JP3810648B2 - 板状体の取り出し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば積層された多数のシリコンウエハーを1枚ずつ分離して取り出す板状体の取り出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池のセル生産工程においては、多数のシリコンウエハーが積層された状態で投入されるので、ここからシリコンウエハーを1枚ずつ分離して取り出す必要があり、このための専用装置が用いられる。
【0003】
図18は、この種の従来の装置を示す斜視図である。また、図19は、この従来の装置を下方から見て示す図である。更に、図20は、この従来の装置を図19の矢印A方向から見て示す側面図である。
【0004】
この従来の装置は、昇降体101と、昇降体101下面に設けられた接触部102と、昇降体101下面に設けられ、接触部102の両側に配置された一対の吸着パッド103とを備えている。昇降体101は、図示しないエアシリンダー機構等により昇降される。各吸着パッド103による吸引に際しては、図21に示す様に各吸着パッド103が高さh0 だけ収縮する。また、積層された多数のシリコンウエハー111は、略正方形である。
【0005】
この様な構成の装置においては、昇降体101を最上層のシリコンウエハー111上に配置し、昇降体101を下降させて、接触部102及び一対の吸着パッド103をシリコンウエハー111の表面に接触させる。そして、図22(a)に示す様に一対の吸着パッド103によりシリコンウエハー111の表面を吸引し、各吸着パッド103の収縮によりシリコンウエハー111の対角線上の2つの角近傍を持ち上げる。このとき、接触部102によってシリコンウエハー111の中央が押えられるので、図22(b)に示す様にシリコンウエハー111が反って、シリコンウエハー111と下側の他のシリコンウエハー間に隙間が生じ、1枚のシリコンウエハー111が分離される。更に、昇降体101を上昇させて、シリコンウエハー111を取り出す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、シリコンウエハー111の取り出しに際し、シリコンウエハー111の破損を招くことが多かった。これは、シリコンウエハー111を反らせたときに、シリコンウエハー111に作用する応力がその強度を超えるためである。図23は、従来の装置により反らされたシリコンウエハー111のフォンミーゼス応力分布を示すものであって、多数の等応力線によって応力分布を表わしている。図23から明らかな様に、大きな応力がシリコンウエハー111の中央に集中して発生しており、シリコンウエハー111の破損を招き易い状態であることが分かる。
【0007】
また、一対の吸着パッド103が経時変化により劣化すると、それらの吸着時の収縮量が変化する。このため、シリコンウエハー111の反り量が変化して、シリコンウエハー111の分離を常に安定して行うことができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、シリコンウエハー等の板状体に発生する応力の集中を抑制しつつ、板状体を取り出すことが可能な板状体の取り出し装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、積層された複数枚の略四角形の板状体を1枚ずつ分離して取り出す板状体の取り出し装置において、前記板状体の表面に接触する一対の非変位接触部、中央接触部、及び一対の変位接触部を備え、一対の非変位接触部を前記板状体の表面中心に対して対称なそれぞれの角部に配置し、中央接触部を板状体の表面中心に配置し、一対の変位接触部を板状体の表面中心に対して対称な別のそれぞれの角部に配置し、一対の変位接触部及び中央接触部によって前記板状体の表面を吸引しつつ、一対の変位接触部を変位させ、一対の非変位接触部によって板状体の表面を押えることにより、板状体を反らせて、板状体を分離し、前記板状体を取り出す状態では、中央接触部の接触位置が非変位接触部の接触位置と変位した変位接触部の接触位置との間の高さに位置している
【0010】
