JP2000158931A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000158931A
JP2000158931A JP10337933A JP33793398A JP2000158931A JP 2000158931 A JP2000158931 A JP 2000158931A JP 10337933 A JP10337933 A JP 10337933A JP 33793398 A JP33793398 A JP 33793398A JP 2000158931 A JP2000158931 A JP 2000158931A
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foot
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hot air
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JP10337933A
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Tomonao Yoshida
智尚 吉田
Koji Yamashita
浩二 山下
Hiroaki Shiraishi
浩明 白石
Makoto Umebayashi
梅林  誠
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後席側を優先的に暖房したい際に、後席側に
前席側よりも高温の温風を供給可能な車両用空調装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 両フット開口部29、33を同時に開口
する吹出モードにおいて、前席側より後席側を優先的に
暖房するモードが設定されたときには、温風バイパスド
ア22が開かれ、ヒータコア13を通過した温風が直接
第2の温風通路30に導かれるようにしたことを特徴と
している。前席側にはエアミックスドア17、18によ
って適温にされた温風が供給され、後席側にはヒータコ
ア13を通過した温風が直接第2の温風通路30を経て
供給される。これにより、前席側を適温に維持し、後席
側をさらに暖めることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前席側と後席側の
フット吹出口から異なる温度の温風を吹出可能な車両用
空調装置に関し、特に車室内空間の広い車両に好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】車両用空調装置の従来技術として、特願
平9−274679号公報に記載されたものがある。こ
の従来技術では、通常暖房状態時には、エアミックスド
アの開度を適切に調整することにより、暖房用熱交換器
を通過した空気と暖房用熱交換器をバイパスした空気と
が冷温風混合空間で混合された後に、吹出口から温風が
供給される。一方、最大暖房状態が設定されたときに
は、エアミックスドアを閉じて温風温度を高めるととも
に、冷温風混合空間をバイパスさせるドアを開いて、前
席及び後席フット吹出口に直接温風を供給することで、
空気通路の通風抵抗を低減し、温風風量の減少を防いで
暖房効率を高めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、エ
アミックスドアと温風バイパスドアとは独立に設けた駆
動機構により駆動されている。しかし、温風バイパスド
アの開閉は、最大暖房状態にあるか否かの判断のみに基
づいて行われているため、エアミックスドアと温風バイ
パスドアの開閉は実際上連動している。従って前席側と
後席側とに供給される温風の温度は同じである。
【0004】ところで、RV(レクレーショナルビーク
ル)車等の車室空間が広い車両においては、前席側に比
べて、後席側は暖まりにくいという潜在的問題がある。
すなわち、前席側は適温に暖房されているが、後席側は
さらに暖めたいという状態になることがある。しかし、
上記従来技術においては、前席側と後席側とに供給され
る温風の温度は同じであるため、後席側のみをさらに暖
めることはできない。
【0005】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、後席側を優先的に暖房したい際に、後席側に前席
側よりも高温の温風を供給可能な車両用空調装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、両フット開口部(2
9、33)を同時に開口する吹出モードにおいて、前席
側より後席側を優先的に暖房するモードが設定されたと
きには、温風バイパスドア(22)が開かれ、暖房用熱
交換器(13)を通過した温風が直接第2の温風通路
(30)に導かれるようにしたことを特徴としている。
【0007】これによると、両フット開口部(29、3
3)を同時に開口する吹出モードにおいて、前席側より
後席側を優先的に暖房するモードが設定されたときに
は、最大暖房状態にないときでも、温風バイパスドア
(22)が開かれる。そして、前席側には温度調整手段
(17、18)によって適温にされた温風が供給され、
後席側には暖房用熱交換器(13)を通過した温風が直
接第2の温風通路(30)を経て供給される。これによ
り、前席側を適温に維持し、後席側をさらに暖めること
が可能となる。また、後席側は、暖房用熱交換器(1
3)を通過した温風が直接後席用フット開口部(33)
に供給されるので、空気通路の通風抵抗を低減し、温風
風量の低減を防いで暖房効率を高めることができる。
【0008】請求項2に記載の発明では、車両窓ガラス
内面に向けて風を吹き出すデフロスタ吹出口に接続され
るデフロスタ開口部(25)をさらに備え、両フット開
口部(29、33)とデフロスタ開口部(25)の両方
を同時に開口する吹出モードにおいて、空調空気の通路
を、内気が流れる第1空気通路(8)と外気が流れる第
2空気通路(9)とに区画形成して、第1空気通路
(8)を両フット開口部(29、33)に連通させると
ともに、第2空気通路(9)をデフロスタ開口部(2
5)に連通させる2層流モード設定時には、温風バイパ
スドア(22)が、入口部(21)を開放するととも
に、第1空気通路(8)と第2空気通路(9)とを区画
形成することを特徴としている。
【0009】温風バイパスドア(22)が入口部(2
1)の開閉とともに、第1空気通路(8)と第2空気通
路(9)との区画も行っているので構造が簡単にするこ
とができる。なお、請求項3に記載の発明のように、後
席側を優先的に暖房するモードの設定は、車両に設けら
れたスイッチ(52)を手動で切り替えることにより行
うことができる。
