JP6615285B1 - 工具振れ調整方法および工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】工具ホルダに対する工具の最適な位相を演算し、該演算結果に基づいて工具ホルダに対して工具を再セットアップできるようにすること。【解決手段】複数の切れ刃と側面にマーカを設けた工具10を主軸112または工具ホルダ114に把持させ、主軸を加工回転数で回転させ、工具のシャンク部12の振れの大きさと位相およびマーカの位相を測定し、主軸を回転させ複数ある切れ刃16−1〜16−4ごとに工具の径方向の高さと中心軸線OTまわりの位相とを測定し、測定された工具のシャンク部の振れの大きさと位相と、切れ刃の径方向高さと位相とに基づいて、切れ刃の描く軌跡のばらつきが小さくなる工具を把持する位相を演算するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の切れ刃を有した回転工具の切れ刃の位置のばらつきによる工具の振れを低減する工具振れ調整方法および工具振れ調整方法を実行する工作機械に関する。
特許文献1には、工具の振れ量を測定して、検出した工具の振れ量が許容範囲より大きい場合に、主軸または工具ホルダの回転軸周りに工具の取り付け位相を変更する技術が記載されている。
特開2017-007030号公報
工具ホルダに対してどのような位相で工具を再取付すれば、加工面粗さが小さくなり、また工具寿命の低下を防止できるのかについては特許文献1には記載されておらず、特許文献1に記載の技術では、工具の振れ量が許容範囲内になるまで、トライアンドエラー式に何度か工具を工具ホルダに取り付けなおして、工具の振れ量を測定しなければならない。
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、工具ホルダに対する工具の最適な位相を演算し、工具ホルダに対して工具を再セットアップする方向と角度を演算し、該演算結果に基づいて工具ホルダに対して工具を再セットアップできるようにした工具振れの調整方法を提供することを目的としている。更に、本発明は、前記工具振れの調整方法を実行可能な工作機械を提供することを目的としている。
上述の目的を達成するために、本発明によれば、シャンク部と、該シャンク部の先端に結合され複数の切れ刃を有した刃部とを備えシャンク部の側面にマーカを設けた工具をシャンク部において主軸または工具ホルダに把持させ、主軸を回転させてワークを切削加工する工作機械の工具振れの調整方法において、主軸を加工回転数で回転させ、主軸の回転角度に応じて工具のシャンク部の振れの大きさと位相、および、マーカの位相を測定する工程と、主軸を低速で回転させ、複数ある切れ刃ごとに工具番号を振り、各切れ刃の半径方向の高さと主軸の中心軸線まわりの前記マーカに対する位相とを測定する工程と、測定された前記工具のシャンク部の振れの大きさと、前記マーカの位相と、前記各切れ刃の径方向高さと位相とに基づいて、切れ刃の描く軌跡のばらつきが小さくなる工具を把持する位相を演算する工程と、前記演算した位相にて主軸または工具ホルダに対して工具を取り付けなおす工程とを備えた工具振れ調整方法が提供される。
更に、本発明によれば、シャンク部と、該シャンク部の先端に結合され複数の切れ刃を有した刃部とを備えシャンク部の側面にマーカを設けた工具をシャンク部において主軸または工具ホルダに把持させ、主軸を回転させてワークを切削加工する工作機械において、工具のシャンク部および刃部の径方向の変位、ならびに前記マーカの有無を測定するセンサと、主軸の回転位相を検出する位相検出器と、前記センサおよび位相検出器で測定した前記主軸を加工回転数で回転させたときの主軸の回転角度に応じた工具のシャンク部の振れの大きさと、前記マーカの位相と、前記主軸を低速で回転させたときの前記工具の各切れ刃の半径方向の高さと、前記マーカに対する位相とに基づき、切れ刃の高さのばらつきが小さくなる工具を把持する位相を求める演算部と、前記演算部で求めた位相を表示する表示装置、および記演算部で求めた位相に工具を取り付けなおす自動工具セットアップ装置のうち少なくとも一方を有した修正部とを備えた工作機械が提供される。
