JP3794082B2 - 温水式暖房装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は温水流量を制御する流量制御弁を用いた温水式暖房装置に関するもので、自動車用空調装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、温水式暖房装置を含む自動車用空調装置の吹出空気の温度制御方式として、暖房用熱交換器への温水流量を制御して、吹出空気温度を制御する方式のものが知られている。本発明者らは、先に特開平8−118943号公報にて、次のごとき温水流量制御方式の温水式暖房装置を提案している。
【0003】
すなわち、この従来装置では、温水流量を制御する流量制御弁を暖房用熱交換器に一体化するとともに、流量制御弁により流量制御された温水が流入する入口側タンクを暖房用熱交換器の下方部に配置し、この熱交換器の上方部に出口側タンクを配置して、温水が熱交換器のコア部を下方から上方への一方向のみに流れるように構成している。このように、温水の流れを下方から上方への一方向流れとすることにより、Uターン流れの方式のものに比して、暖房用熱交換器の温水流通抵抗の低減、構造の簡略化等の長所を有している。
【0004】
ところが、温水流量を流量制御弁にて微少流量に制御すると、高温の温水が自身の浮力(高温の温水は比重が小さい)の影響も加わって、コア部において温水の出入口間を短絡する領域に温水が集中的に流れてしまい、他の領域(コア部において、温水の出入口から遠ざかる領域)では温水流量が大幅に減少するという現象が発生し、暖房用熱交換器の左右の吹出温度差に非常に大きなバラツキが生じる。この結果、運転席側と助手席側の乗員に対して、双方とも満足できる空調感を与えることができず、空調の温度制御上、致命的な欠陥となる。
【0005】
そこで、上記従来装置では、暖房用熱交換器の下方部の温水入口側タンクもしくは上方部の温水出口側タンクのいずれか一方に、コア部の左右方向への温水分配を均一化する温水分配手段を内蔵して、暖房用熱交換器の左右の吹出温度差を低減させるものを提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車用空調装置の場合、車室内の計器盤下方部のように、極めて狭隘なスペース内に暖房用熱交換器を設置しなければならないので、暖房用熱交換器の設置姿勢にも制約が大きい。
そのため、狭隘なスペース内への設置のために、暖房用熱交換器を垂直面、水平面に対して傾斜して暖房用熱交換器を設置する場合が多い。
【0007】
上記従来装置では、このように、暖房用熱交換器を傾斜して設置する場合における、熱交換器左右方向での吹出温度差について何ら記載されていない。
そこで、本発明は上記点に鑑み、暖房用熱交換器を傾斜して設置するとともに、暖房用熱交換器のコア部を温水が下方から上方への一方向のみに流れるようにしたものにおいて、微少流量制御時に左右の吹出空気温度差を効果的に低減できる温水式暖房装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、暖房用熱交換器(3)の傾斜角(θ)と熱交換器左右方向での吹出温度差との相関関係について実験検討したところ、特定の傾斜角範囲では、熱交換器左右方向での吹出温度差を効果的に低減できることを見い出した。すなわち、後述の実施形態において詳述するように、暖房用熱交換器(3)と水平面とがなす傾斜角度(θ)が50°以下の所定傾斜角度となるように暖房用熱交換器(3)を傾斜して配置することにより、熱交換器左右方向での吹出温度差を効果的に低減できる。
【0009】
本発明においては、特開平8−118943号公報記載の暖房用熱交換器(3)の下方部の温水入口側タンク(3a)もしくは上方部の温水出口側タンク(3b)のいずれか一方に、コア部(3c)の左右方向への温水分配を均一化する温水分配手段を内蔵しなくとも、傾斜角(θ)の特定により熱交換器左右方向での吹出温度差を低減できることが分かった。
【0010】