【0010】なお、上記した括弧内の符号は、後述する
実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1〜2は本発明の第1実施形態を示
すものであり、本第1実施形態は、RV車等のように、
室内空間の広い車両における空調装置に適用されるもの
である。
【0012】図1は本第1実施形態における空調装置通
風系の全体構成を示す概要図で、図2はその中の空調ユ
ニット部の縦断面図である。図1において、空調装置通
風系は、大別して、送風機ユニット1と空調ユニット1
00の2つの部分に分かれている。最初に、送風機ユニ
ット1部を説明すると、送風機ユニット1部は車室内の
計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセット
して配置されており、そして、送風機ユニット1には内
気(車室内空気)を導入する第1、第2内気導入口2、
2aと、外気(車室外空気)を導入する外気導入口3が
備えられている。これらの導入口2、2a、3はそれぞ
れ第1、第2の内外気切替ドア4、5によって開閉可能
になっている。
【0013】この両内外気切替ドア4、5は、それぞれ
回転軸4a、5aを中心として回動操作されるものであ
って、図示しないリンク機構およびサーボモータのよう
なアクチュエータによって、空調装置の内外気導入モー
ド制御信号に応じて連動操作される。そして、上記導入
口2、2a、3からの導入空気を送風する第1(内気
側)ファン6および第2(外気側)ファン7が、送風機
ユニット1内に配置されている。この両ファン6、7は
周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)からなるもの
であって、図示しない1つの共通の電動モータにて同時
に回転駆動される。
【0014】図1は後述する2層流モードの状態を示し
ており、第1内外気切替ドア4は第1内気導入口2を開
放して外気導入口3からの外気通路3aを閉塞している
ので、第1(内気側)ファン6の吸入口6aに内気が吸
入され、一方、第2内外気切替ドア5は第2内気導入口
2aを閉塞して外気導入口3からの外気通路3bを開放
しているので、第2(外気側)ファン7の吸入口7aに
外気が吸入される。
【0015】従って、この状態では、第1ファン6は、
内気導入口2からの内気を第1(内気側)通路8に送風
し、第2ファン7は、外気導入口3からの外気を第2
(外気側)通路9に送風するようになっており、第1、
第2通路8、9は、第1ファン4と第2ファン5との間
に配置された仕切り板10により仕切られている。この
仕切り板10は、両ファン6、7を収納する樹脂製のス
クロールケーシング10aに一体成形できる。
【0016】また、本実施形態では、2層流モードにお
いて、暖房能力の向上と窓ガラスの防曇性の確保とを両
立させるために、2層流モード時に第1ファン6の送風
する内気量よりも第2ファン7の送風する外気量の方が
大きくなるように設定してある。すなわち、2層流モー
ド時における、第1通路8側の通風抵抗(圧損)と第2
通路9側の通風抵抗(圧損)とを考慮して、第1ファン
6の送風する内気量よりも第2ファン7の送風する外気
量の方が大きくなるように、第1ファン6の送風能力お
よび第2ファン7の送風能力が設定されている。
【0017】具体的は、第1通路8側の通路断面積より
も第2通路9側を大きくして、第1通路8側に比して第
2通路9側の通風抵抗(圧損)を小さくしたり、あるい
はファン単体の状態における送風能力を第1ファン6よ
りも第2ファン7を大きくしたり、この通風抵抗と送風
能力の大小関係を両方組み合わせて、2層流モード時に
内気量よりも外気量の割合の方を大きくする。
【0018】本発明者らの実験検討によると、2層流モ
ード時における内気量と外気量の割合は具体的には、
4.5対5.5程度が上記暖房能力と窓ガラス防曇性の
両立のために好ましい。次に、空調ユニット100部は
1つの空調ケース11内に蒸発器(冷房用熱交換器)1
2とヒータコア(暖房用熱交換器)13とを両方とも一
体的に内蔵するタイプのものである。以下、空調ユニッ
ト100部の具体的構造を図2により詳述する。
【0019】空調ケース11はポリプロピレンのよう
な、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成
形品からなり、図2の上下方向(車両上下方向)に分割
面を有する左右2分割のケースからなる。この左右2分
割のケースは、上記熱交換器12、13、後述するドア
等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の
締結手段により一体に結合されて、空調ケース11を構
成する。
【0020】空調ユニット100部は、車室内の計器盤
下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されるも
のであり、そして、空調ケース11の、最も車両前方側
の部位には、空気流入口14が配設されており、この空
気流入口14には、送風機ユニット1から送風される空
調空気が流入する。この空気流入口14は助手席前方の
部位に配置される送風機ユニット1の空気出口部に接続
するために、空調ケース11のうち、助手席側の側面に
開口している。
【0021】空調ケース11内において、空気流入口1
4直後の部位に蒸発器12が第1、第2空気通路8、9
の全域を横切るように配置されている。この蒸発器12
は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空
気から吸熱して、空調空気を冷却するものである。ここ
で、蒸発器12は図2に示すように、車両前後方向には
薄型で、車両上下方向に長手方向が向く形態で空調ケー
ス11内に設置されている。
【0022】また、空気流入口14から蒸発器12に至
る空気通路は、仕切り板15により車両下方側の第1空
気通路8と車両上方側の第2空気通路9とに仕切られて
いる。この仕切り板15は空調ケース11に樹脂にて一
体成形され、水平方向に延びる固定仕切り部材である。
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)
に、所定の間隔を開けてヒータコア13が隣接配置され
ている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した
冷風を再加熱するものであって、その内部に高温のエン
ジン冷却水(温水)が流れ、この冷却水を熱源として空
気を加熱するものである。このヒータコア13も蒸発器
12と同様に、車両前後方向には薄型で、車両上下方向
に長手方向が向く形態で空調ケース11内に設置されて
いる。但し、ヒータコア13は垂直より若干の角度だけ
