JP3774963B2 - 暖房装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン冷却水を熱源として室内暖房を行なう暖房装置に関するもので、特に、吸着剤が被吸着媒体を吸着するときの吸着熱を利用して補助暖房を行なうことが可能な暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平2−37019号公報には、図9に示すような暖房装置が提案されている。この暖房装置は、一端に空気吸込口1a、他端に空気吹出口1bを備えたダクト1内に、送風ファン2、エンジン冷却水を熱源とする室内暖房用のヒータコア4、エアミックスダンパ5、被吸着媒体(水)を吸着、脱着可能な吸着剤(ゼオライト)を密閉容器71内に備える吸着器7、および、吸着器7に連通して設けられる水タンク6等を配置したものからなる。
【0003】
そして、エンジン始動直後のように、エンジン冷却水が低温で、このエンジン冷却水では十分な暖房が行えないとき、切替ダンパ79、79により、吸着器7へ送風するように切り替え、かつ、水タンク6内の水を吸着器7の吸着剤に吸着させる。これにより、水の吸着による吸着熱が送風空気に放熱されて加熱され、補助暖房を行なうことができる。
【0004】
また、エンジンの始動直後から時間が経過し、エンジン冷却水が高温となったとき、切替ダンパ79、79により吸着器7への送風を遮断した状態で、エンジン冷却水を熱源とする通常暖房を行なうとともに、吸着器7をエンジンEの廃熱を利用して加熱し、吸着剤が吸着した水を脱着させて吸着剤を再生し、次の補助暖房に備える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術では、補助暖房のための吸着器7や、この吸着器7への送風の断続を切り替えるための切替ダンパ79、79をダクト1内に配置してあるため、ダクト1が大幅に大型化したり、ダクト1の形状を大幅に変更する必要があるため、コスト高であった。
【0006】
また、吸着器7において、密閉容器71の中心部に存在する吸着剤と送風空気との熱交換が効率よく行なわれず、吸着器7の吸着熱を送風空気の加熱に効率よく利用できない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、ダクトの大幅な大型化や形状変更を招くことなく、かつ、吸着剤が被吸着媒体を吸着するときの吸着熱を効率よく暖房に利用できる暖房装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、吸着器(7)に関して、多数の吸着剤(S)を収容する密閉容器(71)の内部に、エンジン冷却水と同種の液体が内部を流れる液配管(73b)を、上記多数の吸着剤(S)に接するように配置する、といった構造により、吸着剤(S)が被吸着媒体を吸着するときの吸着熱を、液配管(73b)を流れる液体に効率よく放熱できることに着目し、以下に述べる発明を案出した。
【0008】
具体的に請求項1、3ないし5に記載の発明では、送風ファン(2)やエンジン冷却水を熱源とする暖房用熱交換器(4)をダクト(1)内に設けた暖房装置において、媒体タンク(6)内の被吸着媒体を吸着剤(S)に吸着させ、このときの吸着熱にて液配管(73b)の液体を加熱し、この加熱された液体を、暖房用熱交換器(4)に循環させる補助暖房行程を実行可能であり、この行程の後には、吸着器(7)を加熱手段(9)にて加熱して吸着剤(S)から被吸着媒体を脱着させ、この脱着された被吸着媒体を媒体タンク(6)に収容させることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、吸着器(7)をダクト(1)外に配置してあるため、補助暖房時と、吸着剤(S)の脱着時との切り替えのときに、上記従来技術では必要であった切替ダンパ(79、79)が不必要となり、ダクト(1)の大幅な大型化や形状変更を招くことを抑制できる。
