JP3746981B2 - 熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
剛性、耐衝撃性、リサイクル性に優れたプラスチック製品として、従来から、繊維状液晶樹脂を強化材として含むプラスチック成形体の製造方法が提案されている(特開平9−136340号公報)。
【0003】
しかし、上記の方法では、高価な液晶樹脂を補強材として用いるために、得られる成形体が高価となる。
【0004】
一方、ポリエステル系樹脂は結晶性樹脂であるため延伸による強度向上が大きく、かつ溶融温度が高いため、熱可塑性樹脂に混合して溶融成形を行っても補強効果を保つことができることが知られており、安価な補強材として液晶樹脂の代替となりうる可能性を有している。
しかし、溶融状態で液晶構造を取らないポリエステル系樹脂は、分子を配向させることが難しく、所望の物性を発現することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決し、溶融状態で液晶構造を取らない汎用樹脂であるポリエステル系樹脂を、高度に分子配向した状態で熱可塑性樹脂に分散させることにより、引張弾性率、衝撃強度等、機械的物性に優れた成形材料を得ることのできる熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂の成形可能温度より高い融点を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂(以下、単に「ポリエステル系樹脂」という)との樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱して伸張しつつ溶融押出する工程、及び、溶融押出された混合物を、上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低温結晶化温度以下の温度で押出方向に延伸する工程をこの順に行うものである。
【0007】
本発明において使用される熱可塑性樹脂は、成形可能温度が230℃以下であるのが好ましい。
上記成形可能温度とは、可塑性を示し混練成形可能となる温度を指し、結晶性樹脂については融点をいい、非晶性樹脂については熱変形温度又はビカット軟化点より80℃高い温度をいう。なお、上記熱変形温度とは、JIS K7207
A法による荷重たわみ試験における荷重たわみ温度を指す。
【0008】
上記熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレン(融点約130℃)、ポリプロピレン(融点約170℃)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(熱変形温度約70℃)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(熱変形温度約90℃)等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート(熱変形温度約90℃)等のアクリル系樹脂;ナイロン6(融点225℃)等のポリアミド樹脂;ポリビニルアセタール(融点約180℃)等のアセタール系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(熱変形温度約80〜140℃)、及びそれらの変性体、共重合体などがあげられる。これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0009】
上記熱可塑性樹脂は、請求項2に記載されているように、ビニル芳香族系炭化水素重合体を主成分とするのが好ましい。
上記ビニル芳香族系炭化水素重合体としては、例えば、ポリスチレン及びポリスチレンとアクリル系モノマー等の共重合樹脂などが挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としてビニル芳香族系炭化水素重合体を主成分とすることにより、成形体表面にアクリル系樹脂やスチレン系共重合樹脂等の融着被覆が可能となり、屋外使用時等の耐候性が向上する。
【0010】
本発明において使用されるポリエステル系樹脂は、上記熱可塑性樹脂の成形可能温度より高い融点を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチンナフタレートなどが挙げられる。これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0011】
中でも、請求項3に記載されているように、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度は約70℃、後述する低温結晶化温度は約160℃、融点は約260℃であり、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル系樹脂等の汎用樹脂と組み合わせて用いることが容易である。
さらに、ポリエチレンテレフタレート製ボトル(所謂「ペットボトル」)等の回収樹脂を利用することにより、環境負荷を低減することができる。
【0012】
また、請求項3に記載されているように、上記ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.5〜0.75dL/gであることが好ましい。
上記ポリエステル系樹脂の固有粘度が低すぎるものは、ポリエステルの分子鎖が短く、延伸工程によっても強度の発現が不十分となり、樹脂を伸張しつつ溶融押出する際に、熱可塑性樹脂が優先的に伸張され、伸張後のポリエステル系樹脂のアスペクト比が小さくなり、延伸工程においてポリエステル系樹脂を十分に延伸することができなくなり、強度の発現が不十分となる。
【0013】
上記ポリエステル系樹脂の量は、少なすぎると補強効果が小さく、多すぎると成形体中で分散が不十分になりやすくなるので、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、5〜400重量部が好ましい。
【0014】