車両前方側へ傾斜して配置されている。
【0023】また、空調ケース11内で、ヒータコア1
3の上方部位には、このヒータコア13をバイパスして
空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路16が形成され
ている。空調ケース11内で、ヒータコア13と蒸発器
12との間には、ヒータコア13で加熱される温風とヒ
ータコア13をバイパスする冷風(すなわち、冷風バイ
パス通路16を流れる冷風)との風量割合を調整する平
板状の主エアミックスドア17、および補助エアミック
スドア18が配置されている。ここで、この両エアミッ
クスドア17、18は、それぞれ水平方向に配置された
回転軸17a、18aと一体に結合されており、この回
転軸17a、18aとともに車両上下方向に回動可能に
なっている。
【0024】回転軸17a、18aは、空調ケース11
に回転自在に支持され、かつ回転軸17a、18aの一
端部は空調ケース11の外部に突出して、図示しないリ
ンク機構に結合されている。両エアミックスドア17、
18は、このリンク機構およびサーボモータのようなア
クチュエータを介して、空調装置の吹出空気温度制御信
号に応じて、連動操作されるようになっている。
【0025】主エアミックスドア17の回転軸17aは
補助エアミックスドア18の回転軸18aよりも所定間
隔をあけて上方側に配置され、主、補助の両エアミック
スドア17、18は、互い干渉しないようにして任意の
回動位置に操作可能になっており、最大冷房時には、両
エアミックスドア17、18は図2の2点鎖線に示すよ
うに互いにラップした位置に回動操作されて、両エアミ
ックスドア17、18が空調ケース11側の突出リブに
圧着し、ヒータコア13への空気流入路を全閉する。
【0026】一方、最大暖房時には、両エアミックスド
ア17、18は図2の実線位置に回動操作されて、主エ
アミックスドア17が冷風バイパス通路16の入口穴1
6aを全閉すると同時に、補助エアミックスドア18の
先端部が蒸発器12直後の位置で、かつ仕切り板15の
延長線A近傍に位置することにより、補助エアミックス
ドア18は、蒸発器12とヒータコア13との間の空気
通路を第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成す
る可動仕切り部材として作用する。
【0027】特に、本例では、補助エアミックスドア1
8の先端部が仕切り板15の延長線Aよりも第2空気通
路9側に所定量シフトするように設定してある。なお、
蒸発器12は周知の積層型のものであって、アルミニュ
ウム等の金属薄板を2枚張り合わせて構成した偏平チュ
ーブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一
体ろう付けしたものである。蒸発器12内部はコルゲー
トフィンのフィン面または偏平チューブの偏平面によっ
て前記延長線A上で空気通路を仕切ることができ、これ
により蒸発器12内部でも第1空気通路8と前記第2空
気通路9とを区画形成することができる。
【0028】そして、空調ケース11内において、ヒー
タコア13の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒ
ータコア13との間に所定間隔を開けて上下方向に延び
る仕切り壁19が空調ケース11に一体成形されてお
り、この仕切り壁19によりヒータコア13の直後から
上方に向かう第1温風通路19aが形成されている。こ
の第1温風通路19aの下流側(上方側)はヒータコア
13の上方部において冷風バイパス通路16と合流し、
冷風と温風の混合を行う冷温風混合空間20を形成して
いる。
【0029】また、仕切り壁19の下端部には、ヒータ
コア13の空気下流側の面と対向するようにして、温風
バイパス入口部21が開口しており、この温風バイパス
入口部21は温風バイパスドア22により開閉される。
この温風バイパスドア22は温風バイパス入口部21の
上端部に回動自在に配置された回転軸23に連結され、
この回転軸23と一体に図2の実線位置と2点鎖線位置
との間で回動操作される。本例では、温風バイパスドア
22は、図示しないリンク機構およびサーボモータのよ
うなアクチュエータを介して、空調装置の吹出空気温度
制御信号および吹出モード制御信号等に応じて操作され
るようになっている。
【0030】この温風バイパスドア22は、後述のフッ
ト吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードにおい
て、最大暖房状態が設定されたとき(2層流モード)に
は、図2の実線位置(ヒータコア13の仕切り線B近傍
位置)に操作されてヒータコア13直後の第1温風通路
19aを第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成
する可動仕切り部材として作用する。2層流モードにお
ける温風バイパスドア22の停止位置は、補助エアミッ
クスドア18と同様に、ドア22の先端部が仕切り線B
よりも第2空気通路9側に所定量シフトするように設定
してある。
【0031】なお、ヒータコア13は周知のものであっ
て、アルミニュウム等の金属薄板を断面偏平状に成形し
てなる偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数
積層配置し、一体ろう付けしたものである。ヒータコア
13内部はコルゲートフィンのフィン面または偏平チュ
ーブの偏平面によって仕切り線B上で空気通路を仕切る
ことができ、これにより、ヒータコア13内部でも第1
空気通路8と前記第2空気通路9とを区画形成すること
ができる。
【0032】また、ヒータコア13の空気上流側には、
その仕切り線Bと補助エアミックスドア18の回転軸1
7aとの間を仕切る固定仕切り板24が空調ケース11
に一体成形されている。空調ケース11の上面部におい
て、車両前方側の部位にはデフロスタ開口部25が開口
している。このデフロスタ開口部25は冷温風混合空間
20から温度制御された空調空気が流入するものであっ
て、図示しないデフロスタダクトおよびデフロスタ吹出
口を介して、車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出す。
デフロスタ開口部25に至る通路に設けられた入口穴2
5aはデフロスタドア26により開閉される。このデフ
ロスタドア26は回転軸27により回動自在になってい
る。
【0033】空調ケース11の上面部において、デフロ
スタ開口部25よりも車両後方側(乗員寄り)の部位に
はフェイス開口部28が開口している。このフェイス開
口部28も冷温風混合空間20から温度制御された空調
空気が連通路36を通って流入するものであって、図示
