JP3852227B2 - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機や発電機の鉄芯に利用される無方向性電磁鋼板に係り、なかでも回転機の実機特性に優れた無方向性電磁鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無方向性電磁鋼板は発電機、電動機、小型変圧器などの鉄芯に用いられる材料であるが、省エネルギー化を低減するためには、電動機や発電機で失われるエネルギー損失を低減する必要があり、鉄損などの電磁特性の改善が図られている。従来、無方向性電磁鋼板の鉄損は、一般に、50Hzの周波数で1.5Tに磁化させたときの鉄損(W15/50(W/kg))の低いこと、および、5000A/mの磁化力で磁化したときの磁束密度(B50(T))の高いことで評価される。その測定方法は、試料の半量を圧延方向に磁化させ、残る半量を圧延方向と直角方向に磁化させた状態で測定する標準的なエプスタイン試験法によっている。
【0003】
無方向性電磁鋼板の鉄損を低減する方法としては、▲1▼Si、AlあるいはMnを含有させ、鋼板の電気抵抗を高める方法、▲2▼鋼板中のS、O、N等の不純物を低減し、結晶の粒成長性を高め、製品の結晶粒径を大きくする方法、▲3▼製品の結晶の集合組織を好ましいものに改善する方法などがが挙げられる。しかし、第1の方法は鋼板の圧延性や、製品加工の際の加工性が劣化するため、現状から大きくステップアップすることは困難であり、第2の不純物も現在、Sが20ppm以下、Oが10ppm以下、Nが15ppm以下のレベルに達しており、これ以上低下させてもコストアップに比較して磁気特性の改善効果が大きくない状態にある。
【0004】
第3の方法は、磁気特性上好ましくない結晶方位である(111)方位の集合組織を低減する方法であり、代表的なものとして、冷間圧延前の結晶粒径を粗大化し、旧結晶粒界から生成する(111)粒の再結晶を抑制し、旧結晶粒内の変形帯から生成する(110)粒の密度を高める方法があげられる。この方法を発展させたものとして、特開昭55-97426号公報あるいは特許第2501219号公報に開示されているように高温で短時間の熱延板焼鈍を行って、冷間圧延前の鋼板の結晶粒径を粗大化する方法や熱延板を800〜950℃で長時間焼鈍する方法がある。また、特公昭56-54370号公報や特公昭58-30926号公報に開示されるように、鋼中にSbやSnを含有させた熱延板を700〜1000℃で焼鈍し、圧延前の結晶粒径を粗大化すると同時に結晶粒界にSbやSnを偏析させ、前述の効果をさらに促進する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法はいずれも製品の{111}<uvw>系の集合組織を低減し、(110)[001]方位を有する粒を増加させるものである。そのため、無方向性電磁鋼板の電磁特性の評価のため、試料の半量を圧延方向に磁化させ、残る半量を圧延方向と直角方向に磁化させる従来常法として採用されていた測定試験(以下、単に「標準測定法」という)では、良好な結果が得られても、発電機、電動機などの回転機の実機特性は必ずしも良好ではなかった。これは、従来の標準測定法は、E1コアのような2方向のみの特性が重視される用途には適するが、回転機のようなすべての方向に対する特性が良好であることを要求される用途には適切でなかったためである。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、無方向性電磁鋼板を、特に、発電機や電動機等の回転機の鉄芯に利用した場合に優れた実機特性が得られるようにするため、まず、上記用途に用いる無方向性電磁鋼板の評価基準を確立し、さらにその評価基準を満たす製品およびその製造方法を提案することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題の解決のため鋭意研究を重ね、回転機の実機特性にとっては、圧延方向、圧延方向に直角方向の特性値を測定する従来の標準測定法のほかに、圧延方向に対して±45°の方向の測定値を加味した異方性の特性値が重要であること、および、飽和磁束密度Bsに対する磁束密度B50の比が重要であることを知見して、評価基準を確立し、その評価基準を達成するためには、熱延板焼鈍を、従来と異なり、再結晶を抑え回復を促進させるものとすることが必要なことを新たに見出し、本発明を完成したものである。
【0008】
