JP3751552B2 - 導電性弾性層の表面処理方法および及び該導電性弾性層を備えた導電性ローラ - Google Patents

導電性弾性層の表面処理方法および及び該導電性弾性層を備えた導電性ローラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性弾性層の表面処理方法、及び該導電性弾性層を備えた導電性ローラに関し、詳しくは、作業環境、地球環境への影響を考慮しながら、電子写真装置の導電性機構等に使用される導電性ローラ等の導電性部材の耐久劣化性を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、電子写真複写機、ファクシミリ装置等の電子写真装置や静電記録装置等における導電性機構においては、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ローラ、トナーを搬送させるためのトナー供給ローラ、トナーを感光体に付着させるための現像ローラ及びトナー像を感光体から用紙に転写するための転写ローラ等の導電性ローラに代表されるように、種々の導電性部材が用いられている。
【0003】
このような導電性ローラは、一般的に、円柱状の芯金とこの芯金の周囲に同心円状に積層された加硫ゴム層からなる弾性層から構成されており、その用途に応じて、導電性、非汚染性、低硬度及び寸法安定性等の種々の性能が要求される。特に、長期間使用すると、残留トナー粒子等が導電性ローラの表面に付着する現象が発生するために画像が悪化するという、耐久性劣化の問題があり、他の導電性部材についても同様である。そこで、上記の耐久性の劣化を防ぐために、従来、弾性層等の表面をイソシアネート化合物で硬化処理することが行われている。
【0004】
例えば、特開平8−314233号では、電子写真用の帯電部材及び転写部材に用いられる皮膜が提案されており、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体と相溶性のよいポリエステルポリオール又はアクリルポリオールと、イソシアネートとを有機溶媒(キシレン)に溶解した処理液で部材表面を硬化処理している。
また、特開平9−265226号では、導電性芯金上にエピクロルヒドリンゴムを主体として構成されている弾性層の表面を、芳香族多イソシアネートを有機溶媒に溶解した処理液で硬化処理した帯電部材が提案されている。
【0005】
さらに、特開平10−45953号では、エピクロルヒドリン及びエチレンオキサイドの共重合体を主体とするゴムからなる弾性層の表面を、イソシアネート含有化合物を有機溶媒(酢酸エチル)に溶解した処理液で硬化処理した導電性ロールが提案されている。
さらには、特開平10−260568号では、エピクロルヒドリンゴムを主体として構成されている弾性層の表面をへキサメチレンジイソシアネートを主体とするイソシアヌレート体を有機溶媒、すなわちトルエン及びキシレンに溶解した処理液で硬化処理した帯電用部材が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した特開平8−314233号、特開平9−265226号、特開平10−45953号、特開平10−260568号における従来のイソシアネート化合物での硬化処理においては、上記の様に反応性の高い多イソシアネートを大量の有機溶媒に溶解させた処理液を用いていたため、以下の様な問題がある。即ち、人体への刺激の強い多イソシアネートを大量の有機溶媒とともに使用するため、作業環境が著しく悪く、また大気中に溶剤を放出することになるため、地球環境保全上においても、その使用に制限がある。また、多イソシアネートの反応性が高いため、処理液の品質管理が難しいという問題もある。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、品質管理性に優れると共に、地球環境の保全に配慮しつつ作業環境を向上させた導電性部材用の表面処理液を用いた導電性弾性層の表面処理方法を提供し、かつ、該方法により形成される導電性弾性層を外層として備え、耐久劣化性に優れる上に環境に優しい導電性ローラを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、親水性基が導入されていると共にイソシアネート基がブロック化されている多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解している導電性部材用の表面処理液を、ゴム成分を主体として構成され導電性を有する弾性層の表面に塗布した後、130℃以上200℃以下の温度で加熱硬化処理を行うことにより、厚さ0.01μm以上1μm以下の外層を形成させることを特徴とする導電性弾性層の表面処理方法を提供している。
【0009】
