JP3575750B2 - 研磨液組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨液組成物に関する。さらに、該研磨液組成物を用いた被研磨基板の研磨方法及び該研磨液組成物を用いた基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクは、年々小型化、高容量化の一途をたどり、その高密度化が進み、最小記録面積が小さくなり、また磁気ヘッドの浮上量もますます小さくなってきていることから、ハードディスク基板の研磨工程で、研磨速度の向上及び表面粗さの低減及びスクラッチ、ピット、等の表面欠陥の低減が求められ、水、アルミナ及びベーマイトとキレート性化合物とを用いた研磨液組成物(特開平11−92749号公報等)や水、αアルミナ、および酢酸で安定化したアルミナゾルを含有した研磨液組成物(特開2000−63805号公報)や研磨方法が検討されている。
【0003】
一方、高容量化においては、研磨工程で発生するロールオフ(基板の端面だれ)を小さくし、より外周部まで記録できる基板を開発するため、研磨パッドを堅くする、研磨加重を小さくすると言った機械的研磨条件が検討されている。
【0004】
しかしながら、このロールオフを小さくするためのそれら機械的研磨条件は効果があるものの今だ充分とは言えず、またロールオフを低減し得る研磨液の組成の検討もなされていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、研磨速度が向上し、被研磨物の表面に表面欠陥を生じさせること無く、表面粗さを低減し、且つロールオフを低減し得る研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた被研磨基板の研磨方法及び基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 水、研磨材、ロールオフ低減剤および中間アルミナを含有してなる研磨液であって、ロールオフ低減剤がOH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数1〜20のモノカルボン酸、炭素数2〜3のジカルボン酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である研磨液組成物(但し、炭素数4以上のOH基又はSH基を有しない多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸およびそれらの塩を含有するものを除く)
〔2〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する被研磨基板の研磨方法、
〔3〕 前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板を研磨する基板の製造方法、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨液組成物は、水、研磨材、ロールオフ低減剤および中間アルミナを含有している研磨液であって、ロールオフ低減剤が、OH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数1〜20のモノカルボン酸、炭素数2〜3のジカルボン酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である。
【0008】
本発明で用いられる研磨材は、研磨用に一般に使用されている研磨材を使用することができる。該研磨材の例としては、金属;金属又は半金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物;ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8族由来のものである。研磨材の具体例として、α−アルミナ粒子、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等が挙げられ、これらを1種以上使用することは、研磨速度を向上させる観点から好ましい。中でも、α−アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等がさらに好ましく、α−アルミナ粒子が特に好ましい。
【0009】
研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.01〜3μm 、さらに好ましくは0.02〜0.8 μm 、特に好ましくは0.05〜0.5 μm である。さらに、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、同様に研磨速度を向上させる観点及び被研磨物の表面粗さを低減させる観点から、その二次粒子の平均粒径は、好ましくは0.05〜3 μm 、さらに好ましくは0.1 〜1.5 μm 、特に好ましくは0.2 〜1.2 μm である。研磨材の一次粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で観察(好適には3000〜30000 倍)して画像解析を行い、粒径を測定することにより数平均粒径として求めることができる。また、二次粒子の平均粒径はレーザー光回折法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
【0010】
研磨材の比重は、分散性及び研磨装置への供給性や回収再利用性の観点から、その比重は2〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
【0011】
研磨材の含有量は、経済性及び表面粗さを小さくし、効率よく研磨することができるようにする観点から、研磨液組成物中において好ましくは1〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは3〜15重量%である。
