JP3797891B2 - 気体ばね式除振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば半導体製造装置や精密計測装置等を床振動から略絶縁した状態で設置するために、それらの荷重を気体ばねを介して支持するようにした除振装置に関し、特に、気体ばねのピストンにジンバル機構を組み込んだもの(以下、ジンバルピストンともいう)において空気圧の低下時等に発生する水平方向の微小な位置ずれの対策に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の除振装置として、例えば特公昭62−7409号公報に開示されるように、ダイヤフラム形の空気ばねを使用した除振装置のピストンにジンバル機構を組み込んで、被支持体と床との間の水平方向変位をピストンの揺動に変換することにより、水平方向のばね特性を非常に柔らかな特性としたものが知られている。このような除振装置では、図8に概略構成を示すように、空気ばねのピストンaを円盤状のロードディスクb(荷重受部材)とその下方に位置する円筒状のピストン本体cとに分割し、このピストン本体cの外周をゴムのダイヤフラムd(可撓性部材)により保持するとともに、そのピストン本体cの底部に下方に延出する延出部c1を設けて、前記ロードディスクbから下方に垂下するサポートロッドe(支持柱)をダイヤフラムdよりも下方に位置するピストン本体cの延出部c1の底部においてピボット支持している。
【0003】
この構造により、前記除振装置では、ロードディスクb、サポートロッドe及びピストン本体cが一体的に空気ばねにより支持されて、上下方向振動の固有振動数(系に固有の共振周波数)が例えば約1Hzくらいと極めて低くなることから、広い周波数領域に亘って優れた除振効果が得られるとともに(図4参照)、水平方向の振動に対しては、ピストン本体cを保持するダイヤフラムdが該ピストン本体cを挟んでそれぞれ上下にうねるように撓むことで、同図に矢印で示すようにピストン本体cが揺動し、これにより振動の吸収がなされることになる。この際、前記したように、サポートロッドeを介してのロードディスクbの支持点がピストン本体cのダイヤフラムdによる保持位置よりもずっと低い位置にあることで、ロードディスクbの水平方向変位に対するダイヤフラムdのばね特性は非常に柔らかなものとなり、その固有振動数が上下方向と同様に十分に低くなって、優れた除振効果が得られるものである(図5参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般的に、前記従来例のようなジンバルピストンを用いた気体ばねでは、図9(a)にも示すように、サポートロッドeの下端部に埋設した鋼球fをピストン本体cの延出部c1の底部において転動自在に支承するという構造なので、該サポートロッドeの下端側に位置決めのためのゴム弾性リングgを取り付けていても、それだけでは微小な位置ずれの発生を防止し得ないという不具合がある。
【0005】
すなわち、例えば装置のメンテナンス時等に空気ばねの空気を抜いたときや、或いは何らかの事情で空気ばねの圧力が低下したときに、同図(b)に示すようにピストン本体cが降下すると、サポートロッドeの下端の鋼球fはピストン延出部c1の底部から離間することになり、こうなると、その後に空気圧が回復してピストン本体cが上昇し、再び同図(a)に示す状態に復帰したとしても、鋼球fの位置は厳密には元に戻ることはなく、極く僅かな(例えば100μmくらい)位置ずれが発生する。そして、その結果としてロードディスクbの位置が極く僅かにずれることが、例えばサブミクロンの精度を要求する半導体製造設備等を搭載する場合に問題となる虞れがある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気体ばね式除振装置においてジンバルピストンを用いる場合に、該ピストンの荷重受部材の支持柱をピストン本体部材に対して支持する部分の構造に工夫を凝らし、その荷重受部材の微小な位置ずれを実質的に解消することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、ピストンの荷重受部材の支持柱をピストン本体部材の下方延出部の底部に枢支する構造において、両者のいずれか一方に球面状の突出部を、また、他方に当接受部をそれぞれ設けて、該球面状突出部及び当接受部を互いにゴム弾性体により連結するものとした。
【0008】