本発明者らは、鋭意研究の結果、多イソシアネート化合物に親水性基を導入することにより、多イソシアネート化合物を水溶性とすることができ、よって、人体及び環境に対して無害である水を主体とする媒体中に、耐久性を付与できる多イソシアネート化合物を分散あるいは/及び溶解することが可能となるため、大量の有機溶媒を用いる従来の方法と比べて有機溶媒の揮発が抑制されるので作業環境や地球環境に影響を及ぼすことなく、かつ品質管理性にも優れた導電性部材用の表面処理液を得ることができるのを見出した。
【0010】
上記多イソシアネート化合物のイソシアネート基は、ブロック化(マスク化)されていることが好ましい。
イソシアネート基をブロック化(マスク化)することにより、反応性が高いために品質管理が困難である多イソシアネートの反応性を抑え、表面処理液の品質管理を容易にすることができる。イソシアネート基がブロック化されているとは、イソシアネート基と可逆的に反応し得る化合物と反応している状態であってイソシアネート基の反応性が不活性化されている状態であることを意味する。
イソシアネート基をブロック化するためのブロック化剤としては、フェノール類、ε−カプロラクタム類、β−ジケトン類,オキシム類等が挙げられるが、処理液の品質安定性と解離度のバランスが優れるという理由によりβ−ジケトン類、オキシム類、ε−カプロラクタム類が好ましい。
【0011】
多イソシアネート化合物に親水性基を導入しているが、導電性部材の耐久性劣化の抑制効果を損なわない範囲にて適宜導入することができる。具体的には、1〜50wt%の割合、好ましくは3〜30wt%の割合で導入するのが良い。これにより、水との十分な相溶性と、導電性部材の耐久劣化の抑制効果とを得ることができる。
上記親水性基としては、ポリエーテル、カルボン酸塩、スルフォン酸塩等が挙げられるが、特に、処理液の安定性に優れるという理由により、カルボン酸のアンモニウム塩が好ましい。
【0012】
また、水を主体とする媒体とは、水を主成分とする溶媒であり、溶媒全重量中の水の重量は50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらには80重量%以上であるのが良い。
水以外の溶媒として、エステル類、ケトン類、アルコール類、グリコール類、グリコールエステル類等を混合しても構わない。
【0013】
上記多イソシアネート化合物としては、2,4一トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロへキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’一ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、またそれぞれのイソシアヌレート体、ビュレット体、アダクト体、アロファネート体等の変性体などが挙げられ、表面処理の耐久性に優れるという理由により、へキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましく用いられる。
【0014】
本発明に用いられる導電性部材用の表面処理液は、導電性ローラ、導電性ベルト等の種々の導電性部材に塗布することができる。また、種々の材質の導電性部材に塗布することができる。
【0015】
また、本発明は、上記した導電性部材用の表面処理液を、ゴム成分を主体として構成され導電性を有する弾性層の表面に塗布した後に、加熱硬化処理を行うものである。
このように、多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解した表面処理液を塗布した後に、加熱処理により表面処理を行っているため、作業環境が著しく改善され、地球環境保全上においても優れている上に、容易に導電性弾性層に耐久劣化性を向上させることができる。
【0016】
本発明の導電性弾性層の表面処理方法において、上記加熱硬化処理の温度は、ブロック剤を使用する場合には、その種類にもよるが、130℃以上200℃以下、好ましくは140℃以上170℃以下であるのが良い。
上記範囲としているのは、130℃より低いと、ブロック剤が解離しにくくなったり、硬化しにくくなったりするためである。一方、200℃より高いと、導電性弾性層が劣化するためである。
【0017】
加熱硬化処理の時間は、加熱硬化処理の温度にもよるが、硬化が充分行われ、かつ弾性層が劣化しない時間を適宜選択可能であり、5分以上120分以下、好ましくは10分以上60分以下であるのが良い。
【0018】
表面処理液を導電性弾性層の表面に塗布する方法として、ディッピング、ロールコート、ナイフコート、スプレー塗装等の従来公知の方法を用いることができる。
【0019】
本発明は、さらに、ゴム成分を主体として構成され導電性を有する弾性層と、該弾性層の表面を覆う外層とを備えた導電性ローラであって、
