JP3869936B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等に使用される定着装置に関する
【0002】
【従来の技術】
例えば、複写機・プリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置における加熱定着装置、すなわち、電子写真方式・静電記録方式・磁気記録方式等の適宜の画像形成プロセスにより加熱定着性の顕画剤(トナー)を用いて記録材(転写材シート・印刷紙・エレクトロファックスシート・静電記録シートなど)の表面に間接(転写)方式、又は直接方式で形成され担持された未定着トナー像(目的の画像情報に対応した未定着顕画剤像)を記録材に熱定着させるための加熱装置としては、従来一般に、熱ローラ方式の加熱装置が多用されていた。
【0003】
この熱ローラ方式の加熱装置は、ハロゲンヒータ等の内臓熱源により加熱して所定の温度を維持させた加熱ローラ(定着ローラ)と、これに圧接させた弾性を有する加圧ローラとの圧接ニップ部(定着ニップ部)に記録材を導入して挟持搬送させることで定着ローラの熱で記録材表面の未定着トナー像を熱定着させるものである。
【0004】
最近では、フィルム加熱方式の加熱装置が提案され、実用化されている(例えば、特開昭63−313182号公報・特開平1−263679号公報、特開平2−157878号公報・特開平4−44075〜44083号公報、特開平4−204980〜204984号公報等)。
【0005】
この加熱装置は、支持部材に固定支持させた加熱体に被加熱材としての記録材を、耐熱性・薄肉のフィルム材を介して密着させ、フィルム材を加熱体に摺動移動させて加熱体の熱をフィルム材を介して記録材へ与える方式・構成ものであり、未定着トナー画像を記録材表面に永久固着像として熱定着処理する装置として活用できる。また、例えば、トナー像を担持した記録材を加熱して艶などの表面性を改質する装置、仮定着処理する装置、その他、シート状の被加熱材を加熱処理する装置として広く使用することができる。
【0006】
このようなフィルム加熱方式の加熱装置は、加熱体として、昇温の速い低熱容量のもの、例えば、絶縁性・良熱伝導性のセラミック基材と、この基材の表面に設けられた通電により発熱する抵抗発熱層を基本構成体とするいわゆるセラミックヒータを用いることができ、またフィルム材として薄膜で低熱容量のものを用いることができるために短時間に加熱体の温度が上昇し、スタンバイ時に加熱体に電力供給をする必要がなく、被加熱材としての記録材をすぐに通紙しても記録材が定着ニップ部に到達するまでに加熱体を所定温度まで十分に昇温させることができ、ウェイトタイムの短縮化(クイックスタート性:オンデマンドで作動)や省電力化が可能となる、画像形成装置本体の装置内の昇温を抑えることができる等の利点を有し、効果的なものである。
【0007】
ここで、記録材表面に担持された未定着トナーは、そのすべてが適度に加熱溶融されて、記録材表面に定着されるのが、理想的であるが、溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的に定着ローラ、定着フィルムにオフセットしたトナー等が存在すると、これらのトナーは、記録材表面に接する定着ローラや定着フィルムに転移し、またこれら定着ローラや定着フィルムに転移したトナーが紙間等で加圧ローラにさらに転移し、これにより、定着ローラ、定着フィルム、加圧ローラに付着して、トナー汚れを発生させることになる。
【0008】
これら、トナー汚れを蓄積させないために、定着装置に用いられる定着ローラ、定着フィルム、加圧ローラの表層には、トナーとの離型性を考慮して、PTFE、PFA、FEPといったフッ素樹脂層や、LTV、RTVといったシリコーンゴム層からなる離型層を設けるのが一般的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来例にある定着ローラ、定着フィルム、加圧ローラの表層に用いるフッ素樹脂等の離型層は、トナー汚れに対してこれを完全になくすことはできない。このため、定着ローラ、定着フィルムといったトナー接触面側にトナー汚れが付着した場合、定着ローラ、定着フィルムは画像形成中は常にトナー溶融温度に加熱されているため、トナー汚れは溶融した状態となっており、次の記録材が定着ニップ部に到達したときに、その表面のトナー像と混ざって記録材側に移動したり、紙間で加圧ローラに移動するために、定着ローラ、定着フィルムが継続的に汚れているという状態は存在しない。
【0010】
