JP3763853B2 - ミクロゲルの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は印刷インキ、塗料、接着剤、電子写真液体現像剤のトナー用等に有用なミクロゲルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミクロゲルの先行技術としては、特開昭55−71713号、特開昭54−78791号、特開昭52−117951号等が知られている。ところで、ジエチレングリコールジメタクリレートのような多価アルコールジアクリレートとラウリルアクリレートのような重合性モノマーとをトルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒中、重合開始剤の存在下で重合反応させて共重合体樹脂を製造する方法が知られている。こうして得られる樹脂は従来より塗料や接着剤用として広く使用されている。しかしこのような樹脂(溶液)の製造方法では芳香族炭化水素溶媒が使用されるため、樹脂の架橋が進み易く、重合反応中、樹脂がマクロゲル化したり、保存中、樹脂が固化する等の問題があった。またこの非水系樹脂を塗料や接着剤用として用いた場合も同様で、保存中の固化により接着力の低下をきたす。そこでこれらの問題を解消するため、従来は多価グリコールジアクリレート等の多官能性アクリル酸エステルの量を3重量%以下に抑える必要があった。またたとえこのようにして以上の問題が解消されたとしても、樹脂は芳香族溶媒に可溶であり、ミクロゲルを得ることはできず、従って溶解状態で得られるため、そのままで塗料に用いた場合は顔料への樹脂の吸着力が少なく、接着力が不足するので、特に電着塗料に用いる場合は望ましくないものであった。
【0003】
更にこの方法で使用される芳香族溶媒は毒性及び引火性が強く、環境衛生上問題があるばかりでなく、火災の危険も多いという問題も有する。
【0004】
また一般にミクロゲルは従来乳化重合法、懸濁重合法による製法が知られている。例えば山崎信助ら表面,25,86(1987)、山本剛康ら第5回高分子ミクロスフェア討論会(1988)P56がある。この方法は微小粒径のポリマーが得られるが、乳化剤や分散剤が塗膜に残り、耐吸湿性等に問題があった。一方、非水系ミクロゲルの製法はほとんど知られていない。津布子ら高分子論文集vol.46,No.11,P723〜731(Nov.1989)に報告されているが、粒径分布が広い欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は毒性及び引火性が弱く、得られる樹脂に対する溶解性も低く、且つ光化学的に不活性な非水系溶媒を用いることにより、保存性に優れ、従って接着力の低下がなく、しかも環境衛生上も問題が少なく、火災の危険も少ない非水系ミクロゲル樹脂分散液の製造方法を提供することであり、また均一な粒子径を持った非水系ミクロゲルの製造方法を提供することである。又本発明の別の目的は、静電写真用トナーとして有用なミクロゲルの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、非水溶媒中での特定のモノマーの組合せによる共重合により解決し得ることを知見し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、シリコーンオイル、植物油から選択された非水溶媒中で重合開始剤の存在下に、下記一般式(3)又は(4)で表わされるモノマーAの少なくとも1種と多官能ビニルモノマーから選ばれるモノマーBの少なくとも1種と、他の重合性モノマーC(ただしエチレンは含まない)とを少なくとも含むモノマー混合物を重合することを特徴とするミクロゲルの製造方法である。
【0008】
一般式(3)
R1CH=CHCOOR2
(式中、R1はH又はCnH2n+1(n=1〜20)、R2はCmH2m+1(m=1〜20)を表わす)
一般式(4)
CH2=C(R)COO(CH2)nX
(式中、RはH又はCH3、nは1〜20、Xはハロゲンを表わす)
【0011】
本発明に使用する上記一般式(3)で表わされるモノマーAとしては、たとえば、
No.1 CH3−CH=CHCOOCH3、
No.2 CH3−CH=CHCOOC2H5、
No.3 CH3−CH=CHCOOC4H9、
No.4 CH3−CH=CHCOOC10H21、
No.5 CH3−CH=CHCOOC12H25、
No.6 CH3−CH=CHCOOC16H33、
No.7 CH2=CHCOOCH3、
No.8 CH2=CHCOOC5H11、
No.10 CH2=CHCOOC20H41、
No.11 C12H25CH=CHCOOCH3、
No.12 C18H37CH=CHCOOC2H5、
No.13 C3H7CH=CHCOOC12H25、
等を挙げることができる。
【0012】
本発明に使用する上記一般式(4)で表わされるモノマーAとしては、たとえば、
No.1 CH2=CHCOOCH2CH2Br、
No.2 CH2=CHCOOCH2CH2I、
No.3 CH2=CHCOOCH2CH2Cl、
No.4 CH2=CHCOOCH2CH2CH2Br、
No.5 CH2=C(CH3)COOCH2CH2I、
