JP3812616B2 - ラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータ本体を支持するアッパクロスメンバの形状を改良したラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のラジエータ及びエアコンディショナ(以下、エアコンという)用のコンデンサの車体への従来の取り付けを図に基づいて説明する。図9に示すように、ラジエータ本体1及びエアコン用のコンデンサ本体2は、エンジンルーム3内の前部に設けられており、ラジエータ本体1はコンデンサ本体2よりも後方側に配置されている。
【0003】
そして、ラジエータ本体1の上部1aは、図10に示すように、ブッシュ4と一体の上部ラジエータブラケット5を介して、車体の断面略コ字形のアッパクロスメンバ6に取り付けられている。上部ラジエータブラケット5は一本のボルト7及びナット8によってアッパクロスメンバ6に固定支持されている。また、ラジエータ本体1の下部1bは、ロアクロスメンバ9から後方に延出させた下部ラジエータブラケット10によって支持されている。下部ラジエータブラケット10にも下部ラジエータブラケット10と一体にブッシュ4が設けられており、このブッシュ4にラジエータ本体1の下部1bの突出部1Bを嵌合させてラジエータ本体1が下部ラジエータブラケット10に支持されてる。さらに、下部ラジエータブラケット10とロアクロスメンバ9とは、ボルト7を断面閉空間のロアクロスメンバ9に固定したナット(図示なし)に螺合させることにより取り付けられている。
【0004】
また、エアコン用のコンデンサ本体2は、アッパクロスメンバ6とロアクロスメンバ9との間に配置されて、その上部2aは上部コンデンサブラケット11を介してアッパクロスメンバ6にボルト7及びナット8により固定されている。また、下部2bはブッシュ4を介してロアクロスメンバ9に直接固定されている。なお、図9において、符号12で示すものはファンシュラウドであり、符号13で示すものはラジエータファンである。また、符号14で示すものはエンジン(パワーユニット)である。図10において符号Fは車両の前方側を示す。
【0005】
さらに、ラジエータ本体1及びエアコン用のコンデンサ本体2の他の取り付け方として、図11に示すようなものがある。これは振動対策として有効なラジエータダンパ(マスダンパ)効果を増すために、ラジエータ本体1にエアコン用のコンデンサ本体2を上部コンデンサブラケット11及び下部コンデンサブラケット15によって一体に取り付け(上部はボルト7による固定)たものである(実開平3−13209号公報参照)。
【0006】
すなわち、マスダンパとして、振動系であるラジエータ本体1に他の質量であるコンデンサ本体2を一体に取り付け、この取り付けによって、ラジエータ本体1の固有振動数を変化させて、使用範囲内での共振を回避し、エンジン14の振動が車体に伝わるのを防止したものである。
【0007】
このラジエータ本体1にコンデンサ本体2を取り付けたものにおいても、ラジエータ本体1の上部1aはブッシュ4と一体の上部ラジエータブラケット5を介して、車体の断面略コ字形のアッパクロスメンバ6に一本のボルト7及びナット8によって固定されている。また、下部1bはロアクロスメンバ9から後方に延出した下部ラジエータブラケット10によって支持されている。すなわち、ラジエータ本体1の下部1bの突出部1Bは下部ラジエータブラケット10に一体に設けられたブッシュ4に嵌合して支持されている。さらに、下部ラジエータブラケット10とロアクロスメンバ9とは、断面閉空間のロアクロスメンバ9に固着したナット(図示なし)にボルト7を螺合させることにより支持されている。
【0008】
なお、車体前部構造として、特開平7−186739号公報に開示されているものがある。この公報の図3には、上部をアッパレールに取り付け、下部をファストクロスメンバにブラケットを介して取り付けたラジエータを配設し、このラジエータの前に上部がラバーシートを介してアッパレールに支持された空調コンデンサを配設したものが開示されている。
【0009】
自動車の前部構造として、特開平7−101253号公報に開示されているものがある。この公報の図1には、下部に配設した断面箱状のNo1クロスメンバを形成するクロスメンバアッパパネルとクロスメンバロアパネルとの間に後方に延びるラジエータ用下部ブラケットを設け、このラジエータ用下部ブラケットにラジエータの下部を取り付け、さらに、前記No1クロスメンバにクーラコンデンサの下部を取り付けると共に、クーラコンデンサの上部をクーラコンデンサ用上部ブラケットを介して断面略コ字形のシュラウドアッパに、また、前記ラジエータの上部をラジエータ用上部ブラケットを介して前記シュラウドアッパに取り付けたものが開示されている。
