JP3807230B2 - 電気光学装置及びプロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置の技術分野に属し、特に画素電極と画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜、TFTと称す)との間で、電気導通を良好にとるための中間導電層を基板上の積層構造中に備えた形式の電気光学装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
従来、TFT駆動によるアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置においては、TFTのゲート電極に走査線を介して走査信号が供給されると、TFTはオン状態とされ、半導体層のソース領域にデータ線を介して供給される画像信号が当該TFTを介して画素電極に供給される。このような画像信号の供給は、各TFTを介して画素電極毎に極めて短時間しか行われないので、供給される画像信号の電圧を、このオン状態とされた時間よりも遥かに長時間に亘って保持するために、各画素電極には蓄積容量が付加されるのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の電気光学装置においては、表示画像の高品位化という一般的な要請が強く、このためには、画素ピッチを微細化しつつ、画素開口率化を高める(即ち、各画素において、表示光が透過しない遮光領域に対して、表示光が透過する開口領域を広げる)ことが極めて重要となる。
【0005】
そして、データ線と画素電極の重なりにより、ソース及びドレイン間の寄生容量により、コントラスト比の低下や、クロストーク、ゴースト等の表示不良が発生してしまう。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、コントラスト比の低下や、クロストーク、ゴースト等の表示不良が発生を抑制し、高品位の画像表示が可能な電気光学装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に複数の走査線と、前記走査線に交差する複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して配置された薄膜トランジスタ及び画素電極とを有する電気光学装置であって、前記薄膜トランジスタよりも上層であって、前記データ線と重なると共に、隣接する前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層を有し、隣接した前記データ線間に配置され、前記薄膜トランジスタの半導体層のドレイン領域と前記画素電極とを電気的に接続する中間導電層を有し、前記半導体層のドレイン領域は一方の容量電極を構成し、前記薄膜トランジスタのゲート電極と同一層からなり、前記半導体層のドレイン領域に対向配置されると共に、前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層と電気的に接続され定電位が供給される他方の容量電極を有し、前記一方の容量電極と前記他方の容量電極とで蓄積容量を構成し、前記他方の容量電極は前記データ線及び前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層と重なり、前記他方の容量電極と前記データ線と前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層とが重なる領域において、前記他方の容量電極の幅は、前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層の幅よりも小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明の電気光学装置の一態様は、前記他方の容量電極と前記データ線と前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層とが重なる領域において、前記他方の容量電極の幅は、前記データ線の幅より大きいことを特徴とする。
【0053】
本発明のこのような作用及び他の利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0055】
(第1実施形態)
本発明による電気光学装置の第1実施形態である液晶装置の構成について、図1から図4を参照して説明する。図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図2は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図3は、図2のA−A’断面図である。尚、図3においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また図4は、本実施形態における容量線及び走査線の平面パターン(図4(a))を比較例における平面パターン(図4(b))と比較して示す、容量線及び走査線の一部を拡大して示す平面図である。
【0056】
図1において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素電極9aを制御するためのTFT30が形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aに走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光の透過光量が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光の透過光量が増加し、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラスト比を持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に、画素電極9aと電気的に接続された容量電極と、容量線3bの一部である容量電極との間で、誘電体膜を介して蓄積容量70を付加する。例えば、画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、保持特性は更に改善され、コントラスト比の高い電気光学装置が実現できる。
【0057】
図2において、電気光学装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。画素電極9aは、中間導電層の一例を構成する第1中間導電層80を中継して、第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bを介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的に接続されている。データ線6aは、第3コンタクトホール5を介してポリシリコン膜等からなる半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的に接続されている。また、半導体層1aのうちチャネル領域1a’(図中右下りの斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。このように、走査線3aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線3aがゲート電極として対向配置されたTFT30が設けられている
容量線3bは、走査線3aと同一膜からなり、走査線3aと並行してほぼ直線状に延びる部分と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って隣接する画素に関連する第3コンタクトホール5の付近まで延びる部分とを有する。
【0058】
