JP3843591B2 - 電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路が内蔵された2以上の構成部からなり、両者がフレキシブル配線基板で接続された、例えば、カーオーディオ装置のような電子機器におけるフレキシブル配線基板の不完全な装着を防止できる電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先ず、図を参照しながら、従来技術の電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置を説明する。なお、以下の説明に当たって、電子機器の一例として、カーオーディオ装置を採り上げて説明するが、本発明はこのようなカーオーディオ装置のみに限定されるものではないことを予め断っておく。
【0003】
先ず、図7乃至図11を参照しながら、現用のカーオーディオ装置の構成、構造を説明する。
符号1は全体としてカーオーディオ装置を指す。このカーオーディオ装置1はフロントパネル部2と本体3とから構成されており、これらは後記する機械的連結機構4とフレキシブル配線基板を用いた電気的接続構造5とで接続されている。
【0004】
フロントパネル部2は、図7に示したように、その中央部には、例えば、液晶表示装置のような画像表示装置の大画面の表示面201が配設され、その下方及び側方などには、テレビジョン受像(以下、「TV」と略記する)、コンパクトディスク(以下、「CD」と略記する)、ミニディスク(以下、「MD」と略記する)、ラジオチューナ(TUNER) などの切替え押し釦、シーク摘み、開閉釦203などの操作部202が配設されている。これらの操作部202を操作することにより、その操作に対応する情報が前記大画面の表示面201に表示され、操作者にその情報を視認させるように構成されている。
【0005】
このフロントパネル部2は、リンク401とラックギア402とから構成された機械的連結機構4で連結されている。即ち、図9乃至図11に示したように、フロントパネル部2はその裏面上方と本体3の下方とが前記リンク401で連結され、両者の下方は前記ラックギア402で連結されている。
前記開閉釦203を押圧すると、不図示のモーターが作動して矢印Xで示す方向にラックギア402が伸長し、図10に示したように、フロントパネル部2の下方が本体3の正面から引き出されて開き、その上方がリンク401に支持されながら本体3の正面に沿って下がる。図11に示した状態は、フロントパネル部2の下方が最も引き出された、そしてフロントパネル部2の上方が最も下がった状態を示している。
【0006】
この状態に在る場合のフロントパネル部2と本体3との正面を図8に示した。この本体3の上方の3個の開口MD1、MD2、MD3はMDを挿入し、或いは取り出しすると開口であり、下方の開口CD1はCDを挿入し、或いは取り出しすると開口である。
操作者が所望のMD或いはCDを開口MD1、MD2、MD3或いは開口CD1に挿入し、或いはコレラの開口からMD或いはCDを取り出した後、前記開閉釦203を押圧すると、フロントパネル部2は自動的に図7及び図9に示したように本体3の前記正面を覆い、閉鎖した状態になる。
【0007】
フロントパネル部2と本体3とは、前記機械的連結機構4の他に、図9乃至図19に示したようなフレキシブル配線基板501からなる電気的接続構造5で電気接続されている。
フロントパネル部2の背面204中央部には、図12に示したように、長方形の開口205が形成されている。この開口205は図13乃至図16に示した平板な蓋206が差し込み式で嵌め込まれ、閉鎖される。ほぼ長方形のこの蓋206にはその一長辺に切り欠き207と、それぞれの長辺に一対の係合爪208、209が形成されている。蓋206の裏面にはリブ210がコの字型に形成されている。
【0008】
前記開口205に臨んで、フロントパネル部2内部の電子回路に接続されているロック機構付きコネクタ(以下、単に「コネクタ」と略記する)502が配設されている。このコネクタ502は、例えば、株式会社日本FCI製のケーブルロック機構付きFPC用コネクタSFW30R−4ST型のような両端にロック釦503を備えたロック機構と、フレキシブル配線基板501が差し込まれて接続される接続口502Aとを備えている。
これらのロック釦503は、例えば、矢印の方向に動く。図12において、点線で描いた位置のロック釦503の状態は「アンロック」の状態を示しており、このアンロック状態でロック釦503を押圧してロック状態にした状態が実線の位置の状態である。
【0009】
このコネクタ502のロック釦503が点線で示した位置にある状態の前記接続口502Aには、フレキシブル配線基板501の一端が図18に示したように差し込まれて接続される。このフレキシブル配線基板501は、図17に示したような複数本の配線が印刷等の手段で互いにほぼ平行に形成された所定の長さのものであって、その他端が本体3内の電子回路に接続されている。
そしてフレキシブル配線基板501が正しく差し込まれた後は、前記ロック釦503を押圧して、点線の位置から実線で示した位置まで押し込むことによって、その差し込まれたフレキシブル配線基板501は多少の外力が加わっても接続口502Aから抜けないようになる。