【0010】
また、自動車の前部車体構造として、特開平7−89454号公報に開示されているものがある。この公報の図4には、断面箱状の第一クロスメンバと断面略コ字形のシュラウドアッパとの間にコンデンサを配設し、コンデンサの上部を上側コンデンサ支持ブラケットを介して前記シュラウドアッパに接続し、コンデンサの下部を下側コンデンサ支持ブラケットを介して前記第一クロスメンバに接続し、また、前記第一クロスメンバに接続した下側ラジエータ支持ブラケットと、シュラウドアッパに接続した上側ラジエータ支持ブラケットとによってラジエータを支持するようにしたものが開示されている。
【0011】
また、ラジエータ及びコンデンサの取付構造として、特開平8−156613号公報に開示されているものがある。この公報に開示されているものは、ラジエータの上面及び下面に立設させた上部ボルト及び下部ボルトをラバーマウントを介して車体側に設けた断面略コ字形の上部のブラケットや下部のサポート金具に取り付けてラジエータを保持し、さらに、ラジエータの上部及び下部にブラケットを介して空調用のコンデンサを取り付けたものである。
【0012】
ラジエータとコンデンサの取付構造として、特開平10−95227号公報に開示されているものがある。この公報に開示されているものは、ラジエータとコンデンサを前後方向に対向させて配設し、ラジエータの上部タンクに連結する上部ブラケットと、下部タンクに連結する下部ブラケットとでコンデンサを挟持して支持したものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来の技術において、図10に示すものは、ラジエータ本体の上部がブッシュ及びブラケットを介して断面略コ字形のアッパクロスメンバに一本のボルト及びナットにより固定されており(一点止め)、下部がブッシュ及びブラケットを介して断面閉空間のロアクロスメンバにボルトにより固定されている。さらに、このアッパクロスメンバ及びロアクロスメンバにはコンデンサ本体の上部及び下部が挟持されて保持されているので、車体振動によっては、剛性の低い方の断面略コ字形のアッパクロスメンバに大きな荷重がかかることになる。そこで、アッパクロスメンバの剛性を上げるため板厚を上げたり、板を二重にして対応するようにしていたが、このようにするとアッパクロスメンバの重量が増加する問題がある。
【0014】
また、図11に示す、ラジエータダンパの効果を増すために、コンデンサ本体を装着したラジエータ本体を車体のアッパクロスメンバ及びロアクロスメンバで支持したものは、コンデンサ本体の重量がラジエータ本体に加算され、図10に示す構造のもの以上に荷重がアッパクロスメンバにかかることになる。このため、アッパクロスメンバの剛性を大幅に高める必要がある。剛性が低く、強度不足の場合は、ラジエータダンパ時(ラジエータ本体加振時)、アッパクロスメンバがゆがみ、ダンパ効果が低減する虞がある。また、アッパクロスメンバの剛性を高めると、上記と同様に重量が増加する問題が発生する。
【0015】
なお、特開平7−186739号公報に開示されている車体前部構造は、ラジエータの前に配設されたコンデンサは、上部がアッパレールにラバーシートを介して取り付けられ、下部が自由状態で配設されてるので、コンデンサの取付強度が低下し、コンデンサが振動する虞がある。
【0016】
特開平7−101253号公報に開示されている自動車の前部構造及び特開平7−89454号公報に開示されている自動車の前部車体構造は、車体振動よっては、剛性の低い、断面略コ字形のシュラウドアッパに大きな荷重がかかるので、シュラウドアッパの板厚を上げて剛性を上げる必要があるが、板厚を厚くすると、シュラウドアッパの重量が増加する虞がある。
【0017】
特開平8−156613号公報に開示されているラジエータ及びコンデンサの取付構造及び特開平10−95227号公報に開示されているラジエータとコンデンサの取付構造は、コンデンサがラジエータに保持されているため、ラジエータが加振した際、上側に位置するブラケットに大きな荷重がかかる。このとき荷重に耐えることができない場合、ブラケットが歪んで、ラジエータダンパ時、ダンパ効果を充分に発揮することができない問題がある。