図2において、図中太線で示した領域は第1遮光膜11aであり、この第1遮光膜11aは少なくともTFT30の半導体層1aの下側に配置されている。より具体的には図2において、第1遮光膜11aは夫々、走査線3aに沿って縞状に形成されていると共に、データ線6aと交差する箇所が図中下方に幅広に形成されており、この幅広の部分により各TFTのチャネル領域1a’及びその隣接領域をTFTアレイ基板側から見て覆う位置に設けられている。尚、第1遮光膜11aは本実施形態に示すように、走査線3aに沿った方向に当該走査線3aの下方を縞状に延設して形成しても良いし、データ線6aに沿った方向に当該データ線6aの下方を縞状に延設して形成しても良い。あるいは、走査線3a及びデータ線6aに沿って各々の下方を格子状に延設して形成しても良い。また、第1遮光膜11aは、画素電極9aがマトリクス状に複数形成された画像表示領域の外側に延設されて、電気光学装置を駆動するための走査線駆動回路、データ線駆動回路等の周辺回路に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極に供給される定電位源のうち最適な定電位と電気的に接続するようにすると良い。このように、第1遮光膜11aを定電位に固定することによりTFT30の誤動作を防ぐことができる。
【0059】
本実施形態では特に、ドレイン領域1eと第1中間導電層80とを電気的に接続する第1コンタクトホール8aは、データ線6a下に設けられており、第1中間導電層80と画素電極9aとを電気的に接続する第2コンタクトホール8bは、相隣接するデータ線6a間の中央付近における容量線3b上に設けられている。また、データ線6aに沿って、第1中間導電層80と同一膜からなる島状の第2中間導電層180が形成されている。第2中間導電層180は、容量線3bにおけるデータ線6aに沿って延びる部分に重ねられており、第2中間導電層180と容量線3bとは、データ線6a下に設けられたコンタクトホール18aにより相互に電気的に接続されている。また、容量線3bは、第1コンタクトホール8aが形成されたデータ線6a下の領域でデータ線6aと交差する遮光領域で、第1コンタクトホール8aを避けるように括れて形成されており、容量線3bが第1コンタクトホール8aと電気的な接触を持たないように構成されている。
【0060】
また、図2及び図3の断面図に示すようにチャネル領域1a’は、走査線3aとデータ線6aの交差領域に対応して配置されている。また半導体層1aからなる高濃度ソース領域1d、低濃度ソース領域1b、チャネル領域1a’、低濃度ドレイン領域1c及び高濃度ドレイン領域1eはデータ線6aに重なるように、しかもデータ線に覆われるように配置されている。さらに高濃度ソース領域1d、低濃度ソース領域1b、チャネル領域1a’、低濃度ドレイン領域1c及び高濃度ドレイン領域1eは走査線3aを挟んで一方側に延びるデータ線6aの下方に高濃度ソース領域1dと低濃度ソース領域1bが配置され、他方側に延びるデータ線6aの下方に低濃度ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eが配置されている。さらに、高濃度ドレイン領域1eは第1コンタクトホール8aを介して第1中間導電層80に電気的に接続され、第1中間導電層80は、第2コンタクトホール8bを介して画素電極9aに接続され、高濃度ソース領域1dは第3コンタクトホール5を介してデータ線6aに電気的に接続されている。このように非表示領域となるデータ線6aに重なるように第1コンタクトホール8aと第3コンタクトホール5を形成するため、コンタクトホールによる開口率の低下を防ぐことができる。また、コンタクトホールの存在により各画素の開口領域に不規則な凹凸の発生を防ぐことができる。さらに半導体層はデータ線6aに重なるように配置されているため、データ線が遮光膜として機能して半導体層への光の侵入を防ぐことができる。
【0061】
次に図3の断面図に示すように、電気光学装置は、基板の一例を構成する透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板やガラス基板やシリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0062】
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0063】
TFTアレイ基板10には、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFT30が設けられている。
【0064】
対向基板20には、更に図3に示すように、各画素の遮光領域に、第2遮光膜23が設けられている。後に詳述するように、この第2遮光膜23等により、対向基板20の側から入射光が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1a’や、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを含むチャネル領域1a’の隣接領域に侵入することはない。更に、第2遮光膜23は、コントラスト比の向上、カラーフィルタを形成した場合における色材の混色防止などの機能を有する。
【0065】
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述のシール材により囲まれた空間に電気光学物質の一例である液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、TFTアレイ基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が混入されている。
【0066】
更に図3に示すように、画素スイッチング用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10と各画素スイッチング用TFT30との間には、第1遮光膜11aが設けられている。第1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であるTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)及びPb(鉛)等を少なくとも一つ含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。このような材料から構成すれば、画素スイッチング用TFT30の形成工程における高温処理により、第1遮光膜11aが破壊されたり溶融しないようにできる。第1遮光膜11aが形成されているので、TFTアレイ基板10側からの反射光等が光に対して励起しやすい画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに入射する事態を未然に防ぐことができ、光に起因したリーク電流の発生により画素スイッチング用TFT30の特性が変化することはない。
【0067】
更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイッチング用TFT30との間には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光膜11aから電気的に絶縁するために設けられるものである。更に、下地絶縁膜12は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、画素スイッチング用TFT30のための下地膜としての機能をも有する。即ち、TFTアレイ基板10表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。下地絶縁膜12は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる。下地絶縁膜12により、第1遮光膜11aが画素スイッチング用TFT30等を汚染する事態を未然に防ぐこともできる。
【0068】
図2及び図3に示すように、走査線3aと同一の導電性ポリシリコン膜からなる容量線3bはその下側において、半導体層1aのドレイン領域1eから延設されてなる第1容量電極1fに対して、絶縁薄膜2を介して対向配置され、第2容量電極として機能している部分を有する。これにより、TFT30を構成するゲート絶縁膜を含む絶縁薄膜2を用いて、大きな蓄積容量70を形成することができる。更に、容量線3bの一部はその上側において第1中間導電層80の一部に対して、第1層間絶縁膜81を介して対向配置されている。この第1層間絶縁膜81を薄膜化することにより、更に大きな蓄積容量70を形成することができる。このように、容量線3bの下側のみならず、容量線3bの上側にも、蓄積容量70を立体的に構築できるので、限られた遮光領域を有効利用して蓄積容量70を増大できる。
