JP3826809B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自己温度制御機能を有する被加熱物に対応した誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導加熱調理器はその安全性や使いやすさ、高熱効率という優れた特徴が理解され、一般家庭に普及されつつある。
【0003】
従来の誘導加熱調理器は、図2に示すように、トッププレート11の下部に配置された加熱コイル12に高周波電流を印加することで発生する高周波磁束により、トッププレート上に置かれた鉄やステンレス製の鍋などの被加熱物13に渦電流を発生させ、被加熱物13自身が直接発熱するように制御装置14で制御しようとしていた。
【0004】
このような加熱メカニズムであるため、異常加熱にならないように加熱状態を制御しやすい特徴がある。
【0005】
また誘導加熱調理器のトッププレート下部には、被加熱物の温度を検知する温度センサー15も標準的に装備されており、これであれば、検知する温度に応じて加熱状態を制御する「温度過昇防止機能」を付与できるため安全に使用することが可能である。
【0006】
さらに近年では、特許第2917526号や特許第3079573号にもあるように、被加熱物に使用する金属として、実調理に使用する温度付近にキュリー点を有する材料を用いることが提案されている。
【0007】
この金属はキュリー点以上では磁性が無くなる為、誘導加熱では加熱しないという特徴がある。この特徴を活かして、被加熱物自身の温度がキュリー点以上に加熱されない調理器(以下「感温鍋」と称する)としての展開が可能である。
【0008】
しかしながら、上記従来の温度検知構成では、手入れ性の観点から、結晶化ガラスからなるトッププレートの下部に温度センサーが設置されているため、感温鍋の温度を直接検知できず、実際の感温鍋の温度変化よりかなり遅れた温度変化となってしまう。
【0009】
そのため、安全性を確保するための温度過昇防止機能動作の為の温度設定を低めにする必要があり、実調理に於いて、温度過昇防止動作により早めに火力が低下するという不具合があった。
【0010】
特に近年では最大消費電力を高めた商品も出始めており、このような商品では、益々温度検知センサーの温度上昇が鍋の温度上昇について行けないため、折角の高火力も湯沸かし等の特定の調理にしか使用できないという課題がでてきている。
【0011】
また感温鍋を用いた場合でも、温度制御方式が同じであるため、感温鍋で設定した温度以下で前記温度過昇防止機能が作動することもあり、調理上の不具合が発生するとともにに、感温鍋の特徴を十分に活かしきれていないという課題もあった。
【0012】
さらに空焚きされた場合でも、前記温度過昇防止機能を応用して空焚きを検知し、その旨の表示や通電の停止を行なっているが、温度センサーの追従性の限界から、検知に時間がかかるという課題もあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の問題点に鑑み本発明が解決しようとする課題は、異常加熱等に対する安全性を確保した上で、十分な高火力、高温で調理できる誘導加熱調理器を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記する課題を解決するため、加熱コイルと対応して設けられたトッププレートと、このトッププレート上にセットされた被加熱物と、前記被加熱物が感温鍋であるかを判断する手段と、被加熱物の温度を検知する温度センサーの温度に応じて作動する温度過昇防止機能とを備え、前記被加熱物が感温鍋である場合と判断した場合には、前記温度過昇防止機能に於ける作動温度を高めに変更することにより、誘導加熱調理器の高火力を十分に活かし、かつ異常加熱等の発生を防止したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
前記した本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成できるので、以下には各請求項の構成に、その構成による作用を併記し、併せて請求項記載の構成のうち説明を必要とする特定用語については詳細な説明を加えて、本発明の実施の形態の説明とする。
【0016】
請求項1記載に係わる発明は加熱コイルと対応して設けられたトッププレートと、このトッププレート上にセットされた被加熱物と、前記被加熱物が感温鍋であるかを判断する手段と、被加熱物の温度を検知する温度センサーの温度に応じて作動する温度過昇防止機能とを備え、前記被加熱物が感温鍋である場合と判断した場合には、前記温度過昇防止機能に於ける作動温度を高めに変更するようにした。