本発明によれば、工具ホルダに対する工具の最適な位相を求めることが可能となる。これにより、工具ホルダに対して工具を取り付けなおす再セットアップの作業が軽減され、それに要する時間が短縮可能となる。また、求めた最適な位相に基づいて、工具振れを調整することによって、加工面粗さまたは加工面精度を改善可能となる。更に、特定の切れ刃の切込み量が過度に大きくなることが防止できるので、早期に切れ刃が摩耗することが防止可能となる。
本発明の工具振れ調整方法を適用する工作機械の略示側面図である。 図1の工作機械の平面図である。 工具ホルダと共に示す工具の略示側面図である。 図4において直線LB1に沿った工具の略示断面図である。 図4の工具の先端部を示した略示端面図である。 切れ刃の高さが一定ではない工具の図5と同様の略示端面図である。 工具のシャンク部の振れの測定結果を示すグラフである。 図7の測定結果から求めたリサージュ曲線を示す図である。 図7のリサージュ曲線に沿った工具の中心軸線の変動を示す図である。 図7のリサージュ曲線に沿って工具の中心が移動する間の切れ刃の位置を示す概略図である。 回転する工具が、直線状の工具経路に沿って移動する間に、90°、180°、270°、0°、…0°の回転位置でワークに係合している切れ刃の先端点を複数の線分で結んだ線図である。 ワークに形成される加工面の概略図を90°、180°、270°、0°、…0°の回転位置において切れ刃が描く軌跡と共に示す図である。 本発明の工具振れ調整方法を実行するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1、2を参照すると、本発明の工具振れ調整方法を実行する工作機械100は、床面に固定する基台としてのベッド102、ベッド102の後方部分において上面に固定されたコラム104、コラム104の前面に水平左右方向であるX軸方向(図1では紙面に垂直な方向)に往復動可能に取り付けられたXスライダ106、Xスライダ106の前面に鉛直方向(Z軸方向)に往復動可能に取り付けられたZスライダ108、Zスライダ108と共に移動するようにZスライダ108に取り付けられ、主軸112を鉛直な回転軸線O周りに回転可能に支持する主軸装置110、および、ベッド102の前方部分において上面に水平前後方向(図1では左右方向)に往復動可能に取り付けられ加工すべきワーク(図示せず)取り付けるテーブル116を主要な構成要素として具備している。主軸装置110は、主軸112を回転駆動する主軸モータ(図示せず)および回転軸線O周りの主軸112の回転位置または位相を検知するロータリーエンコーダのような検知器を含んでいる。
主軸112の下端部には、工具ホルダ114を介してボールエンドミルやフラットエンドミルのような回転工具10(以下、単に工具10を記載する)が取り付けられる。主軸112の下端部にはテーパ穴(図示せず)が形成されており、該テーパ穴に工具ホルダ114のテーパ部114aを嵌合させ、主軸112内に配設されているクランプ装置(図示せず)によって工具ホルダ114が主軸112の下端部にクランプされる。
図3〜図6を参照すると、工具10は、工具ホルダ114の工具挿入穴(図示せず)に挿入されるシャンク部12を有している。シャンク部12は中心軸線OTに沿って延びる円筒形状を呈している。シャンク部12の表面には、凹凸より成るマーカ14が設けられている。シャンク部12の先端には、複数の、本実施形態では4枚の切れ刃16−1〜16−4が形成された刃部16が一体的に結合されている。刃部16に形成する切れ刃の数は、4枚よりも少ない例えば2枚、或いは、4枚より多い例えば6枚または8枚であってもよい。或いは、刃部16に奇数枚の切れ刃を形成してもよい。