【0069】
尚、本実施形態では走査線3bと同一膜からなる第2容量電極を延設して容量線3bを形成しているが、この態様によれば、専用の配線を必要としないので、工程増を招くことが無く有利である。走査線3bと同一膜で容量線3bを形成できない場合は、各画素毎に第2容量電極を島状に形成し、これに定電位を供給する例えば第1遮光膜11aを蓄積容量形成用の配線として代用しても良い。この場合、各画素毎に第1遮光膜11aと第2容量電極を電気的に接続するようにすると良い。第2容量電極には、電気光学装置を駆動するための周辺回路(例えば、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極に供給される定電位源のうち最適な定電位が供給されているため、第1容量電極1f及び中間導電層80との間で安定した蓄積容量70を構築することができる。
【0070】
本実施形態では特に図2及び図3に示すように、第1コンタクトホール8aは、平面的に見てデータ線6aに重なる位置に開孔されている。従って、走査線3aや容量線3bを構成する導電性のポリシリコン膜の下側と上側に夫々位置する半導体層1aと第1中間導電層80とを接続する第1コンタクトホール8aが存在しても、データ線6aに沿って広がる遮光領域を利用して、走査線3aや容量線3bを第1コンタクトホール8aを避けて配線することが容易となる。この様子を図4(a)に拡大して示す。
【0071】
仮に図4(b)に示した比較例のように、データ線6a’に重なっていない走査線3a’部分と容量線3b’部分とが並んで配置された領域に、第1コンタクトホール8a’を開孔する場合には、第1コンタクトホール8a’を避けるように容量線3b’や走査線3a’を第1コンタクトホール8a’の周りで括れさせる必要が生じる。しかし、括れ部分が大きいと、容量線3b’や走査線3a’の配線幅が局所的に狭くなり、配線抵抗が大きくなる。これにより、信号遅延やクロストーク等の表示不良を発生してしまう。このため、走査線3a’方向の遮光領域の幅W’は、図4(a)に示した本実施形態における走査線3a方向の遮光領域の幅Wよりも大きくなる(即ち、W’>W)。即ち、比較例と比較して、本実施形態では、走査線3a方向の遮光領域の幅Wが狭くて済む分だけ各画素の開口領域を広げることが可能となるのである。
【0072】
また、図4(a)に示すようにデータ線6a方向の遮光領域と走査線3a方向の遮光領域の交差部で第1コンタクトホール8aを設けることで、当該第1コンタクトホール8aの存在及びこれを避けて配線される容量線3bの存在に起因してそれらの上方(配向膜16の表面)に生じる不規則な凹凸を低減することが可能となる。また、画素の開口領域から離間している。このため、第1コンタクトホール8aを開孔することにより生じる不規則な凹凸の影響を効率的に低減できる。このように画素電極9a付近における配向膜16表面の凹凸が低減されていれば、画素電極9a付近におけるラビング処理を均一に行うことが可能となり且つ液晶層50の層厚を均一化できる。この結果、液晶層50の配向不良を低減できる。
【0073】
更にまた、容量線3bの走査線3aに沿って延びる部分には、第1コンタクトホール8aを避けるための括れが無い分だけ第1容量電極1fに対向配置される第2容量電極の面積を増加させることができ、この第2容量電極と第1容量電極1fとにより構築可能な蓄積容量70を増大できる。
【0074】
また本実施形態では図2に示したように、第2コンタクトホール8bは、平面的に見て走査線3aに沿った各画素の遮光領域のうち相隣接する2本のデータ線6a間のほぼ中央に開孔されている。このため、第2コンタクトホール8b上における配向膜16の凹凸を、各画素の開口領域の一辺に沿った遮光領域のほぼ中央付近に配置させることができる。これにより、第2コンタクトホール8b上における配向膜16表面の凹凸による悪影響を各画素毎に左右対称にでき、全画素を巨視的に見た場合における各画素の表示不良を平均化できる。
【0075】
このように本実施形態では、第2コンタクトホール8bの開孔位置についての自由度は高く、第1中間導電層80上で、データ線6aと重なっていない領域であれば、任意の位置に第2コンタクトホール8bを開孔可能である。
【0076】
このため本実施形態では、第2コンタクトホール8bを容量線3bに重なる位置に開孔することにより、第2コンタクトホール8bが開孔された平面領域にも蓄積容量70を構築することができ、有利である。
【0077】
尚、蓄積容量70中の一の誘電体膜としての絶縁薄膜2は、高温酸化等によりポリシリコン膜上に形成されるTFT30のゲート絶縁膜に他ならないので、薄く且つ高耐圧の絶縁膜とすることができ、他の誘電体膜としての第1層間絶縁膜81は絶縁薄膜2と同様に薄く形成することが可能である。従って、これらの誘電体膜を薄く構成することにより、より一層小さい領域で大容量の蓄積容量70を構築できる。
【0078】
以上のように、本実施形態の電気光学装置によれば、画素開口率を高めると同時に蓄積容量70を増大させることができ、しかも画素電極9a付近における配向膜16の表面に不規則な凹凸が生じることによる表示画像の品位低下を低減できる。これらの結果、明るくてコントラスト比が高く、フリッカー、ゴースト、クロストーク等の表示不良の低減された高品位の画像表示が可能となる。
【0079】
再び図3において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lighty Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁する絶縁薄膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電極9aのうちの対応する一つが第1中間導電層80を中継して接続されている。本実施形態では特にデータ線6aは、Al等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性且つ導電性の薄膜から構成されている。
【0080】
走査線3a及び容量線3b上に設けられた第1層間絶縁膜81には、高濃度ソース領域1dへ通じる第3コンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通じる第1コンタクトホール8aが各々形成されている。
【0081】
第1層間絶縁膜81上には、第1コンタクトホール8aを介して高濃度ドレイン領域1eに接続された第1中間導電層80と、コンタクトホール18aを介して容量線3bと接続された第2中間導電層180とが形成されている。
【0082】
第1中間導電層80上には、第2層間絶縁膜4が形成されている。第2層間絶縁膜4上には、データ線6aが形成されており、データ線6aは、第2層間絶縁膜4に開孔された第3コンタクトホール5を介して高濃度ドレイン領域1dに電気的に接続されている。
【0083】
更に、データ線6a及び第2層間絶縁膜4上には、第1中間導電層80への第2コンタクトホール8bが形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。第2コンタクトホール8bを介して、画素電極9aは第1中間導電層80に電気的に接続されている。画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜7の上面に設けられている。
【0084】
画素スイッチング用TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査線3aの一部であるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0085】