しないフェイスダクトを介して計器盤上方部のフェイス
吹出口より乗員頭部に向けて風を吹き出す。
【0034】また、空調ケース11のうち、車両後方側
の側面の上部側には、前席用フット開口部29が開口し
ている。この前席用フット開口部29は冷温風混合空間
20から温度制御された空調空気が連通路36を通って
流入するとともに、最大暖房時には、温風バイパス入口
部21の開口により、このバイパス入口部21からの温
風が第2温風通路30を通して流入するようになってい
る。そして、前席用フット開口部29は図示しない前席
用フットダクトを介して前席用フット吹出口から前席側
の乗員足元に温風を吹き出す。
【0035】前席用フット開口部29の入口穴29a
と、フェイス開口部28との間に、フット・フェイス切
替用ドア31が回転軸32により回動自在に設置され、
このドア31により前席用フット開口部29の入口穴2
9aとフェイス開口部28が切替開閉される。また、空
調ケース11のうち、車両後方側(乗員寄り)の側面の
下部側には、後席用フット開口部33が温風バイパス入
口部21の直後に対向するように開口している。この後
席用フット開口部33は、温風バイパス入口部21を経
由した温風を、図示しない後席用フットダクトを介して
後席用フット吹出口から後席側の乗員足元に温風を吹き
出す。
【0036】また、温風バイパス入口部21の下端部に
は、温風を第2温風通路30側に向くように案内する温
風ガイド板34が設けられている。本実施形態では、フ
ット吹出モードにおける2層流モード時には、ヒータコ
ア13の空気下流側では、温風バイパスドア22が実線
位置に操作されて、第1、第2空気通路8、9を仕切る
が、デフロスタドア26が連通路36を開放することに
より、この連通路36を介して第1、第2空気通路8、
9が前席用フット開口部29近傍位置にて連通するよう
にしてある。
【0037】デフロスタドア26とフット・フェイス切
替用ドア31は、吹出モード切替用のドア手段であっ
て、図示しないリンク機構に連結されて、サーボモータ
のようなアクチュエータにより、空調装置の吹出モード
制御信号に応じて、連動操作されるようになっている。
なお、上述した各ドア4、5、17、18、22、2
6、31は、いずれも単体の状態では同一構造であり、
各回転軸4a、5a、17a、18a、23、27、3
2と一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有
し、この基板の表裏両面にウレタンフォームのような弾
性シール材を貼着した構造である。
【0038】また、本実施形態では、フット・フェイス
切替用ドア31によりフット用ドア手段を構成してい
る。次に、上記構成において本第1実施形態の作動を説
明すると、車両用空調装置は、周知のように、空調操作
パネルに設けられた各種操作部材からの操作信号および
空調制御用の各種センサからのセンサ信号が入力される
電子制御装置(図示せず)を備えており、この制御装置
の出力信号により各ドア4、5、17、18、22、2
6、31の位置が制御される。
【0039】図3は、フット吹出モードにおいて、最大
暖房状態が設定されて、2層流モードが設定された状態
を示しており、図1、2も同じ状態を示している。この
状態では、送風機ユニット1において、第1内気導入口
2が第1(内気側)ファン6の吸入口6aに連通し、ま
た、外気導入口3が第2(外気側)ファン7の吸入口7
aに連通する。従って、この状態では、第1ファン6
は、内気導入口2からの内気を第1(内気側)通路8に
送風し、第2ファン7は、外気導入口3からの外気を第
2(外気側)通路9に送風する。
【0040】また、空調ユニット100においては、両
エアミックスドア17、18は図示の実線位置に回動操
作されて、主エアミックスドア17が冷風バイパス通路
16の入口穴16aを全閉すると同時に、補助エアミッ
クスドア18の先端部が蒸発器12直後の位置で、かつ
仕切り板15の延長線Aよりも第2空気通路9側に所定
量シフトするように設定してある。これにより、補助エ
アミックスドア18は、蒸発器12とヒータコア13と
の間の空気通路を第1空気通路8と第2空気通路9とに
区画形成する可動仕切り部材として作用する。
【0041】また、温風バイパスドア22は、図示の実
線位置に操作されてヒータコア13直後の第1温風通路
19aを第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成
する可動仕切り部材として作用するとともに、温風バイ
パス入口部21を開放する。また、デフロスタドア26
は連通路36とデフロスタ開口部25の入口穴25aと
の中間位置に操作されて、この両者25a、36をとも
に開口している。フット・フェイス切替用ドア31はフ
ェイス開口部28を閉塞し、前席用フット開口部29を
開口している。
【0042】従って、ファン6、7を作動させることよ
り、内気導入口2からの内気と外気導入口3からの外気
は、仕切り部材10、15、18、22により仕切られ
て、第1空気通路8と第2空気通路9とをそれぞれ区分
されたまま流れる。この内気と外気はすべてヒータコア
13を通過し、最大限加熱される。内気はヒータコア1
3で加熱された後に、温風バイパス入口部21を通って
第2温風通路30を経由して、前席用、後席用フット開
口部29、33に至る。これに対して、外気はヒータコ
ア13で加熱された後に、温風バイパスドア22上方側
の第1温風通路19aを経て、冷温風混合空間20に至
り、さらに、ここから外気は2つの流れに分岐して、そ
の一方の外気はデフロスタ開口部25に流入し、残余の
外気は連通路36を通って前席用フット開口部29に流
入する。
【0043】以上の結果、デフロスタ開口部25には低
湿度の外気を加熱した温風が流れて、窓ガラス内面にこ
の低湿度の温風が吹き出すので、窓ガラスの防曇性を良
好に確保できる。しかも、前席用、後席用フット開口部
29、33には主に内気を加熱した温度の高い温風を吹
き出して、暖房効果を向上させることができる。図2に
おいて、矢印Cは内気の流れを示し、矢印Dは外気の流
れを示している。
【0044】このとき、デフロスタ開口部25への吹出
風量と、フット開口部29、33への吹出風量の割合
は、デフロスタドア26の中間位置への操作により、第
2空気通路9側の外気を前席用フット開口部29側へ流
入させることにより、フット開口部29、33への吹出
風量を80%程度、デフロスタ開口部25への吹出風量
を20%程度に設定できる。
【0045】さらに、上記2層流モードにおいて注目す
べきことは、第1空気通路8と第2空気通路9とをヒー
タコア13下流側にて連通させる連通路36を形成して
いるにもかかわらず、デフロスタ開口部25側への内気
混入を効果的に防止している点である。すなわち、前述
