JP3817227B2 - 外部テザーを備える膨張可能な拘束モジュール - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、外部テザーを有するエアバッグまたはエアバッグモジュールに関する。
【０００２】
【従来の技術】
テザーの機能は、内部にあるにしろ外部にあるにしろ、エアバッグの展開運動を遅らせ、その運動を、保護すべき搭乗者に対応して誘導することである。
【特許文献１】
特表２０００−５０９６７３号公報
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、テザーによってエアバッグの展開運動を遅らせ、その運動を、保護すべき搭乗者に対応して誘導することが簡便にできるエアバッグモジュールを提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明のエアバッグモジュールは、インフレータ、および折り畳まれた第１の幅のエアバッグを含み、エアバッグは、膨張ガスが入った時に膨張することができる、エアバッグパックと、エアバッグまたはインフレータのいずれかに、エアバッグの外側になるように取り付けられたテザーであって、テザーは、折り畳まれたエアバッグの、互いに反対側を囲むように形成された、対のテザーフラップを有し、両テザーフラップの各末端領域が、互いに接触しぴったり重なり合った部分となるように配置されているが、互いに取り付けられてもエアバッグモジュールの他の部分に取り付けられてもおらず、両末端領域は第１の幅よりも狭い第２の幅を有し、両テザーフラップの一部が、折り畳まれたエアバッグに隣接して配置された互いに接触しぴったり重なり合った部分を形成している、テザーと、を有することを特徴とする。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【０００６】
図１（ａ）および１（ｂ）は、本発明を取り入れたエアバッグモジュール２０を示している。このエアバッグモジュール２０は、エアバッグ２４のインフレータ２２と、膨張前に、インフレータ２２の周りにコンパクトな状態、すなわち折り畳まれた状態で設けられているエアバッグ２４を含んでいる。第１の、すなわち上方のテザー部分３２と、第２の、すなわち下方のテザー部分３４を有する、概して符合３０で示された、外部のテザーがインフレータ２０および折り畳まれたエアバッグ２４の周りに延びている。
【０００７】
図示の実施形態において、第１の、すなわち上方のテザー部分３２と第２の、すなわち下方のテザー部分３４は、折り畳まれたエアバッグ２４の頂部と底部（上側と下側）をそれぞれ覆って延びている。エアバッグ２４のインフレータ２０が鉛直に設けられている場合（不図示）には、両テザー部分３２，３４はエアバッグ２４の左側または右側のいずれかから延びている。両テザー部分３２，３４は実質的に同じ大きさであり（しかし、これは、長さがいくらか変化してもよいので、必要条件ではない）、互いに並べて揃えられており、すなわち、両テザー部分３２，３４の、可能なだけ伸ばした部分が互いの端上に配置されている。その後、並べて揃えられた（テザーフラップとも呼ばれる）両テザー部分３２，３４は、巻かれ、または、折り畳まれてアコーディオン状の複数のひだ（図１（ｂ）の符合３６参照）にされる。ひだ状にされ、または巻かれた（符合３６によって一緒に示されている）両テザー部分３２，３４は、折り畳まれたエアバッグ２４の頂部に配置され、すなわち、インフレータ２２上の、エアバッグ２４が概して膨張する方向に配置される。エアバッグ２４およびテザー３０を折り畳まれた状態に保つために、もろい生地３８から作製された、引き裂くことができるカバーまたはパネルがエアバッグ２４を包んでいるのが示されている。
【０００８】
図１（ａ）および１（ｂ）に示す実施形態において、インフレータ２２、折り畳まれたエアバッグ２４、折り畳まれた、ひだ状にされ、または巻かれた両テザー部分３６、および袋、すなわち生地３８は、バッグパック４０として示されている。カバーの生地３８、すなわち袋は、当該技術分野において用いられているように、引き裂くことができるミシン目線３９を有していてもよい。
【０００９】
図２（ａ）および２（ｂ）は本発明の他の実施形態を示している。本発明のこの実施形態において、バッグパック４０ａは、インフレータ２２と、折り畳まれたエアバッグ２４と、エアバッグモジュール２０ａの一部を形成するテザー３０のみからなっている。このバッグパック４０ａは、ハウジング４２内に挿入されているのが示されている。その後、袋、すなわち引き裂くことができる生地３８ａが、ハウジング４２とバッグパック４０ａの周りに、これらを包んで配置される。あるいは、他の方法として、図１（ａ）のバッグパック４０をハウジング４２内に単に挿入してもよく、この場合には、外側に配置された、引き裂くことができる生地３８ａを用いる必要はない。