また本実施形態では、画素スイッチング用TFT30の走査線3aの一部からなるゲート電極を高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。このようにデュアルゲート或いはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造或いはオフセット構造にすれば、更にオフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることができる。
【0086】
次に第1中間導電層80について更に説明する。
【0087】
図2及び図3に示すように、第1中間導電層80は、半導体層1aと画素電極9aとの間に介在しており、高濃度ドレイン領域1eと画素電極9aとを第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bを経由して電気的に接続する。
【0088】
このため、画素電極9aから半導体層1aまで一つのコンタクトホールを開孔する場合と比較して、第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bの径を夫々小さくできる。即ち、一つのコンタクトホールを開孔する場合には、エッチング時の選択比が低いとコンタクトホールを深く開孔する程エッチング精度は落ちるため、例えば50nm程度の非常に薄い半導体層1aにおける突き抜けを防止するためには、コンタクトホールの径を小さくできるドライエッチングを途中で停止して、最終的にウエットエッチングで半導体層1aまで開孔するように工程を組まねばならない。或いは、ドライエッチングによる突き抜け防止用の膜を別途設けたりする必要が生じてしまうのである。
【0089】
これに対して本実施形態では、画素電極9a及び高濃度ドレイン領域1eを2つの直列な第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bにより接続すればよいので、これら第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bを夫々、ドライエッチングにより開孔することが可能となるのである。或いは、少なくともウエットエッチングにより開孔する距離を短くすることが可能となるのである。但し、第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bに夫々、若干のテーパーを付けるために、ドライエッチング後に敢えてウエットエッチングを行うようにしてもよい。以上のように本実施形態によれば、第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bの径を夫々小さくでき、第1コンタクトホール8aにおける第1中間導電層80の表面に形成される窪みや凹凸も小さくて済むので、その上方に位置する画素電極9aの部分における平坦化が促進される。更に、第2コンタクトホール8bにおける画素電極9aの表面に形成される窪みや凹凸も小さくて済むので、この画素電極9aの部分における平坦化が促進される。更に本実施形態では、このように第1層間絶縁膜81を薄く形成することにより、第2コンタクトホール8bの径を更に小さく出来る。
【0090】
第1中間導電層80の具体的な材料としては、例えば第1遮光膜11aと同様に、不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPb等を少なくとも一つ含む、金属単体、合金、金属シリサイド等が挙げられる。これらから構成すれば、高融点金属と画素電極9aを構成するITO膜とが接触しても高融点金属が腐食することはないため、第2コンタクトホール8bを介して第1中間導電層80及び画素電極9a間で良好に電気的な接続がとれる。但し、第1中間導電層80は、導電性のポリシリコン膜から構成してもよい。この場合でも、蓄積容量70を増加させる機能及び中継機能は十分に発揮し得る。この場合には特に、第1層間絶縁膜81との間で熱等によるストレスが発生しにくくなるので、クラック防止に役立つ。
【0091】
また、第1中間導電層80の膜厚は、例えば50nm以上500nm以下程度とするのが好ましい。第1中間導電層80の膜厚が50nm程度であれば、製造プロセスにおける第2コンタクトホール8bの開孔時に突き抜ける可能性は低くなり、また500nm程度であれば画素電極9aの表面の凹凸は問題とならないか或いは比較的容易に平坦化可能だからである。但し、第1中間導電層80は高融点金属膜やその合金膜から構成すれば、金属膜と層間絶縁膜とのエッチングにおける選択比が大きく異なるため、前述の如きドライエッチングによる突き抜けの可能性は殆ど無い。
【0092】
以上に加えて本実施形態では特に、第1中間導電層80及び第2中間導電層180は、遮光性の導電膜である高融点金属膜からなる。従って、対向基板20上にある第2遮光膜23及びTFTアレイ基板10上にあるデータ線6aのみならず、第1中間導電層80及び第2中間導電層180により、TFT30のチャネル領域1a’やその隣接領域を遮光できる。これにより、対向基板20側から強力な入射光が入射しても、トランジスタ特性の変化を防止できる。このため本実施形態の電気光学装置は、例えばプロジェクタのライトバルブ用途の如く強力な入射光が入射される場合に有効である。
【0093】
更に本実施形態では、このように遮光性の第1中間導電層80及び第2中間導電層180は、各画素の開口領域の一部を規定するように幅広に構成されているので、これらが存在する遮光領域には、対向基板20上に第2遮光膜23を形成したり開口領域を規定するためにデータ線6bの幅を広めて形成しなくてもよい。
【0094】
ここでは特に、図2に示すようにデータ線6aに沿った各画素の遮光領域では、データ線6aの幅Wdと、容量線3bの突出部分の幅Wcと、第2中間導電層180の幅Wmとの間には、Wd<Wc<Wmなる関係が成立するように、これらのデータ線6a、容量線3b及び第2中間導電層180は平面レイアウトされている。従って、対向基板20側からの入射光に対しては、TFTアレイ基板10上においてデータ線6a及び第2中間導電層180という二重の遮光が可能となる。仮に高反射率のAl膜からなるデータ線6aのみによりTFT30の遮光を行った場合には、基板面に対して傾斜した投射光や戻り光がデータ線6aの内面で反射されて多重反射光として最終的にチャネル領域1a’やその隣接領域に至ってしまう。しかしながら、本実施形態では、第1中間導電層80及び第2中間導電層180を低反射率の高融点金属膜やポリシリコン膜から形成することにより且つ第2中間導電層180をデータ線6aよりも幅広(Wd<Wm)に形成することにより、上述の如き内面反射による多重反射光を減衰できる。従って、プロジェクタのライトバルブ用途のように強力な入射光や反射光が存在する用途では本実施形態の構成は大変有益である。
【0095】
更にまた本実施形態では特に、平面的に見て、画素電極9aにおけるデータ線6aに沿った縁部分は、第2中間導電層180の縁部分に重ねるようにし、画素電極9aにおけるデータ線6aに沿った縁部分は、データ線6aの縁部分にほとんど重ねない。このように、第2中間導電層180で遮光領域を規定し、データ線6aと画素電極9aを極力重ねないようにすることで、ソース及びドレイン間の寄生容量を大幅に低減することができる。これにより、コントラスト比の低下や、クロストーク、ゴースト等の表示不良の発生を抑制し、高品位な電気光学装置を実現できる。
【0096】
尚、本実施形態では好ましくは、データ線6aと第2中間導電層180との間にある第2層間絶縁膜4は、その膜厚が500〜2000nmとなるように形成される。このような膜厚条件に加えて、第2中間導電層180は、コンタクトホール18aを介して容量線3bに接続されているので、データ線6aと第2中間導電層180との間における寄生容量についても実用上無視できる程度に小さくできる。尚、より具体的な膜厚については、要求される画像品位や装置仕様に応じて、実験、理論計算、シミュレーション等により、個別具体的に決めればよい。
【0097】
