JP3780795B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に用いて好適の無段変速機の変速制御装置に関し、無段変速機の変速比が機械的に制限される限界領域を考慮した、無段変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機は、変速比を連続的に制御することにより変速ショックを回避できる点や燃料消費効率の優れた点に着目され、特に車両用としての開発が盛んに行なわれている。
このような無段変速機の一つであるベルト式無段変速機の場合、機関(エンジン)で発生した動力がプライマリプーリからベルト,セカンダリプーリを介して駆動輪側へと伝達され、このときのプライマリプーリ及びセカンダリプーリの有効半径を変更することで変速比が制御されるようになっている。通常はセカンダリプーリの油圧ピストンには伝達トルクなどの基本特性に合わせて設定された油圧(ライン圧)を作用させてベルトへのクランプ力を与える一方、プライマリプーリの油圧ピストンに作用させる油圧(又は油量)を調整することで変速比の制御を行なう。なお、変速比は、プライマリプーリの回転速度NP とセカンダリプーリの回転速度NS との比NP /NS や、セカンダリプーリの有効半径RS とプライマリプーリ有効半径RP との比RS /RP 等で表すことができる。
【0003】
このような変速制御は、一般に、プライマリプーリの回転数(回転速度,プライマリ回転数ともいう)に基づくフィードバック制御により行なっている。つまり、プライマリプーリの目標回転数を車速やスロットル開度に基づいて設定し、プライマリプーリの実回転数がこの目標回転数になるように、プライマリプーリ側に作用させる油圧や油量を制御するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無段変速機は変速比を連続的に調整できるが、この変速比の調整範囲は無段変速機の機械的な制約から変速限界がある。例えばベルト式無段変速機の場合、プライマリプーリの有効半径RP を最小にセカンダリプーリの有効半径RS を最大にすると変速比は最大(これをフル・ローと呼ぶ)となり、逆に、プライマリプーリの有効半径RP を最大にセカンダリプーリの有効半径RS を最小にすると変速比は最小(これをフル・オーバドライブと呼ぶ)となるが、変速比はこのフル・ローを上限にフル・オーバドライブを下限にした範囲内で調整可能になる。
【0005】
このような変速限界に相当する変速比(変速比限界値)を予め厳密に把握できれば、目標とする変速比がこの変速比限界値を越えないように設定し、且つ、実際の変速比を厳密に測定できれば、変速可能な範囲全域(上限の変速比限界値と下限の変速比限界値と間の全変速比域)で、フィードバック制御により変速比を制御することが可能になる。
【0006】
しかしながら、実際には、変速比限界値を厳密に把握することは困難である。これは、全ての無段変速機が設計どおりに製造されていれば、変速比限界値は例えば図9に実線a1 ,a2 で示すようになるが、実際には、製造誤差があるため、変速比限界値は例えば図9に二点鎖線b1 ,c1 ,b2 ,c2 で示すように設定どおりとはならないからである。
【0007】
このため、設計仕様の変速比限界値a1 ,a2 に対して想定される変速比誤差分αよりも大きい値β(β>α)だけ設計仕様の変速比限界値a1 ,a2 よりも内側にフィードバック制御用変速比限界値を設けて(図9の破線d1 ,d2 参照)、この変速比限界値d1 ,d2 内でフィードバック制御を行なう必要が生じてくる。
そこで、フル・ローに相当する上限の変速比限界値a1 よりも所定量(想定誤差以上の量)β1 だけ小さい上限変速比限界値d1 (=a1 −β1 )と、フル・オーバドライブに相当する下限の変速比限界値a2 よりも所定量(想定誤差以上の量)β2 だけ大きい下限変速比限界値d2 (=a1 +β2 )とを設けて、実変速比Rが上限変速比限界値d1 と下限変速比限界値d2 との間にあるときには、フィードバック制御により変速比を制御し、実変速比Rが上限変速比限界値d1 よりも大きい場合や、下限変速比限界値d2 よりも小さい場合には、オープンループ制御により変速比を制御することが考えられる。
【0008】
しかしながら、例えば目標変速比が下限変速比限界値よりもフル・オーバドライブ側になって、フィードバック制御からオープンループ制御に切り換わると、フル・オーバドライブ移行時に変速比が大きくステップ的に移行するため、シフトショックを招き、ドライバビリティが悪化するという課題がある。
つまり、フル・オーバドライブへの移行時に、オープンループ制御に切り換わると、変速比は、例えば図9に点A1で示す下限変速比限界値の状態から点A2で示す機械的に決められる変速比限界値の状態へと速やかに調整され、A1とA2との差分だけほぼステップ的に急変することになり、シフトショックを招いてしまう。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、無段変速機において変速比を制御するにあたって、その無段変速機に固有の変速比限界値を把握できるようにして、変速比制御時の制御態様の切換による生じるシフトショックを抑制し、フィードバック制御領域を拡張して変速比制御性能の向上を実現することができるようにした、無段変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1にかかる本発明の無段変速機の変速制御装置では、無段変速機の実変速比を表すパラメータ値が目標値となるように変速制御を行なう。この変速制御時に、推定手段が、実変速比が機械的に制限される変速比限界値にあるか否かを推定し、学習補正手段が、推定手段による推定結果に基づいて上記変速比限界値を学習補正する。変速比限界値を決める機械的な制限は個々の無段変速機により異なるため、変速比限界値も個々の無段変速機により異なるが、このような変速比限界値を精度よく認識することができ、この認識した変速比限界値を考慮して変速制御を行なうことによって、安定した変速制御を実施できる。
【0011】
そして、上記変速比限界値に達しない範囲で規定されるフィードバック制御用変速比限界値が設けられ、フィードバック変速制御手段は、実変速比が上記フィードバック制御用変速比限界値以内の領域では、パラメータ値が目標値となるようにフィードバック制御により変速制御を行なう。このとき、変更手段が、上記の学習補正された変速比限界値に基づいてフィードバック制御用変速比限界値を変更する。フィードバック制御用変速比限界値は、変速比限界値領域内にあるので、特に積分項を用いたフィードバック制御の場合に、積分値が過大に溜まることがなく、例えばダウンシフト側への変速指令に対しても素早く応答できる。そして、変速比限界値は学習補正により精度が高まることから、この学習補正された変速比限界値に基づけば、フィードバック制御用変速比限界値をより広範囲に変更することが可能になり、フィードバック制御領域を増大させることができるため、安定した変速制御を実施でき、さらに、変速比の全域をフィードバック制御領域とすることも可能になり、変速機に応じて最適なフィードバック制御を行なえるようになる。
