JP3792373B2 - 軒樋継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒樋の接続に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軒樋継手を使用して軒樋を接続する方法には、主として、軒樋と軒樋継手を接着する方法が用いられている。
この方法は、接着剤で軒樋と軒樋継手とを固着するもので、例えば、特開平9−88261号公報に記載のものが知られている。
特開平9−88261号公報に記載の軒樋継手は、前壁の上部前壁部と下部前壁部との間に長手方向に外面から内方に凹没する排水溝が設けられ、上部前壁部を排水溝から上部に行くに従って屋内側方向に傾く傾斜面とされたもので、軒樋継手の両端部の内周面に接着剤を塗布し、軒樋の排水長溝に軒樋継手の排水溝を嵌めながら、一方の軒樋の前壁の端部と別の軒樋の前壁の端部とを接着して、軒樋同士を接続するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−88261号公報に記載の軒樋継手では、軒樋継手の排水溝の深さを軒樋の排水長溝の深さより浅くして、軒樋の排水長溝に軒樋継手の排水溝を嵌めたとき、排水長溝と排水溝間に隙間を作り、軒樋の前壁の上部前壁部より排水長溝に流れ込んだ雨水を排水長溝と排水溝間に隙間を通って軒樋継手内に流れ込むようにされている。
【0004】
ところが、図3に示すように、軒樋継手Cの両端部の内周面に接着剤4を塗布し、軒樋の外周面に接着するとき、排水溝33bの外周面に塗布された接着剤6が、軒樋の排水長溝内に付着し、溜まって、排水長溝と排水溝33b間の隙間5が塞がれ、雨水を軒樋継手内へ流すことができず、雨水が排水長溝から溢れでるという問題があった。
又、軒樋の排水長溝に軒樋継手の排水溝33bを嵌めて、排水長溝と排水溝33b間に隙間を作るため、軒樋継手Cの排水溝33bの深さを軒樋の排水長溝の深さより浅くせねばならない。そのため、軒樋継手Cの排水溝33bは小さくなり、雨水を十分に受け止めることができず、雨水が排水溝33bから溢れでるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、軒樋の排水長溝が接着剤で塞がれず、雨水を軒樋継手の排水溝を通って、軒樋継手内に流すことができ、軒樋継手の排水溝を大きくして雨水を十分に受け止めることができる軒樋継手を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、請求項1記載の発明では、前壁の上部前壁部と下部前壁部との間に外面から内方に凹没する排水長溝が長手方向にわたって設けられ、上部前壁部は屋内側に向けて傾く傾斜面とされた軒樋を接続する軒樋継手において、軒樋継手の前壁は、上部前壁部と、下部前壁部と、両前壁部との間に設けられた外面から内方に凹没する排水溝と、両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられ、排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられているものである。
【0007】
請求項2記載の発明では、前壁の上部前壁部と下部前壁部との間に外面から内方に凹没する排水長溝が長手方向にわたって設けられ、上部前壁部は屋内側に向けて傾く傾斜面とされた軒樋を接続する軒樋継手において、前記軒樋継手の前壁は、上部前壁部と、下部前壁部と、両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔が設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられているものである。
【0008】
本発明の軒樋継手の材質は、軒樋継手の軒樋接続部の内周面に接着剤を塗布して、軒樋の外周面と接着できるものであれば、適宜な材質でよく、例えば、軒樋が硬質塩化ビニル樹脂である場合は、硬質塩化ビニル樹脂用の溶剤系の接着剤が使用されるので、軒樋継手の材質も硬質塩化ビニル樹脂を使用するとよい。
尚、軒樋継手の軒樋接続部に塗布する接着剤は、両端部の軒樋接続部の内周面に帯状に塗布すると、接着剤を節約できるので、好ましい。
【0009】
請求項1記載の発明において、繋ぎ部材の形状は、前壁の上部前壁部と下部前壁部とを長手方向のほぼ中央部で繋ぐことができれば、適宜な形状でよく、例えば、図1の(ロ)に示すように、軒樋継手の内面で、2枚の板状体の小片を一定間隔あけて、小片の上端部を上部前壁部に取り付け、小片の下端部を下部前壁部に取り付けて、上部前壁部と下部前壁部とを繋ぐようにすると、一方の軒樋の端部を一方の小片まで差し込み、他方の端部を他方の小片まで差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔開けることができるので、好ましい。
