JP7231478B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される無段変速機の変速制御装置に関する。
近年、車両の自動変速機として、変速比を無段階に変更でき、変速ショックがなく、かつ燃費を改善することができるベルト式の無段変速機(CVT)が広く実用化されている。ここで、ベルト式の無段変速機は、入力軸に設けられるプライマリプーリ(ドライブプーリ)と、出力軸に設けられるセカンダリプーリ(ドリブンプーリ)と、これらのプーリに掛け渡されるベルトとを有し、それぞれのプーリの溝幅を変化させてベルトの巻き掛け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させている。なお、ベルトには、例えば、チェーン、金属ベルト、及び、乾式複合ベルト等を含む。
このような無段変速機では、例えば、アクセル開度と車速(又はエンジン回転数)などの車両の運転状態を示すパラメータに応じて目標変速比が設定され、変速比が制御される。その際に、目標変速比と実変速比との偏差(誤差)を、例えば、比例処理及び積分処理し、実変速比を目標変速比と一致させるようにフィードバック(F/B)制御が行われる。
ところで、無段変速機は、厳密には、個体ごとにハードウェアにばらつきがあり、物理的に取り得るフルオーバードライブ(フルOD:変速比下限値)及びフルロー(フルLow:変速比上限値)が異なるため、例えば、理論上のフルODまで積分F/Bを実施すると、物理限界(変速比限界)にも関わらずF/B制御が継続されることにより、不必要に積分項の値が蓄積されてしまい、例えば、ダウンシフトするときに変速遅れが発生してしまうといった問題が生じ得る。
このような問題を解消すべく、例えば、特許文献1には、変速比がフルOD、又は、フルLowの近傍に移行した場合に、積分処理を禁止することにより積分値の蓄積を防止して積分値が異常な値になることを防止する技術(連続可変変速機の変速制御方法)が開示されている。
より具体的には、特許文献1に記載の連続可変変速機の変速制御方法では、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との誤差を比例処理及び積分処理して変速比を変化させるべく変速制御する制御手段を設け、この制御手段により実変速比が所定に設定される変速比限界値により画定される中間変速比領域の変速比限界値の近傍に移行した場合には積分処理を禁止して変速比を変化させるべく変速制御するとともに、変速比限界値の近傍の実変速比を中間変速比領域側に移行させる場合には積分処理を許容して変速比を変化させるべく変速制御する。
特開平3-249464号公報
ところで、上述したように、特許文献1に記載の技術では、不要な積分項の蓄積を回避するために変速比限界値の近傍で積分F/Bを禁止しているが、従来、その際に、ワーストケース(バラツキが最大の個体)に合せて、マージンをとって積分F/Bを禁止する変速比を設定しているため、物理的に変速可能な個体であるにもかかわらず、例えば、フルODを使いきれない状態が生じ得る。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、無段変速機の個体ごとのハードウェアばらつきにかかわらず、各個体それぞれのハードウェア限界までOD側、及び/又は、Low側に変速することを可能とする(すなわち、各個体それぞれの物理的に取り得るフルOD、及び/又は、フルLowまで変速することを可能とする)無段変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る無段変速機の変速制御装置は、目標変速比と実変速比との偏差に基づいてフィードバック制御を行い、実変速比が目標変速比と一致するように制御するとともに、実変速比が、目標変速比限界値と積分F/B停止変速比との間にある場合には、目標変速比と実変速比との偏差の時間積分に応じて制御値を調節する積分項の蓄積動作を停止する変速制御手段と、実変速比が積分F/B停止変速比に達している場合に、学習条件が成立していると判定する学習条件判定手段と、学習条件が成立していると判定された場合に、目標変速比を、積分F/B停止変速比よりもさらに目標変速比限界値側へ変化させるように要求するとともに、実変速比が目標変速比限界値側に変化しなくなったときの当該実変速比を取得し、該実変速比に基づいて、積分F/B停止変速比を変更して、学習後の積分F/B停止変速比を取得する学習値取得手段とを備え、変速制御手段が、学習後の積分F/B停止変速比を用いて積分項の蓄積動作の実行又は停止を制御することを特徴とする。
本発明に係る無段変速機の変速制御装置によれば、実変速比が積分F/B停止変速比に達している場合に、学習条件が成立していると判定され、学習条件が成立していると判定された場合に、目標変速比を、積分F/B停止変速比よりもさらに目標変速比限界値側へ変化させるように要求がなされるとともに、目標変速比限界値側に変化しなくなったときの実変速比が取得され、該実変速比に基づいて、積分F/B停止変速比が変更されて、学習後の積分F/B停止変速比が取得される。そして、学習後の積分F/B停止変速比を用いて積分項の蓄積動作の実行又は停止が制御される。すなわち、積分F/B禁止変速比が個体(無段変速機)に合わせて学習されることにより、該個体の限界変速比に合せて(すなわち、各個体ごとのバラツキに合せて)積分F/B停止変速比を設定(補正)することができるため、不必要な積分項の蓄積が防止され、かつ、個体ごとの物理限界変速比まで使い切ることができるようになる。その結果、無段変速機の個体ごとのハードウェアばらつきにかかわらず、各個体それぞれのハードウェア限界までOD側、及び/又は、Low側に変速すること(すなわち、各個体それぞれの物理的に取り得るフルOD、及び/又は、フルLowまで変速すること)が可能となる。