本発明は、まず、1.0T、50Hzにおける透磁率の異方性定数が1.07以下、1.5T、50Hzにおける鉄損の異方性定数が1.05以下、かつ、4方向測定法によるB50の値がB50/Bs≧0.80を満たすものとすることにより無方向性電磁鋼板の回転機の実機特性を優れたものとする。ここに、4方向測定法とは、圧延方向、圧延方向に対して直角方向、および圧延方向に対して±45°の方向から切り出した等量の試験片合計500gに対して行うエプスタイン試験などをいう。
【0009】
本発明は、上記無方向性電磁鋼板の好ましい組成として、重量比で、C:0.010%以下、Si:0.1〜7.0%、Mn:0.03〜3.5%、Sb、Snの1種または2種の合計量:0.003〜0.20%を含有するとともに、不純物元素をS:0.0050%以下、N:0.0040%以下、O:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下、V:0.0050%以下、B:0.0010%以下、Nb:0.0050%以下に制限してなり、残部実質的にFeからなるものとする。
【0010】
さらに、上記組成に加え、Al:0.10〜2.0%、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜1.0%のいずれか1種を以上を含有することとし、あるいはAl:0.001%以下とするとともに、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜1.0%のいずれか1種以上を含有することとする。
【0011】
また、上記無方向性電磁鋼板の製造方法として、重量比で、C:0.010%以下、Si:0.1〜7.0%、Mn:0.03〜3.5%を含有する鋼スラブを、熱間圧延により熱延板とし、熱延板焼鈍後、1回の冷間圧延により最終板厚とし、さらに仕上げ焼鈍を施す一連の工程からなる無方向性電磁鋼板の製造工程において、前記鋼スラブの組成は、Sb、Snを合計量で0.003〜0.20%を含有するとともに、その不純物元素を、S:0.0050%以下、N:0.0040%以下、O:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下、V:0.0050%以下、B:0.0010%以下、Nb:0.0050%以下とし、前記熱間圧延は、その仕上げ圧延の後段4パスの累積圧下率を65〜95%、かつ、前記熱間圧延後のコイル巻取り温度を700℃以下とし、前記熱延板焼鈍は圧延ひずみを回復しながら再結晶率を40%以下とするものとし、さらに、前記冷間圧延は、圧下率を75〜98%とするものである。
【0012】
さらに、上記製造方法においてスラブにはさらにAl:0.10〜2.0%、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜1.0%の1種以上を含有させること、あるいはAl:0.001%以下とするとともに、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜1.0%の1種以上を含有させることを好適とする。
【0013】
また、上記熱延板焼鈍は、600〜700℃における10分以上の保熱・自己焼鈍、500〜700℃における10分以上の連続または箱焼鈍あるいは650〜850℃における3秒以上の連続焼鈍のいずれかとするものである。
【0014】
さらに加えて、本発明は、冷間圧延を100〜450℃の温間圧延とし、上記各発明の効果を一層顕著にするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その発明に至る実験結果を含め、詳細に説明する。
表1に示すA、BおよびCの各組成を有する溶鋼を連続鋳造で鋳込み、それぞれ7本の厚さ230mmのスラブとなした。各スラブは1170℃の温度で3時間加熱し、粗圧延によりシートバーとした後、仕上げ圧延し2.2mmの厚さの熱延板とした。熱間圧延終了温度はいずれも820〜840℃の間であり、熱延終了後、直ちにジェット水を噴射して急冷し500℃で巻き取った。得られた熱延板は、焼鈍を施した後、冷間圧延して0.5mmの最終板厚とし、さらに、露点−20℃、75%H2+25%N2の混合雰囲気中において1000℃、1分の焼鈍を施し、有機・無機混合コートを塗布して製品とした。その際の熱間圧延スケジュール、および焼鈍条件は、表2に示す処理記号1〜7のとおりとした。
【0016】
【表1】
Figure 0003852227
【0017】
【表2】
Figure 0003852227
【0018】
上記実験工程の過程および得られた製品について、以下のように組織と特性値の測定を行った。
▲1▼ 熱延板焼鈍の前後における鋼板断面の再結晶率(全視野面積に対する再結晶粒の占める面積の百分率)
▲2▼ 製品に対する標準測定法によるエプスタイン試験ならびに4方向測定法による各種試験
