JP3874276B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マシンの簡素化、低コスト化への最重要課題としてオイルレス定着が挙げられる。このオイルレス定着を実現するためには、トナーの原料に、離型剤として用いるワックスを多量に配合しなければならない。しかしながら、ワックスの配合量が多量であるほど、ワックスの分散性は低下しやすく、トナーの耐久性に悪影響を与える。そこで、特定のポリエステルとワックスとの組み合わせたトナーが提案されているが(特許文献1、特許文献2)、原料を配合するうえでの制限が大きく、より簡便に、オイルレス定着に対応可能なトナーを得る方法の開発が要望されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−220808号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平11−202550号公報(請求項1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、オイルレス定着を目的としてワックスを多量に用いる場合であっても、ワックスを良好に分散させることができ、定着性及び耐久性に優れたトナーを製造しうる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有した原料を溶融混練し、粉砕する工程を有するトナーの製造方法であって、前記離型剤として水分散ワックスを用いるトナーの製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有した原料を溶融混練し、粉砕する工程を有するトナーの製造方法において、離型剤として水分散ワックスを用いる点に特徴を有する。水分散ワックスを含む原料を溶融混練することにより、ワックスの分散性を飛躍的に向上させることができる。本発明により、ワックスの分散性が向上する理由の詳細は不明なるも、水分散ワックスはもともとその分散粒径が小さいだけでなく、水分散ワックスからの水分の蒸発にともなって混練物の温度が低下し、混練物、特にワックスにかかる機械的強度が上がるためと推定される。
【0007】
本発明に用いられる水分散ワックスとは、ワックスが微粒状で水媒体に分散したものをいう。水媒体中に分散したワックスの粒径は、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が特に好ましい。
また、水媒体中に分散したワックスの、コールターカウンター法による重量平均粒径は、分散性を向上させる観点から、0.01〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmが特に好ましい。
【0008】
水分散ワックスにおけるワックスとしては、ポリエチレンワックス、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス及びキャンデリラワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0009】
水分散ワックスは、ワックスと水媒体をホモジナイザー等を用いて攪拌し、ワックスを水媒体中に分散させることにより調製できるが、必要に応じて、さらにアニオン性乳化剤やカチオン性乳化剤を添加し、ワックスを乳化分散させてもよい。
【0010】
水分散ワックスにおけるワックスの含有量は、固形分として、30〜55重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。
【0011】
本発明において好適に用いられる水分散ワックスの市販品としては、「ケミパールW100」(分散したワックスの重量平均粒径:3μm(以下、同様))、「ケミパールW200」(6μm)、「ケミパールW300」(3μm)、「ケミパールW400」(4μm)、「ケミパールW500」(2.5μm)、「ケミパールW700」(1μm)等のケミパールシリーズ(ポリエチレンワックス/水のみで分散:三井化学社製)、「オリマルBN−50」(4μm)(カルナウバワックス/ノニオンで乳化:オリオン化成社製)、「EMUSTAR−0135」(約1μm)、「EMUSTAR−0136」(約1μm)等(パラフィンワックス/アニオンとノニオン乳化:日本精蝋社製)、「EMUSTAR−0199」(約1μm)(カルナウバワックス/ノニオン乳化:日本精蝋社製)、「EMUSTAR−0001」(約1μm)、「EMUSTAR−042X」(約1μm)等(マイクロクリスタリンワックス/アニオンとノニオン乳化:日本精蝋社製)が挙げられる。
【0012】
水分散ワックスの配合量は、結着樹脂100重量部に対して、3〜80重量部が好ましく、5〜40重量部がより好ましい。また、水分散ワックスにおけるワックスの配合量は、結着樹脂100重量部に対して、2〜20重量部となるのが好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0013】
トナーの定着性の向上を図るため、種類も多く、製造工程に負荷の少ない固形状のワックスを併用することが好ましい。「固形状」とは、フレーク状、粒状、粉末状等の水を含まない一定形体を有することをいい、「水を含まない」とは、水の含有量が10重量%以下であることをいう。
【0014】
固形状のワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が挙げられるが、これらの中ではポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス及びキャンデリラワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種からなるものが好ましい。
【0015】
固形状のワックスの配合量は、水分散ワックス100重量部に対して、10〜300重量部が好ましく、50〜200重量部がより好ましい。
【0016】
