JP5353538B2 - 自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造 - Google Patents

自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5353538B2
JP5353538B2 JP2009181890A JP2009181890A JP5353538B2 JP 5353538 B2 JP5353538 B2 JP 5353538B2 JP 2009181890 A JP2009181890 A JP 2009181890A JP 2009181890 A JP2009181890 A JP 2009181890A JP 5353538 B2 JP5353538 B2 JP 5353538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam chain
oil
cam
crankcase
guide rib
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009181890A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011032977A5 (ja
JP2011032977A (ja
Inventor
大輔 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2009181890A priority Critical patent/JP5353538B2/ja
Publication of JP2011032977A publication Critical patent/JP2011032977A/ja
Publication of JP2011032977A5 publication Critical patent/JP2011032977A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5353538B2 publication Critical patent/JP5353538B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、自動二輪車等のエンジン、特に4サイクルエンジンにおけるカムチェーンまわりを潤滑するカムチェーン潤滑構造に関するものである。
4サイクルエンジンは変速ギヤ装置、クラッチ装置の他に、多数の部品から構成される動弁装置等の可動部を含んでいるため、潤滑対象部位や範囲が広く、複雑な潤滑構造を有する。一方、近年オフロードタイプの車両においても4サイクルエンジンが使用され、オフロード仕様に対応するための制約下で潤滑構造の工夫がなされている。
特にジェネレータが構成されるマグネト室にカムチェーンを配置し、シリンダ軸線がクランク軸線に対して略鉛直方向上向きとなっている4サイクルエンジンを例にする。従来では、マグネト室に滞留するオイルや、シリンダヘッドの動弁装置へ供給された後マグネト室に落下するオイルによってカムチェーンを潤滑するようにしていた。
なお、特許文献1に記載のエンジンでは、クランクシャフトの回転動力を伝達するカムチェーンを覆ってエンジン本体に取り付けられるチェーンケースの内面に、カムチェーンで掻き揚げられるオイルの飛散を防止するためのオイル飛散防止壁とオイルの流れをガイドするオイルガイドヘッド壁とが一体に突設される。そして、オイル飛散を防止しつつカムチェーンを潤滑するようにしている。
特開2004−52629号公報
例えば上述のマグネト室にカムチェーンを配置するエンジンにおいて、エンジン性能の向上を図るためには、マグネト室に配置されるマグネトロータに対するオイル攪拌抵抗を極力低減することが必要になる。そのためにマグネト室に滞留するオイル量を減らすと、そのままではカムチェーンを潤滑するオイルが減少する。このようなオイルの絶対量が不足する状況下でカムチェーンまわりを適正に潤滑するのは必ずしも容易でなかった。
本発明はかかる実情に鑑み、適正な潤滑を確保しながらエンジン性能の向上に有効に寄与する自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明の自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造は、クランクケースの側壁とこの側壁から突出するクランクシャフトの端部に取り付けた回転体との間に配設され、前記クランクシャフト及びシリンダヘッド内のカムシャフトを連結するカムチェーンと、前記クランクケースの一側に配置されるクラッチ室と、前記クランクケースの他側に配置されて前記回転体が収容されるマグネト室と、前記クラッチ室に配置されてエンジン各部にオイルを供給するフィードポンプと、シリンダ及び前記シリンダヘッドを含むシリンダブロックの側方にカムチェーントンネルを構成し、前記マグネト室に滞留するオイルを吸引するスカベンジングポンプとを有した自動二輪車エンジンにおいて、
前記カムチェーントンネルはその下端にて前記マグネト室に開口しており、その開口部位における前記カムチェーントンネルの前部壁から連続するようにガイドリブの上端部を形成し、該ガイドリブの下端部はカムチェーンガイドの支持部と連続するように形成し、