また、上記吸着熱を液配管(73b)の液体に効率よく放熱できるので、この液体を効率よく加熱でき、この加熱された液体を、暖房用熱交換器(4)に循環させることで、ダクト(1)内の空気を効率よく加熱できる。
【0010】
なお、吸着器(7)はエンジン(E)に比べて熱容量が非常に小さいため、吸着器(7)自身の加熱に使用される吸着熱は小さく、この吸着熱を液配管(73b)の液体の加熱に効率よく利用できる。よって、エンジン(E)始動直後等、エンジン(E)のエンジン冷却水では暖房を十分に行なえない場合に、上記補助暖房行程を実行することにより、暖房を行なうことができる。
【0011】
また、吸着熱を利用しているため、電気ヒータの熱を利用する場合に比べて,補助暖房時における必要電力量が僅少となる。
また、請求項2ないし5に記載の発明では、ダクト(1)の空気吹出口(1b)からの温風が吹き出される部位とは異なる所定部位、例えば、座席等を加熱する第2暖房用熱交換器(40)に、上記吸着熱にて加熱された液体を循環させる補助暖房行程を実行可能である。よって、上記した請求項1、3ないし5に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明では、媒体タンク(6)をダクト(1)内に配置し、送風ファン(2)による送風空気に、媒体タンク(6)に収容される上記脱着された被吸着媒体の凝縮熱を放熱させているので、この凝縮熱により送風空気を加熱でき、暖房性能を向上できる。
また、請求項4に記載の発明では、補助暖房行程において、上記加熱された液体をエンジン(E)にも循環させるので、上記暖房用熱交換器(4)、(40)における補助暖房に加えて、エンジン(E)の暖機も行なうことができ、エンジン(E)の始動性を向上できる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明では、正の温度抵抗特性を有し、かつ、所定温度にて抵抗値が急激に増大する発熱体(9)、つまり、PTCヒータ(9)にて、上記加熱手段を構成するので、特別な制御手段を用いることなく、吸着剤(S)を加熱する温度を、適正に(つまり、吸着剤(S)の脱着温度程度に)保つことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1ないし6に示す本実施形態は、本発明の暖房装置を車両用空調装置に適用したものである。この空調装置は、図1に示すように、通風経路を形成するダクト1を備え、この一端には、室内空気および室外空気を吸い込む空気吸込口1aが形成され、他端には、室内へ空調風(温風、冷風)を吹き出す空気吹出口1bが形成されている。なお、空気吸込口1aには、室内空気および室外空気を所定の割合で切り替え導入する、周知の内外気切替箱(図示せず)が設けてある。また、空気吹出口1bには、この吹出口1bから吹き出す空調風を、乗員の上半身や、足元や、フロントガラス等に向けて吹き出す吹出口を備えた周知のダクトが設けてある。
【0015】
そして、ダクト1内の一端から他端にかけて空気を送る送風ファン2、送風空気を冷却するエバポレータ(冷房用熱交換器)3、送風空気を加熱するヒータコア(暖房用熱交換器)4を、ダクト1内の一端側から他端側にかけて順に配置したものである。また、ヒータコア4の上流には、このヒータコア4を通過する空気量と、バイパスする空気量との比を調節するエアミックスダンパ5が配置されている。
【0016】