テーブル116には、工具の径方向の変位を測定するセンサとして、レーザ測定器118、120が配設されている。レーザ測定器118、120は、例えばブルームノボテスト社から市販されているLC50-DIGILOGのようなレーザビームを用いた測定器とすることができる。レーザ測定器118、120は、それぞれY軸、X軸方向にレーザビームLBY、LBXを照射するようにテーブル116に配置、固定されている。レーザ測定器118、120は、テーブル116上においてワーク(図示せず)の加工を妨げない位置に配置されていることは言うまでもない。レーザ測定器118、120は、Y軸方向およびX軸方向に工具10の径方向の変位を測定可能な測定器である。工具の径方向の変位を測定するセンサはCCDカメラのような撮像装置であってもよい。
図1、2には特に図示されていないが、工作機械100は、Xスライダ106、テーブル116およびZスライダ108をX軸、Y軸、Z軸方向に往復駆動するX軸、Y軸、Z軸の直線送り装置を備えている。X軸、Y軸、Z軸の直線送り装置は、X軸、Y軸、Z軸方向に延設されたボールねじ(図示せず)、該Xスライダ106、テーブル116、Zスライダ108に取り付けられX軸、Y軸、Z軸方向のボールねじに夫々係合するナット(図示せず)、X軸、Y軸、Z軸方向のボールねじの端部に結合されたサーボモータ(図示せず)、X軸、Y軸、Z軸方向の座標値を測定するデジタルスケール(図示せず)等を含むことができる。工作機械100は、更に1つまたは2つの回転送り軸装置(図示せず)備えていてもよい。
更に、工作機械100は、工具ホルダ114に装着されている工具10を複数組収納した工具マガジン(図示せず)や、該工具マガジンと主軸112との間で、工具ホルダ114に装着されて工具10を工具ホルダ114と共に交換する工具交換装置(図示せず)を備えていてもよい。
工作機械100は、X軸、Y軸、Z軸方向の送り装置、主軸装置110、レーザ測定器118、120等を制御する制御装置122を具備している。制御装置122は、また、工具ホルダに対する工具の最適な位相を演算する演算部を構成する。制御装置122は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイス、出入力ポート、および、これらを相互接続する双方向バスを含むコンピュータ、送り装置や主軸装置110に電力を供給するアンプ(図示せず)および関連するソフトウェアから構成することができる。
制御装置122は、送り装置のサーボモータや主軸モータを制御するNC装置、レーザ測定器118、120や工具交換装置等を制御する機械制御装置を含んでいてもよい。或いは、工作機械を制御する一般的なNC装置や機械制御装置の一部としてソフトウェア的に構成してもよい。制御装置122は、工作機械100の近傍に配置された制御盤(図示せず)内に配置された電気回路によって形成することができる。制御盤は、工作機械100を包囲するカバー(図示せず)の側面に取り付けることができる。制御盤は工作機械100の作動状態を表示する液晶ディスプレイのような表示装置(図示せず)を含むことができる。
切れ刃16−1〜16−4は、図5に示すように、工具10の中心軸線OTに関して対称に配置されるように設計される。然しながら、切れ刃16−1〜16−4を研削するときの加工誤差や、切れ刃16−1〜16−4にコーティングする際の膜厚の不均一性のために、図6に示すように、切れ刃16−1〜16−4の高さまたは切れ刃16−1〜16−4の先端点の径方向の位置が区々となる。切れ刃16−1〜16−4の高さの違いから、加工面精度が低下したり、或いは、特定の切れ刃、例えば図6の例では、切れ刃の高さが最も高い切れ刃16−3が早期に摩耗してしまう問題が生じる。
一方、主軸112、工具ホルダ114は、中心軸線OH周りのアンバランスを不可避的に有しており、主軸112が高速で回転すると、主軸112の回転軸線O周りに振れを生じる。こうした工具ホルダ114の振れによって、加工中に工具10がワークの表面に対して接近、離反するので、加工面粗さまたは加工面精度が低下する。
