JP3757432B2 - 燃料供給装置およびデリバリパイプ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置に関するものであり、特に複数の燃焼気筒に燃料を分配する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の走行用、あるいは他の動力用のエンジンには、加圧燃料を噴射供給する燃料噴射装置が広く用いられている。この種の燃料噴射装置としては、所定の容積を有するデリバリパイプ内の加圧燃料を複数の燃料噴射弁に分配して各気筒の吸気通路あるいは燃焼室内に燃料を噴射供給するものが一般的に知られており、ガソリンエンジンを始め、ディーゼルエンジンにも類似のものが見られる。この種の燃料噴射装置は、一般的にデリバリパイプ内の燃料圧力を所定値に調整するブレッシャレギュレータを備えており、従来の装置ではデリバリパイプ内の圧力が所定値より高くなるとプレッシャレギュレータが開いてデリバリパイプ内の余剰燃料を燃料タンクへ戻していた。
【0003】
ところが、エンジン近傍に配設されたデリバリパイプから燃料タンクに戻される余剰燃料は、エンジンの熱を受けて一般に温度が上昇しており燃料蒸発を発生しやすい状態にある。しかもデリバリパイプ内の高圧状態から燃料タンク内の低圧状態へと減圧されるため、さらに燃料蒸気を発生しやすい状態となる。このため、従来の装置では燃料蒸気が発生しやすいという問題点があった。
【0004】
さらに従来装置では、燃料蒸気が燃料タンクから大気中へ放出されることを防止するために、燃料蒸気を捕集するキャニスタを必要とし、燃料供給装置全体としての装置の複雑化と、価格上昇を招いていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記のようなプレッシャレギュレータを採用せずに、燃料タンクへの余剰燃料の還流をなくして燃料上記の発生を抑制することが考えられている。
しかしながら余剰燃料の還流をなくすと、デリバリパイプが一端に入口だけを有する閉塞管となるため、デリバリパイプ内に混入した空気の気泡、あるいはデリバリパイプ内で発生した燃料蒸気の気泡がデリバリパイプ内に滞留することとなる。そしてこれらの気体成分は、液体としての燃料の供給量を減少させ、エンジンの安定的な作動を阻害したり、排気ガス成分の悪化を招くという問題点があった。
【0006】
本発明は、燃料ポンプから燃料噴射弁の間に混入あるいは発生した空気や燃料蒸気の気泡による悪影響を抑制することを第1の目的とする。
本発明は、燃料ポンプから燃料噴射弁の間に混入あるいは発生した空気や燃料蒸気の気泡を、エンジンの作動の不安定化、あるいは排気ガス成分の悪化といった悪影響を抑制しつつ排出することを目的とする。
【0007】
さらに本発明は上記目的に加えて、製造にあたって有利な構造を提供することを目的とする。
また本発明は、燃料タンクへの余剰燃料の還流による燃料蒸気発生を抑制することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、内燃機関に加圧燃料を供給する燃料供給装置において、加圧燃料が導入され、加圧燃料中の液体成分と気体成分とを分離する気液分離室と、前記気液分離室の下部領域にのみ連通し、前記内燃機関に燃料を供給する燃料出口手段と、前記気液分離室の上部領域と下部領域との両方に連通し、上部領域と下部領域との両方から前記内燃機関に燃料を供給する単一の通路部材であって、その内部と前記上部領域とを連通する第1開口と、その内部と前記下部領域とを連通する第2開口と、その内部からの出口開口とを有し、該出口開口から内燃機関へ燃料を供給する通路部材とを備えることを特徴とする燃料供給装置という技術的手段を採用する。
【0009】
なお、燃料出口手段が複数設けられてもよく、通路部材が複数設けられてもよい。
なお、前記気泡分離室は、加圧燃料が導入される入口部と、該入口部から延びる管状の部材であって、その内部を前記入口部の上部領域に連通する第1室と前記入口部の下部領域に連通する第2室とを区画形成する区画壁を一体に形成してなる主管とを備え、前記燃料出口手段を前記第2室にのみ連通させ、前記通路部材を前記第1室と前記第2室との両方に連通させた構成とすることが望ましく、区画壁を一体に形成した管状の部材を採用することが重要である。
【0010】
さらに前記主管は、前記第1室と前記第2室とをエンジンへの装着状態で前記第1室を上側に、前記第2室を下側に位置させるよう区画することが望ましい。なお前記主管は、アルミ系合金の押し出し材、あるいは樹脂製であることが望ましい。
また、前記通路部材は、前記第2室に連通して前記第2室の燃料を流出させる第1通路と、一端が前記第1室に連通し、他端が前記第1通路に連通した第2通路とを形成する通路部材を備えることが望ましい。
【0011】
そして、前記通路部材は、前記第1室と前記第2室とを通り前記区画壁を貫通して設けられた単一の管であって、その内部と前記第1室とを連通する第1開口と、その内部と前記第2室とを連通する第2開口と、その内部からの出口開口と、を有する貫通管を備えて構成されるとよい。
また前記通路部材は、前記第2通路を前記第1室から前記区画壁を迂回して前記第1通路に達するよう形成する部材であってもよい。
【0012】
なお、燃料出口手段と通路部材とはそれぞれが燃料噴射弁を備えてもよい。
本発明は上記目的を達成するために、所定間隔離れて設置される第1および第2の燃料噴射弁に燃料を分配するデリバリパイプにおいて、
加圧燃料が導入される入口部と、
加圧燃料中の液体成分と気体成分とを分離する気液分離室と、
前記気液分離室の下部領域にのみ連通し、前記下部領域の燃料を前記第1の燃料噴射弁に供給する燃料出口部と、
前記気液分離室の上部領域と下部領域との両方に連通し、前記上部領域と下部領域の両方から燃料を前記第2の燃料噴射弁に供給する単一の通路部材であって、その内部と前記第1室とを連通する第1開口と、その内部と前記第2室とを連通する第2開口と、その内部からの出口開口とを有し、
