JP3833495B2 - 電気接続箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に多数のワイヤーハーネスが配索される場合に、それらワイヤーハーネスを集中的に接続・分配する電気接続箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される電気接続箱は、バスバーや電線を巡らせて所望の回路を構成した単層または複層の配線板を布線プレートに積層し、この布線プレートをアッパーカバーやアンダーカバーで覆って接続箱本体が概ね構成される。そして、このように布線プレートを収納した前記接続箱本体は、車両搭載時にエンジンルームなどに設置されたケース内に収納される。このとき、接続箱本体にはその前面に外付け用のヒューズやコネクタなどの電子部品が装着されるようになっている。また、接続箱本体を収納するケースは、アッパーケースとロアケースとに分割され、アッパーケースを開いた状態でロアケース内に接続箱本体を収容した後、その収容口をアッパーケースで覆うようになっている。
【0003】
ところで、このような電気接続箱では、車両仕様によって接続箱本体を縦置き状態でケースに収納する場合と、横置き状態でケースに収納する場合とが考えられる。このような縦置きおよび横置きの場合にあっても、それぞれ接続箱本体をケースにロックして固定する必要がある。このため、通常直方体状に形成される電気接続箱は、外付けのヒューズやコネクタの装着面となる表面およびその裏面を除いた側壁4面にそれぞれロック手段を設けて、縦置きした場合には一方向の対向側壁に設けたロック手段をケースに係合する一方、横置きした場合にはそれに直角方向となる対向側壁に設けたロック手段をケースに係合することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電気接続箱では、縦置きまたは横置きでケースに収納されることを考慮した場合に接続箱本体の側壁4面にロック手段が設けられるが、この接続箱本体を縦置きしたとき、横置きで係合されるロック手段は使用されない状態にあり、また、接続箱本体を横置きしたとき、縦置きで係合されるロック手段は使用されない状態にある。
【0005】
一方、ケースに収納された電気接続箱は、前記ロック手段を介してケースに係合されているとはいえ、車両走行時の振動で接続箱本体がケース内でガタ付くことがある。このガタ付きによる振動で電気接続箱内の配線や外付けのコネクタが接触不良を生じてしまう恐れがある。このため、接続箱本体とケースとの間には、接続箱本体のガタ付き防止用の部材を設ける必要があり、電気接続箱の構造が複雑化されてしまう。
【0006】
そこで、本発明は上記従来の課題を考慮して成されたもので、縦置きまたは横置きされる接続箱本体の使用されないロック手段を、この接続箱本体のガタ付き防止用として用いることにより、構造の簡素化を図ることができる電気接続箱を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、接続箱本体と、この接続箱本体を縦置きまたは横置きとして収納するケースとを備えた電気接続箱において、前記接続箱本体に、これの縦置き状態でケースの特定の内側面に係合するとともに、横置き状態でケースの他の内側面に当接する第1ロック手段と、横置き状態で前記特定の内側面に係合するとともに、縦置き状態で前記他の内側面に当接する第2ロック手段と、を設けたことを特徴としている。
【0008】
このように構成された請求項1記載の発明は、接続箱本体を縦置きとしてケースに収納した場合は第1ロック手段をケースの特定の内側面に係合し、また、接続箱本体を横置きとしてケースに収納した場合は第2ロック手段をその特定の内側面に係合することになる。そして、このように接続箱本体を縦置きした場合は、第2ロック手段がケースの他の内側面に当接するため接続箱本体のガタ付きを防止することができるとともに、接続箱本体を横置きした場合は、第1ロック手段がその他の内側面に当接するため接続箱本体のガタ付きを防止することができる。従って、接続箱本体の縦置きでは係合されない第2ロック手段を、横置きでは係合されない第1ロック手段をそれぞれ有効利用して接続箱本体のガタ付きを防止できるため、専用のガタ付き防止部材を余分に設ける必要がないため、電気接続箱の構成を簡素化することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気接続箱において、前記第1ロック手段および前記第2ロック手段は、前記他の内側面への当接反力に対して弾性力を備えたことを特徴としている。
