JP3841938B2 - エンジンのリフタ収納凹部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンのリフタ収納凹部構造、特にエンジンと電動機との双方を備えたハイブリッド型自動二輪車に好適なリフタ収納凹部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ガソリンエンジンを駆動源とした車両が主流であるが、排気ガスの発生を避けなければならない所等では電動機を駆動源とした電動車両が必要となる。電動車両では車体重量が増加し、走行距離が短いなどの理由から、エンジンと電動機との双方を備えたハイブリッド型車両の需要も増加している。
【0003】
例えば、特開平8−175477号公報「自動二輪車等のエンジンとモータの動力切換装置」はハイブリッド型自動二輪車に関する発明である。
上記公報のエンジン10は単純な空冷2サイクルエンジンである。
【0004】
しかし、自動二輪車では、燃費やエミッションを考慮した場合、4サイクルエンジンを搭載するものが好ましいが、4サイクルエンジンは、全高が2サイクルエンジンに比較して高くなるため、低重心化を考えた場合、シリンダ軸を前傾させて設計することが好ましい。
【0005】
図16は従来の動弁機構の要部を示す図であり、シリンダヘッド201の排気ポート202にバルブガイド203を臨ませ、このバルブガイド203にバルブ204のステム205を摺動可能に挿入し、ステム205の先端部にリテーナ206を取付け、このリテーナ206に弁ばね207の一端を当てることで、バルブ204を弁閉方向に付勢する構造とし、カム208でリフタのバケット209を介してバルブ204を弁開方向へ押出し、弁ばね207でバルブ204を弁閉方向へ戻す機構である。
【0006】
211はオイル通孔であり、このオイル通孔211を通じてオイルミストをリフタ収納凹部212内へ供給し、リフタ収納凹部212を往復するバケット209や弁ばね207などを潤滑する構造である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダ軸を前傾させて行くと下側となるバルブ角度が水平軸に対して下方へ傾く場合も生じる。そのような場合、バルブリフタを備えるエンジンにおいて、オイルは前記通孔211から抜けにくく、リフタ収納凹部212にオイルが溜まることになり、新たなオイルが入りにくくなる等やバルブの作動に影響を及ぼす可能性もある。
そこで、本発明の目的は低重心となるハイブリッド型パワーユニットに好適なリフタ収納凹部構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、エンジンのバルブをバルブリフタを介してカム軸で駆動するエンジンであって、且つシリンダ軸を前傾させ、エンジンのバルブ軸の角度が水平軸より下方へ傾けて車体に搭載し、シリンダヘッドにバルブリフタを納めるリフタ収納凹部を備えたエンジンであって、前記リフタ収納凹部の上側壁にオイル導入口を設け、このオイル導入口から導入したオイルを下壁側に設けたオイル逃がし溝を介して排出するようにしたことを特徴とする。
請求項2は、請求項1において、前記オイル逃がし溝の他端は、前記リフタ収納凹部の底壁に接していることを特徴とする。
請求項3は、請求項1において、前記オイル導入口は、上方に開いた傾斜面を有することを特徴とする。
請求項4は、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記バルブの上位に配置されたバルブのバルブリフタを収めるリフタ収納凹部の下側壁にオイル逃がし口を設け、該オイル逃がし口を前記オイル導入口の上方に配置したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動二輪車の側面図である。
自動二輪車1は、中央下部にバッテリ収納ボックスを兼ねた箱状のメインフレーム2を配置し、このメインフレーム2の前部下部から前ピボット軸3を介して逆U字形の前スイングアーム4を延出し、この前スイングアーム4に前輪5を回転自在に取付け、一方、前記メインフレーム2の前部上部からヘッドパイプポスト7を斜め上に延ばし、このヘッドパイプポスト7の先端にヘッドパイプ8を固定し、このヘッドパイプ8にハンドルポスト9を回転可能に取付け、このハンドルポスト9の下端にステアリングアーム11を取付け、このステアリングアーム11の先端(下端)を前輪5に取付けたナックル12に連結し、さらにはメインフレーム2の後部上部に揺動軸としての後ピボット軸13を介してパワーユニット15をスイング可能に取付け、このパワーユニット15に後輪16を取付け、図面上で後輪16の手前にリヤクッション17、後輪16の奥にエアクリーナ18、排気管19、マフラー21、テールパイプ22を配置し、車体を前から後にフロントフェンダ25、フロントカバー26、フロントハンドルカバー27、センタカウル28、リヤカウル29、リヤフェンダ31で囲ったものである。