一方、加圧ローラ側の場合は、トナー汚れは、一旦、定着ローラ、定着フィルムにオフセットした後、加圧ローラに移ることになる。加圧ローラは定着ローラ、定着フィルムと比べて温度が低いため、移動したトナー汚れは加圧ローラ上では必ずしも完全に溶融した状態では存在しない。特に、定着フィルムを用いたオンデマンド方式の定着装置においては、加圧ローラは通紙以外は加熱されないため温度が上昇しにくく最大でも100℃程度にしか昇温しない。このため、前述のようにオフセットして加圧ローラに転移したトナー汚れはほとんど加圧ローラ上では溶融しない。また、加圧ローラ側には記録材表面のトナー像は接触しないため、トナー汚れがトナー像に持って行かれることは少なく、一旦、汚れると汚れが蓄積されていくといった欠点があった。そして、加圧ローラ上のトナー汚れが蓄積されると、加圧ローラの離型性が低下するため、記録材(特に記録材がOHPフィルムの場合)が加圧ローラに巻き付いたり、蓄積されたトナー汚れが一気に記録材を汚したりするという欠点があった。
【0011】
特に、昨今、電子写真方式のプリンタは全世界で幅広く使用され、これに伴ってプリンタで使用される記録材も多種多様化してきている。
【0012】
例えば、ヨーロッパ市場では、記録材は腰があり白色度の良いものが好まれており、記録材に用いられるフィラーとしてCaCO3 が多く使われている。ところが、CaCO3 が加圧ローラに付着すると、加圧ローラの離型性は悪くなり、上述の加圧ローラ上のトナー汚れが促進されて一層悪化する。このCaCO3 の加圧ローラへの付着は低湿環境下ほどひどくなる。また、加圧ローラのトナー汚れは低温環境下ほどひどくなる。
【0013】
例えば、温度15℃、湿度10%の環境下でCaCO3 を10〜15%含んだ記録材を用いて通紙耐久テストを行なうと、1000枚〜2000枚の通紙枚数で加圧ローラは汚れはじめ、それとほぼ同じ枚数で記録材にトナー汚れが発生し画像不良となる。
【0014】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、定着回転体に対するトナー汚れの蓄積を防止し、これにより、定着回転体に対する記録材の巻き付きや定着回転体に蓄積されたトナー汚れが一気に記録材を汚すといった不具合を防止するようにした定着装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本発明は、筒状の定着フィルムと、前記定着フィルムの内周面に接触する加熱体と、前記定着フィルムの外周面に接触しており前記定着フィルムを介して前記加熱体と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、前記加圧ローラの回転を制御する回転制御手段と、前記加熱体の温度を制御する温度制御手段とを有し、未定着トナー像を担持した記録材を前記定着ニップ部で挟持搬送しつつ加熱し、前記記録材上に前記未定着トナー像を定着させる定着装置において、前記温度制御手段は、画像形成終了時の前記回転制御手段による前記加圧ローラの回転停止後に前記加熱体の温度を制御して、前記定着ニップ部をトナーの軟化点以上の温度まで加熱する温度制御を行ない、その後、前記定着ニップ部の温度を下げて前記定着ニップ部中のトナーを前記定着フィルムに固着させることを特徴とする。
【0024】
〔作用〕
本発明によると、まず、オフセット等で付着したトナーのうち定着ニップ部にあるトナーを必ず溶融させ、溶融前よりも大きなトナーの固まりにすることができる。このような状態の後、定着回転体を回転させるとトナーは接触面である回転体側に付きやすくなる。次に画像形成される記録材が定着ニップ部を通過すると定着回転体に付着したトナーは記録材に転移し記録材とともに排出される。このときのオフセットトナーは、記録材が数枚から数十枚で通紙されたレベルなので目には見えない程度の微量のトナー量であり、記録材に排出されたトナーも当然目には見えないレベルのものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0034】
〈実施の形態1〉
図1に、本発明に係る画像形成装置、すなわち本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置を示す。なお、同図は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザービームプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
【0035】
まず、同図を参照してレーザービームプリンタ(以下「画像形成装置」という)の構成を説明する。
【0036】
同図に示すレーザービームプリンタは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。感光ドラム1は、装置本体Mによって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0037】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光手段3、現像装置4、転写ローラ(転写装置)5、クリーニング装置6が配設されている。
【0038】
また、装置本体Mの下部には、紙等のシート状の記録材Pを収納した給紙カセット7が配置されており、記録材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ15、搬送ローラ8、トップセンサ9、搬送ガイド10、本発明に係る定着装置11、搬送ローラ12、排紙ローラ13、排紙トレイ14が配置されている。
