JP3771387B2 - 座席の背当、座席の背当の交換方法、及び座席の背当の製造方法 - Google Patents

座席の背当、座席の背当の交換方法、及び座席の背当の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばバス、電車等の乗物等に用いられる座席の背当に関し、より詳しくは、形状、模様色彩等の形態を変更することのできる座席の背当に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、バス等の乗物に用いられる座席の背当としては、骨格をなす背当フレームと、その背当フレームに固定された合板と、その合板に張付けられたパッドと、そのパッドの上から張付けられた表皮と、背裏に取付けられる、表皮を張付けた化粧板と、その表皮を通じて化粧板に止められた、グリップ、灰皿、カップホルダ等のアクセサリとからなるものがある。この構造の背当は、一旦乗物に取付けられたら、そのままの状態で長期間にわたって使用され続けることを前提として設計されたものである。このため、背当が古くなったり汚れたりした場合には、表皮を剥がし、新品の表皮又は洗濯後のきれいな表皮を再び張付けるにとどまっている。しかも、表皮を張替えるには、その作業の前後に、背裏の化粧板及びアクセサリの取外し・取付け作業を行う必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、同一の乗物が色々な状況下で使用される場合がある。この場合には、乗物内部の景観、特にその一部を占める背当の色、形状等の形態を、使用状況毎に変更することができれば、他の乗物とのランク差を付けるうえで有利である。ところが、前述したように表皮を張替える従来技術では、張替えにより背当の模様色彩を変えることができるものの、その張替え作業に時間も手間もかかり効率的でないばかりか、形状を変更することまではできない。従って、実際には、背当の形態として、その乗物が使用される多くの状況下において乗客に違和感を与えないような無難なものが選定されているにすぎない。
【0004】
そこで、本発明は、使用状況に応じた形態に容易に変更することのできる座席の背当の提供を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、背当フレームを主要部とし、全体を一体で構成した被着体と、背当本体を主要部とし、全体を一体で構成した装着体と、前記装着体に設けられ、同装着体を被着体に取外し可能に連結する連結手段とを備え、前記連結手段は、前記背当本体の外縁部に設けられ、かつ前記背当フレームの外面に沿って撓み得る可撓部と、前記背当フレームに巻付けられた可撓部を前記背当フレーム又は背当本体に解除可能に係止する係止部材とを備えるものであり、前記背当本体は、パッドを具備するものであり、前記可撓部は、前記パッドを延長して形成されて前記背当フレームを包み込むパッド延長部分、を有するものである。
また、本発明は、上記の発明の構成に加え、前記背当本体が、中空状をなすコアからなるものとすることもできる。
さらに、本発明は、上記の発明の構成に加え、前記背当本体が、中空状をなすコアと、そのコアに取付けられたパッドと、前記コア及びパッドを被覆する表皮とからなるものとすることもできる
【0006】
上記発明によると、背当は、大別すると背当フレームを主要部とする被着体と、背当本体を主要部とする装着体とを備えている。これらのうち、装着体のみ、すなわち背当の一部のみが交換の対象となる。そして、連結手段によって装着体が被着体に連結されると背当となる。この状態から、連結手段による連結状態が解除されると、被着体から装着体を取外すことが可能となる。このようにして被着体に対する装着体の取付け及び取外しが行われる。従って、異なる形態の装着体を複数用意しておき、それらの中から使用状況に応じた形態の装着体を選択し、それまで被着体に取付けられていた装着体と取替えると、背当は使用状況に応じたものとなる。
【0010】
また、上記本発明によると、装着体の取付け・取外しは、背当本体の外縁部において行われる。詳しくは、装着体の取付けに際しては、背当本体の可撓部が、前記背当フレームの外面に沿って撓ませられる。背当フレームに巻付けられた可撓部は係止部材によって背当フレーム又は背当本体に係止される。この係止により、可撓部は背当フレームに巻付いた状態に保持される。一方、装着体の取外しに際しては、係止部材による係止状態が解除される。すると、可撓部には、これを背当フレームに巻付けた状態に保とうとする力がなくなる。