そして、ダクト1内のうち、エバポレータ3の下流側で、かつ、エアミックスダンパ5(ヒータコア4)の上流側に、水タンク(被吸着流体タンク)6を配置してある。この水タンク6は、耐食性に優れる材料(例えばステンレス系材料)からなる密閉容器61の内部に、液体状の水(被吸着流体)Wを収容してなる。また、ダクト1外(例えば助手席足元近傍)には、耐食性に優れる材料からなる密閉容器71の内部に、吸着コア72を収容してなる吸着器7が配置されている。吸着コア72は、一対のヘッダタンク73aと、このヘッダタンク73a間を連結するように並列的に配置される複数の液配管73bと、これら液配管73b間に設けた伝熱フィン(図示省略)とからなる熱交換部73を備え、この熱交換部73のうち液配管73b間に、多数の吸着剤Sを接するように充填したものからなる。この吸着剤Sは接着剤により熱交換部73に固定されている。
【0017】
なお、吸着剤Sは、例えばゼオライトの粉粒体から構成されており、周知のように、冷却されることにより被吸着媒体(水やアルコール等)を高能力で吸着し、また、被吸着媒体の吸着に伴い吸着能力が低下するが、加熱されることにより、吸着していた被吸着媒体を脱着して吸着能力が再生される、という性質を有している。
【0018】
そして、水タンク6の密閉容器61の重力方向下方部と吸着器7の密閉容器71の重力方向上方部とは、連通配管8にて連通されており、この連通配管8には、この連通配管8を開閉する開閉弁81が設けられている。
ここで、水タンク6の密閉容器61および吸着器7の密閉容器71の吸着器7の内部に、不要なガス分子(水素や酸素等)が存在すると、吸着剤Sによる水の吸着速度が遅くなり、後述する補助暖房性能が低下するため、上記密閉容器61、71の内部は、予め真空引きし、上記不要なガス分子を除去した後に、被吸着媒体としての水が充填されている。
【0019】
そして、外気温度が0℃のときの必要熱量を2.5kWとし、後述する補助暖房を5分間行なうとした場合、必要な吸着剤(ゼオライト)Sは約1.2kgであり、吸着器7の容積は約1.5リットル程度である。また、水タンク6には、吸着器7の吸着剤Sにて吸着される水が液体状で(例えば300ミリリットル程度)収容されるため、この水タンク6の容積はダクト1に比して非常に小さい。このため、水タンク6をダクト1内に配置するに伴って、ダクト1の大型化や形状変更は必要ない。また、この水タンク6は、ダクト1内において大きな通風抵抗とならないように薄型(例えば高さ30ミリ程度)に構成し、かつ、ダクト1の内壁面に沿って配置する。
【0020】
また、吸着器7の吸着コア72のうち、入口側のヘッダタンク73aには、この吸着コア72を加熱するPTCヒータ(加熱手段)9が、接着剤等にて固定されている。このPTCヒータ9は車両のバッテリVを電源としており、このヒータ9への通電のオン、オフを切り替えるスイッチ91が設けられている。
また、PTCヒータ9は、正の温度抵抗特性を有し、所定温度以上で急激に抵抗が増加して電流が流れない(つまり、所定温度以上に発熱しない)ものであり、上記所定温度を、吸着剤Sの脱着温度(例えば200℃程度)に設定してある。このPTCヒータ9によれば、特別な制御手段を用いることなく、吸着剤Sを加熱する温度を、適正に保つことができる。
【0021】
そして、車両のエンジンE周囲のウォータジャケット14とヒータコア4とは、接続配管Bにて直列に接続されている。この接続配管Bには、この接続配管Aにおける流体流れを断続する、つまり、接続配管Aを開閉する開閉弁(具体的に電磁弁)12が設けられている。また、接続配管Bには、エンジンE(ウォータジャケット14内)のエンジン冷却水(具体的には、水にエチレングリコールを混合させた不凍液)を、図1中矢印方向に送る電動ポンプ10が、この配管Bに設けられている。
【0022】
そして、接続配管Bには、ウォータジャケット14および開閉弁12に並列的に、かつ、ヒータコア4およびポンプ10に直列的に、吸着器7の熱交換部73を接続する接続配管Aが設けられている。また、接続配管Bには、開閉弁12に並列的に、かつ、ウォータジャケット14、ヒータコア4およびポンプ10に直列的に、吸着器7の熱交換部73を接続する接続配管Cが設けられている。なお、接続配管Bと接続配管Cとは共有する部位がある。
