JP2002357240A - 気体ばね式除振装置 - Google Patents

気体ばね式除振装置

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JP2002357240A
JP2002357240A JP2001167899A JP2001167899A JP2002357240A JP 2002357240 A JP2002357240 A JP 2002357240A JP 2001167899 A JP2001167899 A JP 2001167899A JP 2001167899 A JP2001167899 A JP 2001167899A JP 2002357240 A JP2002357240 A JP 2002357240A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤフラム形空気ばねを有するアイソレー
タ2(除振装置)のピストンにジンバル機構を組み込ん
で、上下及び水平の両方向について広い周波数領域に亘
り優れた除振性能を得られるようにする場合に、そのジ
ンバルピストンに固有の共振現象に起因する除振性能の
劣化を抑制して、特にアクティブ制振制御への悪影響を
実質的に解消できるようにする。 【課題手段】アイソレータ2の上下方向の空気ばねにお
いてピストン本体13の外周側を保持するダイヤフラム
14を、ポリエステル等の繊維材料で補強したフッ素ゴ
ムの弾性膜からなるものとする。該ピストン本体13の
揺動運動の減衰率が十分に高くなるよう、フッ素ゴムの
加硫後の損失係数を略0.5〜略2.0の範囲の値に設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体製造装置
や精密計測装置等を床振動から略絶縁した状態で設置す
るために、それらの荷重を気体ばねを介して支持するよ
うにした除振装置に関し、特に、上下方向だけでなく水
平方向についても優れた除振性能が得られるよう、気体
ばねのピストンにジンバル機構を組み込んだもの(以
下、ジンバルピストンともいう)において、そのジンバ
ルピストンに固有の共振現象に起因する不具合の対策に
係る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の除振装置として、例
えば特公昭62−7409号公報に開示されるように、
ダイヤフラム形の空気ばねを使用した除振装置のピスト
ンにジンバル機構を組み込んで、被支持体と床との間の
水平方向変位をピストンの揺動に変換することにより、
水平方向のばね特性を非常に柔らかくできるようにした
ものが知られている。このような除振装置では、図14
に概略構成を示すように、空気ばねのピストンaを円盤
状のロードディスクb(荷重受部材)とその下方に位置
する円筒状のピストン本体cとに分割し、このピストン
本体cの外周をゴムのダイヤフラムd(可撓性部材)に
より保持するとともに、そのピストン本体cの底部に下
方に延出する延出部c1を設けて、前記ロードディスク
bから下方に垂下するサポートロッドe(支持柱)をダ
イヤフラムdよりも下方に位置するピストン本体cの延
出部c1の底部においてピボット支持するようにしてい
る。
【0003】この構造により、前記除振装置では、ロー
ドディスクb、サポートロッドe及びピストン本体cが
一体的に空気ばねにより支持されていて、その上下方向
振動の固有振動数(系に固有の共振周波数)が例えば約
1Hzくらいと極めて低いことから、広い周波数領域に
亘って優れた除振効果が得られるとともに、水平方向の
振動に対しては、ピストン本体cを保持するダイヤフラ
ムdが該ピストン本体cを挟んでそれぞれ上下にうねる
ように撓むことで、同図に矢印で示すようにピストン本
体cが揺動し、これにより振動の吸収がなされる。この
際、前記したように、サポートロッドeを介してのロー
ドディスクbの支持点がピストン本体cのダイヤフラム
dによる保持位置よりもずっと低い位置にあることで、
ロードディスクbの水平方向変位に対するダイヤフラム
dのばね特性は非常に柔らかなものとなり、その固有振
動数が上下方向と同様に十分に低くなることで、広い周
波数領域に亘って優れた除振効果が得られるものである
(図5参照)。
【0004】さらに、一般的に、気体ばね式除振装置に
おいて、ピストンの実際の振動状態をセンサにより検出
し、この検出値に応じて気体ばねの気体圧を変更して、
ピストンにその振動を打ち消すような逆位相の制御振動
を付加することにより、共振のない理想的な除振を実現
するとともに、被支持体から発生する振動も抑制できる
ようにした、いわゆるアクティブ制振機能を有するもの
がある(例えば、特開平3−219141号公報を参
照)。そして、そのようなアクティブ制振制御は、通
常、気体ばねの応答特性や床振動の周波数成分等を考慮
して、概ね200Hz以下の周波数の振動に対して行わ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来例
のようなジンバルピストンを使用した除振装置におい
て、周波数毎の水平方向振動の伝達率を従来よりも精密
に計測したところ、前記の如く極めて低い周波数の共振
点以外に、相対的に高い周波数域(60〜100Hzく
らい)にもピークの低い別の共振点が現れ、この共振点
付近の周波数で除振性能がやや劣化していることが見出
された(図9に示す共振点R2を参照)。
【0006】この共振現象はジンバルピストンに特有の
ものと考えられ、被支持体をマスとする主振動系に対し
てばね上でもばね下でもない中間マスとなるピストンの
振動に起因すると推定される。すなわち、前記主振動系
の水平方向変位は主としてピストンの揺動によるもので
あって、その場合のダイヤフラムのばね特性は、半導体
製造装置や搭載盤等の主振動系のマスに対しては十分に
柔らかいものとなる。しかし、該主振動系のマスに比べ
て格段に軽いピストンに対してはダイヤフラムのバネ特
性はあまり柔らかなものとはいえないから、このピスト
ンとダイヤフラムとによって構成される振動系の共振点
が前記したように比較的高い周波数域に現れることにな
るのである。
【0007】このような共振現象は、前記したようにピ
ストンが軽量であることから、ピークの低いものとな
り、その上に、通常は周囲の空気を媒介して直接的に伝
達される振動(環境騒音)の周波数域に含まれることか
ら、それだけで問題となることはない。しかし、前記の
アクティブ制振制御を行うようにしたものの場合、共振