具体的に、請求項1の発明では、被支持体の荷重を支持するピストンをケース部材上面の開口部に内挿して、該ピストンの下端面をケース部材の内部の気体室に臨ませるとともに、該ピストンの外周から前記開口部の周縁まで環状の可撓性部材により閉塞して、前記被支持体の荷重を弾性的に支持する気体ばねを構成した気体ばね式除振装置を対象とする。そして、前記ピストンを、被支持体の荷重を受ける荷重受部材と、この荷重受部材の下方に離間して前記可撓性部材が連結された筒状のピストン本体部材とからなるものとし、そのうちの荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部材の中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延びる支持柱を設ける一方、ピストン本体部材には、その下端面の内周側から前記支持柱を囲むように略鉛直下方に向かって延びる有底筒状の下方延出部を設けて、この下方延出部の底部において前記支持柱の下端部を枢支させる。そして、前記支持柱の下端部又は前記下方延出部の底部のいずれかに球面をなす突出部を設ける一方、他方には該突出部が転動自在に当接する当接受部を設け、かつ該球面状突出部及び当接受部をそれぞれゴム弾性体に接着して、該ゴム弾性体により互いに連結してなるものとする。
【0009】
前記の構成により、本発明に係る気体ばね式除振装置では、まず、従来例のものと同様に、ピストンが気体ばねにより支持されていることで、上下方向の振動に対して広い周波数領域に亘る優れた除振効果が得られるとともに、水平方向の振動に対しても、ピストン本体部材の揺動によってばね特性が非常に柔らかなものとなることで、上下方向と同様の優れた除振効果が得られる。
【0010】
また、前記したピストン本体部材の揺動の際に、荷重受部材を支持する支持柱の下端部とこれを枢支するピストン本体部材の下方延出部の底部との間で、球面状の突出部と当接受部とによるスムーズな転動運動が行われることになり、これにより、前記の水平方向の除振効果を十分に得ることができる。
【0011】
さらに、前記球面状突出部と当接受部とがそれぞれゴム弾性体に接着されて、該ゴム弾性体により互いに連結されているため、何らかの理由で気体室の圧力が低下して、ピストン本体部材が降下したとしても、前記突出部と当接受部とが離間することがなくなり、従って、両者の位置ずれに起因する荷重受部材の位置ずれを実質的に解消することができる。尚、そのように球面状の突出部と当接受部とをゴム弾性体により連結しても、そのことが前記したピストン本体部材の揺動に大きな悪影響を及ぼすことはない。
【0012】
請求項2の発明では、突出部を支持柱の下端部に設ける一方、当接受部はピストン本体部材の下方延出部の底部上面に設け、さらに、ゴム弾性体を前記支持柱の下端側から当接受部に亘って、前記突出部を覆うように形成するものとする。このことで、突出部を覆うように支持柱の下端側から当接受部に亘って形成されたゴム弾性体によって、該突出部及び当接受部の位置ずれが確実に防止されて、請求項1の発明の作用効果が十分に得られる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2の発明におけるゴム弾性体の外周に、水平方向の全周に亘って溝部を形成するものとする。こうすることで、ゴム弾性体は、突出部全体を覆うように形成されていても、極めて容易に撓んで水平方向の全方向に曲がり変形するようになるから、ゴム弾性体がピストン本体部材の揺動運動に及ぼす影響をさらに軽減できる。
【0014】
請求項4の発明では、請求項2の発明におけるゴム弾性体を、支持柱の下端側、突出部及び当接受部に加硫接着するものとする。こうすることで、ゴム弾性体の形成が容易に行えるようになり、製造コストも低減できる
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る気体ばね式除振装置を使用した精密除振台Aの一例を示し、この精密除振台Aは、例えば、図示しない半導体検査装置や電子顕微鏡、光学式計測装置等の精密機器を搭載して、それらの機器を床からの振動と略絶縁した状態で設置するためのものである。すなわち、前記精密除振台Aの概略構成は、図示の如く、床面に設置される下側構造部1と、その下側構造部1の上面の4隅にそれぞれ配設された空気ばね式のアイソレータ2,2,…(除振装置)と、該4つのアイソレータ2,2,…の上部に搭載された搭載盤3とからなる。
【0017】
前記下側構造部1は、鋼製角パイプの構造部材を概ね直方体形状となるように櫓組みしたものであり、それぞれ上下方向に延びる4本の脚部4,4,…と、その隣接する2本の脚部4,4同士を下端側で連結するように水平方向に延びる下梁部5,5,…と、それら4本の脚部4,4,…の上端側外周を囲んで平面視で略矩形の枠状となるように配置され、それぞれ内側面が脚部4,4,…の外側面に接合されるとともに、上面が該脚部4,4,…の上端面と同一平面上に位置付けられた上梁部6,6,…とからなる。そして、前記各脚部4の上端面からその外側を囲む上梁部6,6の上面に亘って、水平板7,7,…が配設されていて、この各水平板7上にそれぞれアイソレータ2が配設されている。また、下側構造部1の長手方向に延びる2つの下梁部5,5の下面には、移動用のキャスター8,8,…が2つずつ配設されるとともに、各脚部4の下端面にはそれぞれ高さ調整用のレベラー9,9,…が配設されている。