▲3▼ モータ効率の測定(固定子外径130mm、回転子径50mm、胴長70mmの3相6極120Hz、120v、400wの誘導モータによる)
測定結果はまとめて表3に示す。
【0019】
【表3】
Figure 0003852227
【0020】
表3に示すようにA-4(鋼Aに対し処理4を行った場合、以下同様)、A-5、B-4、B-5、B-6およびC-4、C-5、C-6は、標準測定法において磁束密度も鉄損も優れているが、モータ効率はA-2の場合のみが優れている。すなわち、モータ効率には製品の磁気特性が必ずしも反映されていない。この理由を調査した結果、A-2の製品は2方向測定試験による磁気特性の測定は劣るが、4方向測定試験の磁気特性は、鉄損W15/50が2.325W/kg(これに対しA-6は2.483W/kg)と極めて良好な値を示しているためであることが分かった。また、A-2の場合、4方向測定法における1.5T、50Hzの透磁率の値が12310 G/θと高かったのに対し、A-6の場合は11590 G/θしかなく、これがモータ効率を下げる原因となっている。
【0021】
このような標準測定法と4方向測定法との間の測定値の乖離は、主として鋼板の結晶組織のうち、集合組織によってもたらされる。すなわち、標準測定法による測定では圧延方向および圧延直角方向の2方向のみに優れた集合組織を有する材料が特に有利に評価されるのに対し、4方向測定法では鋼板面内における異方性の少ない集合組織がより有利に評価され、回転機の特性評価として適切なものになる。ちなみに、A-2の製品の結晶組織の主要集合組織は{100}<uvw>であった。
【0022】
このように、標準測定法による結果と4方向測定法による結果の乖離は、材料の異方性を表す指標となるので、本発明においては両者の比により異方性定数を定義する。すなわち、鉄損の異方性定数として、4方向測定法によるW15/50の値を標準測定法によるW15/50の測定値で割った値を採用し、また、透磁率異方性定数として、標準測定法による1.0T、50Hzの透磁率の値を4方向測定法による1.0T、50Hzの透磁率の値で割った値を採用する。異方性定数は1に近いほど異方性が弱く、モータ特性にとって有利である。
【0023】
この場合、モータなどの回転機用材料に対する4方向測定法の測定条件としては、上記のように、鉄損については、1.5T、50Hzの条件が、透磁率については1.0T、50Hzの条件が一般的に受け入れられるものとなるが、、設計磁場や、高周波設計されたモータに対しては、当然、より低磁束度側または高磁束密度側あるいはより高周波側の測定条件を採用することができる。
【0024】
さらに、本発明者は、表3の結果からB50/Bsの値とモータ効率はよい相関があり、優れたモータ効率を得るためにはB50/Bsが0.8以上であることが必要であるとの知見を得た。ここにBsとは、電磁鋼板の飽和磁束密度であり、B50 は5000A/mの最大磁場で、50Hzにおける最大磁束密度をいう。単にBs値が高くても、異方性が大きいときにはモーターなど回転にの実機特性の改善は顕著とならない。なお、B50/Bsの値が1を超えることはあり得ないので、B50/Bsが1に近い材料が回転機用には適した材料となる。
【0025】
すなわち、モータのティース部はモータ内で特に容積が小さくなっている部分であり、磁束が集中するので、その部分の磁束密度が高くなければ、モータの実機特性が向上しない。しかも、モータのティース部は電磁鋼板の圧延方向に対して360°の全方向に分布しており、圧延方向と圧延直角方向のみを評価する標準測定法ではこのような条件に対応できない。4方向測定法によるB50の値を用いて算出したB50/Bsの値はティース部の材料特性評価としてより適切であり、従来の基準に替わるものである。
【0026】
上記のように、本発明は回転機の実機特性の面から無方向性電磁鋼板の特性を再検討し、新しい評価基準を確立し、従来にない特性を有する回転機用無方向性電磁鋼板を提案するものである。しかしながら、本発明は、従来からの評価基準である鉄損値W15/50および磁束密度B50の価値を否定するものではなく、これらの値が優れていれば一層効果のあることは当然である。
【0027】
以下、上記本発明の特性を有する無方向性電磁鋼板を製造する手段について説明する。
【0028】
まず、出発材料であるスラブの組成として、Sn及び/又はSbを含有することが必要である。表3に示したA-2とB-2を対比すると、これらは同一の熱延、熱処理工程および冷延工程を受けているにもかかわらず、A-2の結晶組織は主として{100}<uvw>の集合組織からなり、優れた回転機実機特性を示しているのに対し、B-2の4方向測定法の結果は、鉄損値、磁束密度、透磁率ともに劣り、かつ、組織的にも{111}<uvw>が主方位であり、異方性は小さいものの、磁気特性上好ましくないものとなっていた。