点付近では機器の振動を打ち消すための制御振動により
却って振動が増幅されることがあり、これにより制御の
安定性が損なわれる虞れがある。
【0008】また、アクティブ制振制御を行わない場合
でも、将来的に無振動化の要求が現在よりも一層、厳し
くなることが考えられ、このときには前記したようなピ
ークの低い共振点であっても、その共振による除振性能
の劣化が問題になることがあると予想される。
【0009】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、気体ばね式除振装置
においてジンバルピストンに固有の共振現象に起因する
除振性能の劣化を抑制し、特に、アクティブ制振制御へ
の悪影響を解消することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の解決手段では、ジンバルピストンを
介して気体ばねにより被支持体の荷重を支持するように
した気体ばね式除振装置において、ピストン本体部材の
外周側を保持する可撓性部材を所定の高減衰材料により
構成するものとした。
【0011】具体的に、請求項1の発明では、被支持体
の荷重を支持するピストンをケース部材上面の開口部に
内挿して、該ピストンの下端面をケース部材の内部の気
体室に臨ませるとともに、該ピストンの外周から前記開
口部の周縁まで環状の可撓性部材により閉塞して、前記
被支持体の荷重を弾性的に支持する気体ばねを構成した
気体ばね式除振装置を対象とする。そして、前記ピスト
ンを、被支持体の荷重を受ける荷重受部材と、この荷重
受部材の下方に離間して前記可撓性部材が連結された筒
状のピストン本体部材とからなるものとし、そのうちの
荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部材の
中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延びる支
持柱を設ける一方、ピストン本体部材には、その下端部
における内周側から前記支持柱を囲むように略鉛直下方
に向かって延びる有底筒状の下方延出部を設けて、この
下方延出部の底部において前記支持柱の下端部を枢支さ
せるようにする。そして、前記可撓性部材を、前記ピス
トン本体部材をケース部材に対して揺動可能に弾性的に
保持するとともに、その揺動運動の減衰率が所定以上に
高くなるような高減衰材料により構成するものとする。
【0012】前記の構成により、本発明に係る気体ばね
式除振装置では、まず、従来例のものと同様に、ピスト
ンが気体ばねにより支持されていることで、上下方向振
動について広い周波数領域に亘る優れた除振効果が得ら
れるとともに、水平方向の振動に対してはピストン本体
部材の揺動によって、ばね特性が非常に柔らかなものに
なり、これにより、上下方向と同様の優れた除振効果が
得られる。
【0013】さらに、本発明の特徴として、前記ピスト
ン本体部材を揺動可能に弾性保持する可撓性部材が所定
の高減衰材料により構成されているので、該ピストン本
体部材の揺動運動の減衰率が高くなり、このことで、そ
のピストン本体部材と可撓性部材とによって構成される
中間振動系の共振倍率を効果的に低下させることができ
る。これにより、共振のピークを従来よりもさらに低下
させて、斯かる共振現象に起因する除振性能の劣化を実
質的に解消することができる。また、そのように可撓性
部材の減衰率を高くしても、そのことはマスの大きい主
振動系の除振性能にはあまり影響を及ぼさない。
【0014】請求項2の発明では、可撓性部材を繊維材
料で補強したゴム弾性膜からなるダイヤフラムとし、該
ゴム弾性膜は、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリノルボ
ルネンゴム、エポキシ化天然ゴム、フッ素ゴム、シリコ
ンゴムのうちの少なくとも1つを主材料とし、かつ、そ
のゴム材料の加硫後の損失係数を略0.5〜略2.0の
範囲の値になるものとする。斯かるゴム材料を用いるこ
とで、極めて容易にかつ簡単な構成でもって、請求項1
の発明の作用効果を十分に得ることができる。
【0015】次に、本発明の第2の解決手段では、ジン
バルピストンを介して気体ばねにより被支持体の荷重を
支持するようにした気体ばね式除振装置において、ピス
トン本体部材の外周側を保持するゴムのダイヤフラム
(可撓性部材)と並列に、ピストン本体部材の揺動を規
制するようにばね部材を配設した。
【0016】具体的に、請求項3の発明では、被支持体
の荷重を支持するピストンをケース部材上面の開口部に
内挿して、該ピストンの下端面をケース部材の内部の気
体室に臨ませるとともに、該ピストンの外周から前記開
口部の周縁まで環状の可撓性部材により閉塞して、前記
被支持体の荷重を弾性的に支持する気体ばねを構成した
気体ばね式除振装置を対象とする。そして、前記ピスト
ンを、被支持体の荷重を受ける荷重受部材と、この荷重
受部材の下方に離間して前記可撓性部材が連結された筒
状のピストン本体部材とからなるものとし、そのうちの
荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部材の
中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延びる支
持柱を設ける一方、ピストン本体部材には、その下端部
における内周側から前記支持柱を囲むように略鉛直下方
に向かって延びる有底筒状の下方延出部を設けて、この
下方延出部の底部において前記支持柱の下端部を枢支さ
せるようにする。そして、前記可撓性部材を、前記ピス
トン本体部材をケース部材に対して揺動可能に保持する
ゴムのダイヤフラムとし、かつ、該ダイヤフラムと並列
に、前記ピストン本体部材の揺動を規制するばね部材を
配設する構成とする。
【0017】前記の構成により、本発明に係る気体ばね
式除振装置では、まず、従来例や前記請求項1の発明の
ものと同様に、ジンバルピストンと気体ばねとによって
上下及び水平の両方向の振動に対し広い周波数領域に亘
って優れた除振性能を得ることができる。
【0018】また、本発明の特徴として、ゴムのダイヤ
フラムにより保持されたピストン本体部材の揺動運動
が、該ダイヤフラムと並列に配置されたばね部材によっ
て規制されるので、その揺動運動のばね特性が相対的に
硬いものとなり、このことで、中間振動系の共振点が周
波数の高い側へ移動することになる。これにより、自ず
と共振ピークが低下するとともに、その共振点を、床振
