JP3812412B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内に吹き出す空調風の風量や温度等の空調能力を自動制御可能な車両用空調装置に関し、特に車両のウインドウを防曇する防曇制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用空調装置は、吹き出す空調風の風量や温度等を制御することにより車室内を快適な環境にすると共に、ウインドウの曇りを防止し、あるいはウインドウの曇りの除去を行って、運転者の視界を確保し、安全で快適な運転を可能にすることを目的とする。
【0003】
ここで、特許登録第2933675号公報の記載においては、ウインドウの曇りを防止するデフロスタ装置として、自動車用空調機に結露検知手段を組み合わせてデフロスタ能力を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにデフロスタ能力を制御するのに結露検知手段を用いる方法は、非常にコストが高くなってしまうという問題がある。また、制御における処理として単純にデフロスタ吹出口からの吹き出し風量を多くしてデフロスタ能力を上げると、乗員の顔が火照るという別の問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、コストを高くすることなく、顔の火照りを抑えつつウインドウの防曇性能を確保することのできる車両用空調装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では以下の技術的手段を採用する。
【0007】
請求項1記載の発明では、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御としてウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合を時間と共に所定値または所定割合まで大きくすることを特徴とする。
【0008】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共にウインドウへの空調風での防曇能力を上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも最小限に抑えることができる。
【0009】
請求項2記載の発明では、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御として空気冷却手段(41)による空気冷却温度を時間と共に所定値または所定温度差まで低くすることを特徴とする。
【0010】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共に空気冷却手段(41)での除湿能力を上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさない。
【0011】
請求項3記載の発明では、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、ウインドウの防曇制御としてウインドウ加熱手段(43)の稼動率を時間と共に所定値まで大きくすることを特徴とする。
【0012】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共にウインドウ加熱手段(43)での加熱能力を上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさない。
【0013】
請求項4記載の発明では、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御として内外気送風手段(3、4)での外気導入率を時間と共に所定値まで大きくすることを特徴とする。
【0014】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共に外気導入率を上げて換気能力を上げることにより乗員の呼吸等による湿度上昇を抑えて内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさない。
【0015】
請求項5記載の発明では、風量割合調節手段(24、26、34、36)で実行している吹出モードを表示する吹出モード表示手段(52)を備え、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実行し、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合、または空気冷却手段(41)による空気冷却温度、またはウインドウ加熱手段(43)の稼動率、または内外気送風手段(3、4)での外気導入率が所定値に達した時、吹出モード表示手段(52)での表示をFOOT/DEFモードとすることを特徴とする。
【0016】
これにより、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合が多い吹出状況と吹出モード表示とを合わせることで乗員の違和感を無くすことができる。また、空気冷却手段(41)による空気冷却温度、またはウインドウ加熱手段(43)の稼動率、または内外気送風手段(3、4)での外気導入率の可変による防曇制御の場合でも、乗員にデフロスタ機能も実行していることを示すことができる。
【0017】
請求項6記載の発明では、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時防曇制御を実行すると共に、ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合、または空気冷却手段(41)による空気冷却温度、またはウインドウ加熱手段(43)の稼動率、または内外気送風手段(3、4)での外気導入率の変更度合を可変することを特徴とする。
【0018】
これにより、ウインドウが曇り難い環境条件の時には曇り晴らし能力を下げた防曇制御とすることができるため、より顔の火照りや外気臭の侵入を回避した快適性優先の制御か、または冷凍サイクルや加熱手段の稼動率を抑えた省エネの制御とすることができる。
【0019】
請求項7記載の発明では、空調制御手段(10)は、風量割合調節手段(24、26、34、36)の設定を自動で行うオート吹出口制御モードの時で、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実行することを特徴とする。
【0020】
これにより、オート吹出口制御モードの時には請求項1〜4の防曇制御により内気モード時の窓曇りの危険性を回避し、マニュアルで吹出口が選択されている場合には乗員の意志での選択に対応して能力は変化させないこととなる。
【0021】
請求項8記載の発明では、空調制御手段(10)は、防曇制御を実行するか否かを乗員の操作にて選択できる防曇制御選択手段(57)を備えたことを特徴とする。これにより、窓曇り防止を考慮した本発明の制御パターンと暖房能力や省エネを優先する通常の制御パターンとを乗員が選択することができる。