本発明に係る無段変速機の変速制御装置では、上記目標変速比限界値が、目標変速比の下限値、及び/又は、目標変速比の上限値であり、上記積分F/B停止変速比が、目標変速比下限値、及び/又は、目標変速比上限値それぞれに対して設定されていることが好ましい。
この場合、積分F/B停止変速比が、目標変速比下限値(フルOD)、及び/又は、目標変速比上限値(フルLow)それぞれに対して設定されているため、フルOD、及び/又は、フルLowそれぞれに対して、積分F/B停止変速比を学習して設定することができる。よって、フルOD、及び/又は、フルLowまで変速することが可能となる。
本発明に係る無段変速機の変速制御装置では、上記積分F/B停止変速比が、無段変速機の目標セカンダリプーリ圧、及び、入力トルクに応じて設定され、上記学習値取得手段が、実変速比が目標変速比限界値側に変化しなくなったときの当該実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクを取得し、該実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクに基づいて、積分F/B停止変速比を変更して、学習後の積分F/B停止変速比を取得することが好ましい。
この場合、積分F/B停止変速比が、無段変速機の目標セカンダリプーリ圧、及び、入力トルクに応じて設定され、実変速比が目標変速比限界値側に変化しなくなったときの実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクが取得され、該実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクに基づいて、積分F/B停止変速比が変更されて、学習後の積分F/B停止変速比が取得される。そのため、実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクといったパラメータに応じて、適切に、積分F/B停止変速比を取得し、また、学習することが可能となる。
また、本発明に係る無段変速機の変速制御装置は、無段変速機の目標セカンダリプーリ圧と、入力トルクと、積分F/B停止変速比との関係を定めた積分F/B停止変速比マップを記憶する記憶手段をさらに備え、学習値取得手段が、取得した目標セカンダリプーリ圧と入力トルクとを用いて、積分F/B停止変速比マップを検索することにより求められる積分F/B停止変速比と、取得した実変速比との差分を、積分F/B停止変速比の学習値とし、該学習値を、通常制御時における積分F/B停止変速比のマップ検索値に対するオフセット値として加算し、学習後の積分F/B停止変速比を求めることが好ましい。
この場合、無段変速機の目標セカンダリプーリ圧と、入力トルクと、積分F/B停止変速比との関係を定めた積分F/B停止変速比マップが記憶されており、取得された目標セカンダリプーリ圧と入力トルクとを用いて、積分F/B停止変速比マップが検索されることにより求められる積分F/B停止変速比と、取得された実変速比との差分が、積分F/B停止変速比の学習値とされ、該学習値が、通常制御時における積分F/B停止変速比のマップ検索値に対するオフセット値として加算され、学習後の積分F/B停止変速比が求められる。そのため、マップを用いて、積分F/B停止変速比を取得し、また、学習値を、積分F/B停止変速比に反映することができる。
本発明に係る無段変速機の変速制御装置では、上記学習条件判定手段が、実変速比が積分F/B停止変速比に達していることに加えて、車速、無段変速機の油温、入力トルク、及び、セカンダリプーリ圧のうち、少なくともいずれか一つ以上のパラメータの値が、第1の所定範囲内にあり、かつ、該パラメータの変動幅が第2の所定範囲内にある場合に、学習条件が成立していると判定することが好ましい。
この場合、実変速比が積分F/B停止変速比に達していることに加えて、車速、無段変速機の油温、入力トルク、及び、セカンダリプーリ圧のうち、少なくともいずれか一つ以上のパラメータの値が、第1の所定範囲内にあり、かつ、該パラメータの変動幅が第2の所定範囲内にある場合に、学習条件が成立していると判定される。そのため、より適確に学習条件を満足しているか否か(すなわち、学習処理を実行可能であるか否か)を判定することができる。
本発明によれば、無段変速機の個体ごとのハードウェアばらつきにかかわらず、各個体それぞれのハードウェア限界までOD側、及び/又は、Low側に変速すること(すなわち、各個体それぞれの物理的に取り得るフルOD、及び/又は、フルLowまで変速すること)が可能となる。