【0029】
A-2とB-2の相違点は、鋼中にSnやSbなどの粒界偏析元素を含有しているか否の点にある。さらに詳細にSnおよびSbに影響を調査したところ、これら元素を合計量で0.003%〜0.20%含有する場合には、これら元素が冷間圧延前の結晶粒界に偏析し、冷延後の焼鈍段階で{111}<uvw>方位粒の再結晶を抑制し、結晶主方位として{100}<uvw>を有する粒の再結晶・粒成長を促進されることが判明した。したがって、SnあるいはSbを単独あるいは複合して合計量で0.003%以上を含有させる。しかしながら、0.20%を超えると、加工性が劣化し実用的でないので、0.20%以下に留める。
【0030】
次に、結晶粒を十分成長させ、{100}<uvw>集合組織を発達させる手段を講ずることが必要である。この条件の一つには、前述のSnあるいはSbの適量添加である。ちなみに、前記A-2は結晶粒径が120μmと粗大であるのに対し、B-2は90μmであった。
【0031】
しかし、それだけでは十分ではない。不純物元素の含有量を十分低下させることが必要である。このことは、鋼Cを用いて鋼Aと同一の処理2(表2参照)を行った場合、鋼Cが鋼Aと同様Sbを含有し、表3に示すように4方向測定法による透磁率において良好な値を示しているにも拘わらず、C-2の場合は結晶粒径が55μmと小さく、そのため、鉄損値が増加し、モータ効率を劣化させていることから明らかである。なお、C-2の場合、集合組織が{100}<uvw>となっているとはいえ、その強度が弱く、そのため4方向測定法によるB50/Bsも劣っていた。
【0032】
不純物としては、S:0.0050%以下、N:0.0040%以下、O:0.0030%以下とするほか、Ti:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下、V:0.0050%以下、B:0.0010%以下、Nb:0.0050%以下に制限する必要がある。この不純物を低下させることによって、従来再結晶・粒成長の駆動力が極めて弱く、かつ、結晶粒径が小さく細粒化しやすいとされてきた{100}<uvw>集合組織を十分に発達させることができる。
【0033】
本発明に係る回転機の実機特性の優れた無方向性電磁鋼板を得るためには、熱間仕上げ圧延で十分な歪を熱延板に導入することが必要である。ちなみに、鋼Aについて、熱延スケジュールのみを変更した場合において、処理1を行った場合(A-1)に比べ、処理2を行った場合(A-2)の方が回転機用として良好な磁気特性となっている。本発明においては、熱間仕上げ圧延の際の歪の導入の程度を仕上げ圧延の後段4パスの累積圧下率で評価し、その値を65%以上とする。これにより、熱延コイル中に高密度の加工歪を含有させることができる。しかし、95%を超えると仕上げ圧延自体が困難となるので95%以下とする。なお、仕上げ圧延の後段における圧下率を高めるため、必要とあらば、粗圧延を省略するなどの手段をとることも可能である。
【0034】
また、上記により歪みの導入された熱延板を焼鈍するに際し、熱延板から歪を除去しながら、再結晶を抑制する条件を採用することが必要である。これにより、熱延板の焼鈍過程、特に、回復過程で、内部のサブグレインの組織を良好なものとする。すなわち、旧結晶粒界およびから旧結晶粒内の変形帯から{111}<uvw>を有する結晶粒の再結晶を抑制することが可能になり、旧結晶粒内から{100}<uvw>の方位を有する粒の再結晶が促進される。
【0035】
具体的には、まず、仕上げ圧延終了後の熱延コイル巻取り温度を700℃以下とする。コイル巻取り温度を700℃を超える温度とした場合には、鋼板の一部が再結晶を開始し、これにより{111}<uvw>方位の集合組織が増加し、回転機の実機の効率を低下するからである。そのため、熱延終了後、仕上げ圧延機出側においてジェット水を噴射するなどの手段を取り、巻取り温度が700℃以下となるようにするのがよい。
【0036】
次に、上記熱延板に対し、圧延ひずみを回復しながら再結晶率を40%以下とする熱処理を施す。再結晶率が40%を超える場合、再結晶粒の粒界から{111}<uvw>方位の再結晶粒が増加し、製品の集合組織ならびに磁気特性が劣化するからである。ちなみに、A-2とA-4、A-5あるいはA-6とを比較すればわかるように、A-4、A-5、A-6の場合は、冷間圧延前の鋼板の再結晶率が高く、そのため、冷間圧延、仕上げ焼鈍後に再結晶粒の結晶粒界から{111}<uvw>を主方位とする再結晶が進行し、磁気特性の劣化が生じている。このことは、別の実験結果からも確認されており、したがって、熱処理の温度と時間を選択して再結晶率を40%以下としなけらばならない。なお、再結晶率とは、対象とする鋼板の熱処理後における再結晶粒の割合をいい、全視野面積に対する再結晶粒の占める面積の百分率によって定義する。