【0022】
請求項9記載の発明では、車室内空気を清浄にする空気清浄手段(44)を備え、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に外気導入率を時間と共に増やす防曇制御を実行すると共に、空気清浄手段(44)の能力を時間と共に所定値まで大きくすることを特徴とする。
【0023】
これにより、外気導入率を上げたことによる外気臭侵入の危険性に対し、空気清浄能力も同時に上げることによって乗員の快適性を確保できる。
【0024】
請求項10記載の発明では、吹出口(20、23、30、33)に空調風の吹出方向を自動制御する吹出方向制御手段(45)を備え、空調制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実行すると共に、吹出方向制御手段(45)により空調風の吹出方向を乗員外に向けたことを特徴とする。
【0025】
これにより、外気導入率を上げたことによる外気臭侵入の危険性に対し、空調風の吹出方向を乗員外に向けて外気臭を感じ難くすることによって乗員の快適性を確保できる。因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づき説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1ないし図5は本発明の第1実施形態を示したもので、図1はオートエアコンシステムの全体構成を示したものである。また、図2はインストルメントパネルを示した図で、図3はエアコン操作パネルを示した図である。
【0028】
本実施形態の車両用空調装置、いわゆるカーエアコンは、走行用に水冷エンジンを搭載する自動車等の車両の、車室内を空調する空調ユニット1における各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御手段(以下エアコンECUという)10によって制御するように構成されたオートエアコンシステムである。
【0029】
その空調ユニット1は、車室内の運転席側(運転席後方の後部座席を含む)空調ゾーンと、助手席側(助手席後方の後部座席を含む)空調ゾーンとの温度調節及び吹出口モードの変更等を、互いに独立して行うことが可能なエアコンユニットである。
【0030】
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3及びブロワ4とが設けられていて内外気送風手段としての送風機ユニットとなっている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5等のアクチュエータにより駆動されて内気吸込口6と外気吸込口7との開度(いわゆる吸込口モード)を変更する吸込口切替手段である。
【0031】
ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制御されるブロワモータ(送風ファン駆動手段)9により回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる遠心式送風機である。尚、ブロワ4は、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席側、助手席側フロントウインドウの内側)に向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出風量または吹出風速を変更する吹出風量可変手段または吹出風速可変手段を構成する。
【0032】
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2を通過する空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ(冷却用熱交換器)41が設けられている。また、そのエバポレータ41の空気下流側には、第1、第2空気通路11、12を通過する空気をエンジンの冷却水と熱交換して加熱するヒータコア(加熱用熱交換器)42が設けられている。尚、第1、第2空気通路11、12は、仕切板14により区画されている。また、例えば電力を用いて走行する車両に用いられた車両用空調装置では、エバポレータをペルチェ素子に変更しても良い。
【0033】
そのヒータコア42の空気上流側には、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うための運転席側、助手席側エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられている。そして、運転席側、助手席側A/Mドア15、16は、サーボモータ17、18等のアクチュエータにより駆動されて、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席側、助手席側フロントウインドウの内側)に向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更する運転席側、助手席側吹出温度可変手段を構成する。
【0034】
ここで、本実施形態のエバポレータ41は、冷凍サイクルの一構成部品を成すものである。冷凍サイクルは、車両のエンジンルーム内に搭載された車両走行用のエンジンの出力軸にベルト駆動されて、冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機(コンプレッサ)と、このコンプレッサより吐出された冷媒を凝縮液化させる冷媒凝縮器(コンデンサ)と、このコンデンサより流入した液冷媒を気液分離する受液器(レシーバ)と、このレシーバより流入した液冷媒を断熱膨張させる膨張弁(エキスパンション・バルブ)と、このエキスパンション・バルブより流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させる上記のエバポレータ(冷媒蒸発器)とから構成されている。
【0035】
これらの内コンプレッサは、エアコンECU10により制御される電磁クラッチによって、エンジンからの回転力が断続される。そして、電磁クラッチがONされてコンプレッサが起動することによってエバポレータ41が空調ダクト2内を通過する空気を冷却し除湿することで、車室内温度が下がり、フロントウインドウを含むウインドウの内側が曇り難くなる。
【0036】
本実施形態では、エバ後温度センサ74の検出値であるエバ後温度(TE)と目標エバ後温度(TEO)との比較結果に応じて出力される制御信号に基づき容量可変制御を行う電磁式容量可変制御弁を有する容量可変コンプレッサが用いられている。
【0037】