尚、繋ぎ部材を1枚の板状体の小片にしてもよいが、この場合は1枚の板状体の小片の左右近傍で、軒樋継手の内面にリブを突設させ、一方の軒樋の端部を一方のリブで止め、他方の軒樋の端部を他方のリブで止めて、一対の軒樋間に一定間隔を開けるようにして、この一定間隔を開けたところのスリット(後述説明)から雨水を軒樋継手内に流すようにするとよい。
【0010】
請求項1記載の発明において、排水溝の長さは、軒樋の排水長溝から流れてきた雨水を排水溝を通して、軒樋継手内に流すことができれば、適宜な長さでよく、例えば、前壁の長手方向に全長わたって設けられてもよいし、長手方向のほぼ中央部の一部分に設けられてもよい。
排水溝の形状は、軒樋の排水長溝に嵌めることができ、排水溝を通って雨水が軒樋継手内に流すことができれば、適宜な形状でよく、例えば、排水溝の形状を円弧状にして、円弧状の先端部から下部のいずれかの位置に長手方向に全長にわたってスリットを設けるようにすると、排水溝を通って雨水を、上記の一定間隔あけられた繋ぎ部材である2枚の板状体の小片間のスリットから軒樋継手内に流すことができるので、好ましい。
【0011】
請求項1記載の発明において、軒樋継手の前壁の上部前壁部と下部前壁部と繋ぎ部材と排水溝と、底部と、後壁とは、射出成型法で一体に成形すると、美観の点で好ましい。
【0012】
請求項2記載の発明において、繋ぎ部材の形状は、前壁の上部前壁部と下部前壁部とを長手方向のほぼ中央部で繋ぐことができ、繋ぎ部材より雨水が軒樋継手内に流すことができれば、適宜な形状でよく、例えば、円弧状になった1枚の帯状の小片にして、小片の下部に切欠孔を設け、小片の上端部を上部前壁部に取り付け、小片の下端部を下部前壁部に取り付けて、上部前壁部と下部前壁部とを繋ぐようにすると、円弧状の小片の一方の端縁まで一方の軒樋の端部を差し込み、円弧状の小片の他方の端縁まで他方の軒樋の端部を差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔を開け、繋ぎ部材の切欠孔から雨水を軒樋継手に流すことができるので、好ましい。
【0013】
請求項2記載の発明において、軒樋継手の前壁の上部前壁部と下部前壁部と繋ぎ部材と、底部と、後壁とは、射出成型法で一体に成形すると、美観の点で好ましい。
【0014】
(作用)
請求項1記載の軒樋継手は、前壁が上部前壁部と、下部前壁部と、これらの両前壁部との間に設けられた外面から内方に凹没する排水溝と、両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられ、排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられているから、一方の軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の一方の端部の排水溝を嵌め込みながら、繋ぎ部材の一方の小片まで軒樋の端部を差し込み、他方の軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の他方の端部の排水溝を嵌め込みながら、繋ぎ部材の他方の小片まで軒樋の端部を差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔が開けることができ、この一定間隔あけられたところのスリットから排水溝を通ってきた雨水を軒樋継手内に流すことができる。
【0015】
又、排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられているから、接着剤を軒樋継手の前壁の内周面に塗布しても、このスリット部分には接着剤が付着しない。従って、排水長溝に排水溝を差し込んでも、軒樋継手の前壁の内周面に塗布された接着剤が、排水長溝の内面に付着することがなく、接着剤で軒樋の端部の排水長溝が塞がれることなく、軒樋の排水長溝を通ってきた雨水を軒樋継手内に流すことができる。
【0016】
又、排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられているから、軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の端部の排水溝を嵌めるとき、排水長溝と排水溝間に隙間を設けず、排水長溝の内周面に排水溝の外周面を当接させても、雨水を軒樋継手内に流すことができる。従って、排水長溝の深さに合わせて、排水溝の肉厚分だけ浅い深さの排水溝にすることができ、軒樋継手の排水溝を大きくすることができる。