実施形態に係る無段変速機の変速制御装置の構成を、無段変速機の構成と共に示すブロック図である。 実施形態に係る無段変速機の変速比設定を示す図である。 学習前の変速線(目標変速比の遷移)、及び、学習後の変速線の一例を示す図である。 目標変速比下限値(OD側限界値)マップの概要を示す図である。 積分F/B停止変速比(OD側)マップの概要を示す図である。 実施形態に係る無段変速機の変速制御装置による学習処理の処理手順を示すフローチャートである。 学習値を取得・反映するための制御ブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る無段変速機の変速制御装置1の構成について説明する。図1は、無段変速機の変速制御装置1、及び、該変速制御装置1が適用された無段変速機30の構成を示すブロック図である。
無段変速機30は、車両の運転状態に応じて変速比を自動的かつ無段階に変速する無段変速機である。無段変速機30は、エンジン10の出力軸15に接続され、エンジン10からの駆動力を変換して出力する。
無段変速機30は、クラッチ機能とトルク増幅機能を持つトルクコンバータ20及びリダクションギヤ31を介してエンジン10の出力軸15と接続されるプライマリ軸32と、該プライマリ軸32と平行に配設されたセカンダリ軸37とを有している。
プライマリ軸32には、プライマリプーリ34が設けられている。プライマリプーリ34は、プライマリ軸32に接合された固定シーブ34aと、該固定シーブ34aに対向して、プライマリ軸32の軸方向に摺動自在に装着された可動シーブ34bとを有し、それぞれのプーリ34a,34bのコーン面間隔、すなわちプーリ溝幅を変更できるように構成されている。一方、セカンダリ軸37には、セカンダリプーリ35が設けられている。セカンダリプーリ35は、セカンダリ軸37に接合された固定シーブ35aと、該固定シーブ35aに対向して、セカンダリ軸37の軸方向に摺動自在に装着された可動シーブ35bとを有し、プーリ溝幅を変更できるように構成されている。
プライマリプーリ34とセカンダリプーリ35との間には駆動力を伝達するチェーン36が掛け渡されている。プライマリプーリ34及びセカンダリプーリ35の溝幅を変化させて、各プーリ34,35に対するチェーン36の巻き掛け径の比率(プーリ比)を変化させることにより、変速比が無段階に変更される。ここで、チェーン36のプライマリプーリ34に対する巻き掛け径をRpとし、セカンダリプーリ35に対する巻き掛け径をRsとすると、変速比iは、i=Rs/Rpで表される。よって、変速比iは、プライマリプーリ回転数Npをセカンダリプーリ回転数Nsで除算する(i=Np/Ns)ことにより求められる。
ここでプライマリプーリ34(可動シーブ34b)には油圧室34cが形成されている。一方、セカンダリプーリ35(可動シーブ35b)には油圧室35cが形成されている。プライマリプーリ34、セカンダリプーリ35それぞれの溝幅は、プライマリプーリ34の油圧室34cに導入されるプライマリ油圧と、セカンダリプーリ35の油圧室35cに導入されるセカンダリ油圧とを調節することにより設定・変更される。
無段変速機30を変速させるための油圧、すなわち、上述したプライマリ油圧及びセカンダリ油圧は、バルブボディ(コントロールバルブ)50によってコントロールされる。バルブボディ50は、スプールバルブと該スプールバルブを動かすソレノイドバルブ(電磁弁)を用いてバルブボディ50内に形成された油路を開閉することで、オイルポンプから吐出された油圧を調整して、プライマリプーリ34の油圧室34c及びセカンダリプーリ35の油圧室35cに供給する。また、バルブボディ50は、例えば、車両の前進/後進を切替える前後進切替機構等にも油圧を供給する。
無段変速機30の変速制御は、トランスミッション制御装置(以下「TCU」という)40によって実行される。すなわち、TCU40は、上述したバルブボディ50を構成するソレノイドバルブ(電磁弁)の駆動を制御することにより、プライマリプーリ34の油圧室34c及びセカンダリプーリ35の油圧室35cに供給する油圧を調節して、無段変速機30の変速比を変更する。
ここで、TCU40には、例えばCAN(Controller Area Network)100を通して、エンジン10を総合的に制御するエンジン制御装置(以下「ECU」という)60等と相互に通信可能に接続されている。
ECU60には、アクセルペダルの踏み込み量(操作量)すなわちアクセルペダルの開度を検出するアクセルペダルセンサ62が接続されている。また、ECU60には、クランクシャフトの回転位置を検出するクランク角センサ12、吸入空気量を検出するエアフローメータ61、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ、空燃比センサ等の各種センサも接続されている。
ここで、ECU60では、カム角センサの出力から気筒が判別され、クランク角センサ12の出力からエンジン回転数が求められる。また、ECU60では、上述した各種センサから入力される検出信号に基づいて、吸入空気量、アクセル開度、混合気の空燃比、及びエンジン10の水温等の各種情報が取得される。そして、ECU60は、取得したこれらの各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、電子制御式スロットルバルブ等の各種デバイスを制御することによりエンジン10を総合的に制御する。また、ECU60では、例えば、吸入空気量やエンジン回転数からエンジントルクが取得される。ECU60は、エンジン回転数や、アクセル開度、エンジントルク(無段変速機30の入力トルク)等の情報を、CAN100を介してTCU40に送信する。