以上説明した実施形態では好ましくは第1遮光膜11aは、TFTアレイ基板1上の周辺領域に引き出されて、定電位線に接続される。このように構成すれば、第1遮光膜11aを一定電位に固定でき、下地絶縁膜12を介して第1遮光膜11a上に形成されるTFT30の特性を、第1遮光膜11aにおける電位変動により変化させることはない。この場合、定電位源としては、当該電気光学装置を駆動するための走査線駆動回路、データ線駆動回路等の周辺回路に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極21に供給される定電位源等が挙げられる。容量線3aと第1遮光膜11aが電気的に接続されていても良い。このような構成を採れば、蓄積容量形成用の配線を冗長構造で形成でき、有利である。
【0098】
(電気光学装置の製造プロセス)
次に、以上のような構成を持つ第1実施形態の電気光学装置の製造プロセスについて、図5及び図6を参照して説明する。ここに、図5及び図6は各工程におけるTFTアレイ基板側の各層を、図3と同様に図2のA−A’断面に対応させて順を追って示す工程図である。
【0099】
先ず図5の工程(1)に示すように、石英基板、ガラス基板、シリコン基板等のTFTアレイ基板10を用意する。ここで、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気且つ約900〜1300℃の高温で熱処理し、後に実施される高温プロセスにおけるTFTアレイ基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理しておく。即ち、製造プロセスにおける最高温で高温処理される温度に合わせて、事前にTFTアレイ基板10を同じ温度かそれ以上の温度で熱処理しておく。そして、このように処理されたTFTアレイ基板10の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPb等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリング等により、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚の遮光性導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチングを行うことにより、第1遮光膜11aを形成する。尚、第1遮光膜11a上に、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜等の反射防止膜を形成しても良い。
【0100】
次に図5の工程(2)に示すように、第1遮光膜11aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する。この下地絶縁膜12の膜厚は、例えば、約500m〜2000nmとする。
【0101】
次に図5の工程(3)に示すように、下地絶縁膜12の上に、約450〜550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)により、アモルファスシリコン膜を形成した後、窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは、4〜6時間の熱処理を施することにより、アモルファスシリコン膜を約50〜200nmの厚さ、好ましくは約100nmの厚さとなるまで固相成長させポリシリコン膜を形成する。固相成長させる方法としては、RTA(Rapid Thermal Anneal)を使った熱処理でも良いし、エキシマレーザー等を用いたレーザーアニールでも良い。
【0102】
この際、画素スイッチング用TFT30として、nチャネル型の画素スイッチング用TFT30を作成する場合には、当該チャネル領域にSb(アンチモン)、As(砒素)、P(リン)などのV族元素の不純物を僅かにイオン注入等によりドープしても良い。また、画素スイッチング用TFT30をpチャネル型とする場合には、B(ボロン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)などのIII族元素の不純物を僅かにイオン注入等によりドープしても良い。尚、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD法等によりポリシリコン膜1を直接形成しても良い。或いは、減圧CVD法等により堆積したポリシリコン膜にシリコンイオンを打ち込んで一旦非晶質化し、その後熱処理等により再結晶化させてポリシリコン膜1を形成しても良い。
【0103】
次に図5の工程(4)に示すように、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aを約900〜1300℃の温度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化することにより、約20〜150nmの比較的薄い厚さの熱酸化シリコン膜からなる単一層構造の絶縁薄膜2を形成する。但し、係る熱酸化シリコン膜を30nm以下程度に薄く形成した後に、減圧CVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる絶縁薄膜を約50nmの比較的薄い厚さに堆積し、これらの熱酸化シリコン膜及び絶縁薄膜を含む多層構造を持つ絶縁薄膜2を形成してもよい。このように複数層構造にすれば、高温熱酸化時間を短くすることにより、特に8インチ以上の大型基板を使用する場合に熱によるそりを防止することができる。
【0104】
これらの結果、半導体層1aの厚さは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、絶縁薄膜2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。
【0105】
次に図5の工程(5)に示すように、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等によりレジスト層500を第1容量電極1fとなる部分を除く半導体層1a上に形成した後、例えばPイオンをドーズ量約3×1012/cmでドープして、第1容量電極1fを低抵抗化しても良い。
【0106】
次に図6の工程(6)に示すように、先ずレジストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、走査線3aと共に容量線3bを形成する。更に、画素スイッチング用TFT30をLDD構造を持つnチャネル型のTFTとする場合、半導体層1aに、先ず低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを形成するために、走査線3aの一部であるゲート電極をマスクとして、PなどのV族元素の不純物を低濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cmのドーズ量にて)ドープする。これにより走査線3a下の半導体層1aはチャネル領域1a’となる。
【0107】
次に図6の工程(7)に示すように、画素スイッチング用TFT30を構成する高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、走査線3aよりも幅の広いマスクでレジスト層600を走査線3a上に形成した後、同じくPなどのV族元素の不純物を高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015/cmのドーズ量にて)ドープする。また、画素スイッチング用TFT30をpチャネル型とする場合、半導体層1aに、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、BなどのIII族元素の不純物を用いてドープすれば良い。
【0108】
次に図6の工程(8)に示すように、レジスト層600を除去した後、走査線3a及び容量線3b上に、減圧CVD法、プラズマCVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜を約200nm以下の薄い厚さに堆積することにより、第1層間絶縁膜81を形成する。但し、このように絶縁膜を堆積する前に、石英基板等からなるTFTアレイ基板10上における高温プロセスを利用して、高耐圧であり比較的薄くて欠陥の少ない酸化膜を形成して、係る酸化膜を含めて吹く複数層構造を有する第1層間絶縁膜81を形成してもよい。
【0109】