該出口開口から内燃機関へ燃料を供給する通路部材と、を備えることを特徴とするデリバリパイプという技術的手段を採用する。
【0013】
なお、本発明では第1、第2の燃料噴射弁は同一の構成であってもよく、2以上の複数設けられてもよい。
なお、第1の燃料噴射弁と第2の燃料噴射弁とにわたって延びる筒状の外壁と、該外壁の部材と一体に形成され、外壁の内部空間を上下に区画し、エンジンへの装着状態で上側に位置する室を第1室とし、下側に位置する室を第2室とする区画壁とを有し、燃料出口部は、外壁を貫通して第2室に連通する通路を備え、通路部材は、外壁を貫通する構成としてもよい。
【0014】
さらに、外壁と区画壁とを一体に形成してなる主管と、該主管の一端側に装着され、第1室と第2室との一端側を閉塞する単一の閉塞部材と、主管の他端側に接続され、燃料タンクから供給される燃料を受け入れるとともに、気液分離室を形成して気体成分を第1室へ導入し、液体成分を第2室に導入する入口部分とを備えて構成されてもよい。
【0015】
本発明は上記目的を達成するために、複数の燃料噴射弁に燃料を分配するデリバリパイプにおいて、アルミ系合金の押し出し材により形成された筒状の主管であって、その内部がエンジンへの装着状態で上に位置する第1室と、下に位置する第2室とに区画壁によって区画された主管と、主管の端部において第1室と第2室とを閉塞する閉塞部材と、加圧燃料が導入され、主管に接続されて第1室と第2室との両方に連通する入口管と、主管に設けられ、第2室にのみ連通して第1の燃料噴射弁に燃料を供給する燃料出口部と、主管に設けられ、第1室と第2室との両方に連通して第2の燃料噴射弁に燃料を供給する単一の通路部材であってその内部と前記第1室とを連通する第1開口と、その内部と前記第2室とを連通する第2開口とを有する通路部材とを備えるという技術的手段を採用する。
【0016】
なお、燃料タンク内の燃料を加圧する加圧手段により加圧された加圧燃料は内燃機関の近傍まで供給管により供給され、この供給管から供給された加圧燃料が燃料タンクに戻ることなくすべて内燃機関に供給されることが望ましい。
本発明は上記目的を達成するために、貫通管の第1開口の内径は0.6〜2.5mmであることが望ましい。また貫通管の第1開口の内径は0.8〜1.0mmであることがさらに望ましい。
【0017】
【作用】
以上に述べた本発明の構成による作用を説明する。
本発明においては、気液分離室の下部領域にのみ連通して内燃機関に燃料を供給する燃料出口手段と、気液分離室の上部領域と下部領域との両方に連通して上部領域と下部領域との両方から内燃機関に燃料を供給する通路部材との2種類の燃料出口手段を備えるから、燃料中に空気あるいは燃料蒸気の気泡が混入しても、この気泡は通路部材から排出され、少なくとも燃料出口手段は液体燃料を内燃機関に供給することが可能となる。このため気泡による悪影響が抑制される。例えば、エンジンの作動の不安定化、あるいは排気ガス成分の悪化といった悪影響を抑制しつつ排出することができる。
【0018】
さらに、第1室と第2室とを区画する区画壁を一体形成した主管を採用することで、製造にあたっての工程の簡単化、あるいは低コスト化といった利点が生まれる。
なお、燃料室形成部材は、アルミ系合金の押し出し材、あるいは樹脂製により簡単に形成することが可能である。
【0019】
さらに、貫通管により第2室に連通して第2室の燃料を流出させる第1通路と、一端が第1室に連通し他端が第1通路に連通した第2通路とを形成することで、通路部材を簡単に構成することができる。
さらに、第2通路を、第1室から区画壁を迂回して第1通路に達する構成としても通路部材を簡単に構成することができる。
【0020】
本発明においては、デリバリパイプ内で加圧燃料中の液体成分と気体成分とが分離され、気体成分が第1室に導入され、液体成分が第2室に導入される。そして、第2室からの燃料が第1の燃料噴射弁に供給され、第1室と第2室との両方から第2の燃料噴射弁に燃料が供給される。このように、デリバリパイプ内で空気あるいは燃料蒸気の気泡が分離され、少なくとも2つの燃料噴射弁のうちの一方にのみ気体成分が選択的に供給される。このため、気泡による悪影響が抑制される。例えば、エンジンの作動の不安定、あるいは排気ガス成分の悪化といった悪影響を抑制しつつ排出することができる。
【0021】
なお、デリバリパイプを筒状の外壁と、区画壁とを有する構成とすることで、デリバリパイプの製造を簡単にできる。
さらにデリバリパイプを、主管と、閉塞部材と、入口部分とを備えて構成することで、デリバリパイプの製造を簡単にできる。
本発明においては、アルミ系合金の押し出し材により形成され、内部が上下2室に区画された主管を採用し、第1の燃料噴射弁に対しては下側の第2室のみから燃料が供給され、第2の燃料噴射弁に対しては上側の第1室と下側の第2室との両方から燃料が供給される。このため、少なくとも2つの燃料噴射弁のうちの一方にのみ気体成分が選択的に供給され、気泡による悪影響が抑制される。しかも、押し出し材によって上下2室を簡単に区画することができ、デリバリパイプを簡単に製造することができる。
【0022】
さらに、本発明においては加圧燃料が燃料タンクへ戻ることなくすべて内燃機関に供給される構成とすることで、燃料タンク内での燃料蒸気の発生を抑制することができる。また、加圧燃料を燃料タンクへ戻す必要が無い為、戻り側配管が不要となり、車両のコストダウンも図ることが出来る。
また、第1開口の内径を0.6〜2.5mmとする構成により、第2の燃料噴射弁の動的噴射量の変化率を回転数にかかわらずほぼ一定とすることができると共に、加工が容易となる。
【0023】
さらに、第1開口の内径を0.8〜1.0mmとする構成により、内燃機関の常用回転数の広い範囲にわたって動的噴射量の変化率をほぼ一定とすることができる。さらに内燃機関の高回転域においても動的噴射量の変化率をより0に近づけることができる。
