JP4446371B2 - 研磨液組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨液組成物に関する。更には、該研磨液組成物を用いた基板の製造方法及び被研磨基板のロールオフを低減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクは、高容量化を推進する技術に対しての要望が高まっている。高容量化への有力な手段の一つとして、研磨工程で発生するロールオフ(被研磨基板の端面だれ)を小さくし、より外周部まで記録できることが望まれている。このようなロールオフを低減した基板を製造するため、研磨パッドを硬くする、研磨荷重を小さくするといった機械的条件が検討されている。しかしながら、このような機械的研磨条件は効果があるもののいまだ充分とは言えない。また、研磨工程に使用する研磨液組成物によってロールオフを低減する観点から、水酸基を持つ有機酸に代表される特定の有機酸の使用(特開2002−12857号公報)、アルミニウム塩のゾル化生成物の使用(特開2002−20732号公報)、ポリアルキレンオキサイド化合物の使用(特開2002−167575号公報)等が検討されているがロールオフを充分に低減しえるとは言い切れないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、研磨で生じる基板のロールオフを低減し得る研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた基板の製造方法並びに被研磨基板のロールオフを低減する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 研磨材と、水と、有機酸又はその塩とを含有してなり、剪断速度1500S-1における25℃での特定粘度が1.0〜2.0mPa・sである研磨液組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板の研磨工程を有する基板の製造方法、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて研磨することにより被研磨基板のロールオフを低減する方法
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨液組成物は、研磨材と、水と、有機酸又はその塩とを含有してなり、剪断速度1500S-1における25℃での特定粘度が1.0〜2.0mPa・sであるものであり、この研磨液組成物を用いることで、研磨速度を維持しつつ基板のロールオフを有意に低減することができ、外周部まで記録できる基板を生産できるという顕著な効果が発現される。詳細なことは不明ではあるが、研磨液組成物の高剪断時の粘度を低減することで、研磨液のパッド−被研磨物間への研磨液組成物の供給性と研磨クズの排出性が向上すると考えられる。このことにより被研磨物の内側の研磨量が増大して、内側と外側(端面部)の研磨速度差が相対的に小さくなり、結果としてロールオフが低減するものと推定される。
【0006】
本発明においての特定粘度とは、剪断速度1500S-1における25℃での研磨液組成物の粘度をいい、具体的には、後述の条件にてReometric Scientific社製、Ares-100FRT-BATH-STD(商品名)を用いて測定する値をいう。
【0007】
本発明の研磨液組成物は剪断速度1500S-1における特定粘度が1.0〜2.0mPa・sであるが、研磨液組成物のパッド−被研磨基板間への供給量と研磨クズの除去性を向上させ、十分なロールオフ低減作用を得る観点及び研磨速度を維持する観点から、好ましくは1.3〜2.0mPa・s、特に好ましくは1.5〜1.9mPa・sである。
【0008】
本発明の研磨液組成物は、研磨材と、水と、有機酸又はその塩とを含有してなるものである。本発明に用いられる研磨材は、研磨用に一般に使用されている研磨材を使用することができる。該研磨材の例としては、金属;金属又は半金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物;ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8族由来のものである。研磨材の具体例として、α−アルミナ粒子、中間アルミナ粒子、アルミナゾル、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等が挙げられ、これらを1種以上使用することは、研磨速度を向上させる観点から好ましい。また、研磨特性の必要性に応じてこれらの2種以上混合して使用してもよい。研磨材用途別ではNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の粗研磨はα−アルミナ粒子、中間アルミナ粒子、アルミナゾル等のアルミナ粒子が好ましく、更にはα−アルミナ粒子と中間アルミナ粒子(なかでもθ−アルミナ)との組み合わせが研磨速度向上、表面欠陥防止及び表面粗さ低減から特に好ましい。また、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板の仕上げ研磨はコロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等のシリカ粒子が好ましい。ガラス材質の研磨には酸化セリウム粒子、アルミナ粒子が好ましい。半導体ウェハや半導体素子等の研磨では酸化セリウム粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子が好ましい。
【0009】