【0010】
このように構成された請求項2記載の発明は、第1ロック手段または第2ロック手段がケースの他の内側面に当接して、横置き状態または縦置き状態にある接続箱本体のガタ付きを防止する際、第1ロック手段および前記第2ロック手段は当接反力に対して弾性力を備えるため、その当接反力を緩衝作用をもって受け止めることができ、接続箱本体を車両走行時の振動衝撃からより確実に保護することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図12は本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示し、図1は接続箱本体の分解斜視図、図2は接続箱本体の斜視図、図3は接続箱本体の平面図、図4は制御基板の各種電子部品を取り除いた基本構造の拡大斜視図、図5は制御基板を布線プレートに装着して圧接端子の圧接接続部分を断面して示す正面図、図6は基板コネクタの拡大斜視図、図7は図2中A−A線からの要部拡大断面図、図8は図5中B−B線からの要部拡大断面図、図9は図3中C−C線断面図、図10は制御基板の圧接端子と回路パターンとの接続構造を示す要部断面図、図11は布線プレートに配索される電線の説明図、図12は接続箱本体を縦置きでケースに収納する場合を示す斜視図、図13は接続箱本体を横置きでケースに収納する場合を示す斜視図である。
【0012】
<電気接続箱>
本実施形態の電気接続箱10は、図1に示すように、複層の配線板12a,12b,12cを積層した布線プレート12に制御基板15を搭載して、アッパーカバー11とアンダーカバー13との間に収納することにより、図2に示すように、接続箱本体14が構成され、この接続箱本体14を、図12に示すように、アッパーケース16とロアケース17とからなるケース18内に収納することにより構成される。
【0013】
<カバー>
アッパーカバー11は、これの周囲を取り囲む側壁11aが、アンダーカバー13の周囲を取り囲む側壁13aの上端部外周にロック爪13bを介して係脱自在に嵌合され、その内方に布線プレート12および制御基板15が収納される。
【0014】
アッパーカバー11はその図中上面が、図1,図2,図3に示すように、外付けとなるマイクロリレー20やハーフマイクロリレー21や2Mリレー22等の各種リレーやヒューズ23等の外付けの電子部品の装着面Eとなり、この装着面Eには前記マイクロリレー20やハーフマイクロリレー21や2Mリレー22等の各種リレー差込口11b,11c,11dが設けられていると共に、前記ヒューズ23のヒューズ装着部分としてのヒューズ差込口11eが設けられている。
【0015】
また、アッパーカバー11の片側(図3中左端部)には、不図示の相手コネクタを着脱自在に装着するコネクタ装着部分としての複数のコネクタ11f,11f…がまとまって設けられている。
【0016】
さらに、図2に示すように、前記アッパーカバー11のX方向の両側壁11aにロック手段としての第1ロック片24が突設されると共に、アンダーカバー13のY方向の両側壁13aにロック手段としての第2ロック片25が突設される。これら第1,第2ロック片24,25は、それぞれの側壁11a,13aから垂直に若干突出した後、それら側壁11a,13aと平行に延びて平行突出部分24a,25aとなり、全体として断面L字状に形成されている。
【0017】
従って、各第1,第2ロック片24,25の平行突出部分24a,25aには、側壁11a,13aの垂直方向に弾性力が付加されると共に、その外面には先端方向に向かって徐々に厚肉となる傾斜面24b,25bが形成され、その傾斜面24b,25bの先端部に段差状の係合部24c,25cが形成されている。
【0018】
そして、接続箱本体14をロアケース17に収納する際に(図12参照)、その接続箱本体14の収納方向(Y方向またはX方向)によって第1,第2ロック片24,25の一方がケース18内側の係合凸部に係合されるようになっている。
【0019】
すなわち、第1,第2ロック片24,25の係合は、接続箱本体14の収納時の落とし込みに伴って傾斜面24b,25bが前記係合凸部に押圧されると、平行突出部分24a,25aが一旦内方に撓み変形し、その後、接続箱本体14をロアケース17にさらに落とし込むことによってその係合凸部から傾斜面24b,25bが外れ、平行突出部分24a,25aが外方に復帰して係合部24c,25cが係合凸部に係合される。