以上説明したように本発明によると、少なくとも2つの燃料出口のうちの一方に選択的に気体成分が供給され、他方には優先的に液体成分が供給されるため、少なくとも一方の燃料出口は正常に液体燃料を内燃機関に供給することが可能となる。このため気泡による悪影響が抑制される。例えば、エンジンの作動の不安定化、あるいは排気ガス成分の悪化といった悪影響を抑制しつつ排出することができる。
【0024】
さらに、気液分離室を形成する第1室と第2室とを区画する区画壁を一体成形した主管を採用することで製造上の利点が生まれる。
また、通路部材を単一の貫通管により構成することで製造上の利点が生まれる。
さらに、第1開口の内径を0.6〜2.5mmとすることにより、内燃機関の空燃比をほぼ一定に維持できる。望ましくは第1開口の内径を0.8〜1.0mmとすることにより、常用回転数の広い範囲にわたって空燃比をほぼ一定に維持できる。
【0025】
【実施例】
(第1実施例)
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実施例を説明する。図1は第1実施例の燃料供給装置の全体構成と、デリバリパイプの一部破断断面を示す構成図である。図2は図1のII−II断面図、図3は図1のIII−III断面図である。
【0026】
この実施例は、本発明を自動車の走行用内燃機関(エンジン)としての4気筒エンジン燃料噴射供給装置に適用したものである。
この実施例のエンジンはガソリンを燃料とし、燃料は車載の燃料タンク1内に蓄えられている。燃料は電動式モータポンプ2により吸入加圧され、その吐出口2aから燃料供給管4へ吐出される。この供給管4内の燃料は、燃料圧力調整手段としてのプレッシャレギュレータ3により所定圧力に調圧される。プレッシャレギュレータ3は燃料タンク1内に設置され、燃料圧力を調節するリリーフバルブ3aと、供給管4からの燃料の逆流を阻止する逆流防止手段としての逆止弁3bとを有し、余剰燃料はリターン管5により燃料タンク1内に放出される。
【0027】
なお、燃料タンク内の燃料温度の上昇を抑制するためには、供給管4によってエンジンの近傍に供給された燃料をすべてエンジンに供給することが望ましく、この実施例ではより望ましい態様として、燃料タンク1の外に出た燃料は再び燃料タンク1内に戻ることなくすべてエンジンに供給される構成となっている。
供給管4の端部には、燃料分配手段としてのデリバリパイプ6が接続されている。このデリバリパイプ6により複数の燃料噴射弁71,72,73,74へ燃料が分配される。
【0028】
デリバリパイプ6は一端に入口を有し、他端が閉塞した管状に形成されている。デリバリパイプ6には、気液分離機能と、燃料分配機能と、気体成分の選択的供給機能とが一体化されている。デリバリパイプ6は、主管600と、主管600の一端に設けられた供給管4からの入口部としての入口管640と、主管600の他端を閉塞部材としてのキャップ660とを有する。
【0029】
主管600は、燃料噴射弁取付用のブロック部602と、通路を形成する円筒部604とを有する。
円筒部604は、外壁606と、内部を上下に区画する区画壁608とを有し、断面がθ字状に形成されている。円筒部604の内部は、第1室もしくは気体室としての上室610と、第2室もしくは液体室としての下室612とに区画ささている。なお、主管600はアルミ系合金の押し出し材であり、外壁604、区画壁608、上室610、および下室612は押し出し時に形成され、主管600の長手方向に沿って延びている。上室610と下室612とは、図2に図示されるように、エンジンへの取付状態で重力方向に対して上室610が上に、下室612が下に位置させられる。さらに、上室610と下室612とは円筒部604の円形断面内に位置している。
【0030】
ブロック部602には、燃料噴射弁71,72,73,74への燃料通路としての出口部614,616,618,620が機械加工により形成されている。第1の燃料出口部としての出口部614,616,618は、外壁606を貫通、入口管640から最も離れて設けられている。この出口部620は、他の出口部より浅い穴として形成されており、さらに細い第1連通穴622が外壁606を貫通して下室612に連通し、第1連通穴622の延長上に形成された第2連通穴624は区画壁608を貫通して上室610と下室612とを連通している。
【0031】
第1連通穴622と第2連通穴624とには、通路部材としての貫通管626が液密に圧入されている。貫通管626の一端は上室610内に押し出し時に形成された平面部628により閉塞され、出口開口としての他端は出口部620の空間に開口している。貫通管626は第1開口としての第1オリフィス630と第2開口としての第2オリフィス632とを有する。第1オリフィス630は貫通管626の一端に、上室610の最上部に向けて開設されており、第1オリフィス632は貫通管626の中間に、下室612の最上部に向けて開設されている。ここで貫通管626は、第2オリフィス632を経由して第2室612と出口部620とを連通する第1通路と、第1オリフィス630を経由して第1室610と第1通路の入口(第2オリフィス)近傍とを連通する第1通路とを形成している。
【0032】
なお、貫通管626の内部通路の直径と第2オリフィス630の開口面積とは、上室610から気体成分を吸入する際に気体成分を確実にしかも所定量づつ吸引するように設定される。ここで、上記所定量は、燃料噴射弁74に対応する気筒が最低限の燃焼を継続できる量から、最適燃焼より僅かに悪い燃焼となる量までの間に設定される。また、上記所定量を設定するためには、貫通管626の内部通路の直径と第1オリフィス630の開口面積とを調節することはもちろん、第2オリフィス632の開口面積を調節することも重要である。
【0033】
主管600の一端には、受容穴634が形成され、受容穴634には円筒状の入口管640がOリング642により液密に装着され、主管600の外周をかしめて固定されている。
入口管640は、管部644と、管部644から供給された燃料を受入れる分岐室646とを有する。分岐室646は、上室610と下室612との両方に連通している。分岐室646は、管部644から供給される燃料中の気体成分を分離し、気体を上室610へ、液体を下室612へと分離させる。この分岐室646は、上室610,下室612とともに、気液分離室を構成している。