No.6 CH2=C(CH3)COOCH2Br、
No.7 CH2=C(CH3)COO(CH2)5Br、
No.8 CH2=C(CH3)COO(CH2)12Cl、
No.9 CH2=CHCOO(CH2)18Br、
No.10 CH2=CHCOO(CH2)20I、
等を挙げることができる。
【0014】
また本発明に使用される多官能ビニルモノマーBとしては、ジメタアクリレート(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールトリアクリレート、トリエチレングリコールトリメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチルロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールヘキサントリアクリレート、トリメチロールヘキサントリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチルロールエタントリアクリレート、トリメチルロールエタンメタクリレート)、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0018】
又、一般式(3)のモノマーAを使用する場合、全モノマーに対して30〜95重量%、又一般式(4)のモノマーAを使用する場合には同50〜90重量%多官能モノマーBを0.1〜30重量%で共重合することができる。一般式(3)、(4)のモノマーA成分はミクロゲルの帯電、分散、接着性に寄与し、それがそれぞれ30重量%及び50重量%未満の場合その効果が低下する。又それぞれ95重量%及び90重量%を越えると、ミクロゲルが生成しにくくなる。これらのモノマーを用いた場合、従来の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを用いた場合よりミクロゲルの生成が容易でミクロゲルの生成粒子が均一で小さい粒径のものが生成する。
【0019】
一方、多官能モノマーが0.1重量%未満ではミクロゲルの生成がしにくくなる。30重量%を越えるとマクロゲル化する。
【0021】
本発明において重合系に存在させる顔料としてはカーボンブラック、オイルブルー、アルカリブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スピリッドブラック、アニリンブラック、オイルバイオレット、ベンジジンイエロー、メチルオレンジ、ブリリアントカーミン、ファーストレッド、クリスタルバイオレット、四三酸化鉄、ニグロシン、酸化チタン、酸化亜鉛等の染料又は顔料が挙げられる。これらの顔料は、モノマー混合物に対して5〜50重量%で存在させることが好ましい。
【0022】
また本発明では樹脂の製造工程に他の重合性モノマーC、あるいはシリカ微粒子や軟化点60〜130℃程度のワックス又はポリオレフィンを添加することができる。シリカ微粒子を用いた場合は樹脂はその網状構造中にシリカ微粒子を取り込んだ状態で得られるものと考えられる。この場合、シリカ自体はもちろん、反応中、溶解等の物理的変化を受けることはない。いずれにしてもシリカの場合は比重が分散媒と近似すること、及び樹脂のゲル化を防止することにより、分散安定性を更に向上することができる。一方、ワックスまたはポリオレフィンを用いた場合はこれらは重合反応中、加熱により反応系に溶存するが、反応後は冷却により微粒子状に析出する結果、樹脂はこれらの微粒子に吸着された状態で得られるものと考えられる。ここでワックスまたはポリエチレンは比重が分散媒と近似すると共に樹脂のゲル化を防止する上、分子構造も分散媒と類似するので、分散安定性の向上に役立つばかりでなく、軟化点が低いので、接着性の向上にも役立つ。なおシリカ、ワックスまたはポリオレフィンの添加量は樹脂100重量部に対し1〜50重量部程度が適当である。
【0023】
次に本発明で使用される素材について説明する。
【0024】
本発明においては、必要に応じて他のモノマーを共重合させることができる。このような他の重合性モノマーCとしては極性モノマー、その他の反応性モノマーがあり、極性モノマーとしては不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、不飽和窒素含有化合物、グリシジル基含有不飽和化合物、アクリル酸アルキル(炭素数1〜5)エステル及び/又はメタクリル酸アルキル(炭素数1〜5)エステル等がある。ここで不飽和カルボン酸及びその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、アコニット酸、ケイ皮酸及びこれらの無水物が例示される。また不飽和窒素含有化合物の例としては、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等が例示され、さらにアクリル酸又はメタクリル酸のアルキル(炭素数1〜5)エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等が例示される。更にグリシジル基含有不飽和化合物としては代表的にグリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートが例示される。