【0012】
本発明に用いられるロールオフ低減剤は、OH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数1〜20のモノカルボン酸、炭素数2〜3のジカルボン酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物である。ここで、ロールオフとは、一般に研磨時に被研磨基板の端面部分が中央部分に比べて多く削れ、丸みを帯びることをいい、端面だれとも呼ばれる。
【0013】
OH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸としては、オキシカルボン酸、及び該酸のOH基の酸素原子が硫黄原子に置換した化合物が挙げられる。これらのカルボン酸の炭素数は、水への溶解性の観点から、2〜20であり、2〜12が好ましく、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6であることが望ましい。また、ロールオフ低減の観点から、オキシカルボン酸としては、カルボキシル基のα位に水酸基を持つものが好ましい。
【0014】
モノカルボン酸の炭素数は、水への溶解性の観点から、1〜20であり、1〜12が好ましく、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6であることが望ましい。
【0015】
ジカルボン酸は、ロールオフ低減の観点から、炭素数2〜3のもの、即ちシュウ酸とマロン酸である。これらのロールオフ低減剤の中では、研磨速度向上の観点から、オキシカルボン酸が好ましい。また、ロールオフ低減の観点からはジカルボン酸が好ましい。
【0016】
OH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、メルカプトコハク酸、チオグリコール酸、乳酸、β− ヒドロキシプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、アロクエン酸、グルコン酸、グリオキシル酸、グリセリン酸、マンデル酸、トロパ酸、ベンジル酸、サリチル酸等が挙げられる。モノカルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸等が挙げられる。これらの中で、酢酸、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸及びグルコン酸が好ましく、さらに好ましくは、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸及びグルコン酸である。
【0017】
また、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びグルコン酸は、単独で又は他のロールオフ低減剤と併用することによって、更に研磨パッドへの砥粒や研磨カスの目詰まりを低減させ、研磨パッドを長期間使用することによる、研磨速度や面質等の研磨特性の劣化を防止できるので好ましい。また、頻繁なパッド洗浄が不要となる、すなわちパッドドレッシングの間隔を大幅に延ばすことができ、生産性があがるので経済的観点からも優れ好ましい。その中でも、シュウ酸、酒石酸及びクエン酸が好ましく、特にクエン酸が好ましい。なお、本発明に用いられるモノカルボン酸及びジカルボン酸は、OH基又はSH基を有しないカルボン酸から選ばれる。
【0018】
また、これらの酸の塩(即ち、OH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸の塩、炭素数1〜20のモノカルボン酸の塩、炭素数2〜3のジカルボン酸の塩)としては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、有機アミン等との塩が挙げられる。金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの金属の中でも、ロールオフ低減の観点から1A、3A、3B、7A又は8族に属する金属が好ましく、1A、3A又は3B族に属する金属が更に好ましく、1A族に属するナトリウム、カリウムが最も好ましい。
【0019】
アルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0020】
有機アミン等の具体例としては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。
【0021】
これらの塩の中では、アンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩が特に好ましい。
【0022】
ロールオフ低減剤の含有量は、ロールオフを低減する観点及び経済的な観点から、研磨液組成物中において好ましくは0.01〜5 重量%以下、より好ましくは0.015 〜4 重量%、さらに好ましくは0.03〜2重量%である。なお、ロールオフ低減剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
また、本発明に用いられる中間アルミナとは、α―アルミナ粒子以外のアルミナ粒子の総称であり、具体的には、γ―アルミナ粒子、δ―アルミナ粒子、θ―アルミナ粒子、η―アルミナ粒子、κ−アルミナ粒子、これらの混合物等が挙げられる。その中でも、研磨速度向上及び表面粗さ低減効果の観点から、以下の中間アルミナが好ましい。その結晶型は、好ましくはγ―アルミナ、δ―アルミナ、θ―アルミナ及びその混合物である。また、その比表面積(BET法)は、好ましくは30〜300m/g、より好ましくは50〜200m/gである。その平均粒径は、好ましくは0.01〜5 μm 、より好ましくは0.05〜5μm 、さらに好ましくは0.1〜3μm 、特に好ましくは0.1〜1.5 μm である。この平均粒径は、レーザー光回折法(例えば、堀場製LA−920)を用いて体積平均粒径として測定することができる。また、中間アルミナ粒子におけるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量は、それぞれ0.1重量%以下が好ましく、0.05重量%以下がより好ましく、0.01重量%以下が特に好ましい。