【0037】
具体的な熱処理条件としては、次の態様によって行うことができる。
▲1▼ 600〜700℃における10分以上の保熱・自己焼鈍
この場合には、コイル巻き取り温度を600〜700℃とし、巻き取り後、適当な保温装置内において保温して、自己焼鈍させる。
▲2▼ 500〜700℃における10分以上の連続あるいは箱焼鈍
この場合は、低温巻き取りしたコイルあるいは、巻き取り後冷却したコイルを、コイル状態で箱焼鈍するか、あるいは巻き戻して連続焼鈍する。
▲3▼ 650〜850℃における3秒以上の連続焼鈍
この場合は、低温巻き取りしたコイルあるいは、巻き取り後冷却したコイルを巻き戻して連続焼鈍する。
【0038】
しかしながら、700℃以上の温度で10分以上もしくは850℃以上の温度で3秒以上の熱処理を施す場合は再結晶が急激に進行し、好ましくない方位の再結晶の粒が出現する頻度が高くなるので適切ではない。したがって、上記手段を採用しながら熱処理の温度と時間の上限を規制して、再結晶率を40%以下とすることが肝要である。
【0039】
熱延鋼板は、上記の所要の熱処理を経た後、冷間圧延によって最終板厚とされる。このとき、冷間圧延の圧下率を75〜98%とする。冷間圧延を75%以上とすることにより、より好ましい集合組織の抑制が可能となるからである。しかし、98%以上とすることは、工業的に無理が多いので75〜98%とする。
【0040】
以上により、本発明の基本的な構成について説明したが、以下、本発明の本質ではないが、本発明を実施するため一般的条件について説明する。
【0041】
まず、電磁鋼板は、Sn、Sb以外に下記の成分を含有する。
C:0.010%以下
Cは良好な磁気特性を得るためには有害な元素であり、含有量を0.010%(重量%、以下同じ)とする。
【0042】
Si:0.1〜7.0%
Siは電気抵抗を高め、鉄損を低減するのに有効な元素であり、0.1重量%以上を含有させる。但し、7.0重量%を超えると加工が困難となるので、0.1〜7.0%とする。
【0043】
Mn:0.03〜3.5%
Mnも電気抵抗を高め鉄損を低減する作用を有するので、0.03%以上を含有させる。しかし、3.5%を超えた場合、高温の仕上げ焼鈍の際に変態が起こり鉄損が劣化するので、0.03〜3.5%とする。
【0044】
Al:0.10%以上あるいは0.001%以下
Alは電気抵抗を高め、鉄損を低減する作用があるので有効である。その作用を得るためには、0.10%以上を含有させることが好ましい。但し、2.0重量%を超えてる場合、鋼板の酸化・窒化が進行し鉄損の劣化を招くので含有量を0.10〜2.0重量%の範囲とするのが好ましい。一方、Alの含有量が0.10%未満の場合にはAlNを形成し、粒成長性を阻害して鉄損が劣化するので、Alを無添加とする場合には0.001%以下に制限する必要がある。
【0045】
以上の元素の他に、P、Cu、Ni、Crを含有させることも、電気抵抗を高め鉄損を低減する作用があるので有効である。そのため、Pを0.01〜0.30%、Cuを0.01〜1.0%、Niを0.01〜0.5%、Crを0.01〜1.0%を含有させることができる。
なお、Sn、Sbの含有及び不純物元素の制限についてはすでに説明したとおりである。
【0046】
上記の組成を有する鋼は、常法により連続鋳造によりスラブとされ、スラブ加熱ののち、熱間圧延により熱延コイルとされ、さらに冷間圧延される。その際、省エネルギーのため、スラブ加熱を行わず連続鋳造後、直接熱間圧延を行う手段、あるいは、スラブの温度保持を行う手段を採用することも可能である。また、冷延に際し、素材のSiなど電気抵抗増加成分の含有量が高い場合には100〜400℃の温間圧延を行うことも可能である。なお、本発明の特徴である熱間圧延、および冷間圧延の条件については、すでに詳細に説明した。
【0047】
冷間圧延により最終板厚となった鋼板は、高温での仕上げ焼鈍を施されて結晶粒の粒成長を行い製品とする。この場合、いわゆるセミプロセスを採用することを妨げず、さらに、鋼板の表面に必要に応じて、無機、有機あるいは半有機の絶縁コーティングを施すことも可能である。また、溶接性の改善などの目的で鋼板表面の粗度を増すことも可能である。
【0048】
【実施例1】