【0025】
その他の重合性モノマーCとしてはスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0026】
なおこれらをモノマーA、B、Cを重合させる際用いられる重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエート、ジアミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルが使用できる。
【0027】
本発明に使用する非水溶媒としては、各種シリコーンオイル、植物油等である。
【0045】
実施例17
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにシリコーンオイル、KF58(信越シリコーン社製)300gを採り90℃に加熱した。次にこれに前記一般式(3)No.6のモノマーA300g、N−ビニルピリジン5g、エチレングリコールジメタクリレート25g及び過酸化ベンゾイル3gよりなる溶液を1.5時間に亘って滴下後、前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率98%で粘度180cp、粒径0.4〜0.15μのミクロゲル樹脂分散液を得た。一般式(3)No.6のモノマーの代わりにラウリルメタクリレートを用いた場合には粒径は3〜5μであった。
【0046】
実施例18
実施例17で得られたミクロゲル樹脂分散液300gをフラスコ中で、さらし蜜ろう20gと混合し、95℃で22時間撹拌後、冷却して粘度220cp、粒径0.6〜0.7μのさらし蜜ろう含有ミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0047】
実施例19
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにゴマ油300g及びコロイド状シリカ30gを採り、90℃に加熱した。この中に一般式(3)No.7のモノマーA150g、グリシジルメタクリレート15g、トリメチロールプロパントリアクリルレート20g、メチルメタクリレート40g及びラウロイルパーオキサイド6.3gよりなる溶液を滴下した後、さらに前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率98%で粘度140cp、粒径0.5〜0.6のミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0052】
実施例24
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにシリコーンオイル、KF96、2.0(信越シリコーン社製)300gを採り90℃に加熱した。次にこれに前記一般式(4)No.9のモノマーA300g、N−ビニルピリジン5g、エチレングリコールジメタクリレート25g、過酸化ベンゾイル3gよりなる溶液を1.5時間に亘って滴下後、前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率98%で粘度580cp、粒径2〜3μのミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0053】
実施例25
実施例24で得られたミクロゲル樹脂分散液300gをフラスコ中で、さらし蜜ろう20gと混合し、95℃で22時間撹拌後、冷却して粘度600cp、粒径3〜4μのさらし蜜ろう含有ミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0054】
実施例26
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにコーン油300g及びコロイド状シリカ30gを採り、90℃に加熱した。この中に前記一般式(4)No.10のモノマーA150g、グリシジルメタクリレート15g、ジエチレングリコールジアクリレート20g、メチルメタクリレート40g及びラウロイルパーオキサイド6.3gよりなる溶液を滴下した後、さらに前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率96%で粘度270cp、粒径0.05〜0.07μのミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば均一な粒子径を持ったミクロゲルを得ることができる。
【0086】
又、顔料の存在下で重合して得られたミクロゲルは静電写真用トナーとして有用である。
【産業上の利用分野】