また、上記学習補正手段は、上記推定手段により、学習期間内に得られた上記実変速比が上記変速比限界値にあると推定されると、該学習期間において上記実変速比算出手段により算出された上記パラメータ値の平均値を上記変速比限界値の更新値とすることが好ましい。
【0012】
請求項3にかかる本発明の無段変速機の変速制御装置では、切換手段は、上記実変速比が上記フィードバック制御用変速比限界値を外れた領域では、このフィードバック変速制御手段によるフィードバック制御からオープンループ変速制御手段によるオープンループ制御へと変速制御を切り換え、この切換後は、オープンループ変速制御手段では、上記パラメータ値が上記変速比限界値となるようにオープンループ制御により変速制御を行なう。フィードバック制御用変速比限界値と変速比限界値とが離れていると、フィードバック制御からオープンループ制御に切り換える際に変速比がステップ状に変化してシフトショックを招きやすいが、学習補正手段が、推定手段による推定に基づいて上記変速比限界値を学習補正するので、この変速比限界値に達しない範囲で規定するフィードバック制御用変速比限界値をより変速比限界値に近い値に設定することができ、変速比のステップ状変化を抑制してシフトショックを低減することができる。
【0013】
なお、好ましくは、上記構成に加えて、オープンループ制御への移行が完了したか否かを判定する判定手段と、この移行終了からの経過時間を計時する計時手段と、この移行終了から所定時間経過後までの学習期間の上記パラメータ値の最大値と最小値とを求める手段と、上記所定時間経過後までの学習期間における上記パラメータ値の平均値を求める手段とを設けて、上記の最大値と最小値との差が所定値未満のとき、上記平均値に基づいて上記変速比限界値を学習補正するように構成する。
【0014】
この構成によれば、オープンループ制御への移行から所定時間経過してから学習の可否が判断されるので、移行直後の不安定な状態を排除することができる。また、外乱等で瞬時的にパラメータ値が変動したとしても、それを除去することができるので、学習補正が安定する効果もある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図6は本発明の第1実施形態としての無段変速機の変速制御装置を示すものであり、図7,図8は本発明の第2実施形態としての無段変速機の変速制御装置を示すものである。
【0016】
まず、第1実施形態について、図1〜図6に基づいて説明する。
はじめに、本実施形態の無段変速機が装備される車両の動力伝達機構について説明すると、図2(a),(b)に示すように、この動力伝達機構では、内燃機関(エンジン)1から出力された回転は、トルクコンバータ(トルコン)2を介してベルト式無段変速機(CVT)20に伝達され、さらに図示しないカウンタシャフトからフロントデフ31へ伝達されるようになっている。
【0017】
そして、トルコン2の出力軸7とCVT20の入力軸24との間には、正転反転切換機構4が配設されており、エンジン1からトルコン2を介して入力される回転は、この正転反転切換機構4を介してCVT20に入力されるようになっている。CVT20は、変速制御等を後述の油圧制御により行なう油圧式無段変速機となっている。
【0018】
このCVT20についてさらに詳述すると、CVT20は、プライマリプーリ21とセカンダリプーリ22とベルト23とから構成されており、正転反転切換機構4からプライマリシャフト24に入力された回転は、プライマリシャフト24と同軸一体のプライマリプーリ21からベルト23を介してセカンダリプーリ22へ入力されるようになっている。
【0019】
プライマリプーリ21,セカンダリプーリ22はそれぞれ一体に回転する2つのシーブ21a,21b,22a,22bから構成されている。それぞれ一方のシーブ21a,22aは軸方向に固定された固定シーブであり、他方のシーブ21b,22bは油圧アクチュエータ21c,22cによって軸方向に可動する可動シーブになっている。
【0020】
油圧アクチュエータ21c,22cには、オイルタンク61内の作動油をオイルポンプ62で加圧して得られる制御油圧が供給され、これに応じて可動シーブ21b,22bの固定シーブ21a,22a側への押圧力が調整されるようになっている。セカンダリプーリ22の油圧アクチュエータ22cには、調圧弁(ライン圧調整弁)63により調圧されたライン圧PL が加えられ、プライマリプーリ21の油圧アクチュエータ21cには、調圧弁63により調圧された上で流量制御弁(変速比調整弁)64により流量調整された作動油が供給され、この作動油が変速比調整用油圧(プライマリ圧)PP として作用するようになっている。なお、ここでは、調圧弁63及び流量制御弁64は、後述する電磁ソレノイド弁63A,64Aのデューティ制御によって制御される。
【0021】
ライン圧は、ベルト23の滑りを回避して動力伝達性を確保できる範囲で可能な限り低い圧力にすることが、オイルポンプ62によるエネルギ損失の低減や変速機自体の耐久性を高める上で重要であり、変速機入力トルク,変速比と対応する値等に基づいてベルト張力制御圧(ライン圧に対応する圧力)Pout を設定し、このベルト張力制御圧Pout に基づいて、調圧弁63を制御してオイルポンプ62の吐出圧を調圧することにより、ライン圧制御を行なうようになっている。
【0022】
また、セカンダリプーリ22の油圧アクチュエータ22cに与えられるライン圧PL 及びプライマリプーリ21の油圧アクチュエータ21cに与えられるプライマリ圧PP は、コントローラ(電子制御コントロールユニット=ECU)50の指令信号により、それぞれ制御されるようになっている。
つまり、ECU50には、エンジン回転数センサ(クランク角センサ又はカム角センサ)41,スロットル開度センサ46,プライマリプーリ21の回転数(回転速度,プライマリ回転数)NP を検出するプライマリ回転センサ43,セカンダリプーリ22の回転数(回転速度,セカンダリ回転数)NS を検出するセカンダリ回転センサ44,ライン圧を検出するライン圧センサ45,変速比調整用油圧(プライマリ圧)PP を検出するプライマリ圧センサ(油圧検出手段)47,A/Fセンサ48,作動油の油温を検出する油温センサ(図示略)等の各種検出信号が入力され、ECU50では、これらの検出信号に基づいて各プーリ21,22への油圧供給系にそなえられた調圧弁63や流量制御弁64を制御するようになっている。
【0023】
そして、図2(b)に示すように、ECU50には、上述の流量制御弁64の制御(変速比制御)を行なう機能(変速制御手段又はプライマリ圧制御手段)52と、調圧弁63の制御(ライン圧制御)を行なう機能(ライン圧制御手段)53とが設けられている。