【0012】
また、コアを有するものでは、コアは背当本体の骨格として機能する。コアは、内部が中空状であることから軽量であり、また、所定の剛性を有している。
【0014】
また、コア、パッド、及び表皮を有するものでは、コアは背当本体の骨格として機能し、パッドは背当本体の凹凸模様や柔らかな感触等を出す要素として機能し、表皮は背当本体の外観を決定する要素として機能する。コアは、内部が中空状であることから軽量であり、また、所定の剛性を有している。
更に、本発明に係る座席の背当は、上記の構成に加え、「前記コアは、背もたれ部の骨格をなす第1コアと、前記ヘッドレスト部の骨格をなし、後部コア及び前部コアから構成される第2コアとからなり、前記第2コアは、前記第1コアと一体的に形成され、前記前部コアが前記後部コアの前方に重なって位置する」ものとすることができる。
また、本発明に係る座席の背当の交換方法は、「請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の座席の背当において、前記被着体に対して前記装着体を交換する座席の背当の交換方法であって、前記被着体から前記装着体を取外す際は、前記背当フレームに巻付けられた前記可撓部を撓ませながら引張り、前記係止部材による係止を解除し、前記装着体を持ち上げて前記ヘッドレスト部から前記背当フレームの上部を抜け出させる一方で、前記装着体を前記被着体に取付ける際は、前記背当フレームの上部に前記ヘッドレスト部を被せ、前記可撓部を前記背当フレームの外周面に沿って撓ませながら巻付け、前記係止部材によって前記可撓部を前記背当フレームに係止する」ものである。
更に、本発明に係る座席の背当の製造方法は、「請求項4に記載の座席の背当を製造する方法であって、前記第2コアは前記第1コアと一体的にブロー成形され、前記前部コアは、ブロー成形時には前記後部コアの上方に形成され、その後に、前記後部コアの上端のヒンジ部で前方に折曲げられる」ものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、観光バス用の座席の背当に具体化した一実施形態を、図面に従って説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、背当1は大別すると、座席の座部フレーム(図示略)に支持される共通の被着体2と、その被着体2に取外し可能に装着される装着体3とからなる。被着体2の主要部は背当フレーム4によって構成されている。背当フレーム4の多くは中空材によって形成されている。背当フレーム4の上部には中間フレーム5が架け渡されている。中間フレーム5の後側には、表皮が張られた化粧板6が配置され、この化粧板6が背当フレーム4に対して固定されている。化粧板6には、比較的大きな応力が加えられるアクセサリ、例えば後方への引張り力が加えられるグリップ7が、ボルト、ナット等(図示略)によって締結されることもある。この場合、アクセサリは化粧板6を通じて中間フレーム5に固定される。そして、これらの背当フレーム4、中間フレーム5及び化粧板6によって被着体2の大部分が構成されている。
【0017】
一方、装着体3の主要部は背当本体8によって構成されている。背当本体8は、機能的には、利用者の背を受けるための背もたれ部9と、頭部を受けるためのヘッドレスト部11とからなる。また、背当本体8は、構成的には、図3及び図4に示すように実質的に中空状をなすコア12と、そのコア12に取付けられたパッド13と、コア12及びパッド13を被覆する表皮14とからなる。コア12は合成樹脂からなり、その全体がブロー成形法によって一体的に形成されている。ここで、ブロー成形法とは熱可塑性樹脂の成形法の1つで、吹込み成形法、中空成形法等とも呼ばれる。ブロー成形法では、押出し機から成形材料をパイプ状に押出し、これ(パリソン)を一対の金型で挟み、その中に空気等を吹込んで中空品を成形する。コア12を形成する合成樹脂としては、特に限定されないが、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、塩化ビニル(PVC)等を用いることができる。コア12は、図6乃至図8に示すように、背もたれ部9の骨格をなす第1コア15と、ヘッドレスト部11の骨格をなす第2コア16とからなる。