前記スカベンジングポンプの吐出側のオイル通路にオイル噴射ノズルを設けて、前記スカベンジングポンプから吐出されるオイルの一部を前記カムチェーンに噴射するようにしたことを特徴とする。
また、本発明による自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造において、前記クランクシャフトに取り付けたカムチェーン駆動用ドライブスプロケットよりも外周であって、前記カムチェーンと前記ドライブスプロケットとの噛合領域に対応して前記クランクケースの側壁から突設したガイドリブの一端部と、前記カムチェーンに接触して張力を付与するカムチェーンテンショナの下端部との相互間には間隙が形成され、前記オイル噴射ノズルは、前記間隙を指向して配置されたことを特徴とする。
また、本発明による自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造において、前記クランクケースの側壁、前記回転体の側面及び前記ガイドリブにより、前記カムチェーンを囲繞するように配置したことを特徴とする。
また、本発明による自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造において、前記オイル噴射ノズルは、前記スカベンジングポンプと複数のミッションギヤを格納するミッション室とを繋ぐオイル通路の途中に接続されたことを特徴とする。
本発明によれば、クランクケースの側壁とクランクシャフトの端部に取り付けたマグネトロータとの間にカムチェーンが配設される。このカムチェーンの引張り側に沿ってクランクケースの側壁からガイドリブを突設することで、カムチェーントンネルから落下してくるオイルを有効に捕集することができる。この場合、クランクケースの側壁、マグネトロータの側面及びガイドリブにより、典型的にはコ字状にカムチェーンを囲繞することでオイルを的確に捕集することが可能になる。
また、クランクシャフトに取り付けたドライブスプロケットの外周域に沿って、クランクケースの側壁から第2のガイドリブを突設することで、(第1の)ガイドリブによって捕集されたオイルを有効に滞留させることができる。この場合、第2のガイドリブは、カムチェーン及びドライブスプロケットの噛合領域に略対応するように延設されるため、これによりオイルをカムチェーンに対して極めて噛み込み易くし、潤滑効率を有効に高めることが可能になる。
本発明のカムチェーン潤滑構造に係る自動二輪車の全体構成を示す左側面図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンの後方斜視図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンにおけるクランクケースまわりの構成を示す一部破断斜視図及び模式図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンの右側面図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンの左側面図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造におけるカムチェーン装架状態を示す図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンにおけるマグネト室まわりの構成を示す斜視図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンにおけるマグネト室まわりの側面図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンにおけるマグネト室の構造を示す図5のA−A線に沿う平断面図である。 本発明のカムチェーン潤滑構造に係るエンジンにおけるマグネト室まわりの構成を示す斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明による自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る自動二輪車100の側面図である。先ず、図1を用いて、自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lにより示す。
図1の自動二輪車100は、典型的には所謂オフロード用であってよく、その車体前方上部にはステアリングヘッドパイプ101が配置されており、該ステアリングヘッドパイプ101内には不図示のステアリング軸が回動可能に挿通している。そして、このステアリング軸の上端にはハンドル102が結着されており、同ステアリング軸の下端にはフロントフォーク103が取り付けられ、該フロントフォーク103の下端には操行輪である前輪104が回転可能に軸支されている。
また、ステアリングヘッドパイプ101からは左右一対のメインフレーム105が、車体後方に向かって斜め下方に傾斜して延出すると共に、ダウンチューブ106が略垂直下方に延びている。そして、ダウンチューブ106は下部付近でロアフレーム106Aとして左右に分岐し、これら一対のロアフレーム106Aは下方に延びた後に、車体後方に向かって略直角に曲げられ、その後端部は左右一対のボディフレーム107を介してメインフレーム105の各後端部に連結されている。