【0024】
例えば、比表面積が比較的大きく、アルカリ金属及びアルカリ土類金属含有量の少ない水酸化アルミニウム、アルミナゾル等を原料とした場合、製造された中間アルミナの融着が少なく粒子強度も小さいため、被研磨基板の表面欠陥が無く、表面粗さ低減に特に有効である。
【0025】
そのための原料としては、化学式Al(OH)、Al・3HO、AlOOH、Al・HO、Al・nHO〔nは1〜3を示す〕で表わされる、例えば、水酸化アルミニウム、アルミナゾル等が使用できるが、その原料の比表面積が好ましくは10m/g以上、より好ましくは30m/g以上、特に好ましくは50m/g以上のものである。また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量が好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.03重量%以下のものである。さらにまた、水酸化アルミニウムを加熱脱水して中間アルミナを製造する場合に、焼成時に強制的に乾燥空気あるいは窒素ガスを導入させることは、さらに被研磨基板の表面欠陥、表面粗さの低減に有効である。尚、前記加熱脱水処理は、常法により行うことができる。
【0026】
これらの中間アルミナは、必要に応じて、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、ジェットミル等の粉砕機により、湿式あるいは乾式粉砕し、所定の粒径に調整する。
【0027】
これらの中間アルミナは、前記研磨材及びロールオフ低減剤と併用することによって研磨速度の向上やピット等の表面欠陥の防止、さらに表面粗さの低減を促進することができる。
【0028】
研磨液組成物中における中間アルミナの含有量は、経済性及び研磨促進効果、表面粗さを低減する効果、また、ピット等の表面欠陥を防止能力を得る観点から、研磨材100重量部に対して1〜100重量部であり、好ましくは2〜70重量部、更に好ましくは4〜40重量部である。
【0029】
本発明の研磨液組成物中の水は、媒体として用いられるものであり、その含有量は、被研磨物を効率よく研磨することができるようにする観点から、40〜98重量%が好ましく、50〜97重量%が更に好ましく、60〜95重量%が特に好ましい。
【0030】
また、本発明の研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。
【0031】
他の成分としては、前記ロールオフ低減剤以外の有機酸及びその塩、例えば、多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸及びその塩や、無機酸及びその塩、酸化剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。有機酸及びその塩、無機酸及びその塩、並びに酸化剤の具体例としては、特開昭62−25187号公報2 頁右上欄3 〜11行目、特開昭63−251163 号公報2頁左下欄7行〜14行、特開平1−205973号公報3 頁左上欄11行〜右上欄2 行、特開平3−115383号公報2 頁右下欄16行〜3 頁左上欄11行、特開平4−108887号公報2 頁左下欄1 行〜9 行、特開平4−275387号公報2 頁右欄27行〜3 頁左欄12行、特開平4−363385号公報2 頁右欄21行〜30行等に記載されているものが挙げられる。
【0032】
これらの成分は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、その含有量は、それぞれの機能を発現させる観点及び経済性の観点から、好ましくはロールオフ低減剤組成物中0.05〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
【0033】
尚、前記研磨液組成物中の各成分の濃度は、研磨する際の好ましい濃度であるが、該組成物製造時の濃度であってもよい。通常、濃縮液として組成物は製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
【0034】
本発明の研磨液組成物は、前記研磨剤、ロールオフ低減剤、中間アルミナ、水、さらに必要であれば各種添加剤を公知の方法で適宜添加、混合することにより製造することができる。
【0035】
研磨液組成物のpHは、被研磨物の種類や要求品質等に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、研磨液組成物のpHは、基板の洗浄性及び加工機械の腐食防止性、作業者の安全性の観点から、2 〜12が好ましい。また、被研磨物がNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板等の金属を主対象とした精密部品用基板である場合、研磨速度の向上と表面品質の向上の観点から、2〜9がより好ましく、3〜8が特に好ましい。さらに、半導体ウェハや半導体素子等の研磨、特にシリコン基板、ポリシリコン膜、SiO膜等の研磨に用いる場合は、研磨速度の向上と表面品質の向上の観点から、7〜12が好ましく、8〜12がより好ましく、9〜11が特に好ましい。該pHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、有機酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。
【0036】
本発明の被研磨基板の研磨方法は、本発明の研磨液組成物を用いて、あるいは本発明の研磨液組成物の組成となるように各成分を混合して研磨液を調製して被研磨基板を研磨する工程を有しており、特に精密部品用基板を好適に製造することができる。