そして、第1空気通路11の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2に示したように、運転席側デフロスタ(DEF)吹出口20、運転席側センタフェイス(FACE)吹出口21、運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口22及び運転席側フット(FOOT)吹出口23が開口している。
【0038】
また、第2空気通路12の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2に示したように、助手席側デフロスタ(DEF)吹出口30、助手席側センタフェイス(FACE)吹出口31、助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口32及び助手席側フット(FOOT)吹出口33が開口している。
【0039】
尚、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30は、フロントウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成し、運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22、32は、サイドウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成する。
【0040】
そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36が設けられている。そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36は、サーボモータ28、29、38、39等のアクチュエータにより駆動されて運転席側、助手席側の吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアで、風量割合調節手段を構成する。
【0041】
ここで、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOTモード、FOOT/DEFモード、DEFモード等がある。尚、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24、34は、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30を互いに独立して開閉することが可能な運転席側、助手席側デフロスタドアで、それを駆動するサーボモータ28、38は、窓曇りまたは霜付きの防止、或いは窓曇りまたは霜の除去に効果のある制御を行う防曇手段のアクチュエータを構成する。
【0042】
エアコンECU10は、本発明の空調制御手段に相当するもので、エンジンの始動及び停止を司るイグニッションスイッチが投入(IG・ON)された時に、車両に搭載された車載電源であるバッテリー(図示せず)から直流電源が供給されると演算処理や制御処理を開始するように構成されている。エアコンECU10には、図1及び図2に示したように、インストルメントパネル50に一体的に設置されたエアコン操作パネル51上の各種操作スイッチから各スイッチ信号が入力されるように構成されている。
【0043】
そして、エアコン操作パネル51には、液晶表示装置(LCD:液晶ディスプレイ)52、内外気切替スイッチ53、フロントデフロスタスイッチ(以下DEFスイッチと言う)54、リヤデフロスタ(デフォッガ)スイッチ55、DUALイスッチ56、吹出口モード(MODE)切替スイッチ57、ブロワ風量切替スイッチ58、A/Cスイッチ59、AUTOスイッチ60、OFFスイッチ61、運転席(DRIVER)側温度設定スイッチ62、助手席(PASSENGER)側温度設定スイッチ63及び低燃費向上スイッチ64等が設置されている。
【0044】
上記の内のDUALイスッチ56は、運転席側空調ゾーン内の温度調節と助手席側空調ゾーン内の温度調節とを互いに独立して行う左右独立温度コントロールを指令する左右独立制御指令手段である。また、DEFスイッチ54は、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当するもので、吹出口モード(MODE)をDEFモードに固定(設定)するように要求するDEFモード要求手段である。
【0045】
MODE切替スイッチ57は、本発明の防曇制御選択手段に相当するもので、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当し、ユーザーのマニュアル操作に応じて、吹出口モード(MODE)を、FACEモードまたはB/LモードまたはF/DモードまたはFOOTモードのいずれかに固定(設定)するように要求するF/Dモード要求手段である。
【0046】
液晶ディスプレイ52には、運転席側、助手席側空調ゾーンの設定温度を視覚表示する設定温度表示部、吹出口モードを視覚表示する吹出口モード表示部(吹出モード表示手段)、及びブロワ風量を視覚表示する風量表示部等が設けられている。尚、液晶ディスプレイ52に外気温表示部、吸込口モード表示部、時刻表示部、を設けても良い。また、エアコン操作パネル51上の各種の操作スイッチは、液晶ディスプレイ52に設けられていても良い。
【0047】
A/Cスイッチ59は、冷凍サイクルのコンプレッサの起動または停止を指令する空調操作スイッチである。一般に、A/Cスイッチ59は、コンプレッサをOFFしてエンジンの回転負荷を減らすことで燃費効率を高めるために設けられている。
【0048】
運転席側温度設定スイッチ62は、運転席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッチ62aとダウンスイッチ62bよりなる。また、助手側温度設定スイッチ63は、助手席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッチ63aとダウンスイッチ63bよりなる。
【0049】
更に、低燃費向上スイッチ64は、冷凍サイクルのコンプレッサの稼働率を下げて、低燃費及び省動力を考慮した経済的な空調制御を行うか否かを指令するエコノミー(ECON)スイッチである。
【0050】
また、エアコンECU10の内部には、演算処理や制御処理を行う中央演算装置(CPU)、メモリ(ROMまたはEEOROM、RAM)、及びI/Oポート(入力/出力回路)等の機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられ、各種センサーからのセンサ信号がI/OポートまたはA/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0051】
即ち、エアコンECU10には、車室内温度(内気温)を検出する内気温検出手段としての内気温センサ71、車室外温度(外気温)を検出する外気温検出手段としての外気温センサ72、及び日射検出手段としての日射センサ73が接続されている。
【0052】