動の問題となり易い所定の周波数域よりも高い領域へ移
行させることが可能となり、もって、斯かる共振現象に
起因する除振性能の劣化を実質的に解消することができ
る。しかも、前記ばね部材をピストン本体部材の揺動を
規制するものであっても、該ピストン本体部材の上下運
動のばね特性にはあまり影響を及ぼさないものとすれ
ば、被支持体の除振性能への悪影響は最小限に抑制でき
る。
【0019】請求項4の発明では、前記請求項1〜3の
何れか1に係る気体ばね式除振装置において、さらに、
荷重受部材のケース部材に対する水平方向の加速度を検
出する検出手段と、前記荷重受部材を前記水平方向に変
位させるアクチュエータと、前記検出手段による検出値
に基づいて、前記荷重受部材の振動を抑制するようにア
クチュエータを作動させる制御手段とを設ける構成とす
る。
【0020】すなわち、アクチュエータの駆動制御によ
って被支持体の水平方向振動を能動的に制振するように
した場合(アクティブ制振制御)には、その制御領域に
共振点が存在すると、抑制すべき振動が付加される制御
振動によって増幅されてしまい、制御の安定性を損なう
虞れがある。これに対し、前記請求項1、2の発明のよ
うにその共振のピークを大幅に低下させるか、或いは、
前記請求項3の発明のように共振点を制御領域よりも高
周波側に移行させるようにすれば、斯かる共振現象がア
クティブ制振制御へ実質的に悪影響を及ぼさないように
することができる。つまり、前記請求項1〜3の発明
は、アクティブ制振制御を行うようにした気体ばね式除
振装置において特に優れた作用効果を奏する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0022】(実施形態1)図1は、本発明に係る気体
ばね式除振装置を使用した精密除振台Aの一例を示し、
この精密除振台Aは、例えば、図示しない半導体検査装
置や電子顕微鏡、光学式計測装置等の精密機器を搭載し
て、それらの機器を床からの振動と殆ど絶縁した状態で
設置するためのものである。すなわち、前記精密除振台
Aの概略構成は、図示の如く、床面に設置される下側構
造部1と、その下側構造部1の上面の4隅にそれぞれ配
設された空気ばね式のアイソレータ2,2,…(除振装
置)と、該4つのアイソレータ2,2,…の上部に搭載
された搭載盤3とからなる。
【0023】前記下側構造部1は、鋼製角パイプの構造
部材を概ね直方体形状となるように櫓組みしたものであ
り、それぞれ上下方向に延びる4本の脚部4,4,…
と、その隣接する2本の脚部4,4同士を下端側で連結
するように水平方向に延びる下梁部5,5,…と、それ
ら4本の脚部4,4,…の上端側外周を囲んで平面視で
略矩形の枠状となるように配置され、それぞれ内側面が
脚部4,4,…の外側面に接合されるとともに、上面が
該脚部4,4,…の上端面と同一平面上に位置付けられ
た上梁部6,6,…とからなる。そして、前記各脚部4
の上端面からその外側を囲む上梁部6,6の上面に亘っ
て、水平板7,7,…が配設されていて、この各水平板
7上にそれぞれアイソレータ2が配設されている。ま
た、下側構造部1の長手方向に延びる2つの下梁部5,
5の下面には、移動用のキャスター8,8,…が2つず
つ配設されるとともに、各脚部4の下端面にはそれぞれ
高さ調整用のレベラー9,9,…が配設されている。
【0024】(アイソレータの構成)前記アイソレータ
2は、図2に詳細を示すように、上下方向の空気ばねに
ついては従来例(特公昭62−7409号公報)のもの
と同様の構成を有し、ダイヤフラム形空気ばねのピスト
ンにジンバル機構を組み込んで、水平方向のばね特性を
上下方向と同様に非常に柔らかくしたものである。詳し
くは、アイソレータ2は、ベースプレート10の上面に
固定されるインナケーシング11と、このインナケーシ
ング11に対して空気ばねを介して取り付けられたアウ
タケーシング20とからなる。前記インナケーシング1
1(ケース部材)は、全体として高さ寸法が横幅よりも
大きい四角筒状とされ、鋼製の周壁部11aの下端が同
じく鋼製の前記ベースプレート10の上面に接合される
一方、該周壁部11aの上端に接合された鋼製の天板1
1bの略中央部には、鉛直方向の軸線Zと略直交するよ
うに円形の開口部12が形成されている。
【0025】また、前記インナケーシング11上面の開
口部12には、ドーナツ状のピストン本体13が内挿さ
れている。このピストン本体13はアルミニウム合金製
であり、断面円形の中心孔13aが軸線Zに沿って上下
方向に貫通する一方、外周の下側約半分には下端側に向
かって僅かに縮径するテーパ面13bが形成されてい
る。そして、該ピストン本体13の下端面13cから外
周側のテーパ面13bを覆ってさらに外周側に延び、そ
こから開口部12の周縁までを閉塞するように、環状の
ダイヤフラム14が配設されている。すなわち、前記ダ
イヤフラム14及びピストン本体13によりインナケー
シング11の上端開口部12が閉塞されて、空気室15
が区画されており、該ピストン本体13の下端面13c
が該空気室15に臨んでその空気圧を受けることで、主
に上下方向の荷重を支持する空気ばねが構成されてい
る。
【0026】前記ダイヤフラム14は、ポリエステル繊
維の織物を補強材として埋設したゴム弾性膜からなり、
図3に仮想線で示すように一旦、中心部分に丸穴が空い
たハット状に形成した後に、帽子の周壁部分を途中で湾
曲させて下方に折り返すようにして、同図に実線で示す
深皿形状としたものである。すなわち、ダイヤフラム1
4は、帽子の鍔の部分に相当する外周フランジ部14a
の内周端縁に連続して、上方に凸に湾曲する環状ロール
部14bが形成され、このロール部14bの内周端縁部
が前記外周フランジ部14aよりも下方まで延びてい
て、そこからさらに内周側に向かって、前記の丸穴を囲
むように内周フランジ部14cが形成されている。
【0027】そして、同図に示すように、前記ダイヤフ
ラム14の内周フランジ部14cがピストン本体13の
下端面13cに接着されて、その下方からワッシャ16
によりピストン本体13に対して強固に圧着されてい
る。一方、ダイヤフラム14の外周フランジ部14a
は、インナケーシング11の天板11cの上面に接着さ
れて、その上部に配設された締付けリング17が図示し
ないボルトにより該天板11cに締結されることによ
り、該締付けリング17の下面と天板11cの上面との
間に強固に挟持されている。
【0028】そうして、そのように配設されたダイヤフ