特に、請求項3のごとく暖房用熱交換器(3)と水平面とがなす傾斜角度(θ)を40°以下に設定することにより、熱交換器左右方向での吹出温度差を一層効果的に低減できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図3は本発明を自動車用空調装置の温水式暖房装置に適用した第1実施形態を示すもので、図1において、1は自動車走行用の水冷式エンジン、2はエンジン1により駆動されるウオータポンプで、エンジン1の冷却水回路(温水回路)に水を循環させるものである。3はエンジン1から供給される温水と送風空気とを熱交換して、送風空気を加熱する暖房用熱交換器(ヒータコア)、4は流量制御弁で、温水出入口を3つ有する三方弁タイプの弁構造を有するものである。
【0012】
5は暖房用熱交換器3と並列に設けられたバイパス路、6は圧力応動弁であり、その前後の差圧が予め定めた所定値に達すると開弁するものであって、エンジン1の回転数変動によりウオータポンプ2の吐出圧が変動しても、暖房用熱交換器3の前後圧を一定に近づける役割を果たすものである。
図1には具体的に示していないが、特開平8−118943号公報のごとく流量制御弁4にはバイパス回路5および圧力応動弁6が一体に内蔵され、さらに暖房用熱交換器3に対して一体構造として組付られるようになっている。
【0013】
7は温度センサで、空調ユニット8の空調ケース8a(図2、3参照)内において、熱交換器3の空気下流側で、かつ車室内への各種吹出口9〜11、11aの分岐点直前の部位に設置される。この温度センサ7は、サーミスタよりなり、車室内に吹き出す温風温度を検出するものである。
図2、3において、吹出口9は車室内の乗員顔部に向けて空気を吹き出すフェイス(上方)吹出口であり、吹出口10は自動車前面窓ガラスに空気を吹き出して窓ガラスの曇りを除去するデフロスタ吹出口であり、吹出口11は前席側乗員の足元に空気を吹き出す前席用のフット(足元)吹出口であり、11aは後席側乗員の足元に空気を吹き出す後席用のフット(足元)吹出口である。
【0014】
なお、図2、3に示す例では、空調ユニット8は暖房用熱交換器3と蒸発器(冷房用熱交換器)12の両方を一体に内蔵する一体型ユニットを構成しており、この一体型空調ユニット8は車室内前部の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置される。
そして、空調ユニット8は図2に示すように、天地方向の最下方部に、ユニット吸込口8bを有しており、このユニット吸込口8bには、図3に示す送風機ユニット30からの送風空気が流入する。送風機ユニット30は、車室内前部の計器盤下方部のうち、空調ユニット8の設置部位から助手席側へオフセットして配置されており、天地方向の上方側に内外気を切替導入する周知の内外気切替箱31を備えている。
【0015】
この内外気切替箱31の下方側に、この内外気切替箱31から導入した内気または外気を空調ユニット8のユニット吸込口8bに向けて送風する送風機32が備えられている。この送風機32は周知のごとく電動モータ32aにて回転駆動される遠心多翼ファン32bを有しており、この遠心多翼ファン32bの送風空気を案内するスクロールケース32cの出口部32dがユニット吸込口8bに結合されている。
【0016】
空調ユニット8内において、ユニット吸込口8bより上方の部位に蒸発器12が配置され、この蒸発器12の上方側に暖房用熱交換器3が配置されている。
ここで、暖房用熱交換器3は流量制御弁4により流量制御された温水が流入する入口側タンク3aを下方部に配置し、熱交換器上方部に出口側タンク3bを配置して、温水が熱交換器3のコア部3cを下方から上方への一方向のみに流れる一方向流れタイプ(全パスタイプ)として構成されている。コア部3cは周知のごとく偏平状チューブとコルゲートフィンとから構成されている。
【0017】
なお、図1では、図作成上の便宜のため、入口側タンク3aを図上方部に図示し、図下方部に出口側タンク3bを図示しているが、暖房用熱交換器3の実際の配置形態は図2に示す通りである。
そして、暖房用熱交換器3は水平面に対して所定の傾斜角θ(図2の図示の例では、θ=22°)でもって傾斜するように配置されており、本例では、蒸発器12も暖房用熱交換器3と略同一の傾斜角で傾斜配置されている。空調ケース8a内において、暖房用熱交換器3の側方には、冷風バイパスドア8cにより開閉される冷風バイパス路8dが形成されている。この冷風バイパス路8dは最大冷房時(あるいはバイレベルモード時)に開放される。8e〜8gは各吹出口9〜11aへの空気流れを断続する吹出モードドアである。