一方、TCU40には、無段変速機30の出力軸(セカンダリ軸37)近傍に取り付けられ、該出力軸の回転数(セカンダリプーリ35の回転数)を検出する出力軸回転センサ58、プライマリプーリ34の回転数を検出するプライマリプーリ回転数センサ57、トルクコンバータ20のタービン回転数を検出するタービン回転数センサ56等が接続されている。
ここで、車両のフロア等には、運転者による、自動変速モード(「D」レンジ)と手動変速モード(「M」レンジ)とを択一的に切り替える操作を受付けるシフトレバー(セレクトレバー)51が設けられている。シフトレバー51には、シフトレバー51と連動して動くように接続され、該シフトレバー51の選択位置を検出するレンジスイッチ59が取り付けられている。レンジスイッチ59は、TCU40に接続されており、検出されたシフトレバー51の選択位置が、TCU40に読み込まれる。なお、シフトレバー51では、「D」レンジ、「M」レンジの他、パーキング「P」レンジ、リバース「R」レンジ、ニュートラル「N」レンジを選択的に切り替えることができる。
シフトレバー51には、該シフトレバー51が「M」レンジ側に位置するとき、すなわち運転者の変速操作に従って変速比が切り替えられる手動変速モードが選択されたときにオンになり、シフトレバー51が「D」レンジ側に位置するとき、すなわち車両の運転状態に応じて変速比が自動的に変更される自動変速モードが選択されたときにオフになるMレンジスイッチ52が組み込まれている。Mレンジスイッチ52もTCU40に接続されている。
一方、ステアリングホイール53の後側には、手動変速モード時に、運転者による変速操作(変速要求)を受付けるためのプラス(+)パドルスイッチ54及びマイナス(-)パドルスイッチ55が設けられている(以下、プラスパドルスイッチ54及びマイナスパドルスイッチ55を総称して「パドルスイッチ54,55」ということもある)。プラスパドルスイッチ54は手動でアップシフトする際に用いられ、マイナスパドルスイッチ55は手動でダウンシフトする際に用いられる。プラスパドルスイッチ54及びマイナスパドルスイッチ55は、TCU40に接続されており、パドルスイッチ54,55から出力された、該パドルスイッチ54,55のスイッチ信号はTCU40に読み込まれる。
TCU40は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムや変速マップ(目標変速比マップ)等を記憶するEEPROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、バッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。
TCU40は、自動変速モードが選択されているときには、変速マップに従い、車両の運転状態、例えば、スロットル開度や車速(又はエンジン回転数)等に応じて自動で変速比を無段階に変速する。なお、自動変速モードに対応する変速マップはTCU40内のEEPROM等に格納されている。ここで、エンジン回転数と車速との関係を示す変速特性線図を図2に示す。図2において、横軸は車速(km/h)であり、縦軸はエンジン回転数(rpm)である。なお、8本の実線それぞれは、変速比を一定にした場合のエンジン回転数と車速との関係(すなわち、手動変速モード時の変速比特性)を示す。自動変速モードでは、図2に示された第1速(ロー)と第8速(オーバードライブ)との間(図2において破線で画成された領域)の任意の変速比が車両の運転状態に応じて自動的に設定される。一方、TCU40は、手動変速モードが選択されているときには、パドルスイッチ54,55により受け付けられた変速操作に基づいて、変速比を制御する。
特に、TCU40は、無段変速機30の個体ごとのハードウェアばらつきにかかわらず、各個体それぞれのハードウェア限界までOD側、及び/又は、Low側に変速すること(すなわち、各個体それぞれの物理的に取り得るフルOD、及び/又は、フルLowまで変速すること)を可能とする機能を有している。そのため、TCU40は、変速制御部41、学習条件判定部42、学習値取得部43、及び、記憶部44を機能的に有している。TCU40では、EEPROM等に記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、変速制御部41、学習条件判定部42、学習値取得部43、及び、記憶部44の各機能が実現される。
変速制御部41は、例えば、アクセル開度、及び、車速(又はエンジン回転数)に基づいて、無段変速機30の目標変速比を設定して、変速比を制御する。その際に、変速制御部41は、目標変速比と実変速比との偏差に基づいてフィードバック制御を行い、実変速比が目標変速比と一致するように制御する。すなわち、変速制御部41は、特許請求の範囲に記載の変速制御手段として機能する。