この様な構成の本発明によれば、一対の非変位接触部は、板状体の表面中心に対して対称なそれぞれの位置に配置され、板状体の表面を押える。また、中央接触部は、板状体の表面中心に配置され、板状体の表面を吸引する。更に、一対の変位接触部は、板状体の表面中心に対して対称な別のそれぞれの位置に配置され、板状体の表面を吸引しつつ変位する。すなわち、板状体の表面中心に対して対称なそれぞれの位置を押え、板状体の表面中心を吸引し、板状体の表面中心に対して対称な別のそれぞれの位置を吸引して変位させている。これにより、板状体が反って下側の他の板状体から分離される。このとき、応力は、板状体の表面中心の位置と、この中心位置から外れた他の4つの位置で生じ、これらの位置から板状体全体に分散するので、板状体が破損せずに済む。
【0011】
また、本発明においては、中央接触部の接触位置から非変位接触部の接触位置までの高さは、変位した変位接触部の接触位置から非変位接触部の接触位置までの高さに対して0.10〜0.25倍に設定される。
【0012】
この様な設定により、各接触部に接触する板状体が適宜に反りながらも、板状体に作用する応力を最小限に抑えることができる。
【0013】
更に、本発明においては、一対の変位接触部は、板状体の表面を吸引するそれぞれの吸着パッドを有しており、該各吸着パッドの近傍に、変位した各変位接触部の接触位置を制限するそれぞれの制限部材を設けている。
【0014】
ここでは、板状体の表面を変位接触部で吸引するために吸着パッドを用いている。
【0016】
更に、これらの制限部材により、板状体と各変位接触部の接触位置が制限され、板状体に所定の反りを生じさせることができる。
【0017】
更に、本発明においては、中央接触部は、ベルヌーイ吸引方法により板状体の表面を吸引するものであり、中央接触部は、吸引した板状体の表面の位置を制限する制限部材を有している。
【0018】
このベルヌーイ吸引方法は、板状体の表面に気流を形成して、板状体の表面と裏面間に圧力差(負圧)を発生させ、この負圧により板状体の表面を吸引するというものであり、板状体の表面の広い範囲を吸引することができる。これにより、応力を板状体全体に分散させ易くなる。
【0020】
更に、この制限部材により、中央接触部の箇所で、板状体の表面の位置が制限され、板状体に所定の処理を生じさせることができる。
【0021】
更に、本発明においては、中央接触部は、板状体の表面を吸引する吸着パッドを有しており、該各吸着パッドの近傍に、変位した中央接触部の接触位置を制限する制限部材を設けている。
【0022】
ここでは、板状体の表面を中央接触部で吸引するために吸着パッドを用いている。
【0024】
更に、この制限部材により、板状体と中央接触部の接触位置が制限され、板状体に所定の反りを生じさせることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の板状体の取り出し装置の第1実施形態を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態の装置を下方から見て示す図である。更に、図3は、本実施形態の装置を図2の矢印A方向から見て示す側面図である。
【0027】
本実施形態の装置は、昇降体11と、昇降体11下面に設けられた一対の非変位接触部12、中央接触部13、及び一対の変位接触部14とを備えており、積層された略正方形の多数のシリコンウエハー21を1枚ずつ取り出すものである。一対の非変位接触部12は、シリコンウエハー21の対角線上の2つの角部21aに対向する様に配置されている。また、中央接触部13は、シリコンウエハー21の中心に対向する様に配置されている。更に、一対の変位接触部14は、シリコンウエハー21の他の対角線上の別の2つの角部21bに対向する様に配置されている。
【0028】
昇降体11は、図示しないエアシリンダー機構等により昇降される。一対の非変位接触部12は、単なる棒体である。
【0029】
中央接触部13は、ベルヌーイ吸引器15と、高さ制限部材16とを備えている。ベルヌーイ吸引器15は、図示しないエアブローポンプに接続され、エアブローポンプから圧送されてきた空気を受け入れ、この空気を図4及び図5の矢印Bで示す様に下方のシリコンウエハー21へと送出する。この空気は、シリコンウエハー21の表面に沿って流れる気流となる。シリコンウエハー21の裏面に気流がないため、表面と裏面間に圧力差(負圧)が生じ、この負圧によりシリコンウエハー21が上方へと持ち上げられ、シリコンウエハー21の表面の広い範囲が吸引される。