また、エバポレータ41を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度TEという)を検出するエバ後温度検出手段としてのエバ後温度センサ74、車両のエンジン冷却水温を検出する冷却水温検出手段としての冷却水温センサ75、車室内の相対湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ76、及び冷凍サイクルの高圧側のレシーバとエキスパンション・バルブとの間に取り付けられ、高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサ77等が接続されている。
【0053】
ここで、湿度センサ76は、内気温センサ71と共に、運転席近傍のインストルメントパネル50の前面に形成された凹所内に収容されている。尚、凹所は通気口が形成された蓋体50aによって塞がれている。
【0054】
これらのうち内気温センサ71、外気温センサ72、エバ後温度センサ74、及び冷却水温センサ75は、例えばサーミスタ等の感温素子が使用されている。また、日射センサ73は、運転席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Dr)を検知する運転席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)と、助手席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Pa)を検知する助手席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)とを有している。
【0055】
次に、エアコンECU10による制御方法を図4に基づいて説明する。ここで図4は、エアコンECU10の制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0056】
まず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU10に直流電源が供給されると、予めROMに記憶されている制御プログラム(図4のルーチン)の実行が開始される。この時に、エアコンECU10内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容等の初期化を行う(ステップS1)。
【0057】
次に、各種データをデータ処理用メモリ(RAM)に読み込む。即ち、エアコン操作パネル51上の各種操作スイッチからのスイッチ信号や各種センサからのセンサ信号を入力する(ステップS2)。
【0058】
特に、内気温センサ71の検出値である車室内温度に対応した出力信号TR、外気温センサ72の検出値である外気温に対応した出力信号TAM、日射センサ73の検出値である日射量に対応した出力信号TS(Dr)、TS(Pa)、エバ後センサ74の検出値であるエバ後温度に対応した出力信号TE、冷却水温センサ75の検出値である冷却水温に対応した出力信号TWを入力する。
【0059】
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)、及び助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)を演算する(ステップS3)。次に、上記のステップS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいてブロワ風量{ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)}を演算する(ステップS4)。
【0060】
実際には、上記のブロワ制御電圧VAは、運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を予め定めた特性パターンに基づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化処理することにより得ている。
【0061】
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側A/Mドア15のA/M開度SW(Dr)(%)及び助手席側A/Mドア16のA/M開度SW(Pa)(%)を演算する(ステップS5)。運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)は上記のステップS3で求めたものに基づく。
【0062】
次に、後述する図5のルーチンが起動して、ウインドウ防曇制御を行う(ステップS6)。次に、上記ステップで決定した目標エバ後温度(TEO)とエバ後センサ74の検出値である実際のエバ後温度(TE)とが一致するように、フィードバック制御(PI制御)にてコンプレッサの目標吐出量を決定する(ステップS7)。具体的には、コンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In)を記憶している演算式に基づいて演算する。
【0063】
次に、ステップS4で決定されたブロワ制御電流VA(Dr)、VA(Pa)となるようにブロワ駆動回路8に制御信号を出力する(ステップS8)。次に、ステップS5で決定されたA/M開度SW(Dr)、SW(Pa)となるようにサーボモータ17、18に制御信号を出力する(ステップS9)。
【0064】
次に、ステップS6で決定された吹出口モードとなるようにサーボモータ28、29、38、39に制御信号を出力する(ステップS10)。次に、ステップS7で決定されたソレノイド電流(制御電流:In)をコンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに出力する(ステップS11)。その後にステップS2の制御処理に戻る。
【0065】
次に、エアコンECU10によるウインドウ防曇制御を図1ないし図5に基づいて説明する。ここで図5はウインドウ防曇制御を示したフローチャートである。尚、これらの制御は運転席側と助手席側とで互いに独立して成り立つように行われるため、以降の説明は運転席側で説明する。
【0066】
まず、図5のルーチンが起動すると、ステップS21で吸込口モードが内気モードであるか否かを判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリターンして当ステップS21の判定を繰り返す。そして、内気モードが選択されてステップS21の判定結果がYESとなった場合にはステップS22へ進み、吹出口モードがFOOT(フット)モードであるか否かを判定する。
【0067】
そして、その判定結果がNOの場合にはリターンしてステップS21の判定から繰り返す。そして、FOOTモードが選択されてステップS22の判定結果もYESとなった場合にはステップS23へ進み、FOOTモードとして乗員足下の暖房を行いつつ、ウインドウの防曇制御が行なわれる。ステップS23中のグラフに、本発明を適用した防曇制御でのDEFドア24の開度の時間的な推移を示す。