【0034】
主管600の他端には、受容穴636が形成され、受容穴636には円筒状のキャップ660がOリング662により液密に装着され、主管600の外周をかしめて固定されている。
各出口部にはそれぞれ燃料噴射弁がOリングを介して液密に装着されており、代表例として図2に出口部620と燃料噴射弁74とOリング75との装着状態が図示されている。
【0035】
さらに、ブロック部602にはエンジン側への取付ステー680、682が固定されている。
この実施例では、燃料出口手段として出口部614,616,618とそれらに接続される燃料噴射弁71,72,73が採用され、通路部材として、出口部620と、燃料噴射弁74と、貫通管626とが採用されている。
【0036】
次に、上記第1実施例の作用を説明する。
ポンプ2で加圧され吐出された燃料は、供給管4を経てエンジンの近傍に設けられたデリバリパイプ6に供給される。このとき、供給管4内の燃料圧力はプレッシャレギュレータ3により所定圧力に調整され、ポンプ2から吐出された燃料のうちの余剰燃料は燃料タンク外に出ることなく、特にエンジン、排気管などの高温部に近づくことなく燃料タンク1内に戻される。
【0037】
一方、燃料噴射弁71,72,73,74は図示せぬ制御装置からの制御信号に応じて開閉駆動され、出口部614,616,618,620に供給された加圧燃料を内燃機関の各気筒への吸気通路へ噴霧する。従ってこの実施例では燃料タンク1から出た燃料はすべて燃料噴射弁から内燃機関へ供給される。
エンジン組立後の最初の始動時には、主管600内はすべて空気が入っている。このとき、入口管640の管部644を経て分岐室646に入った燃料は、分岐室646および上下室610,612で気体成分(空気と燃料蒸気)と液体成分とに分離され、上室610には主として気体成分が溜まり、下室612には主として液体成分が溜まる。
【0038】
このような最初の始動時に燃料噴射弁が開閉駆動されると、始動開始の初期には、まず下室612内の気体成分がすべての燃料噴射弁を通して排出され、分岐室646から下室612内に燃料が流入しはじめるとともに、分岐室646を経由して上室610に気体成分が移動する。
分岐室646から下室612内に流入した燃料は、出口部614,616,618に流入し、燃料噴射弁71,72,73からエンジンに液体燃料が噴射されるようになる。このとき、出口部620と下室612とを連通する第2オリフィス632はまだ液体燃料の液面より上にあり、燃料噴射弁74だけは気体成分を排出し続ける。このようにして4気筒のうちの3気筒が先に正常な燃料噴射を行うようになる。
【0039】
その後、下室612内に残った気体成分が燃料噴射弁74から排出されると、第2オリフィス632にも液体燃料が流入するようになり、燃料噴射弁74も液体燃料を噴射するようになる。このとき、上室610内の気体成分は、第1オリフィス630から貫通管626内へ僅かづつ吸入され、第2オリフィス632から流入する液体燃料とともに出口部620へ到達し、燃料噴射弁74から液体燃料とともに排出される。この上室610から出口部620への気体成分の流れは、燃料噴射弁の開弁動作に伴って一時的に発生する上室610と出口部620との圧力差、さらには上室610と下室612との圧力差により生成される。
【0040】
さらに、第2オリフィス632と貫通管624の内部通路とは流路絞り(ベンチュリ)を形成しており、第2オリフィス632から流入する液体燃料の流れが負圧を生成し、上室610から第2オリフィス632の近傍への気体成分の流れが助長される。
こうして上室612内きすべての気体成分が排出されると、すべての燃料噴射弁から液体燃料だけが噴射されるようになる。
【0041】
このようにエンジンの最初の始動時には、デリバリパイプ6内の空気が自動的に排出され、しかもその排出が主として一部の気筒に対応する燃料噴射弁74だけで行われるため、残りの3気筒が早期に正規の燃料噴射量を与えられることとなり、円滑に最初の始動が行われる。しかも、燃料噴射弁74は液体成分と気体成分とを混合して、気体成分を僅かづつ排出するため、燃料噴射弁74に対応する気筒の燃料噴射量変化は運転性に影響のない程度に押さえることができる。
【0042】
なお、燃料噴射弁74は上記実施例のように気体成分と液体成分とを混合して排出することが望ましい。さらに、気体成分と液体成分とを混合して排出する場合、該当気筒が最低限の燃焼を継続できる程度の気体成分と液体成分との混合比が望ましく、より望ましくは上記実施例のように運転にほとんど影響がでない程の僅かな量に気体成分の量を制限することがよい。なお、気体成分と液体成分との混合比は、該当気筒の燃焼の悪化に伴う排出ガス成分の悪化も抑制するよう決定するべきである。
【0043】
上記のような最初の始動の後、あるいは2回目以降のエンジン運転時に、外気温度の上昇や、エンジン温度の上昇、燃料タンク1内の燃料液面の低下などがあると、デリバリパイプ内で燃料上記が発生したり、供給管4から気体成分(空気または気体燃料)が混入した燃料が供給される事態が発生する。
このような場合、気体成分と液体成分とは分岐室646内で上下に分離され、気体成分は上室610に、液体成分は下室612に主として導入される。この気体成分は第1オリフィス630から僅かづつ吸入されて燃料噴射弁74のみから排出される。このため、他の3気筒の燃料噴射弁71,72,73は下室612から供給される液体燃料を噴射し、正規の燃料噴射量を得ることができ、燃料噴射弁74に対応する気筒も運転性に影響の少ない燃焼を継続することができる。
【0044】
このように気液混合燃料が供給されても、気体は一部気筒である1気筒のみから、さらには僅かづつ排出されるため、気体成分による燃料噴射量の低下は一部気筒のみに限られる。このため、気体成分排出時に多気筒エンジン全体に表れる出力トルクの低下は小さく、また一部気筒のみの燃焼が悪化するだけなので排気ガス成分の悪化も少ない。
【0045】