このように、工具ホルダ114が持っているアンバランスと、工具10の切れ刃16−1〜16−4の高さの不均一性とが合成された最終的な工具の芯振れは、工具ホルダ114に取り付けられた工具10の工具ホルダ114に対する位相、つまり工具ホルダ114に対する工具10の中心軸線OT周りの角度位置によって変化し、それによって、加工面粗さまたは加工面精度が変化する。本発明は、こうした工具ホルダ114のアンバランスに基づく中心軸線OH周りの振れと、工具10の切れ刃16−1〜16−4の高さの不均一性とが互いに相殺されるように、工具ホルダ114に対する工具10の位相を決定し、工具10を工具ホルダ114に取り付け直す或いは再セットアップすることによって、工具の振れを調節するようになっている。
以下、工具振れの調節方法を具体的に説明する。
図7は、工具ホルダ114のアンバランスに基づく振れの測定結果を模式的に示したグラフである。図7において、曲線1はレーザ測定器120によってX軸方向に照射されたレーザビームLBXによって測定したシャンク部12の振れであり、曲線2はレーザ測定器118によってY軸方向に照射されたレーザビームLBYによって測定したシャンク部12の振れを示している。
曲線1を得るために、まず、図3において参照符号LB1で示すように、レーザ測定器120によってX軸方向に照射されたレーザビームLBXがマーカ14の高さ(Z軸方向位置)に位置するように、工作機械100のX軸、Y軸、Z軸の送り装置によって、工具10とテーブル116とを相対移動させる。主軸112を加工回転数、図7の例では15000RPMで回転させ、シャンク部12の振れを測定する。なお、一般的に、回転工具のシャンク部の真円誤差は無視し得る程度に小さい。測定の間、工具10はX軸、Y軸、Z軸方向へ移動しない。
同様に、曲線2も同様に、図3において参照符号LB1で示すように、レーザ測定器118によってY軸方向に照射されたレーザビームLBYがマーカ14の高さ(Z軸方向位置)に位置するように、工作機械100のX軸、Y軸、Z軸の送り装置によって、工具10とテーブル116とを相対移動させる。主軸112を加工回転数、図7の例では15000RPMで回転させ、シャンク部12の振れを測定する。測定の間、工具10はX軸、Y軸、Z軸方向へ移動しない。
こうして得られた2つの曲線1、2は、マーカ14の回転位置または位相が、X軸方向のレーザビームLBXとマーカ14とが交差したときに曲線1、2中に現れる変動PSX1、PSX2、…、および、Y軸方向のレーザビームLBYとマーカ14とが交差したときに曲線1、2に現れる変動PSY1、PSY2、…として含んでいる。PSXi (i=1, 2, 3, …)とPSYi (i=1, 2, 3, …)との間の時間差Δt1t2は、90°の位相差に相当する時間差であり、図7の例では1msである。同様に、PSXiとPSXi+1 (i=1, 2, 3, …)またはPSYiとPSYi+1 (i=1, 2, 3, …)との間の時間差Δt2t3は1回転の位相差に相当する時間差であり、図7の例では4msとなる。
曲線1、2に基づき、図8に示すような、互いに直交する二つの単振動(曲線1、2)を順序対として得られる点の軌跡であるリサージュ曲線CLを得ることができる。リサージュ曲線CLは、工具10の中心軸線OTに垂直な平面(XY平面)内における中心軸線OTの軌跡であると考えることができる。つまり、図9に示すように、工具10は、その中心軸線OTを中心に回転すると共に、リサージュ曲線CLに沿って旋回することなり、切れ刃16−1〜16−4の軌跡は2つの円運動の合成となる。図10は、リサージュ曲線CLに沿って工具10の中心軸線OTが移動する間の切れ刃16−1〜16−4の位置を示す概略図である。実際の切削加工は、これに、工作機械100のX軸、Y軸、Z軸の送り装置による工具経路に沿ったワークに対する工具10の相対移動が加わる。