研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.01〜3 μm 、さらに好ましくは0.01〜0.8 μm 、特に好ましくは0.02〜0.5 μm である。さらに、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、同様に研磨速度を向上させる観点及び被研磨物の表面粗さを低減させる観点から、その二次粒子の平均粒径は、好ましくは0.02〜3 μm 、さらに好ましくは0.05〜1.5 μm 、特に好ましくは0.1 〜1.2 μm である。研磨材の一次粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で観察(好適には3000〜30000 倍)又は透過型電子顕微鏡で観察(好適には10000 〜300000倍)して画像解析を行い、粒径を測定することにより求めることができる。また、二次粒子の平均粒径はレーザー光回折法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
【0010】
研磨材の比重は、分散性及び研磨装置への供給性や回収再利用性の観点から、その比重は2〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
【0011】
研磨材の含有量は、経済性及び表面粗さを小さくし、効率よく研磨することができるようにする観点から、研磨液組成物中において好ましくは1 〜40重量%、より好ましくは2 〜30重量%、さらに好ましくは3 〜25重量%である。
【0012】
本発明の研磨液組成物中の水は、媒体として使用されるものであり、その含有量は被研磨物を効率良く研磨する観点から、好ましくは55〜98.99 重量%、より好ましくは60〜97.5重量%、さらに好ましくは70〜96.8重量%である。
【0013】
また、本発明の研磨液組成物は、有機酸又はその塩を含有する。
【0014】
有機酸又はその塩としては、モノ又は多価カルボン酸、アミノカルボン酸、アミノ酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらの化合物はその特性から化合物群(A)と化合物群(B)に大別される。
【0015】
化合物群(A)に属する化合物は、単独で研磨速度を向上することも可能であるが、顕著な特徴としては化合物群(B)に代表される他の研磨速度向上剤と組み合わせた場合ロールオフを低減する作用を有する化合物である。化合物群(A)の化合物としてはOH基又はSH基を含有する炭素数2〜20のモノ又は多価カルボン酸、炭素数2〜3のジカルボン酸、炭素数1〜20のモノカルボン酸及びそれらの塩より選ばれる1種以上の化合物である。OH基又はSH基を含有するモノ又は多価カルボン酸の炭素数は水への溶解性の観点から2〜20であり、2〜10が好ましく、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6である。例えば、ロールオフ低減の観点から、α―ヒドロキシカルボキシル化合物が好ましい。炭素数2〜3のジカルボン酸とは即ちシュウ酸とマロン酸を指す。モノカルボン酸の炭素数は、水への溶解性の観点から1〜20であり、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜5である。化合物群(A)のうち、研磨速度の面からは、α−ヒドロキシカルボン酸又はその塩が好ましい。
【0016】
OH基又はSH基を有する炭素数2〜20のモノ又は多価カルボン酸の具体例としては、グリコール酸、メルカプトコハク酸、チオグリコール酸、乳酸、β- ヒドロキシプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、アロクエン酸、グルコン酸、グリオキシル酸、グリセリン酸、マンデル酸、トロパ酸、ベンジル酸、サリチル酸等が挙げられる。炭素数1〜20のモノカルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2-メチルヘキサン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸等が挙げられる。これらの中で、酢酸、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸及びグルコン酸が好ましく、さらに好ましくは、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸及びグルコン酸であり、特に好ましくはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸であり、最も好ましくはクエン酸である。
【0017】
これらの化合物群(A)の塩としては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、有機アミン等との塩が挙げられる。金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの金属の中でも、目詰まり低減の観点から1A、3A、3B、7A又は8族に属する金属が好ましく、1A、3A又は3B族に属する金属が更に好ましく、1A族に属するナトリウム、カリウムが最も好ましい。
【0018】
アルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0019】
有機アミン等の具体例としては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。
【0020】
これらの塩の中では、アンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩が特に好ましい。
【0021】
化合物群(A)は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0022】
本発明に用いる化合物群(B)は、特に研磨速度向上の作用に優れる化合物である。化合物群(B)としては炭素数4以上のOH基又はSH基を有しない多価カルボン酸、アミノカルボン酸、アミノ酸及びそれらの塩等が挙げられる。
【0023】
