JP3792812B2 - ボールエンドミルの真球度測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はボールエンドミルの真円度を測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金型加工において自動曲面を成形するには一般にボールエンドミルを使った加工方法が行われている。これは曲面加工においては切削点が加工面に対して法線上となるため通常の角エンドミルでは形状に沿った加工ができないからである。特に仕上げ加工となると理想とする曲面が成形されなければならないので精度のよいボールエンドミルが必要となる。図11(a)のように形状が真球からはずれているエンドミルTを用いてワークWの皿円弧を切削すると、図11(b)に示すように加工面は理想とする形状に仕上がらない。
【0003】
一般にボールエンドミルの真球度は工具メーカーから購入時の精度に依存し、実際に加工するときには工具ホルダや本機主軸の振れや刃先の摩耗などで精度劣化するので正確な真円精度を得ることが難しい。
通常、工具メーカーは投影機方式の工具顕微鏡を用いて工具を回転しながら目視で精度確認を行っていることが多く、刃先の研削誤差や測定のための取外し誤差に、更に目視による測定誤差が重なって一般品の保証精度は0.1mm、高精度工具で0.03mm程度であり、この工具が加工に使用されるときのトータルの誤差が加工面の誤差となってしまうことは容易に理解できよう。
ボールエンドミルによる加工は加工効率、工具剛性から工具径を50mm乃至3mm位まで加工形状に合わせて取り替えて加工するのが一般的で、仕上げの場合前の工具の加工目が残って部分的に凹形状が発生する不都合が生じる。
【0004】
このようにボールエンドミルによる高精度加工においてはボール(刃面)の真球精度が重要な条件であり、最近刃先の真球度を測定する工具検査装置が開発されている。
このものは特公平7−49955号公報で公知の工具検査装置で、図12に示すようにボールエンドミルTの基部を水平に保持し、回転可能に支持するようにワークヘッド101とボールエンドミルの切刃部の形状を計測する計測プローブ102とを有し、計測プローブ102が旋回可能かつ水平面内で前記旋回軸103を中心として水平方向に旋回可能かつ水平面内で前記旋回軸103に対して進退自在に移動可能として、ワークヘッド101を支持するボールエンドミルTを前記旋回軸103と直交するX軸周りに回転可能な構造したものである。
【0005】
そしてこの工具検査装置を用いてボールエンドミルを計測する方法は、前準備段階でボールエンドミルTの先端に計測プローブ102を接触させて旋回軸103中心から刃先先端までの距離を演算し、その後計測プローブ102の旋回角度位置と水平面を演算し、その後計測プローブ102の旋回角度位置を水平面内でX軸に直角に位置するように旋回させて、ボールの真の半径を測定し、これらの結果からボールエンドミルTの先端から真の半径だけ後退した位置に旋回軸心が位置するようにボールエンドミルをX軸方向に進退させて位置決めしたのち、計測プローブ102の先端までの距離を計測するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた投影機方式の工具検査顕微鏡や、特公平7−4955号の工具検査装置は、ともに検査のための取り付け誤差が存在するので本当の真円精度が得られないという問題を有しており、工具を使用する側から見れば主軸に装着された状態での真円度が重要であり、工具自体の精度に主軸や工具ホルダの振れが加算されたトータルの真円度を測定することができないことは大きな問題である。
【0007】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところはボールエンドミルの主軸装着時のトータルな誤差測定を行って、その結果から必要とする真円度許容値から外れたボールエンドミルを仕上げ加工の対象工具から外して加工を進める等の対策を講じることができる真円度測定方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のボールエンドミルの真円度測定方法は、請求項1は加工機の主軸に取り付けられたボールエンドミルをレーザ光軸が主軸軸線と直交するレーザ測定器により前記ボールエンドミルを回転させながら真球度を測定する方法であって、正確な外径寸法が判っている基準工具を主軸に取り付けレーザ光軸が主軸軸線を直角に横切る方向に前記レーザ測定器と基準工具とを相対移動させて前記基準工具の側面位置を測定し、測定した側面位置から前記基準工具の半径だけ内側に入った前記基準工具の回転中心を求め、前記基準工具に代えてボールエンドミルを主軸に取り付けて前記回転中心上のボールエンドミル先端位置を測定し、測定した先端位置からボールエンドミルの理想半径だけボールエンドミルの回転中心上内側へ入った刃面の中心を求め、前記刃面上の任意の複数の点をレーザ光軸に対する直交2軸方向移動で測定し、測定した刃面上の各点から前記刃面の中心までの刃面の法線方向でのそれぞれの実半径を求め、求めた実半径と前記理想半径との差からボールエンドミルの刃面の真球度を求めるものである。
【0009】
また、請求項2は、加工機の主軸に取り付けられたボールエンドミルをレーザ光軸が主軸軸線と直交するレーザ測定器により前記ボールエンドミルを回転させながら真球度を測定する方法であって、レーザ光軸が主軸軸線を直角に横切る方向に前記レーザ測定器とボールエンドミルとを相対移動させてボールエンドミルの回転中心を挟む両側面上の2点を測定し、測定した2点間の距離からその中心であるボールエンドミルの回転中心を求め、求めた回転中心上におけるボールエンドミルの先端位置を測定し、測定した先端位置から理想半径だけボールエンドミルの回転中心上内側に入った刃面の中心を求め、前記刃面上の任意の複数の点をレーザ光軸に対する直交2軸方向移動で測定し、測定した刃面上の各点から前記刃面の中心までの刃面の法線方向でのそれぞれの実半径を求め、求めた実半径と前記理想半径との差からボールエンドミルの刃面の真球度を求めるものである。
【0010】
また、請求項3は、刃面上の任意の複数の点の測定はボールエンドミルの刃面の法線方向に沿ってレーザ測定器とボールエンドミルとを相対移動させて行うものである。
【0011】
また、請求項4は求めたボールエンドミルの各法線方向の実半径を理想半径に重ね合わせてCRT表示し誤差の傾向を判りやすくしたものである。
【0012】
また、請求項5は測定精度に合わせてボールエンドミル1回転当たりのボールエンドミルとレーザ測定器の相対移動量を自動設定するものである。
【0013】
また、請求項6はレーザ測定器はボールエンドミルがレーザ光軸を遮ったとき又は遮られていたレーザ光が通るようになったときに現在値を測定する信号を出力するものである。
【0014】
上述のボールエンドミルの真球度測定方法によれば、請求項1及び2はボールエンドミルを加工機の主軸に装着して回転した状態、すなわち加工時にもっとも近い状態で先端の真球度を測定するので、工具交換の直後又は仕上げ加工の直前に測定を行い、必要とする真球度が許容値以内のボールエンドミルのみを使用することができるので、加工面を理想に近い形状に仕上げることが可能となり、加工後に人手間かけて加工面を修正する必要がなくなる。
【0015】
請求項3及び6は、レーザ光が遮られたとき又は通るようになったときセンサ信号を出力するレーザ測定機を加工機のテーブルの片隅又はクロスレールの端部等通常作業に支障のない位置に設置しておいて、NC軸移動でレーザ測定器側又はボールエンドミル側をボールの法線方向に移動させ、レーザ測定器のセンサ信号で実半径を測定するようにしたので、真円度測定を加工プログラム中に組入れて自動化することが可能になり、無人測定ができる。
【0016】
請求項4は、計測した各角度ごとの実半径を理想半径と重ね合わせてCRT表示するようにしたので、CRT画面上で誤差の傾向を知ることが可能になり、許容値から外れていてもまったく使用不可能か又は粗削り程度には使用可能かの判断が容易である。
【0017】
請求項5は、測定精度に合わせて回転数と送り速度との関係を自動設定することができるので、測定精度によって最も能率的な測定を選択することが可能とになり、加工機の稼働率低下を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は加工機である門形マシニングセンタのクロスレールに取着されたレーザ測定器と、主軸頭とを示す斜視図である。図1において、図示しないベッドの横脇に立設されたコラムにZ軸方向に移動位置決め可能にクロスレール1が設置されていて、クロスレール1は前面にY軸方向の案内面を有し、このY軸案内に沿って移動位置決め可能に主軸頭2が載架されている。主軸頭2には主軸ラム3がZ軸方向に移動位置決め可能に設けられていて、主軸ラム3に主軸4が複数個の軸受により回転可能に軸承されている。主軸4の先端テーパ穴にミーリングチャック5に把持された被測定工具であるボールエンドミルTが着脱可能に装着されている。