ラム14は、環状ロール部14bがピストン本体13と
締付けリング17との間で上下にうねるようにかつ全周
に亘って略均等に大きく撓むことで、ピストン本体13
の上下方向の変位に対して大きな可撓性を有し、また、
該ダイヤフラム14がピストン本体13を挟む左右両側
のロール部14bにおいて反対向きに撓むことによっ
て、ピストン本体13が水平方向の任意の軸の周りに容
易に揺動する(図6参照)。一方、ダイヤフラム14は
ピストン本体13の水平方向の変位に対しては可撓性が
極めて小さく、このため、該ピストン13は水平方向に
は殆ど変位しないことになる。
【0029】前記ピストン本体13の下端面13cに
は、その内周側から略鉛直下方に向かって延びるよう
に、円筒状のピストンウエル18(下方延出部)が取付
けられている。このピストンウエル18は、ピストン本
体13と同じアルミ合金製であり、その上端部がやや縮
径されて、ピストン本体13の中心孔13aに螺入され
る縮径部18aとされている。そして、この縮径部18
aの外周に螺設された雄ネジが中心孔13bの内周に螺
設された雌ねじと螺合することにより、ピストンウエル
18の上端側がワッシャ16と共にピストン本体13に
対して強固に締結されている。また、前記ピストンウエ
ル18の中空部18bの上端はピストン本体13の中心
孔13aに連通し、一方、該中空部18bの下端は円盤
状の鋼製キャップ19により閉止されており、このキャ
ップ19の上面には、後述の如くサポートロッド24の
下端部を支持するために、表面硬度を高める熱処理加工
が施されたウエルスラグ19aが形成されている。
【0030】一方、前記ピストン本体13の上方には、
被支持体である搭載盤3及び搭載機器の荷重を上方から
受けるように、略矩形板状のトッププレート21(加重
受部材)がピストン本体13から離間して配置されてい
る。このトッププレート21は、アイソレータ2のアウ
タケーシング20の天井部に相当し、その外周縁にはそ
れぞれ下方に垂下するように4枚のサイドプレート2
2,22,…の上縁が結合されている。この各サイドプ
レート22の下端縁はそれぞれベースプレート10の上
面付近まで延びていて、アウタケーシング20全体とし
ては、下方に開口する箱状になっている。
【0031】また、前記トッププレート21の下面略中
央部には、上下方向に延びるサポートロッド24(支持
柱)の上端部が締結され、このサポートロッド24がピ
ストン本体13の中心孔13a及びピストンウエル18
の中空部18bを貫通して略鉛直下方に延びていて、そ
の下端部に配設された鋼球25が前記ウエルスラグ19
aに転動自在に当接するとともに、該サポートロッド2
4の下端側には、芯体26aの埋設されたゴム弾性リン
グ26が外挿されて、サポートロッド24の下端部を常
に軸線Z上に位置付けるようになっている。つまり、前
記トッププレート21は、サポートロッド24を介して
ピストンウエル19の底部に枢支され、ピストン本体1
3に対し水平方向の任意の軸の周りに回動自在になって
いる。
【0032】そして、前記図2に示すように空気室15
に適正な空気圧が供給されている状態では、前記トップ
プレート21の下面がその下方の締付けリング17の上
面から離間して上下方向に対向した状態になる一方、例
えば空気室15の空気が抜けて、空気圧が大幅に低下し
たときには、トッププレート21の下面が締付けリング
17の上面に当接して、該締付けリング17を介してイ
ンナケーシング11により支持される状態となる。
【0033】尚、図示の符号27,27は、後述する空
気圧の制御によってトッププレート21の水平方向の振
動を抑制するために、それぞれアウタケーシング20の
サイドプレート22,22とインナケーシング11の周
壁部11aとの間に配設された空気圧アクチュエータで
あり、ここでは例えばベローズを用いればよい。また、
図示しないが、前記インナケーシング11の周壁部11
aには、前記空気室15と左右のベローズ27,27と
に個別に連通するように空気通路が設けられている。
【0034】上述の構成により、前記アイソレータ2
は、トッププレート21やピストン本体13等からなる
ジンバルピストンが空気ばねにより支持されて、搭載盤
3上の機器に対する床からの上下方向振動を略絶縁する
とともに、ジンバルピストンの働きによって床からの水
平方向振動も同様に略絶縁することができるようになっ
ている。このアイソレータ2における上下方向の振動伝
達率は、図4に一例を示すように、空気ばねの特性とし
て固有振動数が略0.7〜1.5Hzと極めて低い周波
数域に現れるものとなり、同図のグラフから、広い周波
数領域に亘り優れた除振性能の得られることが分かる。
【0035】また、水平方向の振動に対しては、図6に
示すように、アウタケーシング20及びサポートロッド
24が水平方向に変位すると、ピストン本体13がダイ
ヤフラム14により保持されつつ、水平方向の任意の軸
の周りに揺動し、これにより振動が吸収されることにな
る。この際、そのピストン本体13のダイヤフラム14
による保持位置よりも、サポートロッド24の下端部が
ウエルスラグ19aに枢支されている位置の方がずっと
低い位置にあることから、ダイヤフラム14のばね特性
は非常に柔らかなものとなり、このことで、アイソレー
タ2による水平方向の除振性能が、図5に一例を示すよ
うに、上下方向と同様の非常に優れたものになる。
【0036】(空気圧の制御)この実施形態に係る精密
除振台Aは、前記の如く4つのアイソレータ2,2,…
によって床からの振動を上下及び水平方向の両方につい
て殆ど絶縁することができるとともに、その各アイソレ
ータ2,2,…における空気室15及びベローズ27,
27の空気圧をコントローラ30により制御して、搭載
盤3に対し上下方向及び水平方向の制御振動を積極的に
付加することにより、該搭載盤3上の機器から発生する
振動をも抑制できるようにした、いわゆるアクティブ制
振機能を有するものである。
【0037】すなわち、前記各アイソレータ2には、図
7に模式的に示すように、トッププレート21の上下方
向の変位及び加速度をそれぞれ検出する非接触式変位セ
ンサ31及び加速度センサ32と、同じく水平方向の変
位及び加速度をそれぞれ検出する変位センサ33及び加
速度センサ34とが配設されていて、該各センサ31〜
34からの出力信号がそれぞれコントローラ30に入力
される。一方、各アイソレータ2毎の空気室15等への
空気通路には図示しないホースを介して個別にサーボ弁
35,35,…が接続されていて、この各サーボ弁35