【0068】
そのグラフに示すように、外気モードから内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時にDEFドア24の開度は通常制御時の開度に対して時間と共に増加され、本実施形態では20分後に10%まで増加したところで維持するように制御される。但し、本実施形態では、ウインドウへの空調風の吹出風量を可変するものとしてDEFドアの開度を可変した例を示したが、防曇能力を可変するものであれば吹出風速または配風割合を可変しても良い。
【0069】
次に、本実施形態の特徴を述べる。エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御としてウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合を時間と共に所定値または所定割合まで大きくしている。
【0070】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共にウインドウへの空調風での防曇能力を上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも最小限に抑えることができる。
【0071】
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態でのウインドウ防曇制御を示したフローチャートである。第1実施形態(図5)と同じ形のフローチャートで、内気モードとFOOTモードが選択されてステップS31、S32の判定結果がYESとなった場合のステップS33の内容のみ異なる。ステップS33中のグラフに、本発明を適用した防曇制御でのエバポレータ41での目標エバ後温度TEOの時間的な推移を示す。
【0072】
そのグラフに示すように、外気モードから内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時に目標エバ後温度TEOは通常制御時の目標エバ後温度TEOに対して時間と共に低くし、本実施形態では20分後に−10℃まで低くしたところで維持するように制御される。この様にしてFOOTモードとして乗員足下の暖房を行いつつ、ウインドウの防曇制御が行なわれる。
【0073】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御としてエバポレータ41による空気冷却温度を時間と共に所定値または所定温度差まで低くしている。
【0074】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共にエバポレータ41での除湿能力を上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさない。
【0075】
(第3実施形態)
本実施形態の車両には、ウインドウの曇りを晴らすためのウインドウ加熱手段として熱線43が装備されている。通常は、操作パネル51のDEFスイッチ54が乗員の選択により押された場合、熱線43に通電加熱されウインドウに付いた霜を除去したり曇りを晴らしたりすると同時に、吹出口モードをDEFモードに設定して空調風によるウインドウの防曇能力が上げられる。
【0076】
そして、図7は本発明の第3実施形態でのウインドウ防曇制御を示したフローチャートである。第1、第2実施形態(図5、図6)と同じ形のフローチャートで、内気モードとFOOTモードが選択されてステップS41、S42の判定結果がYESとなった場合のステップS43の内容のみ異なる。ステップS43中のグラフに、本発明を適用した防曇制御での熱線43の稼動率の時間的な推移を示す。
【0077】
そのグラフに示すように、外気モードから内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時に熱線43に通電すると共にその稼動率を時間と共に大きくし、本実施形態では20分後に50%まで上げたところで維持するように制御される。因みに、稼動率の可変は、例えば図8に示すようなON−OFF比の可変で行っても良い。この様にしてFOOTモードとして乗員足下の暖房を行いつつ、ウインドウの防曇制御が行なわれる。
【0078】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時、ウインドウの防曇制御として熱線43の稼動率を時間と共に所定値まで大きくしている。
【0079】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共に熱線43での加熱能力を上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさない。
【0080】
(第4実施形態)
図9は本発明の第4実施形態でのウインドウ防曇制御を示したフローチャートである。第1〜3実施形態(図5〜7)と同じ形のフローチャートで、内気モードとFOOTモードが選択されてステップS51、S52の判定結果がYESとなった場合のステップS53の内容のみ異なる。ステップS53中のグラフに、本発明を適用した防曇制御での送風機ユニット3、4かの外気導入率の時間的な推移を示す。
【0081】
そのグラフに示すように、外気モードから内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時、送風機ユニット3、4かの外気導入率は0%となるが、その外気導入率を時間と共に大きくし、本実施形態では20分後に30%まで上げたところで維持するように制御される。この様にしてFOOTモードとして乗員足下の暖房を行いつつ、ウインドウの防曇制御が行なわれる。
【0082】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御として送風機ユニット3、4での外気導入率を時間と共に所定値まで大きくしている。
【0083】
これにより、コストを高くすることなく、時間と共に外気導入率を上げて換気能力を上げることにより乗員の呼吸等による湿度上昇を抑えて内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさない。
【0084】
(第5実施形態)
図10は本発明の第5実施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。概略、液晶ディスプレイ52等による吹出モードの表示に関するもので、前述の第1〜第4実施形態中のステップS23、S33、S43、S53の防曇制御と同時に実行される。
【0085】
まず、図10のルーチンが起動するとステップS61で、ステップS23、S33、S43、S53で時間と共に変化したDEFドア24の開度または目標エバ後温度または熱線43の稼動率または送風機ユニット3、4での外気導入率が所定値に達したか否かを判定する。
【0086】
