JP3417546B2 - 電気接続箱 - Google Patents

電気接続箱

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路基板とそ
の端子を台座に固定し、台座内でバスバー配線板のバス
バー端子と接続させる電気接続箱に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図６〜図７は、特開平９−１７２７２０
号公報に記載された従来の電気接続箱を示すものであ
る。この電気接続箱６０は、アッパケース６１（図７）
とロアケース６２の間に、バスバー配線板６３を積層配
置すると共に、バスバー配線板６３の片半部上に台座６
４を介して電子回路基板６５を収容し、電子回路基板６
５とバスバー配線板６３とを中継端子６６を介して接続
させるものである。
【０００３】ロアケース６２には電子回路基板６５を載
せる支柱６７が立設されており、各支柱６７の間にバス
バー配線板６３が収容される。バスバー配線板６３のバ
スバー６８からは複数のタブ端子６９が立設されてい
る。電子回路基板６５の周縁部には、図示しないプリン
ト回路に続く複数の端末部７０が形成されている。端末
部７０に中継端子６６の一方の接触部が接続される。中
継端子６６はハウジング７１内に収容され、その状態で
端末部７０に向けて側方から接続される。ハウジング７
１は電子回路基板６５の両側に配置される。中継端子６
６の他方の接触部にはバスバー６８のタブ端子６９が接
続される。一方の接触部と他方の接触部とは直交して位
置している。
【０００４】電子回路基板６５には、ダイオードやノイ
ズフィルタやライト消し忘れ及びキー抜き忘れ防止用の
ブザーといった各種部品が実装されている。バスバー６
８のタブ端子６９に接続された第二の中継端子７２がア
ッパケース６１（図７）のヒューズ接続キャビティ７３
内に位置する。アッパケース６１のコネクタ部７４に外
部からワイヤハーネス（図示せず）が接続される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構造にあっては、バスバー配線板６３と電子回路基
板６５との接続に、プリント回路の端末部７０と中継端
子６６の一方及び他方の各接触部とバスバー６８のタブ
端子６９といった多くの接続部分を要するために、部品
点数が増し、構造が複雑化すると共に、多くの接続工数
や組立工数を要し、且つ電気的接触抵抗が増大するとい
う懸念があった。また、中継端子６６の構造が複雑であ
るため、部品コストが高くつくという懸念があった。ま
た、中継端子６６をハウジング７１内に収容するのに多
くの工数がかかるという懸念があった。また、ハウジン
グ７１を電子回路基板６５の外周の二方向ないしは最大
で四方向に配置するために、構造が複雑且つ肥大化する
という懸念があった。また、プリント回路の端末部７０
を電子回路基板６５の外周部に配置しなければならず、
且つ電子回路基板６５の外周部に対向してバスバー６８
のタブ端子６９を配置しなければならないために、回路
配索及び接続位置の自由度が制限され、それによっても
構造が複雑化、大型化するという懸念があった。また、
バスバー配線板６３の片半部において台座６４の下側に
はバスバー６８のタブ端子６９を配置できないために、
台座６４の内側にデッドスペースを生じ、それによって
も電気接続箱自体が肥大化するという懸念があった。ま
た、電子回路基板６５をバスバー配線板６３よりも一段
高く配置するために、アッパケース６１の表面側が段付
きになり、形状が限定されてしまうという懸念があっ
た。
【０００６】本発明は、上記した点に鑑み、バスバー配
線板と電子回路基板との接続のための構造を簡素化、コ
ンパクト化、低コスト化させ、組付接続を容易化させ、
且つ少ない接触部（接点）で電気的接続の信頼性を増加
させ、さらに回路配索や接続位置の自由度を増大させる
ことのできる電気接続箱を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、接続箱本体内にバスバー配線板と電子回
路基板とが収容され、該バスバー配線板と該電子回路基
