JP3787861B2 - 内燃機関のスロットルバルブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冬季にスロットルバルブの上流側から吸気管の内周面を伝わってくる水分によるスロットルバルブの凍結を防止する機能を備えた内燃機関のスロットルバルブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なスロットルバルブの凍結防止構造は、図7に示すように、冬季にスロットルバルブ1の上流側から吸気管2の内周面を伝わってくる水分がスロットルバルブ1で塞き止められて凍結することを防止するために、スロットルボディ3にエンジン冷却温水を通す温水通路4を形成し、この温水通路4内にエンジン冷却温水を導入することで、スロットルボディ3を暖めてスロットルバルブ3の凍結を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構成では、スロットルボディ3の温水通路4の入口パイプ5とエンジン冷却系とをパイプやホース等で連結する必要があり、空きスペースの少ないエンジンルーム内への組付けが面倒であるばかりか、パイプやホース等の部品コストも高くつくという欠点がある。しかも、エンジン停止後の放置時間が長くなるに従って、エンジン冷却水が放熱により温度低下するため、長時間放置された車両については、エンジン冷却水による凍結防止が全く機能しなくなる欠点もある。
【0004】
更に、近年、スロットルボディ3のコスト低減や他部品との一体化を狙って、スロットルボディ3を樹脂化することが考えられている。しかし、樹脂は熱伝導率が低いため、スロットルボディ3を樹脂で形成すると、寒冷地では、エンジン冷却水を導入しただけでは、スロットルボディ3を氷点以上に暖めることは困難であり、スロットルバルブ3の凍結を防止しきれない。
【0005】
尚、実開平3−17156号公報には、スロットルボディにエンジン冷却水を導入せずにスロットルバルブの凍結を防止する構造が記載されているが、このものは、スロットルボディの下流側に連結されたサージタンク(コモンチャンバ)内で結露した水分によるスロットルバルブの凍結を防止するために、スロットルボディの下流側フランジとサージタンクとの連結部分にサージタンク側が低くなる段差部を形成し、サージタンク内で結露した水分がスロットルボディ側に流れ込まないようにしている。この凍結防止構造は、EGR付きエンジンの場合にサージタンク内で結露する水分が多くなることに対処したものであるが、スロットルバルブの上流側から空気の流れに沿って吸気管の内周面を伝わってくる水分に対しては全く効果がない。通常のエンジンでは、スロットルバルブの上流側から入ってくる水分が問題になり、この水分による凍結防止を如何に図るかが近年の重要な技術的課題となっている。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、エンジン冷却水をスロットルボディに導入しなくても、上流側からの水分によるスロットルバルブの凍結を防止できると共に、組付性向上、部品点数削減、樹脂化の要求も満たすことができる内燃機関のスロットルバルブ装置を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関のスロットルバルブ装置は、管状のスロットルボディ内に吸入空気量を制御するスロットルバルブを開閉可能に設けたものにおいて、前記スロットルボディ内周部における、少なくとも前記スロットルバルブの上流側から吸気管内周面を水分が伝わってくる下部に、上流側から伝わってくる水分を塞き止めるコの字状の塞き止め凹部を形成すると共に、この塞き止め凹部は、塞き止めた水分が溜まる下部に他に繋がる連通路を持たない構成とし、この塞き止め凹部の開口を前記スロットルバルブの上流側に位置させて該塞き止め凹部の開口を該スロットルバルブの下流側から上流側に向けて臨ませた構成としたものである。
【0008】
この構成では、スロットルバルブの上流側から吸気管内周面を伝わってくる水分が、スロットルボディ内周部の少なくとも下部に形成されたコの字状の塞き止め凹部で塞き止められ、空気の流れに抗してそこに溜めることができ、該水分がスロットルバルブに到達することが防がれる。このため、冬季にスロットルボディにエンジン冷却水を導入しなくても、塞き止め凹部で塞き止められ溜められた水分がそこで凍結するだけであり、スロットルバルブの凍結が防がれる。
【0009】