が前記コントローラ30からの制御信号を受けて作動す
ることにより、各アイソレータ2毎の空気室15やベロ
ーズ27,27に対する空気の給排流量がそれぞれ調整
されて、当該空気室15及びベローズ27,27の空気
圧が速やかに変更されるようになっている。
【0038】尚、図示しないが、前記サーボ弁35は、
圧搾空気を貯留するリザーバタンクに接続されており、
同様に該リザーバタンクに接続された電動ポンプが前記
コントローラ30からの制御信号を受けて作動すること
により、リザーバタンク内の空気圧が所定値に維持され
るようになっている。
【0039】前記コントローラ30によるサーボ弁35
の制御の内容は、例えば水平方向の制御について各アイ
ソレータ2毎に概ね図8のブロック図に示すようになっ
ていて、コントローラ30は、予め設定した基準位置の
情報と、水平方向の変位センサ33及び加速度センサ3
4からの信号とに基づいてサーボ弁35のデューティ比
を演算して、制御信号を出力する。この制御信号を受け
たサーボ弁35によりアイソレータ2のベローズ27の
空気圧が調整されるとともに、床からの振動と搭載盤3
上の機器が発生する振動とが外乱fとなって、該アイソ
レータ2のトッププレート21が振動する。このとき、
図に仮想線で囲んだ制御対象である前記トッププレート
21の水平方向加速度(X″)が加速度センサ34によ
り検出されて、コントローラ30にフィードバックされ
るとともに、この加速度(X″)の2乗に相当するトッ
ププレート21の水平方向変位(X−X0)が変位セン
サ33により検出されて、コントローラ30にフィード
バックされる。
【0040】そして、前記加速度センサ32からの信号
に基づいて、トッププレート21の水平方向振動をキャ
ンセルするように、即ち、トッププレート21に対して
その水平方向振動と略同じ振幅で逆位相の水平方向の制
御振動を付与するような、ベローズ27の空気圧の変化
状態が求められるとともに、変位センサ33からの信号
に基づいて、トッププレート21の基準位置からの偏差
が小さくなるようなベローズ27の空気圧が演算され、
それら2つの条件をできるだけ満足する空気圧となるよ
うに、サーボ弁35のデューティ比が演算される。
【0041】尚、そのような空気圧の制御は、その応答
性が限界となって、あまり高い周波数の振動には追従で
きないから、前記のアクティブ制振制御は概ね200H
z以下の周波数の振動に対応して行われることになる。
また、前記サーボ弁35のデューティ比の演算について
は従来周知の種々の手法を用いればよく、ここでは具体
的な記載は省略するが、例えばPID制御を適用するこ
とができる。或いは、トッププレート21の上下方向の
加速度、速度及び位置の情報を状態変数とする状態フィ
ードバック制御を適用することもでき、さらに、搭載盤
3上の機器が発生する振動が既知のものであれば、これ
をリファレンス信号としてフィードフォワード制御を行
うようにしてもよい。
【0042】そうして、前記のアクティブ制振制御によ
って、この実施形態の精密除振台Aによれば、搭載盤3
上の機器の制振を行えるだけでなく、前記図4、5に示
すような極く低い周波数域でのアイソレータ2の共振現
象をなくして、例えば図9に一例を示すように、除振性
能を一層、向上することができる。すなわち、同図に破
線で示すグラフ(P)は、アクティブ制振制御を行わない
もの(以下、パッシブタイプという)の水平方向振動の
伝達特性を対数目盛で表示したもので、前記図5に示す
ものと同じく、極めて低い周波数域に共振点R1が現れ
ている。一方、アクティブ制振制御を行った場合には、
図に実線で示すのグラフ(A)のように共振点R1がなく
なって、パッシブタイプのものよりもさらに優れた除振
性能が得られることが分かる。
【0043】ところが、斯かるアクティブ制振制御をこ
の実施形態のものと同様の構成を有する従来の精密除振
台に適用したときに、アクティブ制振の制御領域である
比較的高い特定の周波数域(約60〜100Hzくら
い)において一時的に水平方向の振動が大きくなった
り、除振効果が低下したりするというという新しい問題
が発生した。そして、その原因を解明するために本願発
明者らが鋭意、研究を行ったところ、アクティブ制振制
御を行わない状態でも、前記図9のグラフに仮想線で示
すように、ちょうど前記した特定の周波数域においてピ
ークの低い別の共振点R2が現れ、これにより、除振性
能がやや劣化していることを見出した。
【0044】斯かる共振点R2は、前記したようにピー
クの低いものであり、しかも、通常は周囲の空気を媒介
して搭載盤3上の機器に直接的に伝達されるいわゆる環
境騒音の周波数域に含まれることから、この環境騒音に
よりマスクされて、何ら問題とはならないものであっ
た。しかし、アクティブ制振制御を行うようにした場
合、その制御領域に共振点があると、機器及び搭載盤3
からの振動の位相と該振動を打ち消すために付加する制
御振動の位相とが僅かにずれただけで、却って振動が増
幅されることになり、このことで、前記の如き問題が生
じていると考えられる。
【0045】そして、そのような共振点R2は、各アイ
ソレータ2におけるジンバルピストンの揺動運動に起因
するものであると推定される。すなわち、前記したよう
な精密除振台Aにおいては搭載盤3やその上の機器をマ
スとする主振動系に対して、各アイソレータ2のピスト
ン本体13及びピストンウエル18が中間的なマスとな
り、この中間マスとダイヤフラム14とによって中間振
動系が構成されることになるが、この中間マスは前記主
振動系のマスに比べて格段に軽量である。
【0046】ここで、上述したように、前記主振動系の
水平方向変位は主としてジンバルピストンの揺動によっ
て得られるものであるが、その場合のダイヤフラム14
のばね特性は前記の如く質量の大きい主振動系のマスに
対しては十分に柔らかいものであり、このことで、共振
点R1が前記の如く極めて低い周波数域に現れるもので
ある。一方、前記中間振動系のマスは主振動系と比較す
ると格段に軽量であるから、同じダイヤフラム14のば
ね特性がその中間振動系においてはあまり柔らかなもの
とはいえず、結果的に該中間振動系の共振点R2が前記
したように比較的高い周波数域に現れることになるので
ある。
【0047】このような問題点に対し、本願発明者ら
は、共振点Rがジンバルピストンの揺動運動によるもの
であることに着目し、この実施形態1のアイソレータ2
では、本願発明の特徴として、ピストン本体13を保持
するダイヤフラム14のゴム材料を所定の高減衰材料か