表4に示す鋼記号Dの組成を有する溶鋼を連続鋳造し、厚さ220mmのスラブを18本作製し、1220℃の温度で3時間保持した後、厚さ40mmに粗圧延した。さらに、7パスのタンデム仕上げ圧延機によって、40mm→30mm→18mm→10mm→6.4mm→4.8mm→3.2mm→2.2mmのパススケジュール(後段4パス累積圧下率72%)によって厚さ2.2mmのコイルに熱間圧延した。熱間圧延終了温度は810〜830℃であり、熱間圧延終了後、ジェット水噴流をかけて速度40〜55℃/sで急冷し、温度580〜600℃で巻取った。
【0049】
【表4】
Figure 0003852227
【0050】
これらのコイルには酸洗後、520〜700℃の温度で、30分〜10時間の熱延板焼鈍を施した後、タンデム圧延機によって厚さ0.35mmに圧延し(冷間圧下率:92.5%)、脱脂処理を行い1050℃において40秒保持する仕上げ焼鈍を施し、重クロム酸マグネシウムと有機樹脂を主剤とする半有機コートを塗布・焼付け製品とした。
【0051】
各製品から試験片を切り出し、標準測定法によるエプスタイン磁気測定と、4方向測定法による磁気測定を行い、W15/50の鉄損、B50の磁束密度、1.0T、50Hzでの透磁率を得た。また、鉄損の異方性定数、透磁率の異方性定数、およびB50/Bsの値を求めた。さらに、これら製品から固定子の外径220mm、回転子径120mm、胴長60mmの8極200Hz、60VのDCブラシレスモータを作製し、この効率測定を行った。なお、熱延板焼鈍後、鋼板の再結晶率を測定した。
【0052】
上記測定結果は、モータ効率と熱延板焼鈍後の結晶組織の再結晶率との関係としてを図1に示す。また、上記製品の鉄損W15/50の異方性定数、1.5T、50Hzでの透磁率の異方性定数、およびB50/Bsの値とモータ効率との関係を図2に示す。
【0053】
図1に示すように、500℃以上の温度での熱延板焼鈍において再結晶率を40%以下とした本発明の方法によって、優れたモータ効率が得られており、また、優れたモータ効率を得るためには、鉄損W15/50の異方性定数が1.05以下、かつ1.0T、50Hzでの透磁率の異方性定数が1.07以下、かつB50/Bsの値が0.80以上であることが必要であることが実証されている。
【0054】
【実施例2】
表5に示す鋼記号E、FおよびGの組成を有する溶鋼を連続鋳造し、各7本の厚さ220mmのスラブとし、1000℃以上の温度に維持して直接熱間圧延を行い厚さ2.0mmのコイルに熱間圧延した。熱間圧延の終了温度はいずれも780〜810℃の間であり、終了後直ちにジェット水を噴射し40℃/sの速度で急冷し、500℃で巻取った。得られたコイルには酸洗後、所要の熱処理を施した。同一鋼記号から得られた各7本のスラブの圧延スケジュールおよび焼鈍条件はそれぞれ表6に示すとおりである。
【0055】
【表5】
Figure 0003852227
【0056】
【表6】
Figure 0003852227
【0057】
上記により、得られた熱延板に対し、冷間圧延を施して0.35mmの最終板厚に圧延した。冷間圧下率は、82.5%であった。得られた冷延鋼板に露点−20℃、75%H2+25%N2雰囲気中で1000℃、1分の焼鈍を施し、リン酸アルミニウムを主剤とする無機コートを塗布して製品とした。
【0058】
得られた製品から、30 x 280mmの試料を採取して磁気測定を行った。この試験片により、標準測定法と、4方向測定法による磁気測定を行い、鉄損値(W15/50)、磁束密度(B50)、1.0T、50Hzでの透磁率(G/θ)を求めた。また、鉄損の異方性定数、透磁率の異方性定数、およびB50/Bsの値を求めた。さらに、これら製品から固定子の外径150mm、回転子径60mm、胴長80mmの単相4極300HzのDCブラシレスモータを作製し、この効率測定を行った。なお、熱延板焼鈍後、鋼板の再結晶率を測定した。試験結果は表7にまとめて示す。
【0059】
【表7】
Figure 0003852227
【0060】
表7から明らかなように、鋼Eのうち処理1を受けたもの(E-1と略記する。以下、同様)、E-6、F-4、F-6、G-4、G-6の各製品においては、標準測定法では磁束密度と鉄損値が優れているが、モータ効率は、記号E-2、E-5の製品が優れている。さらに、標準測定法と4方向測定法から求めた材料の磁気特性評価は、E-2およびE-5において、鉄損の異方性定数がそれぞれ1.003、1.014、透磁率の異方性定数がそれぞれ1.032、1.038、またB50/Bsの値が085、0.84と極めて優れた値を示した。
【0061】
【実施例3】