したように、2層流モード時に内気量よりも外気量の割
合を大きくしていること(具体的には、4.5対5.5
程度の割合に設定)、さらには冷温風混合空間20の位
置まで到達した外気の動圧が連通路36の方向に向くよ
うにデフロスタドア26により外気を案内しているとと
もに、デフロスタ開口部25側の空気通路の通風抵抗に
比して、前席用、後席用フット開口部29、33側の通
風抵抗が十分小さいため、前席用フット開口部29の部
位まて到達した内気の動圧が前席用フット開口部29へ
抜けることにより低下してしまい、内気が連通路36を
逆流してデフロスタ開口部25側の外気中に混入するこ
とはない。
【0046】また、2層流モード時には、温風バイパス
ドア22の先端部をヒータコア13内部の仕切り線Bよ
りも第2空気通路9の領域(外気層領域)に所定量だけ
シフトするように、温風バイパスドア22の停止位置を
設定している。これにより、温風バイパスドア22の先
端部における隙間に、第2空気通路9の外気の動圧が作
用して、この隙間に外気が流入しようとする。従って、
この隙間を通して第1空気通路8の内気が外気層領域に
洩れるのを良好に抑制できる。
【0047】次に、フット吹出モードにおいて、両エア
ミックスドア17、18を最大暖房状態から吹出空気温
度の制御のために中間開度位置に操作すると、空調ユニ
ット100は図4の通常モードの状態となる。この通常
モード状態では、両エアミックスドア17、18が中間
開度位置に操作されて、主エアミックスドア17が冷風
バイパス通路16を開放するので、この冷風バイパス通
路16を通って冷風がヒータコア13をバイパスして直
接、冷温風混合空間20に至る。
【0048】この両エアミックスドア17、18の操作
に連動して、温風バイパスドア22が図4の実線位置に
操作されて温風バイパス入口部21を閉塞するととも
に、ヒータコア13直後の第1温風通路19aに対する
仕切り作用を消滅する。従って、ヒータコア13を通過
して加熱された温風はすべて第1温風通路19aを上昇
した後に冷温風混合空間20にて冷風バイパス通路16
からの冷風と混合して所望の温度となる。この温風は、
その大部分は連通路36を通って前席用、後席用フット
開口部29、33側に至り、乗員足元に吹き出す。
【0049】また、冷温風混合空間20の温風の残余は
デフロスタ開口部25側に至り、窓ガラス内面に吹き出
す。図4に示す温度制御域におけるフット吹出モードで
は、最大暖房能力を必要としていないため、内外気導入
モードは、通常、第1、第2の内気導入口2、2aをと
もに閉塞し、外気導入口3のみを開放する全外気モード
に設定する。しかし、乗員の手動操作よる設定にて、外
気導入口3を閉塞して、第1、第2の内気導入口2、2
aをともに開放する全内気モードとしたり、前述のよう
に内気と外気とを同時に導入する内外気混入モードとす
ることもできる。
【0050】また、この温度制御域におけるフット吹出
モードでは、温風バイパス入口部21の閉塞により前席
用、後席用フット開口部29、33側への吹出風量が減
少しようとするので、デフロスタドア26の位置を図4
のモードでは図3よりも連通路36の開口面積が大とな
る位置に変更して、上記吹出風量の減少を防止するよう
にしている。
【0051】次に、図5は前席用、後席用フット開口部
29、33からの吹出風量と、デフロスタ開口部25か
らの吹出風量とを略同等とするフットデフロスタ吹出モ
ードにおいて、最大暖房状態が設定されて、2層流モー
ドが設定された状態を示している。このフットデフロス
タ吹出モードにおける2層流モード時は、前述の図3と
の比較から理解されるように、デフロスタドア26の位
置が連通路36を閉塞する位置に操作される。
【0052】これにより、連通路36から前席用フット
開口部29側へ流入する空気流れがなくなるので、前席
用、後席用フット開口部29、33からの吹出風量と、
デフロスタ開口部25からの吹出風量とを略同等にする
ことが可能となる。他の点はフット吹出モードにおける
2層流モードと同じである。なお、空調ユニット100
における各部の通風抵抗は製品ごとに変化するので、フ
ットデフロスタ吹出モードにおける2層流モード時に、
デフロスタドア26を連通路36が若干量開放される位
置に操作してもよいことはもちろんである。このように
すると、2層流モードではフット吹出モードだけでな
く、フットデフロスタ吹出モードでも、前席用フット開
口部29に連通路36を通って第2空気通路9側から外
気が流入するようになる。
【0053】次に、図6はフットデフロスタ吹出モード
において、両エアミックスドア17、18を最大暖房状
態から吹出空気温度の制御のために中間開度位置に操作
した、通常モード状態を示す。この通常モード状態で
は、両エアミックスドア17、18の操作に連動して、
温風バイパスドア22が図6の実線位置に操作されて温
風バイパス入口部21を閉塞する。そこで、前席用、後
席用フット開口部29、33側への空気流れ通路を確保
するために、デフロスタドア26を図6に示す中間位置
に操作して、フット開口部29、33側への吹出風量
と、デフロスタ開口部25側への吹出風量とを略同等に
する、という風量割合を維持する。
【0054】図7はフェイス吹出モードの状態を示して
おり、ドア22、26、31がそれぞれ実線位置に操作
されてフェイス開口部28への空気通路のみを開放して
いる。両エアミックスドア17、18はヒータコア13
への空気流入路を全閉する最大冷房状態を示している。
従って、蒸発器12で冷却された冷風はすべてバイパス
通路16を通過して、フェイス開口部28側へ吹き出
す。
【0055】そして、両エアミックスドア17、18を
最大冷房状態から最大暖房側へ回動操作することによ
り、フェイス吹出モードにおける吹出空気温度を任意に
調整できる。図8はバイレベル吹出モードの状態を示し
ており、上記フェイス吹出モードに対して、フットフェ
イス切替用ドア32を中間位置に操作して、フェイス開
口部28側への空気通路とフット開口部29、33側へ
の空気通路を同時に開放する。これにより、冷風バイパ
ス通路16からの冷風が主にフェイス開口部28側へ流
れ、第1温風通路19aからの温風が主にフット開口部
29、33側へ流れるので、フェイス開口部28側の吹
出温度がフット開口部29、33側の吹出温度より低く
なり、頭寒足熱の吹出温度分布が得られる。
【0056】図9はデフロスタ吹出モードの状態を示し
ており、ドア22、26、31がそれぞれ実線位置に操
作されてデフロスタ開口部25への空気通路のみを開放
している。両エアミックスドア17、18は冷風バイパ
ス通路16を全閉する最大暖房状態を示しているが、両
エアミックスドア17、18を最大暖房状態から最大冷
房側へ回動操作することにより、デフロスタ吹出モード
における吹出空気温度を任意に調整できる。