【0018】
第1コア15は閉じられた内部空間を有している。第1コア15の後面の側縁部及び下縁部には、背当フレーム4の前面側部分を収容するための浅い凹部18(図4、図5参照)が設けられている。この凹部18は背当フレーム4の外径よりも広い幅を有している。また、第1コア15の前面には指圧用の突起19が設けられている。この突起19の位置、数(ゼロも含む)、形状、大きさは特に限定されず、適宜変更可能である。
【0019】
第2コア16は、後部コア22と、その前側に位置する前部コア21とからなる。後部コア22の下部には、背当フレーム4の上部を入れたり出したりするための挿脱口23に対応する箇所が切除されており、化粧板6に対応する箇所も切除されている。後部コア22において切除部分24の上方近傍及び側方近傍は、背当本体8の上部を背当フレーム4の上部に掛止するための上部掛止部25となっている。前部コア21は後部コア22とは異なり切除されておらず、内部に閉空間を有している。前部コア21はヒンジ26により後部コア22の上端部に折曲げ可能に連結されている。このヒンジ26もコア12のブロー成形時に形成されたものである。前部コア21は、図6において二点鎖線で示すように、ブロー成形時には後部コア22の上方に形成されるが、その後の装着体3の組み付け時にヒンジ26の部分で前方へ折曲げられ、スクリュー20等で後部コア22に取付けられる。
【0020】
図3及び図4に示すように、パッド13は、背当本体8の凹凸模様や柔らかな感触等を出すためのものであり、ウレタンフォーム等の弾力性を有する材料によって形成されている。このパッド13は、接着等の手段によって、コア12の後面を除く箇所に固定されている。特に、前述した指圧用の突起19の上に張られたパッド13は比較的薄いものである。表皮14は背当本体8の外観を決定する要素であり、ファブリック(編織物)、フェルト、本皮革、合成皮革等からなる。ファブリックとしては、トリコット、ラッセル、ジャージ等の編物や、平織、モケット等の織物を用いることができる。コア12にパッド13が固定された箇所では、表皮14はそのパッド13の上に張付けられている。また、パッド13のない箇所、例えばコア12の後面では、表皮14はそのコア12に直接張付けられている。
【0021】
図2及び図3に示すように、第1コア15の後面には、表皮14の上から、前述したグリップ7ほどは大きな応力が加えられないアクセサリ、例えば、灰皿27、カップホルダ28、荷物を入れるためのネットポケット29等が取付けられている。この取付けのために、例えば、ナットをインサートとしてブロー成形することにより、コア12にナットを埋め込んでおくことが望ましい。このようにすると、アクセサリに通されたボルトをナットにねじ込むことにより、アクセサリをコア12に固定できる。そして、これらの背当本体8及びアクセサリによって装着体3の大部分が構成されている。
【0022】
上記構成の装着体3は、図1に示したものを含めて複数準備されている。これらの装着体3の形態はそれぞれ異なっている。ここで、「形態が異なる装着体3」とは、例えば、各部の形状や材質、表皮14の色等の構成要素の少なくとも一部分が異なっている装着体3、換言すると、同一を除くほかの全ての装着体3をいう。形状の異なる装着体3としては、例えば、図1に示すように、利用者の背の横方向へのずれを規制する突部30が背もたれ部9に設けられているもの、図1及び図9(f)に示すように、利用者の頭部の横方向へのずれを規制する突部31がヘッドレスト部11に設けられているもの、図9(a),(c),(d)に示すように、ヘッドレスト部11が大きく前方へ膨らんでいるもの、図9(c),(d)に示すように、ヘッドレスト部11が上端で折り返されているもの、図9(b)に示すように、背もたれ部9に縦長の凹凸部分32が設けられているもの、図9(e)に示すように、全体的に凹凸部分が少ないもの、図9(g)に示すように、アームレスト付き座席において、そのアームレストとの干渉を防ぐために背もたれ部9の一部が切り欠かれているもの等が挙げられる。これらは一例にすぎず、そのほかの形状をなすものを用いてもよい。