【００１０】
図３はエアバッグ２４とテザー３０を示している。この実施形態において、テザーフラップ、すなわちテザー部分３２，３４は、エアバッグ２４の首状部５４の、互いに対向する部分５４ａ，５４ｂにそれぞれに縫い付けられ（縫い目５０，５２参照）、または他の方法で固定された（ステープルで留められ、溶着され、または接着された）別々の異なる生地断片である。首状部５４のこれらの部分５４ａ，５４ｂとテザー部分３２，３４は、（インフレータ２２から延びる複数のスタッド５６の少なくとも幾つかに対応する）１つまたは複数の取り付け用開口５８を有していてよい。当該技術分野において公知のように、これらのスタッド５６は、マニホールドまたはハウジングから延びていてよい。テザー部分３２，３４の端部３２ａ，４３ａと首状部５４の部分５４ａ，５４ｂは、図３（ａ）に示すような重なった構成になるように、取り付け用の留め具、すなわちスタッド５６の周りで重ねられている。テザー、すなわちテザー部分３２，３４をエアバッグ２４の首状部５４に連結する必要がない、すなわち、両テザー部分３６をエアバッグ２４の他の位置に取り付けることもできることが分かる。例えば、両テザー部分３６（テザー部分３２，３４）は、符合６０で示された、首状部５４から離れた位置で、エアバッグ２４の互いに対向する部分にそれぞれ縫い付けることができる。
【００１１】
図４は、テザー３０の他の実施形態を示している。テザー３０は、複数の取り付け用開口５８を有する一定長の単一の生地を用いて作製することができる。取り付け用開口５８の数は、取り付け用ボルト、すなわちスタッド５６の数（または少なくともそのうちの幾つか）に相当している。例えば、インフレータ２２が、テザー３０の幅より広い場合、取り付け用の、より多くのスタッド５６に適合する、破線で示す、広い幅（Ｗ）を有する部分的な延長部３０ａをテザー３０に設けることができる。
【００１２】
図５は、インフレータ２２と折り畳まれたエアバッグ２４の周りに取り付けられた、ワンピース型のテザー３０を示している。
【００１３】
図６は、ハウジング４２から延びているエアバッグ２４を示している。エアバッグ２４は、図示の目的で、テザー３０、特に、エアバッグ２４の上側上に延びている上方のテザー部分３２と共に作業台上に平らに置かれている。テザー３０の下方のテザー部分３４は下方に位置しており、上方のテザー部分３２の端部をいくらか越えて延びている。
【００１４】
図７（ａ）は、ハウジング４２内に配置され、作業台４４上に位置している、折り畳まれたエアバッグ２４を示している。折り畳まれたエアバッグ２４は円筒形になり、ハウジング４２内に位置しており、ハウジング４２から部分的に飛び出していてもよい。図７（ａ）において、上方のテザー部分３２と下方のテザー部分３４は、その全長にわたって、折り畳まれたエアバッグ２４から外側に引き出され、すなわち伸ばされているのが示されている。図７（ｂ）では、テザー３０の、エアバッグ２４およびハウジング４２に近い部分がアコーディオン状の第１のひだ３６ａへと折り畳まれている。その後、テザー３０の、残りの部分は折り畳まれ、（図７（ｃ）に示すように）３６ｂ，３６ｃのようなさらなるひだの形にされる。図７（ｄ）は、図１（ａ）および１（ｂ）に示す実施形態と同様にして、折り畳まれたエアバッグ２４の頂部上に配置された、ひだ状にされた両テザー部分３６を示している。
【００１５】
折り畳まれた、または巻かれたテザー３０（すなわちテザー部分３２，３４）が、概して、折り畳まれたエアバッグ２４の中心およびその周りに配置されているのが図８に示されている。図示していないが、エアバッグ２４およびテザー３０は袋、すなわち破断可能な生地３８によって包まれ、この生地３８は、インフレータ２２と同様のコンパクトな外形に折り畳まれる。エアバッグ２４は、膨張ガスが入ると膨張しようとするが、巻かれた、またはアコーディオン状に折り畳まれたテザー３０によって、すなわち、テザー３０の、折り畳まれた（ひだ状にされた）両テザー部分３６付近で、（膨張の最初の少しの間）膨張しているエアバッグ２４に一定の抵抗が加わり、それによって、エアバッグ２４の、関連する部分の膨張が遅らされる。図８の破線７０は、折り畳まれた両テザー部分３６が中心に配置されたエアバッグ２４が、最初に、まだ折り畳まれた、または部分的に折り畳まれたテザー３０の両側で外側へと膨張する傾向があることを示している。エアバッグ２４が膨張し続けると、エアバッグ２４の中心部分は、テザー部分３２，３４を押し離そうとする傾向もあり、テザー部分３２，３４が相対的に折り畳まれ、またはひだ状になったままである間、テザー部分３２，３４は一緒に留まる傾向があり、それによって、エアバッグ２４の中心部分の膨張が、両テザー部分３６が押し離されるまで、妨害され、すなわち遅らされる。