【0023】
そして、接続配管Aのうち、接続配管Cと共有されない部位には、この接続配管Aにおける流体流れを断続する開閉弁11が設けられている。また、接続配管Cのうち、接続配管Aと共有されない部位には、この接続配管Cにおける流体流れを断続する開閉弁13が設けられている。
なお、接続配管A、B、C、ウォータジャケット14、ヒータコア4、および、吸着器7の熱交換部73に流れる(または、停滞する)不凍液のうち、エンジンEのウォータジャケット14に循環する不凍液を、請求項でいうエンジン冷却水とし、このエンジン冷却水以外の不凍液を、請求項でいうエンジン冷却水と同種の液体とする。
【0024】
ここで、車両には、図6に示すような、本実施形態の空調装置に係わる制御を行なう電気制御装置100が設けられている。この電気制御装置100には、車両前面のコントロールパネルに設けられる、車室内の空調の作動、停止を切り替える空調スイッチ60からの信号や、温度設定器40の信号や、室温、外気温、日射量、エバポレータ吹出温度、エンジン冷却水温度等のセンサ群30の信号が入力される。
【0025】
さらに電気制御装置100は、これらの入力信号に基づいて所定の演算を行ない、この演算結果に基づいて、エアミックスダンパ5の回動位置の切替や、送風ファン2の送風量の切替や、エバポレータ3を作動させるためのコンプレッサの作動、停止の切替等の、周知の制御を行なうと同時に、PTCヒータ9のスイッチ91のオン、オフや、ポンプ10の作動、停止や、開閉弁8の回動位置の切替や、開閉弁11、12、13の回動位置の切替等の制御を行なう。また、電気制御装置100には、後述のようにはたらくタイマ50が内蔵されている。
【0026】
以下に、上記構成における作動を説明する。なお、ウォータジャケット14のエンジン冷却水の温度が所定温度(例えば50℃)以下である(例えば、エンジンE始動直後である)ことが、電気制御装置100にて検出されるときに、後述する補助暖房が行なわれる。
まず、補助暖房を行なうときは、図2に示すように、開閉弁11にて接続配管Aを開き、開閉弁12、13にて接続配管B、Cを閉じるとともに、ポンプ10を作動させ、開閉弁81にて連通配管8を開き、PTCヒータ9のスイッチ91はオフとする。また、これらの制御の開始と同時に、タイマ50にてタイムカウントを開始する。また、送風ファン2にてダクト1の一端から他端にかけて空気流が形成され、エバポレータ3は作動せず、ヒータコア4を空気が通過するようにエアミックスダンパ5の回動位置が切り替えられる。ここで、開閉弁8、11、12、13等にてそれぞれの配管81、A、B、C等を開いているときは、図中白抜きで示し、閉じているときは黒抜きで示す。
【0027】
これにより、水タンク6内の液体状の水Wが、このタンク6の下方部から連通配管8を経て吸着器7へ移動し、吸着器7の吸着剤Sが水(液状)を吸着し、この吸着による吸着熱(化学吸着熱)により、熱交換部73を流れる液体を加熱し、この加熱された液体をヒータコア4に循環させることにより、ダクト1内の送風空気を加熱する。
【0028】
そして、タイマ50により第1所定時間T1(例えば5分)が経過したことがカウントされたとき、図3に示すように、開閉弁11にて接続配管Aを閉じ、開閉弁12にて接続配管Bを開くとともに、PTCヒータ9のスイッチ91をオンとする。また、この制御と同時に、タイマ50をリセットして、再びタイムカウントを開始する。
【0029】