【0057】デフロスタ吹出モードでは、温風バイパス
ドア22が温風バイパス入口部21を閉塞する位置に操
作されて、温風が第2温風通路30側へ流出するのを防
止する。図10は、フット吹出モードにおいて、両エア
ミックスドア17、18を最大暖房状態から吹出空気温
度の制御のために中間開度位置に操作した通常モード状
態で、かつ、空調パネルに設けられた後席優先スイッチ
をオンに設定した状態を示している。後席優先スイッチ
は、前席付近に比べて後席付近の温度が低く、後席付近
を優先的に暖めたい時に設定される。
【0058】この後席優先、通常、フット吹出モードで
は、温風バイパスドア22は図10の位置に実線位置に
操作されて温風バイパス入口部21を開放する。そし
て、温風バイパスドア22は、ヒータコア13直後の空
間を、温風バイパス入口部21を通って第2温風通路3
0に至る経路と、温風バイパスドア22上方側の第1通
路を経て冷温風混合空間20に至る経路とに区画形成す
る。
【0059】従って、ヒータコア13を通過して加熱さ
れた温風の一部は、第1温風通路19aを上昇した後に
冷温風混合空間20にて冷風バイパス通路16からの冷
風と混合して所望の温度となる。この温風は、その大部
分は連通路36を通って前席用フット開口部29側に至
り、前席乗員足元に吹き出す。また、冷温風混合空間2
0の温風の残余はデフロスタ開口部25側に至り、窓ガ
ラス内面に吹き出す。
【0060】一方、ヒータコア13を通過して加熱され
た温風の残部は、温風バイパス入口部21を通り、その
大部分は後席用フット開口部33に至り、後席乗員足元
に吹き出す。図10に示す温度制御域におけるフット吹
出モードでは、最大暖房能力を必要としていないため、
内外気導入モードは、通常、第1、第2の内気導入口
2、2aをともに閉塞し、外気導入口3のみを開放する
全外気モードに設定する。しかし、乗員の手動操作よる
設定にて、外気導入口3を閉塞して、第1、第2の内気
導入口2、2aをともに開放する全内気モードとした
り、前述のように内気と外気とを同時に導入する内外気
混入モードとすることもできる。
【0061】図11は、フットデフロスタにおいて、両
エアミックスドア17、18を最大暖房状態から吹出空
気温度の制御のために中間開度位置に操作した通常モー
ド状態で、かつ、空調操作パネルに設けられた後席優先
スイッチをオンに設定した状態を示している。この後席
優先、通常、フットデフロスタ吹出モードでは、温風バ
イパスドア22は図11の位置に実線位置に操作されて
温風バイパス入口部21を開放する。そして、温風バイ
パスドア22は、ヒータコア13直後の空間を、温風バ
イパス入口部21を通って第2温風通路30に至る経路
と、温風バイパスドア22上方側の第1通路を経て冷温
風混合空間20にに至る経路とに区画形成する。
【0062】また、デフロスタドア26を図11に示す
実線位置に操作する。そして、前席用フット開口部29
側とデフロスタ開口部25側とに、所望の温度に混合さ
れた温風の空気流れ通路を確保する。従って、ヒータコ
ア13を通過して加熱された温風の一部は、第1温風通
路19aを上昇した後に冷温風混合空間20にて冷風バ
イパス通路16からの冷風と混合して所望の温度とな
る。この温風は、前席用フット開口部29を経て前席乗
員足元に吹き出すとともに、デフロスタ開口部25を経
て車両窓ガラス内面に吹き出す。
【0063】一方、ヒータコア13を通過して加熱され
た温風の残部は、温風バイパス入口部21を通り、その
大部分が後席用フット開口部33に至り、後席乗員足元
に吹き出す。なお、上記第1実施形態では、温風バイパ
スドア22は、エアミックスドア17、18の駆動機構
(リンク機構および駆動用サーボモータ)とは独立に設
けた駆動機構により駆動されている。
【0064】図12は第1実施形態における電気制御の
概要を示すシステム図であり、空調用電子制御装置50
はマイクロコンピュータ等から構成されるものであっ
て、周知のセンサ群51からの各種センサ信号および図
示しない空調操作パネルに設けられた操作部材群52か
らの各種操作信号が入力される。空調用電子制御装置5
0によって制御される空調用の各種機器のうち、53は
第1内外気切替ドア4および第2内外気切替ドア5をリ
ンク機構を介して駆動するサーボモータ、54は主エア
ミックスドア17および補助エアミックスドア18を連
動して駆動するサーボモータ、55は温風バイパスドア
22を駆動するサーボモータ、63はデフロスタドア2
6、フェイスドア31、およびフットドア310を連動
して駆動するサーボモータである。
【0065】空調用電子制御装置50は予め設定されR
OMに記憶されているプログラムに基づいて、各入力信
号に対する演算処理を行って、空調用の各種機器(上述
したドア等)の作動を制御するもので、本第1実施形態
に関連する制御部分のみを抽出して説明すると、56は
車室内を設定温度に維持するために必要な目標吹出空気
温度TAOを算出する第1算出手段で、予めROMに記
憶された下記数式1に基づいて、車室内への目標吹出温
度TAOを算出する。
【0066】
【数1】TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts +C なお、Tset は空調操作パネルの温度設定用操作部材に
よる設定温度、Tr は内気温センサの検出する内気温、
Tamは外気温センサの検出する外気温、およびTs は日
射センサの検出する日射量である。また、Kset 、Kr
、Kam、およびKs はゲイン、Cは補正用の定数であ
る。
【0067】57は送風ファン用電動モータ42の制御
手段で、予めROMに記憶されたマップに基づいて、上
記TAOに対応するファンモータ電圧を決定して、モー
タ42に印加する。58はエアミックスドア17、18
の目標開度を決めるための温度制御演算値SWを算出す
る第2算出手段で、この温度制御演算値SWを、予めR
OMに記憶された下記数式2に基づいて算出する。
【0068】
【数2】 SW=〔(TAO−Te )/(Tw −Te )〕×100 (%) ここで、Tw は水温センサにより検出されるヒータコア
13への流入温水温度(水温)、Te は蒸発器吹出空気
温センサにより検出される、蒸発器12の吹出空気温度
である。
【0069】59は内外気切替ドア4、5駆動用のサー
ボモータ53の制御手段で、予めROMに記憶されたマ
ップに基づいて、上記温度制御演算値SWに対応してサ
ーボモータ53の通電を制御しモータ回転角を決定す
る。60はエアミックスドア17、18駆動用のサーボ
モータ54の制御手段で、予めROMに記憶されたマッ
プに基づいて、上記温度制御演算値SWに対応してサー
ボモータ54の通電を制御しモータ回転角を決定する。
【0070】62は吹出モードドア26、31駆動用の