本発明における結着樹脂は、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステルとスチレン−アクリル樹脂の混合樹脂、2種以上の樹脂成分が部分的に化学結合したハイブリッド樹脂等が挙げられるが、低温定着性、耐久性及び添加剤の分散性の観点から、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。結着樹脂中のポリエステルの含有量は、50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。なお、ハイブリッド樹脂としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等の縮重合系樹脂とビニル重合系樹脂等の付加重合系樹脂とが化学的に結合した樹脂が好ましく、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
【0017】
本発明におけるポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
【0018】
アルコール成分としては、式(I):
【0019】
【化1】
Figure 0003874276
【0020】
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)
で表される化合物が含有されていることが好ましい。
【0021】
式(I)で表される化合物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。また、他のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を含有することが好ましい。
【0022】
式(I)で表される化合物のアルコール成分中の含有量は、5モル%以上、好ましくは50モル%以上、より好ましくは100モル%が望ましい。
【0023】
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられ、これらの1種以上を含有することが好ましい。
【0024】
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
【0025】
本発明により得られるトナーを正帯電性トナーとして使用する場合、ポリエステルの酸価は、0.5〜15mgKOH/gが好ましく、1〜12mgKOH/gがより好ましく、1.5〜10mgKOH/gが特に好ましい。
【0026】
また、トナーを負帯電性トナーとして使用する場合、ポリエステルの酸価は、5〜40mgKOH/gが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、15〜30mgKOH/gが特に好ましい。
【0027】
また、ポリエステルの軟化点は、80〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましい。
【0028】
本発明における着色剤としては、黒トナー又はカラートナー用の公知の着色剤を特に限定することなく用いることができる。例えば、黒色着色剤としては、カーボンブラック、金属の複合酸化物、アニリンブラック等が挙げられる。黄色着色剤としては、ナフトールイエロー、キナクリドンイエロー、パーマネントイエローNCG等が挙げられる。赤色着色剤としては、キナクリドンレッド、ナフトールレッド、ブリリアントカーミン6B等が挙げられる。青色着色剤としては、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー等が挙げられる。これは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。着色剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
【0029】
本発明においては、さらに、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を原料として配合してもよい。
【0030】
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤と、含金属アゾ染料、芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸ホウ素化合物等の負帯電性荷電制御剤が挙げられ、これらはトナーの帯電性に応じてそれぞれ単独で用いられていても、混合して用いられていてもよいが、正帯電性荷電制御剤のなかでは、ニグロシン染料が好ましく、負帯電性荷電制御剤のなかでは、含金属アゾ染料、芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体が好ましい。なかでも、カラートナーに使用できる無色の荷電制御剤として、芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体が好ましい。
【0031】
芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体は、特に帯電立ち上がり性が必要とされる場合、例えば非磁性一成分現像方式において、負帯電性荷電制御剤としてより一層帯電特性を向上させることができる。
【0032】
芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体は、式(II):
【0033】
【化2】
Figure 0003874276
【0034】
(式中、R1 及びR2 は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、好ましくはtert−ブチル基、Mはホウ素、クロム、鉄又は亜鉛を示す)
で表される化合物が好ましい。
【0035】
芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体の市販品としては、「ボントロンE−81」、「ボントロンE−84」(オリエント化学工業社製)等がある。
【0036】
芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0037】
本発明において、結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤等の原料は、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で均一に予備混合して、溶融混練に供するのが好ましい。
【0038】
原料の溶融混練には、加熱ロールミル、回分式ニーダー、二軸押出機、オープンロール型混練機等を用いることできるが、本発明では、ワックスの分散性をより向上させるために、オープンロール型混練機が好ましい。