左右一対のメインフレーム105とダウンチューブ106及びロアフレーム106Aとボディフレーム107とによって囲まれる空間には、駆動源である水冷式のエンジン10が搭載され、エンジン10の上方には燃料タンク108が配され、その燃料供給口はキャップ109によって栓止されている。燃料タンク108の後方にはシート110が配されている。また、エンジン10の前方にはラジエータ111が配置されている。
車体の前後方向略中央の下部に設けられた左右一対のボディフレーム107には、リヤスイングアーム112の前端部がピボット軸113によって上下に揺動可能に支持されている。リヤスイングアーム112の後端部には駆動輪である後輪114が回転可能に軸支されている。リヤアーム112は、リンク機構115とこれに連結されたショックアブソーバ116(後輪懸架装置)を介して車体に懸架されている。
なお、燃料タンク108内には燃料ポンプユニットが配置され、この燃料ポンプユニットによってエンジン10に燃料を供給する。一方、ショックアブソーバ116の後側にはエアクリーナボックス117が配置され、エアクリーナボックス117とエンジン10の間が吸気通路を介して連結される。なお、図1においては図示を省略するが、吸気通路はエンジン10のシリンダヘッドに設けられたインテークポートに接続され、その途中で吸気通路の一部としてスロットルボディが配置される。このスロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料ポンプユニットから所定タイミングで所定量の燃料が供給されるようになっている。
次に、エンジン10の構成について説明する。この例ではエンジン10は4サイクル単筒エンジンとする。図2は、本実施形態におけるエンジン10の全体構成を示している。エンジン10において、クランクシャフト12を回転可能に収容支持するクランクケース11と、ピストンを上下動可能に収容するシリンダ13と、動弁装置を収容するシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14に取付けるシリンダヘッドカバー15とが略上下方向に連接され、即ちシリンダブロックのシリンダ軸線がクランクシャフト12の軸線に対して実質的に鉛直方向に設定される。
更に、図2〜図5を参照して説明する。本実施形態においてクランクケース11は図3にも示すように、割り面Pに沿って左右2つ割りに構成され、そのケース隔壁を隔てて後側にはミッション室(もしくはケース)16が、その右側にクラッチ室17が、また左側にはマグネト室18がそれぞれ隣接配置される。ミッション室16にはクランクシャフト12の回転出力を減速して後輪114へと伝達するための複数のミッションギヤが列設されている。クラッチ室17には図4に示されるようにクラッチ装置19が配置され、ハンドル102(図1)のクラッチレバー操作によりクランクシャフト12及びミッションギヤ間の動力伝達を接続/遮断制御するようになっている。マグネト室18には図5に示されるように、ステータコイル20A及びマグネトロータ20Bを含むジェネレータ20が配置される。
図2〜図5において、クラッチ室17及びマグネト室18はそれぞれ内部が露呈する状態が図示されているが、各々カバーが被着するようなっている。ミッション室16、クラッチ室17及びマグネト室18はエンジン10他部位との連通部等を除き、実質的に密閉空間として構成される。
次に、エンジン10の吸排気系において、先ず吸気側では前述のようにエアクリーナボックス117(図1)とエンジン10のシリンダヘッド14の間に吸気通路が配置構成される。この吸気通路はエンジン10のシリンダヘッド13に設けられたインテークポート21(図2)に接続され、その途中に吸気通路の一部としてスロットルボディが配置される。このスロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料タンク108から所定タイミングで所定量の燃料が供給されるようになっている。
また、吸排気系の排気側において、シリンダヘッド14に配設されたエキゾーストポート22(図4)にはエキゾーストパイプが接続され、エンジン10で生成された燃焼後の排気ガスがエキゾーストパイプを通って排気される。エキゾーストパイプは更に排気管としてエンジン10の後方へ延出し、マフラ(排気消音器)118(図1)が結合し、排気は最終的にマフラ118から排出される。
次に潤滑系において、図2に示されようにマグネト室18の下部付近にオイルポンプ23(スカベンジポンプ)が配置され、該マグネト室18内に溜まったオイルを吸引する。オイルポンプ23のオイル吐出側は、連通路25b(図8参照)を経由してミッション室16内で開口しており、即ちオイルポンプ23はマグネト室18にて吸い上げたオイルをミッション室18に供給する。ミッション室18にはオイルポンプ23と同心で、且つ同期回転する回転軸を有するオイルポンプ24(フィードポンプ)が配置されている。オイルポンプ24は、図4に示されるようにその一部(右側部位)がクラッチ室17の下部付近に露呈するように配置されるが、後述するオイル通路25を介してエンジン10の各部にオイルを供給するようになっている。