【0039】
次に、上述構成の画像形成装置の動作を説明する。
【0040】
駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。
【0041】
帯電後の感光ドラム1は、その表面に対しレーザー光学系等の露光手段3によって画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0042】
静電潜像は、現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像ローラ4aを有しており、この現像ローラ4aに現像バイアスを印加して感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。
【0043】
トナー像は、転写ローラ5によって紙等の記録材Pに転写される。記録材Pは、給紙カセット7に収納されており、給紙ローラ15によって給紙され、搬送ローラ8によって搬送され、トップセンサ9を介して、感光ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部に搬送される。このとき記録材Pは、トップセンサ9によって先端が検知され、感光ドラム1上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ5には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
【0044】
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド10に沿って定着装置11に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱、加圧されて記録材P表面に定着される。なお、定着装置11については後に詳述する。
【0045】
トナー像定着後の記録材Pは、搬送ローラ12によって搬送され、排出ローラ13によって装置本体M上面の排紙トレイ14上に排出される。
【0046】
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナー(以下「転写残トナー」という。)がクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去され、次の画像形成に供される。
【0047】
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。
【0048】
次に、図2を参照して、本発明に係る定着装置11の一例について詳述する。なお、同図は、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に沿った縦断面図である。
【0049】
同図に示す定着装置11は、トナーを加熱する加熱体としてのセラミックヒータ(以下適宜、単に「ヒータ」という。)20と、このセラミックヒータ20を内包する定着フィルム(定着回転体)25と、定着フィルム25に当接された別の定着回転体としての加圧ローラ26と、セラミックヒータ20の温度を制御する温度制御手段27と、記録材Pの搬送を制御する回転制御手段28とを主要構成部材として構成されている。
【0050】
セラミックヒータ20は、アルミナ等の耐熱性の基材20a上に例えば印刷によって抵抗体パターン20bを形成し、その表面をガラス層20cで被覆したものであり、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に直角な左右方向に長く、すなわち、記録材Pの幅よりも長く形成されている。セラミックヒータ20は、装置本体Mに取り付けられたヒータホルダ22によって支持されている。ヒータホルダ22は、耐熱樹脂によって半円状に形成された部材であり、次の定着フィルム25の回転をガイドするガイド部材としても作用する。
【0051】
定着フィルム25は、ポリイミド等の耐熱樹脂を円筒状に形成したものであり、上述のセラミックヒータ20及びヒータガイド22に遊嵌されている。定着フィルム25は、後述の加圧ローラ26によってセラミックヒータ20に押し付けられており、これにより定着フィルム25の裏面がセラミックヒータ20の下面に当接されるようになっている。定着フィルム25は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pが矢印K方向に搬送されるのに伴って矢印R25方向に回転されるように構成されている。なお、定着フィルム25の左右の両端部は、ヒータホルダ22のガイド部(不図示)によって規制されており、セラミックヒータ20の長手方向にはずれないようになっている。また、定着フィルム25の内面には、セラミックヒータ20やヒータガイド22との間の摺動抵抗を低減するためにグリースを塗布してある。
【0052】