【0017】
請求項2記載の軒樋継手は、前壁が上部前壁部と、下部前壁部と、これらの両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔が設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられているから、一方の軒樋の端部の排水長溝を繋ぎ部材の一方の端縁まで差し込み、他方の軒樋の端部の排水長溝を繋ぎ部材の他方の端縁まで差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔が開けることができ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔から雨水を軒樋継手内に流すことができる。
【0018】
又、上部前壁部と下部前壁部とがほぼ中央部で繋ぎ部材で繋がれ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔が設けられているから、接着剤を軒樋継手の前壁の内面に塗布しても、この上部前壁部と下部前壁部との間は開いており、上部前壁部と下部前壁部との間には接着剤が付着しない。従って、たとえ、軒樋の端部の排水長溝を軒樋継手の端部の上部前壁部と下部前壁部との間に差し込んでも、軒樋継手の前壁の内面に塗布された接着剤が、排水長溝の内面に付着するこがなく、接着剤で軒樋の端部の排水長溝を塞がれることなく、軒樋の排水長溝を通ってきた雨水を軒樋継手内に流すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の一実施例を図1に基づいて詳述する。
図1の(イ)は軒樋継手の斜視説明図、(ロ)は軒樋継手の内側で、上部前壁部と下部前壁部とが繋ぎ部材で繋がれている状態を示す斜視説明図である。
【0020】
図1において,Aは軒樋継手であり、この軒樋継手Aは合成樹脂(硬質塩化ビニール樹脂)製であり、接続される軒樋の外周面とほぼ同じ形状の内周面を有する軒樋接続部1が両端部に設けられている。
軒樋接続部1は、底部2と、この底部2の両側縁に立設された前壁3と後壁4とからなっている。
軒樋継手Aの底部2と、この底部2の両側縁に立設された前壁3と後壁4と排水溝33と繋ぎ部材34とは、射出成型法で一体に成形されている。
【0021】
前壁3は、上部前壁部31と、下部前壁部32と、これらの上部前壁部31と下部前壁部32との間に設けられた外面から内方に凹没する排水溝33と、これらの上部前壁部31と下部前壁部32とを長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材34とからなっている。
【0022】
上部前壁部31は、屋内側に向けて傾く傾斜面とされ、上部前壁部31の両端部の上端縁に屋内側に向けて引掛部36、36が設けられている。
下部前壁部32は、底部2よりほぼ垂直に上方向に立設されている。
繋ぎ部材34は、2枚の板状体の小片35、35からなっており、軒樋継手Aの内面のほぼ中央部で、一定間隔を開けて、排水溝33のスリット37に掛け渡されて、小片35の上端部が排水溝33の上部に、小片35の下端部が排水溝33の下部に取り付けられている。
排水溝33は、ほぼ円弧状になされ、この円弧状の斜め下方の位置の内方先端部に長手方向に全長にわたってスリット37が設けられている。
【0023】
次に,この軒樋継手Aの取付方法を説明しながら、作用を説明する。
本実施例の軒樋継手Aは、家屋の軒先先端部に取り付けられた軒樋(図示省略)を次のようにして接続する。
図1に示すように、先ず、軒樋継手Aの両端部の軒樋接続部1の内周面に帯状に接着剤を前壁3から後壁4にかけて塗布する。
次に、軒樋の端部同士が、軒樋継手Aのほぼ中央部の繋ぎ部材34の小片35、35にくるように合わせ、後壁4の両端部の上端縁に屋内側に向けて引掛部(図示省略)を軒樋の端部の屋内側耳部(図示省略)に引っ掛ける。
【0024】
次に、屋内側耳部を軸として軒樋継手Aを手前に回動させる。軒樋を軒樋継手Aの軒樋接続部1に嵌め、上部前壁部31の両端部の上端縁に屋内側に向けて引掛部36、36を軒樋の端部の屋外側耳部(図示省略)に引っ掛け、軒樋継手Aを軒樋の端部に取り付ける。
【0025】