次に図6の工程(9)に示すように、第1中間導電層80と高濃度ドレイン領域1eとを電気的に接続するための第1コンタクトホール8aを、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより第1層間絶縁膜81に開孔する。このようなドライエッチングは、指向性が高いため、小さな径の第1コンタクトホール8aを開孔可能である。或いは、第1コンタクトホール8aが半導体層1aを突き抜けるのを防止するのに有利なウエットエッチングを併用してもよい。このウエットエッチングは、第1コンタクトホール8aに対し、より良好に電気的な接続をとるためのテーパーを付与する観点からも有効である。本実施形態では、第1コンタクトホール8aの開孔と同時に第2中間導電層180と容量線3bとを接続するためのコンタクトホール18aも開孔する。これにより、工程の増加を防ぐことができる。
【0110】
次に図6の工程(10)に示すように、第1層間絶縁膜81上に、第1遮光膜11aと同じく、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜やポリシリコン膜をスパッタリング等により堆積した後、フォトリソグラフィ及びエッチング処理により、第1中間導電層80を形成する。これと同時に、第2中間導電層180も形成する。尚、これらの第1中間導電層80及び第2中間導電層180上には、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜等の反射防止膜を形成しても良いし、高濃度ドレイン領域1eと第1中間導電層80の接続抵抗を小さくするために、第1中間導電層80及び第2中間導電層180の層構造を下層にポリシリコン膜、上層に高融点金属といった2層構造以上で形成しても良い。
【0111】
次に図6の工程(11)に示すように、走査線3a、容量線3b、第1層間絶縁膜81及び下地絶縁膜12からなる積層体における段差のある上面を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜4を形成する。尚、第2層間絶縁膜4を形成した後に、半導体層1aを活性化するために約1000℃の熱処理を行っても良い。
【0112】
次に、データ線6aに対する第3コンタクトホール5をエッチングにより第2層間絶縁膜4、第1層間絶縁膜81及び絶縁薄膜2に開孔し、その上にデータ線6aをスパッタリング法等により約100〜500nmの厚さのAl等の低抵抗金属膜や金属シリサイド膜から形成し、その上に第3層間絶縁膜7をCVD法等により形成する。
【0113】
続いて、第3層間絶縁膜7及び第2層間絶縁膜4に第2コンタクトホール8bをエッチングにより開孔し、最後にITO膜からなる画素電極9aを第2コンタクトホール8bを介して第1中間導電層80と電気的な接続がとれるように形成する。特にこの工程(11)においては、第3コンタクトホール5の開孔時に、走査線3aや容量線3bを基板周辺領域において図示しない配線と接続するためのコンタクトホールも、第1層間絶縁膜81や第2層間絶縁膜4に同時に開孔するとよい。また、データ線6aは、約100〜500nm、好ましくは約300nm程度に堆積し、第3層間絶縁膜7は、約500〜1500nm程度に堆積するとよい。また、第2コンタクトホール8aは、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成すればよいが、テーパー状にするためにウェットエッチングを用いても良い。更に、画素電極9aは、約50〜200nm程度の厚さに堆積するとよい。尚、当該電気光学装置を反射型の液晶装置に用いる場合には、Al等の反射率及び遮光性の高い材料から画素電極9aを形成してもよい。
【0114】
以上説明したように本実施形態の製造プロセスによれば、上述した本実施形態の電気光学装置を比較的容易に製造できる。加えて、画素スイッチング用TFT30は半導体層1aをポリシリコンで形成するので、画素スイッチング用TFT30の形成時にほぼ同一工程で、周辺回路を形成することも可能である。
【0115】
尚、以上説明した製造プロセスでは、画素電極9aが形成される段階で、膜面が平坦化されているように第2層間絶縁膜4や第3層間絶縁膜7の表面をCMP法等により平坦化しても良い。或いはTFTアレイ基板10の所定領域にエッチングを予め施して凹状の窪みを形成して、その後の工程を同様に行うことにより結果的に第3層間絶縁膜7の表面が平坦化されるようにしても良いし、第2層間絶縁膜4や下地絶縁膜12を凹状に窪めて形成しても良い。このように、画素電極9aが形成される段階で、下地の膜面が平坦化されていれば、段差による液晶のディスクリネーションの発生を極力抑えることができ、コントラスト比の低下等の表示不良を招くことがない。
【0116】
(第2実施形態)
本発明による電気光学装置の第2実施形態である液晶装置の構成について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図8は、図7のA−A’断面図である。尚、図8においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0117】
図7及び図8に示すように第2実施形態は、第1実施形態における第1中間導電層80及び第2中間導電層180が分離されておらずに、各画素毎にL字形状の一つの中間導電層80’として設けられている点と、これに伴って第1実施形態における第2中間導電層180と容量線3bとを接続するためのコンタクトホール18aが開孔されていない点とが異なり、その他の構成については第1実施形態の場合と同様である。尚、図7及び図8においては、第1実施例に係る図2及び図3と同様の構成要素については同様の参照符号を付し、それらの説明については省略する。
【0118】
このように第2実施形態では、中間導電層80’は、データ線6aに沿った容量線3bの部分と第2層間絶縁膜4を介して重ねられ、蓄積容量70を形成する。従って、データ線6aに沿った遮光領域において、半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eから延設された第1容量電極1fと容量線3bとを対向配置させ、且つ容量線3bと中間導電層80’とを対向配置させることができる。この結果、第2実施形態によれば、データ線6aに沿った遮光領域にも、立体的な蓄積容量70を構築できるため、小さな領域に効率的に大きな蓄積容量を形成することができ、画素の高開口率化や画素ピッチの微細化が進んだ際に、非常に有利な構造である。
【0119】
(第3実施形態)
本発明による電気光学装置の第3実施形態である液晶装置の構成について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図10は、図9のA−A’断面図である。尚、図10においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0120】
尚、図9及び図10においては、第1実施形態に係る図2及び図3若しくは第2実施形態に係る図7及び図8と同様の構成要素については同様の参照符号を付し、それらの説明については省略する。
【0121】
このように第3実施形態では、中間導電層80’は、データ線6aに沿った容量線3b”のデータ線6aに沿った部分に第2層間絶縁膜4を介して重ねられており、この領域でも蓄積容量70を形成している。従って、データ線6aに沿った遮光領域において、半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eが延設されて容量電極をなす第1容量電極1fと容量線3b”とを対向配置させることができ、且つ容量線3b”と中間導電層80’とを対向配置させることができる。これに加えて第2実施形態の場合と異なり、第1コンタクトホール8a”が平面的に見て容量線3b”のデータ線6aに沿った部分の先端より更に先で中間導電層80’と半導体層1aが電気的に接続できるように設けるため、容量線3b”に括れを設ける必要がなくなり、更に画素の開口率を高め、且つ蓄積容量70を増大することができる。
【0122】