そして、その判定結果がNOの間はステップS62へ進み、吹出モード表示はFOOTモードを表示する。そして、所定値となってステップS61の判定結果がYESとなった場合、ステップS63へ進み吹出モード表示にF/D(FOOT/DEF)モードを表示するものである。
【0087】
このような本実施形態の特徴として、モード切替ドア24、26、34、36で実行している吹出モードを表示する液晶ディスプレイ52を備え、エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実行し、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合、またはエバポレータ41による空気冷却温度、または熱線43の稼動率、または送風機ユニット3、4での外気導入率が所定値に達した時、液晶ディスプレイ52での表示をFOOT/DEFモードとしている。
【0088】
これにより、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合が多い吹出状況と吹出モード表示とを合わせることで乗員の違和感を無くすことができる。また、エバポレータ41による空気冷却温度、または熱線43の稼動率、または送風機ユニット3、4での外気導入率の可変による防曇制御の場合でも、乗員にデフロスタ機能も実行していることを示すことができる。
【0089】
尚、ステップS61での所定値は必ずしも時間と共に可変させて維持する値でなくとも、その途中でのある値に達した時点で表示だけを切り替えるようにしても良い。
【0090】
(第6実施形態)
図11は本発明の第6実施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。まず、図11のルーチンが起動すると、ステップS71で吸込口モードが内気モードであるか否かを判定する。次にステップS72で吹出口モードがFOOTモードであるか否かを判定する。そして、次にステップS73で外気温TAMが0℃よりも低いか否かを判定する。これらいずれかのステップでの判定結果がNOの場合はリターンしてこれらのステップS71〜S73の判定を繰り返す。
【0091】
そして、内気モードでFOOTモードで外気温TAMが0℃よりも低い場合、ステップS74へ進み、更に外気温TAMが−5℃よりも低いか否かを判定する。そして、判定結果がYESで外気温TAMが−5℃よりも低くウインドウが曇り易い環境条件の場合にはステップS75へ進み、前述の第1〜4実施形態中のステップS23、S33、S43、S53の防曇制御を実施する。
【0092】
また、判定結果がNOで、いわゆる外気温TAMが0〜−5℃の範囲で、窓の曇る度合が少ない環境条件の場合にはステップS76へ進み、曇り晴らし能力を下げた(快適性を優先させた)弱防曇制御を実施するものである。図12の(a)〜(d)は、その曇り晴らし能力を下げた制御の例を示す特性図である。
【0093】
具体的に、各図中実線で示す本実施形態での時間と共に可変させるDEFドア24の開度、またはエバポレータ41による空気冷却温度、または熱線43の稼動率、または送風機ユニット3、4での外気導入率は、図中破線で示す前述の第1〜4実施形態中のステップS23、S33、S43、S53での推移に対して20分後の変化度を半分の値で維持するように制御している。
【0094】
但し、先のステップS73、S74の目的は、ウインドウが曇り易い環境条件か否かの判定であるため、外気温TAMに限らず、例えば日射量TSまたは車室内温度TRまたは湿度またはガラス温度等で曇り易い・曇り難いの条件を判定しても良い。
【0095】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時防曇制御を実行すると共に、ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合、またはエバポレータ41による空気冷却温度、または熱線43の稼動率、または送風機ユニット3、4での外気導入率の変更度合を可変している。
【0096】
これにより、ウインドウが曇り難い環境条件の時には曇り晴らし能力を下げた防曇制御とすることができるため、より顔の火照りや外気臭の侵入を回避した快適性優先の制御か、または冷凍サイクルや加熱手段の稼動率を抑えた省エネの制御とすることができる。
【0097】
(第7実施形態)
図13は本発明の第7実施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。第1〜4実施形態(図5〜7、図9)と同じ形のフローチャートで、ステップS82の内容のみ異なる。
【0098】
まず、図13のルーチンが起動すると、ステップS81で吸込口モードが内気モードであるか否かを判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリターンして当ステップS81の判定を繰り返す。そして、内気モードが選択されてステップS81の判定結果がYESとなった場合にはステップS82へ進み、吹出口モードがオートモードでのFOOTモードであるか否かを判定する。
【0099】
そして、その判定結果がNOの場合にはリターンしてステップS81の判定から繰り返す。そして、オートモードでFOOTモードが選択されてステップS82の判定結果もYESとなった場合にはステップS83へ進み、前述の第1〜4実施形態中のステップS23、S33、S43、S53の防曇制御が行われる。
【0100】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、モード切替ドア24、26、34、36の設定を自動で行うオート吹出口制御モードの時で、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実行している。
【0101】
これにより、オート吹出口制御モードの時には請求項1〜4の防曇制御により内気モード時の窓曇りの危険性を回避し、マニュアルで吹出口が選択されている場合には乗員の意志での選択に対応して能力は変化させないこととなる。
【0102】
(第8実施形態)
図14は本発明の第8実施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。概略、第1〜4実施形態のフローチャートに対して、内気モードとFOOTモードが選択されてステップS91、S92の判定結果がYESとなりステップS94として前述の第1〜4実施形態中のステップS23、S33、S43、S53の防曇制御を行う前に、その防曇制御を実施するか否かの判定を行うステップS93を設けたものである。
【0103】
その防曇制御を実施するか否かの設定は、例えば乗員がエアコン操作パネル51のMODE切替スイッチ57でFOOTモードを選択した後、運転席側または助手席側のアップスイッチ62a、63aまたはダウンスイッチ62b、63bで選択できるようにしても良い。