【0019】
クロスレール1下面のY軸移動端部近くにレーザ測定器6が取付台7を介してレーザ光軸がX軸方向を向くように固着されている。レーザ測定器6はレーザ発光部6aから出るレーザ光aが受光部6bの小窓を通って内部のダイオードに到達するのを監視し、工具がレーザ光aを直角に横切って通過する際の遮断された影が小窓の90%となったとき、センサ信号を出力するもので、ケーブル8は電源電圧の供給及びセンサ信号を図示しないNC装置に送る電線で、9は保護カバーである。
【0020】
レーザ測定器6は例えばBLUM社製のマシニングセンタ用Laser『MiNi』等市販のものを使用することができる。またマシニングセンタの図示しないNC装置はレーザ測定器6からのセンサ信号を受信すると、受信時の現在位置を読み取り、その場で軸移動を停止するようになっている。
【0021】
次に上述のように構成されている測定システムによるボールエンドミルTの真球度の測定方法を図10のフローチャートの順に図2乃至図9の説明図により説明する。
ステップS1において、予め正確な工具径Dが判っていて同心度のよい振れのない円筒形状の基準工具TSをマシニングセンタの主軸4に装着して回転させ、ステップS2において、Y軸方向移動で基準工具TSの側面がレーザ測定器6のレーザ光aを遮るように軸移動し、レーザ測定器6からセンサ信号が出たときの現在値を求め、この現在値から基準工具TSの半径分(D/2)だけ更に移動させた位置を主軸の回転中心位置とし、これをワーク座標系番号51での原点Y0として記憶する〔図2,図3〕。
【0022】
次いでステップS3において、主軸の回転を止めたのち被測定用のボールエンドミルTを基準工具TSに代えて主軸に装着し、ステップS4において、主軸4を回転数Srpmで回転する。ステップS5において、主軸4をワーク座標番号51での原点Y0(主軸中心位置)で、Z軸上限位置(プラス極限位置)に位置決めしたあと、ステップS6においてZ軸方向下側へ軸移動してボールエンドミルTの先端がレーザ光aを遮り、センサ信号が出たときのZ軸現在値を記憶する。次いでステップS7においてこの記憶した現在値をワーク座標番号H52での原点O(Y=0,Z=0)とする。
【0023】
尚、原点Oはレーザ光点(レーザ光aの軸心点)をY=0,Z=0とする測定上の原点である。次いでステップS8において、原点Oから予め設定された理想とする工具半径(ボールの半径)RだけZ軸方向プラス側へ上がった位置A(Y=0,Z=R)を求めてボールの中心Aを設定する〔図4〕。
【0024】
尚、ボールの中心の設定方法は上記に限られるものではなく、ボールエンドミルがY軸方向にレーザ光を横切る際の現在値の平均値よりボールエンドミルの回転中心を求め、ボールエンドミルをZ軸方向マイナスに移動させたときこの回転中心線上でボールエンドミルがレーザ光を遮る点をボールエンドミルの先端として、この先端から理想半径分Z軸プラス方向に移動した点をボールの中心としても良い。
【0025】
ステップS9において、図5に示すようにZ軸上の線分OAを原点O(レーザ光点)のまわりで90°以内の任意の角度θ、例えばθ=15°毎に傾斜させたとき、ボールの理想半径R分に僅かな量、例えば本例では1mmプラス側にずれた位置Cを1式により求め、ボール中心Aを求めたC位置に位置決めする。これによりレーザ光点(原点O)は角度θ傾斜する線分OAの延長線上ほぼ1mmボールエンドミルTの刃面から離れた位置となる。
Y2 =−(R+1)Sinθ
Z2 =(R+1)Cosθ…………1式
【0026】
ステップS10において、続いて同一角度に傾斜する線分OA上のボールの理想半径R分に僅かな量、例えば本例では1mmマイナス側にずれた位置Bを2式より求め、ボール中心AをこのB位置へ例えば送り速度F=S/1000mm(毎分)になるようX・Z軸移動させ、ボールエンドミルTの刃面すなわち回転する切刃の先端がレーザ光を遮ってセンサ信号を出力した時軸移動を停止してボール中心Aの現在値を記憶する〔図6,図7〕。
Y1 =−(R−1)Sinθ
Z1 =(R−1)Cosθ…………2式
【0027】