【0018】
ユニット吸込口8bから流入した送風空気は蒸発器12の下方の部位で上方へ流れを転回し、その後に、先ず蒸発器12を下方から上方へ通過し、さらに、暖房用熱交換器3を下方から上方へ通過する。この際、暖房用熱交換器3への温水流量を流量制御弁4により流量制御して、熱交換器3における加熱量を調整して車室内への吹出空気温度を調整する。
【0019】
図1において、13は車室内温度制御の目標温度(乗員の希望温度)を設定するための温度設定器で、乗員により手動操作可能なスイッチ、あるいは可変抵抗器等よりなる。14は外気温度、温水温度、日射量等の車室内温度制御に関係する環境因子の物理量を検出するセンサ群である。15はこれらのセンサ7、14及び温度設定器13等からの入力信号に基づいて温度制御信号を出力する空調制御装置で、マイクロコンピュータ等よりなる。
【0020】
16はこの空調制御装置15からの温度制御信号により制御されるサーボモータで、流量制御弁4の弁体17を回転駆動するための弁体作動手段を構成する。ここで、弁体作動手段としては、サーボモータ16のような電気的アクチュエータに限らず、周知のレバー、ワイヤ等を用いた手動操作機構であってもよい。
なお、流量制御弁4の具体的構成、および流量制御弁4と熱交換器3との一体化構造の具体例は、前述の特開平8−118943号公報と同じよいので、詳細な説明は省略する。
【0021】
流量制御弁4は、円柱状の弁体(ロータ)17をハウジング18内に回動可能に収納しており、ハウジング18にはエンジン1からの温水が流入する温水入口19と、暖房用熱交換器3の温水入口側タンク3aに接続される温水出口20と、バイパス回路5の温水入口側に接続されるバイパス出口21が設けられている。一方、弁体17にはこれらの温水出入口19〜21の開口面積を調整する制御流路17aが備えられている。
【0022】
次に、上記構成において作動を説明する。流量制御弁4の流量制御による吹出空気温度の制御作用は基本的には上記公報と同じでよいので、詳細な説明は省略し、概要を述べると、最大暖房能力時には、流量制御弁4の弁体17がサーボモータ16または手動操作機構により最大開度位置に回動操作されて、弁体17の制御流路17aがハウジング18の温水入口19、温水出口20の双方と最大面積で重畳し、この出入口19、20を全開する。一方、バイパス回路5は全閉に近い状態となる。
【0023】
その結果、エンジン1からの温水はすべて熱交換器3側に流入し、熱交換器3は最大暖房能力を発揮できる。
次に、非暖房時(自動車用空調装置に図2に示す冷媒蒸発器12が装備され、冷凍サイクルが運転されているときは、最大冷房時となる)には、流量制御弁4の弁体17が開度零の位置に回動操作されて、弁体17の制御流路17aがバイパス回路5の入口に重畳してこのバイパス回路5を全開し、温水出口20を全閉して、熱交換器3への温水の流れを遮断する。
【0024】
一方、制御流路17aはその一部のみが温水入口19と重畳して、温水入口19を全閉とせず、φ2丸穴相当の最小開口面積を設定する。
上記の弁***置により、温水入口19からバイパス回路5への温水の流れを継続できるので、温水の流れの急遮断によるウオータハンマ現象の音の発生を防止できるとともに、φ2丸穴相当以上の開口面積の確保により流水音の発生も防止できる。
【0025】
次に、微少能力時には、弁体17が微少の弁開度位置に回動されるので、制御流路17aが温水入口19及び温水出口20の双方に対して小面積で重畳し、温水入口19の開口面積及び温水出口20の開口面積を双方とも絞っている2段絞りの状態(図1の微少能力時はその2段絞りの状態を模式的に示す)となり、かつ温水入口19と温水出口20の絞り部の中間部(図1のア部)は略全開状態にあるバイパス回路5に十分大きな開口面積で連通しているので、この中間部アの圧力を下げることができる。
【0026】
その結果、暖房用熱交換器3前後の差圧を十分小さくできるので、弁開度(弁体回転角)の変化に対する温水流量の変化(最終的には車室内への吹出空気温度の変化)を、特別小さな開口面積を必要とせずに、緩やかすることができる。すなわち、吹出空気温度の制御ゲインを低減できる。