加圧ローラ26は、金属製の芯金26aの外周面に、シリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の離型層26bを設けたものであり、離型層26bの外周面により下方から定着フィルム25をセラミックヒータ20に押し付けて、定着フィルム25との間に定着ニップ部Nを構成している。この定着ニップ部Nにおける、加圧ローラ26の回転方向についての幅(ニップ幅)をaとすると、このニップ幅aは、記録材P上のトナーを好適に加熱、加圧することができる程度に設定されている。
【0053】
回転制御手段28は、加圧ローラ26を回転駆動するモータ29と、モータ29の回転を制御するCPU30とを有する。モータ29としては、例えばステッピングモータ等を使用することができ、加圧ローラ26の回転を矢印R26方向に連続的に行う外、所定の角度ずつ断続的に行うことも可能である。つまり、加圧ローラ26の回転と停止とを繰り返しながら、記録材Pをステップ送りすることもできる。
【0054】
温度制御手段27は、セラミックヒータ20の裏面に取り付けられたサーミスタ(温度検知素子)21と、サーミスタ21が検出する温度に基づいてトライアック24を制御し、セラミックヒータ20に対する通電を制御するCPU23とを有する。
【0055】
上述のように、定着装置11は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pを定着ニップ部Nにて挟持搬送しつつ、セラミックヒータ20によって記録材P上のトナーを加熱する。この際、回転制御手段28によって加圧ローラ26の回転を制御することにより、記録材Pの送りを適宜に制御することができ、また、温度制御手段27によってセラミックヒータ20の温度を適宜に制御することができるものである。
【0056】
次に、本発明の詳細について以下に説明する。
【0057】
図7に、従来の定着シーケンスを用いて、画像形成(以下「プリント」という。)を行ったときの定着フィルム表面(図3〜図7では「フィルム表面」と記載。)と加圧ローラ26の温度状態を示す。従来の定着温度制御では、後回転時にヒータ20をオフしていたため、加圧ローラ・定着フィルム共温度が下がる。このような状態のときは定着フィルム表面に付着したトナーは軟化していない状態で加圧ローラ26へと転移していた。
【0058】
本実施の形態では、プリントを終了した際に、定着ニップ部Nにおいて定着フィルム25に付着したトナーを軟化する温度以上に昇温し、各々のトナーを結合させて加圧ローラ26に転移させないための温調を行う。
【0059】
定着フィルム25等に付着したオフセットトナーを軟化させるためには、トナーの温度を120℃以上にする必要がある。
【0060】
図3に、そのときの定着温調制御と、定着フィルム表面及び加圧ローラ26の温度との関係を示す。
【0061】
図3の後回転・後温調は、プリントを終えたときの温調制御である。同図からも明らかなように、定着温調温度は従来とほぼ同じの185℃であるものの、プリント直後の後回転では従来と違い一定の温度を保つ。そして加圧ローラ温度をトナーの軟化する温度120℃にまで上昇させている。さらに停止した際、急激な加熱を行うことにより定着ニップ部N中の加圧ローラ温度とフィルム表面温度をトナーが十分に軟化する温度に制御している。こうすることで加圧ローラ26の膨張にも助長されて、定着ニップ部N中の各々のトナーを結合させることが可能になる。そしてトナーが結合したところで温調を切る。
【0062】
熱容量の大きな加圧ローラ26と熱容量が小さく冷めやすい定着フィルム25で定着ニップ部Nを構成しているため、トナーの軟化する温度120℃以上において、温度下降の緩やかな加圧ローラ26より定着フィルム表面が冷めた状態(図3中のC参照)が生じる。したがって、結合したトナーは冷めた定着フィルム25の方へ固着し始める。
【0063】
このような状態で定着装置11を回転させると、トナー各々では保持しにくい状況でも、トナーを結合させることにより定着フィルム25上に保持することが容易になる。そして、定着ニップ部Nで定着フィルム25に保持されているトナーが、加圧ローラ26に転移することを軽減させることができる。なお、定着装置11を回転させるとき、定着ニップ部Nの温度をトナーの軟化点以下まで下げることにより、さらに定着フィルム25側に固着するトナーを増加させることができる。
【0064】
さらに、定着ニップ部Nに突入してきた記録材Pは、常温であるため、定着フィルム表面と記録材Pとの間には、温度差が生じる。そして、定着ニップ部Nにおいて定着フィルム25に保持されているトナーは目には見えない程度のものであり、このトナーは、記録材P上に付着されて吐き出される。
【0065】
加圧ローラ26の外周面のうち、プリント終了後に定着ニップ部Nに停止する部分は、加圧ローラ26の停止毎に毎回異なるため、プリントを繰り返すことで加圧ローラ26の外周面の全周にわたって汚れを吐き出すことができる。これにより加圧ローラ26にトナー等の汚れが蓄積することを防止することが可能になる。
【0066】