尚、上述のように送り速度Fを主軸回転数Sの1/1000とすれば、例えば6000rpmの回転数のとき6mm/minの送り速度となり、主軸1回転につき0.001mm/minの速度で刃先がレーザ光点に接近することになり、回転振れを含めた測定精度は機械精度を除けば0.001mmの精度で測定できることになる。従って測定精度を指定すれば工具回転数に対する送り速度を自動設定することができる。測定精度は0.1mmから0.00001mmの範囲に設定すればよい。
【0028】
また、上述の測定は刃先がレーザ光点に接近するように移動させたが、逆に刃先をレーザ光点から離れるように移動させ、移動途中においてレーザ光点が刃先から外れた位置を測定するようにしてもよい。
また、上述の説明ではボールエンドミルをボール中心を通る線分上を移動させることとしているが、これに限らず、ボールエンドミルをその軸線方向又は径方向に移動させるものであっても良い。
【0029】
次いでステップS11において、傾斜角度θが90°になったか否かすなわち図8に示すように15°飛びに7回測定したかが確認され、NOの場合にはステップS9に戻され、YESの場合にはステップS12において、各傾斜角度θごとに90°に達するまで繰り返し計測して記憶したそれぞれのボール中心Aの現在値と原点Oとの距離を計算し、ステップS13において計算した距離と理想半径Rとの差分を算出し、ステップS14においてボール中心Aを中心とする理想半径Rの円弧に算出した各角度における理想半径Rとの差分を重ねてCRT上に画面表示する〔図8〕。
次いでステップS15において、主軸4(ボールエンドミルT)をZ軸上限位置(プラス極限位置)へ位置決めして、測定を終わる。
【0030】
尚、上述の実施例ではレーザ光軸aがX軸方向を向くようにレーザ測定器6を設置し、Y・Z軸移動で計測を行っているが、レーザ光軸aがY軸方向を向くようにレーザ測定6を設置してX・Z軸移動で計測を行うようにしてもよい。
また、真球度のCRT表示は本例ではデータをNC装置で計算して表示を行っているが、データを別の計算制御器例えばパーソナルコンピュータに転送し、必要に応じて計算させてコンピュータ側で制御してCRT表示させてもよい。
【0031】
さらには、求めた先端位置からボールエンドミルの理想半径分ずれたZ位置へ移動させて径方向の測定値を求め、これを理想半径として同様の測定を行っても良い。また、本発明の測定方法により求めた結果は、例えば出願人が先に提案している特開平2−311242号のような工具刃先形状精度に基づく誤差補正方法の工具刃先の形状精度に関する情報として使用することができる。
なお、ボール中心の設定は本実施例に限らず、例えばボールエンドミルの刃面上の異なる3点を測定し、測定した3点を通る円弧中心をNC又はパーソナルコンピュータで算出してボールの中心を求めるようになしても良い。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。
ボールエンドミルの真球度を加工機上で行うようにしたので、工具の振れ,工具ホルダの振れ,主軸の振れがすべて入った加工時と同じ条件で自動測定できるようになる。従って加工面に最も正確に一致した測定ができ、これにより真球度の良いボールエンドミルを選択して仕上げ加工等高精度な形状加工が可能になる。
また、今まで工具先端部の摩耗のみで判断していたものが、径方向の切刃の摩耗状態を含めて計測できるので、工具の取り替え時間を正確に判断することが可能となる。
【0033】
また、測定した実半径を理想半径と重ね合わせてCRT表示するようにしたので、どの部位の真球度がずれているかが一見して判断できるようになり、表示形状からどの部位が加工面の形状精度の劣化の原因となるかが予想できるとともに工具再研磨のときの参考データとなる。
また工具の摩耗位置を監視することにより、摩耗の激しい位置の加工位置が認識できるので、加工方法の再検討資料となる。また、摩耗の激しい刃先位置の強化対策や摩耗し難い形状・材質等刃具の改良のための資料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マシニングセンタのクロスレールに取着されたレーザ測定器と主軸頭部分の斜視図である。
【図2】本発明の作用説明図で、基準工具を主軸に装着した状態を示す。(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】同じく作用説明図で、基準工具による工具側面位置の検出状態を示す。(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図4】同じく作用説明図で、被測定工具の先端位置の検出状態を示す。(a)は正面図、(b)は刃先の側面図である。