以上説明した各実施形態では、各種コンタクトホールの平面形状は、円形や四角形或いはその他の多角形状等でもよいが、円形は特にコンタクトホールの周囲の層間絶縁膜等におけるクラック防止に役立つ。
【0123】
(第4実施形態)
本発明による電気光学装置の第4実施形態である液晶装置の構成について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図12は、図11のA−A’に沿った断面図である。尚、図12においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。第1実施形態と同一の部材については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0124】
第4実施形態は、図11に示すように、非開口領域のほぼ中心に走査線3a及びデータ線6aを設けている。半導体層1aは、走査線3aと交差するようにデータ線6aの下方に配置する。図12に示すようにデータ線6aと半導体層1aの高濃度ソース領域1dは、データ線6aの下方において第3コンタクトホール5を介して電気的に接続されている。また、半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eと中間導電層80aは、データ線6aの下方において第1コンタクトホール8a’’’を介して電気的に接続されている。このように半導体層1aを遮光性のデータ線6aの下方に配置することにより、対向基板20側から入射される光が直接半導体層1aに照射されることを防ぐ効果がある。更に、半導体層1aと第3コンタクトホール5及び第1コンタクトホール8a’’’を、走査線3a方向の非開口領域及びデータ線6a方向の非開口領域の中心線に対して線対称に形成することにより、段差形状をデータ線6aに対して左右対称にすることができ、液晶の回転方向による光抜けの差がなくなるので有利である。
【0125】
半導体層1aの下方には、下地絶縁膜12を介して第1遮光膜11aが形成されている。第1遮光膜11aはデータ線6a方向及び走査線3a方向に沿って、マトリクス状に形成されている。半導体層1aは第1遮光膜11aの内側に配置されており、TFTアレイ基板10側からの戻り光が、直接半導体層1aに照射されることを防ぐ効果がある。
【0126】
中間導電層80aはポリシリコン膜や高融点金属等を含む導電膜から成り、半導体層1aと画素電極9aの層間において、走査線3a及びデータ線6aに沿って略T字型に延設され、半導体層1aと画素電極9aを電気的に接続するためのバッファとしての機能を果たす。具体的には、半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eと導電性の中間導電層80aを第1コンタクトホール8a’’’において電気的に接続し、中間導電層80aと画素電極9aを第2コンタクトホール8bにおいて電気的に接続されている。このような構成を採る事により、層間絶縁膜に対して深いコンタクトホールを開孔する場合でも、エッチング選択比が大きい中間導電層80aを設けることにより、コンタクトホール開孔時に半導体層1aを突抜けてしまう危険を回避する事ができる。尚、データ線6aと半導体層1aの高濃度ソース領域1dとを電気的に接続するための第3コンタクトホール5においても同様に、中間導電層80aと同一膜で中継させても良い。
【0127】
また、第4実施形態では、中間導電層80aに層間絶縁膜91が積層され、その上に遮光性の導電膜90aを形成している。遮光性の導電膜90aは、第2コンタクトホール8bを除いて中間導電層80aを覆うように走査線3a方向に画像表示領域の外側まで延設され、走査線駆動回路やデータ線駆動回路等に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、あるいは対向電極に供給される定電位源等のいずれかと電気的に接続することにより電位が固定されている。したがって、中間導電層80aを一方の容量電極とし、遮光性の導電膜90aを他方の容量電極として図1に示す蓄積容量70を形成することができる。この際、層間絶縁膜91が蓄積容量70の誘電体膜として機能することは言うまでもない。ここで、層間絶縁膜91は蓄積容量70を形成するためだけに積層するので、中間導電層80aと遮光性の導電膜90aとの間でリークしない膜厚まで層間絶縁膜91を薄膜化することにより、蓄積容量70を増大できる。更に、本実施形態では層間絶縁膜81を厚く形成することにより、中間導電層80aをTFT30や走査線3aの上方まで延設することができるため、蓄積容量70を効率良く増大させることができる。更に、第4実施形態では半導体層1aを延設して容量電極を形成していない。これにより、走査線3aと同一膜で蓄積容量を形成するための容量電極及び容量線を形成する必要がないため、図11に示すように、走査線3aを遮光性の導電膜90aや第1遮光膜11aから規定される非開口領域のほぼ中心に配置することができる。また、ポリシリコン膜から成る半導体層1aは膜の低抵抗化をする必要がないので、容量電極形成部に不純物を打ち込まなくても良く、工程を削減する事ができる。
【0128】
第4実施形態では、TFT30のチャネル領域1a’は、走査線3aとデータ線6aの交差部に形成することで、データ線6a方向と走査線3a方向の非開口領域のほぼ中心に設けることができる。これにより、対向基板20側からの入射光やTFTアレイ基板10側からの戻り光に対して、最も光が照射されにくい位置になるため、光によるTFT30のリーク電流を大幅に低減することができる。
【0129】
更に、第4実施形態では図11に示すように、チャネル領域1a’付近において、遮光性の導電膜90a,中間導電層80a,第1遮光膜11aの順にパターン幅を狭く形成する事により、入射光が直接第1遮光膜11aに照射されないように工夫してある。また、遮光性の導電膜90aと半導体層1aの間にポリシリコン膜からなる中間導電層80aを介在させる事により、第1遮光膜11a表面での反射光やTFTアレイ基板10側からの戻り光を吸収させる効果を持たせる事ができ、耐光性に有利である。
【0130】
また、第4実施形態では、データ線6a,遮光性の導電膜90a,第1遮光膜11a等によりTFTアレイ基板10上で非開口領域を形成できるため、対向基板20に遮光膜を設けなくても良い。これにより、TFTアレイ基板10と対向基板20を機械的に貼り合わせる際に、アライメントがずれたとしても対向基板20上に遮光膜がないため、光が透過する領域(開口領域)が変化することはない。これにより、常に安定した画素開口率が得られるため、装置不良を大幅に低減することができる。
【0131】
(電気光学装置の全体構成)
以上のように構成された各実施形態における電気光学装置の全体構成を図13及び図14を参照して説明する。尚、図13は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図14は、図13のH−H’断面図である。
【0132】
図13において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ或いは異なる材料から成る画像表示領域の周辺を規定する額縁としての第3遮光膜53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定タイミングで供給することによりデータ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定タイミングで供給することにより走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線3aに供給される走査信号の遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとるための上下導通材106が設けられている。そして、図14に示すように、図13に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。尚、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0133】