【0023】
ところで、本実施形態の背当1においては、装着体3を被着体2に取外し可能に連結するための工夫がなされている。その1つは、前述したように、後部コア22に挿脱口23及び上部掛止部25が設けられていることである。そのほかにも、図5に示すように、背当フレーム4の下部フレーム35に断面L字形のフック36が、溶接等の手段によって固定されている。フック36と下部フレーム35との間隙は、背当本体8の下部、より詳しくは第1コア15の下端部15a、を背当フレーム4の下部に掛止するための下部掛止部37となっている。
【0024】
また、図2に示すように、背もたれ部9の外縁部、より詳しくは側縁部9a及び下縁部9bには可撓部33が設けられている。図4及び図5に示すように、可撓部33は、前述したパッド13及び表皮14を第1コア15よりも後方(図4の下方、図5の右方)へ延長することにより形成したものであり、薄く、背当フレーム4の外周面に沿って内方へ向けて撓ませてその背当フレーム4に巻付けることが可能である。このように巻付けられた可撓部33を背当フレーム4に解除可能に係止するために、可撓部33の内面及び背当フレーム4の外周面には、係止部材としての接着布(面ファスナーとも呼ばれる)34が接着等の手段によってそれぞれ固定されている。そして、これらの挿脱口23、上部掛止部25、下部掛止部37、可撓部33及び接着布34によって連結手段が構成されている。
【0025】
次に、前記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。図2乃至図5は、装着体3が被着体2に取付けられた状態を示している。この状態では、背当フレーム4の上部が上部掛止部25内に入り込み、同上部が後部コア22によって包み込まれている。この上部掛止部25の壁面の背当フレーム4との接触により、ヘッドレスト部11の下方、側方、前方、後方等への動きが規制される。また、第1コア15の下端部15aが背当フレーム4の下部掛止部37内に入り込み、同下端部15aが下部掛止部37によって下側から支えられるとともに、フック36及び下部フレーム35によって挟み込まれている。この支持及び挟み込みにより、背当本体8の下部の下方、前方、後方等への動きが規制される。従って、ヘッドレスト部11だけでなく、背もたれ部9を含む装着体3の全体は被着体2から不用意に脱落しない。一方、背当フレーム4の中間部や下部フレーム35は凹部18に入り込んでいる。可撓部33が背当フレーム4に巻付けられ、接着布34によって背当フレーム4に貼付けられている。この巻付け及び貼付けにより、背もたれ部9の全方向への動きが阻止される。このため、装着体3ががたつくことがない。
【0026】
さらに、背当フレーム4の脚部4aを除く大部分は後部コア22及び可撓部33によって覆われ、隠されている。しかも、可撓部33の先端部分は凹部18内に押し込まれていて、この部分も隠されている。従って、バス等の乗客からは、背当フレーム4や可撓部33の先端が見えず、背当1は見栄えのよいものとなる。
【0027】
ここで、ヘッドレスト部11の骨格の一部をなし、かつ内部空間が閉じられた前部コア21は所定の剛性を有している。このため、前部コア21を含むヘッドレスト部11は、背当1にもたれた利用者の頭部の荷重を受け止める。なお、グリップ7は背当フレーム4側に固定されているので、このグリップ7に大きな応力が加わっても、ヘッドレスト部11には伝わらず、同ヘッドレスト部11が変形することはない。同様に、背もたれ部9の骨格をなし、かつ内部空間が閉じられた第1コア15は所定の剛性を有している。このため、第1コア15を含む背もたれ部9は、背当1にもたれた利用者の背の荷重を受け止める。なお、前述したヘッドレスト部11とは異なり、背もたれ部9には、灰皿27、カップホルダ28、ネットポケット29等の荷重や、それらの操作にともなう応力が加わる。しかし、これらのアクセサリはもともと軽く、しかもその操作にともなう応力は、グリップ7のそれほど大きくない。そのため、前記剛性により、これらの荷重や応力が受け止められる。
【0028】