【0017】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0018】
図1において、トッププレート1の下部にドーナツ状の加熱コイル2が配置され、このトッププレート1の上に置かれた被加熱物である感温鍋3を加熱するようになっている。
【0019】
ここで感温鍋3には感温金属3a及び熱良導体で非磁性金属であるアルミニウム3bをクラッド化したものを用いた。
【0020】
また加熱コイル2の中心部には、感温鍋3の温度を検知してその検知信号を制御装置4に出力する温度センサー5がトッププレート1の下面に接するように配されている。加熱コイル2は制御装置4で制御される。
【0021】
このような誘導加熱調理器に於いて、制御パターンを表1に示すような「従来パターン」のものと、本発明を応用した「パターン1」のものを準備した。
【0022】
【表1】
【0023】
これらの誘導加熱調理器に対して、SUS430からなる一般の鍋と、前記感温鍋3を表2のような組み合わせで用い比較試験を行なった。試験の内容を以下に示す。
【0024】
試験A:空焼を行なった時の空焚き検知までの時間と最高到達温度
試験B:負荷の小さい焼き物調理を行なった時の、調理中の温度過昇防止機能の動作の有無及び調理物の出来映えを比較。具体的には少量のステーキを調理。
【0025】
なお、感温鍋はキュリー温度が260℃のものを用いた。また鍋の形状としてはいずれもフライパン型のものを用いた。これらの試験結果を表2に合わせて示す。
【0026】
【表2】
【0027】
表2からも明らかなように、試験Aに於いては、従来の組み合わせである試験1では空焚きを検知するのに3分もかかり、また鍋の温度も370℃まで達し非常に危険であった。また従来の制御パターンで感温鍋を用いた試験2では、鍋の温度は感温鍋のキュリー温度である260℃までに押えられていたが、空焚きを検知するのに試験1よりも長い4分もかかった。試験1、2がいずれも空焚き検知に時間がかかっているのは、温度センサーの昇温が遅い為である。これに対して試験3では、センサー温度に関係なく空焚きを検知しているので、空焚き検知に要する時間は1.5分と他と比較して格段に早くなっていた。
【0028】
一方試験Bでの調理性能については、試験1、2いずれも調理中に温度過昇防止機能が働き、調理中に火力感がなくなった。調理物の出来映えに関しては、試験1では調理面の温度が異常に上昇し、表面は焦げたが中まで十分火が通っていなかった(評価×)。試験2では調理途中で通電が停止した為、少し水っぽい出来映えになった(評価△)。
【0029】
これに対して試験3では途中で通電が停止することもなく、また焼き物調理に適した230〜260℃で調理できたので、焦げすぎることもなくちょうど良い出来映えであった(評価○)。
【0030】
なお制御パターン1に於いて、使用している鍋が感温鍋であることの判断基準として、加熱時の電流の低下を初期比20%としたが、感温鍋の材質や設定温度、誘導加熱調理器本体の特性に応じて任意に設定することが出来る。
【0031】
また温度過昇防止機能の作動温度を260℃としたが、感温鍋の設定温度または検知する温度等に応じて任意に設定することができる。例えば、湯沸かしや煮こみ専用の感温鍋であれば100〜160℃、卵焼き専用の感温鍋であれば140〜180℃、フライパンのような炒め物も行なうものは140〜260℃が適当である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、異常加熱等に対する安全性を確保した上で、十分な高火力、高温で調理できる誘導加熱調理器を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す誘導加熱調理器の主な構成を示す概略断面図
【図2】 従来の誘導加熱調理器の主な構成を示す概略断面図
【符号の説明】
1 トッププレート
2 加熱コイル
3 被加熱物(感温鍋)
4 制御装置
5 温度センサー
Claims (1)
- 加熱コイルと対応して設けられたトッププレートと、このトッププレート上にセットされた被加熱物と、前記被加熱物が感温鍋であるかを判断する手段と、被加熱物の温度を検知する温度センサーの温度に応じて作動する温度過昇防止機能とを備え、前記被加熱物が感温鍋である場合と判断した場合には、前記温度過昇防止機能に於ける作動温度を高めに変更するようにした誘導加熱調理器。
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