【0010】
なお、30はステム軸、32はフロントブレーキディスク、33はキャリパ、34は樹脂スプリング、35はフロントダンパー、36はレッグシールド、37は乗員ステップ、38はサイドスタンド、39はメインスタンドである。図面上部において、41はホーン、42はフロントランプ、43はハンドルバー、44はグリップ、45は導風ダクト、46はラジエータ、47はファン、48はシート、49はヘルメットボックス、51はヘルメット、52はテールランプ、55はパワーユニットケースである。
このパワーユニットケース55は、左・右クランクケース55a,55b(奥の右クランクケース55bは不図示)と変速機ケース55cと電動機ケース55dと減速機ケース55eとからなる。
【0011】
図2は本発明のパワーユニットの側面断面図である。
パワーユニット15は、(後述の図8に示す通りシリンダヘッドに吸・排気2本のカム軸を備える4サイクルエンジンを備え、)パワーユニットケース55内の下部にクランクシャフト56を配置し、このクランクシャフト56に平行に且つ上位にクラッチ軸57を配置し、このクラッチ軸57の一端に変速機軸58,電動機軸59を車体長手方向(車体前後方向)に配置したものであり、クラッチ軸57,変速機軸58及び電動機軸59を直列に且つ、これらをクランクシャフト56に平行に且つ上位に配置したことを特徴とする。
【0012】
クラッチ軸57,変速機軸58及び電動機軸59を車体前後方向に直列に配置したので、パワーユニットケース55に作用する力の向きは単純になる。従って、パワーユニットケース55の設計は容易となる。具体的には、力が作用する方向には剛性を高め、作用せぬ方向には剛性を下げることができ、全体としては作用力が単純化された分だけ、パワーユニットケース55を軽くすることができ、パワーユニットケース55のコンパクト化も図れる。
【0013】
なお、図中、75は遊星ギヤ減速機、76はポテンショメータであり、後述する変速制御モータ95の回転角を検出する機器である。121はカム軸駆動プーリ、78はプーリ121で駆動される水ポンプ、79はベルトカバー、図中央下の103aはオイルポンプケースである。
【0014】
プライマリドライブギヤ61、プライマリドリブンギヤ62、遠心クラッチ67、変速機70、電動機軸59(電動機80がモータとしてアシストするときは電動機80)が、「エンジンからの動力伝達系」であり、電動機80がモータとして運転しているときの電動機軸59が、「電動機からの動力伝達系」となる。クラッチ軸57,変速機軸58及び電動機軸59に係る各機器の詳細は別図で説明する。
【0015】
図3は本発明のパワーユニットの平面断面図であり、本図で機器の詳細及び駆動力の伝達形態を説明する。
クランクシャフト56のプライマリドライブギヤ61で、クラッチ軸57に回転自在に取付けたプライマリドリブンギヤ62を駆動し、このプライマリドリブンギヤ62でスタータ用一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)63のクラッチアウタ64及び遠心クラッチ67のクラッチインナ68をクラッチ軸57とは独立して駆動し、そのために筒状部材66にてプライマリドリブンギヤ62とスタータ用一方向クラッチのクラッチアウタ64と遠心クラッチ67のクラッチインナ68を連結可能にし、遠心クラッチインナ68が所定回転数以上になると遠心クラッチアウタ69を連れ回し、クラッチ軸57が回転し始める。
なお、上記プライマリドライブギヤ61は、せらしギヤ61aとスプリング61bとを備え、打音を防止する構造にした。
【0016】
変速機70はコーン式無断変速機であり詳細な作用は別図で説明するが、変速機軸58→インナディスク71→コーン72→アウタカップ73の順で動力を伝達する装置であり、ワンウェイクラッチ83を介して電動機軸59にその回転を伝達する。
電動機80はコアレスモータであり、電動機軸59に永久磁石型ロータ81を取付け、電動機ケース55dにステータコイル82を取付けたものである。