同様に、運転中に下室612内で燃料蒸気が発生し気泡を生成することがあっても、下室612内で気液分離がなされ、気体成分は第2オリフィス632を経て燃料噴射弁74のみから排出される。
さらに、エンジンを停止させた直後の高温状態では、エンジンの熱を受けてデリバリパイプ6全体が高温になり、燃料蒸気が発生する。また、長期間のエンジン停止によりデリバリパイプ内の燃料が燃料タンク側に逆流するとデリバリパイプ内に気泡が発生する。これらの場合でも上室610、下室612の両方で気液分離がなされ、燃料蒸気の気泡は各室の上部に溜まる。また、下室の気泡の一部は分岐室646を経由して上室610に流れる。このため、3気筒の燃料噴射弁71,72,73への液体燃料が供給され、気体は第1、第2オリフィス630、632を経由して燃料噴射弁74のみに供給される。
【0046】
以上の第1実施例の構成によると、燃料タンク1の外に出た燃料、特にエンジン近傍にまで一旦供給された燃料は再び燃料タンク1内に戻らないため、燃料タンク1内に高温の燃料が戻されるのを防止することができ、燃料タンク1内での燃料蒸気の発生を抑制することができる。
また、デリバリパイプ6は、燃料噴射弁71,72,73へ液体燃料を優先的に供給し、燃料噴射弁74のみへ空気や燃料蒸気からなる気体成分を選択的に供給するため、燃料噴射量の減少を多気筒エンジンの一部気筒だけに制限することができ、エンジン全体のトルク低下や、排出ガス成分の悪化を抑制することができる。
【0047】
しかも、気体成分を選択的に供給する構成に加えて、気体成分を上室610内に独立して溜める構成を採用し、さらに、気体成分を上室6101ら僅かづつ、しかも液体成分と混合して排出する構成を採用したため、気体成分を排出する燃料噴射弁74に対応する気筒でもほぼ正常な燃焼が維持され、該当気筒から未燃焼成分が排気ガスとして排出されることが防止される。
【0048】
しかも、出口部620は絞りである第1,第2オリフィスを通して両室に連通し、しかも貫通管626内の通路径を他の出口部614などへの開口部面積より小さく絞っているため、圧力差を有効に利用して上室または下室内の気泡を確実に吸入して出口部620内へ導入することができ、気泡による燃料噴射の停止を招くことが防止される。
【0049】
特に、デリバリパイプ6内が上下2室に分割され、燃料噴射弁71,72,73は下室612にのみ連通し、燃料噴射弁74だけが上室610に連通しているため、気体成分を一部気筒にのみ選択的に供給することができる。
また、燃料噴射弁74へ連通する第1,第2オリフィス630,632は各々が上室610、下室612の上部空間に向けて開口しているため、確実に気体成分が燃料噴射弁74に供給される。
【0050】
さらに、燃料噴射弁71,72,73への出口部614,616,168は、下室612の中でもその下部にのみ連通しているため、これら3気筒に対してはより確実に液体燃料を噴霧供給することができる。
さらに、第1実施例では押し出し材を使うことで一体成形体の内部を上下2室に分割しているため、製造が簡単である。特に、上室610,下室612をほぼ円形断面中に配置しているため、デリバリパイプの端部を円形の部材で閉塞することができ、製造が簡単である。また、燃料噴射弁74への通路を、区画壁608を貫通して設けられた貫通管626で構成しているため通路を簡単に構成でき、製造が簡単である。
【0051】
以下、上記第1実施例を変形した他の実施例を説明する。なお、第1実施例と同一の構成については同じ符号を付す。
(第2実施例)
次に本発明を適用した第2実施例を図4に基づいて説明する。この第2実施例では燃料供給装置の全体構成、デリバリパイプの形状などは第1実施例と同一であり、主管600の材料のみを樹脂製とした。樹脂製とすることで軽量化、低価格化を図ることができる。なお、図4は図1のIII−III部分に相当する断面である。
【0052】
(第3実施例)
次に本発明を適用した第3実施例を図5に基づいて説明する。
この第3実施例では燃料供給装置の全体構成,貫通管の構成などは第1実施例と同一であり、デリバリパイプの形状のみが異なる。
この第3実施例では、円筒部604に区画壁が設けられてなく断面がO字状に形成されている。気液分離室としての円筒部604の内部は区画されることなく、上部領域に第1開口としての第1オリフィス630が、下部領域に第2開口としての第2オリフィス632が開口するように単一の通路部材である貫通管626が設けられている。
【0053】
この第3実施例では上部領域に主として気体成分が溜まり、下部領域に主として液体成分が溜まる。
この第3実施例においても上部領域の気体成分は第1オリフィス630から貫通管へ僅かずつ吸入され、第2オリフィス632から流入する液体燃料とともに出口部620へ到達し、燃料噴射弁74から液体燃料とともに排出される。
【0054】
(第4実施例)
次に本発明を適用した第4実施例を図6〜図8に基づいて説明する。この第4実施例では燃料供給装置の全体構成、デリバリパイプの外形形状などは第1実施例と同一であり、燃料噴射弁74へ選択的に気体成分を供給するための通路構造と、区画壁の形状とが異なるだけである。図6は図1のデリバリパイプの左端部分に相当する断面図、図7は図6のVII−VII断面図、図8はスペーサプレートの斜視図である。
【0055】
この第4実施例では、デリバリパイプ6の主管600の端部を閉塞する部材により上室610と下室612との両方に連通する通路を形成している。
主管600の端部には、連通穴622にまで達する受容穴636aが形成され、この受容穴636a内にスペーサプレート664と、キャップ666とが装着されている。スペーサプレート664には、図8に図示されるように、キャップ側に溝668が形成され、この溝668から上室610の上部に向けて連通する第1オリフィス630aと、下室612の上部に向けて連通する第2オリフィス632aとが形成されている。溝668はキャップ666とスペーサプレート664との間において通路を形成し、出口部620を上室610と下室612との両方に連通させる。なお、キャップ666はOリング662により液密に装着されている。