【0030】
一対の変位接触部14は、高さ制限円筒体17と、高さ制限円筒体17の内側に配置された吸着パッド18とをそれぞれ備えている。各吸着パッド18は、図示しない真空ポンプに接続されており、各吸着パッド18の開口部から真空ポンプへと空気が吸い込まれる。
【0031】
また、図6に示す様に中央接触部13の高さ制限部材16の下端から一対の非変位接触部12の下端までの高さをhとし、一対の変位接触部14の高さ制限円筒体17の下端から一対の非変位接触部12の下端までの高さをHとすると、高さhを高さHの0.15倍に設定している。
【0032】
さて、この様な構成の装置により、最上層のシリコンウエハー21を取り出すには、まず図7(a)に示す様に昇降体11を最上層のシリコンウエハー21上に配置し、昇降体11を下降させて、一対の非変位接触部12及び一対の変位接触部14をシリコンウエハー21の表面に接触させる。
【0033】
そして、図7(b)に示す様に一対の変位接触部14の各吸着パッド18の開口部から空気を吸い込み、各吸着パッド18によりシリコンウエハー21の各角部21bを吸引する。このとき、各吸着パッド18の内部が負圧となるので、弾性を有する各吸着パッド18が変形して、各吸着パッド18がそれぞれの高さ制限円筒体17の内側に収まる。例えば、各吸着パッド18の外周壁18aを蛇腹状にしておけば、各吸着パッド18の外周壁18aが縦方向に容易に収縮変形して、各吸着パッド18がそれぞれの高さ制限円筒体17の内側に収まる。これにより、シリコンウエハー21の各角部21bが各高さ制限円筒体17の下端に当接する。
【0034】
また、図7(b)に示す様に、中央接触部13のベルヌーイ吸引器15から空気を送出して、シリコンウエハー21の表面に負圧を発生させることにより、シリコンウエハー21の表面中心付近を吸引する。このとき、シリコンウエハー21の表面中心が高さ制限部材16の下端に当接する。
【0035】
こうしてシリコンウエハー21の各角部21b及び中心付近を吸引したときには、一対の非変位接触部12によってシリコンウエハー21の各角部21aが押えられる。この結果、図7(c)に示す様にシリコンウエハー21が反って、シリコンウエハー21と下側の他のシリコンウエハー間に隙間が生じ、1枚のシリコンウエハー21が分離される。この状態で、昇降体11を上昇させて、シリコンウエハー21を取り出す。
【0036】
この様なシリコンウエハー21の取り出しに際し、応力は、シリコンウエハー21の表面中心付近と4つの角部21a、21bで生じ、これらの部位からシリコンウエハー21全体に分散するので、シリコンウエハー21が破損せずに済む。
【0037】
また、図6に示す高さhを高さHの0.15倍に設定しているので、シリコンウエハー21が所定の形状に反る。この形状に反ったときには、シリコンウエハー21に作用する最大応力が十分に小さくなり、シリコンウエハー21が破損し難い。
【0038】
例えば、シリコンウエハー21として、125mm□かつ厚み340μmのものを用い、高さHに対する高さhの倍率を変化させて、シリコンウエハー21に作用する最大応力を測定すると、図8のグラフに示す様な結果が得られる。このグラフから明らかな様に、シリコンウエハー21に対して作用する最大応力を抑制するには、高さHに対する高さhの倍率を0.10〜0.25の範囲で設定すれば良く、約0.15に設定するのが最も好ましい。この様な実験結果に基づいて、各高さ制限円筒体17の下端、高さ制限部材16の下端、及び一対の非変位接触部12の下端を位置決めし、シリコンウエハー21を所定の形状に反らせている。
【0039】
また、ベルヌーイ吸引器15によりシリコンウエハー21の表面中心付近を吸引するので、持ち上げのときに発生するシリコンウエハー21の振動が抑制され、大型のシリコンウエハーであっても、破損させずに安定に取り出すことができる。
【0040】
更に、一対の変位接触部14の各吸着パッド18が経時変化により劣化したとしても、各吸着パッド18がそれぞれの高さ制限円筒体17の内側に収まるまで変形して、シリコンウエハー21の各角部21bが各高さ制限円筒体17の下端に当接するので、シリコンウエハー21を常に所定の形状に変形させて安定に分離させることができる。
