JP3808648B2 - 炭窒酸化チタン膜被覆工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は炭窒酸化チタン被覆工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、硬質皮膜被覆工具は超硬合金、高速度鋼、特殊鋼のうちの一種または二種以上からなる基体表面に硬質皮膜を化学蒸着法や、物理蒸着法により成膜して作製される。
このような被覆工具は皮膜の耐摩耗性と基体の強靭性とを兼ね備えており、広く実用に供されている。特に、高速で切削する場合や切削液を用いずに旋削加工する場合には、切削工具の刃先温度は1000℃前後まで上がり、被削材との接触による摩耗や断続切削等の機械的衝撃に耐える必要があり、耐摩耗性と強靭性とを兼ね備えた被覆工具が重宝されている。
【0003】
上記の硬質皮膜には、耐摩耗性と靭性とに優れる、周期律表IVa、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物からなる膜と、耐酸化性に優れる酸化アルミニウム膜のうちのいずれか一種の単層皮膜あるいは二種以上の多層皮膜が用いられている。
【0004】
周期律表IVa、Va、VIa族金属の炭窒化物からなる膜として炭窒化チタン膜が主に用いられている。炭窒化チタン膜は靭性と耐摩耗性とをバランス良く有することから工具用被覆膜として多用されており、本発明者等は特許第2660180や特開平10−15711、特願平10−76561により柱状晶の形態を持つ炭窒化膜を提案してきた。この柱状晶形態の炭窒化膜の特長は、粒状の炭窒化膜に比べて、各結晶粒が膜厚方向に細長いため、膜厚に比べて横方向の結晶粒幅が小さく、クラックが発生し難いことである。また、他にも、(220)面にX線回折最強ピークが現れるチタンの炭窒化膜(特開昭56−156767)、(422)面のX線回折ピーク強度が最強である炭窒化膜(特開平6−158325や特開平7−62542)、あるいは(311)面のX線回折ピーク強度が最強である炭窒化膜(特開平5−269606)が提案されている。更に、テーパー形状の柱状結晶粒を持つ炭窒化膜の平均結晶粒幅と膜厚との関係を規定した特開平8−71814等が提案されている。
【0005】
しかし、これらは柱状晶形態の炭窒化膜のみを検討しており、炭窒酸化膜に関しては検討していない。例えば、特開平6−158325では(422)面においてX線回折最強ピーク強度を示す炭窒化チタン膜を提案しているが、同時に成膜されている炭窒酸化膜は炭窒化チタン膜とは別個の膜として扱っており、炭窒酸化膜のX線回折最強ピーク強度は検討していない。
【0006】
炭窒酸化チタン膜に関しては、特開平8−257808では(111)面、(220)面、(200)面からのX線回折ピーク強度IがI(111)>I(220)>I(200)であるチタンの炭窒酸化物層が被覆された切削工具が提案され、特開平8−269719ではI(220)>I(111)>I(200)であるチタンの炭窒酸化物層が被覆された切削工具が提案されている。また、X線回折で(220)面に最強ピークが現れるTiの炭窒化膜を提案した先述の特開昭56−156767に対して、特許第2535866では、X線回折で(220)面に最強ピークが現れるTiの炭窒酸化物の単層、また、Tiの炭窒酸化物とTiの炭化物および炭窒化物のうちの一種もしくは二種を複層被覆した切削工具が開示されている。また、特開平8−47999では、TiCxOyNz(但し0.7≦x+y+z≦1.3、0.2<y<0.8)からなる第2層上に、TiCxN1-x(但し0≦x≦1)からなる第3層を被覆した被覆超硬質焼結合金物品が提案されている。
【0007】
しかし、前記従来の炭窒酸化物膜は、(111)面または(220)面のX線回折ピーク強度が最強であり、(311)面や(422)面のX線回折ピーク強度が最強である炭窒酸化物膜については言及していない。
【0008】