また、スロットルボディを、外管内に内管を配置した二重管構造とし、前記内管で吸気通路を形成してその内部にスロットルバルブを配置すると共に、前記外管と前記内管との間の空間を全周にわたって隔壁で仕切ってその上流側空間を塞き止め凹部として機能させる構成としている。
【0010】
この構成では、スロットルボディ内周部の全周にわたって塞き止め凹部が上流側に向けて形成されるため、スロットルバルブの上流側から吸気管内周面を伝わってくる水分が一層確実に塞き止め凹部で塞き止められる。また、スロットルボディが二重管構造であれば、スロットルボディの成形も容易である。
【0011】
更に、請求項3では、前記外管と前記内管との間に前記隔壁で仕切られた下流側空間の開口を前記スロットルバルブの下流側に臨ませた構成としている。この構成では、スロットルボディの下流側の空気通路(サージタンク)内で結露した水分がスロットルボディ側に伝ってきたとしても、その水分が下流側空間で塞き止められ、スロットルバルブに到達することが防がれる。
【0012】
また、請求項4では、前記外管と前記内管との間に前記隔壁で仕切られた上流側空間と下流側空間とを連通させるバイパス空気通路を形成し、このバイパス空気通路を通過する空気流量を調整するバイパス空気流量調整手段を設けた構成としている。
【0013】
この構成では、二重管構造を利用して、塞き止め凹部とバイパス空気通路との双方を形成することができ、これらを一体成形し易い構造となる。そして、バイパス空気通路を通過する空気流量を調整するバイパス空気流量調整手段は、アイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)或はバイパス空気通路面積をマニュアル調整するバイパススクリューのいずれであっても良い。ここで、ISCバルブは、アイドル運転時にアイドル回転数を安定させるためにバルブ開度がアクチュエータでフィードバック制御され、バイパススクリューは、工場でアイドル回転数を初期設定するとき、或は、吸気中の汚れの付着等によりスロットルバルブ全閉状態での吸気量(通気面積)が経時的に低下したときに、バイパス空気通路面積をマニュアル調整するのに用いられる。
【0014】
また、請求項5では、前記外管と前記内管との間に前記隔壁で仕切られた下流側空間に吸気管圧力センサの圧力検出部を配置している。これにより、隔壁で仕切られた下流側空間を吸気管圧力センサの圧力検出部の配置スペースとしても利用でき、圧力検出部の配置スペースを別途設ける必要がない。
【0015】
更に、請求項6では、前記隔壁における前記吸気管圧力センサの圧力検出部に対向する位置にパージ孔を形成した構成となっている。この構成では、隔壁のパージ孔を通過した空気流が吸気管圧力センサの圧力検出部に向かって流れる。これにより、吸気管圧力センサの圧力検出部が絶えず空気流にさらされて、吸気管圧力センサの圧力検出部への異物の付着が防止され、異物付着による吸気管圧力の検出精度の低下が抑えられる。
【0016】
また、請求項7では、前記スロットルボディを樹脂で一体成形した構成としている。前述したように、本発明は、スロットルバルブの上流側から入ってくる水分を塞き止め凹部で塞き止めることで、スロットルバルブの凍結を防ぐため、スロットルボディをエンジン冷却水で暖める必要がなく、熱伝導率が低い材料である樹脂でスロットルボディを一体成形しても、凍結防止性能を何等損なうことはない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。スロットルボディ11は、ゴムダクトからなる吸気管12の下流にバンド(図示せず)等で固定され、吸気管12の上流部にはエアクリーナ(図示せず)が装着されている。一方、スロットルボディ11の下流側にはサージタンク13がシール材10を挟んでボルト(図示せず)等で連結され、このサージタンク13から吸気マニホールド14を通してエンジン(図示せず)の各気筒に吸入空気が導入される。
【0018】