図9、10において、工具10−1は、マーカ14がワークの加工面に正対している回転位置にある状態を示しており、以下の説明では、この回転位置を回転角=0°の位置とする。工具10−2は、回転角=0°の位置から反時計方向に90°回転した位置(回転角=90°)にある工具10の状態を、工具10−3、10−4は、更に反時計方向に90°ずつ回転した位置(回転角=180°、270°)にある工具10の状態を示している。なお、本実施形態では、マーカ14は、中心軸線OTに関して切れ刃16−1と同じ角度位置(位相)に配置されているが、本発明はこうした位置関係に限定されず、マーカ14は、シャンク部12の表面において中心軸線OTに関して如何なる角度位置に配置されていてもよい。
図11は、回転する工具10が、矢印Aで示すように直線状の工具経路PTに沿って移動する間に、回転角=90°、180°、270°、0°、…0°の回転位置でワークに係合している切れ刃16−1〜16−4の先端点を複数の線分Lで結んだ線図である。複数の線分Lで形成される形状は、回転角=0°で谷底PVとなり、回転角=180°で頂点PPとなっている。
図12は、回転角=90°、180°、270°、0°、…0°の回転位置において切れ刃16−1〜16−4が描く軌跡202を示しており、これに基づいてワークに形成される加工面200の概略図である。加工面200には、切れ刃16−1〜16−4の先端点が描く多数の軌跡202による多数のカスプが形成される。個々のカスプの高さは切れ刃16−1〜16−4の夫々の軌跡202によって決定されるが、このカスプは、上述した複数の線分Lに沿って波打つように配置される。
そこで、本発明では、リサージュ曲線CLと、切れ刃16−1〜16−4の高さのデータに基づいて、加工面200が最も平坦になるように、工具ホルダ114に対する工具10の位相を決定することによって、加工面200の精度を高めるようにしている。一例として、既述した実施形態では、谷底PVで切れ刃16−1〜16−4のうち最も高さの低い切れ刃16−1がワークと係合し、頂点PPで最も高い切れ刃16−4がワークに係合するように、工具ホルダ114に対して工具10の位相を決定することができる。
次に、図13に示すフローチャートに基づいて、本発明の工具振れ調整方法の一例を説明する。
まず、加工に先立って、工作機械100のX軸、Y軸、Z軸の送り装置によって、主軸112の先端に装着されている工具10をレーザ測定器118、120の何れか一方に接近させる。次いで、工具10の切れ刃16−1〜16−4の刃先位置にレーザ測定器118、120の何れか一方のレーザビームLBYまたはLBXを照射し、加工回転数で主軸112を回転して、工具の切れ刃16−1〜16−4の刃先位置の振れまたは工具の切れ刃16−1〜16−4の高さを測定し、これに基づいて、加工面粗さを予測する(ステップS10)。
予測される加工面粗さが許容範囲内にある場合(ステップS12でNOの場合)、当該工具10によって加工が開始され(ステップS14)、工具振れの調整は行われずに工具振れ調整方法は終了する(ステップS16)。
予測される加工面粗さが許容範囲内にない場合(ステップS12でYESの場合)、マーカ14にレーザ測定器118、120のレーザビームLBY、LBXを順次照射し、加工回転数で主軸112を回転して、シャンク部12の振れを測定する(ステップS18)。これに基づいて、リサージュ曲線CLを求める。
次いで、マーカ14にレーザ測定器118、120の何れか一方のレーザビームLBYまたはLBXが接するように照射して、そのときの主軸112の回転角度位置を求める(ステップS20)。この回転角度位置は既述の回転角=0°の位置となる。