らなるものとして、該ダイヤフラム14によって直接的
に振動の減衰を図ることにより、共振倍率を低下させる
ようにした。すなわち、従来までのジンバルピストンを
用いたアイソレータでは、通常、ダイヤフラムのゴム材
料として主にクロロプレンゴムを用いており、その場合
のゴム材料の特性は、例えば加硫後の硬度が50度くら
いであり、また、損失係数が0.2くらいのものであっ
た。
【0048】これに対し、この実施形態のアイソレータ
2では、ダイヤフラム14のゴム材料として、例えば、
加硫後の硬度が60度〜80度になるよう、フッ素ゴム
を主成分として用いており、このときのゴムの損失係数
は約0.4〜1.0くらいになる。そして、この場合に
は、ピストン本体13の揺動運動によるトッププレート
21の水平方向変位に対しては何ら悪影響を及ぼすこと
がなく、一方、該ピストン本体13の揺動運動の共振倍
率を極めて効果的に低下させることができる。この結
果、前記図9に実線で示すように、共振点R2のピーク
が大幅に低下して、斯かる共振現象によって引き起こさ
れるアクティブ制振制御への悪影響が実質的に解消でき
るのである。
【0049】尚、前記ダイヤフラム14のゴム材料とし
ては、前記フッ素ゴム以外にも、例えば、ブチルゴムを
主成分とするもの(硬度は30度〜70度)、エポキシ
化天然ゴムを主成分とするもの(硬度は50度〜70
度)、ニトリルゴムを主成分とするもの(硬度は30度
〜60度)、ポリノルボルネンゴムを主成分とするもの
(硬度は30度〜60度)、シリコンゴムを主成分とす
るもの(硬度は30度〜70度)等とすればよく、いず
れの場合も、ゴム材料の損失係数が略0.5〜略2.0
の範囲の値になることが好ましく、また、ゴム材料の硬
度は、30〜50度の範囲の値とすることがさらに好ま
しい。
【0050】また、ピストン本体13を保持するダイヤ
フラム14としては、前記実施形態1のもののように繊
維補強をしたものでなくてもよいが、この場合には、例
えば、ブチルゴム等のゴム材料を用いるとともに、その
ゴム材料の加硫後の硬度を約70度とし、かつ損失係数
を約1.0とすることが望ましい。
【0051】したがって、この実施形態1に係る精密除
振台Aによれば、まず、空気ばね式アイソレータ2,
2,…のピストンにジンバル機構を組み込んだ構成によ
り、従来までのものと同様に上下方向及び水平方向の両
方向について広い周波数領域に亘る優れた除振効果が得
られる。
【0052】また、アイソレータ2の空気圧のアクティ
ブ制御によって、上下方向及び水平方向の極低周波域で
の共振点R1をなくし、除振性能をさらに向上させると
ともに、搭載機器事態から発生される振動をも抑制する
ことができる。
【0053】そして、本願発明の特徴として、前記アイ
ソレータ2における上下方向空気ばねのダイヤフラム1
4のゴム材料として、従来までのクロロプレンゴムに比
べて高い減衰特性を有するフッ素ゴムを用いることで、
該ダイヤフラム14及びピストン本体13等からなる中
間振動系の共振点R2のピークを大幅に低下させて、斯
かる共振現象に起因する前記アクティブ制振制御への悪
影響を実質的に解消することができる。
【0054】尚、前記したように共振点R2のピークを
大幅に低下できることは、この実施形態のようなアクテ
ィブタイプの除振台Aだけでなく、いわゆるパッシブタ
イプの除振台においても有効であり、これにより、無振
動化の要求が現在よりもさらに厳しくなったとしても、
十分に対応することが可能になる。
【0055】(変形例)前記実施形態1では、各アイソ
レータ2においてピストン本体13を保持するダイヤフ
ラム2自体を高減衰材料からなるものとしているが、こ
れに限らず、例えば図10に示すように、ダイヤフラム
14と並列にピストン本体13を弾性的に保持する別の
可撓性部材として、高減衰材料のシート部材を追加する
ようにしてもよい。例えば、図10に示す変形例のアイ
ソレータ2′は、前記実施形態1のものとは異なり、水
平方向の空気圧アクチュエータのないパッシブタイプの
ものである。この変形例のものはいわゆるアウタケーシ
ング20を有さず、搭載盤3を支持する荷重受部材とし
て円盤状のロードディスク36を備えているが、それ以
外の構成については前記実施形態1のアイソレータ1と
同じである。
【0056】そして、前記変形例のアイソレータ2′で
は、ピストン本体13の上面の外周側からその外側に位
置する締付けリング17の上面に跨るように、フッ素ゴ
ム等の高減衰ゴム材料からなる環状のシート部材37が
全周に亘って貼着されている。また、該シート部材37
の上面の外周側及び内周側にはそれぞれ環状の押さえ板
38,39が配設されて、図示しないボルトにより締付
けリング17及びピストン本体13に締結されており、
これにより、前記シート部材37は、その外周側が締付
けリング17と環状の押さえ板38とにより挟持される
一方、内周側がピストン本体13と環状の押さえ板39
とにより挟持されていて、その中間に、下方に凸に湾曲
する環状ロール部が形成される。このロール部には、図
示しないが、周方向に等間隔を空けて上下に貫通する空
気抜きの穴が形成されている。
【0057】この変形例のアイソレータ2′の場合、ジ
ンバルピストンの揺動に対してシート部材37が弾性変
形することにより、高い減衰力が得られることになるの
で、ダイヤフラム14自体は従来までと同じクロロプレ
ンゴムのものであっても、前記実施形態1と同様の作用
効果が得られる。尚、前記変形例の如くシート部材37
を全周に亘って設けることは必ずしも必要ではなく、ピ
ストン本体13の上面から締付けリング17の上面に跨
るような矩形状のゴムシート部材を複数、用意して、こ
のゴムシート部材を周方向に所定の間隔を空けて、放射
状に配設するようにしてもよい。
【0058】(実施形態2)図11〜13は、本願発明
の実施形態2に係るアイソレータ2の構成を示し、この
アイソレータ2の構造は前記実施形態1のものと同様で
あるから、以下、同一部材には同一の符号を付して、そ
の説明は省略する。そして、この実施形態2のアイソレ
ータ2の特徴は、ピストン本体13を保持するダイヤフ
ラム14を、従来までのものと同じく相対的に減衰率の
低いクロロプレンゴムからなるものとしておいて、その
代わりに、該ダイヤフラム14と並列にピストン本体1
3の揺動を規制する板ばね40(ばね部材)を配設した
ことにある。
【0059】すなわち、この実施形態2のアイソレータ
2の場合、図12に示すような円環状の板ばね40をピ