板との間に台座が位置し、該バスバー配線板と該電子回
路基板とが相互に接続され、且つ該接続箱本体のコネク
タ部を介して外部に接続される電気接続箱において、前
記台座は第一のブロック部と第二のブロック部とを備
え、該第一のブロック部に第一の端子が、該第二のブロ
ック部に第二の端子がそれぞれ固定して設けられ、該第
一の端子と該第二の端子との各一方が前記電子回路基板
に接続され、該第一の端子の他方が前記バスバー配線板
を貫通して前記コネクタ部内に位置し、該第二の端子の
他方が、該第二のブロック部内の収容部に位置して、該
バスバー配線板のバスバー端子に接続されることを特徴
とする（請求項１）。前記電子回路基板が前記台座に固
定されたことも有効である（請求項２）。また、前記コ
ネクタ部側に前記バスバー配線板が配置されたことも有
効である（請求項３）。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。図１〜図５は、本発明に係る
電気接続箱の一実施例を示すものである。図１に示す如
く、電気接続箱１は、合成樹脂製のアッパケース２とロ
アケース３と、両ケース（接続箱本体）２，３の間に配
設される台座組立回路体４とを含むものである。
【０００９】図２にも示す如く、台座組立回路体４は、
絶縁樹脂製の台座５と、台座５に圧入固定され、一方の
タブ部６ａを上方に突出した複数本のタブ状の第一の端
子６（図４）と、台座５の下端に接合され、第一の端子
６の他方の接続部６ｃ（図４）に接続された電子回路基
板７とを含むものである。台座５は、上壁８と、前後左
右の周壁９と、脚部である支柱１０とを一体に備えてい
る。
【００１０】電子回路基板７は、絶縁板１１にプリント
回路（図示せず）をパターン形成し、プリント回路にダ
イオード１２、抵抗１３、リレー１４、コンデンサ１
５、サーミスタ１６といった電子部品をハンダ接続した
ものである。電子回路基板７は小ネジ１７で台座５に固
定される。１８は小ネジ挿通孔であり、台座５の支柱１
０の孔１９に雌ネジが形成されている。第一の端子６の
タブ部６ａは台座５の上壁８の凹部２０内に植設され、
アッパケース２側に突出している。台座５の上壁８の要
所にはキャビティ２１が設けられ、キャビティ２１内
に、後述する第二の端子２２（図４）が突出して位置し
ている。第二の端子２２は後述するバスバー２３（図
４）に接続される。台座５と第一及び第二の端子６，２
２とで台座副組立体２６が構成される。
【００１１】図１で、アッパケース２には、第一の端子
６のタブ部６ａを収容するコネクタ部２７と、後述する
バスバー配線板２５（図３）のバスバー端子２８を収容
するコネクタ部２９やヒューズ接続用のキャビティ３０
等が形成されている。また、ロアケース３には、台座組
立回路体４に対する収容凹部３１が形成されている。３
２は、電子回路基板７を支持するリブである。ロアケー
ス３には、バスバー配線板２５（図３）のバスバー端子
３３を突出させるコネクタ部３４が形成されている。ア
ッパケース２とロアケース３とは係止部３５で相互に固
定され、外側の係止部３６で図示しない車体側のブラケ
ットに固定される。
【００１２】アッパケース２と台座組立回路体４との間
には図３に示すようなバスバー配線板２５が配設され
る。バスバー配線板２５は絶縁板２４とバスバー２３と
で構成される。絶縁板２４には、台座組立回路体４（図
１）の第一の端子６のタブ部６ａに対する挿通用の開孔
３７が設けられている。バスバー２３には音叉型の挟持
端子（バスバー端子）２８やタブ端子３３がそれぞれ上
下に突設されている。バスバー間の鎖線で示す空間３８
に第一の端子６（図１）のタブ部６ａが位置する。
【００１３】図４〜図５に電気接続箱１の組立状態を示
す如く、台座組立回路体４の上にバスバー配線板２５が
積層配置され、バスバー配線板２５の上にアッパケース
２の上壁３９が位置している。電子回路基板７は台座５
の支柱１０に小ネジ１７で固定された状態で、ロアケー
ス３のリブ３２の上に載置されている。
【００１４】台座５の内側には長方形の柱状の第一のブ
ロック部４０が一体に形成され、第一のブロック部４０