上記外層は、上記した導電性弾性層の表面処理方法により表面処理液を加熱硬化させてなるものであることを特徴とする導電性ローラを提供している。
【0020】
このように、本発明の導電性ローラでは、多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解した処理液を弾性層表面に塗布し、その後加熱処理を行い非常に薄膜である外層を形成している。従って、耐久劣化が抑制され、通紙後も鮮明な画像を得ることができ、かつ作業環境が著しく改善され、環境にも優しい導電性ローラとすることができる
【0021】
導電性ローラの弾性層を構成するゴム成分としては、極性ゴムであるエピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等を好適に用いることができる。特に、低電気抵抗を実現し、電気抵抗の環境依存性が少ない等の理由によりエピクロルヒドリンゴムが好ましい。
【0022】
上記外層の厚さは0.01μm以上3μm以下、好ましくは0.01μm以上1μm以下であるのが良い。
上記範囲としているのは、0.01μmより薄いと耐久性が悪くなるためである。一方、3μmより厚いと亀裂を発生することがあるためである。
【0023】
また、弾性層の厚さは2mm以上10mm以下、好ましくは3mm以上6mm以下であるのが良い。
上記範囲としているのは、2mmより薄いと十分な帯電性が得にくくなるためである。一方、10mmより厚いと帯電不足を起こしやすくなると共に部材が大きすぎて小型軽量化に向かないためである。
【0024】
外層を含めたローラ全体の電気抵抗値は、10Ω・cm以上1010Ω・cm以下、好ましくは10Ω・cm以上10Ω・Cm以下であるのが良い。
上記範囲としているのは、10Ω・cmより小さい導電性ローラを得るのは困難となるためである。一方、1010Ω・cmより大きいと、転写や帯電、トナー供給等の効率が低下し実用に適さなくなるという問題があるためである。
【0025】
弾性層の硬度(JIS K6253(デュロメータ タイプA))は、30以上70以下であるのが良い。これによりローラとしての適度な柔軟性を得ることができる。
【0026】
また、弾性層に導電性を付与するために、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン(表面が酸化スズで被覆されものも含む)、グラファイト等の金属酸化物、または、導電性シリカ、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属粉等の導電性充填剤を使用することもできる。ただし、カーボンブラック導電の場合はベルトの色は黒色となるため、白色ベルトとする場合には、他の導電剤(一般的にイオン導電剤と言われるもの。特に永久帯電防止剤に使用されるもの)を使用するのが好ましい。
【0027】
上記イオン導電剤として、具体的には、帯電防止剤、電荷制御剤等が挙げられる。このようなイオン導電剤を個々に、あるいは、それぞれ混合して、配合することで弾性層の電気抵抗値の調整が可能である。
【0028】
帯電防止剤としては、従来静電潜像現像用トナーに用いられている任意のものを用いることができる。負帯電性の帯電防止剤としては、2:1型含金属アゾ染料、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸の金属錯体、銅フタロシアニン染料のスルホニルアミン誘導体や銅フタロシアニンのスルホンアミド誘導体染料等を挙げることができる。正帯電性の帯電防止剤としては、第4級アンモニウム化合物、アルキルピリジニウム化合物、アルキルピコリニウム化合物のほか、種々のニグロシン系染料等を挙げることができる。
【0029】
また、電荷制御剤としては、有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等が挙げられる。その他には、第4級アンモニウム塩、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体等も挙げられる。また、ビスフェノール類、カリックスアレーン等のフェノール誘導体等も用いられる。
なお、上記帯電防止剤、電荷制御剤は単独でも複数組み合わせても使用可能である。
【0030】
上記導電性充填剤とは別に、機械的強度を向上させるために、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、硫酸バリウム、ケイ藻土などの充填剤を配合しても良い。
【0031】