特に、変速制御手段52には、図1に示すように、プライマリプーリ(回転要素)21の油圧制御系である流量制御弁(変速比調整弁)64をフィードバック制御するフィードバック制御手段54と、流量制御弁64をオープンループ制御するオープンループ制御手段55と、フィードバック制御とオープンループ制御とを切り換える切換手段(第1の切換手段)56とがそなえられ、流量制御弁64の制御、即ち、変速比の制御を切換手段56を通じてフィードバック制御(以下、F/Bともいう)とオープンループ制御(以下、O/Lともいう)とのいずれかで行なうようになっている。
【0024】
また、変速制御手段52には、変速比限界値Rlim を学習する学習手段57と、この学習手段57による学習結果に基づいて切換手段56における切換基準を変更する変更手段58とがそなえられ、フィードバック制御とオープンループ制御との切換は、変速比限界値Rlim の学習結果を反映させて行なうようになっている。
【0025】
ここで、まず、フィードバック制御手段54,切換手段(第1の切換手段)56,オープンループ制御手段55についてさらに説明する。なお、オープンループ制御領域は、フル・ロー付近及びフル・オーバドライブ(以下、ODという)付近にあるため、以下の説明中では、変速比限界値Rlim1やF/B限界値RF/Blimやこれを設定するための量β,γ等について、フル・ロー側とフル・OD側とを区別する場合、フル・ロー側のものには添字1をフル・OD側のものには添字2を付けて表記し、区別しない場合には、添字は付けないで表記する。
【0026】
フィードバック制御手段54についての詳細は後述するが、このフィードバック制御手段54は、車両の通常走行時には、プライマリプーリ21の回転数に基づいて流量制御弁64を回転数フィードバック制御し、車両が略停止状態(極低速走行状態或いは停止状態)にある時にはプライマリ圧に基づいて流量制御弁64を圧力フィードバック制御する。
【0027】
切換手段56は、フィードバック制御用変速比限界値(以下、F/B限界値という)RF/Blimを基準に変速制御モードの切換を行なう。つまり、変速比の調整が可能なのは、無段変速機の機械的な制約から規定される変速比限界値Rlim 以内〔フル・ロー側変速比限界値Rlim1とフル・OD側変速比限界値Rlim2との間〕の変速比領域である。しかし、変速比の調整が可能な全領域で変速制御を行なうには、変速比限界値Rlim を正確に把握することが必要になる。本車両用無段変速機の変速制御装置では、後述の学習制御によって個々の無段変速機の変速比限界値Rlim をより精度良く把握できるので、図6に1点鎖線fで示すようにF/B限界値RF/Blimをより変速比限界値Rlim (図6の実線e参照)に近づけた値に設定している。
【0028】
つまり、無段変速機の仕様に基づいて決定する基準の変速比限界値RlimSに対して、実際の無段変速機の変速比限界値Rlim は製造誤差に起因した誤差分(±α)が想定されるため、F/B限界値RF/Blimは、フル・ロー側のものRF/Blim1 については次式(1)に示すようにフル・ロー側の基準の変速比限界値RlimS1 に対して誤差分αよりも大きな量β1 (β1 >α)だけ、フル・OD側のものRF/Blim2 については次式(2)に示すようにフル・OD側の基準の変速比限界値RlimS2 に対して誤差分αよりも大きな量β2 (β2 >α)だけ内側(変速比限界値から遠ざかる側)に設定することになる。
【0029】
RF/Blim1 =RlimS1 −β1 ・・・(1)
RF/Blim2 =RlimS2 +β2 ・・・(2)
これに対して、本実施形態では、学習制御によって推定した変速比限界値Rlim に対して、微小な余裕分γ1,γ2 (γ1,≪α,γ2 ≪α)だけ内側(変速比限界値から遠ざかる側)にF/B限界値RF/Blimを設定している。つまり、例えばフル・ロー側のF/B限界値RF/Blim1 については次式(3)に示すように、また、フル・OD側のF/B限界値RF/Blim2 については次式(4)に示すように設定する。
【0030】
RF/Blim1 =Rlim1−γ1 ・・・(3)
RF/Blim2 =Rlim2+γ2 ・・・(4)
上式は、フル・ロー近辺のF/B限界値RF/Blim1 は変速上限値Rlim1よりも所定量γ1だけフル・OD側の変速比に、フル・OD近辺のF/B限界値RF/Blim2 は変速下限値Rlim2よりも所定量γ2 だけフル・ロー側の変速比に設定されることを示す。
【0031】
そして、「F/B限界値RF/Blimを越えること」は、「フル・ロー近辺のF/B限界値RF/Blim1 よりもフル・ロー側になること」又は「フル・OD近辺のF/B限界値RF/Blim2 よりもフル・OD側になること」であり、「F/B限界値RF/Blim以内になること」は、「フル・ロー近辺のF/B限界値RF/Blim1 よりもフル・OD側になること」又は「フル・OD近辺のF/B限界値RF/Blim2 よりもフル・ロー側になること」である。
【0032】
切換手段56では、フィードバック制御手段54によるフィードバック制御時に、実変速比RがF/B限界値RF/Blimを越え、且つ、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blimを越えたら、オープンループ制御手段55によるオープンループ制御に移行するよう切り換える。一方、切換手段56では、オープンループ制御手段55によるオープンループ制御時に、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blim以内になったら、フィードバック制御手段54によるフィードバック制御に移行するように切り換える。
【0033】
なお、F/B限界値RF/Blimには、フル・ローの変速限界値(変速上限値)Rlim1とフル・ODの変速限界値(変速下限値)Rlim2とがあるため、フィードバック制御からオープンループ制御への切換は、実変速比Rがフル・ローの近辺では、回転数フィードバック制御時に、実変速比RがF/B限界値RF/Blim1 よりも大〔次式(5)が成立する〕で、且つ、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blim1 よりも大〔次式(6)が成立する〕ならば行ない、実変速比Rがフル・ODの近辺では、回転数フィードバック制御時に、実変速比RがF/B限界値RF/Blim2 よりも小〔次式(7)が成立する〕、且つ、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT がF/B限界値RF/Blim2 よりも小〔次式(8)が成立する〕ならば行なう。
【0034】
NP >RF/Blim1 ・NS ・・・(5)
NPT>RF/Blim1 ・NS ・・・(6)
NP <RF/Blim2 ・NS ・・・(7)
NPT<RF/Blim2 ・NS ・・・(8)
