と中間アルミナ粒子を含む、研磨液組成物。
  2. 更に、有機酸又はその塩を含有してなる請求項記載の研磨液組成物。
  3. 有機酸がクエン酸である請求項2記載の研磨液組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板を研磨する工程を有する基板の製造方法。
  5. 請求項1〜3いずれか記載の研磨液組成物を用いて研磨することにより基板のロールオフを低減する方法。
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