従って、遠心クラッチ67が「オン」になると、クラッチ軸57、変速機軸58、変速機70、電動機軸59の順に駆動力が伝わり、多板式トルクリミッタ84及び歯車減速機構85(小ギヤ86→大ギヤ87→小ギヤ88→大ギヤ89からなる減速機構)を介して車軸90を駆動するものである。
【0017】
多板式トルクリミッタ84は電動機軸59と共に回転するリミッタインナ84aと、ディスク84b,84c(ディスク84bはリミットインナ84aに付き、ディスク84cは次に示すリミットアウタ84dに付ける。)と、リミッタアウタ84dと、スプリング84eとからなり、小ギヤ86はリミットアウタ84dと一体である。
動力はリミッタインナ84→ディスク84b→ディスク84c→リミッタアウタ84d→小ギヤ86の順に伝わるが、設定トルクを越える過大なトルクが作用するとディスク84bとディスク84cとの間でスリップして、機器を保護する。設定トルクはスプリング84eで調整できる。
【0018】
なお、スタータ用一方向クラッチアウタ64ははずみ車としての作用を発揮し、エンジンバランスを取るためのバランスウエイト91を備え、スタータ用一方向クラッチインナ65と組合わせることによりスタータの回転を伝達する一方向クラッチ63となる。
図示せぬスタータでスタータドリブンギヤ93を廻すことで、スタータ用一方向クラッチインナ65及びスタータ用一方向クラッチアウタ64を介して遠心クラッチインナ68を廻しエンジンが始動してスタータ用一方向クラッチアウタ64が高速になれば低速側のスタータ用一方向クラッチインナ65と分離するものである。
【0019】
また、図中、クランクシャフト56の他端(前端)に、カム軸などを駆動するためのカム軸駆動プーリ121を備え、このプーリ121でベルト122を駆動するが、これらプーリ121とベルト122の詳細は後述する。
【0020】
図4及び図5は本発明のコーン式無断変速機の構成図兼作用図である。
図4において、コーン支軸74の中心からインナディスク71までの距離(回転半径)をR1、コーン支軸74の中心からアウタカップ73までの距離(回転半径)をR2とし、R1>R2とする。
インナディスク71でコーンの大径(R1)部を廻すためコーン72は低速で回転し、次にコーン72の小径(R2)部でアウタカップ73を廻すためアウタカップ73は低速で回転する。
【0021】
なお、アウタカップ73から電動機軸59への動力伝達はアウタカップ73の回転がワンウェイクラッチ83により、電動機軸59よりも速くなった場合に動力が伝達される。
また、70aはアウタカップ73を回転に伴なって図左に押し出す作用をなすカムボールであり、この押し出し作用によってアウタカップ73とコーン72との間に接触圧を掛けることができる。
70b,70c,70dはオイルシールであり、オイルシール70b,70cで変速機70内部に変速機オイルを溜める密閉空間を形成し、オイルシール70dで図左のクランクケース55b側のオイルを遮断する。従って、クランクケース内のオイルと、変速機オイルが混合する心配はない。
【0022】
図5において、コーン支軸74の中心からインナディスク71までの距離(回転半径)をR3、コーン支軸74の中心からアウタカップ73までの距離(回転半径)をR4とし、R3<R4とする。
インナディスク71でコーンの小径(R3)部を廻すためコーン72は高速で回転し、次にコーン72の大径(R4)部でアウタカップ73を廻すためアウタカップ73は高速で回転する。
この様にコーン72を移動することにより、変速機70は減速、等速、増速の作用を発揮する。
【0023】
その為には、図4において変速制御モータ95でギヤ96a,96b,96cを介して制御ギヤ97を廻す。この制御ギヤ97はボス部に台形雌ねじ部99を備えており、この台形雌ねじ部99はケース55側に固定した台形雄ねじ部98に噛み合わせたものであり、台形雌ねじ部99の螺旋運動に伴なって制御ギヤ97は図左へ移動する。この移動によりコーン支軸74と共にコーン72が図左に移動し、例えば図5の状態になる。
【0024】
ここで重要なことは、台形雄・雌ねじ部98,99をアウタカップ73側ではなく、インナディスク71側に設けたことである。コーン72はアウタカップ73の反作用で図左に押される。この結果、制御ギヤ97に矢印▲1▼の力が作用する。矢印▲1▼は低速から高速へ移動する方向に合致している。従って、本実施例の構造にしたことにより、小さなトルクで高速側へシフトさせることができ、変速制御モータ95の容量を下げることも可能となる。
【0025】
次に、潤滑系統の説明をする。