サーボモータ55の制御手段で、予めROMに記憶され
たマップに基づいて、上記目標吹出空気温度TAOに対
応してサーボモータ63の通電を制御しモータ回転角を
決定する。61は温風バイパスドア22駆動用のサーボ
モータ55の制御手段で、予めROMに記憶されたマッ
プに基づいて、上記温度制御演算値SWに対応してサー
ボモータ55の通電を制御しモータ回転角を決定する。
【0071】この温風バイパスドア22の位置の決定
は、具体的には図13のフローチャートに示す制御ルー
チンにて行われる。すまわち、まず、ステップ100に
て、エアミックスドア17、18が最大暖房状態にある
か否かが上記目標開度SWに基づいて判断される。エア
ミックスドア17、18が最大暖房状態にあるときに
は、ステップ130に移行し、温風バイパスドア22が
開放される。一方、エアミックスドア17、18が最大
暖房状態にないときには、次のステップ110に移行す
る。
【0072】ステップ110では、上記吹出モードがフ
ット(FOOT)モードまたはフットデフロスタ(F/
D)モードのいずれか一方にあるか否かが判定される。
吹出モードがフット(FOOT)モードまたはフットデ
フロスタ(F/D)モードであるときには、ステップ1
20に移行する。そして、操作部材群52の後席優先ス
イッチがONに設定されているか否かが判定される。こ
こで、後席優先スイッチがONに設定されているときに
は、ステップ130に移行し、温風バイパスドア22が
開放される。
【0073】一方、ステップ110にて吹出モードがフ
ット(FOOT)モードまたはフットデフロスタ(F/
D)モードのいずれでもないと判定されたとき、または
ステップ120にて後席優先スイッチがONに設定され
ていないときには、ステップ140に移行し、温風バイ
パスドア22が閉塞される。以上のようにして、温風バ
イパスドア22の開閉位置が決定される。
【0074】本実施形態では、エアミックスドア17、
18が最大暖房状態にないときでも、空調操作パネルに
設けられた後席優先スイッチがONに設定され、吹出モ
ードがフット(FOOT)モードまたはフットデフロス
タ(F/D)モードのいずれか一方にあるときには、温
風バイパスドア22が開放される。即ち、温風バイパス
ドア22はエアミックスドア17、18の開閉に連動し
ているのではなく、独立に制御されている。
【0075】RV車等の室内空間の広い車両において
は、前席付近に比べて、後席付近は暖められにくい。前
席付近は適温にされているが、後席付近は温度が低く、
後席付近を優先的に暖める必要がある際には、乗員によ
り後席優先スイッチがONに設定される。そして、前席
側には冷温風混合空間20を経由し、適温にされた温風
が供給され、後席側にはヒータコア13を通過した温風
が直接温風バイパス入口21を経て供給される。これに
より、前席側を適温に維持し、後席側をさらに暖めるこ
とが可能となる。また、後席側は、ヒータコア13を通
過した温風が直接後席用フット開口部33に供給される
ので、空気通路の通風抵抗を低減し、温風風量の低減を
防いで暖房効率を高めている。
【0076】(第2実施形態)上記第1実施形態におい
ては、温風バイパスドア22は図13のフローチャート
に示す制御ルーチンにて開閉の制御を行い、後席側を優
先的に暖房した。第2実施形態においては、以下のよう
な構成を追加することにより、後席側の優先暖房の割合
の調整をすることができる。
【0077】第2実施形態では、空調操作パネルに後席
温度設定用調整部材が設けられている。他の構成は第1
実施形態と同一である。第2実施形態では、乗員によっ
て後席の優先暖房の割合が設定される。これにより、前
席と後席の温度差が大きいときには温風バイパスドア2
2の開度を大きくし、温度差が小さいときには温風バイ
パスドア22の開度を小さくするように制御する。
【0078】図14はフット吹出モードにおいて、両エ
アミックスドア17、18を最大暖房状態から吹出空気
温度の制御のために中間開度位置に操作した通常モード
状態で、かつ、空調パネルに設けられた後席優先スイッ
チをオンに設定し、後席温度設定用調整部材により優先
暖房の割合を設定した状態を示している。第2実施形態
の作動は、温風バイパスドア22以外は第1実施形態と
同一である。空調用電子制御装置50内では、後席温度
設定用調整部材からの信号及び予めROMに記憶されて
いるマップに基づいて、上記温度制御演算値SWに対応
してサーボモータ55の通電を制御しモータ回転角を決
定する。
【0079】温風バイパスドア22が中間開度位置にあ
るときには、ヒータコア13を通過後、直接後席用フッ
ト開口部33に供給される温風が制限され、冷温風混合
空間20を経由した温風も一部後席用フット開口部33
に供給される。そして、それらが混合されて温風を図示
しない後席用フットダクトを介して後席用フット吹出口
から後席側の乗員足元に温風を吹き出す。
【0080】第2実施形態では、温風バイパスドア22
を開度を乗員による後席温度設定用調整部材の操作によ
り調整が可能である。従って、前席側と後席側との温度
差に応じて、後席に供給する温風の温度の微調整が可能
となる。なお、上記第2実施形態では、フット吹出モー
ドの場合について説明したが、フットデフロスタ吹出モ
ードの場合についても、温風バイパスドア22の作動及
びその効果は同一である。
【0081】(他の実施形態)なお、上記した第1、第
2実施形態では、各ドア4、5、17、18、22、2
6、31の操作をリンク機構を介してサーボモータのよ
うなアクチュエータにより行う場合について説明した
が、空調操作パネルに設けられた内外気導入設定レバ
ー、温度制御レバー、吹出モードレバー等の手動操作部
材に加えられる手動操作力にて、上記各ドアを操作する
ようにしてもよい。
【0082】また、2層流モードを設定する最大暖房時
とは、エアミックスドア17、18が冷風のバイパスを
完全に防止する位置に操作されている場合に厳格に限定
されるものでなく、若干量の冷風のバイパスを許容する
エアミックスドア位置の場合をも含むものである。ま
た、上記第1、第2実施形態では、後席側を優先的に暖
房するモードへの変更は、空調パネルに設けられた後席
優先スイッチをオンに設定することにより行った。しか
し、後席優先モードへの切り替えは自動で行ってもよ
い。例えば、全席側と後席側とにそれぞれ温度センサを
設け、それらの温度差が所定値以上になると後席優先モ
ードに設定する等してもよい。
【0083】また、上記第1、第2実施形態では、空調
ユニット100内に蒸発器(冷房用熱交換器)12を配
設しているが、この冷房用熱交換器を持たないタイプの
空調装置にも同様に本発明を適用できることはもちろん
である。また、上記第1、第2実施形態では、ヒータコ
ア13による空調空気の加熱量を調整して空気温度を調