ストン本体13の上面の外周側から、その外側に位置す
る締付けリング17の上面に跨るように取り付けてい
る。この板ばね40は、鋼製の薄板をプレス加工してな
るものであり、締付けリング17の上面に重ね合わされ
る外周側部40aに周方向に等間隔を空けて8個のボル
ト孔41,41,…が形成されるとともに、ピストン本
体13の上面に重ね合わされる内周側部40bにも同様
に8個のボルト穴41,41,…が形成されていて、図
示しないが、それらの各ボルト孔41を貫通するボルト
によって、前記締付けリング17及びピストン本体13
に締結固定されるようになっている。
【0060】前記外周側部40aと内周側部40bとに
挟まれた板ばね40の中間部40cには、周方向に延び
る複数の円弧状スリット42、42,…が形成されてい
て、その中間部40cの剛性が該板ばね40に直交する
上下方向について相対的に低下せしめられている。詳し
くは、前記スリット42,42,…は、軸線Zの周囲に
同心状に配置され、その最外周側から最内周側まで互い
に径方向に離間した6つのグループに分けられるととも
に、その最外周側の第1グループから最内周側の第6グ
ループまでの各グループが、それぞれ、周方向に互いに
等間隔を空けて配置された4つのスリット42,42,
…からなるものである。
【0061】また、前記スリット42,42,…のう
ち、第1、第3及び第5グループの各スリット42は、
異なるグループのスリット同士が周方向について同じ位
置にあり、第2、第4及び第6グループの各スリット4
2も同様である。そして、径方向に隣接する2つのグル
ープのスリット42,42,…は、そのうちの一方のグ
ループの各スリット42の周方向両端側が他方のグルー
プのスリット42,42と径方向に互いに重なるよう
に、すなわち、周方向に千鳥状に配置されている。
【0062】このような構成の板ばね40は、その外周
側部40aと内周側部40bとが軸方向に相対変位する
場合に、中間部40cが全周に亘って略均等に変位する
のであれば極めて大きな可撓性を有するものなので、該
板ばね40をピストン本体13及び締付けリング17に
取り付けた状態で、該ピストン本体13の上下方向の変
位におけるばね特性は殆ど硬くなることがない。一方、
該ピストン本体13が揺動して、例えばピストン本体の
左側が沈む一方、右側が浮き上がったような状態では
(図6参照)、板ばね40の外周側部40aに対して内
周側部40bの左側が下方に沈む一方、右側が浮き上が
るように変位し、このときに中間部40cの一部がねじ
られて強く反発することになるから、該板ばね40によ
り、ピストン本体13の揺動運動が規制されることにな
る。
【0063】言い換えると、前記板ばね40を配設した
ことで、ジンバルピストンの揺動運動のばね特性が硬く
なるから、そのピストン及びダイヤフラム14に板ばね
40を加えた中間振動系の共振点R2は、図13に示す
ように振動数の高い側に移動することになる。
【0064】したがって、この実施形態2に係る精密除
振台Aによれば、前記実施形態1のものと同様に上下方
向及び水平方向の両方向について広い周波数領域に亘る
優れた除振効果が得られるとともに、各アイソレータ2
のダイヤフラム14と並列にピストン本体13の揺動を
規制する板ばね40を配設したことで、高周波側の共振
点R2をさらに周波数の高い側へ移動させることができ
る。このことで、自ずと共振のピークが低下するととも
に、板ばね40のばね特性の設定によって前記共振点R
2を例えば200Hz以上のアクティブ制御領域外にま
で移行させるようにすれば、その共振に起因するアクテ
ィブ制振制御への悪影響を解消することができる。
【0065】しかも、前記板ばね40がピストン本体1
3の揺動を規制する一方、該ピストン本体13の上下方
向の変位については殆ど影響を与えないものなので、該
板ばね40の追加によってアイソレータ2の上下方向の
除振性能に及ぼす悪影響は最小限に抑制できる。
【0066】尚、前記実施形態1、2等においては、ア
ウタケーシング20をインナケーシング11に対して水
平方向に変位させる空気圧アクチュエータとして、例え
ばベローズ27,27を設けているが、これ以外に、ダ
イヤフラム型の空気ばねを設けるようにしてもよく、或
いは、例えば圧電素子等のような空気圧を用いないアク
チュエータを設けることもできる。また、変形例のよう
に水平方向のアクチュエータを設けないものであって
も、本願発明を適用可能である。
【0067】また、前記各実施形態において、上下方向
の空気ばねの代わりに、例えば窒素ガス等を充填した気
体ばねを用いることも可能である。
【0068】さらに、前記各実施形態においては、本願
発明の空気バネ式除振装置を用いて精密除振台Aを構成
しているが、これに限らず、例えば、半導体製造装置等
の防振支持のために、それらの装置に合わせて専用に設
計した搭載盤を3〜4本のアイソレータ(除振装置)に
より支持する構成としたり、或いは、クリーンルームの
グレーチング床へ埋め込む可動床を同様にアイソレータ
(除振装置)により支持する構成とすることもできる。
【0069】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
に係る気体ばね式除振装置によると、空気ばねのピスト
ンにジンバル機構を組み込んで、上下方向だけでなく水
平方向についても固有振動数を十分に低周波側に設定
し、このことで、広い周波数領域に亘って優れた除振性
能を得られるようにする場合に、前記ピストンの本体部
材を揺動可能に保持する可撓性部材を所定の高減衰材料
により構成することで、該ピストン本体部材の揺動運動
における共振のピークを低下させて、斯かる共振現象に
起因する不具合を実質的に解消することができる。
【0070】請求項2の発明によると、可撓性部材を繊
維材料で補強したゴムのダイヤフラムとし、かつそのゴ
ム材料を加硫後の損失係数が略0.5〜略2.0の範囲
の値になるようにすることで、極めて容易にかつ簡単な
構成で、請求項1の発明の効果を十分に得ることができ
る。
【0071】また、請求項3の発明に係る気体ばね式除
振装置によると、前記請求項1の発明と同様に空気ばね
のピストンにジンバル機構を組み込む場合に、そのピス
トンの本体部材を保持するゴムのダイヤフラムと並列
に、該ピストン本体部材の揺動を規制するようにばね部
材を配設することで、その揺動運動における共振点を周
波数の高い側へ移動させて、斯かる共振現象に起因する
不具合を実質的に解消することができる。