図6は本発明に係るエンジン潤滑系統の説明図であり、矢印はオイルの流れである。
パワーユニットケース55には下部に下部オイルタンク101、上部に上部オイルタンク102を設け、クランクシャフト56の一端部(右端部)に第1オイルポンプ103、第2オイルポンプ104及び第3オイルポンプ105を同軸に配置し、先ず下部オイルタンク101のオイルをストレーナ106及び第1油路107を介して第1オイルポンプ103でくみ上げ、第2油路108を介して上部オイルタンク102へ供給する。
次に、上部オイルタンク102のオイルは、第3油路109を介して第2オイルポンプ104に至り、第2オイルポンプ104で加圧されたオイルは第4油路111、フィルタ112、第5油路113を介してクランクシャフト56のメインジャーナル56a,56a、コンロッド大端部56b、その他の部分(特に図示せぬ動弁室)を潤滑した後に下部オイルタンク101に戻る。112aはフィルタカバーである。
【0026】
図7は本発明に係る変速機潤滑系統の説明図であり、パワーユニットケース55の下部に別途設けた変速機オイルタンク115から変速機オイルを第6油路116を介して第3オイルポンプ105でくみ上げ、第7油路117を介して変速機軸58へ送り、変速機軸58内の油路118を通じてオイルを変速機70へ供給する。オイルは図の矢印の如く変速機オイルタンク115に戻り、ストレーナ119を介して第3オイルポンプ105にてくみ上げられる。
【0027】
図8は本発明に係る動弁系駆動機構としてのカム軸駆動機構を示す、パワーユニットの正面図である。
右クランクケース55bと一体化したシリンダブロック129Bの図右に左クランクケース55aを取付け、クランクシャフト56の上位に電動機80を配置し、シリンダブロック129Bの図左にシリンダヘッド129Hを取付け、このシリンダヘッド129Hから延ばした排気管19の先にマフラー21を取付け、また、図左上奥のエアクリーナ18からキャブレタ129Cを介してインテークマニホールド129Mをシリンダヘッド129Hに繋いだことを示す。129Sはスタータモータ取付用孔である。
【0028】
そして、図ではベルトカバー79を外したことにより、パワーユニット15の正面には、カム軸駆動プーリ121、ベルト122、吸気側カム軸プーリ123,排気側カム軸プーリ124及びテンショナ125からなる動弁系駆動機構としてのカム軸駆動機構120を見ることができる。
なお、ベルト122をチェーン、プーリ121,123,124をスプロケットとすることもできるので、ベルト122は、タイミングベルト、Vベルト、ローラチェーンなどの「巻掛け手段」、カム軸駆動プーリ121は巻掛け手段で回転される「カム軸駆動回転体」、カム軸プーリ123,124は巻掛け手段で回転される「カム軸回転体」と呼び、部品の選択は任意である。
【0029】
図8から明らかなように、シリンダ軸126をほぼ水平(例えば地面に対して傾斜角α=+10゜)にして車幅方向に寝かせて配置するので、低重心化が図れるとともにシリンダ長さはその車幅内に納めることができ、設計の自由度は大きい。
【0030】
そして図は前輪から後輪を見たときのものに相当し、このときに車体中心127から図右側にクランクシャフト56及びクラッチ軸57を配置し、車体中心127から図左側にシリンダヘッド129Hを配置したことを特徴とする。クラッチ軸57の図面奥には変速機軸58及び電動機軸59などからなる「動力伝達系」の軸が、図2,3に示す通りに、連なっている。
【0031】
図9は本発明に係るAIリードバルブ及び水ポンプの配置図である。
150はAIリードバルブであり、AIはエア・インジェクションの略であり、排気ポートへ適量の空気を吹き込むことにより、排気ガスの浄化を促進する系統に設けた逆止弁である。このAIリードバルブ150の構造は図11で説明するが、AIリードバルブ150をシリンダヘッド129Hの正面に設けたので、カム軸駆動機構120を点検するときと同様に、ベルトカバーを外すだけで容易にメインテナンスすることができる。更に、上記配置により常時はベルトカバーでAIリードバルブ150を保護することができる。
【0032】
前記共用プーリ125は、ポンププーリとベルト122の張力を調整するテンショナとを兼ねたものであり、水ポンプ78のポンプハウジング131に回転可能に取付けたものであり、詳細は後述する。
ポンプハウジング131は、ポンプロータ132を収納するのみならず、2個の調整長穴133,134を有する。135・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)はハウジングの組立てビスである。