炭窒酸化物膜は750〜950℃と比較的低温で成膜でき、膜硬度が高く、耐腐食性が優れ、摩擦係数が低い利点を有しており、上記のように種々の検討がなされているが、膜厚増加とともに膜表面の結晶粒幅が大きくなる欠点と、膜表面に粗大結晶粒からなる局所的な突起が形成される欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の炭窒酸化チタン膜の欠点を踏まえて、本発明が解決しようとする課題は、膜厚増加とともに膜表面の結晶粒幅が粗大化せず、局所的な突起の形成を抑えた炭窒酸化チタン膜を実現し、従来に比して格段に切削耐久特性の優れる炭窒酸化チタン被覆工具を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究してきた結果、(311)面または(422)面のX線回折ピーク強度が最強であり、酸素原子を0.05〜3.02質量%含有する周期律表IVa、Va、VIa族金属の炭窒酸化物からなる柱状晶形態の強い膜を被覆することにより切削耐久特性の優れる工具を実現できることを見出し、本発明に想到した。
【0011】
すなわち本発明は、基体表面に周期律表のIVa、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物、並びに酸化アルミニウムのいずれか一種の単層皮膜または二種以上の多層皮膜を有し、該単層皮膜または該多層皮膜中の少なくとも一層が炭窒酸化チタン膜からなる炭窒酸化チタン被覆工具において、前記炭窒酸化チタン膜の膜厚が2〜18μmであり、前記炭窒酸化チタン膜のX線回折ピーク最強度面が、(422)面または(311)面であり、前記炭窒酸化チタン膜中の酸素量が0.05〜3.02質量%であることを特徴とする炭窒酸化チタン被覆工具である。後に詳説するように、X線回折ピーク最強度面が(422)面または(311)面であることにより、炭窒酸化チタン膜は、膜厚増加によっても膜表面の結晶粒幅が粗大化せず、局所的な突起が形成されない。また、前記炭窒酸化チタン膜の結晶性が高く粒界の強度が上がるとともに、膜表面の起伏が大きくなり上層膜との密着性が高まり、良好な切削耐久特性が実現されていると判断される。スローアウェイインサート型の切削工具の場合、X線回折強度は工具側面等の平坦部で測定する。
【0012】
本発明において、前記炭窒酸化チタン膜の結晶構造が立方晶であり、格子定数が0.428〜0.431nmであることを特徴とする。前記炭窒酸化チタン膜の結晶構造が立方晶であり、格子定数が0.428〜0.431nmであることにより、特願平10−76561で規定したように、結晶構造が面心立方晶であり、格子定数が0.428〜0.431nmである炭窒化チタン膜の炭素と窒素の原子位置に酸素原子が入ることになり、緻密で結晶性の高い炭窒酸化チタン膜が実現でき、優れた切削耐久特性が実現されていると判断される。
【0013】
また、本発明において、前記炭窒酸化チタン膜表面またはその近傍の平均結晶粒幅が、前記炭窒酸化チタン膜の膜厚が2μm以上5μm未満の時は0.3μm以下、より好ましくは0.2μm以下であり、膜厚が5μm以上10μm未満の時は0.6μm以下、より好ましくは、0.4μm以下であり、膜厚が10μm以上の時は1μm以下、より好ましくは、0.6μm以下であることがよい。ここで、炭窒酸化チタン膜の膜厚と膜表面またはその近傍の平均結晶粒幅とは、膜破断面を用い、後述の方法で測定されるものである。特に、スローアウェイインサート型の切削工具の場合、炭窒酸化チタンの膜厚と表面またはその近傍の平均結晶粒径は、切削時に最も重要である工具刃先のホーニング部で測定する。これは、ホーニング部は基体表面の面粗さが小さく、炭窒酸化チタン膜本来の特性が現われ易いためでもある。前記炭窒酸化チタン膜表面またはその近傍の平均結晶粒幅が上記特定範囲を超えると、炭窒酸化チタン膜が粗大結晶粒化するため、クラックが入り易くなり、本発明の効果が現れなくなる。また、膜厚が2μm以上5μm未満の時は0.2μm以下、膜厚が5μm以上10μm未満の時は0.4μm以下、膜厚が15μmを超える時は0.6μm以下に前記平均結晶粒幅を制御することにより、炭窒酸化チタン膜の靭性を良好に維持しつつより膜を厚くでき、更に良好な切削耐久特性が実現されていると判断される。
【0014】