また、弾性層表面からの添加剤等の遊離、ブリード、ブルーミングや感光体汚染性などの接触物への移行などを起こさない範囲で、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックスなどの軟化剤を配合しても良い。なお、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸系化合物、ジオクチルアジペートなどのアジピン酸系化合物、ジブチルセバケート等のセバチン酸系化合物、安息香酸系化合物などの可塑剤を配合しても良い。これにより弾性層の硬度や柔軟性を適度に調整することができる。
【0032】
さらに、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等のフェノール類などの老化防止剤を配合しても良い。
【0033】
さらには、必要に応じて加硫剤、加硫促進剤、発泡剤等の各種添加剤を配合することもできる。加硫剤としては、例えば硫黄、有機含有硫黄化合物の他、過酸化物なども使用可能である。また、加硫促進剤としては、消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や有機促進剤を用いることができる。
【0034】
上記の導電性ローラの弾性層は、常法により作成でき、例えば、必要に応じて添加剤を配合した上記ゴム成分(混練物)を所要の配合でオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム混練装置に投入し、100℃で1〜20分程度混練りした後、単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を160℃、10〜60分加硫したのち、芯金を挿入し表面を研磨した後、所要寸法にカットして弾性層とする等の従来公知の種々の方法を用いることができる。混練物の加硫は、例えば、電気プレス機、缶加硫、電子線の照射等により行うとよい。加硫時間等の加硫条件は、ゴム成分、加硫剤等の種類や配合比、あるいは、発泡させた場合は発泡剤と発泡助剤の種類と量によって異なるが、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決めるとよい。また、加硫温度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる導電性ローラ10を示し、導電性ローラ10は、円筒形状の弾性層11の中空部に円柱形状の芯金(シャフト)12を圧入して取り付けており、弾性層11の表面には、外層13を備えている。
【0036】
弾性層11は、クロロプレンゴムを主体とするゴムにカーボンブラック等を配合したゴム組成物により円筒状に成形されている。外層13は、親水性基が導入され、かつイソシアネート基がブロック化された多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解している表面処理液を、ディッピングにより弾性層11の表面に塗布した後に、130℃以上200℃以下の温度で加熱して加熱硬化させて形成している。
【0037】
このように、導電性ローラ10は、多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解した処理液を弾性層11の表面に塗布し、その後加熱処理を行い外層13を形成している。よって、多イソシアネート化合物により耐久劣化が抑制され、通紙後も鮮明な画像を得ることができ、かつ、水を溶媒としているため、作業環境が著しく改善され、環境にも優しい導電性ローラ10とすることができる。従って、現像ローラ、帯電ローラ、カラー複写機あるいはカラープリンタ用転写ローラ等の導電性ローラとして好適に用いることができる。
【0038】
以下、本発明の実施例1、2及び比較例1について詳述する。
下記の配合(弾性層)をニーダに投入し、100℃で、1〜20分程度混練りした後、ゴム混練装置より押し出した。次いで、予備成形体を160℃、30分加硫して弾性層を作成し、該弾性層に金属製のシャフト(φ6mm)を挿入し、研磨、カットした。
そして、下記の表1に示す配合の表面処理液を、各ローラの弾性層の表面に30秒間デイッピングにより塗布した後,150℃のオーブン中で1時間硬化処理し0.01μm〜1.0μm程度と非常に薄膜の外層を形成し、実施例1及び実施例2の各々の導電性ローラを得た。また、ローラ表面に何ら処理を行わなかった導電性ローラを比較例1の導電性ローラとした。シャフト径φ6mm、ローラ外径φ12mm、ローラ長さ220mmとした。
【0039】
(弾性層の配合)
弾性層の配合は、クロロプレンゴム(ネオプレンWRT:昭和電工・デュポン(株)社製)80重量部、EPDMゴム(エスプレン505A:住友化学(株)社製)20重量部、カーボンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)社製)18重量部、受酸剤2重量部、可塑剤25重量部、ステアリン酸1重量部、亜鉛華5重量部、イオウ1重量部、促進剤3重量部とした。