従来の温度制御で間欠耐久(2枚/10分)を行うと、約2000枚で加圧ローラに汚れが発生していた。これに対し、今回、本実施の形態を用いて、後回転温調165℃・後温調200℃・5秒・次にプリントするときの定着ニップ部温度を100℃以下とする温度制御を行なうことにより、加圧ローラ26に付着するトナーの量を半分以下に軽減させることが可能となり、間欠耐久4000枚でもトナー汚れの発生は見られなかった。
【0067】
本実施の形態により、加圧ローラ26の表面コートの粗さ等のバラツキがあった場合でも、加圧ローラ26のトナー付着を有効に防止することができるため、加圧ローラ26の表面コートを必要以上に高精度にする必要がなくなり、このため、加圧ローラ26の歩留まり向上、ひいてはコストダウンを図ることが可能となった。
【0068】
〈実施の形態2〉
上述の実施の形態1では、後回転の温調により、トナーを定着フィルム25に保持させることで加圧ローラ26のトナーや紙粉等による汚れを防止することができた。これによって加圧ローラ26の汚れは、かなり軽減されたが、いまだ耐久寿命に対して十分なマージンがない。この加圧ローラ26の汚れをさらに軽減させるために、本実施の形態では、プリント前に定着フィルム表面と加圧ローラ26とを温調制御することで、加圧ローラ26へ転移するトナーを無くすことを可能にした。
【0069】
図4に、本実施の形態の温調制御を示す。なお、画像形成装置全体の構成、及び定着装置11の構成については、上述の実施の形態1と同様なので、これらについての重複説明は省略するものとする。
【0070】
従来は、図7に示すようにモータの回転を始めると同時に加熱を開始している。これに対し、本実施の形態ではプリント信号が送られてきたときに定着フィルム表面と加圧ローラ26の温度差がない状態で加圧ローラ26表面のうちの定着ニップ部Nに位置する部分を移動させる制御、すなわち加熱を始める前に回転を始める制御を入れている。図4に、そのとき定着フィルム表面と加圧ローラ26の温度を示す。図7を見てわかるように、従来は前回転中に定着フィルム表面の温度が急激に上昇し、加圧ローラ26の温度が穏やかに上昇するため、定着ニップ部N中にあるトナーは、温度の低い加圧ローラ26側に転移する。本実施の形態では、加熱を始める前に加圧ローラ26を回転させることにより、加圧ローラ26のうちの定着ニップ部Nに位置する部分を移動させ、定着ニップ部Nで定着フィルム25に保持されているトナーが加圧ローラ26に転移することを軽減させることができる。なお、このときの定着ニップ部Nの温度はトナーの軟化点以下であれば、より有効である。また、温度差のない状態で定着ニップ部Nのニップ幅aに相当する量の回転を行うことは、トナーが加圧ローラ26に転移することを軽減するのに、より有効である。
【0071】
さらに、定着ニップ部Nに突入してきた記録材Pは、常温であるため、定着フィルム表面と記録材Pとの間には、温度差が生じる。そして、定着ニップ部Nにおいて定着フィルム25に保持されているトナーは目には見えない程度のものであり、このトナーは、記録材P上に付着されて吐き出される。
【0072】
従来、間欠耐久(2枚/10分)約2000枚で加圧ローラ26に汚れが発生していたが、本実施の形態を用いることにより、約6000枚の耐久寿命が確保できた。これにより加圧ローラ26にトナーが蓄積することを防止することが可能になり、加圧ローラ26をはじめとする定着装置11のグレードを下げてコストダウンを図ることができ、さらに、定着装置11の耐久寿命を延ばすことが可能になる。
【0073】
〈実施の形態3〉
前述の実施の形態1、及び上述の実施の形態2では、前回転と後回転、それぞれにおいて定着フィルム表面から加圧ローラ26へ転移するトナーを減らすことによって、加圧ローラ26に付着するトナーや紙粉等の汚れを抑え、定着装置11の耐久寿命を引き延ばすことができた。また、これによって加圧ローラ26の汚れは、かなり軽減された。
【0074】
しかし、加圧ローラ26の表面コートや加工寸法のバラツキによって、定着装置11から記録材Pに転移したトナーが目に見える画像不良として現れる可能性がある。
【0075】
そこで、本実施の形態では、前回転と後回転の制御をコントロールし、転移トナー量を適正化することによって、定着装置11のトナー汚れを減らしつつ画像不良を発生させないための、状況に応じた前回転・後回転、それぞれの制御を行うようにした。
【0076】
図5に、このような定着温調制御を示す。またこの制御を行ったときの定着フィルム表面及び加圧ローラ26の温度を図中に示す。本実施の形態では、実施の形態2で用いた前回転制御を採用し、それに適した後回転制御を用いる。
【0077】
実施の形態2では、従来の温調温度制御を行ったときよりも、定着フィルム表面から加圧ローラ26に転移するトナーを減少させることができた。しかし前回転でより多くのトナーを定着フィルム25に保持するために、本実施の形態では、1回前のプリント終了時に実施の形態1のような定着ニップ部Nを加熱する制御を行なう。そして結合したトナーは最大限、かつ目に見えない形でプリント中に記録材P上に吐き出される。後回転・後温調の温度制御を変えることにより、定着フィルム表面でのトナーの結合量・記録材Pへの転移量を適正化することが可能になる。