また、オープンループ制御からフィードバック制御への切換は、実変速比Rがフル・ローの近辺では、オープンループ制御時に、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT がF/B限界値RF/Blim1 よりも小〔次式(9)が成立する〕ならば行ない、実変速比Rがフル・ODの近辺では、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT がF/B限界値RF/Blim2 よりも大〔次式(10)が成立する〕なら行なう。
【0035】
NPT<(フル・ローのRF/Blim1 )・NS ・・・(9)
NPT>(フル・ODのRF/Blim2 )・NS ・・・(10)
オープンループ制御手段55で行なうオープンループ制御では、オープンループ制御開始後は、一制御周期における制御量(制御デューティ)DROUT の変化量(フル・ロー側なら増大量の大きさ、フル・OD側なら減少量の大きさ)ΔDRを一定値ΔDRLW又はΔDRODに設定して、制御量DROUT が所定値に達するまで、変化させる。例えばフル・ロー側のオープンループ制御の場合、制御量DROUT をΔDRLWずつ増加させ、フル・OD側のオープンループ制御の場合、制御量DROUT をΔDRODずつ減少させる。
【0036】
そして、制御量DROUT が所定値(フル・ロー側なら上限値、フル・OD側なら下限値)に達したら、制御量DROUT をこの所定値(上限値,下限値)に保持する。この所定値とは、制御量DROUT をこの所定値とすることで実変速比Rを必ず変速比限界値(フル・ロー側なら上限の変速比限界値、フル・OD側なら下限の変速比限界値)Rlim1,Rlim2に到達させることのできる値であり、この値は予め試験結果等から設定することができる。この所定値とは、基準の制御量(制御デューティ)DRHOLDに対して所定量ΔDRODSET だけ変化させた値として設定することができ、例えばフル・ロー側の場合、基準の制御量(制御デューティ)DRHOLDに対して所定量ΔDRODSET1だけ増加させた値(DRHOLD+ΔDRODSET1)を上限値とし、これを制御量DROUT として保持することになる。また、フル・OD側の場合、基準の制御量(制御デューティ)DRHOLDに対して所定量ΔDRODSET2だけ減少させた値(DRHOLD−ΔDRODSET2)を下限値とし、これを制御量DROUT として保持することになる。
【0037】
もちろん、このようなオープンループ制御中に、フィードバック制御への切換条件が成立したら、このような処理は中止して、速やかにフィードバック情報に基づいた制御に移行する。
次に、学習手段57,変更手段58についてさらに説明する。
学習手段57は、無段変速機の変速比が機械的に制限される変速比限界値Rlim にあるか否かを推定する推定手段57Aと、推定手段57Aにより推定された変速比限界値Rlim を学習補正する学習補正手段57Bとをそなえ、学習手段57では、変速比の制御(流量制御弁64の制御)がオープンループ制御に切り換えられた後の無段変速機の運転状態から変速比限界値Rlim を学習する。
【0038】
以下、実変速比Rがフル・ODの近辺の場合を例に説明する。
実変速比RがF/B限界値RF/Blim2 よりも低下し且つ目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blim2 よりも低下したら、図3(a)に線CMで示すように、フィードバック制御(F/B制御)からオープンループ制御(O/L制御)に切り換わるが、この後、フィードバック制御への復帰条件が成立しないことを前提条件に、図3(a)に示すような処理を行なう。
【0039】
まず、オープンループ制御に切り換わった後は、制御周期当たり所定の減少量ΔDRODずつ(即ち、所定の減少率で)、制御量(制御デューティ)を減少させて、制御量(制御デューティ)が所定値ΔDRODSET まで低下したら変速機のフル・ODへの移行が終了したと判断し、その後は制御量(制御デューティ)を一定に保持する。そして、この移行終了判断時点を起点(時点t0 )としてさらに第1の所定時間tODLRNST が経過した時点t1 から学習を開始して、時点t0 から第2の所定時間tODLRNSEN(tODLRNSEN>tODLRNST )が経過した時点t2 で学習を終了する。つまり、時点t1 から時点t2 まで(t2 −t1 )間、変速比限界値Rlim の学習を行なう。
【0040】
このように、移行の終了判断から第1の所定時間tODLRNST だけ待って学習を開始するのは、デューティ制御弁である流量制御弁64は制御デューティに対して正確に応答するとは限らず、制御量(制御デューティ)を一定に保持してから流量制御弁64の状態が実際に一定になるまで多少の時間を要するものと考えたからである。つまり、F/BからO/Lへの切換直後における不安定な状態を排除できる上、外乱等で瞬間的に目標変速比が変化してもそれを除外できるので学習の制度が向上し安定する。なお、第1の所定時間tODLRNST は、流量制御弁64の応答性に応じて設定すればよく、流量制御弁64の応答性が良ければ、第1の所定時間tODLRNST を0として、移行の終了判断をした時点t0 から直ぐに学習を開始するようにしてもよい。
【0041】
また、学習期間は第2の所定時間tODLRNSENと第1の所定時間tODLRNST との差として与えられるが、学習精度を高めるには学習期間が長いほうが有利であるが、この学習制御は、実際に無段変速機を作動させている際に行なうものなので、学習期間をあまり長く設定すると学習が終了する前にオープンループ制御からフィードバック制御に復帰してしまうこともあって、学習期間はこれらを考慮して例えば数秒程度に設定することが考えられる。
【0042】
推定手段57Aは、この学習期間内に得られるデータに基づいて、以下の(a),(b)2つの条件が共に成立すると、無段変速機の変速比が変速比限界値Rlim にあるものと推定するようになっている。
(a)実変速比Rの最大検出値RMAX と最小検出値RMIN との差ΔR(RMAX −RMIN )が予め設定された閾値ΔR0 未満であること。
(b)セカンダリ回転数NS が所定の範囲内(NS1<NS <NS2)にあること、換言すると、車速Vが所定の下限値V1 (例えば60km/h)から所定の上限値V2 (例えば100km/h)の範囲内(即ち、V1 <V<V2 )にあること。
【0043】
なお、上記の実変速比Rは、実変速比算出手段59により、プライマリ回転センサ43,セカンダリ回転センサ44からの情報に基づいて、プライマリ回転数NP とセカンダリ回転数NS との比NP /NS として算出される。
学習補正手段57Bでは、推定手段57Aにより学習期間内に得られた実変速比Rが変速比限界値Rlim にあるものと推定されると、この学習期間内に得られた実変速比Rの平均値を新たな変速比限界値Rlim としてそれまでの変速比限界値Rlim を更新する。
【0044】