【0018】
(アイソレータの構成)
前記アイソレータ2は、図2に詳細を示すように、基本的には従来例(特公昭62−7409号公報)のものと同様の構成を有し、ダイヤフラム形空気ばねのピストンにジンバル機構を組み込んで、水平方向のばね特性を非常に柔らかな特性としたものである。詳しくは、アイソレータ2のケーシング11(ケース部材)は、高さ寸法が横幅よりも大きい四角柱状とされ、鋼製厚板からなる周壁部11aの下端に同じく鋼製の底板11bが接合される一方、同様に周壁部11aの上端に接合された鋼製天板11cの略中央部には、鉛直方向の軸線Zと略直交する円形の開口部12が形成されている。
【0019】
また、前記ケーシング11の上面の開口部12には、ドーナツ状のピストン本体13が内挿されている。このピストン本体13はアルミニウム合金製であり、断面円形の中心孔13aが軸線Zに沿って上下方向に貫通する一方、外周の下側約半分には下端側に向かって僅かに縮径するテーパ面13bが形成されている。そして、該ピストン本体13の下端面13cから外周側のテーパ面13bを覆ってさらに外周側に延び、そこから開口部12の周縁までを閉塞するように、環状のダイヤフラム14が配設されている。すなわち、前記ダイヤフラム14及びピストン本体13によりケーシング11の上端開口部12が閉塞されて、空気室15が区画されており、該ピストン本体13の下端面13cが該空気室15に臨んでその空気圧を受けることで、主に上下方向の荷重を支持するように空気ばねが構成されている。
【0020】
前記ダイヤフラム14は、ポリエステル繊維の織物を補強材として埋設したゴム弾性膜からなり、図3に仮想線で示すように一旦、中心部分に丸穴が空いたハット状に形成した後に、そのハットの周壁部分を途中で湾曲させて下方に折り返すようにして、同図に実線で示す深皿形状としたものである。すなわち、ダイヤフラム14は、ハットの鍔の部分に相当する外周フランジ部14aの内周端縁に連続して、上方に凸に湾曲する環状ロール部14bが形成され、このロール部14bの内周端縁部が前記外周フランジ部14aよりも下方まで延びていて、そこからさらに内周側に向かって、前記の丸穴を囲むように内周フランジ部14cが形成されている。
【0021】
そして、同図に示すように、前記ダイヤフラム14の内周フランジ部14cがピストン本体13の下端面13cに接着されて、その下方からワッシャ16によりピストン本体13に対して強固に圧着されている。一方、ダイヤフラム14の外周フランジ部14aは、ケーシング11の天板11cの上面に接着されていて、その上部に配設された締付けリング17が図示しないボルトにより天板11cに締結されることで、該締付けリング17と天板11cとにより強固に挟持されている。
【0022】
そうして、そのように配設されたダイヤフラム14は、環状ロール部14bがピストン本体13と締付けリング17との間で上下にうねるように大きく撓むことにより、ピストン本体13の上下方向の変位に対して大きな可撓性を有し、また、ピストン本体13を挟む左右両側のロール部14bがそれぞれ上下方向の反対の向きに撓むことによって、ピストン本体13が水平方向の軸の周りに容易に揺動するようになっている(図6参照)。一方、ダイヤフラム14はピストン本体13の水平方向の変位に対しては可撓性が極めて小さいため、該ピストン13は水平方向には殆ど変位しないことになる。
【0023】
前記ピストン本体13の下端面13cには、その内周側から略鉛直下方に延びるように円筒状のピストンウエル18が取付けられている。このピストンウエル18は、その上端部がやや縮径されて、ピストン本体13の中心孔13aに螺入される縮径部18aとされている。そして、この縮径部18aの外周に螺設された雄ネジが中心孔13bの内周に螺設された雌ねじと螺合することにより、ピストンウエル18の上端側がワッシャ16と共にピストン本体13に対して締結されている。また、前記ピストンウエル18の中空部18bの上端はピストン本体13の中心孔13aに連通し、一方、該中空部18bの下端は円盤状のキャップ19により閉止されている。
【0024】