【0078】
本実施の形態により、後回転温度165℃、後温調200℃・5秒、さらに前回転で定着ニップ部Nを移動させることにより、従来2000枚で汚れが発生していたものが、20000枚以上の耐久でも汚れの発生が見られず、さらに出力画像には目に見える汚れは現れなかった。
【0079】
これらの制御によって定着装置11の寿命を延ばし、さらに画像不良の発生が無くなる等、従来にもまして有利な点が数多く現れてくる。
【0080】
参考例>
前述及び上述の実施の形態1、2、3では、加圧ローラ26表面における、プリント毎に定着ニップ部Nに停止する部分をクリーニングすることで、加圧ローラ26等に付着するトナー等の汚れの蓄積を防止してきた。本参考例では、図6に示すように待機中、常にクリーニングシーケンスを行うことで、より耐久寿命を延ばすことが可能になる。
【0081】
図6に示すように、プリントが終了した後、サーミスタ(温度検知素子)21が、十分に定着ニップ部Nが冷えたと判断する。そして上記のように定着ニップ部Nの移動を繰り返すことでクリーニング効果をあげている。
【0082】
参考例で待機中に、前回転12mm後、200℃・5秒温調、そして20℃に冷えるのを待つことを繰り返すことで、従来2000枚で汚れが発生していたものが、50000枚以上の耐久で汚れの発生が見られなかった。
【0083】
参考例により、加圧ローラ26の汚れの蓄積を有効に防止することができるので、定着装置11のグレードを下げることができ、コストダウンを図ることができる。さらに、定着装置11の耐久寿命を延ばすことが可能になる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、定着回転体に対するトナー汚れの蓄積を有効に防止することができ、これにより、定着回転体に対する記録材の巻き付きや定着回転体に蓄積されたトナー汚れが一気に記録材を汚すといった不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。
【図2】本発明に係る定着装置の概略構成を示す縦断面図。
【図3】実施の形態1の制御と、定着フィルム及び加圧ローラの温度との関係を示す図。
【図4】実施の形態2の制御と、定着フィルム及び加圧ローラの温度との関係を示す図。
【図5】実施の形態3の制御と、定着フィルム及び加圧ローラの温度との関係を示す図。
【図6】 参考例の制御と、定着フィルム及び加圧ローラの温度との関係を示す図。
【図7】従来の制御と、定着フィルム及び加圧ローラの温度との関係を示す図。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム)
11 定着装置
20 加熱体(ヒータ)
21 温度検知素子(サーミスタ)
22 ヒータホルダ
23 CPU
24 トライアック
25 定着回転体(定着フィルム)
26 定着回転体(加圧ローラ)
27 温度制御手段
28 回転制御手段
29 モータ
30 CPU
N 定着ニップ部
P 記録材

Claims (3)

  1. 筒状の定着フィルムと、
    前記定着フィルムの内周面に接触する加熱体と、
    前記定着フィルムの外周面に接触しており前記定着フィルムを介して前記加熱体と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、
    前記加圧ローラの回転を制御する回転制御手段と、
    前記加熱体の温度を制御する温度制御手段と、を有し、
    未定着トナー像を担持した記録材を前記定着ニップ部で挟持搬送しつつ加熱し、前記記録材上に前記未定着トナー像を定着させる定着装置において、
    前記温度制御手段は、画像形成終了時の前記回転制御手段による前記加圧ローラの回転停止後に前記加熱体の温度を制御して、前記定着ニップ部をトナーの軟化点以上の温度まで加熱する温度制御を行ない、その後、前記定着ニップ部の温度を下げて前記定着ニップ部中のトナーを前記定着フィルムに固着させることを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転制御手段は、画像形成開始時における前記加圧ローラの回転開始時に、前記定着ニップ部の温度が前記トナーの軟化点以上の場合、前記定着ニップ部の温度が前記トナーの軟化点以下に下がってから前記加圧ローラの回転を開始することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記回転制御手段は、画像形成開始時における前記加圧ローラの回転開始時に、前記加熱体への通電を開始する前に、前記加圧ローラの回転を開始することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
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