この制御ゲインの低減により、車室内への吹出空気温度をきめ細かく制御できる。
【0027】
また、エンジン回転数の変動による温水圧力の変動に対しては、圧力応動弁6の開度が温水圧力の上昇に応じて増大することにより、暖房用熱交換器3前後の温水差圧の変動を低減して、エンジン回転数の変動による熱交換器吹出空気温度の変動を抑制する。
ところで、図4、5は本発明者らが行った実験結果を示すデータであり、実験条件は、暖房用熱交換器3への循環温水流量:0.6リットル/min、暖房用熱交換器3への送風風量:200m3 /h、入口温水温度:88°C、吸込空気温度:5°Cである。また、実験に供した空調装置は、図2、3に示すタイプのものであるが、後述の第2実施形態(図6)のタイプのものでも、同様の結果が得られることを確認している。
【0028】
図4は暖房用熱交換器3の配置形態と暖房用熱交換器3の左右方向での吹出温度バラツキとの関係を示すものであり、図中、FACEはフェイス吹出口9側の吹出空気温度を示し、FOOTはフット吹出口11、11a側の吹出空気温度を示している。
図4の実験から理解されるように、暖房用熱交換器3を垂直置きとし、かつ、温水を上方から入れ、下方から出すタイプ、およひ水平置きタイプでは、微少流量制御時に、温水自身の比重低下による浮力の影響を受けにくいので、熱交換器左右方向での吹出温度バラツキが僅少となり、実用上問題がない。
【0029】
これに対して、暖房用熱交換器3を垂直置きとし、かつ、温水を下方から入れ、上方から出すタイプでは、微少流量制御時に、温水自身の比重低下による浮力の影響を受けて、コア部3cのうち、温水入口側、温水出口タンク3a、3bへの温水出入口パイプ3d、3e(図4)が設けられる図示右側の部位に温水が短絡的に集中して流れやすい。その結果、熱交換器左右方向での吹出温度バラツキがフェイス吹出口9側、フット吹出口11、11a側の双方とも31.5°C、34.2°Cという大きな値になってしまう。
【0030】
ところで、暖房用熱交換器3を垂直置きとし、かつ、温水を上方から入れ、下方から出すタイプでは、温水入口タンクが上方に位置するため、温水中に含まれる空気がこの温水入口タンクに溜まりやすいので、温水(エンジン冷却水)からの空気抜きがしにくいという問題があり、この理由から採用しにくい。
また、水平置きタイプでは、熱交換器3の大きさに対応した大きさを持つスぺースを空調ユニット8内の水平方向(車両前後方向)に確保しなければならないが、実際には、このようなスペースを計器盤下方の狭隘な空間内で確保することが困難な場合が多い。
【0031】
これに対して、水平置きタイプを傾斜配置するタイプに変更すると、空調ユニット8内での水平方向(車両前後方向)の熱交換器設置スペースを減少できるのて、実用上好適である。そこで、暖房用熱交換器3と水平面とがなす傾斜角度θ(図2)と、熱交換器左右方向での吹出温度バラツキとの関係について実験検討したところ、図5に示す結果が得られた。
【0032】
すなわち、図5の横軸は上記傾斜角度θであり、縦軸は熱交換器左右方向での吹出温度バラツキΔTaであり、この図5の実験結果から理解されるように、暖房用熱交換器3に対して、温水を下方から入れ、上方から出すタイプであっても、上記傾斜角度θを50°以下に設定することにより、吹出温度バラツキΔTaを7°C以下まで減少できることが分かった。
【0033】
そして、上記傾斜角度θを40°以下に設定することにより、吹出温度バラツキΔTaをほぼ3°C以下まで減少できることが分かった。
このように、暖房用熱交換器3と水平面とがなす傾斜角度θを所定角度、すなわち50°以下に設定することにより、吹出温度バラツキΔTaを7°C以下という僅少値に抑制できる。しかも、暖房用熱交換器3の傾斜配置により空調ユニット8内での水平方向への熱交換器設置スペースを減少できる。
【0034】
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態を示すもので、送風機32を空調ユニット8の車両前方側に配置するレイアウトである。また、図2、3に示す第1実施形態とは吹出口9、9a、10、11、11aが異なっており、本例では、後席側へ冷風を案内するための後席用フェイス吹出口9aが設定されている。