上記スロットルボディ11は、耐熱性のある樹脂の一体成形により外管15内にそれより少し短い内管16を同心状に配置した二重管構造に形成され、内管16で吸気通路が形成されてその中央部に軸17を介してスロットルバルブ18が組み込まれている。更に、外管15と内管16との間の空間がそのほぼ中央で全周にわたって隔壁19で仕切られ、この隔壁19の上流側空間20が吸気管12の内周面を伝わってくる水分を塞き止める塞き止め凹部20となっている。この塞き止め凹部20の開口をスロットルバルブ18の上流側に位置させて該塞き止め凹部20の開口を該スロットルバルブ18の上流側から上流側に向けて臨ませた構成となっている。この塞き止め凹部20は、塞き止めた水分が溜まる下部に他に繋がる連通路を持たない構成となっている(図1参照)。尚、外管15と内管16の上流側端面部は、吸入空気の通風抵抗を少なくするために、アール形状(丸みのある形状)に形成され、内管16の上流側端面部が外管15の上流側端面部よりも下流側にずらされている。これにより、塞き止め凹部20の空間をかせぐとともに、必要以上に内管16を上流部に突出させることを避け、材料の節減を図っている。
【0019】
また、外管15と内管16との間に隔壁19で仕切られた上流側空間20(塞き止め凹部)と下流側空間21には、それぞれ外管15の上壁部に空気流入口22と空気流出口23が形成され、外管15の外周部に空気流入口22と空気流出口23とを囲むように囲壁24が一体形成されている。そして、この囲壁24の上面開口部にシール材25を挟んでステップモータ26を嵌合装着して囲壁24の上面開口部を閉鎖することで、上流側空間20(塞き止め凹部)→空気流入口22→囲壁24内の空間→空気流出口23→下流側空間21の経路で空気が流れるバイパス空気通路27が形成されている。
【0020】
このバイパス空気通路27内には、空気流出口23に対向する位置にステップモータ26で駆動されるアイドルスピードコントロールバルブ(以下「ISCバルブ」と略記する)28がバイパス空気流量調整手段として設けられ、アイドル運転時に上記ISCバルブ28の開度(つまりISCバルブ28と空気流出口23との隙間)をステップモータ26でフィードバック制御することにより、アイドル回転数を安定化させるようになっている。尚、空気流出口23の上縁部は、ISCバルブ28の形状に対応してテーパ状に形成され、弁座として機能するようになっている。
【0021】
一方、サージタンク13の上流側フランジ部13aの開口面積は、スロットルボディ11内の空気通路面積である内管16の開口面積とほぼ同一になるように設定され、内管16からサージタンク13への通風抵抗を小さくするようにしている。また、フランジ部13aのISCバルブ28側端面13aaは空気流出口23を塞ぐように設けられているので、下流側からの汚れがISCバルブ28に悪影響を与えない。フランジ部13aの重力方向側端面13abは後述する下流側空間21に水分を溜めるように構成されていれば良く、下流側からの水分が隙間29を飛び越えてスロットルバルブ18に付着しないよう、フランジ部13aの重力方向側端面13abを図1に示された位置より下方に形成しても良い。
【0022】
そして、内管16とサージタンク13の上流側フランジ部13a端面との間には、全周にわたって隙間29が形成され、バイパス空気通路27を通過したバイパス空気が上記隙間29からサージタンク13内に流入すると共に、サージタンク13内で結露した水分が上記隙間29からスロットルボディ11内の下流側空間21に流れ込んで溜められるようになっている。
【0023】
また、図2及び図3に示すように、スロットルボディ11の外周左側部には、半導体圧力センサからなる吸気管圧力センサ30が取り付けられ、スロットルボディ11内の下流側空間21の外周壁(外管15)に形成されたセンサ導入穴31から吸気管圧力センサ30の圧力検出部32(圧力導入管部)が下流側空間21内に導入され、これら圧力検出部32とセンサ導入穴31との間がシール材33によってシールされている。更に、上流側空間20(塞き止め凹部)と下流側空間21とを仕切る隔壁19には、吸気管圧力センサ30の圧力検出部32に対向する位置に小径のパージ孔34が形成され、このパージ孔34を通過した空気流が圧力検出部32に向かって流れるようになっている。
【0024】
尚、図2に示すように、スロットルボディ11の外周右側部には、スロットルバルブ18の軸17に連結されたスロットルレバー35が設けられ、このスロットルレバー35とアクセルペダル(図示せず)との間がアクセルワイヤ(図示せず)で連結されている。これにより、アクセルペダルの踏み込み量に応じてスロットルレバー35が回動され、それと一体的にスロットルバルブ18が回動される。
【0025】