【0056】
この第4実施例でも上室610から出口部620へのみ気体成分が供給される。しかもこの第4実施例では第1実施例のような貫通管の装着を不要にできる。
なお、各オリフィスと上室,下室との位置関係を固定するため、スペーサプレートに主管に対する位置決め突起、あるいは溝を形成してもよい。またキャップ側に溝を形成し、スペーサプレートにはオリフィスのみを形成してもよい。
【0057】
(第5実施例)
次に本発明を適用した第5実施例を図9〜図11に基づいて説明する。この第5実施例は、第4実施例のスペーサプレートの形状を変更したものである。図9は図1のデリバリパイプの左端部分に相当する断面図,図10は図9のX−X断面図,図11はスペーサプレートの斜視図である。
スペーサプレート664aには、図11に図示されるように、外周に沿って溝668aが形成され、この溝668aから上室610の上部に向けて連通する第1オリフィス630aと、下室612の上部に向けて連通する第2オリフィス632aとが形成されている。溝668aは主管600との間において通路を形成し、出口部620を上室610と下室612との両方に連通させる。この第5実施例でも上室610から出口部620へのみ気体成分が供給される。しかもこの第5実施例では第1実施例のような貫通管の装着を不要にできる。
【0058】
(第6実施例)
次に本発明を適用した第6実施例を図12に基づいて説明する。この第6実施例は、第1実施例の取付ステー680,682をブロック部602にボルト684とスプリングワッシャ686によって取付けるものである。なお図12は図1のデリバリパイプを右側から見た平面図である。
【0059】
(第7実施例)
次に本発明を適用は第7実施例を図13に基づいて説明する。
この第7実施例は、上室610から供給する気体成分により、燃料噴射弁74が内燃機関の空燃比に悪影響を及ぼさないよう構成されたものである。
図16に示されるように、上室内の気体成分有無により、噴射信号を受け、噴射弁が開弁したことに伴う上室610及び下室612の圧力変化の様子は異なる。上室610が気体成分で満たされている際は、上室610,下室612とも圧力変化は上室610に気体成分が無い際に比べ変化がなだらかである。特に、上室610は上室610内の気体成分の存在により、噴射弁74が開弁し、下室612から燃料が吸込まれた際の圧力変化がきわめてなだらかで、ほぼ一定であり、上室610の圧力値と下室612の圧力値との間に大きな圧力差(斜線部)が生じる。
【0060】
したがって、この圧力差により上室610から貫通管626cを通過し燃料噴射弁74が気体成分を吸込むので上室610から気体成分を排出することができる。
この第7実施例では、この気体成分を少量ずつ燃料噴射弁74が吸込むことにより、内燃機関の空燃比に悪影響を及ぼさないよう貫通管626cの第1開口の形状が定まっている。
【0061】
貫通管626cは、第1連通穴622と第2連通穴624とに液密に圧入され、貫通管626cの一端の一部は上室610内に押し出し時に形成された平面部628により閉塞されている。
貫通管626cは、上室610と連通する第1開口を形成する第1通路630bと、下室と連通する第2開口を形成する第2通路637を有しており、第1通路630b,第2通路共貫通管と軸方向に形成されている。また、第2通路637内径は第1通路630b内径より大きく形成され、内燃機関の出力値及び燃料噴射弁74の流量サイズ等により調節し決定される。また、第2通路637と第1通路630bとの境界部は、貫通管626cの軸方向と直角方向に第3通路632c,第4通路632dがそれぞれ下室612の最上部に向けて開設されている。貫通管626cの出口開口としての他端は出口部620の空間に開口し、その下部側に燃料噴射弁74が出口部と620と連通するように設けられている。
【0062】
図15に第1開口内径と変化率の間の関係をエンジン回転数Neをパラメータとして示す。ここでq変化率Δqとは上室に気体成分が充満した際の動的噴射率q1 、上室に気体成分がない際の動的噴射率をq0 とし
【0063】
【数1】
Figure 0003757432
で表示される。燃料噴射弁74は、図15に示されるように3000rpm〜5000rpmの内燃機関の常用回転数において、動的噴射量qの変化率が、−2(%)≦Δq≦3(%)となるようにするのが望ましい。特に内燃機関の回転数が高いほど燃料噴射弁の開弁時間は長くなるので燃料の液体成分により気体成分を吸込む割合が大きくなり、動的噴射量qの変化率Δqは小さくなる。したがって常用回転数の上限値でΔq≧−2(%)となるようにしておくのが望ましく、これにより、内燃機関の空燃比をほぼ一定とすることができ良好な運転を維持することができる。
【0064】
動的噴射量qの変化率Δqを−2(%)≦Δq≦3(%)の範囲内に維持するために、貫通管626cの第1通路630bの内径は2.5mm以下とするのがよい。2.5mmを越えると燃料の液体成分より気体成分を吸込む割合が大きくなるので、内燃機関の回転数が5000rpmを越えると、動的噴射量の変化率Δqが2%より小さくなってしまう。これは回転数が高くなるほど燃料噴射弁の開弁時間が長くなり、上室にたまった気体成分が貫通管626cの内部にまで侵入し燃料噴射弁の吸込み量が多くなるためと推定される。また、貫通管の第1通路630bの内径は0.6mm以上とするのがよい。0.6mm以下では貫通管の加工が困難となる。
【0065】
さらに望ましくは第1通路の630bの内径は0.8〜1.0mmとするのがよい。これにより、常用回転数の上限付近である5000rpmでの動的噴射量変化率Δqをより0に近づけることができるとともに、さらに使用頻度の高い3000rpmでの動的噴射量変化率Δqをほぼ0とすることができる。
この第7実施例では第1通路630bの内径は0.8mmである。
【0066】
(第8実施例)
次に本発明を適用した第8実施例を図14に基づいて説明する。