【0018】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、ラジエータ本体の上部を支持するアッパクロスメンバを断面閉空間に形成すると共に、ラジエータブラケットを二点止めして、アッパクロスメンバの重量を増加させることなく剛性を高め、コンデンサをラジエータに取り付けてコンデンサをダンパとして機能させる場合に、ダンパの効果を向上させたラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、下方が開放されるコの字型のアッパクロスメンバと断面閉空間のロアクロスメンバとでラジエータ本体を支持し、該ラジエータ本体の前方にエアコン用のコンデンサ本体を配置したラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造において、前記アッパクロスメンバの前方に前記ロアクロスメンバが位置するように前記アッパクロスメンバ及びロアクロスメンバを車両の前後方向にずらして配置し、前記ロアクロスメンバの下面から下部ラジエータブラケットを前記アッパクロスメンバと平面視で重なるように後方に延出させ、前記下部ラジエータブラケットに前記ラジエータ本体の下部に設けられた突出部を嵌合させ、前記ロアクロスメンバとラジエータ本体の下部とが正面視で重なるように配設し、前記ラジエータ本体の上部に設けた突出部に上部ラジエータブラケットを嵌合させ、該上部ラジエータブラケットを前記アッパクロスメンバの下面に当接させ、前記上部ラジエータブラケットの前端部分と後端部分とを前記アッパクロスメンバに固定し、この際、前記アッパクロスメンバに上下方向に延出する縦壁部を設け、該縦壁部に前記上部ラジエータブラケットの前端部分を当接させて位置決めし、前記上部ラジエータブラケットの後端部分を前記アッパクロスメンバの下面に当接させて固定した後に前記上部ラジエータブラケットの前端部分を固定し、前記アッパクロスメンバとラジエータブラケットとで断面閉空間を形成するとともに該断面閉空間内に前記ラジエータ本体の上部に設けられた突出部を配設し、平面視で前記ロアクロスメンバと重なるように配設されたコンデンサブラケットで前記コンデンサを支持し、前記ラジエータ本体の前方に前記エアコン用のコンデンサ本体を配置したことを特徴とするものである。
【0020】
このような構成とした請求項1に記載の発明においては、車両の前後方向に位置をずらして配設したアッパクロスメンバ及びロアクロスメンバの、前記アッパクロスメンバの下方にラジエータ本体を位置させ、ラジエータ本体の上部に設けたラジエータブラケットにより、前記アッパクロスメンバを断面閉空間に形成させ、さらに、ラジエータブラケットをアッパクロスメンバに二点止めにしてアッパクロスメンバの剛性を高めると共に、ラジエータ本体上部の取付剛性を高める。また、アッパクロスメンバの下方にラジエータ本体を位置させ、かつ、アッパクロスメンバの前方にコンデンサ本体を配置させて、エンジンルーム内のスペースを拡大させる。さらに、ラジエータ本体上部の取付剛性を高めるようにコの字型のアッパクロスメンバを上部ラジエータブラケットで断面閉空間としても、この断面閉空間内に突出部を配設したラジエータを簡易に組付けることができるようにする。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記ラジエータ本体の上部と前記ラジエータ本体の下部に取り付けられたコンデンサブラケットを介して前記コンデンサ本体を前記ラジエータ本体に支持させたことを特徴とするものである。
【0022】
このような構成とした請求項2に記載の発明においては、コンデンサ本体の上部及び下部をラジエータ本体に接続させても、ラジエータ本体の上部が、ラジエータブラケットにより断面閉空間となったアッパクロスメンバに支持されているので、ラジエータダンパ時においても剛性が低下せず、強度不足は回避される。さらに、コンデンサ本体をロアクロスメンバの上方に位置させて、ラジエータ本体をエンジンルーム内の前部側に移動させる。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記ラジエータブラケットの前端部分と前記アッパクロスメンバの縦壁部との重なり部の外壁部に取り付けた上部コンデンサブラケットを介して前記アッパクロスメンバに前記コンデンサ本体の上部を取り付け、前記ロアクロスメンバに前記コンデンサ本体の下部を前記ロアクロスメンバで支持したことを特徴とするものである。
【0024】