言い換えると、前記ピストンウエル18及びキャップ9によって、ピストン本体13の下端面の内周側から下方に向かって延びる有底円筒状の下方延出部が構成されている。そして、前記キャップ19の上面には、それよりもやや小径で厚肉の円盤形状を有する鋼製のウエルスラグ20が接合されて、ボルト21,21によりキャップ19に締結されており、このキャップ19及びウエルスラグ20がピストンウエル18の底部となっている。尚、前記ウエルスラグ20の上面は、表面硬度を高めるための焼き入れ処理が施されている。
【0025】
一方、前記ピストン本体13の上方には、被支持体である搭載盤3及び搭載機器の荷重を上方から受けるように、円盤状のロードディスク22がピストン本体13から離間して配置されている。このロードディスク22の直径はピストン本体13の外径よりも大きく、締付けリング17の外径と略同じとされており、前記図2に示すように空気室15に適度の空気圧が供給されている状態では、ロードディスク22の下面外周側は、下方の締付けリング17と離間しかつこの締付けリング17の上面と対向した状態になる。
【0026】
前記ロードディスク22の下面略中央部には、上下方向に延びるサポートロッド23(支持柱)の上端部が結合され、このサポートロッド23がピストン本体13の中心孔13a及びピストンウエル18の中空部18bを貫通して略鉛直下方に延びていて、その下端部がピストンウエル18の底部に枢支されている。すなわち、サポートロッド23の下端部には相対的に小径の縮径部23aが形成され、この縮径部23a先端面(サポートロッド23の下端面)に開口する凹部に鋼球24が収容されていて、その鋼球24の下側部分(球面状の突出部)がサポートロッド23の下端から突出して、前記ウエルスラグ20の上面に転動自在に当接している。
【0027】
つまり、前記ロードディスク22は、サポートロッド23を介してピストンウエル18の底部、即ちピストン本体13に対して、水平方向の任意の軸の周りに回動自在に支持されている。
【0028】
この実施形態のアイソレータ2では、本発明の特徴部分として、前記サポートロッド23の縮径部23aの外周からウエルスラグ20の外周までを覆うように、ゴム弾性体からなる保持部材25を配設している。この保持部材25は、例えばフッ素ゴムを主成分とするもので、前記サポートロッド23の縮径部23aの外周から鋼球24を覆い、さらにウエルスラグ20の上面から外周面全体を覆うように、それら縮径部23a外周、鋼球24及びウエルスラグ20に一体に加硫接着されて、それらを連結している。
【0029】
また、前記保持部材25の外周側は、前記縮径部23a上端から下方に向かって徐々に拡径し、ピストンウエル18の中空部18aの内周に全周で密着しながら下方に延びる略円柱状とされている。さらに、該保持部材25の外周には、水平方向から見て、サポートロッド23の縮径部23aの下端部に重なるように、即ちサポートロッド23の縮径部23aの下端部に相当する上下方向位置において水平方向全周に亘る環状の溝部25aが形成されている。この溝部25aが形成されていることで、保持部材25は極めて容易に撓んで、水平方向の全方向に曲がり変形するようになる(図6参照)。
【0030】
尚、前記図2に示す符号26は、ピストンウエル18の外周から略水平に拡がるように設けられた鍔状の部材であり、また、符号27は、前記鍔状の部材26の所定距離上方に離間するようにケーシング11の周壁部11a内側に固定された規制部材である。この規制部材27の下面と鍔状の部材26の上面とが当接することによって、ピストンの過度の上下動が規制される。
【0031】
また、符号28は、空気室15への空気の給排通路であって、図示しないが、空気パイプにより空気のリザーバタンクに接続されていて、このリザーバタンクと空気室15との間で空気の給排をするものである。該空気パイプの途中には、空気の流通抵抗によって空気圧の変動を減衰させるオリフィスや、空気室15から大気中へ空気を排出するためのバルブ等が配設されている。
【0032】
上述した構成により、前記アイソレータ2は、ロードディスク22やピストン本体13等からなるジンバルピストンが空気ばねにより支持されていて、その非常に柔らかな上下方向のばね特性によって搭載盤3上の機器に対する床からの上下方向振動を略絶縁することができる。すなわち、このアイソレータ2における上下方向の振動伝達率は、例えば図4に示すようなものとなり、空気ばねの特性として固有振動数が略0.7〜1.5Hzと極めて低い周波数域に現れるとともに、それ以上の広い周波数域に亘って優れた除振性能の得られることが分かる。
【0033】
また、水平方向の振動に対しては、図6にジンバルピストンの動作を示すように、ロードディスク22及びサポートロッド23が水平方向に変位すると、ピストン本体13がダイヤフラム14により保持されつつ、水平方向の任意の軸(図例では紙面に垂直な軸)の周りに揺動し、これにより振動が吸収されることになる。この際、ピストン本体13のダイヤフラム14による保持位置よりも、サポートロッド23の下端部がウエルスラグ20に支持されている位置の方がずっと低い位置にあることで、ダイヤフラム14のばね特性が非常に柔らかなものとなり、このことで、水平方向の除振性能も例えば図5に示すように、上下方向と同様の優れたものとなる。