この第8実施例については、第1通路630bの内径は1.0mmである。また、第2通路637と第1通路630bとの境界部に貫通管の軸方向と直角に第5通路632eのみが下室612の最上部に向けて開設され、第5通路632eとさらに直角方向の通路は設けられていない。
【0067】
(変形例)
なお、以上述べた実施例では、θ字状断面及びO状状断面の主管を採用したが、これを日字状、あるいは8次状断面としてもよく、このような断面形状とした場合には各室毎に別々の閉塞部材を設けてもよい。
なお、以上に述べた実施例では、入口管640に分岐室646を形成し、この分岐室と上室,下室の協動により気液分離を行うが、この分岐室の体積を大きくしたり、適宜のバッフルプレートを設けて液体側への気体の進入をより積極的に阻止する構成としてもよい。
【0068】
また、デリバリパイプとは別体として組み立てられた気液分離容器をデリバリパイプの入口部に接合してもよい。
また、デリバリパイプ入口に十分な大きさの気液分離容器を設けた場合には、気体が導入される室を下側に、液体が導入される室を上側に位置させることも可能である。
【0069】
また、以上に述べた実施例では入口管640をデリバリパイプ6の端部に接続したが、これをデリバリパイプ6の中央部などに接続する構成としてもよい。
また、気体成分を排出する出口は、気液分離の観点から燃料入口から最も遠いことが望ましいが、燃料入口に近くてもよく、気体成分が複数の出口から排出される構成としてもよい。
【0070】
また、上室610と下室612との間に、燃料噴射弁の開閉作動に伴う圧力差がより確実に生成されるように、2つの室の連通部、あるいは燃料出口部618と燃料出口部620との間などに適宜の絞りを形成してもよい。
また、以上に述べた実施例ではトップフィード型の燃料噴射弁に適合したデリバリパイプを説明したが、本発明はボトムフィード型の燃料噴射弁に適合したデリバリパイプにも適用可能である。
【0071】
また、以上に述べた実施例では、デリバリパイプから燃料タンクへ戻る通路は全く設けられていないが、デリバリパイプ内の燃料圧力が異常高圧に達したときのみ開弁するリリーフバルブをデリバリパイプに設け、その緊急放出用のリターン通路を設けてもよい。このような構成としても、通常運転時に燃料タンクへ余剰燃料が戻ることをなくすことで燃料蒸気の発生を大幅に抑えることができる。
【0072】
なお本発明は、複数の燃料出口手段としての燃料噴射弁を備える燃料供給装置に適用することができ、例えば多気筒エンジンの各気筒毎に1個以上の燃料噴射弁を備える燃料供給装置、多気筒エンジンの吸気集合部に2個以上の燃料噴射弁を備える燃料供給装置、さらには単気筒エンジンであっても1気筒あたり2個以上の燃料噴射弁を備える燃料供給装置に適用してもよい。
【0073】
また本発明は、ガソリンを燃料とするエンジンに限らず、軽油あるいはアルコール等の液体を燃料とするエンジンの燃料供給装置に適用することができる。
また、本発明は、燃焼室への吸気通路に燃料を噴霧供給する燃料供給装置に限らす、燃料室内へ直接に燃料を噴射する燃料噴射弁を備える燃料供給装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例の構成図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1のIII−III断面図。
【図4】本発明を適用した第2実施例の断面図。
【図5】本発明を適用した第3実施例の構成図。
【図6】本発明を適用した第4実施例の要部断面図。
【図7】図6のVII−VII断面図。
【図8】第4実施例の要部斜視図。
【図9】本発明を適用した第5実施例の要部断面図。
【図10】図9のX−X断面図。
【図11】第5実施例の要部斜視図。
【図12】本発明を適用した第6実施例の平面図。
【図13】本発明を適用した第7実施例の断面図。
【図14】本発明を適用した第8実施例の断面図。
【図15】第1開口内径φDとq変化率を示す折れ線図。
【図16】噴射パルスと圧力変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 電動式モータポンプ
3 プレッシャレギュレータ
4 燃料供給管
5 リターン管
6 デリバリパイプ
71,72,73,74 燃料噴射弁
600 主管
608 区画壁
610 上室
612 下室
614,616,618,620 出口部
626 貫通管
630 第1オリフィス
632 第2オリフィス
640 入口管
660 キャップ

Claims (20)

  1. 内燃機関に加圧燃料を供給する燃料供給装置において、
    加圧燃料が導入され、加圧燃料中の液体成分と気体成分とを分離する気液分離室と、
    前記気液分離室の下部領域にのみ連通し、前記内燃機関に燃料を供給する燃料出口手段と、
    前記気液分離室の上部領域と下部領域との両方に連通し、上部領域と下部領域との両方から前記内燃機関に燃料を供給する単一の通路部材であって、その内部と前記上部領域とを連通する第1開口と、その内部と前記下部領域とを連通する第2開口と、その内部からの出口開口とを有し、該出口開口から内燃機関へ燃料を供給する通路部材と、
    を備えることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記気液分離室は、
    加圧燃料が導入される入口部と、
    該入口部から延びる管状の部材であって、その内部を前記入口部の上部に連通する第1室と前記入口部の下部に連通する第2室とを区画形成する区画壁を一体に形成してなる主管とを備え、
    前記燃料出口手段を前記第2室にのみ連通させ、前記通路部材を前記第1室と前記第2室との両方に連通させたことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記主管は、
    前記第1室と前記第2室とをエンジンへの装着状態で前記第1室を上側に、前記第2室を下側に位置させるよう区画することを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記主管は、アルミ系合金の押し出し材であることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