整する温度調整手段として、冷風と温風の風量割合を調
整するエアミックスドア17、18を使用しているが、
エアミックスドア17、18の代わりに、ヒータコア1
3に流入する温水の流量または温水の温度を調整する温
水弁を用いて、この温水弁の温水流量(または温水温
度)の調整作用により空気温度を調整するタイプの空調
装置にも同様に本発明を適用できる。
【0084】また、上記第1、第2実施形態では、空調
空気の通路を内気側の第1空気通路8と外気側の第2空
気通路9とに区画形成することにより、フット開口部2
9、33からは暖められた高温空気を再循環して吹き出
し、一方、デフロスタ開口部25からは低湿度の外気を
吹き出すようにした車両用空調装置に関して説明した。
しかし、本発明は上記タイプの空調装置に限定されるも
のではなく、内外気の空気通路を区画形成しないタイプ
のものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の通風系の全体構成図で
ある。
【図2】図1の空調ユニット部の断面図である。
【図3】同実施形態のフット吹出モードにおける2層流
モードの状態を示す断面図である。
【図4】同実施形態のフット吹出モードにおける通常モ
ードの状態を示す断面図である。
【図5】同実施形態のフットデフロスタ吹出モードにお
ける2層流モードの状態を示す断面図である。
【図6】同実施形態のフットデフロスタ吹出モードにお
ける通常モードの状態を示す断面図である。
【図7】同実施形態のフェイスモードの状態を示す断面
図である。
【図8】同実施形態のバイレベルモードの状態を示す断
面図である。
【図9】同実施形態のデフロスタ吹出モードの状態を示
す断面図である。
【図10】同実施形態の後席優先時のフット吹出モード
における通常モードの状態を示す断面図である。
【図11】同実施形態の後席優先時のフットデフロスタ
吹出モードにおける通常モードの状態を示す断面図であ
る。
【図12】同実施形態の電気制御のシステム図である。
【図13】同実施形態の温風バイパスドアの電気制御の
フローチャートである。
【図14】第2実施形態の後席優先時のフット吹出モー
ドにおける通常モードの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…送風機ユニット、2、2a…内気導入口、3…外気
導入口、4、5…第1、第2内外気切替ドア、6、7…
第1、第2ファン、8、9…第1、第2空気通路、11
…空調ケース、12…蒸発器、13…ヒータコア、16
…冷風バイパス通路、17…主エアミックスドア、18
…補助エアミックスドア、19a…第1温風通路、21
…温風バイパス入口部、22…温風バイパスドア、25
…デフロスタ開口部、26…デフロスタドア、28…フ
ェイス開口部、29…前席用フット開口部、30…第2
温風通路、31…フットフェイス切替用ドア、33…後
席用フット開口部、100…空調ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 浩明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 梅林 誠 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L011 CP03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調空気を加熱する暖房用熱交換器(1
    3)と、 この暖房用熱交換器(13)による空調空気の加熱量を
    調整して空気温度を調整する温度調整手段(17、1
    8)と、 車室内の前席乗員の足元に向けて風を吹き出す前席用フ
    ット開口部(29)と、 車室内の後席乗員の足元に向けて風を吹き出す後席用フ
    ット吹出口に接続される後席用フット開口部(33)
    と、 前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を前記両フ
    ット開口部(29、33)側に導く第1の温風通路(1
    9a)と、 前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を前記第1
    の温風通路(19a)をバイパスして前記後席用フット
    開口部(33)に直接導く第2の温風通路(30)と、 この第2の温風通路(30)の入口部(21)を開閉す
    る温風バイパスドア(22)とを備えた車両用空調装置
    であって、 前記両フット開口部(29、33)を同時に開口する吹
    出モードにおいて、前席側より後席側を優先的に暖房す
    るモードが設定されたときには、前記温風バイパスドア
    (22)が開かれ、前記暖房用熱交換器(13)を通過
    した温風が直接前記第2の温風通路(30)に導かれる
    ようにしたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出す
    デフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(2
    5)をさらに備え、 前記両フット開口部(29、33)と前記デフロスタ開
    口部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおい
    て、前記空調空気の通路を、内気が流れる第1空気通路
    (8)と外気が流れる第2空気通路(9)とに区画形成
    して、前記第1空気通路(8)を前記両フット開口部
    (29、33)に連通させるとともに、前記第2空気通
    路(9)を前記デフロスタ開口部(25)に連通させる
    2層流モードが設定可能であり、 前記2層流モード設定時には、前記温風バイパスドア
    (22)が、前記入口部(21)を開放するとともに、
    前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とを
    区画形成することを特徴とする請求項1に記載の車両用
    空調装置。
  3. 【請求項3】 前記後席側を優先的に暖房するモードの
    設定は、車両に設けられたスイッチ(52)を手動で切
    り替えることにより行うことを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003010019A1 (fr) * 2001-07-24 2003-02-06 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Climatiseur pour vehicule
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