【0020】
この状態では、前記平行突出部分24a,25aが、接続箱本体14の収納方向に対して逆方向、すなわち、上方に向けて突出している。従って、ロック解除時には、接続箱本体14とケース18との間に上方からドライバーなどの先の細い治具を差し込んでその治具先端を係合部24c,25c先端に引掛けて平行突出部分24a,25aを内方に撓ませることで、係合部24c,25cと係合凸部との係合が簡単に解除できるようになっている。
【0021】
また、前記第1,第2ロック片24,25の形成部分の近傍には、それぞれが断面L字状に突設される第1ガイド片11g,13cおよび第2ガイド片13dが形成されている。これら第1,第2ガイド片11g,13c,13dは、接続箱本体14をロアケース17に収納する際のガイドとなり、この接続箱本体14をケース18に対して所定位置にセットできるようになっている。
【0022】
<布線プレート>
前記布線プレート12は、図1に示すように、矩形状の逆皿となった多数の配線穴12dが形成された硬質樹脂プレートからなり、この布線プレート12上には3層の配線板12a,12b,12cが積層され、布線プレート12の裏面には複数の電線56,56…が配策されている。
【0023】
各配線板12a,12b,12cは、それぞれ端子部30,31,32を所定位置から上方に起立させたバスバーが配設されて所望の回路が構成されている。また、各配線板12a,12b,12cは、バスバーに一体成形されて所定位置から下方に起立された圧接端子部57を有している。
【0024】
下層の配線板12cの端子32は、その上方の配線板12a,12bを貫通して上層の配線板12a上面に突出すると共に、中層の配線板12bの端子31は上層の配線板12を貫通して突出し、各配線板12a,12b,12cは相互に重ね合わされる。このとき、各配線板12a,12b,12cの圧接端子部57は、配線穴12dkら布線プレート12の裏面に取り出され、図8に示すように、電線56,56…に圧接接続される。従って、布線プレート12には、各配線板12a,12b,12cおよび電線56,56…により所望の回路が形成される。
【0025】
<制御基板>
制御基板15は、絶縁板15aにリレー40,抵抗41,コイル42および制御回路を構成する素子43等の各種電子部品が取り付けられると共に、その長さ方向端部に基板コネクタ44が設けられている。この制御基板15は起立状態で配置され、その前面下端部(図中手前側)には、図4に示すように、これの平面方向に対して略直角方向に端子台50が装着される。そして、この端子台50の垂直外面50a(図中下面)に、前記布線プレート裏の電線56,56…を介して各配線板12a,12b,12cの所定回路に接続される所要数の圧接端子51,51…が突設されている。
【0026】
制御基板15に取り付けられる各種電子部品は、リレー40,抵抗41,コイル42によってパワー部Pが構成されると共に、素子43によって制御部Cが構成され、図5に示すように、発熱量の大きなパワー部Pは絶縁板15aの長さ方向片側(図1中手前側)にまとめて配置されていると共に、発熱量の小さな制御部Cは絶縁板15aの長さ方向他側(図1中向こう側)にまとめて配置されている。
【0027】
そして、発熱量の大きなパワー部Pを構成するリレー40,抵抗41,コイル42と発熱量の小さな制御部Cを構成する素子43とは、細い回路パターン46(図10参照)で接続されるようになっている。この回路パターン46は一般に知られるように、絶縁板15aに導体をプリントして形成され、そのプリント幅の大小によって回路パターン46の太い細いが決定されるようになっている。
【0028】
<基板コネクタ>
前記基板コネクタ44は、図6に示すように、前記制御基板15から独立して設けられ、これに形成された差込口44aに不図示の相手側コネクタが差し込まれるようになっている。差込口44a内には相手側コネクタに接続される複数の端子44b,44b…の一端部が突出されている。これら端子44b,44b…の他端部は差込口44aの図中下方となる外方に突出し、それぞれの先端部は制御基板15に対して垂直となる方向に整然と折曲されている。
【0029】