【0037】
本発明の対象である被研磨基板に代表される被研磨物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属、及びこれらの金属を主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金が被研磨物であるか、又はそれらの金属を含んだ半導体素子等の半導体基板が被研磨物であることが好ましい。特にNi−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板を研磨する際に、本発明の研磨液組成物を用いた場合、ロールオフが小さく、研磨速度を向上させ、表面欠陥を生じさせることなく、表面粗さを低減させることができるので好ましい。
【0038】
これらの被研磨物の形状には、特に制限は無く、例えばディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明の研磨液組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に特に優れている。
【0039】
本発明の研磨液組成物は、精密部品用基板の研磨に好適に用いられる。例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の研磨に適している。半導体基板の研磨は、シリコンウェハ(ベアウェハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等において行われる研磨がある。本発明の研磨液組成物は、特に磁気ディスク基板の研磨に適している。磁気ディスク基板の中でも、Ni−Pメッキされたアルミニウム磁気ディスク基板の研磨に特に適している。
【0040】
また、本発明の研磨液組成物を用いる基板の製造方法としては、例えば、不織布状の有機高分子系の研磨布等を貼り付けた研磨盤で上記被研磨基板を挟み込み、本発明の研磨液組成物を研磨面に供給し、一定の圧力を加えながら研磨盤や基板を動かすことにより、ロールオフや表面粗さが低減し、表面欠陥のない基板を製造する方法が挙げられる。
【0041】
本発明において被研磨基板に発生したロールオフは、例えば、触針式または光学式形状測定装置を用いて端面部分の形状を測定し、そのプロファイルより端面部分がディスク中央部にくらべてどれくらい多く削れているかを数値化することにより評価することができる。
【0042】
数値化の方法は、図1に示すように、ディスク中心からある距離離れたA点とB点とC点といった測定曲線(被研磨基板の端面部分の形状を意味する)上の3点をとり、A点とC点を結んだ直線をベースラインとし、B点とベースラインとの距離(D)をいうものである。ロールオフが良いとは、Dの値がより0に近いことを言う。ロールオフ値は、Dを研磨前後のディスクの厚さの変化量の1/2で除した値を言う。ロールオフ値は好ましくは0.2μm/μm以下、より好ましくは0.15μm/μm、さらに好ましくは0.10μm/μmである。
【0043】
なお、A点、B点及びC点の位置は、被測定物の大きさにより様々であるが、一般にB点はディスクの端部と中心を結ぶ線上をディスクの端部から0.5mmの位置、C点は2.5mmの位置、A点は4.5mmの位置であることが好ましい。例えば、3.5インチディスクの場合は、A点、B点及びC点をそれぞれディスク中心から43mm、47mm及び45mmの距離にとることが好ましい。
【0044】
以上のように、本発明の研磨液組成物を用いることで、表面に表面欠陥を生じさせること無く、研磨速度を向上させると共に、表面粗さを低減し、且つロールオフを低減した高品質の基板を生産効率良く製造することができる。また、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸及びこれらの塩の1種以上を含有した研磨液組成物では、更に研磨パッドへの砥粒や研磨カスの目詰まりを低減させ、研磨パッドを長期間使用することによる研磨速度や面質等の研磨特性の劣化を防止できるので好ましい。
【0045】
この場合上記化合物の中でもシュウ酸、酒石酸、クエン酸又はそれらの塩が好ましく、特にクエン酸又はその塩が好ましい。また、前記化合物を2種以上併用する場合、特に好ましい組み合わせとしては、シュウ酸、酒石酸、クエン酸及びそれらの塩から選ばれる2種以上の組み合わせ、または、シュウ酸、酒石酸、クエン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上とマロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上との組み合わせが好ましく、更に、クエン酸又はその塩とシュウ酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上との組み合わせがより好ましい。特に好ましい組み合わせはクエン酸又はその塩とグリコール酸又はその塩である。
【0046】
本発明の研磨液組成物は、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工程、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用することができる。
【0047】
【実施例】
<中間アルミナ製造例1>
平均粒径25μm、比表面積250m/g、アルカリ金属含量0.003重量%、アルカリ土類金属含量0.01重量%の擬ベーマイト粒子100gをアルミナ容器(縦200×横100×高さ100mm)に入れ、マッフル炉で昇温速度50℃/min、焼成温度930℃、4時間、窒素流量5L/minにて焼成して、中間アルミナを得た。これを2Lアルミナ製ボールミルに移し、イオン交換水を加え30重量%スラリーとした後、3mmφのアルミナボールを入れ、解砕して、中間アルミナ粒子を調製した。調製した中間アルミナ粒子は、X線回折ピークの解析によりγ−アルミナであり、平均粒径0.3μm、比表面積150m/g、アルカリ金属含量0.005重量%、アルカリ土類金属含量0.01重量%であった。