本発明は印刷インキ、塗料、接着剤、電子写真液体現像剤のトナー用等に有用なミクロゲルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミクロゲルの先行技術としては、特開昭55−71713号、特開昭54−78791号、特開昭52−117951号等が知られている。ところで、ジエチレングリコールジメタクリレートのような多価アルコールジアクリレートとラウリルアクリレートのような重合性モノマーとをトルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒中、重合開始剤の存在下で重合反応させて共重合体樹脂を製造する方法が知られている。こうして得られる樹脂は従来より塗料や接着剤用として広く使用されている。しかしこのような樹脂(溶液)の製造方法では芳香族炭化水素溶媒が使用されるため、樹脂の架橋が進み易く、重合反応中、樹脂がマクロゲル化したり、保存中、樹脂が固化する等の問題があった。またこの非水系樹脂を塗料や接着剤用として用いた場合も同様で、保存中の固化により接着力の低下をきたす。そこでこれらの問題を解消するため、従来は多価グリコールジアクリレート等の多官能性アクリル酸エステルの量を3重量%以下に抑える必要があった。またたとえこのようにして以上の問題が解消されたとしても、樹脂は芳香族溶媒に可溶であり、ミクロゲルを得ることはできず、従って溶解状態で得られるため、そのままで塗料に用いた場合は顔料への樹脂の吸着力が少なく、接着力が不足するので、特に電着塗料に用いる場合は望ましくないものであった。
【0003】
更にこの方法で使用される芳香族溶媒は毒性及び引火性が強く、環境衛生上問題があるばかりでなく、火災の危険も多いという問題も有する。
【0004】
また一般にミクロゲルは従来乳化重合法、懸濁重合法による製法が知られている。例えば山崎信助ら表面,25,86(1987)、山本剛康ら第5回高分子ミクロスフェア討論会(1988)P56がある。この方法は微小粒径のポリマーが得られるが、乳化剤や分散剤が塗膜に残り、耐吸湿性等に問題があった。一方、非水系ミクロゲルの製法はほとんど知られていない。津布子ら高分子論文集vol.46,No.11,P723〜731(Nov.1989)に報告されているが、粒径分布が広い欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は毒性及び引火性が弱く、得られる樹脂に対する溶解性も低く、且つ光化学的に不活性な非水系溶媒を用いることにより、保存性に優れ、従って接着力の低下がなく、しかも環境衛生上も問題が少なく、火災の危険も少ない非水系ミクロゲル樹脂分散液の製造方法を提供することであり、また均一な粒子径を持った非水系ミクロゲルの製造方法を提供することである。又本発明の別の目的は、静電写真用トナーとして有用なミクロゲルの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、非水溶媒中での特定のモノマーの組合せによる共重合により解決し得ることを知見し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、シリコーンオイル、植物油から選択された非水溶媒中で重合開始剤の存在下に、下記一般式(3)又は(4)で表わされるモノマーAの少なくとも1種と多官能ビニルモノマーから選ばれるモノマーBの少なくとも1種と、他の重合性モノマーC(ただしエチレンは含まない)とを少なくとも含むモノマー混合物を重合することを特徴とするミクロゲルの製造方法である。
【0008】
一般式(3)
R1CH=CHCOOR2
(式中、R1はH又はCnH2n+1(n=1〜20)、R2はCmH2m+1(m=1〜20)を表わす)
一般式(4)
CH2=C(R)COO(CH2)nX
(式中、RはH又はCH3、nは1〜20、Xはハロゲンを表わす)
【0011】
本発明に使用する上記一般式(3)で表わされるモノマーAとしては、たとえば、
No.1 CH3−CH=CHCOOCH3、
No.2 CH3−CH=CHCOOC2H5、
No.3 CH3−CH=CHCOOC4H9、
No.4 CH3−CH=CHCOOC10H21、
No.5 CH3−CH=CHCOOC12H25、
No.6 CH3−CH=CHCOOC16H33、
No.7 CH2=CHCOOCH3、
No.8 CH2=CHCOOC5H11、
No.10 CH2=CHCOOC20H41、
No.11 C12H25CH=CHCOOCH3、
No.12 C18H37CH=CHCOOC2H5、
No.13 C3H7CH=CHCOOC12H25、
等を挙げることができる。
【0012】
本発明に使用する上記一般式(4)で表わされるモノマーAとしては、たとえば、
No.1 CH2=CHCOOCH2CH2Br、
No.2 CH2=CHCOOCH2CH2I、
No.3 CH2=CHCOOCH2CH2Cl、
No.4 CH2=CHCOOCH2CH2CH2Br、
No.5 CH2=C(CH3)COOCH2CH2I、
No.6 CH2=C(CH3)COOCH2Br、
No.7 CH2=C(CH3)COO(CH2)5Br、
No.8 CH2=C(CH3)COO(CH2)12Cl、
No.9 CH2=CHCOO(CH2)18Br、
No.10 CH2=CHCOO(CH2)20I、
等を挙げることができる。
【0014】