【0034】
一方、例えば除振台Aのメンテナンスのために空気室15から空気を抜いたときや、或いは何らかの事情で空気室15の圧力が低下したときには、図7に示すようにピストン本体13が降下し、ロードディスク22の下面外周側が締付けリング17の上面に当接して、該締付けリング17を介してケーシング11に支持される状態になる。このとき、ピストン本体13やピストンウエル18は直接には支持されない状態になるが、サポートロッド23の下端側とピストンウエル18の底部のウエルスラグ20とが保持部材25により連結されているから、該サポートロッド23下端の鋼球24がウエルスラグ20から離間することはない。このため、その後、空気室15の圧力が回復してピストン本体13が上昇し、再び前記図2に示す状態に復帰したとき、鋼球24のウエルスラグ20に対する相対位置は厳密に元に戻ることになり、両者の間には位置ずれは生じない。
【0035】
したがって、この実施形態に係る精密除振台Aによれば、まず、従来例(特公昭62−7409号公報)のものと同様に、空気ばねにジンバルピストンを用いたことで、上下及び水平方向の振動について広い周波数領域に亘る優れた除振効果が得られるようになる。
【0036】
また、そのジンバルピストンにおいて、ロードディスク22を支持するサポートロッド23の下端部を、保持部材25によってウエルスラグ20に連結する構造としたので、空気圧の低下時等にピストンが降下しても、サポートロッド23とピストンウエル18、即ちピストン本体13との間で位置ずれが発生することを防止することができ、前記従来例のようなロードディスク22の微小な位置ずれを実質的に解消することができる。
【0037】
しかも、前記保持部材25をゴム弾性体により形成しかつ外周に溝部25aを設けたので、この保持部材25は極めて容易に撓んで水平方向の全方向に曲がり変形できるようになり、従って、この保持部材25を設けたことはピストン本体13の揺動運動に殆ど悪い影響を及ぼさない。
【0038】
さらに、前記保持部材25をサポートロッド23の下端部から鋼球24及びウエルスラグ20にかけて加硫接着するようにしているので、これらの部材を一体として先に加硫接着した上で、ピストンウエル18に組み付けるようにすれば、その組み付け作業も容易に行えて、製造コストも低減できる。
【0039】
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態のアイソレータ2では、サポートロッド23の下端部に鋼球24を配設し、これをウエルスラグ20により転動自在に当接支持するようにしているが、これに限らず、ピストンウエル18の底部に球面をなす突出部を設けて、これをサポートロッド23の下端面と当接させるようにしてもよい。
【0040】
また、前記実施形態では、サポートロッド23下端の鋼球24とウエルスラグ20とを連結するために、それら全部にゴム弾性体の保持部材25を加硫接着しているが、必ずしも全部を接着する必要はなく。例えば鋼球24の下端部とウエルスラグ20との間の所定範囲を非接着状態とすることも可能である。このようにすれば、鋼球24とウエルスラグ20との間の転動運動が一層、スムーズなものとなり、保持部材25がピストン本体13の揺動運動に及ぼす影響を極小化できる。
【0041】
さらに、アイソレータ2の構造も前記実施形態のものに限定されず、例えば、上下方向の空気ばね以外に水平方向の空気ばねを備えるものであってもよい。また、空気ばねの代わりに、例えば窒素ガス等を充填した気体ばねを用いることも可能である。
【0042】
また、前記実施形態では、4個のアイソレータ2を用いて除振台Aを構成するようにしているが、このような除振台に限らず、例えば、半導体製造装置等の防振支持のために、それらの装置に合わせて専用に設計した搭載盤を3〜4本のアイソレータ(除振装置)により支持する構成としたり、或いは、クリーンルームのグレーチング床へ埋め込む可動床を同様にアイソレータにより支持する構成とすることもできる。
【0043】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明に係る空気ばね式除振装置によると、ジンバルピストンを介して気体ばねにより被支持体の荷重を支持するようにした気体ばね式除振装置において、該ピストンの荷重受部材を支持する支持柱と、ピストン本体部材の下方延出部の底部とのいずれかに球面状の突出部を、他方に当接受部をそれぞれ設けて、該球面状突出部及び当接受部を互いにゴム弾性体により連結する構造とすることで、ピストンの揺動運動に大きな影響を及ぼすことなく、気体圧の低下時等にも前記突出部と当接受部との間の位置ずれを防止して、このときのピストンの荷重受部材と本体部材との間の微小な位置ずれを実質的に解消することができる。