以上説明した第1の実施形態では、スロットルボディ11が二重管構造となっていて、スロットルボディ11内の全周にわたって塞き止め凹部20(上流側空間)が上流側に向けて形成されているので、スロットルバルブ18の上流側から吸気管12の内周面を伝わってくる水分がスロットルボディ11に到達しても、その水分が確実に塞き止め凹部20で塞き止められ、スロットルバルブ18に到達することが防がれる。しかも、スロットルボディ11内の隔壁19で仕切られた下流側空間21の開口を隙間29を介してスロットルバルブ18の下流側のサージタンク13に臨ませているので、サージタンク13内で結露した水分がスロットルボディ11側に伝ってきても、その水分が隙間29から下流側空間21に流れ込んで溜められ、スロットルバルブ18に到達することが防がれる。このため、従来のように冬季にスロットルボディ11にエンジン冷却水を導入しなくても、塞き止め凹部20(上流側空間)と下流側空間21で塞き止められた水分がそこで凍結するだけであり、スロットルバルブ18の凍結が防がれる。しかも、スロットルボディ11にエンジン冷却水を導入する構成にする必要がないので、スロットルボディ11とエンジン冷却系とをパイプやホース等で連結する必要が無くなり、エンジンルーム内への組付けが著しく簡単になると共に、部品点数削減、部品コスト削減も実現できる。
【0026】
更に、上記実施形態では、外管15と内管16との間に隔壁19で仕切られた塞き止め凹部20(上流側空間)と下流側空間21とを連通させるバイパス空気通路27を形成し、このバイパス空気通路27を利用してISCバルブ28を設けるようにしたので、スロットルボディ11の二重管構造を利用して、塞き止め凹部20とISCバルブ28のバイパス空気通路27との双方を形成することができ、これらを一体成形し易い構造となり、成形型の構成簡単化、成形コスト低減の要求も満たすことができる。
【0027】
尚、上記実施形態では、バイパス空気通路27にISCバルブ28を設けたが、バイパススクリューを空気流入口22に対向させて設けるようにしても良い。このバイパススクリューは、工場でアイドル回転数を初期設定するとき、或は、吸気中の汚れの付着等によりスロットルバルブ18の全閉状態での吸気量(通気面積)が経時的に低下したときに、それをマニュアル調整するのに用いられる。ISCバルブ28とバイパススクリューの双方を設けても良いし、いずれか一方のみを設けるようにしても良い。
【0028】
また、上記実施形態では、スロットルボディ11内の下流側空間21に吸気管圧力センサ30の圧力検出部32を配置しているので、下流側空間21を圧力検出部32の配置スペースとしても利用でき、圧力検出部32の配置スペースを別途設ける必要がなく、加工費削減が可能になると共に、吸気管圧力センサ30の組み付けも容易である。
【0029】
しかも、上記実施形態では、隔壁19における圧力検出部32に対向する位置にパージ孔34を形成しただけで、圧力検出部32に絶えず空気流を当てて、圧力検出部32への異物の付着を防止することができ、異物付着による吸気管圧力の検出精度の低下を抑えることができる。
【0030】
更に、前述したように、上記実施形態では、二重管構造のスロットルボディ11内に仕切り形成された塞き止め凹部20(上流側空間)と下流側空間21とによってスロットルボディ11内で水分を塞き止めることで、スロットルバルブ18の凍結を防ぐため、スロットルボディ11をエンジン冷却水で暖める必要がない。このため、スロットルボディ11の形成材料に要求される物理特性として高熱伝導性は不要となり、熱伝導率が低い樹脂でスロットルボディ11を一体成形しても、凍結防止性能を何等損なうことはなく、優れた凍結防止性能を確保できる。しかも、スロットルボディ11の樹脂化により低コスト化と軽量化が可能となり、更には、スロットルボディ11と吸気管12やサージタンク13との樹脂一体化も可能となる。
【0031】
以上説明した第1の実施形態では、スロットルボディ11を二重管構造にしたが、本発明の所期の目的を達成するのに必ずしも二重管構造にする必要はなく、例えば図4に示す本発明の第2の実施形態のように、樹脂の一体成形によりスロットルボディ41の下部のみに塞き止め凹部42を形成し、この塞き止め凹部42の開口をスロットルバルブ18の上流側に臨ませた構成としても良い。
【0032】
この第2の実施形態では、前記第1の実施形態で設けられていたバイパス空気通路27や下流側空間21が無く、塞き止め凹部42のみが設けられた極めて単純な構成となっている。この構成でも、スロットルボディ41の下部に形成された塞き止め凹部42によって上流側からの水分を塞き止めることができ、本発明の所期の目的は達成できる。
【0033】