上記熱可塑性樹脂は、請求項5に記載されているように、そのガラス転移温度が上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度以下であることが好ましい。
このようにすることにより、延伸時に熱可塑性樹脂が起点となって破断する蓋然性が低下し、延伸が容易になる。
【0015】
本発明において使用される熱可塑性樹脂と上記熱可塑性ポリエステル系樹脂との樹脂混合物には、必要に応じて、ハロゲン系、ノンハロゲン系、無機系等の難燃剤;ヒンダードアミン等の酸化防止剤;変性ポリオレフィン、各種エラストマー等の改質剤などが添加されてもよい。
【0016】
本発明の熱可塑性成形体の製造方法においては、まず、上記熱可塑性樹脂、上記熱可塑性ポリエステル系樹脂、及び必要に応じて難燃剤、酸化防止剤、改質剤などからなる樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱して伸張しつつ溶融押出する。
【0017】
上記樹脂混合物を伸張しつつ溶融押出するには、溶融した樹脂混合物を、通過面断面積を暫時減少させた金型に供給し、押出成形を行う、溶融樹脂混合物を引き延ばしつつ冷却を行う等の方法により実現される。この際、後述する延伸工程でポリエステル分子が配向しやすいよう、ポリエステル系樹脂の結晶化を抑制させることが好ましい。ポリエステル系樹脂の結晶化を抑制させるには、溶融状態のポリエステル系樹脂を速やかに低温結晶化温度以下に冷却することにより達成される。
【0018】
次いで、溶融押出された樹脂混合物を、上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低温結晶化温度以下の温度で押出方向に延伸する。
このようにすることにより、ポリエステル系樹脂の分子配向が一方向に揃えられ、得られる成形体の延伸方向の強度が向上する。
【0019】
上記延伸倍率は、請求項6に記載されているように、2〜20倍が好ましい。延伸率が2倍未満であるとポリエステル系樹脂の分子配向が弱く、充分な補強効果が得られない。また、20倍を超えると、配向したポリエステル系樹脂の分子が破断してしまいやすい。
【0020】
熱可塑性ポリエステルは、示差熱分析により、昇温時に通常3つの吸熱ピークを示す。この3つのピークを低温側からそれぞれ、ガラス転移温度、低温結晶化温度、融点という。
【0021】
本発明において、請求項7に記載されているように、上記延伸された樹脂混合物を、さらに上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温度で加熱処理した後、上記ポリエステル系樹脂の融点以下の温度で賦形するのが好ましい。
【0022】
分子配向が引き揃えられたポリエステル系樹脂を低温結晶化温度〜融点の温度で加熱処理することによりポリエステル系樹脂の結晶化が進み、分子の配向が更に高まると共に安定化し、強度が向上する。
【0023】
上記加熱処理する温度は、低温結晶化温度未満であるとポリエステル系樹脂の結晶化が進まず、融点を超えると分子配向が乱れる。
【0024】
加熱処理を行う際には、張力をかけずに加熱処理すると、結晶化時に分子の配向が乱れて収縮し、強度の向上が不十分となるため、延伸方向に張力をかけて収縮を抑制した状態で加熱処理を行うことが望ましい。
【0025】
この場合において、請求項8に記載されているように、上記延伸された樹脂混合物を、5〜50%/分の速度で引き延ばすのが好ましい。
このようにすることにより、樹脂混合物の破断を防ぎつつポリエステル系樹脂の分子配向を乱すことなく結晶化を進めることが可能となる。
【0026】
上記延伸方向に張力をかける方法ないしは引き延ばす方法としては特に限定されるものではないが、例えば、樹脂混合物の入口側から出口側に向けて、複数のピンチルールを設け、出口側のロールの速度を、入口側のロールの速度より速く設定し、樹脂混合物を上記ピンチルール間を通過させるなどの方法により行うことができる。
【0027】
引き延ばし速度は、長さ変化率/変化時間で表され、上述したように複数のピンチルールを用いる場合、(出口側のロールの速度/入口側のロール速度)/ロール間通過時間で表すことができる。
上記引き延ばし速度は、5%/分未満であると、樹脂混合物中のポリエステルにかかる張力が不十分となり、結晶化の際に分子の配向方向が揃わないことがあり、引き延ばし速度が50%/分を超えると樹脂混合物が破断することがある。
【0028】
張力をかけずに加熱処理する場合には、加熱時間は樹脂混合物の温度がポリエステル樹脂の低温結晶化温度〜融点に達してから1分以上行うことが望ましい。1分未満であるとポリエステル樹脂の結晶化が十分に進まないことがある。結晶化が不十分であると張力をかけずに加熱した際、非結晶もしくは半結晶化部分が配向を乱しながら結晶化し、延伸方向の強度を落とす。張力をかけずに加熱し、非結晶もしくは半結晶化部分が配向を乱しながら結晶化すると、樹脂混合物は延伸方向に収縮を起こす。本発明の加熱結晶化処理を行うと、張力をかけずにポリエステル樹脂の低温結晶化温度〜融点以下に加熱した際の収縮率(加熱収縮率)は10%以内になる。
【0029】
次いで、延伸された樹脂混合物を、上記ポリエステル系樹脂の融点以下の温度で、所望の形状に賦形する。
このようにすることにより、得られる成形体は一方向に配向した分子構造を持つポリエステル系樹脂で補強された熱可塑性樹脂成形体となる。
【0030】
延伸された樹脂混合物を賦形する際には、請求項8に記載されているように、上記延伸された樹脂混合物を加熱処理した後、無機質充填材を添加して賦形するのが好ましい。
上記無機質充填材は、引張弾性率の向上、熱伸縮率の抑制、熱変形温度の向上のために添加されるもので、一般に、熱可塑性樹脂に対して相溶性がない充填材を添加させると、得られる成形体の耐衝撃性能は低下するが、本発明においては、分子配向したポリエステル系樹脂により、衝撃性能低下を抑制することができる。
【0031】
無機質充填材の添加は、伸長、延伸を良好にするために、樹脂混合物の伸長、延伸、及び必要に応じて加熱処理を行った後に行うことが好ましい。
【0032】
