JP3755255B2 - 炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素繊維およびその製造方法、特に不飽和マトリックス樹脂との接着性に優れた炭素繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は各種マトリックス樹脂とからなる複合材料として利用されているが、炭素繊維の特性を複合材料に生かすには、マトリックス樹脂との接着性が重要である。一般に炭素繊維は表面処理を施さないとマトリックス樹脂に対して接着性が十分でなく、複合材料の剥離強度や剪断強度が低くなる。また、炭素繊維あるいは黒鉛繊維は本質的に剛直で脆く、収束性、耐屈曲性や耐擦過性に乏しいために、高次加工工程において、毛羽、糸切れを発生しやすいので、通常炭素繊維には各種サイジング剤が付与されて、このサイジングによって炭素繊維に集束性を付与し、耐屈曲性や耐擦過性を改良するとともに、マトリックスに対する接着性がある程度改良されてきた(例えば、特開平1−272867号公報、特公平4−8542号公報)。
【0003】
炭素繊維強化複合材料のマトリックス樹脂は、近年、エポキシ樹脂に加えて、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の需要も高くなっている。特に小型船舶、ボート、ヨット、漁船、浄化槽、各種タンク等に用いられ、成形サイクルが短く、成形コストの低い、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と炭素繊維複合材料が重要となっている。これらのマトリックス樹脂の場合には、従来のエポキシ樹脂サイジング剤では、炭素繊維と不飽和ポリエステルまたはビニルエステルとのなじみがエポキシ樹脂に比較して低く、接着性特に剪断強度が低くて、実用化できない場合があった。
【0004】
そこで、炭素繊維と不飽和ポリエステル樹脂とのなじみを良くし、接着性を向上させる技術が開示されている。例えば、不飽和基を有するウレタン化合物(特開昭56−167715、特開昭63−50573号公報)、末端不飽和基を有するエステル化合物(特開昭63−105178号公報)など、サイジング剤にカップリング剤の役割を持たせることによって、炭素繊維と不飽和ポリエステル樹脂との接着性を向上させることが開示されている。しかし、全ての炭素繊維に対して常に優れた接着特性を得られるとは限らない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術では達成し得なかった不飽和マトリックスとの接着性に優れた炭素繊維およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の構成は以下のとおりである。すなわち、
(1)X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面酸素濃度O/Cが0.02以上0.20以下、化学修飾X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面カルボキシル基濃度COOH/Cが0.2%以上3.0%以下であって、ビニル基、アクリレート基、およびメタクリレート基から選ばれた末端不飽和基とアミド結合、イミド結合、ウレタン結合、およびウレア結合から選ばれた極性基を共に有する化合物が、サイジングされてなり、かつ炭素繊維表面上で重合せしめられているとともに、サイジング付着量が炭素繊維単位重量当たり0.02%以上1.3%以下であることを特徴とする炭素繊維。
【0009】
)末端不飽和基と極性基をともに有する化合物が、不飽和アルコールまたは不飽和カルボン酸とポリイソシアネート化合物を反応せしめた不飽和ポリウレタン化合物であることを特徴とする前記(1)に記載の炭素繊維。
【0010】
)不飽和ポリウレタン化合物が、炭素繊維表面上で重合せしめられてなることを特徴とする前記()に記載の炭素繊維。
【0011】
)末端不飽和基と極性基をともに有する化合物が、脂肪族ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする前記(1)に記載の炭素繊維。
【0012】
)末端不飽和基の数が、一分子当り2個以上であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の炭素繊維。
【0013】
)分子量当たりの極性基密度(基数/分子量)が、1×10−3以上であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の炭素繊維。
【0014】
)X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面酸素濃度O/Cが0.02以上0.20以下、化学修飾X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面カルボキシル基濃度COOH/Cが0.2%以上3.0%以下の炭素繊維に、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、およびウレア結合から選ばれた極性基とビニル基、アクリレート基、およびメタクリレート基から選ばれた末端不飽和基とを共に有する化合物をサイジング付着量が炭素繊維単位重量当たり0.02%以上1.3%以下となるようにサイジング処理し、次いで180℃以上350℃以下で熱処理することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
【0015】