また、図5に示す本発明の第3の実施形態では、樹脂の一体成形によりスロットルボディ43の全周に塞き止め凹部44を形成し、この塞き止め凹部44の開口をスロットルバルブ18の上流側に臨ませた構成としている。この第3の実施形態でも、前記第1の実施形態で設けられていたバイパス空気通路27や下流側空間21が無い。
【0034】
一方、図6に示す本発明の第4の実施形態では、前記第1の実施形態と同じく、スロットルボディ45を、樹脂の一体成形により外管46内にそれより短い内管47を同心状に配置した二重管構造に形成し、外管46と内管47との間の空間をそのほぼ中央で全周にわたって隔壁48で仕切って、塞き止め凹部49(上流側空間)と下流側空間50を形成している。この第4の実施形態の特徴は、内管47の内周面を中央部から上流側/下流側に向けて拡開するテーパ状に形成した点であり、これにより、水分がスロットルバルブ18に一層到達しにくくなっている。この第4の実施形態でも、前記第1の実施形態で設けられていたバイパス空気通路27が無い。
【0035】
以上説明した各実施形態では、いずれもスロットルボディを樹脂で形成したが、従来同様、アルミニウム等の金属で形成しても良い。
【0036】
また、上記第1の実施形態では、上流側空間20(塞き止め凹部)→空気流入口22→囲壁24内の空間→空気流出口23→下流側空間21の経路で空気が流れるバイパス空気通路27を形成したが、上流側空間20(塞き止め凹部)と下流側空間21とを仕切る隔壁19にバイパス通気口を形成し、上流側空間20(塞き止め凹部)→バイパス通気口→下流側空間21の経路でバイパス空気通路を形成し、バイパス通気口の開口面積をスライドバルブ等で調整するバイパス空気流量調整手段を設けた構成としても良い。
【0037】
その他、上記第1の実施形態において、ISCバルブ28の駆動源として、ステップモータ26に代えて、ロータリソレノイド、リニアソレノイド等の他のアクチュエータを用いるようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1の構成によれば、スロットルボディ内周部の少なくとも下部に塞き止め凹部を形成し、スロットルバルブの上流側から吸気管内周面を伝わってくる水分を上記塞き止め凹部で塞き止めるようにしたので、エンジン冷却水をスロットルボディに導入しなくても、上流側からの水分によるスロットルバルブの凍結を防止できると共に、スロットルボディとエンジン冷却系とをパイプやホース等で連結する必要が無くなり、エンジンルーム内への組付性を向上することができると共に、部品点数削減、部品コスト削減も実現できる。しかも、樹脂によるスロットルボディの一体成形を凍結防止性能を損なうことなく実現でき、スロットルボディの軽量化やコストダウンの要求も満たすことができる。
【0039】
また、請求項2では、スロットルボディを、外管内に内管を配置した二重管構造とし、スロットルボディ内周部の全周にわたって塞き止め凹部を形成したので、スロットルバルブの上流側から吸気管内周面を伝わってくる水分を一層確実に塞き止め凹部で塞き止めることができて、凍結防止性能を向上できると共に、スロットルボディが二重管構造であれば、スロットルボディの成形も極めて容易である。
【0040】
更に、請求項3では、外管と内管との間に隔壁で仕切られた下流側空間の開口をスロットルバルブの下流側に臨ませているので、スロットルボディの下流側の空気通路(サージタンク)内で結露した水分を下流側空間で塞き止めることができて、凍結防止性能を一層向上できる。
【0041】
また、請求項4では、外管と内管との間に隔壁で仕切られた上流側空間と下流側空間とを連通させるバイパス空気通路を形成したので、二重管構造を利用して塞き止め凹部とバイパス空気通路との双方を形成することができ、スロットルボディの構造を一層単純化することができ、スロットルボディの成形性を更に向上できる。
【0042】
また、請求項5では、外管と内管との間に隔壁で仕切られた下流側空間を吸気管圧力センサの圧力検出部の配置スペースとしても利用するので、圧力検出部の配置スペースを別途設ける必要がなく、加工費削減が可能になる。
【0043】
更に、請求項6では、隔壁に形成したパージ孔を通過した空気流が吸気管圧力センサの圧力検出部に向かって流れるようになっているので、吸気管圧力センサの圧力検出部への異物の付着を空気流によって防止することができて、異物付着による吸気管圧力の検出精度の低下を抑えることができる。
【0044】