また本発明に使用される多官能ビニルモノマーBとしては、ジメタアクリレート(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールトリアクリレート、トリエチレングリコールトリメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチルロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールヘキサントリアクリレート、トリメチロールヘキサントリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチルロールエタントリアクリレート、トリメチルロールエタンメタクリレート)、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0018】
又、一般式(3)のモノマーAを使用する場合、全モノマーに対して30〜95重量%、又一般式(4)のモノマーAを使用する場合には同50〜90重量%多官能モノマーBを0.1〜30重量%で共重合することができる。一般式(3)、(4)のモノマーA成分はミクロゲルの帯電、分散、接着性に寄与し、それがそれぞれ30重量%及び50重量%未満の場合その効果が低下する。又それぞれ95重量%及び90重量%を越えると、ミクロゲルが生成しにくくなる。これらのモノマーを用いた場合、従来の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを用いた場合よりミクロゲルの生成が容易でミクロゲルの生成粒子が均一で小さい粒径のものが生成する。
【0019】
一方、多官能モノマーが0.1重量%未満ではミクロゲルの生成がしにくくなる。30重量%を越えるとマクロゲル化する。
【0021】
本発明において重合系に存在させる顔料としてはカーボンブラック、オイルブルー、アルカリブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スピリッドブラック、アニリンブラック、オイルバイオレット、ベンジジンイエロー、メチルオレンジ、ブリリアントカーミン、ファーストレッド、クリスタルバイオレット、四三酸化鉄、ニグロシン、酸化チタン、酸化亜鉛等の染料又は顔料が挙げられる。これらの顔料は、モノマー混合物に対して5〜50重量%で存在させることが好ましい。
【0022】
また本発明では樹脂の製造工程に他の重合性モノマーC、あるいはシリカ微粒子や軟化点60〜130℃程度のワックス又はポリオレフィンを添加することができる。シリカ微粒子を用いた場合は樹脂はその網状構造中にシリカ微粒子を取り込んだ状態で得られるものと考えられる。この場合、シリカ自体はもちろん、反応中、溶解等の物理的変化を受けることはない。いずれにしてもシリカの場合は比重が分散媒と近似すること、及び樹脂のゲル化を防止することにより、分散安定性を更に向上することができる。一方、ワックスまたはポリオレフィンを用いた場合はこれらは重合反応中、加熱により反応系に溶存するが、反応後は冷却により微粒子状に析出する結果、樹脂はこれらの微粒子に吸着された状態で得られるものと考えられる。ここでワックスまたはポリエチレンは比重が分散媒と近似すると共に樹脂のゲル化を防止する上、分子構造も分散媒と類似するので、分散安定性の向上に役立つばかりでなく、軟化点が低いので、接着性の向上にも役立つ。なおシリカ、ワックスまたはポリオレフィンの添加量は樹脂100重量部に対し1〜50重量部程度が適当である。
【0023】
次に本発明で使用される素材について説明する。
【0024】
本発明においては、必要に応じて他のモノマーを共重合させることができる。このような他の重合性モノマーCとしては極性モノマー、その他の反応性モノマーがあり、極性モノマーとしては不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、不飽和窒素含有化合物、グリシジル基含有不飽和化合物、アクリル酸アルキル(炭素数1〜5)エステル及び/又はメタクリル酸アルキル(炭素数1〜5)エステル等がある。ここで不飽和カルボン酸及びその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、アコニット酸、ケイ皮酸及びこれらの無水物が例示される。また不飽和窒素含有化合物の例としては、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等が例示され、さらにアクリル酸又はメタクリル酸のアルキル(炭素数1〜5)エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等が例示される。更にグリシジル基含有不飽和化合物としては代表的にグリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートが例示される。
【0025】
その他の重合性モノマーCとしてはスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0026】
なおこれらをモノマーA、B、Cを重合させる際用いられる重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエート、ジアミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルが使用できる。