【0035】
暖房用熱交換器3と水平面とがなす傾斜角度θは、本例では30°となっている。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記の第1、第2実施例に限定されることなく、請求項記載の技術的思想の趣旨に従って種々変形可能なものであり、以下他の例について述べる。
【0036】
上記の第1、第2実施例では、温水入口側タンク3aおよび出口側タンク3b内に、特開平8−118943号公報記載の温水分配手段を設置しない場合について説明したが、この温水分配手段を温水入口側タンク3aおよび出口側タンク3bのいずれか一方または両方に内蔵させてもよい。この温水分配手段の内蔵により、吹出温度バラツキΔTaを一層低減できる。
【0037】
また、第1、第2実施例では、熱交換器3の温水入口3dおよび温水出口3eをいずれも図4に示すように熱交換器3の左右方向の同一側端部(右側端部)に配置しているが、熱交換器3の温水入口3dおよび温水出口3eを熱交換器3の左右方向の異なる端部(左側端部と右側端部)に配置するようにしてもよい。
また、第1、第2実施例では、いずれも、蒸発器12と暖房用熱交換器3の両方を備える空調装置について説明したが、蒸発器12を持たず、暖房用熱交換器3のみを備えている空調装置(温水式暖房装置)に本発明を適用できることはもちろんである。
【0038】
また、本発明は、自動車用以外の種々な用途の温水式暖房装置に広く適用可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための温水回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態における暖房用熱交換器の空調ユニット内への配置形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を適用した自動車用空調装置の通風系全体の概要正面図である。
【図4】本発明者らの実験による暖房用熱交換器の置き方と吹出空気温度バラツキとの関係を示す図表である。
【図5】本発明者らの実験による暖房用熱交換器の傾斜角と吹出空気温度バラツキとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態を適用した自動車用空調装置の通風系全体の概要断面図である。
【符号の説明】
1……エンジン、3……暖房用熱交換器、3a……温水入口側タンク、
3b……温水出口側タンク、3c……コア部、4……流量制御弁。
Claims (3)
- 温水源(1)から供給される温水と空気とを熱交換して空気を加熱する暖房用熱交換器(3)と、
前記温水源(1)から前記暖房用熱交換器(3)に供給される温水流量を制御するための流量制御弁(4)とを備え、
前記流量制御弁(4)により前記温水流量を制御して前記暖房用熱交換器(3)の吹出空気温度を調整するようになっており、
前記暖房用熱交換器(3)は、前記温水と空気との熱交換を行うコア部(3c)と、前記コア部(3c)の一端部に配置された温水入口側タンク(3a)と、前記コア部(3c)の他端部に配置された温水出口側タンク(3b)とを備え、
前記暖房用熱交換器(3)は、前記温水入口側タンク(3a)から温水が前記コア部(3c)を経て前記温水出口側タンク(3b)に向かう一方向のみに流れるように構成されており、
前記暖房用熱交換器(3)を通風路内に配置するに当たり、前記温水入口側タンク(3a)が下方に、前記温水出口側タンク(3b)が上方となるようにして、しかも、前記暖房用熱交換器(3)と水平面とがなす傾斜角度(θ)が50°以下の所定傾斜角度となるように前記暖房用熱交換器(3)を傾斜して配置することを特徴とする温水式暖房装置。 - 前記温水源が自動車の水冷式の走行用エンジン(1)であり、請求項1に記載の温水式暖房装置を自動車用温水式暖房装置として構成したことを特徴とする温水式暖房装置。
- 前記暖房用熱交換器(3)と水平面とがなす傾斜角度(θ)を40°以下に設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の温水式暖房装置。
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