【0039】
結着樹脂、着色剤、添加剤等の溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機の公知の混練機を用いて行うことができるが、本発明においては、ワックスの微分散性の観点から、オープンロール型混練機を用いるのが好ましい。
【0040】
本発明で用いるオープンロール型混練機としては、回転速度の異なる2本のロールを有する二本ロール型混練機であるのが好ましく、また、生産効率と設備の簡素化の観点から連続式の混練機であるのが好ましい。
【0041】
ロールの回転速度は、回転速度が速い方のロール(高回転ロール)では、50〜150r/minが好ましく、50〜100r/minがより好ましい。また、回転速度が遅い方のロール(低回転ロール)では、高回転ロールの回転速度よりも、10〜75r/min、より好ましくは10〜30r/min低回転であるのが好ましい。
【0042】
混練物が高回転ロールに張りつきやすくするために、高回転ロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高く、低回転ロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも低く調整されているのが好ましい。
【0043】
高回転ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことが特に好ましい。また、低回転ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも低いことが好ましく、そのいずれかの低い方の温度よりも、0〜80℃低いことがより好ましく、40〜80℃低いことが特に好ましい。
【0044】
高回転ロールと低回転ロールの温度の差は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。なお、ロールの温度は、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
【0045】
2本のロールは互いに近接して配設されているのが好ましく、ロールの間隙は、0.01〜5mmが好ましく、0.05〜2mmがより好ましい。
【0046】
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよい。
【0047】
次いで、得られた混練物を、粉砕可能な硬度に達するまで冷却した後、粉砕し、必要に応じて、分級することにより、トナーを得ることができる。本発明により得られるトナーの体積平均粒子径は、3〜15μmが好ましい。さらに、トナーの表面には、疎水性シリカ等の流動性向上剤等を外添剤として添加してもよい。
【0048】
本発明により得られるトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として、特に限定されることなく、いずれの現像方法にも用いることが出来る。
【0049】
トナーを二成分現像剤として使用する場合、キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、マグネタイト、フェライト等が挙げられるが、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いフェライトキャリアが好ましい。
【0050】
コア材の飽和磁化は、階調性や中間調の再現性の観点から、100Am2 /kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am2 /kg以上が好ましい。従って、キャリアの飽和磁化は、40〜100Am2 /kgが好ましく、50〜90Am2 /kgがより好ましい。
【0051】
キャリアの表面は、キャリア汚染低減の観点から、樹脂で被覆されているのが好ましい。帯電性及び表面エネルギーの観点から、正帯電性トナーは、フッ素樹脂及びシリコーン樹脂で被覆されているのが好ましく、負帯電性トナーは、シリコーン樹脂で被覆されているのが好ましい。
【0052】
キャリアの体積平均粒子径は、50〜200μmが好ましく、トナーとキャリアの重量比(トナー/キャリア)は、0.5/100〜8/100が好ましい。
【0053】
本発明により得られるトナーは、ワックスを多量に配合した場合であっても、ワックスをトナー中に微細に均一分散させることができるため、オイルレス定着に好適に用いることができる。オイルレス定着としては、オイル供給装置を備えていないヒートロール定着装置を有する印字装置等を用いた定着が挙げられるが、オイル供給装置とは、オイルタンクを有し、定量的にオイルをヒートロール表面に塗布する機構を有する装置の他、オイルを予め含浸させたロールをヒートロールに接触させるような機構を有する装置等を含む。
【0054】
また、本発明によるトナーは、トナー飛散も少なく、微細な網点の再現性にも優れることから、正転現像のみならず、反転現像にも好適に用いることができる。
【0055】
さらに、本発明によるトナーは、オイルレス定着に好適な、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー等を用いたモノカラー画像やフルカラー画像等のカラー画像の形成にも好適に用いられる。
【0056】
【実施例】
〔軟化点〕
ASTM D36−86の方法により測定する。
【0057】
〔酸価及び水酸基価〕
JIS K0070の方法により測定する。
【0058】
〔ガラス転移点及び融点〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
【0059】
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン875g、フマル酸295g及びハイドロキノン(重合禁止剤)0.5gを窒素気流下、200℃にて減圧下で酸価が20mgKOH/gに達するまで反応させて樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は101℃、ガラス転移点は65℃、酸価は20.1mgKOH/g、水酸基価は25.0mgKOH/gであった。
【0060】
実施例1〜4、比較例1〜3