また、本発明は前記炭窒酸化チタン膜中の酸素量が0.05〜3.02質量%であり、好ましくは上限が3質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.3〜1質量%であることがよい。酸素量が0.05〜3.02質量%であることにより、炭窒酸化チタン膜の(422)面または(311)面配向が強くなり、かつ膜の柱状晶形態が強くなるとともに膜表面の平均結晶粒幅が小さくなり、優れた切削耐久特性が実現される。酸素量が0.05質量%未満では酸素元素の効果が現れず、3.02質量%を超えると炭窒酸化チタン膜自体の機械強度が低下し脆くなる欠点が生じる。酸素量が0.1〜2質量%の時に上記酸素元素の効果がより顕著であり、酸素量が0.3〜1質量%の時に酸素元素の効果が特に顕著に現れる。
【0015】
また、本発明において、前記炭窒酸化チタン膜中の塩素量が0.01〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%であることがよい。塩素量が0.01〜2質量%であることにより、炭窒酸化チタン膜の(422)面または(311)面配向が強くなり、かつ膜の柱状晶形態が強くなるとともに膜表面の平均結晶粒幅が小さくなり、優れた切削耐久特性が実現される。塩素量が0.01質量%未満では塩素元素の効果が現れず、塩素量が2質量%を超えると炭窒酸化チタン膜の硬度が低下し、工具耐摩耗性が低下する。塩素量が0.1〜1質量%の時に塩素元素の効果がより顕著であり、炭窒酸化チタン膜の(422)面または(311)面の配向が更に強くなると同時に耐摩耗性がより向上し、更に優れた切削耐久特性が実現される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳説する。
本発明の被覆工具において、炭窒酸化チタン(TiCNO)膜のX線回折ピークの同定は、JCPDSファイル(Powder Diffraction File Published by JCPDS InternationalCenter for Diffraction Data)に記載がないため、TiCとTiNのX線回折データ(ASTMファイルNo.29−1361とNo.38−1420)および本発明品を実測して得たX線回折パターンから求めた表1の数値を用いて行った。また、炭窒酸化チタンのX線回折強度I0は表2に示したTiCのX線回折強度I0と同一と仮定した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
本発明の被覆工具を製作するために既知の成膜方法を採用できる。例えば、通常の化学蒸着法(熱CVD)、プラズマを付加した化学蒸着法(PACVD)、イオンプレーティング法等を用いることができる。用途は切削工具に限るものではなく、炭窒酸化チタン膜を含む単層あるいは多層の硬質皮膜を被覆した耐摩耗材や金型、溶湯部品等でもよい。
【0020】
本発明の被覆工具において、炭窒酸化チタン膜はTiCNOに限るものではない。例えばTiCNOにCr、Zr、Ta、Mg、Y、Si、Bのうちの一種または二種以上を0.3〜10重量%添加した膜でもよい。0.3重量%未満ではこれらを添加する効果が現れず、10重量%を超えるとTiCNO膜の耐摩耗、高靭性の効果が低くなる欠点が現れる。
また、炭窒酸化チタン膜はCH3CNとTiCl4とCO2、COの混合ガスを反応させて成膜する膜に限るものではなく、CH4、N2、TiCl4とCO2、COの混合ガスとを反応させて成膜するTiCNO膜でもよい。
また、本発明の被覆工具において、炭窒酸化チタン膜の上膜はTiC膜、TiCO膜あるいはTiCNO膜に限るものではない。例えばTiN膜、TiCN膜、あるいは原料ガスにCH3CNガスを用いずにN2ガスを用いて成膜した他のTiCNO膜等の膜でもよい。更には、例えばTiCにCr、Zr、Ta、Mg、Y、Si、Bのうちの一種または二種以上を0.3〜10重量%添加した膜でもよい。0.3重量%未満ではこれらを添加する効果が現れず、10重量%を超えるとTiC膜の耐摩耗の効果が低くなる欠点が現れる。また、炭窒酸化チタン膜の上に直接酸化アルミニウムを主とする下記の酸化膜を成膜するのも有効である。
また、上記膜には本発明の効果を消失しない範囲で不可避の不純物を例えば数質量%程度まで含むことが許容される。