そして、基板コネクタ44は、図7に示すように、背面側に設けられた突起44cを、制御基板15の絶縁板15aに形成した不図示の嵌合穴に圧入しつつ、前記端子44b,44b…の先端部を制御基板15に挿入して所定の回路パターンに接続する。このとき、基板コネクタ44の差込口44aの開口部分は、アッパーカバー11に形成された開口部11hから外方に臨ませてある。
【0030】
<リレー>
また、前記リレー40は電磁ソレノイドを用いた機械式が採用され、この電磁ソレノイドでオン・オフ切換えする構造となって、その電磁ソレノイドでの発熱量が大きくなっている。そこで、前記リレー40は、図8に示すように、後述するリレー保持板45に支持されることにより、制御基板15の絶縁板15aから所定間隔δを設けて浮かせて取付けるようになっている。
【0031】
そして、このように浮かせて取り付けたリレー40は、それぞれの電源端子40a,40bにリード線40c,後述する所定の圧接端子51が接続され、そのリード線40cは、リレー40から絶縁板15aに至る間で一旦絶縁板15aと平行に延長して長く突出させ、その突出により露出した部分の先端部を絶縁板15a側に折曲させて回路パターン46に半田付け47aしてある。この場合、この露出したリード線40cが放熱機能を備えることができる。
【0032】
<端子台>
端子台50は、その長さ方向の略中央部から2分割されて第1分割台50bと第2分割台50cとで構成される。これら第1,第2分割台50b,50cの互いに隣接される端部は、図4に示すように、互いに重ね合わされて重ね合わせ部分52となっている。そして、端子台50は、これの両端部と前記重ね合わせ部分52が、図9に示すように、前記布線プレート12裏面から挿通される締結部材としてのビス53によって、この布線プレート12に締付け固定される。このとき、前記重ね合わせ部分52は、図5に示すように、1本のビス53によって共締めされる。
【0033】
前記第1分割台50bの垂直内面50dには、制御基板15の絶縁板15aと平行にリレー保持板45が設けられている。このリレー保持板45には前記リレー40の配置部分に対応して窓部45aが形成され、これら窓部45aに前記リレー40を嵌合して保持することにより、絶縁板15aから浮かせて取り付けたリレー40が安定的に保持されるようになっている。
【0034】
<圧接端子>
端子台50の垂直外面50aから一側が突設された圧接端子51,51…は、図4に示すように、他側に端子台50に上方から突出した導通線部54,54…を有している。この導通線部54,54…は、制御基板15の絶縁板15aに向かって直角に折曲した後にこの絶縁板15aを貫通し、図10に示すように、その貫通部分を制御基板15の回路パターン46に半田付け47するようになっている。
【0035】
また、上述したリレー40に接続される所定の圧接端子51は、図8に示すように、他側がリレー保持部45を貫通して窓部45a内に突出している。
【0036】
前記圧接端子51,51…は、図1に示すように、布線プレート12に形成された差込口55,55…から挿入される。そして、差込口55,55…から差し込まれた圧接端子51,51…は、図5に示すように、前記電線56,56…の端末に圧接接続される。
【0037】
このとき、端子台50の垂直外面50aは布線プレート12の上面に当接し、この状態で前記ビス53によって締付け固定される。このように、端子台50を布線プレート12に固定した状態では、この端子台50が制御基板15の絶縁板15aに対して略直角であるため、この制御基板15は布線プレート12に対して垂直に搭載される。
【0038】
<アッパーカバーの膨出部分>
前記アッパーカバー11は、図1,図2に示すように、装着面Eの制御基板15が配置される側の一側縁部分(図1,2中向こう側部分)に、リレー差込口11b,11c,11dおよびヒューズ差込口11eに装着される外付けの各種リレー20,21,22およびヒューズ23より突出量hが大きくなる膨出部分60を形成する一方、図9に示すように、この膨出部分60内方には前記制御基板15を収納するようになっている。
【0039】
膨出部分60は、図9に示すように、アッパーカバー11の各種リレー差込口11b,11c,11dと制御基板15とを遮蔽する遮熱壁60aと、この遮熱壁60aから連続する天井壁60bと、制御基板15の裏側を覆う背面壁60cとによって断面コ字状に形成され、図2に示すように、その両側方は側壁60dによって閉止される。
【0040】