上記無機質充填材としては特に限定されるものではなく、目的に応じ適宜選択され、例えば、タルク、マイカ、グラファイト、層状珪酸塩、水酸化アルミニウム、ガラスフレーク、セリサイト、金属箔等の板状充填材;炭酸カルシウム、シリカ等の粒状充填材;チタン酸カリウム、ワラストナイト、酸化マグネシウム等の針状充填材;炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維等の強化繊維などがあげられる。上記無機質充填材の量は、少なすぎると引張弾性率の向上等の効果が小さく、多すぎると、組成物の流動性を阻害し、成形性が悪くなるとともに、得られる成形体の表面平滑性も低下するので、熱可塑性樹脂100重量部に対して、板状充填材、粒状充填材、及び針状充填材の場合1〜100重量部、強化繊維の場合1〜40重量部が好ましい。
【0033】
【実施例】
本発明を、実施例に基づきさらに詳しく説明する。
【0034】
(実施例1)
ポリスチレン(A&Mスチレン社製、品番「H8672」、熱変形温度75℃)100重量部、及び、ポリエチレンテレフタレート(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナイトPA−500」、ガラス転移温度80℃、低温結晶化温度130℃、融点255℃)150重量部からなる樹脂混合物を混練押出機(プラスチック工学研究所製、型式「UT−25」)を経て、内径20mm、先端部が通過面断面が15°のテーパーで直径4mmに暫時縮径された金型に供給し、直径4mmのストランドを押し出した。このとき、樹脂吐出速度よりも引き取り速度を速めることにより、樹脂混合物を伸長させた。
【0035】
成形条件は、押出機のバレル温度:200〜260℃、金型温度:265℃、樹脂吐出量:5kg/hrとした。
押し出されたストランドを、氷水を満たした冷却水槽を通過させて、直径2.5mm、樹脂温度15℃とした後、雰囲気温度を95℃に設定した延伸槽に導いて加熱し、順次回転速度を速めた延伸ロールを通過させて、ストランド径が0.5mmになるように延伸を行った。
続けて雰囲気温度を200℃に設定した加熱槽にストランドを導き、60秒間加熱処理を行い、ストランド中のポリエチレンテレフタレートを結晶化させ、ストランド状成形体を得た。
この際、加熱槽中にストランドの入口側から出口側に向けて設けられた5対のピンチロール(周速度すべて1.0m/分)間を通過させた。
【0036】
(実施例2)
ポリスチレンに代えて、アクリル変性ポリスチレン(A&Mスチレン社製、品番「SX200」、ビカット軟化点約100℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0037】
(実施例3)
ポリスチレンに代えて、ポリプロピレン(モンテル・エスディーケイ・サンライズ社製、商品名「サンアロマーPB170A」、熱変形温度約100℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0038】
(実施例4)
ポリスチレンに代えて、ポリエチレン(日本ポリオレフィン社製、商品名「ジェイレクスKE051Z」、ビカット軟化点約120℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0039】
(実施例5)
ポリスチレンに代えて、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(テクノポリマー社製、商品名「テクノABS170」、熱変形温度約90℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0040】
(実施例6)
ポリスチレンに代えて、ポリメチルメタクリレート(アトフィナ・ジャパン社製、商品名「オログラスHFI−10」、熱変形温度約80℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0041】
(実施例7)
ピンチロールの周速度を、ストランドの入口側から順に、1.0m/分、1.1m/分、1.2m/分、1.3m/分、1.4m/分と設定したこと以外は、実施例2と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0042】
(実施例8)
ピンチロールの周速度を、ストランドの入口側から順に、1.0m/分、1.1m/分、1.2m/分、1.3m/分、1.4m/分と設定したこと以外は、実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0043】
(実施例9)
ピンチロールの周速度を、ストランドの入口側から順に、1.0m/分、1.1m/分、1.2m/分、1.3m/分、1.4m/分と設定したこと以外は、実施例3と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0044】
(実施例10)
延伸槽による延伸は行ったが、加熱槽による加熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0045】
(実施例11)
ピンチロールの周速度を、ストランドの入口側から順に、1.0m/分、1.25m/分、1.5m/分、1.75m/分、2.0m/分と設定したこと以外は、実施例2と同様にしてストランド状成形体を製造したが、ピンチロール間でストランドが破断し、良好な成形体が得られなかった。
【0046】
(実施例12)
実施例1と同様にして得られたストランド状成形体を長さ6mm毎に切断してペレット状とし、200℃に加熱した混練ロールに、該ペレット状成形体100重量部、ポリスチレン(A&Mスチレン社製、品番「H8672」、熱変形温度75℃)155重量部、及び、タルク(勝光山工業所製、商品名「ビクトリライトSK2BB」)45重量部を供給して混練し、ポリスチレン65重量%、ポリエチレンテレフタレート20重量%、タルク15重量%からなる混練物を得、次いで、190℃で押圧成形し、厚み2mmの板状成形体を得た。
【0047】
(実施例13)