樹脂A 100重量部に、各色トナー用着色剤としてイエロー顔料「パリオトールイエロー D1155」5重量部又はマゼンタ顔料「ECR−101」5重量部又はシアン顔料「ECB−301」3重量部又はカーボンブラック「モーガルL」4重量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−84」1重量部、及び表1に示す離型剤を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合をした後、オープンロール型連続混練機で溶融混練し、冷却後、通常の粉砕、分級工程を行い、粉体を得た。得られた粉体100重量部の表面に、疎水性シリカ「R−972」(日本アエロジル社製)1.0重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合付着させ、体積平均粒子径10μmのイエロートナー(Y)、マゼンタトナー(M)、シアントナー(C)及び黒トナー(B)を得た。なお、実施例1及び比較例1で得られたシアントナーの断面の電子顕微鏡写真を図1、2に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0003874276
【0062】
試験例1
接触現像方式の非磁性一成分現像装置「N4−614」(カシオ計算機株式会社製、線速:49mm/sec、解像度:600dpi、現像システム:有機感光体、反転現像)から定着機のオイル塗布ローラーを外した装置にトナーを実装し、定着温度を130℃から200℃に5℃刻みで上げながら、画像出しを行ない、印字領域以外にプリントされた画像の有無を目視にて確認し、非オフセット域をオイルレス定着性として評価した。即ち、非オフセット域が広いほど、オイルレス定着性は良好であると判断できる。結果を表2に示す。
【0063】
試験例2
接触現像方式の非磁性一成分現像装置「N4−614」(カシオ計算機株式会社製)から定着機のオイル塗布ローラーを外した装置に各トナーを実装し、1万枚のA4サイズのカット紙を用いて、各色トナーによる10mm四方のベタ部を有するプリントパターンの連続印刷を行った。連続印刷において、10枚、3千枚、5千枚、1万枚印刷時に、以下に示す方法で、帯電量を測定し、ベタ画質、カブリ及びフィルミングを評価した。結果を表3に示す。ただし、これらの評価時に定着ロールへのトナー付着が確認された場合は、その時点で連続印刷を中止した。また、試験例1においてオイルレス定着性が不良であった比較例3のトナーの連続印刷は行わなかった。
【0064】
Figure 0003874276
【0065】
〔ベタ画質〕
プリントパターン中のベタ部分の均一性を目視により評価する。
(評価基準)
◎:全領域にわたってカスレがなく、優秀
○:ほどんどカスレがなく、良好
△:ややカスレが見られるが、実使用許容レベル
×:ほとんどの領域でカスレが生じ、実用不可
【0066】
〔カブリ〕
パターン中の白地部分へのトナー付着の程度を目視により評価する。
(評価基準)
◎:トナー付着がなく、優秀
○:トナー付着がほとんどなく、良好
△:トナー付着がややみられるが、実使用許容レベル
×:トナー付着が多数みられ、実用不可
【0067】
〔フィルミング〕
(評価基準)
◎:フィルミングがまったくなく、優秀
○:フィルミングがほとんどなく、良好
△:フィルミングがややみられるが、実使用許容レベル
×:感光体全領域にフィルミングがみられ、実用不可
【0068】
【表2】
Figure 0003874276
【0069】
【表3】
Figure 0003874276
【0070】
以上の結果より、実施例1〜4のトナーは、多量のワックスを用いているにもかかわらず、耐久性を損なうことなく、良好な定着性を有しており、フィルミングもなく、連続して優れた画像が得られることが分かる。これに対し、通常のフレーク品のワックスを用いた比較例1、2のトナーは、非オフセット域が狭いながらもオイルレス定着は可能であるものの、帯電量レベルが不安定であり、かつフィルミングが発生し、実施例のトナーのように優れた画像を連続して得ることができない。一方、ワックスの使用量を少なくした比較例3のトナーは、連続印刷に供するまでもなく、オイルレス定着性自体が不十分である。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、オイルレス定着を目的としてワックスを多量に用いる場合であっても、ワックスを良好に分散させることができ、耐久性を損なうことなく、優れた定着性を発揮するトナーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られたシアントナーの断面の電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は、比較例1で得られたシアントナーの断面の電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有した原料を溶融混練し、粉砕する工程を有するトナーの製造方法であって、前記離型剤として水分散ワックスを用いるトナーの製造方法。
  2. 水分散ワックスにおけるワックスが、ポリエチレンワックス、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス及びキャンデリラワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
  3. さらに、離型剤として、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス及びキャンデリラワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる、固形状のワックスを用いる請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 結着樹脂の主成分として、ポリエステルを用いる請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 原料の溶融混練を、オープンロール型混練機を用いて行う請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
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