なお、前述のように、フル・ロー側のF/B限界値RF/Blim1 及びフル・OD側のF/B限界値RF/Blim2 は、それぞれフル・ロー側変速比限界値Rlim1、フル・OD側変速比限界値Rlim2に対して、微小な余裕分γ1,γ2 だけ内側の値に設定している〔式(3),(4)参照〕が、この余裕分γ1,γ2 に相当する値は、予め与えた固定値としてもよく、或いは、予め初期値を与えておいて、その後学習する毎に更新するようにしてもよい。
【0045】
例えば、今回の学習で得られたフル・ロー側変速比限界値Rlim1(n)と、前回の学習周期で得られたフル・ロー側変速比限界値Rlim1(n−1)との差分を余裕分γ1 〔=Rlim1(n)−Rlim1(n−1)〕とし、今回の学習で得られたフル・OD側変速比限界値Rlim2(n)と、前回の学習周期で得られたフル・OD側変速比限界値Rlim2(n−1)との差分を余裕分γ2 〔=Rlim2(n)−Rlim2(n−1)〕としてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、フィードバック制御手段54には、流量制御弁64を回転数フィードバック制御する回転数フィードバック制御手段54Aと、流量制御弁64を圧力フィードバック制御する圧力フィードバック制御手段54Bとがそなえられ、回転数フィードバック制御手段54Aによる回転数フィードバック制御と圧力フィードバック制御手段54Bによる圧力フィードバック制御とが切り換える切換手段(第2の切換手段)54Cにより切り換えられる。
【0047】
このうち、回転数フィードバック制御手段54Aは、車両の車速に対応したパラメータ〔ここでは、車速に対応するセカンダリプーリ22の回転数(セカンダリ回転数)〕と車両に搭載されたエンジンの負荷(ここでは、アクセル開度)とからプライマリプーリ21の目標回転数を設定する目標プライマリ回転設定手段54AAと、プライマリ回転センサ43で検出されたプライマリプーリ21の実回転数NP と目標回転数NPTとの偏差ΔNP (=NPT−NP )を算出する算出手段(減算器)54ABと、この偏差ΔNP にPID補正〔比例補正(P補正),積分補正(I補正),微分補正(D補正)〕を施すPID補正手段54ACとをそなえ、偏差ΔNP にPID補正を施された制御量(変速デューティ)に基づいて、プライマリプーリ21の実回転数NP が目標回転数NPTになるように流量制御弁(変速比調整弁)64を制御するようになっている。
【0048】
また、圧力フィードバック制御手段54Bは、CVT20に入力される入力トルクからプライマリ圧の目標値(目標油圧としての目標プライマリ圧)PPTを設定する目標プライマリ圧設定手段(目標油圧設定手段)54BAと、プライマリ圧センサ47で検出されたプライマリ圧(プライマリプーリ21の油圧アクチュエータ21cに与えられる作動油圧)PP と目標プライマリ圧PPTとの偏差ΔPP (=PPT−PP )を算出する算出手段(減算器)54BBと、この偏差ΔPP にPID補正〔比例補正(P補正),積分補正(I補正),微分補正(D補正)〕を施すPID補正手段54BCとをそなえ、偏差ΔPP にPID補正を施された制御量(変速デューティ)に基づいて、実プライマリ圧PP が目標プライマリ圧PPTになるように流量制御弁(変速比調整弁)64を制御するようになっている。
【0049】
なお、プライマリプーリ21への入力トルクTinは、エンジンの定常回転時の出力トルクTeと、増大分出力トルクΔTeと、トルコン2のトルク比tとから次式に基づいて算出することができる。
Tin=(Te+ΔTe)×t
上式において、定常回転時の出力トルクTeとエンジントルク増大分ΔTeとの和(Te+ΔTe)がエンジン1の出力トルクに相当し、このエンジン出力トルク(Te+ΔTe)は、このトルク比tに応じてCVT20のプライマリプーリ21に入力するために、トルク比tを乗算している。
【0050】
そして、切換手段54Cでは、通常時は、回転数フィードバック制御手段54Aによる回転数フィードバック制御により流量制御弁64を制御させ、車両が略停止状態(極低速走行状態或いは停止状態)にあることが検出されたら、回転数フィードバック制御から圧力フィードバック制御手段54Bによる圧力フィードバック制御へと流量制御弁(油圧制御系)64の制御を切り換えるようになっている。
【0051】
このように圧力フィードバック制御を用いるのは、車両の極低速走行時或いは停止時には、プライマリプーリの回転数の検出が困難になり回転数フィードバック制御を実行することができないためである。もちろん、圧力フィードバック制御以外に、オープンループ制御を用いることもできるが、圧力フィードバック制御の方がオープンループ制御よりも制御精度を高められるためである。
【0052】
なお、本実施形態では、車両が略停止状態にあるか否かを、車速に直接的に対応するセカンダリプーリ22の回転数(セカンダリ回転数)NS 及び車速に間接的に対応するプライマリプーリ21の回転数(プライマリ回転数)NP に基づいて判定するようになっている。
つまり、車両が走行中に、セカンダリ回転数NS が予め設定された微小な閾値NS1以下になるか又はプライマリ回転数NP が予め設定された微小な閾値NP1以下になったときには、車両が略停止状態になったと判定する。逆に、車両が略停止状態あるときに、セカンダリ回転数NS が予め設定された微小な閾値NS2(>NS1)以上になり且つプライマリ回転数NP が予め設定された微小な閾値NP2(>NP1)以上になったときには、車両が走行状態に復帰したと判定する。
【0053】
また、本実施形態では、圧力フィードバック制御の際に、プライマリ圧を適切に確保しつつ変速比をフル・ロー側に制御するようになっている。つまり、変速比をフル・ロー側に制御する場合、プライマリ圧をライン圧よりも低下させるが、この際、実プライマリ圧を認識しながら適切に低下させるようになっている。もちろん、切換手段54Cでは、車両が略停止状態から走行状態になったら、流量制御弁64の制御モードを圧力フィードバック制御から回転数フィードバック制御へと復帰させるようになっている。
【0054】
なお、流量制御弁64の制御は、変速制御ソレノイド64Aをデューティ制御することにより行なうが、この変速制御ソレノイド64Aの制御デューティは、演算手段(加算器)54Dにおいて、回転数フィードバック制御手段54Aにより算出された偏差ΔNP にPID補正を施された制御量(変速デューティ)、又は、圧力フィードバック制御手段54Bにより算出された偏差ΔPP にPID補正を施された制御量(変速デューティ)を、油温,ライン圧,変速比,入力回転数等から変速保持デューティ設定手段54Eにより設定された変速保持デューティに加算することにより算出する。なお、油温,ライン圧,入力回転数は、例えば油圧センサ,ライン圧センサ45,エンジン回転数センサ41の各検出結果から得ることができ、変速比は、例えばプライマリ回転センサ43で検出されたプライマリ回転数及びセカンダリ回転センサ44で検出されたプライマリ回転数から算出することができる。
【0055】
本発明の第1実施形態としての車両用油圧式無段変速機の変速制御装置は、上述のように構成されているので、まず、変速比限界値Rlim を推定するための学習制御は、例えば図4のフローチャートに示すようにして行なわれる。
