JP3756716B2

JP3756716B2 - 単３中性線欠相保護遮断器

Info

Publication number: JP3756716B2
Application number: JP35494599A
Authority: JP
Inventors: 博之外山
Original assignee: 河村電器産業株式会社
Priority date: 1999-12-14
Filing date: 1999-12-14
Publication date: 2006-03-15
Anticipated expiration: 2019-12-14
Also published as: JP2001177982A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単相３線式線路の中性線が欠相した際に発生する高電圧に対して、回路を遮断して負荷を保護する機能を有する単３中性線欠相保護遮断器に関し、特にその高周波ノイズ対策に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、単相３線式配電路の普及により、その中性線の欠相による異常電圧から接続機器を保護する単３中性線欠相保護機能付の回路遮断器が広く利用されている。
このような従来の単３中性線欠相保護付遮断器は、図３の回路図に示すように、各電圧線Ｌ１，Ｌ２と中性線Ｎとの間（以下、Ｌ１−Ｎ間及びＬ２−Ｎ間とする）の電圧を、ダイオードＤ１，Ｄ２で整流し、２個の抵抗Ｒ１，Ｒ２で分圧し、抵抗Ｒ２に掛かる電圧を異常電圧検出回路６のａ−ｃ間で監視し、中性線Ｎの欠相が発生してＬ１−Ｎ間、もしくはＬ２−Ｎ間に過電圧が印加されると、抵抗Ｒ２の両端に掛かる電圧が上昇し、ある一定レベルを超えると、異常電圧検出回路のｂ端子からサイリスタ９のオン信号を出力してサイリスタ９をオンさせ、トリップコイル３を励磁して接点４の引き外し動作をさせている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
一方で、負荷機器はその制御方法として例えばインバータ制御やファジイ制御等と高周波ノイズを発生しやすい回路が多数利用されており、上記欠相保護回路のＬ１−Ｎ間又はＬ２−Ｎ間にそのような高周波ノイズが乗った場合、ノイズにより発生するパルス状の高電圧を欠相による過電圧と判断してしまい不要動作をすることがあり、このような高周波ノイズ発生回路の増加に伴い、単３中性線欠相保護遮断器の不要動作が増加する傾向にある。
【０００４】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、欠相による過電圧で遮断動作し、高周波ノイズでは遮断動作する事のない単３中性線欠相保護遮断器を提供することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項１の発明は、単相３線式電路の中性線が欠相した際に、主回路を遮断して回路を保護する欠相検出回路を具備する単３中性線欠相保護遮断器であって、前記欠相検出回路が、線路電圧を検出する電圧検出回路と、該電圧検出回路の電圧情報を受けて中性線欠相により発生する異常電圧を検知して主回路の遮断信号を出力する異常電圧監視回路とを有し、前記電圧検出回路にフェライトコアビーズを介在させたことを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係る単３中性線欠相保護遮断器の１例を示す回路図であり、主回路２にトリップコイル３の作動により開動作する接点４を設けると共に、漏電を検出する変流器５を設け、異常電圧監視回路６により漏電及び異常電圧を検出している。
【０００７】
欠相検出回路は、ＩＣ化（集積回路化）れた異常電圧監視回路６と、Ｌ１−Ｎ間及びＬ２−Ｎ間の電圧をダイオードＤ１，Ｄ２で整流し、抵抗Ｒ１，Ｒ２で分圧して抵抗Ｒ２の両端にかかる電圧を異常電圧監視回路６のａ−ｃ間に接続した電圧検出回路７とで形成され、中性線Ｎの欠相が発生すると、Ｌ１−Ｎ間もしくはＬ２−Ｎ間に過電圧が印加され、抵抗Ｒ２の両端に印加される電圧が上昇し、その電圧がある一定レベルを越えたら、異常電圧監視回路６が欠相と判断してサイリスタ９のオン号をｂ端子から出力してサイリスタ９をオンさせ、トリップコイル３を励磁して作動させ、接点４を引き外し動作させている。
【０００８】
そして、図示するように抵抗Ｒ１を有する電圧検出線にはフェライトコアビーズ１０が装着されている。このフェライトコアビーズ１０は商用周波数のような低い周波数に対して低い抵抗値を示すが高周波に対しては大きな抵抗値を示すもので、装着することで抵抗Ｒ２の両端には、欠相による過電圧は通常通り現れるが、高周波ノイズは大きく減衰して現れる。従って、異常電圧監視回路６は、欠相による過電圧では正常な判断動作し、高周波ノイズでは動作し難い欠相検出回路とすることができる。
このように、フェライトコアビーズを設けることで、高周波ノイズによる不要動作を削減することができる。しかも、従来の欠相検出回路に対し、電圧検出回路にフェライトコアビーズを装着するだけの簡単な構成で、手間が掛からない。
【０００９】
図２は本発明の他の形態を示す回路図で、上記実施の形態とは異常電圧監視回路６の電源回路が異なり、ダイオードブリッジ１１を設けて全波整流している。この場合も、上記実施の形態と同様に抵抗Ｒ１を設けた電圧検出回路にフェライトコアビーズ１０を装着することで、抵抗Ｒ２の両端には欠相による過電圧は通常通り現れるが高周波ノイズは大きく減衰して現れ、高周波ノイズによる不要動作を削減することができる。
【００１０】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項１の発明によれば、欠相による過電圧の発生に対しては遮断動作するが、高周波ノイズによる過電圧に対しては遮断動作する事が無く、不要動作の恐れがなくなる。また、従来の欠相検出回路の電圧検出回路にフェライトコアビーズを装着するだけなので、手間が掛からない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の一例を示す単３中性線欠相保護遮断器の回路図である。
【図２】本発明の他の実施の形態を示す単３中性線欠相保護遮断器の回路図である。
【図３】従来の単３中性線欠相保護遮断器の回路図である。
【符号の説明】
２・・主回路、３・・トリップコイル、４・・接点、５・・変流器、６・・異常電圧監視回路、７・・電圧検出回路、１０・・フェライトコアビーズ。

Claims

単相３線式電路の中性線が欠相した際に、主回路を遮断して回路を保護する欠相検出回路を具備する単３中性線欠相保護遮断器であって、
前記欠相検出回路が、線路電圧を検出する電圧検出回路と、該電圧検出回路の電圧情報を受けて中性線欠相により発生する異常電圧を検知して主回路の遮断信号を出力する異常電圧監視回路とを有し、前記電圧検出回路にフェライトコアビーズを介在させたことを特徴とする単３中性線欠相保護遮断器。