また、下地膜はTiNに限るものではなく、例えば下地膜としてTiC膜および/またはTiCN膜を成膜した場合も本発明に含まれることは勿論である。
【0021】
本発明の被覆工具に被覆する酸化アルミニウム膜としてκ型酸化アルミニウム単相またはα型酸化アルミニウム単相の膜を用いることができる。また、κ型酸化アルミニウムとα型酸化アルミニウムとの混合膜でもよい。また、κ型酸化アルミニウムおよび/またはα型酸化アルミニウムと、γ型酸化アルミニウム、θ型酸化アルミニウム、δ型酸化アルミニウム、χ型酸化アルミニウムの少なくとも一種以上とからなる混合膜でもよい。また、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウム等に代表される他の酸化物との混合膜でもよい。
【0022】
本発明の被覆工具において、炭窒酸化チタン膜、炭窒化チタン膜、炭化チタン膜、炭酸化チタン膜、炭窒酸化チタン膜、酸化アルミニウム膜は必ずしも最外膜である必要はなく、例えばさらにその上に少なくとも一膜のチタン化合物(例えばTiN膜、TiCN膜または前記膜を組み合わせた多層膜等)を被覆してもよい。
【0023】
次に本発明の被覆工具を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものでない。
【0024】
(実施例1)
質量%で、WC72%,TiC8%,(Ta,Nb)C11%,Co9%の組成よりなるスローアウェイインサート型の切削工具用超硬合金基板をCVD炉内にセットし、その表面に、化学蒸着法によりH2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用い0.3μm厚さのTiN膜を900℃でまず形成した。続いて、750〜980℃でTiCl4ガスを0.5〜2.5vol%、CH3CNガスを0.5〜2.5vol%、N2ガスを25〜45vol%、CO2とCOの混合ガスを0.5〜10vol%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、成膜圧力を20〜100Toorの条件で反応させることにより6μm厚さのTiCNO膜を成膜した。その後、950〜1020℃でTiCl4ガスとCH4ガスとH2キャリヤーガスとをトータル2,200ml/分で60分間流して成膜し、そのまま連続して本構成ガスにさらに2.2〜550ml/分のCO2とCOの混合ガスを追加して5〜30分間成膜することによりチタンの炭化物および炭酸化物からなる膜を作製した。続いてAl金属小片を詰め350℃に保温した小筒中にH2ガス310ml/分とHClガス130ml/分とを流すことにより発生させたAlCl3ガスおよびH2ガス2l/分とCO2とCOの混合ガス500ml/分とをCVD炉内に流し、1010〜1020℃で2時間反応させることにより所定の厚さの酸化アルミニウム膜を成膜した。
【0025】
図1は実施例1の条件で作製した本発明品の代表的な工具側面平坦部の皮膜部分を試料面にして、理学電気(株)製のX線回折装置(RU−200BH)を用いて2θ−θ走査法により2θ=10〜145度の範囲で測定したX線回折パターンである。X線源にはCuKα1線(λ=0.15405nm)を用い、ノイズ(バックグランド)は装置に内蔵されたソフトにより除去した。
図1のX線回折パターンから求めた、本発明品の炭窒酸化チタン(TiCNO)膜の各ピークの2θ値とX線回折強度および各2θ値から求めた格子定数とを表3にまとめて示した。炭窒酸化チタンのX線回折ピークの同定は、特願平10−76561で求めた炭窒化チタン膜のX線回折ピーク位置と、その前後のWCのX線回折ピーク(ASTMファイルNo.25−1047)、TiCのX線回折ピーク(同No.32−1383)、TiNのX線回折ピーク(同No.38−1420)、κ型酸化アルミニウムのX線回折ピーク(同No.4−878)、α型酸化アルミニウム(同No.10−173)のX線回折ピーク等との位置関係も考慮して決定した。