のスリット状の孔４１に第一の端子６の長手方向中間部
が圧入により固定されている。なお、第一の端子６を第
一のブロック部４０にインサート成形で固定することも
可能である。第一のブロック部４０内にはタブ部６ａの
基部側において空部（凹部）４２が形成され、タブ部６
ａの位置ずれや撓みの吸収が図られている。第一のブロ
ック部４０は付設の支柱１０等で電子回路基板７に安定
に支持されている。
【００１５】第一の端子６の上半部であるタブ部６ａは
絶縁板２４の開孔３７を通って、アッパケース２のコネ
クタ部２７内に位置している。コネクタ部２７の底壁４
３にはタブ部６ａに対する挿通孔４４が形成されてい
る。バスバー配線板２５はアッパケース２と台座５との
間で挟持されている。
【００１６】図５の如く、第一の端子６の下半部はタブ
部６ａよりも細幅に形成され、この細幅部６ｂの両側
に、第一のブロック部４０の中実部４０ａに対する圧入
停止用の突部４５と抜止め用の突部４６とが長手方向に
間隔をあけて形成されている。これは第二の端子２２に
おいても同様である。細幅部６ｂの先端にはピン状の接
続部６ｃが形成されており、接続部６ｃが電子回路基板
７を貫通して、ハンダ４７でプリント回路（図示せず）
に接続固定されている。第一のブロック部４０と電子回
路基板７との間の空間４８に第一の端子６の細幅部６ｂ
が露出され、細幅部６ｂの位置ずれや熱歪みの吸収が図
られている。
【００１７】図４，図５において、第一の端子６を固定
するブロック部４０とは別個にあるいは一体に、第二の
端子２２を固定する矩形柱状の第二のブロック部４９が
台座５に一体に形成されている。第二のブロック部４９
は、上壁８から掘り下げられたキャビティ（収容部）２
１を有し、キャビティ２１の底壁５０に第二の端子２２
の中間部２２ｂが圧入固定され、キャビティ２１内に第
二の端子２２の上半部であるタブ部２２ａが突出して位
置している。底壁５０の下側には空間５１あるいは空部
５２が形成され、第二の端子２２のやや細幅な下半部が
空間５１あるいは空部５２を経て、先端の接続部２２ｃ
が電子回路基板７を貫通して、ハンダ４７でプリント回
路（図示せず）に接続されている。第二のブロック部４
９は脚部５３等で電子回路基板７に安定に支持されてい
る。
【００１８】第二のブロック４９のキャビティ２１には
バスバー２３の挟持端子（バスバー端子）２８が下向き
に挿入され、第二の端子２２と直交して接続される。挟
持端子２８は一対の挟持片２８ａを有し、一対の挟持片
２８ａで第二の端子２２のタブ部２２ａを板厚方向に挟
むようにして接続する。
【００１９】このように、バスバー配線板２５がバスバ
ー２３の挟持端子２８と第二の端子２２とを介して電子
回路基板７に接続され、電子回路基板７が第一の端子６
を介して外部のワイヤハーネス（図示せず）のコネクタ
に接続される。
【００２０】上記実施例によれば、バスバー２３と挟持
端子２８とが一体であるから、電気的接触抵抗がゼロで
あり、従来の中継端子を用いる構造に較べて電気的ロス
がなく、且つ接点数も少なく、電気的接続の信頼性が高
まる。また、第一及び第二の端子６，２２は、従来の中
継端子とは違って、電子回路基板７の所要の部位に配設
することができるから、バスバー２３やプリント回路の
配索長が長くなるといった無駄がなく、構造が簡素化、
コンパクト化される。また、バスバー配線板２５がアッ
パケース２の直下にあり、且つ第一，第二の端子６，２
２がバスバー配線板２５を貫通してアッパケース２側に
突出するから、従来（図７）のように電子回路基板７を
上方に分離させる必要がなく、各種キャビティ３０やコ
ネクタ部２７，２９のあるアッパケース２の上壁３９が
段付きなく平面的に形成され、形状が簡素化される。ま
た、台座５内に第二の端子２２が収容され、台座５内で
バスバー２３の挟持端子２８との接続が行われると共
に、台座５内のスペースに電子回路基板７の各種電子部
品１２〜１６が配設され、台座５内のスペースが有効に
活用されて、接続に必要な主要部分が台座５内に集約さ
れたから、構造がコンパクト化される。
【００２１】