研磨速度向上の観点からは炭素数4以上のOH基又はSH基を有しない多価カルボン酸中でも炭素数4〜20が好ましく、さらに水溶性の観点を加味すると炭素数4〜10が好ましい。また、そのカルボン酸価数は2〜10、好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。また、同様の観点から、アミノカルボン酸としては、1分子中のアミノ基の数は1〜6が好ましく、更に1〜4が好ましい。そのカルボン酸基の数としては1〜12、更には2〜8が好ましい。また、炭素数としては1〜30が好ましく、更には1〜20が好ましい。同様の観点からアミノ酸の炭素数としては2〜20が好ましく、更に2〜10が好ましい。
【0024】
化合物群(B)の具体例としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバル酸、アジピン酸、プロパン−1,1,2,3−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ジグリコール酸、ニトロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ヒドロオキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、グリシン、アラニン等が挙げられる。
これらの中でもコハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバル酸、アジピン酸、ジグリコール酸、ニトロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸が好ましく、さらにコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバル酸、ジグリコール酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸がより好ましい。
【0025】
これら化合物群(B)の塩としては、前記化合物群(A)と同様である。
化合物群(B)は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
更には化合物群(A)と化合物群(B)を組み合わせることが研磨性能のバランスの上で特に好ましい。
【0026】
また、本発明中の有機酸又はその塩の含有量は、機能を発現させる観点及び経済性の観点から、好ましくは研磨液組成物中0.01〜10重量%、より好ましくは0.02〜7重量%、さらに好ましくは0.03〜5重量%である。
【0027】
また、本発明の研磨液組成物は、ロールオフを低減するという観点から減粘剤を含有することが好ましい。減粘剤の具体例の1つとしてリン酸系化合物が挙げられる。より具体的には、直鎖、又は環状の無機リン酸類、有機ホスホン酸類又はその塩、リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類及びそれらの塩等が挙げられる。直鎖、又は、環状の無機リン酸類としてはリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸等が、有機ホスホン酸類としてはアミノトリ(メチレンホスホン酸)「ディクエスト2000(ソルシアジャパン製)」、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸「ディクエスト2010(ソルシアジャパン製)」、トリカルボキシルブタンホスホン酸「ディクエスト7000(ソルシアジャパン製)」等が、リン酸モノエステル類としてはラウリルリン酸モノエステル、ステアリルリン酸モノエステル塩、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテルリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンモノミリスチルエーテルリン酸モノエステル等が、リン酸ジエステル類としてはジラウリルリン酸ジエステル、ビス(ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル)等が挙げられる。これらのうち、工業的入手性、経済性、取り扱いの面で無機リン酸系化合物が好ましく、特に好ましくは無機縮合型リン酸系化合物である。他の減粘剤としてはポリオキシエチレン基を持つ親水性化合物、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイドポリマー等が挙げられる。
【0028】
研磨液組成物中における減粘剤の含有量は、粘度低減(ロールオフ低減)の観点、研磨性能の観点から、研磨液組成物中0.001 重量%以上が好ましく、また、経済的な観点、被研磨物の面質の観点から、5 重量%以下が好ましい。より好ましくは0.001 〜3 重量%、さらに好ましくは0.003 〜1.5 重量%、もっとも好ましくは0.005 〜1.0 重量%である。
【0029】
また、本発明の研磨液組成物には、目的に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、無機酸及びその塩、酸化剤、防錆剤、塩基性物質等が挙げられる。無機酸及びその塩、並びに酸化剤の具体例としては、特開昭62-25187号公報2 頁右上欄3 〜11行目、特開昭63-251163 号公報2頁左下欄7行〜14行、特開平1-205973号公報3 頁左上欄11行〜右上欄2 行、特開平3-115383号公報2 頁右下欄16行〜3 頁左上欄11行、特開平4-275387号公報2 頁右欄27行〜3 頁左欄12行等に記載されているものが挙げられる。これらの成分は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、その含有量は、それぞれの機能を発現させる観点及び経済性の観点から、好ましくは研磨液組成物中0.05〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
【0030】
さらに他の成分として必要に応じて殺菌剤や抗菌剤等を配合することができる。これらの殺菌剤、抗菌剤の含有量は、機能を発現する観点、研磨性能への影響、経済面の観点から研磨液組成物中0.0001〜0.1 重量%、より好ましくは0.001 〜0.05重量%更に好ましくは0.002 〜0.02重量%である。
【0031】