表3より、炭窒酸化チタン膜の結晶構造が立方晶であり格子定数が0.429nmであるとして計算した各X線回折ピーク位置と本発明品の実測値とが良く一致することがわかる。各X線回折ピークにおいて決定した立方晶の面指数を表3の右欄に記した。なお、(111)面のX線回折ピーク位置は2θが低角度のため測定誤差が大きく、上記の格子定数の計算からは除外した。(400)面はX線回折ピークが弱く読み取りが困難だった。また、(511)面はX線回折ピーク強度が低く、かつピーク幅も広いため、2θ値の読み取りが困難だった。
同様にして、他の本発明品の炭窒化チタン膜の格子定数を測定した結果、本発明品の格子定数は0.428〜0.431nmの範囲にあった。
【0026】
【表3】
【0027】
図1と表3から、本発明品の、炭窒酸化チタン膜のX線回折強度I(hkl)は(422)面が最も強く、次に(311)面、その次に(111)面が強いことがわかる。
【0028】
図2は、本発明の代表的な被覆工具の皮膜部の破断面を走査型電子顕微鏡装置(SEM)により撮影した写真、図3は炭窒酸化チタン膜表面部の平均結晶粒幅の測定方法を図示したものであり、図2に対応する。本発明品はスローアウェイインサート型切削工具であるため、炭窒酸化チタンの膜厚と表面の平均結晶粒幅は、切削時に最も重要である工具刃先のホーニング部で測定した。炭窒酸化チタン膜表面の平均結晶粒幅は、図3に示す通り、炭窒酸化チタン膜表面部近傍に、基体(基板)表面と平行に横線を引き、横線内に含まれる結晶粒数から(1)式を用いて求めた。
平均結晶粒幅=測定長さ 17μm/測定長内の結晶粒数 …(1)
本測定方法により、図2に示す本発明品の炭窒酸化チタン膜は、膜厚13μm、平均結晶粒幅が0.4μmであることが確認された。
【0029】
本発明品の膜断面を研摩し、炭窒酸化チタン膜断面の研摩面中の5点に含まれる酸素量と塩素量とを電子プローブマイクロアナライザー(EPMA、日本電子(株)製JXA−8900R)を用い、加速電圧15KV、試料電流0.2μAで分析した結果、5点平均の酸素量は0.62質量%、塩素量は0.58質量%であった。
【0030】
表4は、同様にして測定した、実施例1で作製した代表的な本発明品の炭窒酸化チタン膜のX線回折強度最強面、膜厚と平均結晶粒幅、膜中酸素量(質量%)、膜中塩素量(質量%)と、後述の連続切削時の工具寿命と断続切削可能回数とをまとめて示したものである。膜厚は小数点以下第一位を四捨五入し、平均結晶粒幅は小数点以下第二位を四捨五入した。
表4より、本発明品の炭窒酸化チタン膜のX線回折強度最強面は(311)面または(422)面であること、また、平均結晶粒幅は、膜厚が5μm未満の時は0.3μm以下、膜厚が5μm以上10μm未満の時は0.6μm以下、膜厚が10μm以上の時は1μm以下であることがわかる。また、本発明品の炭窒酸化チタン膜中の酸素量は0.05〜3質量%であり、塩素量は0.01〜2質量%であることがわかる。
【0031】
【表4】
【0032】
表4において、連続切削寿命は、実施例1の条件で製作した切削工具5個を用いて、以下の条件で連続切削し、平均逃げ面摩耗量が0.4mm、クレーター摩耗が0.1mmのどちらかに達した時間を連続切削寿命と判断し求めた。
被削材 S53C(HS35)
切削速度 200m/分
送り 0.3mm/rev
切り込み 2.0mm
水溶性切削油使用
表4より、上記本発明品は、炭窒酸化チタンの膜厚が2μmの時、連続切削寿命が20分と長く、膜厚増加に比例して工具寿命も伸びており、切削工具として連続切削時の耐久性に優れていることがわかる。なお、表4の場合、炭窒酸化チタンの膜厚T(μm)と工具寿命L(分)とは、L=3.58T+19.35、R2=0.91で表せる。
【0033】
また、表4に示した断続切削回数は、実施例1の条件で製作した切削工具5個を用いて、以下の条件で断続切削し、欠損に至るまでの断続切削回数を評価した。刃先先端の欠け状況は倍率50倍の実体顕微鏡で観察した。
被削材 S53C 溝入材(HS38)
切削条件 220 m/分
送り 0. 2 mm/rev
切り込み 2.0 mm
切削液 使用せず(乾式切削)
本発明品は、炭窒酸化チタンの膜厚が2μmの時、5000回迄断続切削後も刃先が健全で欠損不良は認められず、切削工具として断続切削時の耐久性に優れていることがわかる。
【0034】
次に、表4より、本発明品はいずれも連続切削寿命が20分以上であり、かつ断続切削も1000回以上可能であり、切削耐久特性が優れていることがわかる。