グリップ7に、引張り力等の比較的大きな応力が加わった場合、その応力は化粧板6及び中間フレーム5を介して背当フレーム4に伝達する。背当フレーム4の剛性は、合成樹脂によって薄肉状に形成されているコア12よりも高い。このため、前記の応力は背当フレーム4によって受け止められることとなり、背当1は変形せず所定の形状を維持する。このように、本実施形態の背当1は、従来の背当と同様の必要な基本性能を発揮する。
【0029】
背当1において上記装着体3を形態の異なるものに交換する場合には、まず、被着体2から装着体3を次のようにして取外す。図4及び図5において可撓部33を撓ませながら後方へ引張り、互いに密着している接着布34を剥がし、接着布34による係止状態を解除する。すると、可撓部33を、背当フレーム4を包み込んだ状態に保とうとする力がなくなる。接着布34が剥がされる過程で凹部18から可撓部33の先端部分が抜け出て、可撓部33の巻込みによる背当フレーム4に対する拘束力がなくなる。この段階では、ヘッドレスト部11は依然として背当フレーム4の上部に被せられている。また、第1コア15の下端部15aは下部掛止部37内に入り込んでいる。次に、装着体3を持ち上げると、下部掛止部37から下端部15aが抜け出て、下部掛止部37による背当本体8に対する規制がなくなる。また、上部掛止部25及び挿脱口23から背当フレーム4の上部が徐々に抜け出る。完全に抜け出ると、上部掛止部25による背当フレーム4の上部に対する規制がなくなる。その結果、灰皿27、カップホルダ28等を含む装着体3が被着体2から分離する。化粧板6及びグリップ7は背当フレーム4に残る。
【0030】
別の形態の装着体3を被着体2を取付ける際には、その被着体2の上方から装着体3を次のようにして被せる。装着体3を持ち上げ、背当フレーム4の上部を、挿脱口23を通じて後部コア22内に入れ、同装着体3を徐々に下げてゆく。その途中で、第1コア15の下端部15aを下部掛止部37内に差込むと、背当本体8の下部が背当フレーム4の下部に引掛かった状態となる。背当フレーム4の上部全体が後部コア22内に入り込むと、ヘッドレスト部11が背当フレーム4の上部に引掛かった状態となる。このように背当本体8の上部及び下部が背当フレーム4の上部及び下部に掛止した状態では、背当フレーム4の中間部や下部フレーム35が凹部18に入り、その壁面に接触する。続いて、可撓部33を背当フレーム4の外周面に沿って撓ませながら巻付ける。可撓部33の先端部分を凹部18内に押し込みながら接着布34を貼合わせる。すると、可撓部33が接着布34によって背当フレーム4に係止され、背当フレーム4がその撓んだ可撓部33によって包み込まれた状態に保持される。その結果、装着体3が被着体2に脱落不能に連結されて背当1の形態となる。
【0031】
このように、本実施形態の背当1は、背当フレーム4を主要部とする被着体2と、背当本体8を主要部とする装着体3と、両者2,3を連結する連結手段とからなる。これらの被着体2及び装着体3のうち、後者のみ、すなわち背当1の一部のみが交換の対象となる。被着体2は共通部品として使用され交換されないので、背当1全体を交換の対象とする場合に比べて、交換に要する費用を低くすることができる。しかも、装着体3を被着体2に連結するために、上部掛止部25において背当本体8の上部を背当フレーム4の上部に掛止し、下部掛止部37において背当本体8の下部を背当フレーム4の下部に掛止し、さらに、パッド13及び表皮14を延長して可撓部33とし、その可撓部33を接着布34によって背当フレーム4に係止するという簡単な構成を採っている。ボルト、ナット、ビス等の締結具を用いていない。このため、上部掛止部25内に背当フレーム4の上部を挿入したり、第1コア15の下端部15aを下部掛止部37に差込んだり、可撓部33を撓ませて接着布34を貼合わせたり剥がしたりするという非常に簡単な作業を行うだけで、装着体3を短時間で被着体2に取付けたり取外したりできる。
【0032】
また、アクセサリを取付けたまま装着体3の取付け・取外しができるので、従来のように背裏の化粧板及びアクセサリの取付け・取外しも不要であるから、スパナ、レンチ、ドライバー等の工具は不要である。また、装着体3は、その骨格をなすコア12が中空状であることから軽く、被着体2への取付け・取外しの際の上げ下ろしを楽に行える。さらに、バスの所有者(バス会社)が背当1を交換できることから、その交換を背当1の製造元(メーカー)で行う必要がなくなる。
【0033】