ここで図4に示されるように、オイルポンプ24のオイル吐出側はオイル通路25に接続されるが、先ずクラッチ室17内においてクラッチ室カバー(図示せず)の内側に形成されたオイル通路25Aからオイルフィルタ室26へ供給される。その後、連通孔25aを介してクランクケース11(右側)の内側に形成されたオイル通路へ至り、シリンダ13を通り(オイル通路25B)、更にシリンダヘッド14へと至る(オイル通路25C)。オイル通路25Cからはシリンダヘッド14内の動弁装置等にオイルを供給し、その供給されたオイルは主にマグネト室18等に落下して回収されるようになっている。
なお、この実施形態において上述のようにエンジン10は水冷式とし、このためラジエータ111を含む冷却系を備えている。エンジン10の前方に搭載されたラジエータ111によって冷却された冷却水は、なお図示を省略するが、ホースを通ってウォータポンプへと導かれ、ウォータポンプはその冷却水をホースを介して、エンジン10のシリンダブロック等に形成されたウォータジャケットへと給送する。これによりエンジン10の冷却が行われる。
さて、本発明に係るカムチェーン潤滑構造において先ず、エンジン10は所謂DOHC型であり、シリンダヘッド14において吸気側及び排気側それぞれにカムシャフト27,28を有する(図5,6参照)。本実施形態ではエンジン10の左側部位にてカムチェーン29が実質的に鉛直方向に装架され、このカムチェーン29を介してクランクシャフト12とカムシャフト27,28が連結される。この場合、シリンダ13及びシリンダヘッド14を含むシリンダブロックの左側部位に図2の点線により示すように、カムチェーントンネル30が構成される(図3(b)をも参照のこと)。このカムチェーントンネル30についても実質的に略鉛直方向に沿って配置構成される。
カムチェーン29まわりの具体的構成において、図6に示すように吸気側カムシャフト27の左端部にスプロケット31が固着し、排気側カムシャフト28の左端部にもスプロケット32が固着する。クランクシャフト12の左端部付近には図7あるいは図8にも示すようにドライブスプロケット33が固着し、スプロケット31,32とドライブスプロケット33との間にカムチェーン29が巻回装架される。なお、クランクシャフト12の左端部には図9のように、ジェネレータ20を構成するマグネトロータ20Bが固着する。
上記のように装架されるカムチェーン29の排気側領域には、その走行をガイドするカムチェーンガイド34が配置される。クランクシャフト12は図6の矢印B方向に回転し、従ってカムチェーンガイド34はカムチェーン29の所謂、張り側に配置される。カムチェーンガイド34は図9に示されるように、その横断面形状が概略H字状を呈し、カムチェーン29を両側部から囲むようにガイドする。なお、カムチェーンガイド34は典型的には合成樹脂製である。カムチェーンガイド34の下端部は図8に示されるように、クランクシャフト12の下方にてポケット状(円弧状)に突設された支持部35により支持される。カムチェーンガイド34は上部側はカムチェーントンネル30内に入り込んで、排気側のスプロケット32の近傍まで延設され、シリンダブロック(カムチェーントンネル30の内壁等)の適所に固定される。
一方、カムチェーン29の吸気側領域にはそのカムチェーンテンショナ36が配置される。カムチェーンテンショナ36の横断面形状も概略H字状を呈し、カムチェーン29に接触して張力を付与するようになっている。カムチェーンテンショナ36の下端部は図8に示されるように、クランクシャフト12の上方に配置された支軸37のまわりに回動可能に支持される。カムチェーントンネル30内には例えば図6に示すようなカムチェーンテンショナアジャスタ38が配設されており、このカムチェーンテンショナアジャスタ38はカムチェーンテンショナ36のカムチェーン29に対する押圧力を調整し、これによりカムチェーン29が常に適正走行するようにしている。
そして、本発明においてカムチェーンガイド34の背面側、即ちカムチェーンガイド34のカムチェーン29とは反対側において、図8に示すようにクランクケース11のマグネト室18側の側壁からマグネト室18内に突出するガイドリブ39が、カムチェーンガイド34に沿うように隣接して形成される。ここで、カムチェーントンネル30はその下端にて図10に示すようにマグネト室18に開口しており、その開口部位におけるカムチェーントンネル30の前部壁30a(図2をも参照)から連続するようにガイドリブ39の上端部39aが形成される。また、ガイドリブ39の下端部39bはカムチェーンガイド34の支持部35と滑らかに連続するように形成される。なお、ガイドリブ39の一部として支持部35を有する構成としてもよい。
このようにカムチェーントンネル30の下端部から支持部35までの間に連続するガイドリブ39が形成される。この場合、図9に示されるようにガイドリブ39のクランクケース11の側壁からの突出量もしくは突出高さh1(図10をも参照)は、カムチェーンガイド34と略同等程度とする。なお、図9においてはガイドリブ39の突出量h1は、カムチェーンガイド34よりも幾分低く図示されている。図9からも明らかなようにカムチェーンガイド34は、クランクケース11のマグネト室18側の側壁、ガイドリブ39及びマグネトロータ20B(のクランクケース11側の側面20Ba)によって3方から「コ」字状に囲まれるように配置される。