この結果、温度が十分上昇したエンジン冷却水がヒータコア4へ循環されて、ダクト1内の送風空気が加熱される(通常の暖房行程が行なわれる)とともに、PTCヒータ9が発熱して吸着コア72を加熱することにより、吸着剤Sに吸着されている水が脱着(蒸発)されて、吸着剤Sが再生される。そして、脱着された水蒸気が、連通配管8を経て水タンク6へ移動し、この水タンク6において凝縮する。なお、この凝縮による凝縮熱は、ダクト1内の送風空気に放熱されるため、暖房効果を向上できる。
【0030】
また、水タンク6がヒータコア4の上流側に配置されているため、水タンク6に送風される空気は比較的低温である。よって、水タンク6における凝縮熱の放熱が効率よく行なわれる。
なお、上記第1所定時間T1とは、エンジンEの始動を開始したときから、室内暖房を可能な温度(例えば50℃)までエンジン冷却水温が上昇するのに必要な時間のことであり、この時間T1の間に室内暖房に必要な熱量を放熱できるように、吸着剤Sの量が上述のように設定されている。
【0031】
そして、吸着剤Sから水が全て脱着されたとき(吸着剤Sの再生が完了したとき)、具体的には、タイマ50により第2所定時間T2(例えば30分)が経過したことがカウントされたとき、図4に示すように、開閉弁81にて連通配管8を閉じ、PTCヒータ9のスイッチ91をオフとする。
なお、エンジンEの始動直後に補助暖房を行い、吸着剤Sの再生が完了した後(つまり、通常暖房時)において、エンジン冷却水の温度が大幅に下がったとき(例えば、エンジンEの負荷が大幅に低下して、エンジン冷却水への放熱量が大幅に減少したとき)、図5に示すように、脱着状態(再生状態)を維持したままで、PTCヒータ9のスイッチ91をオンとし、開閉弁11、12にて接続配管A、Bを閉じ、開閉弁13にて接続配管Cを開く。
【0032】
この結果、PTCヒータ9により、吸着器7の熱交換部73の不凍液(エンジン冷却水)を加熱できるので、暖房能力の低下を抑制できる。また、PTCヒータ9に通電することにより上記バッテリVの負荷が上がるため、これに伴ってエンジンEの負荷も上がる。よって、エンジンEの発熱が大きくなり、エンジン冷却水の温度も上昇するため、暖房能力の低下をさらに抑制できる。
【0033】
以下、本実施形態の奏する効果を述べる。
まず、吸着器7をダクト1外に配置してあり、しかも、上記従来技術では必要であった切替ダンパ79、79(図9参照)が不必要となり、ダクト1の大幅な大型化や形状変更を招くことを抑制できる。
また、吸着器7の密閉容器71内において、複数の液配管73bの間に、多数の吸着剤Sが充填してある(つまり、多数の吸着剤Sに接するように液配管73bが設けてある)ため、上記吸着熱を液配管73bの液体に効率よく放熱でき、この液体を効率よく加熱できる。よって、この加熱された液体を、暖房用熱交換器4に循環させることで、ダクト1内の空気を効率よく加熱できる。
【0034】
なお、吸着器7はエンジンEに比べて熱容量が非常に小さいため、吸着器7自身の加熱に使用される吸着熱は小さく、この吸着熱を液配管73bの液体の加熱に効率よく利用できる。よって、エンジンE始動直後等、エンジンEのエンジン冷却水では暖房を十分に行なえない場合に、上記補助暖房行程を実行することにより、暖房を行なうことができる。
【0035】
また、吸着熱を利用しているため、電気ヒータの熱を利用する場合に比べて補助暖房時における必要電力量が僅少となる。
(第2の実施形態)
図7および図8に示す本実施形態は、水タンク6からの水を水蒸気として吸着器7へ供給するものであり、水タンク6の密閉容器61の重力方向上方部と、吸着器7の密閉容器71の重力方向上方部とが、連通配管8にて連通されている。また、吸着器7の熱交換部73と同様な構造(図示は省略)の熱交換部62が、水タンク6の水Wに埋没するように配置されている。
【0036】
また、接続配管Bには、もうひとつ開閉弁16が設けられている。そして、ウォータジャケット14、ヒータコア4、開閉弁12、および、ポンプ10のそれぞれに直列的に、かつ、開閉弁16に並列的に、水タンク6の熱交換部62を接続する接続配管Dが、接続配管Bに設けられている。この接続配管Dには、この配管Dへの液体流れを断続する開閉弁15が設けられている。