また、制御基板15には、図5に示すように、リレー40や抵抗41やコイル42等の発熱量の大きなパワー部Pと、制御回路を構成する素子43等の発熱量の小さな制御部Cとが分離されて配置されるが、前記膨出部分60の内方には、図9に示すように、パワー部Pと制御部Cとの間に挿入されて、これらパワー部Pと制御部Cとを遮蔽する遮熱仕切壁60eが設けられている。尚、この遮熱仕切壁60eは図5中2点鎖線で示してある。
【0041】
従って、アッパーカバー11とアンダーカバー13との間に制御基板12を収納した状態では、前記膨出部分60が制御基板15の外側を覆うと共に、前記遮熱仕切壁60eが制御基板15の発熱量の大きな部分と発熱量の小さな部分との境界部分に挿入される。
【0042】
<ケース>
上述したケース18は、アッパーケース16とロアケース17とからなり、アッパーケース16の側壁16aがロアケース17の側壁17aの外周に嵌合され、アッパーケース16側のロック爪16bがロアケース17の係止突起17bに係脱自在に係合されることにより、アッパーケース16はロアケース17の収容口17iを着脱自在に覆うようになっている。
【0043】
そして、図12に示す縦置きの場合は、ロアケース17の収容口17iから接続箱本体14を、これのY方向(図2参照)が上下に配置(この状態を縦置きとする)されるようにして収容し、その上方からアッパーケース16を被せてロアケース17に嵌合するようになっている。
【0044】
また、図13に示す横置きの場合は、ロアケース17の収容口17iから接続箱本体14を、これのX方向(図2参照)が上下に配置(この状態を横置きとする)されるようにして収容し、その上方からアッパーケース16を被せてロアケース17に嵌合するようになっている。
【0045】
<縦置きタイプのケース>
図12に示す接続箱本体14が縦置きされるケース18では、アッパーケース16およびロアケース17が、接続箱本体14のアッパーカバー11にまとまって設けられたコネクタ11f,11f…および基板コネクタ44に対応する部分をそれぞれ切欠いた開口部16c,17cを有している。これら開口部16c,17cは、アッパーケース16とロアケース17とを互いに嵌合した際に1つの開口部分18aとなる。
【0046】
開口部16c,17c間には、アッパーケース16およびロアケース17から独立した閉止部材61が設けられ、この閉止部材61は、アッパーケース16とロアケース17とを嵌合した際に開口部16c,17c間を閉止する。閉止部材61は、これのロック爪61aがロアケース17の係止突起17dに係脱自在に固定される。
【0047】
このとき、開口部17cの下側に形成される上向きの半円筒部分17eと、閉止部材61の下側に形成される下向きの半円頭部分61bとが筒状に合体して、前記コネクタ11f,11f…および基板コネクタ44に結合される不図示の相手側コネクタのワイヤーハーネスをまとめて通すようになっている。また、ロアケース17には取付け脚17fが垂設されている。
【0048】
そして、ケース18に接続箱本体14を収納する際、図12に示すように、まず、ロアケース17に接続箱本体14を膨出部分60が上方に配置されるようにして収納し、その上からアッパーケース16をロアケース17の外周に嵌合して、ロック爪16bと係止突起17bとを係合させる。そして、開口部分18aから接続箱本体14のコネクタ11f,11f…および基板コネクタ44に相手側コネクタを結合した後、ワイヤーハーネスを上下半円筒部分61b,17e間に配索しつつ、閉止部材61を開口部分18aに配置してロック爪61aを係止突起17dに係合させる。
【0049】
また、ケース18内に接続箱本体14を収納した際、アッパーカバー11の装着面Eがロアケース17の前面17gに配置されて、装着面Eのヒューズ差込口11eがロアケース17の前面17gの上端部右半部(図中2点鎖線で示す)に位置するが、この上端部右半部を予め切除して、ヒューズ差込口11eが露出する切除部分17hを形成してある。また、アッパーケース16の前面下端部には、前記切除部分17hを覆う閉止部分16dを設けてある。
【0050】
そして、接続箱本体14を縦置きとしてロアケース17に上方から差し込んで収納し、アッパーケース16で閉止した際、接続箱本体14のX方向(図2参照)両側壁11a,13aの第1ロック片24が、ロアケース17の特定の内側面となる両内側に設けられた不図示の係合凸部に係合されると共に、接続箱本体14のY方向(図2参照)両側壁11a,13aの第2ロック片25が、平行突出部分25bの外側面(傾斜面24bの最厚肉部分)を介してアッパーケース16の他の内側面となる天井内側に弾力的に当接し、ケース18内で接続箱本体14が上下にガタ付くのが防止されるようになっている。