また、図8及び図10に示すようにドライブスプロケット33の下方において、クランクケース11のマグネト室18側の側壁からマグネト室18内に突出する典型的には円弧状のガイドリブ40(第2のガイドリブ)が形成される。ガイドリブ40は必ずしも円弧状でなくてもよいが、その曲率半径はドライブスプロケット33よりも大きく設定される。ここで、カムチェーン29がドライブスプロケット33と噛合する、その噛合領域はドライブスプロケット33の略下側半分の円周角θ≒180°程度の範囲である。ガイドリブ40は図8に示されるようにドライブスプロケット33の外周域において、かかる噛合領域に略対応するように延設される。このように(本例では円弧状に)延設されるガイドリブ40の一端部40aは、図10に示されるようにガイドリブ39を指向して延出し、両者が滑らかに接続もしくは結合する。
また、上述のようにカムチェーン29はドライブスプロケット33の略下側半分程度の範囲で噛合するが、図8に示されるようにガイドリブ40の一端部40a及び他端部40b共に、ドライブスプロケット33の少なくとも最下端部位よりも上方に位置する。
更に、図9に示されるようにガイドリブ40のクランクケース11の側壁からの突出量もしくは突出高さh2(図10をも参照)は、ガイドリブ39の突出高さh1よりも適度に低く設定される。この場合、図7及び図8等に示されるようにカムチェーンガイド34が取り付けられた際、ガイドリブ40の一端部40a側の部位は、カムチェーンガイド34の下側に潜り込むように配置される。
図8に示されるようにガイドリブ40の円弧状の略中央部付近に、チェーンガイド41が設けられる。このチェーンガイド41はドライブスプロケット33に噛合するカムチェーン29の最下端部位付近をガイドするように配置される。なお、図10等に示されるようにガイドリブ40の下側にはボス42が付設され、このボス42にボルト43によってチェーンガイド41を締着固定するようになっている(図7、図8)。
次に、上記のように構成された本発明のカムチェーン潤滑構造における作用について説明する。
先ずここで、オイルポンプ23(スカベンジポンプ)とオイルポンプ24(フィードポンプ)とを含んで構成される潤滑系において、セミドライサンプの潤滑方式が採用される。マグネト室18に滞留するオイルはオイルポンプ23によって吸引されるが、その油面はマグネトロータ20Bのオイル攪拌抵抗を減少させるべく低く設定されている。なお、オイル攪拌抵抗の減少によりエンジン出力の向上を図ることができる。一方、マグネト室18内のオイル油面を下げるとオイル絶対量が減少し、そのままではカムチェーン29等の潤滑に対して必ずしも有利ではない。
さて、オイル通路25を通ってシリンダヘッド14内の動弁装置に供給されたオイルは動弁装置まわりを潤滑して後、カムチェーントンネル30内を通ってマグネト室18へ落下していく。マグネト室18へ落下するオイル(の一部)は、ガイドリブ39により捕集され、その内側面に沿って流れ落ちる。この場合、カムチェーン29(引張り側)及びカムチェーンガイド34の周囲は、前述したようにガイドリブ39とクランクケース11の側壁とマグネトロータ20Bの側面20Baとによってコ字状に囲繞され、オイルがそのコ字の外側へ飛散するのが極力抑止される。ガイドリブ39に沿って流れ落ちたオイルは更に、ガイドリブ39に連なるガイドリブ40の内側に滞留する。
ガイドリブ40は、カムチェーン29とドライブスプロケット33の噛合領域に略対応して、ドライブスプロケット33の外周域に延設されているため、少なくともカムチェーン29及びドライブスプロケット33の噛合開始部位を含む両者の噛合部分の殆どを、ガイドリブ40の内側に滞留したオイルに浸漬させることができる。クランクシャフト12の回転に伴い、上述の噛合開始部位からカムチェーン29及びドライブスプロケット33間にオイルを噛み込ませ始め、更にガイドリブ40内側に滞留オイル内を通過することでカムチェーン29を極めて効率よく潤滑することができる。
上記の場合、図6に示されるようにクランクシャフト12及びドライブスプロケット33が矢印Bのように回転し、矢印Dのように回転するスプロケット31,32との間に巻回装架されたカムチェーン29は、矢印C1,C2,C3の軌道に沿って走行する。このようにスプロケット31,32やカムチェーン29の回転方向側へガイドリブ39を設けることで、これらの部材に付着したオイルをより捕集し易くし、オイル捕集性を更に高めることができる。
上述のように本発明において、クランクケース11の側壁とこの側壁から突出するクランクシャフト12の端部に取り付けたマグネトロータ20Bとの間にカムチェーン29が配設される。このカムチェーン29の引張り側に沿ってクランクケース11の側壁からガイドリブ39を突設することで、カムチェーントンネル30から落下してくるオイルを有効に捕集することができる。