尚、前記研磨液組成物中の各成分の濃度は、研磨する際の好ましい濃度であるが、該組成物の製造時の濃度であっても良い。通常、研磨液組成物は濃縮液として製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
【0032】
また、研磨液組成物は目的の添加物を任意の方法で添加、混合し製造することができる。
【0033】
研磨液組成物のpHは、被研磨物の種類や要求品質等に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、研磨液組成物のpHは、被研磨物の洗浄性及び加工機械の腐食防止性、作業者の安全性の観点から、2 〜12が好ましい。また被研磨物がNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板等の金属を主対象とした精密部品用基板である場合、研磨速度の向上と表面品質の向上、パッド目詰まり防止の観点から、pHは2〜10が好ましく、2〜9がより好ましく、更に2〜7が好ましく、特に好ましくは2〜5である。さらに、半導体ウェハや半導体素子等の研磨、特にシリコン基板、ポリシリコン膜、SiO 2 膜等の研磨に用いる場合は、研磨速度の向上と表面品質の向上の観点から、7 〜12が好ましく、8 〜11がより好ましく、9 〜11が特に好ましい。該pHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、オキシカルボン酸、多価カルボン酸やアミノカルボン酸、アミノ酸等の有機酸、及びその金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。
【0034】
本発明の基板の製造方法は、前記研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を有している。
本発明の対象である被研磨基板に代表される被研磨物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属、及びこれらの金属を主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金が被研磨物であるか、又はそれらの金属を含んだ半導体素子等の半導体基板が被研磨物であることが好ましい。特に、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板を研磨する際に本発明の研磨液組成物を用いた場合、ロールオフを特に低減できるので好ましい。従って、本発明は、前記基板のロールオフの低減方法に関する。
【0035】
これらの被研磨物の形状には特に制限がなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明の研磨液組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に特に優れている。
【0036】
本発明の研磨液組成物は、精密部品用基板の研磨に好適に用いられる。例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、液晶用ガラス、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の研磨に適している。半導体基板の研磨は、シリコンウェハ(ベアウェハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等において行われる研磨がある。本発明のロールオフ低減組成物は、特に磁気ディスク基板の研磨に適している。
【0037】
本発明の研磨液組成物を用いた被研磨基板のロールオフ低減方法において、上記に挙げた被研磨基板を本発明の研磨液組成物を用いて研磨することにより、被研磨基板のロールオフを顕著に低減できる。例えば、不織布状の有機高分子系の研磨布等を貼り付けた研磨盤で基板を挟み込み、本発明の研磨液組成物を研磨面に供給し、圧力を加えながら研磨盤や基板を動かすことにより、ロールオフを低減した基板を製造することができる。
【0038】
本発明において被研磨基板に発生したロールオフは例えば触針式、光学式等の形状測定装置を用いて端面部分の形状を測定し、そのプロファイルより端面部分がディスク中央部に比較してどれくらい多く削れているかを数値化することにより評価することが可能である。
【0039】
数値化の方法は図1に示すようにディスク中心からある距離離れたA点とB点とC点と言った測定曲線(被研磨基板の端面部分の形状を意味する)上の3点をとり、A点とC点を結んだ直線をベースラインとし、B点とベースラインとの距離(D)を言うものである。ロールオフが良いとはD値がより0に近い値であることを意味する。ロールオフ値はDを研磨前後のディスクの厚さの変化量の1/2で除した値を言う。
【0040】
本発明の研磨液組成物は、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工程、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用することができる。
【0041】
【実施例】
実施例1〜11及び比較例1〜3(但し、実施例6、7、11は参考例である)
〔研磨液組成物配合方法〕
研磨材〔一次粒径の平均粒径0.23μm 、二次粒子の平均粒径0.65μmのα−アルミナ(純度約99.9%)16重量部、中間アルミナ(θ−アルミナ、平均粒径0.22μm、純度約99.9% )4重量部〕、他の添加物として実施例、比較例に用いた添加剤を表1に示す所定量、イオン交換水残部とを混合・攪拌して研磨液組成物100重量部を得た。
【0042】
〔特定粘度の測定〕
得られた研磨液組成物の特定粘度を下記の研磨と同様にイオン交換水で3倍希釈(vol/vol )し、以下の方法に基づいて測定した。
【0043】
〔特定粘度測定法〕
試験液の特定粘度を以下の条件で測定する。
Figure 0004446371
【0044】
〔研磨速度及びロールオフの測定〕