)水溶媒系でサイジングすることを特徴とする前記(記載の炭素繊維の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の炭素繊維は、X線光電子分光により測定される表面酸素濃度O/Cが0.02以上、好ましくは0.04以上、さらに好ましくは0.06以上のものである。O/Cが0.02に満たないと、後述するサイジング剤の極性基構造との親和性が低下し、ひいてはコンポジットの接着特性の向上が望めない場合がある。さらに、0.20以下、好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.10以下とするものである。O/Cが0.20を超えると、サイジング剤の極性基と炭素繊維最表面との化学結合は強固になるものの、本来炭素繊維基質自身が有する強度よりもかなり低い酸化物層が炭素繊維表層を被うことになるため、結果として得られるコンポジットの接着特性は低いものとなってしまう。
【0017】
本発明において、化学修飾X線光電子分光により測定される表面カルボキシル基濃度COOH/Cが0.2%以上、好ましくは0.5%以上のものである。COOH/Cが0.2%に満たないと、後述するサイジング剤の極性基構造との親和性が低下し、ひいてはコンポジットの接着特性の向上が望めない場合がある。さらに、3.0%以下、好ましくは2.0%以下とするものである。COOH/Cが3.0%を超える場合には、本来炭素繊維基質自身が有する強度よりもかなり低い強度を有する酸化物層が炭素繊維表層が被うことになるため、結果として得られるコンポジットの接着特性は低いものとなる場合があり、また、マトリックス樹脂の硬化速度を遅延させることがある。
【0018】
このような特性を有する炭素繊維を得るための製造方法については後述する。また、本発明の炭素繊維は上記特性を有し、さらに末端不飽和基と極性基を共に有する化合物がサイジングされてなるものである。
【0019】
末端不飽和基とは、ビニル基、アクリレート基、およびメタクリレート基から選ばれたものである。また、極性基とは、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、およびウレア結合から選ばれたものである。
【0020】
この化合物を炭素繊維表面に付与したのち、高分子量化させ、炭素繊維表面に該化合物を被覆化することにより、コンポジット成型時にサイジング剤の拡散を抑制し、かつ特定の炭素繊維官能基とサイジング剤と極性基の親和性によってコンポジット接着性が確保され、過剰の不飽和基によりマトリックス樹脂との反応によってカップリング効果が現れて接着力が高くなったものと考えられる。
【0021】
末端不飽和基の数は、炭素繊維表面上の高分子量を容易に均一に行い皮膜化し、かつ不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂と反応させるため、一分子当たり末端不飽和基の数は2個以上とすることが好ましく、3個以上とするのがさらに好ましい。
【0022】
極性基は、炭素繊維表面上に皮膜化されたときに特定量の炭素繊維表面官能基との相互作用を確保するため、分子量当たりの極性基の数(極性基密度)(個/分子量)は1×10-3以上とすることが好ましく、3×10-3以上とするのがさらに好ましい。
【0023】
本発明においてサイジング剤は一様に被覆、コーティングされているのが好ましい。
【0024】
また、本発明における極性基と末端不飽和基を有する化合物としては、不飽和アルコール、不飽和カルボン酸とイソシアネート化合物を反応せしめた化合物が挙げられ、不飽和アルコールとしては、例えばアリルアルコール、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸等、イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジシソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の公知の不飽和ポリウレタン化合物が挙げられる。
【0025】
特に、不飽和ポリウレタン化合物の末端不飽和基がアクリレート基およびメタクリレート基である化合物が好ましく、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート化合物、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトリレンジイソシアネート化合物、ペンタエリスリトールアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート化合物、フェニルグリシジルエーテルトリアクリレートイソホロンジイソシアネート化合物、グリセリンジメタクリレートトリレンジイソシアネート化合物、グリセリンジメタクリレートイソホロンジイソシアネート化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネート化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネート、トリアリルイソシアヌレート化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
【0026】
アミド結合と末端不飽和基を有する化合物としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等が挙げられる。スルホ基と末端不飽和基を有する化合物としてはビスフェノールS型ジグリシジルジアクリレート、ビスフェノールS型ジグリシジルジメタクリレート等が挙げられる。
【0027】