上記ペレット状成形体100重量部、ポリスチレン(A&Mスチレン社製、品番「H8672」、熱変形温度75℃)170重量部、及び、ガラス繊維チョップ(日東紡社製、品番「CS3PE956」、繊維長4mm)30重量部を混練してポリスチレン70重量%、ポリエチレンテレフタレート20重量%、ガラス繊維10重量%からなる混練物としたこと以外は実施例12と同様にして板状成形体を得た。
【0048】
(実施例14)
ガラス繊維チョップに代えて、炭素繊維チョップ(東邦レーヨン社製、商品名「ベスファイトHTAC6SR」、繊維長6mm)を用いたこと以外は実施例13と同様にして板状成形体を得た。
【0049】
(実施例15)
ガラス繊維チョップに代えて、合成マイカ(コープケミカル社製、品番「MAE100」)を用いたこと以外は実施例13と同様にして板状成形体を得た。
【0050】
(実施例16)
ガラス繊維チョップに代えて、カーボングラファイト(日本黒鉛社製、品番「CP−B」)を用いたこと以外は実施例13と同様にして板状成形体を得た。
【0051】
(実施例17)
ストランド状成形体として、実施例10と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例12と同様にして板状成形体を得た。
【0052】
(実施例18)
ストランド状成形体として、実施例2と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例12と同様にして板状成形体を得た。
【0053】
(実施例19)
ストランド状成形体として、実施例2と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例13と同様にして板状成形体を得た。
【0054】
(実施例20)
ストランド状成形体として、実施例2と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例14と同様にして板状成形体を得た。
【0055】
(実施例21)
ストランド状成形体として、実施例2と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例15と同様にして板状成形体を得た。
【0056】
(実施例22)
ストランド状成形体として、実施例2と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例16と同様にして板状成形体を得た。
【0057】
(実施例23)
ポリエチレンテレフタレートとして(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナイトMA−580」、ガラス転移温度80℃、低温結晶化温度130℃、融点255℃、固有粘度0.57dL/g)を用いたこと以外は、実施例18と同様にして、板状成形体を得た。
【0058】
(実施例24)
ポリエチレンテレフタレートとして(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナイトPA−210」、ガラス転移温度80℃、低温結晶化温度130℃、融点255℃、固有粘度1.00dL/g)を用いたこと以外は、実施例18と同様にして、板状成形体を得た。
【0059】
(実施例25)
ポリエチレンテレフタレートとして(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナイトMA−585」、ガラス転移温度80℃、低温結晶化温度130℃、融点255℃、固有粘度0.49dL/g)を用いたこと以外は、実施例18と同様にして、板状成形体を得た。
【0060】
(実施例26)
ストランド状成形体として、実施例7と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例12と同様にして板状成形体を得た。
【0061】
(実施例27)
ストランド状成形体として、実施例7と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例13と同様にして板状成形体を得た。
【0062】
(比較例1)
延伸槽による延伸、及び、加熱槽による加熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてストランド状成形体を得た。
【0063】
(比較例2)
ストランド状成形体として、比較例1と同様にして得られたものを用いたこと以外は実施例12と同様にして板状成形体を得た。
【0064】
・物性評価
(ストランド状成形体の引張弾性率)
実施例1〜10、比較例1で得られたストランドド状成形体を材料試験機(オリエンテック社製、商品名「テンシロンUCT−5T」)を用い、JIS K 7113に準拠して引張弾性率を測定し、表1に示した。
【0065】
(ストランド状成形体の加熱収縮率)
実施例1〜10、比較例1で得られたストランド状成形体を180℃×5分加熱したときの加熱収縮率を測定した。
【0066】
【表1】
Figure 0003746981
【0067】
(板状成形体の衝撃強度)
実施例12〜27、比較例2で得られた板状成形体をアイゾット衝撃試験機(東洋精機製作所製)を用い、衝撃強度を測定し、表2〜4に示した。
【0068】
(板状成形体の融着強度)
実施例10、18で得られた板状成形体と厚み0.1mmのアクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体シート(テクノポリマー社製、商品名「テクノAES W220」)とを積層し、加熱プレス(加熱温度200℃、加圧50kPa)により融着させ、融着強度を碁盤目剥離試験により測定し、100箇所中、剥離した箇所の数を表2、3に示した。
【0069】
【表2】
Figure 0003746981
【0070】
【表3】
Figure 0003746981
【0071】
【表4】
Figure 0003746981