以上図1から図14を参照して説明した各実施形態では、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0134】
以上説明した各実施形態における電気光学装置は、カラー表示のプロジェクタに適用されるため、3枚の電気光学装置がR(赤)G(緑)B(青)用のライトバルブとして各々用いられ、各ライトバルブには各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、各実施形態では、対向基板20に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、第2遮光膜23の形成されていない画素電極9aに対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上に形成してもよい。あるいは、TFTアレイ基板10上のRGBに対向する画素電極9a下にカラーレジスト等でカラーフィルタ層を形成することも可能である。このようにすれば、プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー電気光学装置に各実施形態における電気光学装置を適用できる。更に、対向基板20上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。このようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、明るい電気光学装置が実現できる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー表示用の電気光学装置が実現できる。
【0135】
尚、以上説明した各実施形態における電気光学装置では、従来と同様に入射光を対向基板20の側から入射することとしたが、第1遮光膜11aを設けているので、TFTアレイ基板10の側から入射光を入射し、対向基板20の側から出射するようにしても良い。即ち、このように電気光学装置をプロジェクタに取り付けても、半導体層1aのチャネル領域1a’やその隣接領域に光が入射することを効果的に防ぐことが出来、高画質の画像を表示することが可能である。この際、TFTアレイ基板10の裏面側での反射を防止するための反射防止用のAR(Anti Reflection)被膜された偏光板を別途配置したりARフィルムを貼り付ける必要もなく、その分だけ、材料コストを削減でき、また偏光板貼り付け時に、ごみ、傷等により、歩留まりを落とすことがなく大変有利である。また、耐光性が優れているため、明るい光源を使用したり、偏光ビームスプリッタにより偏光変換して、光利用効率を向上させても、光によるクロストーク等の画質劣化を生じない。
【0136】
また、各画素に設けられるスイッチング素子としては、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、各実施形態は有効である。
【0137】
本発明の電気光学装置は、上述した各実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路である。
【図2】第1実施形態の液晶装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】本実施形態における容量線及び走査線の平面パターンを比較例における平面パターンと比較して示す、容量線及び走査線の一部を拡大して示す平面図である。
【図5】第1実施形態における液晶装置の製造プロセスの実施形態における画像表示領域についての各工程を順を追って示す工程図(その1)である。
【図6】第1実施形態における液晶装置の製造プロセスの実施形態における画像表示領域についての各工程を順を追って示す工程図(その2)である。
【図7】本発明の第2実施形態の液晶装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図8】図7のA−A’断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態の液晶装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図10】図9のA−A’断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態の液晶装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図12】図11のA−A’断面図である。
【図13】各実施形態の液晶装置におけるTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図14】図13のH−H’断面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層
1a’…チャネル領域
1b…低濃度ソース領域
1c…低濃度ドレイン領域
1d…高濃度ソース領域
1e…高濃度ドレイン領域
1f…第1容量電極
2…絶縁薄膜
3a…走査線
3b、3b”…容量線
4…第2層間絶縁膜
5…第3コンタクトホール
6a…データ線
7…第3層間絶縁膜
8a、8a” 、8a’’’…第1コンタクトホール
8b…第2コンタクトホール
18…コンタクトホール
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
11a…第1遮光膜
12…下地絶縁膜
16…配向膜
20…対向基板
21…対向電極
22…配向膜
23…第2遮光膜
30…TFT
50…液晶層
52…シール材
53…第3遮光膜
70…蓄積容量
80…第1中間導電層
80’…中間導電層
81…第1層間絶縁膜
101…データ線駆動回路
104…走査線駆動回路
180…第2中間導電層

Claims (4)

  1. 基板上に複数の走査線と、前記走査線に交差する複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して配置された薄膜トランジスタ及び画素電極とを有する電気光学装置であって、
    前記薄膜トランジスタよりも上層であって、前記データ線と重なると共に、隣接する前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層を有し、
    隣接した前記データ線間に配置され、前記薄膜トランジスタの半導体層のドレイン領域と前記画素電極とを電気的に接続する中間導電層を有し、
    前記半導体層のドレイン領域は一方の容量電極を構成し、
    前記薄膜トランジスタのゲート電極と同一層からなり、前記半導体層のドレイン領域に対向配置されると共に、前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層と電気的に接続され定電位が供給される他方の容量電極を有し、
    前記一方の容量電極と前記他方の容量電極とで蓄積容量を構成し、
    前記他方の容量電極は前記データ線及び前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層と重なり、前記他方の容量電極と前記データ線と前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層とが重なる領域において、前記他方の容量電極の幅は、前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層の幅よりも小さいことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記他方の容量電極と前記データ線と前記画素電極の縁部に重なる遮光性の導電層とが重なる領域において、前記他方の容量電極の幅は、前記データ線の幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記導電層の反射率は、前記データ線の反射率よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電気光学装置をライトバルブとして用いたことを特徴とするプロジェクタ。
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