好ましいサイジング剤の構造としては、炭素繊維表面での高分子量化を容易にし、炭素繊維とマトリックス樹脂との界面に剛直で立体的に大きな化合物を介在させない、芳香環を有さない分子鎖が直線状で柔軟性を有する脂肪族化合物、特に末端不飽和基と極性基を有する脂肪族ポリイソシアネート化合物、すなわちポリエチレングリコール骨格およびポリアルキレン骨格であるポリイソシアネート化合物が好ましい。
【0028】
また、かかる化合物の分子量は、樹脂粘度が高くなって集束剤としての取り扱い性が悪化するのを防ぐ観点から、300以上2000以下が好ましく、500以上1000以下がより好ましい。
【0029】
サイジング剤の付着量は、炭素繊維表面へのサイジング剤の高分子量化による皮膜を均一にし、かつ樹脂との接着性改善幅を大とし、一方、サイジング剤の高分子量化による炭素繊維束が硬くならないようにする観点から、炭素繊維単位重量当たり0.02%以上1.3%以下とするものであり、0.05%以上1.3%以下付与するのが好ましい。
【0030】
また、炭素繊維の取り扱い性や、耐擦過性、耐毛羽性を向上させるための乳化剤や界面活性剤等の補助成分をサイジング剤に添加しても良い。さらに集束性などをより向上させるために、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂など他の化合物が加えられてもよい。
【0031】
本発明の炭素繊維の機能的物性としてはストランド強度が好ましくは3500MPA以上、より好ましくは400MPa以上、さらに好ましくは450MPa以上のものである。また、炭素繊維の弾性率は220GPa以上が好ましく、290GPa以上がより好ましい。ストランド強度あるいは弾性率がそれぞれ、3500MPa未満あるいは222GPa未満の炭素繊維の場合には、コンポジットとしたときに、構造材として所望の特性が得られない場合がある。
【0032】
ここで、本発明において炭素繊維のストランド強度、弾性率とは、JIS−R−7601の樹脂含浸ストランド試験法に準じ、樹脂処方としてはユニオンカーバイト社製ベークライト(登録商標)ERL4221/3フッ化ホウ素モノエチルアミン/アセトン=100/3/4(重量部)を用いて測定した強度、弾性率をいう。
【0033】
次に本発明の炭素繊維を得るための方法について説明する。炭素繊維の表面処理およびサイジング処理については次に記載するとおりであるが、炭素繊維の重合、製糸、焼成条件については拘束されるものではない。
【0034】
本発明の方法に供せられる原料炭素繊維としては、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系等の公知の炭素繊維を適用できる。高強度の炭素長繊維が得られやすいアクリル系炭素繊維がなかでも好ましい。アクリル系炭素繊維の場合を例にとって以下詳細に説明する。
【0035】
紡糸方法としては、湿式、乾式、乾湿式等を採用できるが、高強度糸が得られ易い湿式あるいは乾湿式が好ましく、特に乾湿式が好ましい。紡糸原液にはポリアクリロニトリルのホモポリマーあるいは共重合成分の溶液あるいは懸濁液等を用いることができる。凝固、水洗、延伸、油剤付与して前駆体原糸とし、さらに耐炎化、炭化、さらに必要に応じて黒鉛化処理を行なう。炭化あるいは黒鉛化条件として、本発明炭素繊維を得るには不活性雰囲気中最高温度は1200℃以上が好ましく、1300℃以上がより好ましく、1400℃以上がさらに好ましい。強度および弾性率を向上するには細繊度の炭素繊維が好ましく、炭素繊維の単糸径で7μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましく、5.5μm以下がさらに好ましい。得られた炭素繊維はさらに表面処理およびサイジング処理がなされて炭素繊維となる。
【0036】
X線光電子分光法により測定される表面酸素濃度O/Cが0.02以上0.20以下、化学修飾X線光電子分光法により測定される表面カルボキシル基濃度COOH/Cが0.2%以上3.0%以下である炭素繊維を製造する方法は、以下の通りである。
【0037】
本発明の方法において、酸性水溶液中、アルカリ水溶液中のどちらでも良いが、カルボキシル基濃度COOH/Cを容易に増加できる酸性水溶液中の電解処理が好ましい。
【0038】
酸性電解液としては水溶液中で酸性を示すものであればよく、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸、酢酸、酪酸、シュウ酸、アクリル酸、マレイン酸等の有機酸、または硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム等の塩が挙げられる。これらのなかでも強酸性を示す硫酸、硝酸が好ましい。
【0039】
アルカリ性電解液としては水溶液中でアルカリ性を示すものであればよく、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の水酸化物、アンモニア、または、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の有機塩類の水溶液、さらにこれらのカリウム塩、バリウム塩あるいは他の金属塩、およびアンモニウム塩、またヒドラジン等の有機化合物が挙げられるが、好ましくは樹脂との硬化阻害を起こすアルカリ金属を含まない炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機アルカリが好ましい。さらに好ましくは強アルカリ性を示す水酸化テトラアルキルアンモニウム塩類が良い。
【0040】
電解液の濃度としては、0.01〜5モル/lが好ましく、0.1〜1モル/lがより好ましい。電解温度としては0〜100℃が好ましく、室温がより好ましい。