つまり、学習手段57では、オープンループ制御に切り換えられた後の無段変速機の運転状態から変速比限界値Rlim を学習するので、まず、変速制御がフィードバック制御(F/B制御)からオープンループ制御(O/L制御)へ移行終了したか否かを判定する(ステップA10)。これは例えば流量制御弁64の制御量(制御デューティ)が所定値ΔDRODSET まで低下したらフル・ODへの移行が終了したと判断すればよい。
【0056】
そして、オープンループ制御への移行が終了したら、図3(b)に示すように、この移行終了から第1の所定時間tODLRNST が経過したか否かを判定して(ステップA20)、第1の所定時間tODLRNST が経過した時点t1 から学習を開始する。この学習時には、周期的に入力される実変速比Rに基づいて実変速比Rの最大検出値RMAX と最小検出値RMIN との差ΔR(=RMAX −RMIN )を算出し、この差ΔRが予め設定された閾値ΔR0 未満であるか否かを判定する(ステップA30)。なお、実変速比R(=NP /NS )は、プライマリ回転センサ43,セカンダリ回転センサ44からの各検出情報に基づいて実変速比算出手段59で算出され、周期的に入力される。
【0057】
差ΔRが閾値ΔR0 未満であれば、セカンダリ回転数NS が所定の範囲内(NS1<NS <NS2)にあるか否かを判定する(ステップA40)。つまり、車速Vが所定の下限値V1 (例えば60km/h)から所定の上限値V2 (例えば100km/h)の範囲内(即ち、V1 <V<V2 )にあるか否かを判定する。ここで、セカンダリ回転数NS が所定の範囲内(NS1<NS <NS2)にあれば〔車速Vが所定の範囲内(V1 <V<V2 )にあれば〕、オープンループ制御への移行が終了してから、第2の所定時間tODLRNEN が経過したか否か、即ち、図3(b)に示すように時点t2 に達したか否かを判定する(ステップA50)。
【0058】
そして、第1の所定時間tODLRNST が経過してから第2の所定時間tODLRNEN が経過するまで(時点t1 から時点t2 まで)の学習期間に、差ΔRが閾値ΔR0 未満で且つセカンダリ回転数NS が所定の範囲内(NS1<NS <NS2)の状態が継続されれば、この学習期間内に得られた実変速比Rの平均値を新たな変速比限界値Rlim とする(ステップA60)。
【0059】
このような学習を、フィードバック制御からオープンループ制御に切り換えられる度に行なったり、或いは、エンジンのキースイッチがオンになった後最初のフィードバック制御からオープンループ制御への切換時だけ行なったりするなど適宜行なって、変速比限界値Rlim を更新することにより、CVT20の機械部分が経時変化した場合にも適切に変速比限界値Rlim を推定することができる。
【0060】
そして、図6に1点鎖線f1 ,f2 で示すように、推定した変速比限界値Rlim (図6中の実線e1 ,e2 参照)に対して僅かに(−γ1 だけ又は+γ2 だけ)内側にF/B限界値RF/Blimを設定する〔前式(3),(4)参照〕。
そして、変速制御にかかるフィードバック制御とオープンループ制御との切換は、切換手段56によって例えば図5に示すように行なわれる。
【0061】
つまり、現在フィードバック制御中か否かを判定し(ステップB10)、現在フィードバック制御中なら、目標変速比RT が増加中であるか否かを判定する(ステップB20)。目標変速比RT が増加中なら、変速比はフル・ロー側に近づいているので、フィードバック制御からフル・ロー側のオープンループ制御への切換条件、即ち、前記不等式(5),(6)が成立するか否かを判定する(ステップB30)。
【0062】
ここで、切換条件〔式(5),(6)〕が成立すれば、即ち、回転数フィードバック制御時に、実変速比RがF/B限界値RF/Blim1 よりも大〔次式(5)が成立する〕で、且つ、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blim1 よりも大〔次式(6)が成立する〕ならば、フィードバック制御からフル・ロー側のオープンループ制御に切り換える(ステップB40)。
【0063】
また、ステップB20の判定がNOの場合、ステップB50にて目標変速比RT が減少中か否かを判定する。この判定がNOであれば変速比変化なしと判断しリターンとなるが、判定がYESであれば変速比はフル・OD側に近づいているので、フィードバック制御からフル・OD側のオープンループ制御への切換条件、即ち、前記の不等式(7),(8)が成立するか否かを判定する(ステップB60)。
【0064】
ここで、切換条件〔式(7),(8)〕が成立すれば、即ち、フィードバック制御時に、実変速比RがF/B限界値RF/Blim2 よりも小〔次式(7)が成立する〕、且つ、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blim2 よりも小〔次式(8)が成立する〕ならばフィードバック制御からフル・OD側のオープンループ制御に切り換える(ステップB70)。
【0065】
一方、ステップB10で現在フィードバック制御中でない(即ち、現在オープンループ制御中)と判定された場合、フル・ロー側のオープンループ制御中かフル・OD側のオープンループ制御中かを判定し(ステップB80)、フル・ロー側のオープンループ制御中ならば、フル・ロー側のオープンループ制御からフィードバック制御への切換条件、即ち、前記不等式(9)が成立するか否かを判定する(ステップB90)。
【0066】
ここで、切換条件〔式(9)〕が成立すれば、即ち、オープンループ制御時に、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blim1 よりも小ならば、フル・ロー側のオープンループ制御からフィードバック制御に切り換える(ステップB100)。
また、ステップB80にてフル・OD側のオープンループ制御中と判定されたら、フル・OD側のオープンループ制御からフィードバック制御への切換条件、即ち、前記不等式(10)が成立するか否かを判定し(ステップB110)、切換条件〔式(10)〕が成立すれば、即ち、オープンループ制御時に、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )がF/B限界値RF/Blim2 よりも大(YES)ならば、フル・OD側のオープンループ制御からフィードバック制御に切り換え(ステップB100)、NOならばフル・OD側のオープンループ制御をそのまま継続しリターンする。
【0067】
このようにして、フィードバック制御とオープンループ制御との切換が行なわれるが、前述のように、学習手段57によって、変速比限界値Rlim が精度良く推定され、F/B限界値RF/Blimをこの変速比限界値Rlim に近い値に設定できるため、オープンループ制御の領域を極力小さくでき、フィードバック制御からオープンループ制御に切り換わった場合に生じる変速比のステップ的移行を極力小さく抑えることができる。したがって、特に、フル・OD側のオープンループ制御に切り換わる時に、特に顕著になるシフトショックの発生が防止され、ドライバビリティが良好に保たれる効果がある。