得られた研磨液組成物をイオン交換水で3倍希釈(vol/vol )し、ランク・テーラーホブソン社製のタリーステップ(触針先端サイズ:25μm ×25μm 、ハイパスフィルター:80μm 、測定長さ:0.64mm)によって測定した中心線平均粗さRaが0.2 μm 、厚さ1.27 mm 、直径3.5 インチ(95.0mm) のNi-Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板の表面を両面加工機により、以下の両面加工機の設定条件でポリッシングし、磁気記録媒体用基板として用いられるNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の研磨物を得た。
両面加工機の設定条件を下記に示す。
【0045】
<両面加工機の設定条件>
両面加工機:スピードファーム(株)製、9B型両面加工機
加工圧力:9.8kPa
研磨パッド:フジボウ(株)製、H9900(商品名)
定盤回転数:30rpm
研磨液組成物希釈品供給流量:125ml/min
研磨時間:3.5min
投入した基板の枚数:10枚
【0046】
〔研磨速度〕
研磨前後の各基板の重さを計り(Sartorius 社製、商品名:BP-210S )を用いて測定し、各基板の重量変化を求め、10枚の平均値を減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減少速度とした。重量の減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min )に変換した。比較例の研磨速度を基準値1として各実施例の研磨速度の相対値(相対速度)を求めた。
【0047】
Figure 0004446371
【0048】
〔ロールオフ〕
Zygo社製、Maxim 3D5700(商品名)を用いて以下の条件で測定した。
レンズ:Fizeau ×1
解析ソフト:Zygo Metro Pro
【0049】
上記の装置を用いて、ディスク中心から41.5mmから47.0mmまでのディスク端部の形状を測定し、A、B及びC点の位置をディスク中心からそれぞれ41.5mm、47mm及び43mmにとり、解析ソフトを用いて前記測定方法により、Dを求めた。この求められたDを研磨前後のディスク研磨量の1/2で除した値をロールオフ値とした。表1に研磨液組成物の特定粘度と比較例1の研磨速度とロールオフ値を基準値1としたときのそれぞれの相対値を示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004446371
【0051】
表1の結果より、特定粘度がいずれも1.0〜2.0mPa・sの範囲の実施例1〜11の研磨液組成物は、いずれも比較例1〜3に比べロールオフ値が低いことがわかる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の研磨液組成物を精密部品用基板等の研磨に用いることにより、該基板のロールオフを著しく低減させる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、測定曲線とロールオフとの関係を示す図である。

Claims (11)

  1. 研磨材と、水と、減粘剤と、有機酸又はその塩とを含有してなり、剪断速度1500S−1における25℃での特定粘度が1.0〜2.0mPa・sである磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、前記研磨材がα−アルミナとθ−アルミナを含有し、前記有機酸がクエン酸を含有し、前記減粘剤が、ポリリン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸及びトリカルボキシルブタンホスホン酸よりなる群から選択される1種以上である、磁気ディスク基板用研磨液組成物
  2. さらに炭素数4以上のOH基又はSH基を有しない多価カルボン酸を含有してなる請求項1に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物
  3. 研磨材の二次粒子径が0.1〜1.2μmである、請求項1又は2に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物
  4. 研磨材の含有量が、研磨液組成物中1〜40重量%である、請求項1〜3いずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物
  5. 減粘剤の含有量が、研磨液組成物中0.001〜3重量%である、請求項1〜4いずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物
  6. 有機酸又はその塩の含有量が、研磨液組成物中0.01〜10重量%である、請求項1〜5いずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物
  7. 研磨液組成物のpHが2〜5である、請求項1〜6いずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物
  8. 請求項1〜7いずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物を用いて、被研磨基板の研磨工程を有する磁気ディスク基板の製造方法。
  9. 被研磨基板がNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板である、請求項8記載の磁気ディスク基板の製造方法
  10. 請求項1〜7いずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物を用いて研磨することにより被研磨基板のロールオフを低減する方法。
  11. 被研磨基板がNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板である、請求項10記載のロールオフを低減する方法
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