【0041】
図9は、本発明の板状体の取り出し装置の第2実施形態を示す斜視図である。また、図10は、本実施形態の装置を下方から見て示す図である。更に、図11は、本実施形態の装置を図10の矢印A方向から見て示す側面図である。尚、図9乃至図11において、図1と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付す。
【0042】
本実施形態の装置においては、図1の装置の中央接触部13の代わりに、シリコンウエハー21の中心に対向する中央接触部31を設けている。この中央接触部31は、一対の変位接触部14と同様に、高さ制限円筒体32と、高さ制限円筒体32の内側に配置された吸着パッド33とを備えている。吸着パッド33は、図示しない真空ポンプに接続されており、吸着パッド33の開口部から真空ポンプへと空気が吸い込まれる。
【0043】
また、図12に示す様に中央接触部31の高さ制限円筒体32の下端から一対の非変位接触部12の下端までの高さをhとし、一対の変位接触部14の高さ制限円筒体17の下端から一対の非変位接触部12の下端までの高さをHとすると、高さhを高さHの0.15倍に設定している。
【0044】
図13は、最上層のシリコンウエハー21を取り出す手順を示している。まず図13(a)に示す様に昇降体11を最上層のシリコンウエハー21上に配置し、昇降体11を下降させて、一対の非変位接触部12、中央接触部31、及び一対の変位接触部14をシリコンウエハー21の表面に接触させる。
【0045】
そして、図13(b)に示す様に一対の変位接触部14の各吸着パッド18の開口部から空気を吸い込み、各吸着パッド18によりシリコンウエハー21の各角部21bを吸引する。また、中央接触部31の吸着パッド33の開口部から空気を吸い込み、吸着パッド33によりシリコンウエハー21の中央部を吸引する。
【0046】
このとき、各吸着パッド18及び吸着パッド33の内部が負圧となるので、弾性を有する各吸着パッド18、33が変形して、各吸着パッド18、33がそれぞれの高さ制限円筒体17、32の内側に収まり、シリコンウエハー21の各角部21b及び中央部が各高さ制限円筒体17、32の下端に当接する。
【0047】
こうしてシリコンウエハー21の各角部21b及び中央部を吸引した状態では、一対の非変位接触部12によってシリコンウエハー21の各角部21aが押えられ、図13(c)に示す様にシリコンウエハー21が反って、シリコンウエハー21と下側の他のシリコンウエハー間に隙間が生じ、1枚のシリコンウエハー21が分離される。この後、昇降体11を上昇させて、シリコンウエハー21を取り出す。
【0048】
この様な本実施形態の装置においても、応力は、シリコンウエハー21の中央部と4つの角部21a、21bで生じ、これらの部位からシリコンウエハー21全体に分散するので、シリコンウエハー21が破損せずに済む。また、図12に示す様に高さhを高さHの0.15倍に設定し、シリコンウエハー21を所定の形状に反らせるので、シリコンウエハー21に作用する最大応力が十分に小さくなり、シリコンウエハー21が破損し難い。
【0049】
また、各吸着パッド18、33が経時変化により劣化したとしても、各吸着パッド18、33がそれぞれの高さ制限円筒体17、32の内側に収まるまで変形して、シリコンウエハー21の各角部21b及び中央部が各高さ制限円筒体17、32の下端に当接するので、シリコンウエハー21を常に所定の形状に変形させて安定に分離させることができる。
【0050】
更に、ベルヌーイ吸引器の代わりに、吸着パッドを適用したことから、コストを低減することができる。
【0051】
図14は、本発明の装置に対する比較例の装置を示す斜視図である。また、図15は、比較例の装置を下方から見て示す図である。更に、図16は、比較例の装置を図15の矢印A方向から見て示す側面図である。尚、図14乃至図16において、図1と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付す。
【0052】