表8に示す鋼記号H〜OおよびQ、Rの組成を有するスラブを電磁攪拌を印加しつつ鋳込み、厚さ250mmのスラブとした。得られたスラブを1200℃に加熱した後、粗圧延し、厚さ35mmのシートバーとし、さらに6パスのタンデム圧延機によって熱間仕上げ圧延し、2.4mmの熱延コイルとした。このときのパススケジュールは35mm→27mm→18mm→10.2mm→6.8mm→4.0mm→2.4mmのパススケジュール(後段4パス累積圧下率:86.6%)とし、熱間圧延終了温度は、鋼記号Hのコイルは850℃、鋼記号I〜Kのコイルは830℃、鋼記号LとMのコイルは790℃、鋼記号N、O、QおよびRのコイルは760℃とした。また、熱間圧延終了後直ちにジェット水を噴射して50〜65℃/sの速度で急冷し、550℃の温度で巻取った。
【0062】
【表8】
Figure 0003852227
【0063】
得られたコイルは2分割し、一方は本発明による焼鈍を施し、他方には、比較例として、本発明に係る条件から外れた焼鈍を施した。本発明による焼鈍は、鋼Hは550℃で6時間、鋼I〜Kは550℃で6時間、鋼LおよびMは550℃で1時間、鋼N、O、QおよびRは530℃で3時間のコイル状態での箱焼鈍であった。一方、比較例の焼鈍は、酸洗後の連続焼鈍であって、鋼Hは950℃で2分、鋼I〜Kは920℃で2分、鋼L〜OおよびQならびにRは860℃で5分間の条件であった。
【0064】
焼鈍されたコイルはタンデム圧延機によって0.50mmの厚みに冷間圧延し(冷間圧下率:79.5%)、さらに脱脂処理を行い鋼I〜Kの鋼板は1050℃で1分、鋼LとMの鋼板は1000℃で1分、鋼NとOの鋼板は830℃で1分、鋼Qの鋼板は800℃で2分、鋼Rの鋼板は780℃で2分の仕上げ焼鈍を施し、有機、無機混合コートを塗布して製品とした。
【0065】
得られた製品から、30 x 280mmの試料を採取して磁気測定を行った。測定は標準測定法のエプスタイン試験ならびに、4方向測定試験によった。さらに、これら製品から固定子の外径100mm、回転子径40mm、モータ胴長30mmの単相、4極100HzのCDブラシレスモータを作製し、これらのモータの効率測定を行った。なお、熱延板焼鈍後、鋼板の再結晶率を測定した。
【0066】
測定結果をを表9にまとめて示す。表9に示されるように、本発明にしたがって製造された製品は、異方性が低く、比較材に比べ極めて良好なモータ効率が得られている。
【0067】
【表9】
Figure 0003852227
【0068】
【実施例4】
表10に示す鋼記号PおよびSの組成を有する溶鋼を電解攪拌を印加しつつ連続鋳造機で厚さ50mmの薄スラブを各2本ずつ鋳込んだ。このスラブが鋳込み後、冷却途中でスラブ中心温度が1220℃に到達したときに、7スタンドのタンデム圧延機によって次の2つのパススケジュールにより直後仕上げ圧延を行い熱延コイルとした。
▲1▼ 50mm→38mm→28mm→20mm→12.5mm→7.2mm→4.2mm→2.7mm
(後段4パス累積圧下率:86.5%)
▲2▼50mm→34mm→25mm→18mm→11.8mm→5.4mm→3.0mm→1.8mm
(後段4パス累積圧下率:90.0%)
【0069】
【表10】
Figure 0003852227
【0070】
熱間圧延終了温度は750℃とし、熱間圧延終了後、22〜25℃/sの速度で冷却し、620℃で巻取り、コイル保護カバーを設けて、620〜640℃の温度で1時間滞留する熱処理を施した。
【0071】
得られた熱延コイルは酸洗後、タンデム圧延機で厚さ0.50mmに圧延した。この場合、冷延圧下率は▲1▼の場合、81.5%であり発明例に該当し、▲2▼の場合、72.2%であって比較例に該当する。冷延後、脱脂処理を行った後、鋼記号Pの鋼板は820℃で30秒、鋼記号Sの鋼板は780℃で1分の仕上げ焼鈍を施した上、有機、無機混合コートを塗布して製品とした。
【0072】
得られた製品から、30 x 280mmの試料を採取して磁気測定を行った。測定は標準測定法、ならびに、4方向測定法によった。さらに、これら製品から固定子の外径150mm、回転子径80mm、胴長70mmの3相、6極120Hzの誘導モータを作製し、これらのモータの効率測定を行った。結果を表11にまとめて示す。表11に示されるように、本発明例の製品は、比較材に比べてB50/Bsの値が大きく鉄損および透磁率の異方性の低くモータ効率が良好である。
【0073】
【表11】
Figure 0003852227
【0074】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したから、従来に比べモータなど回転機に使用する無方向性電磁鋼板の実機特性をきわめて優れたものとすることができ、また、その製造を工業的に行うことが可能になり、それにより多大の省エネルギー効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モータ効率と熱延板焼鈍後の結晶組織の再結晶率との関係図である。