【図5】同じく作用説明図で、被測定工具先端球面の各傾斜角ごとの測定状態を示す。
【図6】同じく作用説明図で、傾斜角45°のときの測定状態を示す。(a)は正面図、(b)は刃先の側面図である。
【図7】同じく作用説明図で、傾斜角90°のときの測定状態を示す。(a)は正面図、(b)は刃先の側面図である。
【図8】各傾斜角ごとの原点Oと刃先の関係を示す説明図で、(a)は0°、(b)は15°、(c)は30°、(d)は45°、(e)は60°、(f)は75°、(g)は90°傾斜角のときのそれぞれの状態を示す。
【図9】ボールエンドミルの真球度測定値のCRT表示を示す図で、(a)は精度良,(b)は精度不良の場合の表示例である。
【図10】本発明の作用説明用のフローチャートである。
【図11】従来の技術の説明に用いたボールエンドミルの真球度と加工面との関係を表す説明図で、(a)はボールエンドミルの円弧面加工時の動きを示し、(b)は加工物断面の拡大図である。
【図12】従来の技術の工具検査装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 クロスレール 2 主軸頭
3 主軸ラム 4 主軸
5 ミーリングチャック 6 レーザ測定器
a レーザ光 T ボールエンドミル
TS 基準工具
Claims (6)
- 加工機の主軸に取り付けられたボールエンドミルをレーザ光軸が主軸軸線と直交するレーザ測定器により前記ボールエンドミルを回転させながら真球度を測定する方法であって、正確な外径寸法が判っている基準工具を主軸に取り付けレーザ光軸が主軸軸線を直角に横切る方向に前記レーザ測定器と基準工具とを相対移動させて前記基準工具の側面位置を測定し、測定した側面位置から前記基準工具の半径だけ内側に入った前記基準工具の回転中心を求め、前記基準工具に代えてボールエンドミルを主軸に取り付けて前記回転中心上のボールエンドミル先端位置を測定し、測定した先端位置からボールエンドミルの理想半径だけボールエンドミルの回転中心上内側へ入った刃面の中心を求め、前記刃面上の任意の複数の点をレーザ光軸に対する直交2軸方向移動で測定し、測定した刃面上の各点から前記刃面の中心までの刃面の法線方向でのそれぞれの実半径を求め、求めた実半径と前記理想半径との差からボールエンドミルの刃面の真球度を求めることを特徴とするボールエンドミルの真球度測定方法。
- 加工機の主軸に取り付けられたボールエンドミルをレーザ光軸が主軸軸線と直交するレーザ測定器により前記ボールエンドミルを回転させながら真球度を測定する方法であって、レーザ光軸が主軸軸線を直角に横切る方向に前記レーザ測定器とボールエンドミルとを相対移動させてボールエンドミルの回転中心を挟む両側面上の2点を測定し、測定した2点間の距離からその中心であるボールエンドミルの回転中心を求め、求めた回転中心上におけるボールエンドミルの先端位置を測定し、測定した先端位置から理想半径だけボールエンドミルの回転中心上内側に入った刃面の中心を求め、前記刃面上の任意の複数の点をレーザ光軸に対する直交2軸方向移動で測定し、測定した刃面上の各点から前記刃面の中心までの刃面の法線方向でのそれぞれの実半径を求め、求めた実半径と前記理想半径との差からボールエンドミルの刃面の真球度を求めることを特徴とするボールエンドミルの真球度測定方法。
- 刃面上の任意の複数の点の測定はボールエンドミルの刃面の法線方向に沿ってレーザ測定器とボールエンドミルとを相対移動させて行うものである請求項1又は2に記載のボールエンドミルの真球度測定方法。
- 求めたボールエンドミルの各法線方向の実半径を理想半径に重ね合わせてCRT表示し誤差の傾向を判りやすくしたことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のボールエンドミルの真球度測定方法。
- 測定精度に合わせてボールエンドミル1回転当たりのボールエンドミルとレーザ測定器の相対移動量を自動設定することを特徴とする請求項1,2,3,4の何れか1項に記載のボールエンドミルの真球度測定方法。
- レーザ測定器はボールエンドミルがレーザ光軸を遮ったとき又は遮られていたレーザ光が通るようになったときに現在値を測定する信号を出力するものである請求項1,2,3,4,5の何れか1項に記載のボールエンドミルの真球度測定方法。
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