【0104】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、防曇制御を実行するか否かを乗員の操作にて選択できるMODE切替スイッチ57等を備えている。これにより、窓曇り防止を考慮した本発明の制御パターンと暖房能力や省エネを優先する通常の制御パターンとを乗員が選択することができる。
【0105】
(第9実施形態)
本実施形態の車両には、車室内空気を清浄にする空気清浄手段として空気清浄器44が装備されている。通常は、空気清浄器44本体等に付いた運転スイッチを乗員の判断により操作することで、車室内空気を取り込み、浄化フィルタ等で臭気成分を吸着除去して車室内へ戻すという空気清浄化運転がなされる。
【0106】
そして、図15は本発明の第9実施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。第1〜4実施形態(図5〜7、図9)と同じ形のフローチャートで、ステップS103の内容のみ異なり、実際には前述の第4実施形態中のステップS53の防曇制御と同時に実行される。
【0107】
まず、図15のルーチンが起動すると、ステップS101で吸込口モードが内気モードであるか否かを判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリターンして当ステップS101の判定を繰り返す。そして、内気モードが選択されてステップS101の判定結果がYESとなった場合にはステップS102へ進み、吹出口モードがFOOTモードであるか否かを判定する。
【0108】
そして、その判定結果がNOの場合にはリターンしてステップS101の判定から繰り返す。そして、FOOTモードが選択されてステップS102の判定結果もYESとなった場合にはステップS103へ進み、前述の第4実施形態中のステップS53の防曇制御と同時に、外気臭対応制御として空気清浄器44の制御が行われる。
【0109】
図16は、その外気臭対応制御の例を示す特性図である。図16の上部に第4実施形態のステップS53における防曇制御としての外気導入率の推移を示す。外気モードから内気モードへ切り替わった場合等で条件が揃った時、送風機ユニット3、4かの外気導入率は一旦0%となり、その後外気導入率を時間と共に大きくし、本例では20分後に30%まで上げたところで維持するように制御している。
【0110】
本実施形態では、その外気導入に合わせて空気清浄器を稼動させ、時間と共に増加する外気導入率に合わせて空気清浄器の稼動率(清浄能力)も時間と共にLOからHIへと上げてゆくものである。
【0111】
このような本実施形態の特徴として、車室内空気を清浄にする空気清浄器44を備え、エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時に外気導入率を時間と共に増やす防曇制御を実行すると共に、空気清浄器44の能力を時間と共に所定値まで大きくしている。
【0112】
これにより、外気導入率を上げたことによる外気臭侵入の危険性に対し、空気清浄能力も同時に上げることによって乗員の快適性を確保できる。
【0113】
(第10実施形態)
本実施形態の車両には、車室内に吹き出す空調風の吹出方向を自動で制御する吹出方向制御手段として、各吹出口に自動可変ルーバ45が装備されている。通常は空調条件により、空調風を乗員に向けたり、拡散させたり、揺動させて揺らぎを発生させたりの制御が行われる。
【0114】
そして、本実施形態は上記の第9実施形態と同様、前述の第4実施形態中のステップS53の防曇制御と同時に行われる外気臭対応制御の他の実施例で、図15のフローチャートで外気臭対応制御が選択された場合、外気臭対応制御として自動可変ルーバ45の制御が行われる。
【0115】
図17は、上部に第4実施形態のステップS53における防曇制御としての外気導入率の推移を示し、その下に自動可変ルーバ45の制御を模式図で示す。本実施形態は、外気導入率の増加に合わせて各吹出口からの空調風の吹出方向を乗員外に向けるよう自動可変ルーバ45を制御するものである。
【0116】
このような本実施形態の特徴として、吹出口20、23、30、33に空調風の吹出方向を自動制御する自動可変ルーバ45を備え、エアコンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定値以下となった時に外気導入率を時間と共に増やす防曇制御を実行すると共に、自動可変ルーバ45により空調風の吹出方向を乗員外に向けている。
【0117】
これにより、外気導入率を上げたことによる外気臭侵入の危険性に対し、空調風の吹出方向を乗員外に向けて外気臭を感じ難くすることによって乗員の快適性を確保できる。
【0118】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、防曇能力を上げるための変化の推移を直線的に行っているが、本発明はこれに限るものではなく、極端なものでなければ変化の推移は多少曲線的であっても良い。また、段階的な変化の推移であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートエアコンシステムの全体構成を示した構成図である。
【図2】車両のインストルメントパネルを示した正面図である。
【図3】エアコン操作パネルを示した正面図である。
【図4】エアコンECUの制御プログラムを示したフローチャートである。
【図5】ウインドウの防曇制御を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図6】ウインドウの防曇制御を示したフローチャートである(第2実施形態)。
【図7】ウインドウの防曇制御を示したフローチャートである(第3実施形態)。
【図8】熱線稼働率50%時の例を表すシーケンス図である。
【図9】ウインドウの防曇制御を示したフローチャートである(第4実施形態)。
【図10】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第5実施形態)。
【図11】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第6実施形態)。
【図12】(a)〜(d)とも図11の快適性優先処理の例を示す特性図である(第6実施形態)。
【図13】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第7実施形態)。
【図14】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第8実施形態)。
【図15】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第9実施形態)。
【図16】図15の外気臭対応制御の例を示す特性図である(第9実施形態)。
【図17】図15の外気臭対応制御の例を示す模式図である(第10実施形態)。
【符号の説明】
3、4 送風機ユニット(内外気送風手段)