この場合、クランクケース11の側壁、マグネトロータ20Bの側面及びガイドリブ39により、典型的にはコ字状にカムチェーン29を囲繞することでオイルを的確に捕集することが可能になる。
また、カムチェーン29の引張り側においてカムチェーンガイド34の背面側にガイドリブ39を隣接配置することで、オイルを的確に捕集すると共に円滑に流通させることが可能になる。
更に、クランクシャフト12に取り付けたドライブスプロケット33の外周域に沿って、クランクケース11の側壁からガイドリブ40を突設することで、ガイドリブ39によって捕集されたオイルを有効に滞留させることができる。
この場合、ガイドリブ40は、カムチェーン29及びドライブスプロケット33の噛合領域に略対応するように延設され、これによりオイルをカムチェーン29に対して極めて噛み込み易くし、潤滑効率を有効に高めることが可能になる。
ここで、本発明のカムチェーン潤滑構造において、上述のようにスカベンジポンプとしてのオイルポンプ23を有し、このスカベンジポンプから吐出されるオイルの一部を、カムチェーン29に対して噴射するようにしてもよい。
図8に示されるようにオイルポンプ23のオイル吐出側とミッション室16を繋ぐ連通路25bの途中に、オイル噴射ノズル44を接続する。このオイル噴射ノズル44は、好適にはカムチェーンテンショナ36の下端部とガイドリブ40の他端部40bの相互間の間隙を指向して配置される。この場合、オイルポンプ23からのオイル供給圧力に応じて、即ちそのオイル供給圧力が所定圧以上になったときオイル噴射ノズル44からオイルを噴射するようにする。カムチェーン29に対して図8の矢印Eのようにオイルを噴射することで、カムチェーン29に対する潤滑性を更に向上することができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
ガイドリブ39の突出高さh1やガイドリブ40の突出高さh2、あるいはガイドリブ40の延出長さ(円周長)等は、必要に応じて適宜設定可能である。
10 エンジン、11 クランクケース、12 クランクシャフト、13 シリンダ、14 シリンダヘッド、15 シリンダヘッドカバー、16 ミッション室、17 クラッチ室、18 マグネト室、19 クラッチ装置、20 ジェネレータ、20A ステータコイル、20B マグネトロータ、21 インテークポート、22 エキゾーストポート、23 オイルポンプ(スカベンジポンプ)、24 オイルポンプ(フィードポンプ)、25 オイル通路、26 オイルフィルタ室、27,28 カムシャフト、29 カムチェーン、30 カムチェーントンネル、31,32 スプロケット、33 ドライブスプロケット、34 カムチェーンガイド、35 支持部、36 カムチェーンテンショナ、38 カムチェーンテンショナアジャスタ、39 ガイドリブ、40 ガイドリブ40(第2のガイドリブ)、41 チェーンガイド。

Claims (4)

  1. クランクケースの側壁とこの側壁から突出するクランクシャフトの端部に取り付けた回転体との間に配設され、前記クランクシャフト及びシリンダヘッド内のカムシャフトを連結するカムチェーンと、前記クランクケースの一側に配置されるクラッチ室と、前記クランクケースの他側に配置されて前記回転体が収容されるマグネト室と、前記クラッチ室に配置されてエンジン各部にオイルを供給するフィードポンプと、シリンダ及び前記シリンダヘッドを含むシリンダブロックの側方にカムチェーントンネルを構成し、前記マグネト室に滞留するオイルを吸引するスカベンジングポンプとを有した自動二輪車エンジンにおいて、
    前記カムチェーントンネルはその下端にて前記マグネト室に開口しており、その開口部位における前記カムチェーントンネルの前部壁から連続するようにガイドリブの上端部を形成し、該ガイドリブの下端部はカムチェーンガイドの支持部と連続するように形成し、
    前記スカベンジングポンプの吐出側のオイル通路にオイル噴射ノズルを設けて、前記スカベンジングポンプから吐出されるオイルの一部を前記カムチェーンに噴射するようにしたことを特徴とする自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造。
  2. 前記クランクシャフトに取り付けたカムチェーン駆動用ドライブスプロケットよりも外周であって、前記カムチェーンと前記ドライブスプロケットとの噛合領域に対応して前記クランクケースの側壁から突設したガイドリブの一端部と、前記カムチェーンに接触して張力を付与するカムチェーンテンショナの下端部との相互間には間隙が形成され、前記オイル噴射ノズルは、前記間隙を指向して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造。
  3. 前記クランクケースの側壁、前記回転体の側面及び前記ガイドリブにより、前記カムチェーンを囲繞するように配置したことを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造。
  4. 前記オイル噴射ノズルは、前記スカベンジングポンプと複数のミッションギヤを格納するミッション室とを繋ぐオイル通路の途中に接続されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造。