フレキシブル配線基板501の接続後、前記開口205に蓋206をする。コネクタ502部分とフレキシブル配線基板501の接続部分とは蓋206で覆われ、その他のフレキシブル配線基板501部分は開口205と蓋206の切り欠き207との間に形成される隙間から導出された状態となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、作業ミス等によりフレキシブル配線基板501の差し込みが中途半端な半差し状態になっている場合があって、図19に示したように、ロック釦503が完全に押圧されていない状態であっても、その開口205に蓋206ができて、前記の電気的接続構造5では、その好ましくない半差し状態を防ぐことができない。
このフレキシブル配線基板501の半差し状態を見過ごして組み立てると、後刻、接触不良や抜けの事故の原因になる。
また、カーオーディオ装置1の使用者でも、前記電気的接続構造5部分を容易に触れることができ、フレキシブル配線基板501が正しくコネクタ502に差し込まれ、ロックされていたとしても、使用者等が大きな外力で引っ張った場合には、抜けを防ぐことはできない。
以上説明したような課題が現用のカーオーディオ装置1にある。
【0011】
本発明は、これらの課題を解決しようとするものであって、フレキシブル配線基板がコネクタに正しく接続されてロックされていないと蓋が閉まらず、蓋が正しく閉められた後は、フレキシブル配線基板が無理な外力で引っ張られたとしても、抜けを防止できる電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の実施形態の電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置では、電子回路が内蔵された2以上の構成部からなり、両者がフレキシブル配線基板で接続された電子機器において、
前記一つの構成部からは電子回路に接続された前記フレキシブル配線基板を導出し、
前記他の構成部のキャビネットの一面には前記フレキシブル配線基板を接続するための接続開口部を形成して、その接続開口部に内蔵の前記電子回路に接続されたロック機構付きコネクタを配設し、
前記接続開口部を閉鎖できる蓋体には、その一側縁部に前記フレキシブル配線基板を挿通できる切り欠きが形成されていて、その裏面に前記ロック機構付きコネクタのロック釦の非ロック位置に相当する位置に突起を形成して、
前記課題を解決している。
【0013】
従って、前記本発明によれば、前記ロック機構付きコネクタにフレキシブル配線基板を接続し、前記ロック釦を押圧してロックされている状態では、前記蓋体を前記開口に装着した場合に正常に装着でき、前記ロック釦がロックされていない状態では、前記蓋体を前記開口に装着しようとした場合に前記突起が前記ロック釦に当接して前記蓋体を装着できず、前記ロック釦がロックされていないことが判る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら本発明の実施形態の電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置を説明する。なお、従来技術のフレキシブル配線基板の装着装置と同一の構成部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略し、先に断っておいたように、電子機器の一例としてカーオーディオ装置を採り上げて説明する。
【0015】
先ず、図1乃至図5を参照しながら、本発明に用いるフロントパネル部2の背面204中央部に形成された開口205を閉じるための蓋206Aについて説明する。
この蓋206Aは、従来の蓋206と同様に、前記開口205に差し込み式で嵌め込め、その開口205を閉じるものであって、ほぼ長方形をしており、その一長辺に切り欠き207と、それぞれの長辺に一対の係合爪208、209が形成されている。蓋206の裏面にはリブ210がコの字型に形成されているほか、前記リブ210の高さよりも高い一対のL字型突起211A及び逆L字型突起211Bが形成されている。これらの突起211A、211Bの位置は、蓋206を閉じた状態において前記コネクタ502の一対のロック釦503の非ロック位置に対応する位置(図12の点線位置)である。
【0016】
この蓋206Aを前記開口205に差し込み、装着して、その開口205を閉じる。即ち、図12に示したコネクタ502の接続口502Aにフレキシブル配線基板501が正しく挿入、接続され、前記一対のロック釦503を押圧してロックした実線の位置にある状態の場合には、前記蓋206Aで前記開口205を閉じることができる。その蓋206Aの裏面に形成された前記一対の突起211A、211Bはそれぞれ前記一対の押圧されたロック釦503の背後の直近位置に位置し、コネクタ502部分とフレキシブル配線基板501の接続部分とは蓋206で覆われ、その他のフレキシブル配線基板501部分は開口205と蓋206Aの切り欠き207との間に形成される隙間から導出される。
【0017】
しかし、図19に示したように、作業ミス等によりロック釦503が押圧されていない場合とか、完全に押圧されていない状態の場合は、前記開口205には蓋206Aができない。即ち、蓋206Aをしようとしても、押圧されていないロック釦503に蓋206Aの突起211A、211Bが当たり、その蓋206Aは開口205に差し込むことができない。