【0051】
<横置きタイプのケース>
図13に示す接続箱本体14が縦置きされるケース18は、電気接続箱10aの装着面Eに対向するロアケース17の前面をそっくり無くして切除部分17hとし、アッパーケース16を取り外した際に、この切除部分17hに電気接続箱10aのヒューズ差込口11eが大きく露出するようになっている。
【0052】
一方、アッパーケース16には、これの前面を全体的に下方に延設して前記切除部分を覆う閉止部分16dとしてある。
【0053】
前記ロアケース17の底面17jは前記切除部分の形成端となるが、この底面17jの前端縁17kは、中央部が凹設されるように湾曲される一方、アッパーケース16の閉止部分16dは外方に膨出される湾曲面として形成され、その閉止部分16dの先端縁16eは外方に凸設されるように湾曲されている。
【0054】
従って、アッパーケース16とロアケース17とを嵌合した状態では、ケース18の下端部に、前記閉止部分16dの先端縁16eと前記底面17jの前端縁17kとの間に紡錘形となる開口部が形成され、この開口部が外付けとなる前記相手コネクタに接続された不図示のワイヤーハーネスを通す自在配索口26となっている。
【0055】
そして、接続箱本体14を横置きとしてロアケース17に上方から差し込んで収納し、アッパーケース16で閉止した際、接続箱本体14のY方向(図2参照)両側壁11a,13aの第2ロック片25が、ロアケース17の特定の内側面となる両内側に設けられた不図示の係合凸部に係合されると共に、接続箱本体14のX方向(図2参照)両側壁11a,13aの第1ロック片24が、平行突出部分25bの外側面(傾斜面24bの最厚肉部分)を介してアッパーケース16の他の内側面となる天井内側に弾力的に当接し、ケース18内で接続箱本体14が上下にガタ付くのが防止されるようになっている。
【0056】
(作用)
このような本実施形態の電気接続箱10では、制御部となる制御基板15を布線プレート12に搭載して、これをアッパーカバー11とアンダーカバー13との間に収納して接続箱本体14を構成し、この接続箱本体14をアッパーケース16とロアケース17とからなるケース18内に収納して前記電気接続箱10が構成される。この電気接続箱10は、ロアケース17が取付け脚17fを介して不図示の車両のエンジンルーム内に取り付けられ、車両に装備される各種電装部品の不図示のワイヤーハーネスが集中的に接続される。
【0057】
ところで、本実施形態では、接続箱本体14のX方向の両側壁11aに第1ロック片24を設けると共に、Y方向の両側壁11a,13aに第2ロック片25を設けてあり、図12に示すように、接続箱本体14を縦置きとしてロアケース17に収容した際に、前記第1ロック片24がロアケース17の両内側に係合されると共に、図13に示すように、接続箱本体14を横置きとしてロアケース17に収容した際に、前記第2ロック片25がロアケース17の両内側に係合される。
【0058】
このとき、本実施形態では接続箱本体14を縦置きした場合に係合されない第2ロック片25がアッパーケース16の天井内側に当接して、接続箱本体14のケース18内でのガタ付きを防止するようになっており、また、接続箱本体14を横置きした場合に係合されない第1ロック片4がアッパーケース16の天井内側に当接して、同様に接続箱本体14のケース18内でのガタ付きを防止するようになっている。
【0059】
従って、接続箱本体14の縦置きでは係合されない第2ロック片25を、横置きでは係合されない第1ロック片24をそれぞれ有効利用して、接続箱本体14のガタ付きを防止できるため、専用のガタ付き防止部材を余分に設ける必要がなく、電気接続箱10の構成を簡素化することができる。
【0060】
また、前記第1ロック片24および第2ロック片25は、アッパーケース16の天井内側に当接する平行突出部分24b,25bに弾性力を備えているため、その天井内側との当接反力を緩衝作用をもって受け止めることができ、接続箱本体14を車両走行時の振動衝撃からより確実に保護することができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明にかかる電気接続箱では、接続箱本体の縦置き状態でケースの特定の内側面に係合する第1ロック手段が、接続箱本体の横置き状態でケースの他の内側面に当接してガタ付きを防止し、かつ、接続箱本体の横置き状態で前記特定の内側面に係合する第2ロック手段が、接続箱本体の縦置き状態で前記他の内側面に当接してガタ付きを防止するようになっている。