【発明の効果】以上の如くに、請求項１記載の発明によ
れば、台座に第一，第二の各端子が固定され、且つ第一
の端子が台座を貫通して位置し、第二の端子が台座内に
収容され、台座内でバスバー端子と接続されるから、台
座内のスペースが有効活用され、構造がコンパクト化さ
れる。また、従来の中継端子やハウジングを用いずに、
バスバー端子と第二の端子とを直接接続させるから、接
点が少なく電気的接続の信頼性が向上し、且つ構造が簡
素化され、部品コストが低減され、組付接続作業も容易
化する。また、第一及び第二の端子を台座の所要の箇所
に設けることができるから、接続位置や回路配索や部品
配置の自由度が増し、それによっても構造が簡素化、コ
ンパクト化される。また、請求項２記載の発明によれ
ば、台座と第一及び第二の端子と電子回路基板とを総組
立した状態で接続箱本体に組み付けることができるか
ら、組立作業性が向上する。また、請求項３記載の発明
によれば、電子回路基板に邪魔されずに、接続箱本体の
表面側にバスバー配線板のバスバー端子を突出させるこ
とができるから、バスバー端子の配置やバスバーの配索
や接続箱本体の形状の自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る電気接続箱の一実施例を示す分解
斜視図である。
【図２】電気接続箱内に収容する台座組付回路体を示す
分解斜視図である。
【図３】電気接続箱内に収容するバスバー配線板を示す
分解斜視図である。
【図４】電気接続箱の組立状態を示す縦断面図である。
【図５】図４のＡ−Ａ相当断面図である。
【図６】従来の電気接続箱の内部構造を示す分解斜視図
である。
【図７】同じくロアケース組立体にアッパケースを装着
する状態の分解斜視図である。
【符号の説明】
１ 電気接続箱 ２ アッパケース（接続箱本体） ３ ロアケース（接続箱本体） ５ 台座 ６ 第一の端子 ７ 電子回路基板 ２１ キャビティ（収容部） ２２ 第二の端子 ２５ バスバー配線板 ２７ コネクタ部 ２８ 挟持端子（バスバー端子）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−181610（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−308049（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−261821（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−68420（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H02G 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 接続箱本体内にバスバー配線板と電子回
    路基板とが収容され、該バスバー配線板と該電子回路基
    板との間に台座が位置し、該バスバー配線板と該電子回
    路基板とが相互に接続され、且つ該接続箱本体のコネク
    タ部を介して外部に接続される電気接続箱において、前記台座は第一のブロック部と第二のブロック部とを備
    え、該第一のブロック部に第一の端子が、該第二のブロ
    ック部に第二の端子がそれぞれ固定して設けられ、 該第
    一の端子と該第二の端子との各一方が前記電子回路基板
    に接続され、該第一の端子の他方が前記バスバー配線板
    を貫通して前記コネクタ部内に位置し、該第二の端子の
    他方が、該第二のブロック部内の収容部に位置して、該
    バスバー配線板のバスバー端子に接続されることを特徴
    とする電気接続箱。
  2. 【請求項２】 前記電子回路基板が前記台座に固定され
    たことを特徴とする請求項１記載の電気接続箱。
  3. 【請求項３】 前記コネクタ部側に前記バスバー配線板
    が配置されたことを特徴とする請求項１又は２記載の電
    気接続箱。
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