このようにすると、軒樋継手Aの前壁3は、上部前壁部31と、下部前壁部32と、両前壁部31、32との間に設けられた外面から内方に凹没する円弧状の排水溝33と、両前壁部31、32を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材34である2枚の板状体の小片35、35とからなり、2枚の板状体の小片35、35は軒樋継手Aの内面に設けられ、この2枚の板状体の小片35、35で軒樋継手Aの両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられ、排水溝33には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリット37が設けられているから、一方の軒樋の端部の排水長溝(図示省略)に軒樋継手Aの一方の端部の排水溝33を嵌め込みながら、繋ぎ部材34の一方の小片35まで軒樋の端部を差し込み、他方の軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手Aの他方の端部の排水溝33を嵌め込みながら、繋ぎ部材34の他方の小片35まで軒樋の端部を差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔が開けることができ、この一定間隔あけられたところのスリット37から排水溝33を通ってきた雨水を軒樋継手A内に流すことができる。
【0026】
又、排水溝33には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリット37が設けられているから、接着剤を軒樋継手Aの前壁3の内周面に塗布しても、このスリット37部分には接着剤が付着しない。従って、排水長溝に排水溝33を差し込んでも、軒樋継手Aの前壁3の内周面に塗布された接着剤が、排水長溝の内面に付着することがなく、接着剤で軒樋の端部の排水長溝が塞がれることなく、軒樋の排水長溝を通ってきた雨水を軒樋継手A内に流すことができる。
【0027】
排水溝33には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリット37が設けられているから、軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の端部の排水溝33を嵌めるとき、排水長溝と排水溝33間に隙間を設けず、排水長溝の内周面に排水溝33の外周面を当接させても、雨水を軒樋継手A内に流すことができる。従って、排水長溝の深さに合わせて、排水溝33の肉厚分だけ浅い深さの排水溝33にすることができ、軒樋継手Aの排水溝33を大きくすることができる。
【0028】
次に,本発明の他の実施例を図2に基づいて詳述する。
図2の(イ)は軒樋継手の斜視説明図、(ロ)は軒樋継手の一方の端部に軒樋が嵌め込まれている状態を示す斜視説明図である。
【0029】
図2に示す軒樋継手は、図1に示す軒樋継手の排水溝33がなく、前壁の上部前壁部31と下部前壁部32とを繋ぐ繋ぎ部材34の形状が異なるだけで、下記の構造と作用を除き、構造、取付方法と作用は殆ど同じであるので、この異なるところのみを説明し、その他の説明は省略する。
【0030】
図2において、Bは軒樋継手であり、この軒樋継手Bの前壁3aは、上部前壁部31aと、下部前壁部32aと、長手方向のほぼ中央部で、上部前壁部31aと下部前壁部32aとの間に設けられた繋ぎ部材34aとからなっている。
【0031】
繋ぎ部材34aは、軒樋の排水長溝とほぼ同じ形をした円弧状になった1枚の帯状体であり、繋ぎ部材34aの下部に切欠孔38が設けられている。
繋ぎ部材34aの上端部は上部前壁部31aの下端部に取り付けられ、繋ぎ部材34aの下端部は下部前壁部32aの上端部に取り付けられている。
【0032】
次に,この軒樋継手Aの取付方法を説明しながら、作用を説明する。
図2に示すように、軒樋の端部が、軒樋継手Bのほぼ中央部の繋ぎ部材34aの一方の端縁にくるように合わせ、他方の端縁にも他方の軒樋の端部(図示省略)がくるように合わせて、後壁4aの両端部の上端縁に屋内側に向けて引掛部(図示省略)を軒樋の端部の屋内側耳部(図示省略)に引っ掛ける。
【0033】
次に、屋内側耳部を軸として軒樋継手Bを手前に回動させる。軒樋を軒樋継手Bの軒樋接続部1aに嵌め、上部前壁部31aの両端部の上端縁に屋内側に向けて設けられた引掛部36a、36aを軒樋の端部の屋外側耳部(図示省略)に引っ掛け、軒樋継手Bを軒樋の端部に取り付ける。
【0034】