このような構成とした請求項3に記載の発明においては、アッパクロスメンバのラジエータブラケットで補強された部分に上部コンデンサブラケットを取り付けるように、コンデンサ本体を断面閉空間のアッパクロスメンバに固定したので、アッパクロスメンバに大きな荷重がかかってもアッパクロスメンバの変形を回避することができるとともに、コンデンサ本体の上部の取付剛性を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図1乃至図3に基づき、図9乃至図11と同一の部材には同一の符号を付して説明する。図1は自動車のエンジンルーム3を上方から見たものである。ラジエータの主要部(コア部やタンク部)であるラジエータ本体1及びエアコン用のコンデンサ本体2は、エンジンルーム3の前部側に配置されている。
【0026】
ラジエータ本体1は、図2に示すように、コンデンサ本体2よりも後方で、かつ、アッパクロスメンバ16の下方に配置されている。また、アッパクロスメンバ16及びロアクロスメンバ9は車両の前後方向にずらされて配設されており、アッパクロスメンバ16はロアクロスメンバ9よりも後方側に配設されている。なお、図2において、符号Fは自動車の前方側を示しており、図1の符号12はファンシュラウド、符号13はラジエータファンを示している。さらに、符号14は自動車のエンジン(パワーユニット)を示している。
【0027】
このラジエータ本体1の取付状態を図2に基づいてさらに詳述する。ラジエータ本体1の上部1aには上部ラジエータブラケット17が装着されている。すなわち、図3に示すように、上部ラジエータブラケット17の略中央には弾性支持部材であるゴム製のブッシュ4が一体に装着されているので、このブッシュ4をラジエータ本体1の上部1aの突出部1Aに嵌合させれば、上部ラジエータブラケット17をラジエータ本体1に取り付けることができる。
【0028】
そして、ラジエータ本体1の上部1aに取り付けた上部ラジエータブラケット17の両端部をアッパクロスメンバ16に当接させ、アッパクロスメンバ16が断面閉空間となるようにして、上部ラジエータブラケット17とアッパクロスメンバ16との当接部を各々ボルト7及びナット8によって連結する。これによって、ラジエータ本体1の上部1aがアッパクロスメンバ16によって支持されることになる。また、ラジエータ本体1の下部1bの突出部1Bをロアクロスメンバ9から後方に延出させた下部ラジエータブラケット10と一体のブッシュ4に嵌合させて、ラジエータ本体1の下部1bを下部ラジエータブラケット10で支持する。さらに、下部ラジエータブラケット10と断面閉空間のロアクロスメンバ9とは、ボルト7をロアクロスメンバ9の内部に固着したナット(図示なし)に螺合させることによって固定させている。
【0029】
ラジエータ本体1の前方に配置したコンデンサ本体2の上部2aは、上部コンデンサブラケット11を介して断面閉空間のアッパクロスメンバ16に取り付けられている。すなわち、上部コンデンサブラケット11をアッパクロスメンバ6の外壁部に当接させてボルト7及びナット8で固定させている。コンデンサ本体2の下部2bはブッシュ4を介してロアクロスメンバ9に直接支持されている。コンデンサ本体2をロアクロスメンバ9で支持すれば、アッパクロスメンバ6の下方にラジエータ本体1が位置し、エンジンルーム3内の拡大化が可能となる。
【0030】
ラジエータ本体1の組み付けについて説明する。アッパクロスメンバ16と上部ラジエータブラケット17とで先に断面閉空間に形成して、後で、上部ラジエータブラケット17と一体のブッシュ4にラジエータ本体1の上部1aの突出部1Aを嵌合させようとすると、ラジエータ本体1の組み付けが困難となるが、図4に番号で示す順序で行えば、確実に組み付けることができる。
【0031】
すなわち、(1)ラジエータ本体1の下部1bの突出部1Bを車体のロアクロスメンバ9より延出した下部ラジエータブラケット10と一体のブッシュ4に組み付け、(2)ラジエータ本体1をアッパクロスメンバ16の下方に配置させて、上部ラジエータブラケット17をアッパクロスメンバ16に当接させる(ブッシュ4及び上部ラジエータブラケット17はラジエータ本体1に部組してある。)、(3)上部ラジエータブラケット17とアッパクロスメンバ16とをボルト7及びナット8で締付け固定する。(4)上部ラジエータブラケット17をアッパクロスメンバ16の縦壁部16aと、上部コンデンサブラケット11との重なり部に当接させてボルト7及びナット8で締付け固定する。この順序により組付性が向上する。
【0032】
図5に示すものは、コンデンサ本体2の上部2a及び下部2bを上部コンデンサブラケット11及び下部コンデンサブラケット15を介して各々ラジエータ本体1に接続し、ラジエータ本体1でコンデンサ本体2を支持し、さらに、このようにしたラジエータ本体1をアッパクロスメンバ16と、ロアクロスメンバ9より延出した下部ラジエータブラケット10とにより支持したものである。
【0033】