回転角=0°の位置のまま、図3において参照符号LB2で示すように、レーザ測定器118、120の何れか一方のレーザビームLBYまたはLBXが切れ刃16−1の高さ(Z軸方向位置)に位置するように、主軸112をZ軸方向に送り(ステップS22)り、回転角=0°の位置から主軸112を低速、例えば1RPMで1回転させ、切れ刃16−1〜16−4の高さを測定する(ステップS24)。このように、主軸112を低速で回転して切れ刃16−1〜16−4の高さを測定することによって、主軸の回転振れの影響をなくすことができる。
ワークを加工する加工面がXZ平面であるか、YZ平面であるかによって、工具ホルダに対する工具の最適な位相が変わるので、加工方向を考慮して測定に用いるレーザビームLBYまたはLBXを選択する。図11、12は、加工面はYZ平面に形成される例を示している。また、加工面がXZ平面、YZ平面の区別なく、工具10の全周で加工を行う場合には、加工面の向きと加工面粗さとを求め、加工面粗さの変動が小さくなる条件を求めるようにする。
ステップS18、ステップS24で求めたリサージュ曲線CLおよび切れ刃16−1〜16−4の高さに基づいて、工具ホルダ114に対する工具10の最適な位相、つまりマーカ14からの回転角度位置を演算し、加工のシミュレーションから加工面粗さを予測する(ステップS26)。予測される加工面粗さが許容範囲内になると見込まれる場合(ステップS28でYESの場合)、工具10を工具ホルダ114に対して演算された位相に再セットアップし(ステップS30)、工具振れ調整方法は終了する(ステップS32)。予測される加工面粗さが許容範囲内になるとは見込まれない場合(ステップS28でNOの場合)、工具10または工具ホルダ114を別のものに交換すべき警告を工作機械100の表示装置に表示することによって、その旨オペレータに指示し(ステップS34)、工具振れ調整方法は終了する(ステップS36)。
ステップS30における工具ホルダ114に対する工具10の再セットアップは、工作機械100のオペレータが手動にて行うこともできるが、工具ホルダ114に対する位相を変更することなく工具10を工具ホルダ114から抜去し、次いで、ステップS26で演算された位相に工具10または工具ホルダ114を割り出して、工具10を工具ホルダ114に装着する専用の自動工具セットアップ装置(図示せず)を用いて行うことができる。自動再セットアップ装置にロボットを用いてもよい。
また、既述の実施形態では、工具10は工具ホルダ114を介して主軸112に把持させるようになっていたが、本発明は、これに限定されず、工具10は主軸112に直接把持させるようにしてもよい。自動再セットアップ装置は、主軸112から工具10を抜去し、ステップS26で演算された位相に工具10または主軸112を割り出して、工具10を主軸112に装着するようにできる。
更に、既述の実施形態ではリサージュ曲線CLを用いて加工のシミュレーションを行うように説明したが、必ずしもリサージュ曲線CLを描く或いは表示することを意味しない。シャンク部12の振れの測定値に基づいて、工具ホルダ114の回転角を変数として工具ホルダ114の中心軸線OHのX、Y座標値が決定できれば、加工のシミュレーションは可能である。
本実施形態によれば、中心軸線OH(OT)周りの工具ホルダ114に対する工具10の最適な位相を求めることが可能となり、従って、工具ホルダ114に対して工具10を取り付け直す再セットアップの作業が軽減され、それに要する時間が短縮可能となる。また、求めた最適な位相に基づいて、工具振れを調整することによって、加工面粗さまたは加工面精度を改善可能となる。また、切れ刃16−1〜16−4のうち特定の切れ刃の切込み量が過度に大きくなることが防止できるので、工具10の寿命が想定される時間よりも短くなることを防止可能となる。
10 回転工具
12 シャンク部
14 マーカ
16 刃部
16−1 切れ刃
16−2 切れ刃
16−3 切れ刃
16−4 切れ刃
100 工作機械
102 ベッド
104 コラム
106 Xスライダ
108 Zスライダ
110 主軸装置
112 主軸
114 工具ホルダ