【0072】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂の成形可能温度より高い融点を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂との樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱して伸張しつつ溶融押出する工程、及び、溶融押出された混合物を、上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低温結晶化温度以下の温度で押出方向に延伸する工程をこの順に行うものであるから、溶融状態で液晶構造を取らない汎用樹脂であるポリエステル系樹脂を、高度に分子配向した状態で熱可塑性樹脂に分散させることにより、引張弾性率、衝撃強度等、機械的物性に優れた成形材料を得ることができる。
【0073】
さらに、本発明において、請求項2に記載されているように、上記熱可塑性樹脂がビニル芳香族系炭化水素重合体を主成分とすると、成形体表面にアクリル系樹脂やスチレン系共重合樹脂等の融着被覆が可能となり、屋外使用時等の耐候性が向上する。
【0074】
さらに、本発明において、請求項3に記載されているように、上記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートであると、熱可塑性樹脂として、様々な汎用樹脂と組み合わせて用いることが容易であり、さらに、ポリエチレンテレフタレート製ボトル(所謂「ペットボトル」)等の回収樹脂を利用することにより、環境負荷を低減することができる。
【0075】
さらに、本発明において、請求項4に記載されているように、上記ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.5〜0.75dL/gであると、機械的強度,特に衝撃強度に優れた成形体を得ることができる。
【0076】
さらに、本発明において、請求項5に記載されているように、上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度以下であると、延伸時に熱可塑性樹脂が起点となって破断する蓋然性が低下し、延伸が容易になる。
【0077】
さらに、本発明において、請求項6に記載されているように、延伸倍率が2〜20倍であると、ポリエステル系樹脂が強度に分子配向し、充分な補強効果が得られ、また、配向したポリエステル系樹脂の分子が破断しにくいものとなる。
【0078】
さらに、本発明において、請求項7に記載されているように、延伸された樹脂混合物を、さらに上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温度で加熱処理した後、上記ポリエステル系樹脂の融点以下の温度で賦形することにより、ポリエステル系樹脂の結晶化が進み、分子の配向が更に高まると共に安定化し、強度が向上する。
【0079】
さらに、本発明において、請求項8に記載されているように、上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温度で加熱処理するにあたり、上記延伸された樹脂混合物を、5〜50%/分の速度で引き延ばすことにより、加熱収縮率を抑制することができる。
【0080】
さらに、本発明において、請求項9に記載されているように、延伸された樹脂混合物を加熱処理した後、無機質充填材を添加して賦形することにより、引張弾性率の向上、熱伸縮率の抑制、熱変形温度の向上を図ることができる。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂の成形可能温度より高い融点を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂との樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱して伸張しつつ溶融押出する工程、及び、溶融押出された混合物を、上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低温結晶化温度以下の温度で押出方向に延伸する工程をこの順に行うことを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 上記熱可塑性樹脂が、ビニル芳香族系炭化水素重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 上記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  4. 上記ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.5〜0.75dL/gであることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  5. 上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度以下であることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  6. 延伸倍率が2〜20倍であることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  7. 上記延伸された樹脂混合物を、さらに上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温度で加熱処理した後、上記ポリエステル系樹脂の融点以下の温度で賦形することを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  8. 上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温度で加熱処理するにあたり、上記延伸された樹脂混合物を、5〜50%/分の速度で引き延ばすことを特徴とする請求項7記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  9. 上記延伸された樹脂混合物を加熱処理した後、無機質充填材を添加して賦形することを特徴とする請求項7又は8記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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