また、膜厚がともに4μmであるNo.2、3の本発明品や、膜厚が9μmのNo.7〜14の本発明品および膜厚が15μmであるNo.18〜20の本発明品の切削試験結果、特に断続切削試験結果から、膜厚が5μm未満の時は平均結晶粒幅が0.2μm以下、膜厚が5μm以上10μm未満の時は0.4μm以下、膜厚が10μm以上の時は0.6μm以下で特に切削耐久特性が優れていることがわかる。
また、例えば、膜厚9μmのNo.8〜10の断続切削回数をNo.7およびNo.11〜14の断続切削回数と比較することにより、炭窒酸化チタン膜中の酸素含有量が0.1〜2質量%の時、切削耐久特性が特に優れており、0.3〜1質量%の時には更に切削耐久特性が優れていることがわかる。
また、例えば、膜厚9μmのNo.8〜11の断続切削回数をNo.7およびNo.12〜14の断続切削回数と比較することにより、炭窒酸化チタン膜中の塩素量が0.1〜1質量%の時、切削耐久特性が特に優れていることがわかる。
【0035】
(従来例1)
炭窒酸化チタン膜の配向、平均結晶粒幅、酸素元素含有量の差違による切削耐久特性への影響を明らかにするために、本発明品と同様に、質量%でWC72%,TiC8%,(Ta,Nb)C11%,Co9%の組成よりなるスローアウェイインサート型の切削工具用超硬合金基板をCVD炉内にセットし、その表面に、化学蒸着法によりH2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用い0.3μm厚さのTiN膜を900℃でまず形成した。続いて、TiCl4ガスを0.5〜2.5vol%、CH3CNガスを0.5〜2.5vol%、N2ガスを25〜45vol%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、成膜温度750〜980℃、成膜圧力20〜100Toorで反応させることにより6μm厚さのTiCN膜を、あるいは、同範囲量のTiCl4ガス、CH3CNガス、N2ガスと、CO2とCOの混合ガス0.5〜10vol%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、成膜温度980〜1020℃、成膜圧力20〜100Toorで反応させることにより6μm厚さのTiCNO膜を成膜した。
その後、950〜1020℃でTiCl4ガスとCH4ガスとH2キャリヤーガスとをトータル2,200ml/分で60分間流して成膜し、そのまま連続して本構成ガスにさらに2.2〜110ml/分のCO2ガスを追加して5〜30分間成膜することによりチタンの炭化物および炭酸化物からなる膜を作製した。続いてAl金属小片を詰め350℃に保温した小筒中にH2ガス310ml/分とHClガス130ml/分とを流すことにより発生させたAlCl3ガスとH2ガス2l/分とCO2とCOの混合ガス500ml/分とをCVD炉内に流し、1010〜1020℃で2時間反応させることにより所定の厚さの酸化アルミニウム膜を成膜し、従来例品を作製した。
【0036】
作製した従来例品のX線回折最強度面は(422)面や(311)面ではなく、(220)面や(111)面等であった。
【0037】
図4(a)、(b)は、従来例で作製した被覆工具と同一条件で、切削工具用超硬合金基板表面に窒化チタン膜、炭窒酸化チタン膜迄を成膜した後、皮膜の破断面と膜表面部分とを走査型電子顕微鏡装置(SEM)により撮影した写真である。この場合、炭窒酸化チタン膜の表面には炭化チタン膜、炭酸化チタン膜、酸化アルミニウム膜は成膜されていない。図4(a)、(b)から、従来例品の炭窒酸化チタン膜には粗大な結晶粒が発生しており、炭窒酸化チタン膜表面に局所的に粗大な突起ができていることや、その結晶粒表面の凹凸が少なく平滑であり、上層膜の密着性が劣る可能性が高いことがわかる。図4(b)の膜破断面から測定した炭窒酸化チタン膜の膜厚は9μm、膜表面の平均結晶粒幅は0.7μmである。なお、図4(a)の膜表面のSEM写真から測定される平均結晶粒径は1.4μmであり、膜破断面から測定される平均結晶粒幅は、膜表面から測定される平均結晶粒径の約半分であることがわかる。
【0038】