一方、シリンダブロック129Bに2本の突条部128a,128aを互いに平行に突出させ、これらの間にガイド溝128bを設ける。
【0033】
図10(a),(b)は本発明に係る水ポンプの断面図兼共用プーリの取付図である。
(a)において、水ポンプ78は、ポンプロータ132と、このポンプロータ132に取付けたインナマグネット136と、ポンプロータ132を回転自在に支えるロータ支軸137と、このロータ支軸137の一端を支えるハウジングカバー131aと、ロータ支軸137の他端を支えるハウジングベース131bと、このハウジングベース131bに形成した軸部131cと、この軸部131cに軸受138,138を介して取付けたカップ139と、このカップ139の内周面に取付けたアウタマグネット141と、カップ139の外周面に取付けた共用プーリ125とからなる。ポンプハウジング131はハウジングカバー131a、ハウジングベース131b、軸部131cからなる。
【0034】
ベルト122の作用で共用プーリ125、カップ139及びアウタマグナット141が廻ると、このアウタマグナット141の磁力線がハウジングベース131bを貫通してインナマグネット136に至り、インナマグネット136に回転力を与える。従って、ポンプロータ132は回転し始める。
従って、水ポンプ78は、吸込通路142から吸込んだ水をポンプロータ132で加圧し、吐出通路143、偏心管継手145を通じてシリンダブロックの水入口146へ供給するものである。なお、偏心管継手145は(b)に示す通り、入口と出口がδだけ偏心した継手である。
【0035】
そこで、(a)において偏心管継手145を90度廻すことにより、(b)に示すように、シリンダブロックの水入口146を基準に水ポンプ78をΔだけ平行移動することができる。
【0036】
図9に戻って、ボルト147,147を緩め、前記偏心管継手145を矢印▲2▼の如く廻して共用プーリ125を矢印▲3▼の如く移動することにより、ベルト122のテンションを高め、調整後、ボルト147,147を締付ける。
水ポンプ78はガイド溝128bに嵌合している軸部131c(図10(b)参照)と2本のボルト147,147で止まっているため、調整中を除いて移動することはない。
【0037】
図11は図9の11−11線断面図であり、AIリードバルブ150は、空気入口151から吹込んだ空気を、リードバルブ152及びシリンダヘッド129Hに開けたAIポート153を通じて排気ポートへ送る。AIポート153側の圧力が高まるとリードバルブ152が閉じるので、空気又は排気ガスが空気入口151へ逆流する心配はない。
【0038】
図12は本発明に係る動弁機構の要部を示す図である。吸気バルブと排気バルブでは形状、材質などが異なるが基本的構成は同じである。
シリンダヘッド129Hの吸気ポート161又は排気ポート162にバルブガイド163,163を臨ませ、バルブガイド163,163に吸気バルブ1164、排気バルブ164のステム165,165を摺動可能に挿入し、ステム165,165の先端部にリテーナ166,166を取付け、リテーナ166,166に弁ばね167,167の一端を当てることで、バルブ164,164を弁閉方向に付勢する構造とし、図示せぬカムでリフタのバケット169,169を介して吸・排気バルブ1164,164を弁開方向へ押出し、弁ばね167,167で吸・排気バルブ1164,164を弁閉方向へ戻す機構である。
図12及び図13で明らかなように、上側に示した1171は、排気バルブ1164側のリフタ収納凹部で、該収納凹部1171の上壁の端部には、該収納凹部1171と連通するようにオイル導入口1172が設けられている。排気バルブ1164側のリフタ収納凹部1171の下壁には、オイル逃がし口1178が設けられている。
下側の排気バルブ164側の構成も同様であり、図13で拡大して示しているので、後述する。
【0039】
そして、本実施例のエンジンでは、水平軸175に対して、シリンダ軸126が角度α(約10゜)だけ上に傾き、下位のバルブ164(排気側バルブ)のステム軸177は角度β(約7゜)でけ下に傾いていることを示す。
【0040】
図13は図12の要部拡大図であり、排気側のバルブ164を示している。