【0041】
電気量は被処理炭素繊維の焼成温度に合わせて最適化することが好ましく、高弾性率糸はより大きな電気量が必要である。表層の結晶性の低下を進ませ、生産性を向上させる一方、炭素繊維基質の強度低下を防ぎ、表層の結晶性の低下を適度な範囲とする観点からは通電処理の総電気量は〜1000クーロン/gとするのが好ましく、300クーロン/gの範囲とするのがさらに好ましい。
【0042】
電流密度としては、炭素繊維表面を有効に酸化し、かつ安全性を損なわない観点から、電解処理液中の炭素繊維の表面積1m2 当たり1.5アンペア/m2 以上1000アンペア/m2 以下が好ましく、3アンペア/m2 以上がより好ましい。処理時間は、数秒から十数分が好ましく、さらには10秒から2分程度がより好ましい。
【0043】
電解電圧は安全性の観点から25V以下が好ましく、さらには0.5〜20Vがより好ましい。電解処理時間は電気量、電解質濃度により最適化すべきであるが、生産性の面から数秒〜10分、好ましくは10秒〜2分程度がよい。電解処理方式としてはバッチ式、連続式いずれでもよいが、生産性がよくバラツキが小さくできる連続式が好ましい。通電方法としては、炭素繊維を電極ローラに直接接触させて通電させる直接通電、あるいは炭素繊維と電極の間に電解液等を介して通電させる間接通電のいずれも採用することができるが、電解処理時の毛羽立ち、電気スパーク等が抑えられる間接通電が好ましい。また、電解処理方法は、電解槽を必要槽数並べて1度通糸しても、1槽の電解槽に必要回数通糸してもよい。更に、電解槽の陽極長は5〜100mmが好ましく、陰極長は300〜1000mm、さらには350〜900mmが好ましい。
【0044】
洗浄処理を行った後、水洗および乾燥することが好ましい。この場合、乾燥温度が高すぎると炭素繊維の最表面に存在する官能基、特にカルボキシル基は熱分解により消失し易いため、できる限り低い温度で乾燥することが好ましく、具体的には乾燥温度が250℃以下が好ましく、さらに210℃以下、さらに180℃以下で乾燥することがより好ましい。
【0045】
サイジング剤の付与手段としては特に限定されるものではないが、例えばローラを介してサイジング液に浸漬する方法、サイジング液の付着したローラに接する方法、サイジング液を霧状にして吹き付ける方法などがある。また、バッチ式、連続式いずれでもよいが、生産性がよくバラツキが小さくできる連続式が好ましい。この際、炭素繊維に対するサイジング剤有効成分の付着量が適正範囲内で均一に付着するように、サイジング液濃度、温度、糸条張力などをコントロールすることが好ましい。また、サイジング剤付与時に炭素繊維を超音波で加振させても良い。
【0046】
乾燥温度と乾燥時間は溶媒を除去できれば特に特定しない。
【0047】
サイジング剤に使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン等が挙げられるが、取扱いが容易で防災の観点から水が好ましい。従って、水に不溶、若しくは難溶の化合物をサイジング剤として用いる場合には乳化剤、界面活性剤等を添加し水分散性にして用いるのが良い。
【0048】
本発明においては、サイジング付着量が炭素繊維単位重量当たり0.02%以上1.3%以下となるようにサイジング処理し、さらにサイジング剤を炭素繊維表面上で高分子量化させるため、熱処理温度は180℃以上350℃以下であり、180℃以上350℃以下が好ましく、200℃以上300℃以下がより好ましく、230℃以上280℃以下がさらに好ましい。処理時間は、熱処理温度によるが30秒以上30分以下が好ましく、50秒以上15分以下がより好ましい。サイジング剤の熱処理は、乾燥工程と分離して行ってもよく、さらにサイジング剤の乾燥工程と熱処理工程を同時に行っても良い。
【0049】
対象となるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂や、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリカーボネート、線状ポリエステル等の熱可塑性樹脂等を挙げることができるが、これらの中でも、特にサイジング剤が有する二重結合と架橋し得る不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂のマトリックス樹脂が好ましい。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明におけるコンポジット接着力の指標として層間剪断強度(ILSS)を用いた。なお、実施例中、表面酸素濃度(O/C)、表面カルボキシル基濃度(COOH/C)、およびILSSは以下の方法により求めた。
【0051】
〈表面酸素濃度O/C〉
表面酸素濃度O/Cは、次の手順に従ってESCAにより求めた。先ず、溶媒でサイジング剤などを除去した炭素繊維束をカットしてステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後、光電子脱出角度を90゜とし、X線源としてMgKα1,2 を用い、試料チャンバー内を1×10-8Torrの真空度に保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正として、まずC1Sの主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eVに合わせる。C1Sピーク面積は、282〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、O1Sピーク面積は、528〜540eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。表面酸素濃度O/Cは、上記O1Sピーク面積とC1Sピーク面積の比を、装置固有の感度補正値で割ることにより算出した原子数比で表した。なお、本実施例では島津製作所(株)製ESCA−750を用い、上記装置固有の感度補正値は2.85であった。