【0068】
また、精度よい制御が可能なフィードバック制御領域を拡張することができるため、変速制御(変速比制御)をより精度よく行なえるようになる。特に、フル・OD側の変速比限界値Rlim2の近くまで変速比を適切に制御できるため、燃費の向上にも大きく寄与する。
なお、本実施形態では、フル・ロー側及びフル・OD側の各変速比限界値Rlim1,Rlim2について推定しているが、この学習による推定は、フル・ロー側及びフル・OD側の一方についてのみ行なうようにしてもよい。勿論、この場合には、F/B限界値RF/Blimは変速比限界値Rlim を推定した側のみ変速比限界値Rlim に近づけることができるが、例えばフル・OD側の変速比限界値Rlim2のみについて推定すれば、特に、フル・OD側の変速比限界値Rlim2の近くまで変速比を適切に制御でき、燃費を向上できる効果が得られる。
【0069】
また、変速比限界値Rlim2は、学習期間に得られる実変速比Rの単純平均値として算出しているが、例えば学習期間に得られる実変速比Rの最大検出値RMAX と最小検出値MIN との中間値〔=(RMAX +RMIN )/2〕とするなど、変速比限界値Rlim2の算出法はこれに限らない。
図7,図8は本発明の第2実施形態としての無段変速機の変速制御装置を示すものである。
【0070】
次に、第2実施形態について、図7,図8に基づいて説明する。
この実施形態の無段変速機の変速制御装置では、図8に示すように、変速比の制御モードとして、オープンループ制御が設定されておらず、全変速比領域でフィードバック制御に変速制御が行なわれるようになっている。
本変速制御装置の変速制御手段52は、図7に示すように、プライマリプーリ21の油圧制御系である流量制御弁(変速比調整弁)64をフィードバック制御するフィードバック制御手段54と、変速比限界値Rlim を学習する学習手段57とがそなえられ、フィードバック制御手段54では、学習手段57による学習結果をフィードバック制御に反映させるようになっている。
【0071】
なお、本実施形態のフィードバック制御手段54は、第1実施形態のものと同様であり、回転数フィードバック制御手段54Aと、圧力フィードバック制御手段54Bと切換手段54Cとをそなえて構成される。また、第1実施形態と同様に、回転数フィードバック制御手段54Aは、目標プライマリ回転設定手段54AA′と、算出手段54ABと、PID補正手段54ACとをそなえて構成され、圧力フィードバック制御手段54Bは、目標プライマリ圧設定手段54BAと、算出手段54BBと、PID補正手段54BCとをそなえて構成される。
【0072】
そして、本実施形態では、回転数フィードバック制御手段54Aの目標プライマリ回転設定手段54AA′が第1実施形態のものと異なっている。つまり、本実施形態の目標プライマリ回転設定手段54AA′では、車速に対応したパラメータ(例えば、車速に対応するセカンダリプーリ22の回転数)とエンジン負荷(例えば、アクセル開度)とからプライマリプーリ21の目標回転数NPTを設定するが、この目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT (=NPT/NS )が、学習手段57によって補正された変速比限界値RF/Blimを越える場合には、目標変速比RT が変速比限界値RF/Blimとなるように目標プライマリ回転数NPTを設定する。
【0073】
これにより、目標プライマリ回転数NPTは必ず実現可能な値となり、目標プライマリ回転数NPTに基づいた回転数フィードバック制御を、図8に示すように、変速比Rの全域において行なうことができるのである。
ところで、本実施形態では、変速比のオープンループ制御がないため、第1実施形態と同じ学習方法が使えないことになる。そこでまず、目標プライマリ回転数NPTに応じた目標変速比RT がF/B限界値RF/Blim上に最初にきたときには、目標変速比RT を値RF/Blimを越えて機械的に決まる値Rlim まで強制的に変速させる。これには、例えば必ず値Rlim となるような補正量αを予め実験的に求めておき、RT =RF/Blim+αから求められる値RT を新目標値として設定すればよい。なお、新目標値は、本F/Bでは本来あり得ない値であるため、実変速比はいつまでも目標値にならないが、この場合、変速開始から所定の時間が経過したら実変速比が目標値になっていると判断すればよい。この判定後は、第1実施形態と同じ学習方法により値Rlim を補正し、これに応じてF/B限界値RF/Blim上を補正する。以後、目標変速比RT がF/B限界値RF/Blimになっても、補正量αの加算は行なわず、補正されたRF/Blimに基づいてF/Bを実行するようにする。
【0074】
本発明の第2実施形態としての車両用油圧式無段変速機の変速制御装置は、上述のように構成されているので、図8に示すように、変速比Rの全域において、精度よい制御が可能なフィードバック制御によって変速制御を行なうことができ、変速制御(変速比制御)をより適切に精度よく行なえるようになる。
もちろん、フィードバック制御とオープンループ制御との切換もないのでシフトショックが発生することもなく、変速が極めてなめらかであるという無段変速機の特性を十分に発揮することができるようになる。
【0075】
勿論、当然ながら、フル・OD側の変速比限界値Rlim2まで変速比を適切に制御できるため、燃費の向上にも大きく寄与する。
なお、本実施形態でも、フル・ロー側及びフル・OD側の各変速比限界値Rlim1,Rlim2について推定しているが、学習による推定は、フル・ロー側及びフル・OD側の一方についてのみ行なうようにしてもよい。
【0076】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施しうるものである。
例えば、オープンループ制御手段55で行なうオープンループ制御を、以下のように構成してもよい。つまり、回転数フィードバック制御に用いる目標プライマリ回転数NPTを用い、フル・ロー近辺において目標プライマリ回転数NPTが前回の制御周期のものよりも増大したら、今回の制御周期では、プライマリ回転数NPTが増加する側に目標プライマリ回転数NPT増大に応じた量だけ、制御量〔流量制御弁64の制御デューティ。ここでは、制御量(制御デューティ)が高いほど作動油の流量を増大させプライマリ圧を低める〕を増大させる。また、フル・OD近辺において目標プライマリ回転数NPTが前回の制御周期のものよりも減少したら、今回の制御周期では、プライマリ回転数NPTが減少する側に目標プライマリ回転数NPT減少に応じた量だけ、制御量を減少させるようにする。
【0077】