【0062】
このため、接続箱本体の縦置きでは係合されない第2ロック手段を、横置きでは係合されない第1ロック手段をそれぞれガタ付き防止用として有効利用できる。
【0063】
この結果、専用のガタ付き防止部材を余分に設ける必要が無くなって、電気接続箱の構成を簡素化することができる。
【0064】
請求項2の発明にかかる電気接続箱によれば、請求項1の発明の効果に加えて、第1ロック手段および第2ロック手段に、前記他の内側面への当接反力に対して弾性力を備えたので、第1ロック手段または第2ロック手段がケースの他の内側面に当接して接続箱本体のガタ付きを防止する際、その当接反力を緩衝作用をもって受け止めることができる。このため、接続箱本体を車両走行時の振動衝撃からより確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す接続箱本体の分解斜視図である。
【図2】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す接続箱本体の斜視図である。
【図3】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す接続箱本体の平面図である。
【図4】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す制御基板の各種電子部品を取り除いた基本構造の拡大斜視図である。
【図5】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す制御基板を布線プレートに装着して圧接端子の圧接接続部分を断面して示す正面図である。
【図6】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す基板コネクタの拡大斜視図である。
【図7】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す図2中A−A線からの要部拡大断面図である。
【図8】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す図5中B−B線からの要部拡大断面図である。
【図9】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す図3中C−C線断面図である。
【図10】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す制御基板の圧接端子と回路パターンとの接続構造を示す要部断面図である。
【図11】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す布線プレートに配索される電線の説明図である。
【図12】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す接続箱本体を縦置きでケースに収納する場合の斜視図である。
【図13】本発明にかかる電気接続箱の一実施形態を示す接続箱本体を横置きでケースに収納する場合の斜視図である。
【符号の説明】
10 電気接続箱
14 接続箱本体
16 アッパーケース
17 ロアケース
18 ケース
24 第1ロック片(第1ロック手段)
25 第2ロック片(第2ロック手段)
Claims (2)
- 接続箱本体と、この接続箱本体を縦置きまたは横置きとして収納するケースとを備えた電気接続箱において、
前記接続箱本体に、これの縦置き状態でケースの特定の内側面に係合するとともに、横置き状態でケースの他の内側面に当接する第1ロック手段と、横置き状態で前記特定の内側面に係合するとともに、縦置き状態で前記他の内側面に当接する第2ロック手段とを設けたことを特徴とする電気接続箱。 - 請求項1に記載の電気接続箱において、
前記第1ロック手段および前記第2ロック手段は、前記他の内側面への当接反力に対して弾性力を備えたことを特徴とする電気接続箱。
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