【0027】
本発明に使用する非水溶媒としては、各種シリコーンオイル、植物油等である。
【0045】
実施例17
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにシリコーンオイル、KF58(信越シリコーン社製)300gを採り90℃に加熱した。次にこれに前記一般式(3)No.6のモノマーA300g、N−ビニルピリジン5g、エチレングリコールジメタクリレート25g及び過酸化ベンゾイル3gよりなる溶液を1.5時間に亘って滴下後、前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率98%で粘度180cp、粒径0.4〜0.15μのミクロゲル樹脂分散液を得た。一般式(3)No.6のモノマーの代わりにラウリルメタクリレートを用いた場合には粒径は3〜5μであった。
【0046】
実施例18
実施例17で得られたミクロゲル樹脂分散液300gをフラスコ中で、さらし蜜ろう20gと混合し、95℃で22時間撹拌後、冷却して粘度220cp、粒径0.6〜0.7μのさらし蜜ろう含有ミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0047】
実施例19
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにゴマ油300g及びコロイド状シリカ30gを採り、90℃に加熱した。この中に一般式(3)No.7のモノマーA150g、グリシジルメタクリレート15g、トリメチロールプロパントリアクリルレート20g、メチルメタクリレート40g及びラウロイルパーオキサイド6.3gよりなる溶液を滴下した後、さらに前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率98%で粘度140cp、粒径0.5〜0.6のミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0052】
実施例24
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにシリコーンオイル、KF96、2.0(信越シリコーン社製)300gを採り90℃に加熱した。次にこれに前記一般式(4)No.9のモノマーA300g、N−ビニルピリジン5g、エチレングリコールジメタクリレート25g、過酸化ベンゾイル3gよりなる溶液を1.5時間に亘って滴下後、前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率98%で粘度580cp、粒径2〜3μのミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0053】
実施例25
実施例24で得られたミクロゲル樹脂分散液300gをフラスコ中で、さらし蜜ろう20gと混合し、95℃で22時間撹拌後、冷却して粘度600cp、粒径3〜4μのさらし蜜ろう含有ミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0054】
実施例26
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2.0リットルの四つ口フラスコにコーン油300g及びコロイド状シリカ30gを採り、90℃に加熱した。この中に前記一般式(4)No.10のモノマーA150g、グリシジルメタクリレート15g、ジエチレングリコールジアクリレート20g、メチルメタクリレート40g及びラウロイルパーオキサイド6.3gよりなる溶液を滴下した後、さらに前記温度で4時間撹拌して重合反応を行い、重合率96%で粘度270cp、粒径0.05〜0.07μのミクロゲル樹脂分散液を得た。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば均一な粒子径を持ったミクロゲルを得ることができる。
【0086】
又、顔料の存在下で重合して得られたミクロゲルは静電写真用トナーとして有用である。
Claims (4)
- シリコーンオイル、植物油から選択された非水溶媒中で重合開始剤の存在下に、下記一般式(3)又は(4)で表されるモノマーAの少なくとも1種と多官能ビニルモノマーから選ばれるモノマーBの少なくとも1種と他の重合性モノマーC(ただしエチレンは含まない)とを少なくとも含むモノマー混合物を重合することを特徴とするミクロゲルの製造方法。
一般式(3)
R1CH=CHCOOR2
(式中、R1はH又はCnH2n+1(n=1〜20)、R2はCmH2m+1(m=1〜20)を表わす)
一般式(4)
CH2=C(R)COO(CH2)nX
(式中、RはH又はCH3、nは1〜20、Xはハロゲンを表わす) - さらに顔料の存在下に重合する請求項1記載のミクロゲルの製造方法。
- さらにワックス又はポリオレフィンワックスの存在下に重合する請求項1記載のミクロゲルの製造方法。
- さらに金属塩、及び/又は塩基性物質の存在下に重合する請求項1記載のミクロゲルの製造方法。
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