表5は、本発明品と同様にして測定した、従来の炭窒化チタン膜または炭窒酸化チタン膜のX線回折最強度面、膜厚と平均結晶粒幅、第二層を構成する膜の炭窒化チタン膜または炭窒酸化チタン膜の区別、および連続切削時の工具寿命と断続切削可能回数とをまとめて示したものである。
表5より、従来の炭窒化チタン膜または炭窒酸化チタン膜の平均結晶粒幅は、膜厚が5μm未満の時は0.3μm超、膜厚が5μm以上10μm未満の時は0.6μm超、膜厚が10μm以上の時は1μm超であることがわかる。また、炭窒酸化チタン膜のX線回折最強度面は(220)面または(111)面であることがわかる。
【0039】
【表5】
【0040】
表5には、従来例1の条件で作製した切削工具各5個を用いて実施例1と同一の条件で切削試験した結果もまとめて示した。
いずれの従来例品も、各膜厚において、表4に示した本発明品の連続切削寿命時間よりも大幅に短く、本発明品に比べて劣ることがわかる。特に、断続切削回数はいずれも1000回未満と短く、従来例品の切削耐久特性が本発明品より劣ることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、炭窒酸化チタン膜の膜厚が2〜18μmであり、且つ、X線回折ピーク最強度面が、(422)面または(311)面であり、かつ、前記炭窒酸化チタン膜中の酸素量が0.05〜3.02質量%であり、結晶性が高く、かつ膜表面が起伏に富んでおり、しかも、炭窒酸化チタン膜の平均結晶粒幅が小さいため、炭窒酸化チタン膜自体の機械強度と上層膜との密着性が良く、切削耐久特性に優れた有用な炭窒酸化チタン被覆工具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる炭窒酸化チタン被覆工具のX線回折パターンの一例を示す図である。
【図2】本発明に係わる炭窒酸化チタン被覆工具のセラミック材料の組織写真の一例を示す図である。
【図3】本発明に係わる炭窒酸化チタン被覆工具の平均結晶粒幅の測定方法を示す模式図である。
【図4】従来例に係わる炭窒酸化チタン被覆工具のセラミック材料の組織写真である。
Claims (4)
- 基体表面に周期律表のIVa、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物、並びに酸化アルミニウムのいずれか一種の単層皮膜または二種以上の多層皮膜を有し、該単層皮膜または該多層皮膜中の少なくとも一層が炭窒酸化チタン膜からなる炭窒酸化チタン被覆工具において、前記炭窒酸化チタン膜の膜厚が2〜18μmであり、前記炭窒酸化チタン膜のX線回折ピーク最強度面が、(422)面または(311)面であり、前記炭窒酸化チタン膜中の酸素量が0.05〜3.02質量%であることを特徴とする炭窒酸化チタン被覆工具。
- 前記炭窒酸化チタン膜の結晶構造が立方晶であり、格子定数が0.428〜0.431nmであり、且つ、前記炭窒酸化チタン被覆工具の皮膜部の破断面において、前記炭窒酸化チタン膜表面側の界面直下に、その少なくとも一部が該界面に接しかつ基体表面に平行である直線を引き、該直線の長さを該直線内に含まれる結晶粒数で除することにより求めた前記炭窒酸化チタン膜の平均結晶粒幅が、前記炭窒酸化チタン膜の膜厚が2μm以上5μm未満の時は0.3μm以下、膜厚が5μm以上10μm未満の時は0.6μm以下、膜厚が10μm以上の時は1μm以下である請求項1に記載の炭窒酸化チタン被覆工具。
- 前記炭窒酸化チタン被覆工具の皮膜部の破断面において、前記炭窒酸化チタン膜表面側の界面直下に、その少なくとも一部が該界面に接しかつ基体表面に平行である直線を引き、該直線の長さを該直線内に含まれる結晶粒数で除することにより求めた前記炭窒酸化チタン膜の平均結晶粒幅が、前記炭窒酸化チタン膜の膜厚が2μm以上5μm未満の時は0.3μm以下、膜厚が5μm以上10μm未満の時は0.6μm以下、膜厚が10μm以上の時は1μm以下である請求項1に記載の炭窒酸化チタン被覆工具。
- 前記炭窒酸化チタン膜中の塩素量が0.01〜2質量%である請求項2または3のいずれかに記載の炭窒酸化チタン被覆工具。
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