10 エアコンECU(空調制御手段)
20、23、30、33 吹出口
24、26、34、36 モード切替ドア(風量割合調節手段)
41 エバポータ(空気冷却手段)
43 熱線(ウインドウ加熱手段)
44 空気清浄器(空気清浄手段)
45 自動可変ルーバ(吹出方向制御手段)
52 液晶ディスプレイ(吹出モード表示手段)
57 MODE切替スイッチ(防曇制御選択手段)
Claims (10)
- 外気導入から内気循環までを選択して空調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段(3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空調風を車室内に吹き出す各吹出口(20、23、30、33)からの風量割合を調節する風量割合調節手段(24、26、34、36)と、これらを制御する空調制御手段(10)を備えた車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御として前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合を時間と共に所定値または所定割合まで大きくすることを特徴とする車両用空調装置。 - 外気導入から内気循環までを選択して空調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段(3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空調風を冷却する空気冷却手段(41)と、前記空気冷却手段(41)を通過した空調風を車室内に吹き出す各吹出口(20、23、30、33)からの風量割合を調節する風量割合調節手段(24、26、34、36)と、これらを制御する空調制御手段(10)を備えた車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御として前記空気冷却手段(41)による空気冷却温度を時間と共に所定値または所定温度差まで低くすることを特徴とする車両用空調装置。 - 外気導入から内気循環までを選択して空調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段(3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空調風を車室内に吹き出す各吹出口(20、23、30、33)からの風量割合を調節する風量割合調節手段(24、26、34、36)と、車両ウインドウの曇りを晴らすためのウインドウ加熱手段(43)と、これらを制御する空調制御手段(10)を備えた車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、前記ウインドウの防曇制御として前記ウインドウ加熱手段(43)の稼動率を時間と共に所定値まで大きくすることを特徴とする車両用空調装置。 - 外気導入から内気循環までを選択して空調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段(3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空調風を車室内に吹き出す各吹出口(20、23、30、33)からの風量割合を調節する風量割合調節手段(24、26、34、36)と、これらを制御する空調制御手段(10)を備えた車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇制御として前記内外気送風手段(3、4)での外気導入率を時間と共に所定値まで大きくすることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記風量割合調節手段(24、26、34、36)で実行している吹出モードを表示する吹出モード表示手段(52)を備え、
前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に前記防曇制御を実行し、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合、または前記空気冷却手段(41)による空気冷却温度、または前記ウインドウ加熱手段(43)の稼動率、または前記内外気送風手段(3、4)での外気導入率が前記所定値に達した時、前記吹出モード表示手段(52)での表示をFOOT/DEFモードとすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。 - 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時前記防曇制御を実行すると共に、前記ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合、または前記空気冷却手段(41)による空気冷却温度、または前記ウインドウ加熱手段(43)の稼動率、または前記内外気送風手段(3、4)での外気導入率の変更度合を可変することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
- 前記空調制御手段(10)は、前記風量割合調節手段(24、26、34、36)の設定を自動で行うオート吹出口制御モードの時で、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に前記防曇制御を実行することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
- 前記空調制御手段(10)は、前記防曇制御を実行するか否かを乗員の操作にて選択できる防曇制御選択手段(57)を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
- 車室内空気を清浄にする空気清浄手段(44)を備え、
前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に外気導入率を時間と共に増やす防曇制御を実行すると共に、前記空気清浄手段(44)の能力を時間と共に所定値まで大きくすることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。 - 前記吹出口(20、23、30、33)に空調風の吹出方向を自動制御する吹出方向制御手段(45)を備え、
前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下となった時に前記防曇制御を実行すると共に、前記吹出方向制御手段(45)により空調風の吹出方向を乗員外に向けたことを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
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