【0040】
【表1】
Figure 0003751552
【0041】
表1中、バイヒジュール3100(住化バイエルウレタン(株)社製)とは、親水性基含有へキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体であり、バイヒジュールTPLS2186(住化バイエルウレタン(株)社製)とは、オキシムでブロック化された親水性基含有へキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体である。
【0042】
上記の硬化処理をして得られた実施例1、実施例2の導電性ローラ及び硬化処理を行わなかった比較例1の導電性ローラについて下記の耐久試験を行った。その試験結果を表1の下欄に示す。
【0043】
(耐久試験)
導電性ローラをコピー機に装着し、25000枚コピーを実施した後の画像の変化を目視にて評価した。変化がない場合は○、汚れが発生した場合は×とした。
【0044】
表1に示される様に、実施例1及び実施例2の導電性ローラは共に耐久性試験結果が良好であった。また、水を溶媒とする処理液を使用しているので、従来の有機溶媒を使用していた処理液と比較して、有機溶媒が大気中に放出されることもないので、作業環境が良好であり、地球環境保全の点からもより優れていることが確認できた。
さらに、実施例2の導電性ローラは、イソシアネート基がオキシムでブロック化されている処理液を使用しているので、処理液の品質管理が容易であった。よって従来の処理液においてはイソシアネート基の反応性が高いために、その品質管理が困難であったのと比較して、実施例2の導電性ローラは、より簡便に硬化処理を行うことができ、よってより簡便に実施例2の導電性ローラを製造することができた。
一方、比較例1の導電性ローラは、硬化処理を行なわなかったために耐久性試験結果が悪かった。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、親水性基が導入された多イソシアネート化合物が、人体及び環境に対して無害である水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解している導電性部材用表面処理液を用いているため、大量の有機溶媒を用いる従来の方法と比べて有機溶媒の揮発が抑制されるので作業環境や地球環境に影響を及ぼすことなく、導電性弾性層に耐久性を付与することができ、用いられる導電性部材用表面処理液は品質管理性にも優れたものである。
【0046】
また、多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解した表面処理液を塗布した後に、加熱処理により表面処理を行うことにより、表面処理の作業環境を著しく改善することができ、容易に導電性弾性層の耐久劣化性を向上させることができる。
【0047】
さらに、多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解した処理液を弾性層の表面に塗布し、その後加熱処理を行い外層を形成している。よって、多イソシアネート化合物により耐久劣化が抑制され、通紙後も鮮明な画像を得ることができ、かつ、水を溶媒としているため、作業環境が著しく改善され、環境にも優しい導電性ローラを得ることができる。従って、デジタル化、カラー化等の高画質化の技術がめざましい現在において、その要求性能に耐えうるものとなり、特に、現像ローラ、帯電ローラ、カラー複写機あるいはカラープリンタ用転写ローラ等の導電性ローラとして極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の導電性ローラの概略斜視図、(B)は断面構成図である。
【符号の説明】
10 導電性ローラ
11 弾性層
12 芯金(シャフト)
13 外層

Claims (2)

  1. 親水性基が導入されていると共にイソシアネート基がブロック化されている多イソシアネート化合物が、水を主体とする媒体中に分散あるいは/及び溶解している導電性部材用の表面処理液を、ゴム成分を主体として構成され導電性を有する弾性層の表面に塗布した後、130℃以上200℃以下の温度で加熱硬化処理を行うことにより、厚さ0.01μm以上1μm以下の外層を形成させることを特徴とする導電性弾性層の表面処理方法。
  2. ゴム成分を主体として構成され導電性を有する弾性層と、該弾性層の表面を覆う外層とを備えた導電性ローラであって、
    上記外層は、請求項1に記載の導電性弾性層の表面処理方法により表面処理液を加熱硬化させてなる導電性弾性層からなることを特徴とする導電性ローラ。
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