この比較例の装置においては、図1の装置の中央接触部13を省略している。この装置では、図17(a)に示す様に一対の変位接触部14の各吸着パッド18によりシリコンウエハー21の各角部21bを吸引して、シリコンウエハー21の各角部21bを各高さ制限円筒体17の下端に当接させ、一対の非変位接触部12によってシリコンウエハー21の各角部21aを押えることにより、図17(b)に示す様にシリコンウエハー21を反らせて、1枚のシリコンウエハー21を分離する。この後、昇降体11を上昇させて、シリコンウエハー21を取り出す。
【0053】
ところが、シリコンウエハー21の中央部を吸引していないために、昇降体11によりシリコンウエハー21を上昇させると、シリコンウエハー21の中央部が大きく上下に振動し、この振動を原因として、シリコンウエハー21の破損を招くことがあった。
【0054】
例えば、第1実施形態の装置においては、125mm□かつ厚み340μmのシリコンウエハー21を所定形状に反らせ、静止しているときのシリコンウエハー21の最大応力と、速度0.5m/sで上昇させているときの最大応力とを測定すると、上昇中での最大応力が静止状態での最大応力とほぼ同じであった。これに対して、比較例の装置においては、同じサイズのシリコンウエハー21を所定形状に反らせ、速度0.5m/sで上昇させているときの最大応力を測定すると、上昇中での最大応力が静止状態での最大応力の3倍以上に達し、シリコンウエハー21の破損を招き易いことが明らかとなった。
【0055】
尚、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、シリコンウエハーを吸引するために、吸着パッドやベルヌーイ吸引器とは異なる他の機構を適用しても構わない。また、本発明は、シリコンウエハーだけではなく、他の板状体を取り出すために適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、一対の非変位接触部は、板状体の表面中心に対して対称なそれぞれの位置に配置され、板状体の表面を押える。また、中央接触部は、板状体の表面中心に配置され、板状体の表面を吸引する。更に、一対の変位接触部は、板状体の表面中心に対して対称な別のそれぞれの位置に配置され、板状体の表面を吸引しつつ変位する。すなわち、板状体の表面中心に対して対称なそれぞれの位置を押え、板状体の表面中心を吸引し、板状体の表面中心に対して対称な別のそれぞれの位置を吸引して変位させている。これにより、板状体が反って下側の他の板状体から分離される。このとき、応力は、板状体の表面中心の位置と、この中心位置から外れた他の4つの位置で生じ、これらの位置から板状体全体に分散するので、板状体が破損せずに済む。
【0057】
また、本発明によれば、中央接触部の接触位置から非変位接触部の接触位置までの高さは、変位した変位接触部の接触位置から非変位接触部の接触位置までの高さに対して0.10〜0.25倍に設定される。この様な設定により、各接触部に接触する板状体が適宜に反りながらも、板状体に作用する応力を最小限に抑えることができる。
【0058】
更に、本発明によれば板状体の表面を変位接触部で吸引するために吸着パッドを用いている。また、一対の変位接触部の吸着パッドの近傍に、変位した各変位接触部の接触位置を制限するそれぞれの制限部材を設けている。これらの制限部材により、板状体と各変位接触部の接触位置が制限され、板状体に所定の反りを生じさせることができる。
【0059】
更に、本発明によれば、中央接触部は、ベルヌーイ吸引方法により板状体の表面を吸引している。このベルヌーイ吸引方法を適用すれば、板状体の表面の広い範囲を吸引することができ、応力を板状体全体に分散させ易くなる。
【0060】
また、本発明によれば、中央接触部は、吸引した板状体の表面の位置を制限する制限部材を有している。この制限部材により、中央接触部の個所で、板状体の表面の位置が制限され、板状体に所定の反りを生じさせることができる。
【0061】
更に、本発明によれば、板状体の表面を中央接触部で吸引するために吸着パッドを用いている。また、中央接触部の吸着パッドの近傍に、変位した中央接触部の接触位置を制限する制限部材を設けている。この制限部材により、板状体と中央接触部の接触位置が制限され、板状体に所定の反りを生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板状体の取り出し装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の装置を下方から見て示す図である。