従って、予め形態の異なる複数の装着体3を用意しておき、それらの中から使用状況に応じた形状、模様色彩等を有する装着体3を選択し、それまで被着体2に取付けられていた装着体3と交換すれば、背当1は使用状況に応じたものとなる。例えば、乗客の年齢や性別や職種、バスの行き先、バスの使用目的(例えば、冠婚葬祭)、バスの運行時間帯(例えば午前中と午後、行きと帰り)、運行日、季節等が変わる毎に、それらに適した装着体3に変更する。通常時には、明るい色の表皮14が張られた装着体3を用い、冠婚葬祭時の送迎の場合には地味な色の表皮14が張られた装着体3に交換する。
【0034】
本実施形態は前述した事項以外にも次の特徴を有する。
【0035】
(a)コア12はパッド13や表皮14によって覆われ、外部に露出しない。このため、コア12の表面をきれいに仕上げる必要がない。コア12はどのような色であってもよく、複数の色が混ざっていても支障ない。従って、リサイクルした樹脂材料を用いてコア12を形成してもよい。一般に、ブロー成形における材料替え時には、切替え前の材料と切替え後の材料とが混ざり合う。この混ざり合った材料は通常の製品の成形には使えず無駄になる。しかし、本実施形態では、このような材料であっても上述した理由により問題なく使用できる。
【0036】
(b)利用者が背当1にもたれたとき、コア12の前面に設けられた指圧用の突起19が薄いパッド13を通じてつぼを刺激するため、マッサージ効果が期待できる。
【0037】
(c)パッド13の形状、大きさ、張付け位置等を変えることによって、どのような形状の装着体3であっても簡単に作り出すことができ、設計の自由度が高い。
【0038】
(d)ポリプロピレンによって形成されたコア12は、オレフィン系の合成樹脂によって形成された場合に比べ、ウレタンフォーム製のパッド13との接着性に優れる。このため、可撓部33が繰返し撓ませられても、パッド13がコア12から剥がれにくい。
【0039】
(e)第1コア15と第2コア16(前部コア21及び後部コア22)とからなるコア12は複雑な形状をなしているが、このコア12をブロー成形法のみで簡単に形成することができる。
【0040】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
【0041】
(1)本発明は、バス以外の車両、例えば電車等の鉄道車両における座席の背当に適用することができる。そのほかにも本発明は、船舶、航空機等の車両以外の乗物における座席の背当や、映画館、劇場さらには家庭等における座席の背当にも適用できる。
【0042】
(2)前部コア21と後部コア22との間にスポンジ等の弾性体を挟んでもよい。このようにすると、パッド13に弾性体の弾力性が加わり、ヘッドレスト部11のふわふわ感(ソフト感)が増す。
【0043】
(3)被着体2への取付けの対象となる装着体は、それまで取付けられていた装着体と同じ形態のものであってもよい。
【0044】
(4)背当フレーム4に巻付けられた可撓部33を、その背当フレーム4に代えて背当本体8に係止してもよい。また、同可撓部33を背当フレーム4及び背当本体8の両方に係止してもよい。
【0045】
(5)装着体3の構成を前記実施形態とは異なるものに変更してもよい。例えば、コア12を中実体によって構成してもよい。この場合、第2コア16を1つの部分(前部コア及び後部コアを合体したもの)によって構成してもよい。
【0046】
(6)コア12を、ブロー成形法以外の樹脂成形法、例えば射出成形法(インジェクション成形法)に従って形成してもよい。
【0047】
(7)本発明は、化粧板6にアクセサリが取付けられないタイプの背当にも適用できる。
【0048】
(8)化粧板6はアクセサリを取付けない場合必ずしも必要ではない。この場合、後部コア22において化粧板6に対応する部分を切除しなくてもよい。
【0049】
(9)パッド13及び表皮14を用いずに、樹脂製のコア12のみによって背当本体8を構成してもよい。また、パッド13を用いずに、表皮14が張られた樹脂製のコア12によって背当本体8を構成してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、発明によれば、被着体上の装着体を別の装着体に取替えることにより、背当の形態を使用状況に応じたものに容易に変更することができる。
【0052】