【0044】
請求項2の発明によると、ゴム弾性体を、支持柱の下端側から当接受部に亘って突出部を覆うように形成することで、突出部及び当接受部の位置ずれを確実に防止して、請求項1の発明の効果を十分に得ることができる。
【0045】
請求項3の発明によると、ゴム弾性体を水平方向の溝部によって極めて容易に撓ませて曲がり変形させることができ、これにより、ピストン本体部材の揺動運動に及ぼす影響をさらに軽減して、水平方向の除振性能を向上できる。
【0046】
請求項4の発明によると、ゴム弾性体を支持柱の下端側、突出部及び当接受部に加硫接着することで、その形成が容易に行えて製造コストも低減できる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る精密除振台Aの全体構成を示す斜視図である。
【図2】 アイソレータ(除振装置)の縦断面図である。
【図3】 ピストン本体及びダイヤフラムのケーシングに対する取付け構造を示す分解斜視図である。
【図4】 アイソレータによる上下方向の除振性能の一例を示すグラフ図である。
【図5】 アイソレータによる水平方向の除振性能の一例を示すグラフ図である。
【図6】 ロードディスクが水平方向に変位した状態の図2相当である。
【図7】 空気圧の低下によりピストンが降下した状態の図2相当図である。
【図8】 ジンバルピストンを有する従来例のアイソレータの模式図である。
【図9】 空気圧が適正な状態(a)と空気圧が低下した状態(b)とを対比して示す図8相当図である。
【符号の説明】
A 精密除振台
Z 鉛直方向軸線
2 アイソレータ(除振装置)
3 搭載盤(被支持体)
11 ケーシング(ケース部材)
12 開口部
13 ピストン本体(ピストン本体部材)
14 ダイヤフラム(可撓性部材)
15 空気室
18 ピストンウエル(下方延出部)
19 キャップ(下方延出部の底部)
20 ウエルスラグ(下方延出部の底部)
22 ロードディスク(荷重受部材)
23 サポートロッド(支持柱)
24 鋼球(突出部)
25 保持部材(ゴム弾性体)
25a 溝部

Claims (4)

  1. 被支持体の荷重を支持するピストンをケース部材上面の開口部に内挿して、該ピストンの下端面をケース部材の内部の気体室に臨ませるとともに、該ピストンの外周から前記開口部の周縁まで環状の可撓性部材により閉塞して、前記被支持体の荷重を弾性的に支持する気体ばねを構成した気体ばね式除振装置であって、
    前記ピストンは、被支持体の荷重を受ける荷重受部材と、この荷重受部材の下方に離間して前記可撓性部材が連結された筒状のピストン本体部材とからなり、
    前記荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部材の中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延びる支持柱が設けられている一方、
    前記ピストン本体部材には、その下端面の内周側から前記支持柱を囲むように略鉛直下方に向かって延びる有底筒状の下方延出部が設けられていて、該下方延出部の底部において前記支持柱の下端部が枢支されており、
    前記支持柱の下端部又は前記下方延出部の底部のいずれかに球面をなす突出部が設けられる一方、他方には該突出部が転動自在に当接する当接受部が設けられ、かつ該球面状突出部及び当接受部がそれぞれゴム弾性体に接着されて、該ゴム弾性体により互いに連結されてなることを特徴とする気体ばね式除振装置。
  2. 請求項1において、
    突出部が支持柱の下端部に設けられる一方、当接受部は、ピストン本体部材の下方延出部の底部に設けられ、
    ゴム弾性体は、前記支持柱の下端側から当接受部に亘って、前記突出部を覆うように形成されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。
  3. 請求項2において、
    ゴム弾性体の外周には、水平方向の全周に亘って溝部が形成されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。
  4. 請求項2において、
    ゴム弾性体は、支持柱の下端側、突出部及び当接受部に加硫接着されていることを特徴とする気体ばね式除振装置
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