【0052】
〈表面カルボキシル基濃度COOH/C〉
表面カルボキシル基濃度COOH/Cは、次の手順に従って化学修飾ESCAにより求めた。先ず、溶媒でサイジング剤などを除去した炭素繊維束をカットして白金製の試料支持台上に拡げて並べ、0.02モル/lの3弗化エタノール気体,0.001モル/lのジシクロヘキシルカルボジイミド気体及び0.04モル/lのピリジン気体を含む空気中に60℃で8時間さらし、化学修飾処理した後、X線光電子分光装置に光電子脱出角度を35゜としてマウントし、X線源としてAlKα1,2 を用い、試料チャンバー内を1×10-8Torrの真空度に保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正として、まずC1Sの主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eVに合わせる。C1Sピーク面積[C1S]は、282〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、F1Sピーク面積[F1S]は、682〜695eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。また、同時に化学修飾処理したポリアクリル酸のC1Sピーク分割から反応率rを、O1Sピーク分割からジシクロヘキシルカルボジイミド誘導体の残存率mを求めた。
【0053】
表面カルボキシル基濃度COOH/Cは、下式により算出した値で表した。
【0054】
COOH/C=〔[F1S]/{(3k[C1S]−(2+13m)[F1S])r}〕×100(%)
なお、kは装置固有のC1Sピーク面積に対するF1Sピーク面積の感度補正値であり、本実施例では、米国SSI社製モデルSSX−100−206を用い、上記装置固有の感度補正値は3.919であった。
【0055】
<ILSS測定方法>
炭素繊維を一方向に巻き付け金枠を金型にセットし、ビニルエステル樹脂(昭和高分子社製リポキシR806)100部、ナフテン酸コバルト(昭和高分子社製コバルトN)0.5部、メチルエチルケトンパーオキサイド(日本油脂製パーメックN)1.0部を金型に注入し、真空脱泡後、プレス成形(室温×24時間)した。引き続き120℃、2時間で後硬化して試験片を得た。2.5mm厚×6mm幅×16mm長さの一方向CFRP試験片を、通常の3点曲げ試験治具(圧子10mmφ、支点4mmφ)を用いて支持スパンを14mmに設定し、歪速度2.0mm/minでILSSを測定した。
【0056】
下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0057】
(実施例1)
アクリロニトリル(AN)99.4モル%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸方法により単繊維デニール1d,フィラメント数12000のアクリル系繊維を得た。得られた繊維束を240〜280℃の空気中で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、ついで窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温速度を200℃/分とし10%の延伸を行なった後、1300℃まで焼成した。得られた炭素繊維の目付は0.800g/m、比重は1.80であった。
【0058】
濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を電解液として、電気量5クーロン/gで処理した。この電解処理を施された炭素繊維を続いて水洗し、150℃の加熱空気中で乾燥した。
【0059】
続いて、樹脂成分が2重量%になるようにグリセリンジメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネート化合物(共栄社化学製UA101H)をアセトンで希釈してサイジング剤母液を調整し、浸漬法により炭素繊維にサイジング剤を付与し、230℃、60秒で乾燥後、230℃、120熱処理を行なった。付着量は1.1%であった。
【0060】
このようにして得られた炭素繊維はストランド強度5.20GPa、弾性率240GPaであり、表面酸素濃度O/C、表面カルボキシル基濃度COOH/C、ILSSの測定結果を表1に示した。
【0061】
(実施例2,3)
サイジング剤をペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート(共栄社化学製UA306H)、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート化合物(共栄社化学製AH600)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に処理し、付着量1.0%および1.2%の炭素繊維を得た。結果を表1に示した。
【0062】
(実施例4)
サイジング剤を芳香環骨格を有するフェニルグリシジルエーテルアクリレートトリレンジイソシアネート化合物(共栄社化学製AT−600)に変更した以外は実施例1と同様に処理し、付着量は1.2%の炭素繊維を得た。結果を表1に示した。
【0063】
(比較例1)
サイジング剤として極性基を持たないトリメチロールプロパントリアクリレートを付与した以外は実施例1と同様に処理し、付着量1.0%の炭素繊維を得た。ILSSは75MPaであった。