本実施形態では、変速比の制御に、PI制御(Proportional-Integral Controller)を適用した。すなわち、変速制御部41は、実変速比と目標変速比との偏差に比例した比例項(P項)、残留偏差の時間積分に応じた積分項(I項)に基づいて、変速比を変えるための油圧を調圧する電磁弁の制御値(例えば、目標デューティや目標電流値)を制御する。なお、比例項(P項)と積分項(I項)に加えて、上記偏差の変化の大きさに応じた微分項(D項)を用いてもよい(すなわち、PID制御を適用してもよい)。
ここで、積分項(I項)は、残留偏差を積分により蓄積し、電磁弁の制御値に反映させるため、理論上のフルODまで積分F/Bを実施すると、物理限界(変速比限界)にも関わらずF/B制御が継続されることにより、不必要に積分項の値が蓄積されることが生じ得る。そのため、変速制御部41は、実変速比が、目標変速比限界値と積分F/B停止変速比との間にある場合には、目標変速比と実変速比との偏差の時間積分に応じて制御値を調節する積分項の蓄積動作を一時的に停止する。
より詳細には、変速制御部41は、実変速比が、目標変速比下限値(フルOD)と、該目標変速比下限値に対して設定されている積分F/B停止変速比(OD側)との間にある場合に、積分項の蓄積動作を停止する。同様に、変速制御部41は、実変速比が、目標変速比上限値(フルLow)と、該目標変速比上限値に対して設定されている積分F/B停止変速比(Low側)との間にある場合に、積分項の蓄積動作を停止する。以下、主として、フルOD側の積分F/B停止変速比を学習する場合を例にして説明する。なお、フルLow側の積分F/B停止変速比も同様にして学習することができる。
学習条件判定部42は、実変速比が積分F/B停止変速比に達しており(すなわち、OD状態であり)、また、車速、無段変速機30の油温、入力トルク、及び、セカンダリプーリ圧のうち、少なくともいずれか一つ以上のパラメータの値が、第1の所定範囲内にあり、かつ、該パラメータの変動幅が一定時間以上、第2の所定範囲内にある場合(すなわち略一定の場合)、例えば、平坦な直線路を一定速度で走行しているような場合に、積分F/B停止変速比の学習条件が成立していると判定する。すなわち、学習条件判定部42は、特許請求の範囲に記載の学習条件判定手段として機能する。なお、学習条件が成立しているか否かの判定結果は、学習値取得部43に出力される。
学習値取得部43は、学習条件が成立していると判定された場合に、目標変速比を、積分F/B停止変速比よりもさらに目標変速比限界値側(フルOD側)へ変化させるように(すなわち、プライマリプーリ圧を増加させるように)、変速制御部41に対して要求する。そして、その後、学習値取得部43は、実変速比が目標変速比限界値側(フルOD側)に変化しなくなったときの実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクを取得して記憶する。すなわち、学習値取得部43は、上述した所定の学習条件が成立した場合に、目標変速比を徐々に下げて行き、実変速比が最小値(物理的限界値)をとったときの当該実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクを取得する。そして、学習値取得部43は、取得した実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクに基づいて、積分F/B停止変速比を変更(補正)して、学習後の積分F/B停止変速比を取得する。すなわち、学習値取得部43は、特許請求の範囲に記載の学習値取得手段として機能する。
より具体的には、積分F/B停止変速比は、無段変速機30の目標セカンダリプーリ圧、及び、入力トルクに応じて設定され、学習値取得部43は、取得した目標セカンダリプーリ圧と入力トルクとを用いて、積分F/B停止変速比マップを検索することにより求められる積分F/B停止変速比と、取得した実変速比との差分を、積分F/B停止変速比の学習値とし、該学習値を、通常制御時における積分F/B停止変速比のマップ検索値に対するオフセット値として加算し、学習後の積分F/B停止変速比を求める。
より詳細には、図7に示されるように、まず、学習値取得部43は、取得した入力トルクと目標セカンダリプーリ圧とを用いて積分F/B停止変速比マップを検索することにより、積分F/B停止変速比を求める。次に、学習値取得部43は、求めた積分F/B停止変速比から、取得した変速比を減算し、積分F/B停止変速比の学習値(補正値)を求める。一方、学習値取得部43は、リアルタイム(通常制御時)の入力トルクと目標セカンダリプーリ圧とを用いて積分F/B停止変速比マップを検索することにより、積分F/B停止変速比(学習前・デフォルト)を求める。そして、学習値取得部43は、積分F/B停止変速比(学習前)に、上記積分F/B停止変速比の学習値(補正値)を加算して、補正後の積分F/B停止変速比を取得する。なお、学習後の積分F/B禁止変速比は、変速制御部41に出力される。
なお、ここで、無段変速機30の目標セカンダリプーリ圧と、入力トルクと、積分F/B停止変速比(OD側)との関係を定めた積分F/B停止変速比(OD側)マップは、例えば、EEPROMなどからなる記憶部44に記憶されている。また、無段変速機30の目標セカンダリプーリ圧と、入力トルクと、目標変速比下限値(OD側)との関係を定めた目標変速比下限値(OD側)マップも記憶部44に記憶されている。すなわち、記憶部44は、特許請求の範囲に記載の記憶手段として機能する。