【0072】請求項4の発明によると、アクティブ制振
制御を行うようにした空気ばね式除振装置において、前
記請求項1〜3の発明により、ジンバルピストンに固有
のピストン本体部材の揺動による共振現象を実質的に解
消できることが特に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る精密除振台Aの全体構
成を示す斜視図である。
【図2】アイソレータ(空気ばね式除振装置)の縦断面
図である。
【図3】ピストン本体及びダイヤフラムのケーシングに
対する取付け構造を示す分解斜視図である。
【図4】アイソレータによる上下方向の除振性能の一例
を示すグラフ図である。
【図5】アイソレータによる水平方向の除振性能の一例
を示すグラフ図である。
【図6】アウタケーシングが水平方向に変位した状態の
図2相当である。
【図7】アイソレータのアクティブ制振制御システムの
概略構成図である。
【図8】アクティブ制振制御のブロック図である。
【図9】アクティブ制振制御による水平方向の除振性能
をパッシブタイプと対比して示すグラフ図である。
【図10】変形例に係るパッシブタイプのアイソレータ
の構成を示す図2相当図である。
【図11】実施形態2のアイソレータの構成を示す図2
相当図である。
【図12】板ばねの部品図である。
【図13】実施形態2に係る図9相当図である。
【図14】ジンバルピストンを有する従来例のアイソレ
ータの模式図である。
【符号の説明】
A 精密除振台 Z 鉛直方向軸線 2 アイソレータ(除振装置) 3 搭載盤(被支持体) 10 ベースプレート(ケース部材) 11 インナケーシング(ケース部材) 12 開口部 13 ピストン本体(ピストン本体部材) 14 ダイヤフラム(可撓性部材) 15 空気室 18 ピストンウエル(下方延出部) 18b 中空部 21、36 トッププレート(荷重受部材) 24 サポートロッド(支持柱) 27 ベローズ(アクチュエータ) 30 コントローラ(制御手段) 31,33 変位センサ(検出手段) 32,34 加速度センサ(検出手段) 35 サーボ弁(空気圧調整手段) 37 ゴムシート部材(可撓性部材) 40 板ばね(ばね部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被支持体の荷重を支持するピストンをケ
    ース部材上面の開口部に内挿して、該ピストンの下端面
    をケース部材の内部の気体室に臨ませるとともに、該ピ
    ストンの外周から前記開口部の周縁まで環状の可撓性部
    材により閉塞して、前記被支持体の荷重を弾性的に支持
    する気体ばねを構成した気体ばね式除振装置であって、 前記ピストンは、被支持体の荷重を受ける荷重受部材
    と、この荷重受部材の下方に離間して前記可撓性部材が
    連結された筒状のピストン本体部材とからなり、 前記荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部
    材の中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延び
    る支持柱が設けられている一方、 前記ピストン本体部材には、その下端部における内周側
    から前記支持柱を囲むように略鉛直下方に向かって延び
    る有底筒状の下方延出部が設けられていて、この下方延
    出部の底部において前記支持柱の下端部が枢支されてお
    り、 前記可撓性部材が、前記ピストン本体部材をケース部材
    に対して揺動可能に弾性的に保持するとともに、その揺
    動運動の減衰率が所定以上に高くなるような高減衰材料
    により構成されていることを特徴とする気体ばね式除振
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 可撓性部材は、繊維材料で補強したゴム弾性膜のダイヤ
    フラムであり、 前記ゴム弾性膜は、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリノ
    ルボルネンゴム、エポキシ化天然ゴム、フッ素ゴム、シ
    リコンゴムのうちの少なくとも1つを主材料とし、か
    つ、そのゴム材料の加硫後の損失係数が略0.5〜略
    2.0の範囲の値になるものであることを特徴とする気
    体ばね式除振装置。
  3. 【請求項3】 被支持体の荷重を支持するピストンをケ
    ース部材上面の開口部に内挿して、該ピストンの下端面
    をケース部材の内部の気体室に臨ませるとともに、該ピ
    ストンの外周から前記開口部の周縁まで環状の可撓性部
    材により閉塞して、前記被支持体の荷重を弾性的に支持
    する気体ばねを構成した気体ばね式除振装置であって、 前記ピストンは、被支持体の荷重を受ける荷重受部材
    と、この荷重受部材の下方に離間して前記可撓性部材が
    連結された筒状のピストン本体部材とからなり、 前記荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部
    材の中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延び
    る支持柱が設けられている一方、 前記ピストン本体部材には、その下端部における内周側
    から前記支持柱を囲むように略鉛直下方に向かって延び
    る有底筒状の下方延出部が設けられていて、この下方延
    出部の底部に前記支持柱の下端部が枢支されており、 前記可撓性部材が、前記ピストン本体部材をケース部材
    に対して揺動可能に保持するゴムのダイヤフラムであ
    り、かつ、該ダイヤフラムと並列に、前記ピストン本体
    部材の揺動を規制するばね部材が配設されていることを
    特徴とする気体ばね式除振装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、 荷重受部材のケース部材に対する水平方向の加速度を検
    出する検出手段と、 前記荷重受部材を前記水平方向に変位させるアクチュエ
    ータと、 前記検出手段による検出値に基づいて、前記荷重受部材
    の振動を抑制するようにアクチュエータを作動させる制
    御手段とが設けられていることを特徴とする気体ばね式
    除振装置。
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