【0037】
さらに、車室内の座席の下で、かつ、座席の車両前後方向の移動に伴って移動しない部位に、座席加熱用熱交換器(第2暖房用熱交換器)40を設けてある。そして、接続配管Bには、さらにもうひとつ開閉弁17が設けられている。そして、ウォータジャケット14、開閉弁12、16、および、ポンプ10のそれぞれに直列的に、かつ、開閉弁17およびヒータコア4に並列的に、座席加熱用熱交換器40を接続する接続配管Fが、接続配管Bに設けられている。この接続配管Fには、この配管Fへの液体流れを断続する開閉弁18が設けられている。
【0038】
また、車両前面のコントロールパネルには、座席の加熱を指示する座席暖房スイッチ(図示省略)が設けられており、このスイッチからの信号が、電気制御装置100に入力されるようになっている。
そして、補助暖房実行時で、上記座席暖房スイッチがオフのときには、図7に示すように、開閉弁11、12、13による接続配管A、B、Cの開閉は、上記第1の実施形態(図2参照)と同様であり、開閉弁15により接続配管Dを開き、開閉弁16により、接続配管Aを閉じ、開閉弁81にて連通配管8を開き、開閉弁17にて接続配管Aを開き、開閉弁18にて接続配管Fを閉じる。
【0039】
これにより、吸着器7の吸着剤Sが水タンク6内の水蒸気を吸着するため、吸着器7においては吸着熱を放熱し、水タンク6においては水の蒸発潜熱を吸熱する。そして、吸着器7の熱交換部73にて加熱された液体は、ヒータコア4にて放熱し、さらに、水タンク6の熱交換部62にて上記蒸発潜熱分の熱を放熱した後、再び吸着器7の熱交換部73に戻る。
【0040】
これによれば、液状の水を吸着コア72に落下させるのに比べて、水蒸気を吸着コア72側に供給することにより、吸着剤Sにより均一に水を吸着させることができ、吸着熱を効率よく取り出すことができる。
なお、本実施形態では、吸着剤Sが水蒸気(気体)を吸着するため、この吸着時には、上記化学吸着熱に加えて、水蒸気の凝縮熱(物理吸着熱)が放熱される。このため、吸着器7における放熱量が増加し、熱交換部73内の液体の吸熱量も増加するが、この増加吸熱分を、水タンク6における蒸発潜熱として放熱するため、ヒータコア4には、上記第1の実施形態と同様、化学吸着熱に相当する熱が放熱されることになる。
【0041】
また、補助暖房行程の後は、図8に示すように、開閉弁15にて接続配管Dを閉じ、開閉弁16にて接続配管Aを開くことにより、図3に示す第1の実施形態と同様にして、脱着された水蒸気が連通配管8を経て水タンク6へ移動し、この水タンク6にて凝縮する。
また、補助暖房実行時で、上記座席暖房スイッチがオンのときには、図7において、開閉弁17にて接続配管Aを閉じ、開閉弁18にて接続配管Fを開く。これにより、吸着器7にて加熱された液体が座席加熱用熱交換器40にて放熱するため、座席を加熱できる。そして、補助暖房行程の完了後には、座席暖房スイッチがオフのときと同様、図8に示すような制御を行なう。このように、冬季のエンジンE始動直後で、車室内の座席が冷えているとき、補助暖房により座席を加熱でき、乗員の暖房フィーリングを向上できる。
【0042】
(他の実施形態)
上記吸着剤Sとしては、ゼオライトの他に、生石灰、シリカゲル、活性炭、活性アルミナ等が挙げられる。なお、上記した化学吸着熱の大きいものを使用するのがよく、被吸着媒体を水としたとき、上記した中では、ゼオライトが好ましい。
【0043】
また、図2において(吸着器7において水を吸着させているとき)、開閉弁13にて接続配管Cを開くことにより、吸着熱にて加熱される水を、ヒータコア4、および、ウォータジャケット14に循環させてもよい。これによれば、補助暖房に加えて、エンジンEの暖機を行なうことができ、エンジンEの始動性を向上できる。