このようにすると、軒樋継手Bの前壁3aは、上部前壁部31aと、下部前壁部32aと、両前壁部31a、32aとの間に設けられた繋ぎ部材34aとからなり、繋ぎ部材34aは軒樋継手Bの内面に設けられ、この繋ぎ部材34aで軒樋継手Bの両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられ、繋ぎ部材34aの下部に切欠孔38が設けられているから、一方の軒樋の端部の排水長溝(図示省略)を繋ぎ部材34aの一方の端縁まで差し込み、他方の軒樋の端部の排水長溝を繋ぎ部材34aの他方の端縁まで差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔が開けることができ、この繋ぎ部材34aの下部に切欠孔38から雨水を軒樋継手B内に流すことができる。
【0035】
又、上部前壁部31aと下部前壁部32aとがほぼ中央部で繋ぎ部材34aで繋がれ、繋ぎ部材34aの下端部に切欠孔38が設けられているから、接着剤を軒樋継手Bの前壁3aの内周面に塗布しても、この上部前壁部31aと下部前壁部32aとの間は開いており、上部前壁部31aと下部前壁部32aとの間には接着剤が付着しない。従って、たとえ、軒樋の端部の排水長溝を軒樋継手の端部の上部前壁部31aと下部前壁部32aとの間に差し込んでも、軒樋継手の前壁3aの内周面に塗布された接着剤が、排水長溝の内面に付着するこがなく、接着剤で軒樋の端部の排水長溝を塞がれることなく、軒樋の排水長溝を通ってきた雨水を軒樋継手B内に流すことができる。
【0036】
以上、本発明実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこの実施例の限られるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の他の実施例では、長手方向のほぼ中央部で、上部前壁部31aと下部前壁部32aとの間に繋ぎ部材34aが設けられ、この繋ぎ部材34aは、円弧状になった1枚の帯状体であるが、縦方向の断面形状が円弧状になった箱体で、箱体の屋外側側壁の下部に切欠孔と箱体の底部を開口したものでもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の軒樋継手は、前壁が、上部前壁部と、下部前壁部と、両前壁部との間に設けられた外面から内方に凹没する排水溝と、両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられ、排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられているから、一方の軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の一方の端部の排水溝を嵌め込みながら、繋ぎ部材の一方の小片まで軒樋の端部を差し込み、他方の軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の他方の端部の排水溝を嵌め込みながら、繋ぎ部材の他方の小片まで軒樋の端部を差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔が開けることができ、この一定間隔あけられたところのスリットから排水溝を通ってきた雨水を軒樋継手内に流すことができる。従って、排水長溝と排水溝間の隙間が設けられていても、接着剤でこの隙間を塞ぐことなく、雨水が排水長溝から溢れでることはない。
【0038】
又、排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられているから、接着剤を軒樋継手の前壁の内周面に塗布しても、このスリット部分には接着剤が付着しない。従って、たとえ、軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の端部の排水溝を嵌めて、排水長溝と排水溝間に隙間を設けても、軒樋継手の前壁の内周面に塗布された接着剤が、排水長溝の内面に付着するこがなく、接着剤で軒樋の端部の排水長溝が塞がれることなく、軒樋の排水長溝を通ってきた雨水を軒樋継手内に流すことができる。
【0039】
又、排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられているから、軒樋の端部の排水長溝に軒樋継手の端部の排水溝を嵌めるとき、排水長溝と排水溝間に隙間を設けず、排水長溝の内周面に排水溝の外周面を当接させても、雨水を軒樋継手内に流すことができる。従って、排水長溝の深さに合わせて、排水溝の肉厚分だけ浅い深さの排水溝にすることができ、軒樋継手の排水溝を大きくすることができ、排水溝で雨水を十分に受け止めることができる。
【0040】