リフタのバケット169や弁ばね167などを収納するリフタ収納凹部171の下側壁の床壁となる部分にオイル逃し溝178を設け、オイル逃がし溝178は、リフタ収納凹部171の奥壁171a接触し、この部分から図の左側に傾斜し、該リフタ収納凹部171の下壁下端部に設けたオイルを排出する逃がし口178aに連通している。
リフタ収納凹部171の上側壁には、上方に開いた傾斜面172aを有する漏斗形のオイル導入口172が、該リフタ収納凹部171内と連通するように設けられておいる。図12で明らかなように、該オイル導入口172は、上側の吸気バルブ側のオイル逃がし口1178の下方に位置している。
【0041】
図15(a),(b)は本発明に係るリフタ収納凹部の作用図であり、図では下側のリフタ収納凹部について説明している。
(a)は比較例であり、オイル通孔172を通じてオイルがリフタ収納凹部171に入ると、オイルはリフタ収納凹部171に充満する。
(b)は実施例であり、下側のリフタ収納凹部171では、上方のオイル通孔172を通じてオイルがリフタ収納凹部171に入ると、オイルは下側のオイル逃し溝178を通じて排出できるため、リフタ収納凹部171にそれほど溜まらない。
【0042】
図15(a),(b)は本発明に係るリフタ収納凹部の作用図である。
(a)は比較例であり、オイル通孔172を通じてオイルがリフタ収納凹部171に入ると、オイルはリフタ収納凹部171に充満する。
(b)は実施例であり、オイル通孔172を通じてオイルがリフタ収納凹部171に入ると、オイルはオイル逃し溝178を通じて排出できるため、リフタ収納凹部171にそれほど溜まらない。
【0043】
尚、本発明のリフタ収納凹部構造は小型エンジンに好適であるが、中型、大型エンジンに採用することは差支えない。
【0044】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1によれば、シリンダ軸がほぼ水平であるからハイブリッド型パワーユニットの低重心化が図れ、同時にバルブ軸が水平軸に対して下方に傾斜すると、リフタ収納凹部にオイルが溜まりやすい構造となるが、オイル逃し溝を通じて効果的にオイルを逃すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の側面図
【図2】本発明のパワーユニットの側面断面図
【図3】本発明のパワーユニットの平面断面図
【図4】本発明のコーン式無断変速機の構成図兼作用図
【図5】本発明のコーン式無断変速機の構成図兼作用図
【図6】本発明に係るエンジン潤滑系統の説明図
【図7】本発明に係る変速機潤滑系統の説明図
【図8】本発明に係る動弁系駆動機構としてのカム軸駆動機構を示す、パワーユニットの正面図
【図9】本発明に係るAIリードバルブ及び水ポンプの配置図
【図10】本発明に係る水ポンプの断面図兼共用プーリの取付図
【図11】図9の11−11線断面図
【図12】本発明に係る動弁機構の要部を示す図
【図13】図12の要部拡大図
【図14】図12の14矢視図(リフタ機構は除く)
【図15】本発明に係るリフタ収納凹部の作用図
【図16】従来の動弁機構の要部を示す図
【符号の説明】
1…自動二輪車、15…パワーユニット、126…シリンダ軸、129H…シリンダヘッド、164…バルブ、171…リフタ収納凹部、172…オイル通孔、175…水平軸、177…ステム軸、178…オイル逃し溝。

Claims (4)

  1. エンジンのバルブをバルブリフタを介してカム軸で駆動するエンジンであって、且つシリンダ軸を前傾させ、エンジンのバルブ軸の角度が水平軸より下方へ傾けて車体に搭載し、シリンダヘッドにバルブリフタを納めるリフタ収納凹部を備えたエンジンであって、
    前記リフタ収納凹部の上側壁にオイル導入口を設け、このオイル導入口から導入したオイルを下壁側に設けたオイル逃がし溝を介して排出するようにした、
    ことを特徴とするエンジンのリフタ収納凹部構造。
  2. 前記オイル逃がし溝の他端は、前記リフタ収納凹部の底壁に接していることを特徴とする請求項1記載のエンジンのリフタ収納凹部構造。
  3. 前記オイル導入口は、上方に開いた傾斜面を有することを特徴とする請求項1記載のエンジンのリフタ収納凹部構造。
  4. 前記バルブの上位に配置されたバルブのバルブリフタを収めるリフタ収納凹部の下側壁にオイル逃がし口を設け、該オイル逃がし口を前記オイル導入口の上方に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のエンジンのリフタ収納凹部構造。
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