【0044】
また、PTCヒータ9により吸着器7を加熱していたが、他の種々の加熱手段に置き替えてもよい。例えば、吸着剤Sとして、脱着温度が90℃程度のシリカゲルを使用するときは、吸着器7の熱交換部73にウォータジャケット14からのエンジン冷却水を循環させてもよい。また、エンジンEの廃熱を使用してもよい。
【0045】
また、PTCヒータ9を熱交換部73の入口側ヘッダタンク73aに配置してあるが、吸着器7を加熱しうる位置であればよく、出口側ヘッダタンク73aでもよいし、吸着器7の密閉容器71の外側でもよい。
また、水タンク6の密閉容器61の外壁面に伝熱フィンを設けて、水の凝縮性能を向上させるようにしてもよい。
【0046】
また、補助暖房を開始してから所定時間T1経過後に、通常暖房に切り替えていたが、エンジン冷却水の温度が所定温度(例えば50℃程度)以上となったとき(つまり、エンジン冷却水を熱源として暖房が良好に行なえるとき)、電気制御装置100により、通常暖房に切り替えるとともに、吸着剤Sの脱着を行なうよう制御してもよい。
【0047】
また、上記第2の実施形態において補助暖房を行なうとき、開閉弁17、18にて接続配管A、Fを両方開き、ヒータコア4および座席加熱用熱交換器40の両方に、吸着器7にて加熱された水を循環させてもよい。
また、通常運転時において、座席加熱用熱交換器40にエンジン冷却水を循環させて、座席を加熱してもよい。
【0048】
また、座席加熱用熱交換器40以外の種々の暖房用熱交換器(第2暖房用熱交換器)に、吸着器7にて加熱される水を循環させてもよい。例えば、ハンドル近傍にハンドル加熱用熱交換器を設け、このハンドル加熱用熱交換器に、上記加熱される水を循環させてもよい。
また、上記第1の実施形態において、連通配管8のみを設けていたが、この連通配管8に加えて、密閉容器61の重力方向上方部と吸着器7の密閉容器71の重力方向上方部とを連通する連通配管を設けてもよい。そして、吸着器7において被吸着媒体を吸着させるときは、連通配管8を開き、かつ、上記連通配管を閉じて、液体状の被吸着媒体を吸着器7に供給し、吸着器7において被吸着媒体を脱着させるときは、連通配管8を閉じ、かつ、上記連通配管を開いて、脱着された気体状の液体状の被吸着媒体を水タンク6へ戻すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる空調装置の概略的な全体構成図である。
【図2】第1の実施形態において、補助暖房実行時における空調装置の概略的な全体構成図である。
【図3】第1の実施形態において、通常暖房時で、かつ、吸着剤の脱着時における空調装置の概略的な全体構成図である。
【図4】第1の実施形態において、通常暖房時で、かつ、吸着剤の脱着完了時における空調装置の概略的な全体構成図である。
【図5】第1の実施形態において、エンジン負荷の低下時における空調装置の概略的な全体構成図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係わる電気制御ブロック図である。
【図7】第2の実施形態において、補助暖房実行時における空調装置の概略的な全体構成図である。
【図8】第2の実施形態において、通常暖房時で、かつ、吸着剤の脱着時における空調装置の概略的な全体構成図である。
【図9】従来技術に係わる補助暖房装置を備えた空調装置の概略的な全体構成図である。
【符号の説明】
1…ダクト、1a…空気吸込口、1b…空気吹出口、2…送風ファン、
E…エンジン、4…ヒータコア(暖房用熱交換器)、
7…吸着器、71…密閉容器、73b…液配管、S…吸着剤、
6…水タンク(媒体タンク)、9…PTCヒータ(加熱手段)。

Claims (5)

  1. 一端に空気吸込口(1a)、他端に空気吹出口(1b)を備えたダクト(1)と、