また、本発明によれば、簡単な作業を行うことにより短時間で装着体を被着体に取付けたり、取外したりすることができる。
【0053】
また、本発明によれば、装着体の剛性を確保しながら軽量化を図ることができる。
【0054】
更に、本発明によれば、装着体の剛性を確保しながら軽量化を図ることができ、また、装着体の外形形状を簡単に作り出すことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における被着体及び装着体を示す斜視図である。
【図2】背当の背面図である。
【図3】背当上部の側断面図である。
【図4】図2のX−X線拡大断面図である。
【図5】図2のY−Y線拡大断面図である。
【図6】背当フレームとコアとの対応関係を示す説明図である。
【図7】図6のZ−Z線拡大断面図である。
【図8】コア上部の一部を破断して示す背面図である。
【図9】形態の異なる装着体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 背当
2 被着体
3 装着体
4 背当フレーム
8 背当本体
9a 側縁部
9b 下縁部
12 コア
13 パッド
14 表皮
25 上部掛止部
33 可撓部
34 係止部材としての接着布
37 下部掛止部

Claims (6)

  1. 背当フレームを主要部とし、全体を一体で構成した被着体と、
    背当本体を主要部とし、全体を一体で構成した装着体と、
    前記装着体に設けられ、同装着体を被着体に取外し可能に連結する連結手段とを備え、
    前記背当本体は、背もたれ部と、前記背当フレームの上部に挿脱可能なヘッドレスト部とからなるものであり、
    前記連結手段は、前記背もたれ部の外縁部の側縁部及び下縁部に設けられ、かつ前記背当フレームの外面に沿って撓み得る可撓部と、前記背当フレームに巻付けられた可撓部を前記背当フレーム又は背当本体に解除可能に係止する係止部材とを備えるものであり、
    前記背当本体は、パッドを具備するものであり、
    前記可撓部は、前記パッドを延長して形成されて前記背当フレームを包み込むパッド延長部分、を有することを特徴とする座席の背当。
  2. 前記背当本体は、中空状をなすコアからなることを特徴とする請求項1に記載の座席の背当。
  3. 前記背当本体は、中空状をなす前記コアと、そのコアに取付けられた前記パッドと、前記コア及び前記パッドを被覆する表皮とからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の座席の背当。
  4. 前記コアは、背もたれ部の骨格をなす第1コアと、前記ヘッドレスト部の骨格をなし、後部コア及び前部コアから構成される第2コアとからなり、
    前記第2コアは、前記第1コアと一体的に形成され、前記前部コアが前記後部コアの前方に重なって位置することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の座席の脊当。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の座席の背当において、前記被着体に対して前記装着体を交換する座席の背当の交換方法であって、
    前記被着体から前記装着体を取外す際は、
    前記背当フレームに巻付けられた前記可撓部を撓ませながら引張り、前記係止部材による係止を解除し、
    前記装着体を持ち上げて前記ヘッドレスト部から前記背当フレームの上部を抜け出させる一方で、
    前記装着体を前記被着体に取付ける際は、
    前記背当フレームの上部に前記ヘッドレスト部を被せ、
    前記可撓部を前記背当フレームの外周面に沿って撓ませながら巻付け、
    前記係止部材によって前記可撓部を前記背当フレームに係止する
    ことを特徴とする座席の背当の交換方法。
  6. 請求項4に記載の座席の背当を製造する方法であって、
    前記第2コアは前記第1コアと一体的にブロー成形され、
    前記前部コアは、ブロー成形時には前記後部コアの上方に形成され、その後に、前記後部コアの上端のヒンジ部で前方に折曲げられることを特徴とする座席の背当の製造方法。
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