【0064】
(比較例2)
サイジング剤を付与しない以外は実施例1と同様に処理し、炭素繊維を得た。ILSSは76MPaであった。
【0065】
(実施例5,6)
電気量を10、40クーロン/gと変更した以外は、実施例1と同様に処理して炭素繊維を得た。付着量はそれぞれ1.2%,1.3%であった。結果を表1に示した。
【0066】
(実施例7)
電解処理後の乾燥温度を250℃と変更した以外は、実施例1と同様に処理し、付着量1.1%の炭素繊維を得た。結果を表1に示した。
【0067】
【表1】
Figure 0003755255
(実施例8、9比較例3
サイジング剤付与後の熱処理温度を180℃、150℃、80℃と変更した以外は、実施例1と同様に処理し、炭素繊維を得た。付着量はそれぞれ1.2%,1.2%、1.1%であった。結果を表2に示した。
【0068】
【表2】
Figure 0003755255
(実施例10〜12
サイジング剤をビスフェノールSジグリシジルジメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、末端アクリル変性液状ブタジエン(日本曹達製TE2000)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に処理し、炭素繊維を得た。付着量はそれぞれ1.2%,0.9%、1.3%であった。結果を表3に示した。
【0069】
【表3】
Figure 0003755255
(実施例1
サイジング剤乾燥後、30秒熱処理した以外は実施例1と同様に処理し炭素繊維を得た。付着量は1.0%で、ILSSは83MPaであった。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成とすることにより、末端不飽和基と極性基を共に有する化合物を炭素繊維表面に付与し、高分子量化(重合)させ、炭素繊維表面に該化合物を被覆化することにより、コンポジット成型時にサイジング剤の拡散を抑制し、かつ特定の炭素繊維官能基とサイジング剤と極性基の親和性によってコンポジット接着性が確保され、過剰の不飽和基によりマトリックス樹脂との反応によってカップリング効果が現れて接着力が高くなり、また、サイジング剤の付着量を0.02%以上1.3%以下とし、炭素繊維表面へのサイジング剤の高分子量化(重合)による皮膜を均一にし、かつ樹脂との接着性改善幅 を大とし、一方、サイジング剤の高分子量化による炭素繊維束が硬くならないようにすることができ、不飽和マトリックスとの接着性に優れた炭素繊維およびその製造方法を提供することができ

Claims (8)

  1. X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面酸素濃度O/Cが0.02以上0.20以下、化学修飾X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面カルボキシル基濃度COOH/Cが0.2%以上3.0%以下であって、ビニル基、アクリレート基、およびメタクリレート基から選ばれた末端不飽和基とアミド結合、イミド結合、ウレタン結合、およびウレア結合から選ばれた極性基を共に有する化合物が、サイジングされてなり、かつ炭素繊維表面上で重合せしめられているとともに、サイジング付着量が炭素繊維単位重量当たり0.02%以上1.3%以下であることを特徴とする炭素繊維。
  2. 末端不飽和基と極性基をともに有する化合物が、不飽和アルコールまたは不飽和カルボン酸とポリイソシアネート化合物を反応せしめた不飽和ポリウレタン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維。
  3. 不飽和ポリウレタン化合物が、炭素繊維表面上で重合せしめられてなることを特徴とする請求項2に記載の炭素繊維。
  4. 末端不飽和基と極性基をともに有する化合物が、脂肪族ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維。
  5. 末端不飽和基の数が、一分子当り2個以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の炭素繊維。
  6. 分子量当たりの極性基密度(基数/分子量)が、1×10−3以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の炭素繊維。
  7. X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面酸素濃度O/Cが0.02以上0.20以下、化学修飾X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面カルボキシル基濃度COOH/Cが0.2%以上3.0%以下の炭素繊維に、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、およびウレア結合から選ばれた極性基とビニル基、アクリレート基、およびメタクリレート基から選ばれた末端不飽和基とを共に有する化合物をサイジング付着量が炭素繊維単位重量当たり0.02%以上1.3%以下となるようにサイジング処理し、次いで180℃以上350℃以下で熱処理することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
  8. 水溶媒系でサイジングすることを特徴とする請求項7に記載の炭素繊維の製造方法。
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