このようにコンデンサ本体2をラジエータ本体1に取り付けるような場合でも、アッパクロスメンバ16と上部ラジエータブラケット17とによって断面閉空間を形成することが可能である。この取り付けの場合、コンデンサ本体2はロアクロスメンバ9の上方に配置させてある。この配置により、ラジエータ本体1がアッパクロスメンバ6の下方に配置されて、エンジンルーム3内のスペースを拡大することができると共に、ラジエータダンパとしてのダンパ効果をより一層向上させることができる。
【0034】
図6に示すものは、ラジエータ本体1が嵌合した上部ラジエータブラケット17のアッパクロスメンバ16への締結の際の位置決めと、締結時のボルト7の締付方向とを示したものである。位置決めは、アッパクロスメンバ16の縦壁部16aに上部ラジエータブラケット17を当接させることによって行っており(符号A参照)、また、上部ラジエータブラケット17とアッパクロスメンバ16とを締結する二点のボルト7,7の締付方向を二つとも上下方向にしてある。二点のボルト7の締付け方向を縦方向にするためには、アッパクロスメンバ16と上部ラジエータブラケット17のコンデンサ本体2側をボルト7が挿通できるように延設させてある。このようにすれば、ボルト7締めが容易になり、ラジエータ本体1を正規な位置に配設させて組付性を向上させることができる。
【0035】
また、図7及び図8に示すものは、アッパクロスメンバ16にラジエータ本体1の取付位置を確認するための確認孔18を設けたものである。この孔18は、ラジエータ本体1の上端部に設けた弾性支持部材としてのブッシュ4に対応する位置に設けられている。この確認孔18によりラジエータ本体1の装着状態を容易に確認することができる。この場合、アッパクロスメンバ16の剛性を低下させないために確認孔18はバーリング加工を行っている。
【0036】
以上のように構成したので、ラジエータ本体1をアッパクロスメンバ16の下方に位置させて組み付ける際、ラジエータ本体1に部組した上部ラジエータブラケット17でアッパクロスメンバ16に断面閉空間が形成されるように組み付ける。これにより、アッパクロスメンバ16の剛性を高めることができる。組付時には上部ラジエータブラケット17をアッパクロスメンバ16の縦壁部16aに当接させて位置決めし、さらに、確認孔18よりラジエータ本体1の取付位置を確認する。そして、アッパクロスメンバ16と上部ラジエータブラケット17とをボルト7、ナット8によって締め付ければラジエータ本体1を強度良く固定することができる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、アッパクロスメンバ及びロアクロスメンバを車両の前後方向にずらして配置し、前記アッパクロスメンバの下方にラジエータ本体を位置させ、かつ、前記ラジエータ本体の前方にエアコン用のコンデンサ本体を配置させて、ラジエータ本体とコンデンサ本体とを従来のものよりも前側に移動させたので、エンジンルーム内のスペースを拡大することができた。また、ラジエータ本体の上部をラジエータブラケットで前記アッパクロスメンバが断面閉空間となるようにして支持し、さらに、前記ラジエータ本体の下部をロアクロスメンバから延出させたラジエータブラケットで支持したので、アッパクロスメンバの剛性を大幅に高めることができると共に、ラジエータ本体の上部の取付剛性を高めることができる。さらに、ラジエータ本体上部の取付剛性を高めるようにコの字型のアッパクロスメンバを上部ラジエータブラケットで断面閉空間としても、この断面閉空間内に突出部を配設したラジエータを簡易に組付けることができる。
【0038】
請求項2記載の発明は、コンデンサ本体の上部及び下部をラジエータ本体に接続させて、コンデンサ本体をラジエータ本体で支持し、該ラジエータ本体の上部をラジエータブラケットにより断面閉空間となったアッパクロスメンバに支持させたので、ラジエータ本体が振動するラジエータダンパ時においてもアッパクロスメンバの剛性が低下することはない。したがって、ラジエータダンパ効果を一層向上させることができる。さらに、コンデンサ本体をロアクロスメンバの上方に位置させて、ラジエータ本体をエンジンルーム内の前部側に移動させるレイアウトとしたので、エンジンルーム内のスペースを拡大することができる。
【0039】
請求項3記載の発明は、アッパクロスメンバのラジエータブラケットで補強された部分に上部コンデンサブラケットを取り付けるように、コンデンサ本体を断面閉空間のアッパクロスメンバに固定したので、アッパクロスメンバに大きな荷重がかかってもアッパクロスメンバの変形を回避することができるとともに、コンデンサ本体の上部の取付剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す上面図である。