【図2】モータ効率と鉄損や透磁率の異方性定数およびB50/Bsの値との関係図である。

Claims (7)

  1. 組成が、重量比で、C:0.010%以下、Si:0.1〜7.0%、Mn:0.03〜3.5%、Sb、Snの1種または2種の合計量:0.003〜0.20%を含有するとともに、不純物元素をS:0.0050%以下、N:0.0040%以下、0:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下、V:0.0050%以下、B:0.0010%以下、Nb:0.0050%以下に制限してなり、残部Fe及び不可避不純物からなり、1.0T、50Hzにおける透磁率の異方性定数が1.07以下、1.0T、50Hzにおける鉄損の異方性定数が1.05以下、かつ、4方向測定法によるB50の値がB50/Bs≧0.80を満たすことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
    ここに、透磁率の異方性定数とは、標準測定法による 1.0T 50Hz の透磁率の値を4方向測定法による 1.0T 50Hz の透磁率の値で割った値を、鉄損の異方性定数とは、4方向測定法による W 15/50 の値を標準測定法による W 15/50 の測定値で割った値をいう
  2. 組成として、さらに、Al:0.10〜2.0%、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜1.0%のいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の無方向性電磁鋼板。
  3. 組成として、さらに、Al:0.001%以下とするとともに、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜1.0%のいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の無方向性電磁鋼板。
  4. 重量比で、C:0.010%以下、Si:0.1〜7.0%、Mn:0.03〜3.5%を含有する鋼スラブを、熱間圧延により熱延板とし、熱延板焼鈍後、冷間圧延により最終板厚とし、さらに仕上げ焼鈍を施す一連の工程からなる無方向性電磁鋼板の製造方法において、
    前記鋼スラブは、Sb、Snを合計量で0.003〜0.20%を含有するとともに、その不純物元素を、S:0.0050%以下、N:0.0040%以下、0:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下、V:0.0050%以下、B:0.0010%以下、Nb:0.0050%以下とし、
    前記熱間圧延は、その仕上げ圧延の後段4パスの累積圧下率を65〜95%、かつ、前記熱間圧延後のコイル巻取り温度を700℃以下とし、
    前記熱延板焼鈍は 600 700 ℃における 10 分以上の保熱・自己焼鈍、 500 700 ℃における 10 分以上の連続または箱焼鈍、あるいは 650 850 ℃における 3 秒以上の連続焼鈍のいずれかにより再結晶率を40%以下とするものとし、さらに、
    前記冷間圧延は、圧下率を75〜98%とするものであることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. スラブは、さらに、Al:0.10〜2.0%、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0,5%、Cr:0.01〜1.0%の1種以上を含有することを特徴とする請求項4記載の回転機の実機特性の優れた請求項4記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. スラブは、さらに、Al:0.001%以下とするとともに、P:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜1.0%の1種以上を含有することを特徴とする請求項4記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 冷間圧延を100〜450℃の温間圧延とする請求項4〜のいずれかに記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
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