【００１６】
図９は、折り畳まれたエアバッグ２４の中心に配置された、折り畳まれたテザー３０を示す前の実施形態に比べて、折り畳まれたエアバッグ２４に対して中心から外れて（一方に偏って）配置された、折り畳まれた部分、すなわち両テザー部分３６を示している。この実施形態では、同様に破線７０で示すように、エアバッグ２４の（図９の図示での）左側部分の膨張が、エアバッグ２４の右側部分の膨張に比べて幾らか遅らされる。その後、エアバッグ２４が膨張すると、（ワンピース型または多重片型のテザーを用いた）テザー３０、すなわち両テザー部分３６は、完全に膨張したエアバッグ２４に概ね向かい合って位置する。本発明の１つの利点は、両テザー部分３６がその外側の両端を縫い合わせたり、物理的に連結したりされていないことである。折り畳まれた両テザー部分３６は、図９に示すのとは反対側に配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施形態を示す図である。
【図２】本発明の第２の実施形態を示す図である。
【図３】エアバッグと外部のテザーの連結部を示す図である。
【図４】他のテザーを示す図である。
【図５】エアバッグのインフレータを囲んでいるテザーを示す図である。
【図６】本発明の主要部分の多くを示す図である。
【図７】本発明の組立方法を示す図である。
【図８】部分的に膨張したエアバッグを示す平面図である。
【図９】本発明の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
２０，２０ａ エアバッグモジュール
２２ インフレータ
２４ エアバッグ
３０ テザー
３０ａ 延長部
３２，３４ テザー部分
３２ａ，３４ａ 端部
３６ 両テザー部分
３６ａ，３６ｂ，３６ｃ ひだ
３８，３８ａ 生地
３９ ミシン目線
４０，４０ａ バッグパック
４４ 作業台
４２ ハウジング
５０，５２ 縫い目
５４ａ，５４ｂ 部分
５６ スタッド
５８ 取り付け用開口

Claims (6)

1. インフレータ（２２）、および折り畳まれた第１の幅のエアバッグ（２４）を含み、該エアバッグ（２４）は、膨張ガスが入った時に膨張することができる、エアバッグパック（４０）と、
   前記エアバッグ（２４）または前記インフレータ（２２）のいずれかに、前記エアバッグ（２４）の外側になるように取り付けられたテザー（３０）であって、該テザー（３０）は、折り畳まれた前記エアバッグ（２４）の、互いに反対側を囲むように形成された、対のテザーフラップ（３２，３４）を有し、該両テザーフラップ（３２，３４）の各末端領域が、互いに接触しぴったり重なり合った部分（３６）となるように配置されているが、互いに取り付けられてもエアバッグモジュールの他の部分に取り付けられてもおらず、前記両末端領域は前記第１の幅よりも狭い第２の幅を有し、前記両テザーフラップ（３２，３４）の一部が、折り畳まれた前記エアバッグ（２４）に隣接して配置された前記互いに接触しぴったり重なり合った部分（３６）を形成している、テザーと、
   を有するエアバッグモジュール。
2. 前記テザー（３０）は、中心と、該中心から互いに反対側に延び、前記テザーフラップ、すなわちパネルをそれぞれ形成している２つの脚部（３２，３４）を有する一定長の生地を有しており、前記生地の前記中心は前記インフレータ（２２）に対して固定されており、前記生地の前記各脚部（３２，３４）は、折り畳まれた前記エアバッグの周りに互いに反対側に延びており、前記各脚部の前記末端領域が他の前記脚部の前記末端領域と互いに重なり合うように構成されている、請求項１に記載のエアバッグモジュール。
3. 前記各脚部（３２，３４）の前記末端領域は、折り畳まれて互いに重なり合う複数のひだ（３６）の形になり、折り畳まれた前記エアバッグ（２４）上に配置されている、請求項２に記載のエアバッグモジュール。
4. 前記テザーの、前記中心の近くでの幅が、前記テザーの前記脚部（３２，３４）の幅よりも広い、請求項２に記載のエアバッグモジュール。
5. 前記テザーの前記中心は、留め具を入れるための複数の開口（５８）を有している、請求項２に記載のエアバッグモジュール。
6. 前記両テザーフラップ（３２，３４）は、長さが等しいかまたは長さが異なっている、請求項１に記載のエアバッグモジュール。

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