【0018】
このように蓋206Aができないことで、フレキシブル配線基板501がロックされていないことが判り、作業者などは、この現象を認知して、ロック釦503のロック忘れを知ることができる。
また、カーオーディオ装置1の使用者等が大きな外力でフロントパネル部2或いはフレキシブル配線基板501を引っ張った場合でも、前記一対の突起211A、211Bが前記一対のロック釦503の背後に存在することから、ロック釦503の非ロック位置への移動を止められ、コネクタ502からのフレキシブル配線基板501の抜けを防ぐことができる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態の電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置においては、フレキシブル配線基板が接続されるロック機構付きコネクタのロック釦がロックされていないと、蓋が閉まらず、それを認知して、フレキシブル配線基板をコネクタに確実に接続するようにでき、また、前記突起で前記ロック釦のロックの解除を防止でき、簡単な構造でフレキシブル配線基板の抜けを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のフレキシブル配線基板の装着装置の一構成部分であって、図12に示したフロントパネル部の背面に形成されたフレキシブル基板の接続開口部を閉じる蓋体の表面の平面図である。
【図2】 図1に示した蓋体の裏面の平面図である。
【図3】 図2におけるA−A線上における断面図である。
【図4】 図2におけるB−B線上における断面図である。
【図5】 図2におけるC−C線上における断面図である。
【図6】 フレキシブル配線基板がロック機構付きコネクタに正常に装着された状態にある場合の図1乃至図5に示した蓋体との正常な関係を示した平面図である。
【図7】 従来技術のカーオーディオ装置のフロントパネル部の正面図である。
【図8】 図7に示したカーオーディオ装置のフロントパネル部が完全に開いた状態の本体のディスク装着面の正面図である。
【図9】 図7に示したカーオーディオ装置の側面図である。
【図10】 図7に示したカーオーディオ装置のフロントパネル部が開く途中の状態を示した一部側面図である。
【図11】 図7に示したカーオーディオ装置のフロントパネル部が完全に開いた状態を示した一部側面図である。
【図12】 図7に示したカーオーディオ装置のフロントパネル部の背面図である。
【図13】 図12に示したフロントパネル部の背面に形成されたフレキシブル基板の接続開口部を閉じる蓋体の表面の平面図である。
【図14】 図13に示した蓋体の裏面の平面図である。
【図15】 図14におけるA−A線上における断面図である。
【図16】 図14におけるB−B線上における断面図である。
【図17】 フレキシブル基板の平面図である。
【図18】 図12に示した接続開口部のロック機構付きコネクタに図17に示したフレキシブル基板が正常に装着された場合のロック機構付きコネクタの状態を示すフロントパネル部の背面図である。
【図19】 図12に示した接続開口部のロック機構付きコネクタに図17に示したフレキシブル基板が正常に装着されていない場合のロック機構付きコネクタの状態を示すフロントパネル部の背面図である。
【符号の説明】
1…現用のカーオーディオ装置、2…フロントパネル部、201…映像表示装置の表示面、202…操作部、203…開閉釦、204…背面、205…開口、206,206A…蓋、207…切り欠き、208,209…係合爪、210…リブ、211A,211B…突起、3…本体、4…機械的連結機構、401…リンク、402…ラックギア、5…電気的接続構造、501…フレキシブル配線基板、502…コネクタ、502A…接続口、503…ロック釦
Claims (2)
- 電子回路が内蔵された2以上の構成部からなり、両者がフレキシブル配線基板で接続された電子機器において、
前記一つの構成部からは電子回路に接続された前記フレキシブル配線基板が導出されており、
前記他の構成部のキャビネットの一面には前記フレキシブル配線基板を接続するための蓋体付き接続開口部が形成されており、
前記接続開口部には前記他の構成部に内蔵された電子回路に接続されたロック機構付きコネクタが配設されており、
前記蓋体には、その一側縁部に前記フレキシブル配線基板を挿通できる切り欠きが形成されており、
前記蓋体の裏面には蓋体を閉じた状態において前記ロック機構付きコネクタのロック釦の非ロック位置に対応する位置に突起が形成されており、
前記ロック釦が非ロック位置にあるときは前記突起がロック釦に当たり蓋体が閉じられず、
前記ロック釦がロック位置にあるときは前記突起がロック釦に当たらず蓋体が閉じるようにしたことを特徴とする電子機器におけるフレキシブル配線基板の装着装置。 - 請求項1記載のフレキシブル配線基板の装着装置においてロック釦がロック位置にあり蓋体が閉じた状態において突起はロック釦の背後の蓋体の切り欠き側にあることを特徴とするフレキシブル配線基板の装着装置。
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