また、各実施形態では、フィードバック制御のモードとして、回転数フィードバック制御と圧力フィードバック制御との2つの制御モードをそなえている。圧力フィードバック制御は、車両の停止時(極低速走行時も含む)には、プライマリプーリの回転数の検出が困難になり回転数フィードバック制御を実行することができないために用いているものであるが、車両の停止時には圧力フィードバック制御に代えてオープンループ制御を用いてもよく、また、プライマリプーリの回転数の検出が可能であれば、回転数フィードバック制御のみを用いてフィードバック制御を行なうようにしてもよい。
【0078】
さらに、油圧制御系63,64はデューティソレノイドの制御に限らずリニアソレノイドを用いたポジション制御等他の制御も適用しうる。
また、本発明は、油圧式無段変速機には広く適用でき、例えばトロイダル式等のものにも適用しうるなど、ベルト式のものに限定されない。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の無段変速機の変速制御装置によれば、無段変速機において機械的に制限される変速比限界値を学習補正するので、個々の無段変速機に固有の変速比限界値を精度よく把握することができる。この学習結果を変速比制御に反映させれば、制御態様の切換による生じるシフトショックを抑制できる。また、フィードバック制御領域を拡張できるため、これにより変速比制御性能を向上させることができるようになる。
【0080】
また、変速比限界値に達しない範囲で規定されるフィードバック制御用変速比限界値を学習補正された変速比限界値に基づいて変更することにより、フィードバック制御領域を拡張でき、変速比制御性能を向上させることができるようになる。
また、請求項3記載の本発明の無段変速機の変速制御装置によれば、フィードバック制御用変速比限界値を学習補正された変速比限界値に基づいて変更することにより、フィードバック制御領域を拡張できるため変速比制御性能を向上させることができるようになる。また、フィードバック制御領域とオープンループ制御領域との差を縮小することができるため、フィードバック制御とオープンループ制御との切換による生じるシフトショックも抑制できる。
さらに、請求項4記載の本発明の無段変速機の変速制御装置によれば、オープンループ制御への移行から所定時間経過してから学習の可否が判断されるので、移行直後の不安定な状態を排除することができる。また、外乱等で瞬時的にパラメータ値が変動したとしても、それを除去することができるので、学習補正が安定する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての無段変速機の変速制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる無段変速機付き車両の動力伝達系を説明するための模式図であり、(a)はその無段変速機を含んだ動力伝達系の模式的構成図、(b)はその無段変速機の構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての無段変速機の変速制御装置による学習内容を説明するタイムチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態としての無段変速機の変速制御装置による学習内容を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態としての無段変速機の変速制御装置による変速制御内容を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態としての無段変速機の変速制御装置における変速比に応じた変速制御内容を説明する図である。
【図7】本発明の第2実施形態としての無段変速機の変速制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態としての無段変速機の変速制御装置における変速比に応じた変速制御内容を説明する図である。
【図9】無段変速機における変速比限界値を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン
20 油圧式無段変速機(CVT)
52 変速制御手段
54 フィードバック制御手段
55 オープンループ制御手段
56 切換手段
57 学習手段
57A 推定手段
57B 学習補正手段
Claims (4)
- 無段変速機の実変速比を表すパラメータ値が目標値となるように変速制御を行なう無段変速機の変速制御装置において、
上記実変速比が機械的に制限される変速比限界値にあるか否かを推定する推定手段と、
該推定手段による推定結果から上記変速比限界値を学習補正する学習補正手段とをそなえ、
上記変速比限界値に達しない範囲で規定されるフィードバック制御用変速比限界値が設けられ、上記実変速比が上記フィードバック制御用変速比限界値以内の領域では、上記パラメータ値が上記目標値となるようにフィードバック制御により変速制御を行なうフィードバック変速制御手段と、
上記学習補正された変速比限界値に基づいて上記フィードバック制御用変速比限界値を変更する変更手段とをそなえた
ことを特徴とする、無段変速機の変速制御装置。 - 上記学習補正手段は、上記推定手段により、学習期間内に得られた上記実変速比が上記変速比限界値にあると推定されると、該学習期間において上記実変速比算出手段により算出された上記パラメータ値の平均値を上記変速比限界値の更新値とする
ことを特徴とする、請求項1記載の無段変速機の変速制御装置。 - 上記変速比限界値に達しない範囲で規定されるフィードバック制御用変速比限界値が設けられ、上記実変速比が上記フィードバック制御用変速比限界値以内の領域では、上記パラメータ値が上記目標値となるようにフィードバック制御により変速制御を行なうフィードバック変速制御手段と、
上記パラメータ値が上記変速比限界値となるようにオープンループ制御により変速制御を行なうオープンループ変速制御手段と、
上記実変速比が上記フィードバック制御用変速比限界値を外れた領域では、上記フィードバック変速制御手段によるフィードバック制御から上記オープンループ変速制御手段によるオープンループ制御へと変速制御を切り換える切換手段とをそなえた
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の無段変速機の変速制御装置。 - 上記オープンループ制御への移行が完了したか否かを判定する移行判定手段と、
上記移行判定手段により上記移行が完了したと判定されてからの経過時間を計時する計時手段と、
上記計時手段による計時結果に基づいて上記移行完了から所定時間経過後までの学習期間の上記パラメータ値の最大値と最小値とを求める手段と、
上記所定時間経過後までの上記学習期間における上記パラメータ値の平均値を求める手段とをそなえ、
上記学習補正手段は、上記の最大値と最小値との差が所定値未満のとき、上記平均値に基づいて上記変速比限界値を学習補正する
ことを特徴とする、請求項3記載の無段変速機の変速制御装置。
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