【0048】
実施例1〜6及び比較例1〜5
研磨材(一次粒子の平均粒径0.25μm 、二次粒子の平均粒径0.8μm のα−アルミナ(純度約99.9%))、ロールオフ低減剤、製造例1で得られた中間アルミナ(γ−アルミナ)及び残部イオン交換水とを表1に示す組成となるようにし、実施例1〜5、比較例2、3、5はアンモニア水で、また、比較例1、4は硝酸でpHを4.0に調整し、混合・攪拌して研磨液組成物100重量部を調製した。
【0049】
【表1】
Figure 0003575750
【0050】
得られた研磨液組成物を用い、下記の方法によって測定した中心線平均粗さRaが0.2μm 、厚さ0.8 mm、直径3.5 インチのNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の表面を両面加工機により、以下の両面加工機の設定条件でポリッシングし、磁気記録媒体用基板として用いられるNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の研磨物を得た。
【0051】
両面加工機の設定条件を下記に示す。
使用両面加工機:スピードファム社製 9B型両面加工機
加工圧力:9.8 kPa
研磨パッド:ポリテックスDG−H(ロデールニッタ社製)
定盤回転数:55r/min
研磨液組成物供給流量:100mL/min
研磨時間:4min
投入枚数:10枚
【0052】
研磨後、アルミニウム合金基板の厚さを膜厚計(ミツトヨ(株)製、レーザー膜厚計 Model LGH−110/LHC−11N)を用いて測定し、研磨前後のアルミニウム合金基板の厚さの変化から厚さの減少速度を求め、比較例1を基準として相対値(相対研磨速度)を求めた。
【0053】
また、研磨後の各基板の表面粗さ(中心線平均粗さRa)、ピット及びロールオフを以下の方法に従って測定した。なお、中心線平均粗さRaは比較例1を基準として相対値(相対粗さ)を求めた。また、ロールオフは比較例2のロールオフ値を基準として相対値(相対ロールオフ)を求めた。これらの結果を表2に示す。
【0054】
[中心線平均粗さRa]
ランク・テーラーホブソン社製のタリーステップを用いて以下の条件で測定した。
触針先端サイズ :25μm ×25μm
ハイパスフィルター:80μm
測定長さ :0.64mm
【0055】
[表面欠陥( ピット) ]
光学顕微鏡観察(微分干渉顕微鏡)を用いて倍率×200 倍で各基板の表面を30度おきに12ヵ所観察し、ピットの数を数えた。
S :0個
A :1〜3個
B :4〜10個
C :10個以上
【0056】
[ロールオフ]
測定装置:ミツトヨ フォームトレーサーSV−C624
触針先端半径:2μm(コードNo.178−381)
触針圧:0.7mN以下
速度:0.2mm/s
解析ソフト:SV−600微細輪郭解析システム version1.01
フィルター:LPF (Gaussian)0.800mm
【0057】
上記の装置を用いて、ディスク中心からの距離が42.5mmから47.5mmまでのディスク端部の形状を測定し、A、B及びC点の位置をディスク中心からそれぞれ43mm、47mm及び45mmにとり、解析ソフトを用いて前記測定方法により、Dを求めた。この求められたDを研磨前後のディスクの厚さの変化量の1/2で除した値をロールオフ値とした。
【0058】
【表2】
Figure 0003575750
【0059】
表2の結果より、実施例1〜6で得られた研磨液組成物は、いずれも研磨速度が高く、特に比較例1〜5で得られた研磨液組成物に比べ、被研磨基板の表面粗さを低減し、表面欠陥がなく、且つロールオフも著しく低減しうるものであることがわかる。
【0060】
また、実施例5、実施例6及び比較例3で調製した研磨液組成物を使用し、先に記載の研磨評価を20回繰り返し、1回目の相対研磨速度に対する20回目の相対研磨速度の比を目詰まり防止性能として測定したところ、実施例5の研磨液組成物では、0.91であり、実施例6では0.90、比較例3では0.50であった。
実施例5、6の研磨液組成物は、比較例3のものに比べ、優れた研磨パッドの目詰まり防止特性をもつことがわかる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の研磨液組成物を精密部品用基板等の研磨に用いることにより、該基板のロールオフや表面粗さを著しく低減させることに加え、表面欠陥が無く、且つ研磨速度も向上させることができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、測定曲線とロールオフとの関係を示す図である。

Claims (3)

  1. 水、研磨材、ロールオフ低減剤および中間アルミナを含有してなる研磨液であって、ロールオフ低減剤がOH基又はSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数1〜20のモノカルボン酸、炭素数2〜3のジカルボン酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である研磨液組成物(但し、炭素数4以上のOH基又はSH基を有しない多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸およびそれらの塩を含有するものを除く)
  2. 請求項1記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する被研磨基板の研磨方法。
  3. 請求項1記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板を研磨する工程を有する基板の製造方法。
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