また、請求項7では、スロットルボディを樹脂で一体成形することにより、スロットルボディの軽量化やコストダウンが可能になると共に、他の部品との一体成形も可能となり、一層の部品点数削減、組立性向上も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスロットルボディの縦断面図
【図2】スロットルボディの正面図
【図3】吸気管圧力センサの周辺部分の断面図
【図4】本発明の第2の実施形態を示すスロットルボディの縦断面図
【図5】本発明の第3の実施形態を示すスロットルボディの縦断面図
【図6】本発明の第4の実施形態を示すスロットルボディの縦断面図
【図7】従来のスロットルボディの縦断面図
【符号の説明】
11…スロットルボディ、12…吸気管、13…サージタンク、15…外管、16…内管、18…スロットルバルブ、19…隔壁、20…塞き止め凹部(上流側空間)、21…下流側空間、22…空気流入口、23…空気流出口、24…囲壁、26…ステップモータ、27…バイパス空気通路、28…ISCバルブ(バイパス空気流量調整手段)、30…吸気管圧力センサ、32…圧力検出部、34…パージ孔、41…スロットルボディ、42…塞き止め凹部、43…スロットルボディ、44…塞き止め凹部、45…スロットルボディ、46…外管、47…内管、48…隔壁、49…塞き止め凹部(上流側空間)、50…下流側空間。
Claims (7)
- 管状のスロットルボディ内に吸入空気量を制御するスロットルバルブを開閉可能に設けた内燃機関のスロットルバルブ装置において、
前記スロットルボディ内周部における、少なくとも前記スロットルバルブの上流側から吸気管内周面を水分が伝わってくる下部に、上流側から伝わってくる水分を塞き止めるコの字状の塞き止め凹部を形成すると共に、この塞き止め凹部は、塞き止めた水分が溜まる下部に他に繋がる連通路を持たない構成とし、この塞き止め凹部の開口を前記スロットルバルブの上流側に位置させて該塞き止め凹部の開口を該スロットルバルブの下流側から上流側に向けて臨ませ、
前記スロットルボディを、外管内に内管を配置した二重管構造とし、前記内管で吸気通路を形成してその内部に前記スロットルバルブを配置すると共に、前記外管と前記内管との間の空間を全周にわたって隔壁で仕切ってその上流側空間を前記塞き止め凹部として機能させるようにしたことを特徴とする内燃機関のスロットルバルブ装置。 - 管状のスロットルボディ内に吸入空気量を制御するスロットルバルブを開閉可能に設けた内燃機関のスロットルバルブ装置において、
前記スロットルボディを、外管内に内管を配置した二重管構造とし、前記内管で吸気通路を形成してその内部に前記スロットルバルブを配置すると共に、前記外管と前記内管との間の空間を全周にわたって隔壁で仕切ってその上流側空間にて前記スロットルバルブの上流側から吸気管内周面を伝わってくる水分を塞き止めるコの字状の塞き止め凹部を形成し、この塞き止め凹部の開口を前記スロットルバルブの下流側から上流側に向けて臨ませたとを特徴とする内燃機関のスロットルバルブ装置。 - 前記外管と前記内管との間に前記隔壁で仕切られた下流側空間の開口を前記スロットルバルブの下流側に臨ませたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のスロットルバルブ装置。
- 前記外管と前記内管との間に前記隔壁で仕切られた上流側空間と下流側空間とを連通させるバイパス空気通路を形成し、このバイパス空気通路を通過する空気流量を調整するバイパス空気流量調整手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の内燃機関のスロットルバルブ装置。
- 前記外管と前記内管との間に前記隔壁で仕切られた下流側空間に吸気管圧力センサの圧力検出部を配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関のスロットルバルブ装置。
- 前記隔壁には、前記吸気管圧力センサの圧力検出部に対向する位置にパージ孔を形成したことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関のスロットルバルブ装置。
- 前記スロットルボディを樹脂で一体成形したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関のスロットルバルブ装置。
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