    前記ダクト(1)の一端から他端にかけて空気を送る送風ファン(2)と、
    前記ダクト(1)内に配置され、エンジン(E)のエンジン冷却水を熱源として前記送風ファン(2)による送風空気を加熱する暖房用熱交換器(4)と、
    前記ダクト(1)外に配置され、冷却されることにより被吸着媒体を吸着し、加熱されることにより被吸着媒体を脱着する多数の吸着剤(S)を密閉容器(71)内部に収容した吸着器(7)と、
    前記吸着器(7)を加熱する加熱手段(9)と、
    前記吸着器(7)の前記密閉容器(71)と連通して配置され、被吸着媒体を収容する媒体タンク(6)とを備え、
    前記吸着器(7)の前記密閉容器(71)内部には、エンジン冷却水と同種の液体が内部を流れる液配管(73b)が、前記多数の吸着剤(S)に接するように配置され、
    前記媒体タンク(6)内の被吸着媒体を前記吸着剤(S)に吸着させ、このときの吸着熱にて前記液配管(73b)の液体を加熱し、この加熱された液体を前記暖房用熱交換器(4)に循環させる補助暖房行程を実行可能であり、
    この補助暖房行程の後には、前記吸着器(7)を前記加熱手段(9)にて加熱して前記吸着剤(S)から被吸着媒体を脱着させ、この脱着された被吸着媒体を前記媒体タンク(6)に収容させることを特徴とする暖房装置。
  2. 一端に空気吸込口(1a)、他端に空気吹出口(1b)を備えたダクト(1)と、
    前記ダクト(1)の一端から他端にかけて空気を送る送風ファン(2)と、
    前記ダクト(1)内に配置され、エンジン(E)のエンジン冷却水を熱源として前記送風ファン(2)による送風空気を加熱する第1暖房用熱交換器(4)と、
    前記ダクト(1)の前記空気吹出口(1b)からの温風が吹き出される部位とは異なる所定部位を加熱する第2暖房用熱交換器(40)と、
    前記ダクト(1)外に配置され、冷却されることにより被吸着媒体を吸着し、加熱されることにより被吸着媒体を脱着する多数の吸着剤(S)を密閉容器(71)内部に収容した吸着器(7)と、
    前記吸着器(7)を加熱する加熱手段(9)と、
    前記吸着器(7)の前記密閉容器(71)と連通して配置され、被吸着媒体を収容する媒体タンク(6)とを備え、
    前記吸着器(7)の前記密閉容器(71)内部には、エンジン冷却水と同種の液体が内部を流れる液配管(73b)が、前記多数の吸着剤(S)に接するように配置され、
    前記媒体タンク(6)内の被吸着媒体を前記吸着剤(S)に吸着させ、このときの吸着熱にて前記液配管(73b)の液体を加熱し、この加熱された液体を前記第2暖房用熱交換器(40)に循環させる補助暖房行程を実行可能であり、
    この補助暖房行程の後には、前記吸着器(7)を前記加熱手段(9)にて加熱して前記吸着剤(S)から被吸着媒体を脱着させ、この脱着された被吸着媒体を前記媒体タンク(6)に収容させることを特徴とする暖房装置。
  3. 前記媒体タンク(6)を前記ダクト(1)内に配置し、
    前記媒体タンク(6)に収容される前記脱着された被吸着媒体の凝縮熱を、前記送風ファン(2)による送風空気に放熱させることを特徴とする請求項1または2に記載の暖房装置。
  4. 前記補助暖房行程において前記加熱された液体を、前記エンジン(E)にも循環させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の暖房装置。
  5. 前記加熱手段は、正の温度抵抗特性を有し、かつ、所定温度にて抵抗値が急激に増大する発熱体(9)からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の暖房装置。
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