【図2】 図1のアッパクロスメンバを図の右側から見た一部断面側面図である。
【図3】 図2に示すもののラジエータブラケットの斜視図である。
【図4】 図2に示すものの組付順序を示す分解側面図である。
【図5】 図2におけるコンデンサ本体の別の取り付けを示す一部断面側面図である。
【図6】 図2におけるラジエータブラケットのアッパクロスメンバへの位置決めを示す側面図である。
【図7】 図2におけるアッパクロスメンバに確認孔を設けた右側面図である。
【図8】 図7に示すものの上面図である。
【図9】 従来の、アッパクロスメンバ、ラジエータ及びコンデンサの配置を示す上面図である。
【図10】 図9に示すアッパクロスメンバを図の右側から見た一部断面側面図である。
【図11】 図10におけるコンデンサ本体の別の取り付けを示す一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 ラジエータ本体
2 コンデンサ本体
4 ブッシュ
9 ロアクロスメンバ
16 アッパクロスメンバ
17 上部ラジエータブラケット
18 確認孔
Claims (3)
- 下方が開放されるコの字型のアッパクロスメンバと断面閉空間のロアクロスメンバとでラジエータ本体を支持し、該ラジエータ本体の前方にエアコン用のコンデンサ本体を配置したラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造において、
前記アッパクロスメンバの前方に前記ロアクロスメンバが位置するように前記アッパクロスメンバ及びロアクロスメンバを車両の前後方向にずらして配置し、
前記ロアクロスメンバの下面から下部ラジエータブラケットを前記アッパクロスメンバと平面視で重なるように後方に延出させ、前記下部ラジエータブラケットに前記ラジエータ本体の下部に設けられた突出部を嵌合させ、前記ロアクロスメンバとラジエータ本体の下部とが正面視で重なるように配設し、
前記ラジエータ本体の上部に設けた突出部に上部ラジエータブラケットを嵌合させ、該上部ラジエータブラケットを前記アッパクロスメンバの下面に当接させ、前記上部ラジエータブラケットの前端部分と後端部分とを前記アッパクロスメンバに固定し、この際、前記アッパクロスメンバに上下方向に延出する縦壁部を設け、該縦壁部に前記上部ラジエータブラケットの前端部分を当接させて位置決めし、前記上部ラジエータブラケットの後端部分を前記アッパクロスメンバの下面に当接させて固定した後に前記上部ラジエータブラケットの前端部分を固定し、
前記アッパクロスメンバとラジエータブラケットとで断面閉空間を形成するとともに該断面閉空間内に前記ラジエータ本体の上部に設けられた突出部を配設し、平面視で前記ロアクロスメンバと重なるように配設されたコンデンサブラケットで前記コンデンサを支持し、前記ラジエータ本体の前方に前記エアコン用のコンデンサ本体を配置したことを特徴とするラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造。 - 前記ラジエータ本体の上部と前記ラジエータ本体の下部に取り付けられたコンデンサブラケットを介して前記コンデンサ本体を前記ラジエータ本体に支持させたことを特徴とする請求項1に記載のラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造。
- 前記ラジエータブラケットの前端部分と前記アッパクロスメンバの縦壁部との重なり部の外壁部に取り付けた上部コンデンサブラケットを介して前記アッパクロスメンバに前記コンデンサ本体の上部を取り付け、前記ロアクロスメンバに前記コンデンサ本体の下部を前記ロアクロスメンバで支持したことを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19857798A JP3812616B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | ラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19857798A JP3812616B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | ラジエータ及びエアコン用のコンデンサの取付構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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