ここで、目標変速比下限値(OD側)マップの概要を図4に示す。また、積分F/B停止変速比(OD側)マップの概要を図5に示す。図4において、横軸は入力トルク(Nm)であり、縦軸は目標セカンダリプーリ圧(MPa)である。目標変速比下限値(OD側)マップでは、入力トルクと目標セカンダリプーリ圧との組み合わせ(格子点)毎に目標変速比下限値が与えられている。同様に、図5において、横軸は入力トルク(Nm)であり、縦軸は目標セカンダリプーリ圧(MPa)である。積分F/B停止変速比(OD側)マップでは、入力トルクと目標セカンダリプーリ圧との組み合わせ(格子点)毎に積分F/B停止変速比が与えられている。なお、目標変速比下限値(OD側)マップは、積分F/B停止変速比(OD側)マップよりも各格子点の値が小さくなるように設定されている。
上述したように学習が行われた後、変速制御部41は、学習後の積分F/B停止変速比を用いて積分項の蓄積動作の実行又は停止を制御する。すなわち、変速制御部41は、実変速比が、目標変速比限界値(下限値)と学習後の積分F/B停止変速比(OD側)との間にある場合には、目標変速比と実変速比との偏差の時間積分に応じて制御値を調節する積分項の蓄積動作を停止する。
ここで、学習前の変速線(目標変速比の遷移)、及び、学習後の変速線の一例を図3に示す。図3の横軸は車速(km/h)であり、縦軸はエンジン回転数(rpm)である。また、図3では、目標変速比限界値(下限値)を細い実線で示し、学習前の積分F/B停止変速比を細い破線で示し、学習後の積分F/B停止変速比を細い一点鎖線で示し、学習前の変速線を太い破線で示し、学習後の変速線を太い実線で示した。
図3に示されるように、積分F/B停止変速比よりも目標変速比限界値側(フルOD側)にある領域は、積分F/Bの補正が停止される領域である。未学習の状態では細い破線で示されるように、ワーストケースに合せて、バラツキの上限に積分F/B停止変速比が設定されている。そのため、太い破線で示されるように、フルODまで使用することができない。一方、学習が進むにつれて、一点鎖線で示されるように、積分F/B停止変速比(OD側)が低下してハードウェア限界に近づいていき、使用可能領域が広がる。このことによって、太い実線で示されるように、フルODまで使用することができるようになる。
次に、図6を参照しつつ、無段変速機の変速制御装置1の動作について説明する。図6は、無段変速機の変速制御装置1による学習処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、TCU40において、所定時間毎(例えば10ms毎)に繰り返して実行される。なお、ここでは、OD側の積分F/B禁止変速比を学習する場合を例にして説明する。なお、フルLow側の積分F/B停止変速比も同様にして学習することができる。
まず、ステップS100では、実変速比が積分F/B停止変速比に達しているか否か(実変速比がODに達しているか否か)についての判断が行われる。ここで、実変速比が積分F/B停止変速比に達していない場合には、本処理から一旦抜ける。一方、実変速比が積分F/B停止変速比に達しているときには、ステップS102に処理が移行する。
次に、ステップS102では、積分F/B停止変速比の学習条件が成立しているか否かについての判断が行われる。例えば、ステップS102では、車速、無段変速機30の油温、入力トルク、及び、セカンダリプーリ圧のうち、少なくともいずれか一つ以上のパラメータの値が、第1の所定範囲内にあり、かつ、該パラメータの変動幅が一定時間以上、第2の所定範囲内にあるか否かについての判断が行われる。ここで、学習条件が成立していない場合には、本処理から一旦抜ける。一方、学習条件がすべて成立しているとき(ODで安定走行しているとき)には、ステップS104に処理が移行する。
学習条件が成立しているときに、ステップS104では、無段変速機30のプライマリプーリ圧が増加(UP-Dutyが増加)され、変速比を、徐々に、よりOD側へ変更するように制御が実行される。すなわち、実変速比を、積分F/B停止変速比よりもさらに目標変速比限界値(下限値)側へ変化させるように制御が行われる。
その後、ステップS106では、変速比が減少したか否か、すなわち、よりOD側に実変速比が動いたか否かについての判断が行われる。ここで、プライマリプーリ圧を増加しても変速比が減少しない場合には、プライマリ圧の増加が停止された後、本処理から一旦抜ける。すなわち、学習処理が終了される。一方、プライマリプーリ圧の増加によって変速比が減少したときには、ステップS108に処理が移行する。