請求項2記載の軒樋継手は、前壁が上部前壁部と、下部前壁部と、これらの両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔が設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられているから、一方の軒樋の端部の排水長溝を繋ぎ部材の一方の端縁まで差し込み、他方の軒樋の端部の排水長溝を繋ぎ部材の他方の端縁まで差し込むことによって、一対の軒樋間に一定間隔が開けることができ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔から雨水を軒樋継手内に流すことができる。
【0041】
又、上部前壁部と下部前壁部とがほぼ中央部で繋ぎ部材で繋がれ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔が設けられているから、接着剤を軒樋継手の前壁の内面に塗布しても、この上部前壁部と下部前壁部との間は開いており、上部前壁部と下部前壁部との間には接着剤が付着しない。従って、たとえ、軒樋の端部の排水長溝を軒樋継手の端部の上部前壁部と下部前壁部との間に差し込んでも、軒樋継手の前壁の内面に塗布された接着剤が、排水長溝の内面に付着するこがなく、接着剤で軒樋の端部の排水長溝を塞がれることなく、軒樋の排水長溝を通ってきた雨水を軒樋継手内に流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、(イ)は軒樋継手の斜視説明図、(ロ)は軒樋継手の内側で、上部前壁部と下部前壁部とが繋ぎ部材で繋がれている状態を示す斜視説明図である。
【図2】本発明の他の実施例を示すもので、(イ)は軒樋継手の斜視説明図、(ロ)は軒樋継手の一方の端部に軒樋が嵌め込まれている状態を示す斜視説明図である。
【図3】従来の実施例を示すもので、(イ)は軒樋継手の一方の端部に接着剤が塗られた状態を示す斜視説明図、(ロ)は軒樋継手の一方の端部を軒樋の端部に取り付け、軒樋の排水長溝と軒樋継手の排水溝との間に隙間が設けられ、この隙間に接着剤が溜まり、排水長溝を塞いでいる状態を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
A、B、C 軒樋継手
1、1a 軒樋接続部
2 底部
3、3a 前壁
31、31a 上部前壁部
32、31a 下部前壁部
33 排水溝
34、34a 繋ぎ部材
35 小片
36、36a 引掛部
37 スリット
38 切欠孔
4、4a 後壁
5 隙間
6 接着剤
Claims (2)
- 前壁の上部前壁部と下部前壁部との間に外面から内方に凹没する排水長溝が長手方向にわたって設けられ、上部前壁部は屋内側に向けて傾く傾斜面とされた軒樋を接続する軒樋継手において、
前記軒樋継手の前壁は、上部前壁部と、下部前壁部と、両前壁部との間に設けられた外面から内方に凹没する排水溝と、両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、
繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられ、
排水溝には、内方先端部に長手方向に全長にわたってスリットが設けられていることを特徴とする軒樋継手。 - 前壁の上部前壁部と下部前壁部との間に外面から内方に凹没する排水長溝が長手方向にわたって設けられ、上部前壁部は屋内側に向けて傾く傾斜面とされた軒樋を接続する軒樋継手において、
前記軒樋継手の前壁は、上部前壁部と、下部前壁部と、両前壁部を長手方向のほぼ中央部で繋ぐ繋ぎ部材とからなり、
繋ぎ部材は軒樋継手の内面に設けられ、繋ぎ部材の下端部に切欠孔が設けられ、この繋ぎ部材で軒樋継手の両端部に接続される一対の軒樋間に一定間隔が開けられていることを特徴とする軒樋継手。
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JP28717897A JP3792373B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | 軒樋継手 |
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1997
- 1997-10-20 JP JP28717897A patent/JP3792373B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH11124974A (ja) | 1999-05-11 |
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