JP2009181890A 2009-08-04 2009-08-04 自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造 Active JP5353538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009181890A JP5353538B2 (ja) 2009-08-04 2009-08-04 自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009181890A JP5353538B2 (ja) 2009-08-04 2009-08-04 自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011032977A JP2011032977A (ja) 2011-02-17
JP2011032977A5 JP2011032977A5 (ja) 2012-08-23
JP5353538B2 true JP5353538B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=43762291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009181890A Active JP5353538B2 (ja) 2009-08-04 2009-08-04 自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5353538B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6134242B2 (ja) * 2013-09-24 2017-05-24 本田技研工業株式会社 内燃機関のオイルレベルゲージ用通路

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6340510U (ja) * 1986-09-01 1988-03-16
JPH08218835A (ja) * 1995-02-17 1996-08-27 Nissan Motor Co Ltd エンジンのオイル戻し構造
JP4439972B2 (ja) * 2004-03-31 2010-03-24 川崎重工業株式会社 エンジンのブリーザ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011032977A (ja) 2011-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4698623B2 (ja) 内燃機関のブリーザ装置
JP3965960B2 (ja) 自動二輪車のブリーザ装置
US7690367B2 (en) Internal combustion engine and vehicle having the internal combustion engine
US8316816B2 (en) Internal combustion engine and vehicle having the internal combustion engine
JP3820970B2 (ja) 自動二輪車の潤滑油冷却構造
JP2007064081A (ja) 内燃機関
JP5117310B2 (ja) 内燃機関
JP5352257B2 (ja) 内燃機関
JP5203739B2 (ja) ベルト式無段変速機の冷却構造
JP4953901B2 (ja) 水冷式内燃機関のオイル冷却装置
JP2005256647A (ja) エンジンにおける潤滑構造
JP5353538B2 (ja) 自動二輪車エンジンのカムチェーン潤滑構造
EP2154340B1 (en) Internal Combustion Engine
JP2011105148A (ja) 車両用パワーユニット
JP3470355B2 (ja) ドライサンプエンジンのオイル通路
JP6102468B2 (ja) エンジンのブリーザ構造
JP5644853B2 (ja) エンジンのオイル通路構造
JP2011047366A (ja) 自動二輪車エンジンの潤滑装置
JP5823360B2 (ja) 内燃機関の潤滑油供給構造
JP7447762B2 (ja) 動力伝達機構の潤滑構造
JP2005233012A (ja) 内燃機関本体へのラジエータ取り付け構造
JP2011047370A (ja) エンジンのオイルドレイン構造
JP3835426B2 (ja) スクータ型車両
JPH11280490A (ja) 車両用エンジンのカムチェーンテンショナ装置
JP2006090241A (ja) 自動二輪車の4サイクルエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130812

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5353538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151