ステップS108では、実変速比、目標セカンダリプーリ圧、及び、入力トルクが保存される。そして、ステップS110において、保存された目標セカンダリプーリ圧と入力トルクとを用いて、積分F/B停止変速比マップが検索されることにより求められた積分F/B停止変速比と、保存された実変速比との差分が、積分F/B停止変速比の学習値とされ、該学習値が、通常制御時における積分F/B停止変速比のマップ検索値に対するオフセット値として加算され、学習後の積分F/B停止変速比が求められる。なお、学習値の求め方、及び、学習後の積分F/B停止変速比の求め方の詳細については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、学習条件が成立していると判定された場合に、目標変速比を、積分F/B停止変速比よりもさらに目標変速比限界値側へ変化させるように要求がなされるとともに、実変速比が目標変速比限界値側に変化しなくなったときの実変速比が取得され、該実変速比に基づいて、積分F/B停止変速比が変更されて、学習後の積分F/B停止変速比が取得される。そして、学習後の積分F/B停止変速比を用いて積分項の蓄積動作の実行又は停止が制御される。すなわち、積分F/B禁止変速比が個体(無段変速機30)に合わせて学習されることにより、該個体の限界変速比に合せて(すなわち、各個体ごとのバラツキに合せて)積分F/B停止変速比を設定(補正)することができるため、不必要な積分項の蓄積が防止され、かつ、個体ごとの物理限界変速比まで使い切ることができるようになる。その結果、無段変速機30の個体ごとのハードウェアばらつきにかかわらず、各個体それぞれのハードウェア限界までOD側、及び/又は、Low側に変速すること(すなわち、各個体それぞれの物理的に取り得るフルOD、及び/又は、フルLowまで変速すること)が可能となる。なお、特に、各個体の物理的限界までフルODを使用できるようになるため、エンジン10の低回転化ができ、燃費の向上や振騒の低減を図ることができる。
本実施形態によれば、積分F/B停止変速比が、目標変速比下限値(フルOD)、及び/又は、目標変速比上限値(フルLow)それぞれに対して設定されているため、フルOD、及び/又は、フルLowそれぞれに対して、積分F/B停止変速比を学習して設定することができる。よって、フルOD、及び/又は、フルLowまで変速することが可能となる。
本実施形態によれば、積分F/B停止変速比が、無段変速機30の目標セカンダリプーリ圧、及び、入力トルクに応じて設定され、実変速比が目標変速比限界値側に変化しなくなったときの実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクが取得され、該実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクに基づいて、積分F/B停止変速比が変更されて、学習後の積分F/B停止変速比が取得される。そのため、実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクといったパラメータに応じて、適切に、積分F/B停止変速比を取得し、また、学習することが可能となる。
本実施形態によれば、無段変速機30の目標セカンダリプーリ圧と、入力トルクと、積分F/B停止変速比との関係を定めた積分F/B停止変速比マップが記憶されており、取得された目標セカンダリプーリ圧と入力トルクとを用いて、積分F/B停止変速比マップが検索されることにより求められる積分F/B停止変速比と、取得された実変速比との差分が、積分F/B停止変速比の学習値とされ、該学習値が、通常制御時における積分F/B停止変速比のマップ検索値に対するオフセット値として加算され、学習後の積分F/B停止変速比が求められる。そのため、マップを用いて、積分F/B停止変速比を取得し、また、学習値を、積分F/B停止変速比に反映することができる。
本実施形態によれば、実変速比が積分F/B停止変速比に達していることに加えて、車速、無段変速機30の油温、入力トルク、及び、セカンダリプーリ圧のうち、少なくともいずれか一つ以上のパラメータの値が、第1の所定範囲内にあり、かつ、該パラメータの変動幅が一定時間以上、第2の所定範囲内にある場合に、学習条件が成立していると判定される。そのため、より適確に学習条件を満足しているか否か(すなわち、学習処理を実行可能であるか否か)を判定することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をチェーン式の無段変速機(CVT)に適用したが、チェーン式の無段変速機に代えて、例えば、金属ベルト式の無段変速機等にも適用することができる。
また、上記実施形態では、主として、フルOD側の積分F/B停止変速比を学習する場合を例にして説明したが、フルLow側の積分F/B停止変速比も同様にして学習することができる。さらに、上述した積分F/B停止変速比の学習条件は例示であり、学習条件は上記実施形態には限られることなく、要件等に応じて任意に設定することができる。
なお、上記実施形態では、例えば、エンジントルク(CVT入力トルク)をECU60側で算出し、CAN100を介して受信する構成としたが、TCU40側で算出する構成としてもよい。また、上記実施形態では、無段変速機30を制御するTCU40とエンジン10を制御するECU60とを別々のハードウェアで構成したが、一体のハードウェアで構成してもよい。
1 無段変速機の変速制御装置
10 エンジン
12 クランク角センサ
20 トルクコンバータ
30 無段変速機
34 プライマリプーリ
35 セカンダリプーリ
36 チェーン
40 TCU
41 変速制御部
42 学習条件判定部
43 学習値取得部
44 記憶部
56 タービン回転数センサ