114a テーパ部
116 テーブル
118 レーザ測定器
120 レーザ測定器
122 制御装置
200 加工面
202 軌跡
LBX レーザビーム
LBY レーザビーム

Claims (5)

  1. シャンク部と、該シャンク部の先端に結合され複数の切れ刃を有した刃部とを備えシャンク部の側面にマーカを設けた工具をシャンク部において主軸または工具ホルダに把持させ、主軸を回転させてワークを切削加工する工作機械の工具振れの調整方法において、
    主軸を加工回転数で回転させ、主軸の回転角度に応じて工具のシャンク部の振れの大きさと位相、および、マーカの位相を測定する工程と、
    主軸を低速で回転させ、複数ある切れ刃ごとに工具番号を振り、各切れ刃の半径方向の高さと主軸の中心軸線まわりの前記マーカに対する位相とを測定する工程と、
    測定された前記工具のシャンク部の振れの大きさと、前記マーカの位相と、前記各切れ刃の径方向高さと位相とに基づいて、切れ刃の描く軌跡のばらつきが小さくなる工具を把持する位相を演算する工程と、
    前記演算した位相にて主軸または工具ホルダに対して工具を取り付けなおす工程と、
    を備えたことを特徴とした工具振れ調整方法。
  2. 前記演算する工程で演算した位相になるように工具を把持したとして加工のシミュレーションを行い、加工面粗さを予測する工程を更に備え、予測された加工面粗さが許容範囲内の場合、前記工具を取り付けなおす工程を実施する請求項1に記載の工具振れ調整方法。
  3. 主軸の回転軸線に垂直な平面を規定する2方向にレーザビームを照射できるレーザ測定器を準備し、
    加工回転数で回転する工具のシャンク部に前記2方向の一方の方向にレーザビームを照射して、該レーザビームの照射方向の振れの大きさと主軸の回転位相を測定し、
    加工回転数で回転する工具のシャンク部に前記2方向の他方の方向にレーザビームを照射して、該レーザビームの照射方向の振れの大きさと主軸の回転位相を測定し、
    上記2方向の測定値から工具のシャンク部の振れの大きさと主軸の回転位相を求めるようにした請求項1に記載の工具振れ調整方法。
  4. シャンク部と、該シャンク部の先端に結合され複数の切れ刃を有した刃部とを備えシャンク部の側面にマーカを設けた工具をシャンク部において主軸または工具ホルダに把持させ、主軸を回転させてワークを切削加工する工作機械において、
    工具のシャンク部および刃部の径方向の変位、ならびに前記マーカの有無を測定するセンサと、
    主軸の回転位相を検出する位相検出器と、
    前記センサおよび位相検出器で測定した前記主軸を加工回転数で回転させたときの主軸の回転角度に応じた工具のシャンク部の振れの大きさと、前記マーカの位相と、前記主軸を低速で回転させたときの前記工具の各切れ刃の半径方向の高さと、前記マーカに対する位相とに基づき、切れ刃の高さのばらつきが小さくなる工具を把持する位相を求める演算部と、
    前記演算部で求めた位相を表示する表示装置、および記演算部で求めた位相に工具を取り付けなおす自動工具セットアップ装置のうち少なくとも一方を有した修正部と、
    を備えることを特徴とした工作機械。
  5. 前記センサは、主軸の回転軸線に垂直な平面を規定する2方向にレーザビームを照射するレーザ測定器を具備し、
    加工回転数で回転する工具のシャンク部に前記2方向の一方の方向にレーザビームを照射して、該レーザビームの照射方向の振れの大きさと主軸の回転位相を測定し、
    加工回転数で回転する工具のシャンク部に前記2方向の他方の方向にレーザビームを照射して、該レーザビームの照射方向の振れの大きさと主軸の回転位相を測定し、
    上記2方向の測定値から工具のシャンク部の振れの大きさと主軸の回転位相を求めるようにした請求項4に記載の工作機械。
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