【図3】図2の装置を矢印A方向から見て示す側面図である。
【図4】図1の装置のベルヌーイ吸引器の作用を示す側面図である。
【図5】図1の装置のベルヌーイ吸引器の作用を示す平面図である。
【図6】図1の装置のサイズを示す側面図である。
【図7】(a)〜(c)は、図1の装置によるシリコンウエハーの取り出し手順を示す図である。
【図8】シリコンウエハーの反りと最大応力の関係を示すグラフである。
【図9】本発明の板状体の取り出し装置の第2実施形態を示す斜視図である。
【図10】図9の装置を下方から見て示す図である。
【図11】図10の装置を矢印A方向から見て示す側面図である。
【図12】図9の装置のサイズを示す側面図である。
【図13】(a)〜(c)は、図9の装置によるシリコンウエハーの取り出し手順を示す図である。
【図14】本発明の装置に対する比較例を示す斜視図である。
【図15】図14の装置を下方から見て示す図である。
【図16】図15の装置を矢印A方向から見て示す側面図である。
【図17】(a)及び(b)は、図14の装置によるシリコンウエハーの取り出し手順を示す図である。
【図18】従来の装置を例示する斜視図である。
【図19】図18の装置を下方から見て示す図である。
【図20】図19の装置を矢印A方向から見て示す側面図である。
【図21】図18の装置の一対の吸着パッドが変位した状態を示す側面図である。
【図22】(a)及び(b)は、図18の装置によるシリコンウエハーの取り出し手順を示す図である。
【図23】図18の装置により反らされたシリコンウエハーのフォンミーゼス応力分布を示す図である。
【符号の説明】
11 昇降体
12 非変位接触部
13 変位中央接触部
14 変位接触部
15 ベルヌーイ吸引器
16、32 高さ制限部材
17 高さ制限円筒体
18、33 吸着パッド
21 シリコンウエハー
31 中央接触部

Claims (5)

  1. 積層された複数枚の略四角形の板状体を1枚ずつ分離して取り出す板状体の取り出し装置において、
    前記板状体の表面に接触する一対の非変位接触部、中央接触部、及び一対の変位接触部を備え、
    一対の非変位接触部を前記板状体の表面中心に対して対称なそれぞれの角部に配置し、中央接触部を板状体の表面中心に配置し、一対の変位接触部を板状体の表面中心に対して対称な別のそれぞれの角部に配置し、
    一対の変位接触部及び中央接触部によって前記板状体の表面を吸引しつつ、一対の変位接触部を変位させ、一対の非変位接触部によって板状体の表面を押えることにより、板状体を反らせて、板状体を分離し、
    前記板状体を取り出す状態では、中央接触部の接触位置が非変位接触部の接触位置と変位した変位接触部の接触位置との間の高さに位置していることを特徴とする板状体の取り出し装置。
  2. 中央接触部の接触位置から非変位接触部の接触位置までの高さは、変位した変位接触部の接触位置から非変位接触部の接触位置までの高さに対して0.10〜0.25倍に設定されることを特徴とする請求項1に記載の板状体の取り出し装置。
  3. 一対の変位接触部は、板状体の表面を吸引するそれぞれの吸着パッドを有しており、該各吸着パッドの近傍に、変位した各変位接触部の接触位置を制限するそれぞれの制限部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の板状体の取り出し装置。
  4. 中央接触部は、ベルヌーイ吸引方法により板状体の表面を吸引するものであり、中央接触部は、吸引した板状体の表面の位置を制限する制限部材を有することを特徴とする請求項1に記載の板状体の取り出し装置。
  5. 中央接触部は、板状体の表面を吸引する吸着パッドを有しており、該各吸着パッドの近傍に、変位した中央接触部の接触位置を制限する制限部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の板状体の取り出し装置。
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