57 プライマリプーリ回転数センサ
58 出力軸回転数センサ
59 レンジスイッチ
60 ECU
61 エアフローメータ
62 アクセルペダルセンサ
100 CAN

Claims (5)

  1. 目標変速比と実変速比との偏差に基づいてフィードバック制御を行い、前記実変速比が前記目標変速比と一致するように制御するとともに、前記実変速比が、目標変速比限界値と積分F/B停止変速比との間にある場合には、前記目標変速比と前記実変速比との偏差の時間積分に応じて制御値を調節する積分項の蓄積動作を停止する変速制御手段と、
    前記実変速比が前記積分F/B停止変速比に達している場合に、学習条件が成立していると判定する学習条件判定手段と、
    学習条件が成立していると判定された場合に、前記目標変速比を、前記積分F/B停止変速比よりもさらに前記目標変速比限界値側へ変化させるように要求するとともに、実変速比が前記目標変速比限界値側に変化しなくなったときの当該実変速比を取得し、該実変速比に基づいて、前記積分F/B停止変速比を変更して、学習後の積分F/B停止変速比を取得する学習値取得手段と、を備え、
    前記積分F/B停止変速比は、前記無段変速機の目標セカンダリプーリ圧、及び、入力トルクに応じて設定され、
    前記学習値取得手段は、実変速比が前記目標変速比限界値側に変化しなくなったときの当該実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクを取得し、該実変速比、目標セカンダリプーリ圧、入力トルクに基づいて、前記積分F/B停止変速比を変更して、学習後の積分F/B停止変速比を取得し、
    前記変速制御手段は、前記学習後の積分F/B停止変速比を用いて積分項の蓄積動作の実行又は停止を制御することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記目標変速比限界値は、目標変速比の下限値、及び/又は、目標変速比の上限値であり、
    前記積分F/B停止変速比は、前記目標変速比下限値、及び/又は、目標変速比上限値それぞれに対して設定されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記無段変速機の目標セカンダリプーリ圧と、入力トルクと、前記積分F/B停止変速比との関係を定めた積分F/B停止変速比マップを記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記学習値取得手段は、取得した前記目標セカンダリプーリ圧と前記入力トルクとを用いて、前記積分F/B停止変速比マップを検索することにより求められる積分F/B停止変速比と、取得した前記実変速比との差分を、積分F/B停止変速比の学習値とし、該学習値を、通常制御時における前記積分F/B停止変速比のマップ検索値に対するオフセット値として加算し、学習後の積分F/B停止変速比を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速機の変速制御装置。
  4. 目標変速比と実変速比との偏差に基づいてフィードバック制御を行い、前記実変速比が前記目標変速比と一致するように制御するとともに、前記実変速比が、目標変速比限界値と積分F/B停止変速比との間にある場合には、前記目標変速比と前記実変速比との偏差の時間積分に応じて制御値を調節する積分項の蓄積動作を停止する変速制御手段と、
    前記実変速比が前記積分F/B停止変速比に達している場合に、学習条件が成立していると判定する学習条件判定手段と、
    学習条件が成立していると判定された場合に、前記目標変速比を、前記積分F/B停止変速比よりもさらに前記目標変速比限界値側へ変化させるように要求するとともに、実変速比が前記目標変速比限界値側に変化しなくなったときの当該実変速比を取得し、該実変速比に基づいて、前記積分F/B停止変速比を変更して、学習後の積分F/B停止変速比を取得する学習値取得手段と、を備え、
    前記学習条件判定手段は、前記実変速比が前記積分F/B停止変速比に達していることに加えて、車速、前記無段変速機の油温、入力トルク、及び、セカンダリプーリ圧のうち、少なくともいずれか一つ以上のパラメータの値が、第1の所定範囲内にあり、かつ、該パラメータの変動幅が第2の所定範囲内にある場合に、前記学習条件が成立していると判定し、
    前記変速制御手段は、前記学習後の積分F/B停止変速比を用いて積分項の蓄積動作の実行又は停止を制御することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  5. 前記学習条件判定手段は、前記実変速比が前記積分F/B停止変速比に達していることに加えて、車速、前記無段変速機の油温、入力トルク、及び、セカンダリプーリ圧のうち、少なくともいずれか一つ以上のパラメータの値が、第1の所定範囲内にあり、かつ、該パラメータの変動幅が第2の所定範囲内にある場合に、前記学習条件が成立していると判定することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置。
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