  5. 前記主管は、樹脂製であることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
  6. 前記通路部材は前記第2室に連通して前記第2室の燃料を流出させる第1通路と、一端が前記第1室に連通し、他端が前記第1通路に連通した第2通路とを形成することを特徴とする請求項4に記載の燃料供給装置。
  7. 前記通路部材は、
    前記第1室と前記第2室とを通り前記区画壁を貫通して設けられた管であって、その内部と前記第1室とを連通する前記第1開口と、その内部と前記第2室とを連通する前記第2開口と、その内部からの出口開口とを有する貫通管であることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
  8. 前記通路部材は、
    前記第2通路を前記第1室から前記区画壁を迂回して前記第1通路に達するよう形成する部材であることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
  9. 前記燃料出口手段と通路部材とはそれぞれが燃料噴射弁を備えることを特徴とする請求項8に記載の燃料供給装置。
  10. 燃料タンク内の燃料を加圧する加圧手段と、その加圧手段により加圧された加圧燃料を前記内燃機関の近傍まで供給する供給管を備え、前記供給管から供給された加圧燃料が燃料タンクに戻ることなくすべて前記内燃機関に供給されることを特徴とする請求項9に記載の燃料供給装置。
  11. 前記第1開口の内径は0.6〜2.5mmであることを特徴とする請求項10に記載の燃料供給装置。
  12. 前記第1開口の内径は0.8〜1.0mmであることを特徴とする請求項11に記載の燃料供給装置。
  13. 所定間隔離れて設置される第1および第2の燃料噴射弁に燃料を分配するデリバパイプにおいて、
    加圧燃料が導入される入口部と、
    加圧燃料中の液体成分と気体成分とを分離する気液分離室と、
    前記気液分離室の下部領域にのみ連通し、前記下部領域の燃料を前記第1の燃料噴射弁に供給する燃料出口部と、
    前記気液分離室の上部領域と下部領域との両方に連通し、前記上部領域と下部領域の両方から燃料を前記第2の燃料噴射弁に供給する単一の通路部材であって、その内部と前記第1室とを連通する第1開口と、その内部と前記第2室とを連通する第2開口と、その内部からの出口開口とを有し、
    該出口開口から内燃機関へ燃料を供給する通路部材と、を備えることを特徴とするデリバリパイプ。
  14. 所定間隔離れて設置される第1および第2の燃料噴射弁に燃料を分配するデリバリパイプにおいて、
    加圧燃料が導入される入口部と、
    前記入口部の上部に連通する第1室と、
    前記入口部の下部に連通し、前記第1の燃料噴射弁と前記第2の燃料噴射弁とにわたって延びる第2室と、
    前記第2室にのみ連通し、前記第2室からの燃料を前記第1の燃料噴射弁に供給する燃料出口部と、
    前記第1室と前記第2室との両方に連通し、前記第1室と前記第2室との両方から前記第2の燃料噴射弁に燃料を供給する単一の通路部材であって、その内部と前記第1室とを通する第1開口と、その内部と前記第2室とを連通する第2開口と、その内部からの出口開口とを有する通路部材と、
    を備えることを特徴とするデリバリパイプ。
  15. 前記第1の燃料噴射弁と前記第2の燃料噴射弁とにわたって延びる筒状の外壁と、
    該外壁の部材と一体に形成され、前記外壁の内部空間を上下に区画し、エンジンへの装着状態で上側に位置する室を前記第1室とし、下側に位置する室を前記第2室とする区画壁と、
    を有し、
    前記燃料出口部は、前記外壁を貫通して前記第2室に連通する通路を備え、
    前記通路部材は、前記外壁を貫通することを特徴とする請求項14に記載のデリバリパイプ。
  16. 前記外壁と前記区画壁とを一体に形成してなる主管と、
    該主管の一端側に装着され、前記第1室と前記第2室との一端側を閉塞する単一の閉塞部材と、
    前記主管の他端側に接続され、燃料タンクから供給される燃料を受け入れるとともに、前記気液分離室を形成して気体成分を前記第1室へ導入し、液体成分を前記第2室に導入する入口部分と、
    を備えることを特徴とする請求項14に記載のデリバリパイプ。
  17. 複数の燃料噴射弁に燃料を分配するデリバリパイプにおいて、
    アルミ系合金の押し出し材により形成された筒状の主管であって、その内部がエンジンへの装着状態で上に位置する第1室と、下に位置する第2室とに区画壁によって区画された主管と、
    前記主管の端部において前記第1室と前記第2室とを閉塞する閉塞部材と、
    加圧燃料が導入され、前記主管に接続されて前記第1室と前記第2室との両方に連通する入口管と、
    前記主管に設けられ、前記第2室にのみ連通して第1の燃料噴射弁に燃料を供給する燃料出口部と、
    前記主管に設けられ、前記第1室と前記第2室との両方に連通して第2の燃料噴射弁に燃料を供給する単一の通路部材であって、その内部と前記第1室とを連通する第1開口と、その内部と前記第2室とを連通する第2開口とを有する通路部材と、
    を備えることを特徴とするデリバリパイプ。
  18. 燃料タンク内の燃料を加圧する加圧手段と、その加圧手段により加圧された加圧燃料を前記内燃機関の近傍まで供給する供給管を備え、前記供給管から供給された加圧燃料が燃料タンクに戻ることなくすべて前記内燃機関に供給されることを特徴とする請求項16に記載のデリバリパイプ。
  19. 前記第1開口の内径は0.6〜2.5mmであることを特徴とする請求項18に記載の燃料供給装置。
  20. 前記第1開口の内径は0.8〜1.0mmであることを特徴とする請求項19に記載の燃料供給装置。
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