JP2002273789A - 熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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JP2002273789A
JP2002273789A JP2001080766A JP2001080766A JP2002273789A JP 2002273789 A JP2002273789 A JP 2002273789A JP 2001080766 A JP2001080766 A JP 2001080766A JP 2001080766 A JP2001080766 A JP 2001080766A JP 2002273789 A JP2002273789 A JP 2002273789A
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resin
temperature
thermoplastic resin
melting point
polyester
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JP2001080766A
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English (en)
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Hitoshi Hayashi
仁司 林
Riyouta Kitagawa
良太 喜多河
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融状態で液晶構造を取らない汎用樹脂であ
るポリエステル系樹脂を、高度に分子配向した状態で熱
可塑性樹脂に分散させることにより、引張弾性率、衝撃
強度等、機械的物性に優れた成形材料を得ることのでき
る熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂の成形
可能温度より高い融点を有する熱可塑性ポリエステル系
樹脂との樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂の融点以
上の温度で溶融押出した後、溶融押出された樹脂混合物
を、上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低
温結晶化温度以下の温度で押出方向と略直交する方向に
圧力を加えることにより、圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂成形
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】剛性、耐衝撃性、リサイクル性に優れた
プラスチック製品として、従来から、繊維状液晶樹脂を
強化材として含むプラスチック成形体の製造方法が提案
されている(特開平9−136340号公報)。
【0003】しかし、上記の方法では、高価な液晶樹脂
を補強材として用いるために、得られる成形体が高価と
なる。
【0004】一方、ポリエステル系樹脂は結晶性樹脂で
あるため延伸による強度向上が大きく、かつ溶融温度が
高いため、熱可塑性樹脂に混合して溶融成形を行っても
補強効果を保つことができることが知られており、安価
な補強材として液晶樹脂の代替となりうる可能性を有し
ている。しかし、溶融状態で液晶構造を取らないポリエ
ステル系樹脂は、分子を配向させることが難しく、所望
の物性を発現することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決し、溶融状態で液晶構造を取らない汎用樹脂であ
るポリエステル系樹脂を、高度に分子配向した状態で熱
可塑性樹脂に分散させることにより、引張弾性率、衝撃
強度等、機械的物性に優れた成形材料を得ることのでき
る熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂成
形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂の
成形可能温度より高い融点を有する熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂(以下、単に「ポリエステル系樹脂」という)
との樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂の融点以上の
温度で溶融押出した後、溶融押出された樹脂混合物を、
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低温結
晶化温度以下の温度で押出方向と略直交する方向に圧力
を加えることにより、圧延するものである。
【0007】本発明において使用される熱可塑性樹脂
は、成形可能温度が230℃以下であるのが好ましい。
上記成形可能温度とは、可塑性を示し混練成形可能とな
る温度を指し、結晶性樹脂については融点をいい、非晶
性樹脂については熱変形温度又はビカット軟化点より8
0℃高い温度をいう。なお、上記熱変形温度とは、JI
S K7207A法による荷重たわみ試験における荷重
たわみ温度を指す。
【0008】上記熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエ
チレン(融点約130℃)、ポリプロピレン(融点約1
70℃)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(熱変形
温度約70℃)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体(熱変形温度約90℃)等のスチレン系樹
脂;ポリメチルメタクリレート(熱変形温度約90℃)
等のアクリル系樹脂;ナイロン6(融点225℃)等の
ポリアミド樹脂;ポリビニルアセタール(融点約180
℃)等のアセタール系樹脂、変性ポリフェニレンエーテ
ル(熱変形温度約80〜140℃)、及びそれらの変性
体、共重合体などがあげられる。これらは単独で使用さ
れてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0009】上記熱可塑性樹脂は、請求項2に記載され
ているように、ビニル芳香族系炭化水素重合体を主成分
とするのが好ましい。上記ビニル芳香族系炭化水素重合
体としては、例えば、ポリスチレン及びポリスチレンと
アクリル系モノマー等の共重合樹脂などが挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としてビニル芳香族系炭化水素重合体
を主成分とすることにより、成形体表面にアクリル系樹
脂やスチレン系共重合樹脂等の融着被覆が可能となり、
屋外使用時等の耐候性が向上する。
【0010】本発明において使用されるポリエステル系
樹脂は、上記熱可塑性樹脂の成形可能温度より高い融点
を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチンナフタレートなどが挙げられる。
これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上併用さ
れてもよい。
【0011】中でも、請求項3に記載されているよう
に、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチ
レンテレフタレートは後述するように、ガラス転移温度
は約70℃、後述する低温結晶化温度は約160℃、融
点は約260℃であり、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリル系樹脂等の汎用樹脂と組み合
わせて用いることが容易である。さらに、ポリエチレン
テレフタレート製ボトル(所謂「ペットボトル」)等の
回収樹脂を利用することにより、環境負荷を低減するこ
とができる。
【0012】上記ポリエステル系樹脂の量は、少なすぎ
ると補強効果が小さく、多すぎると成形体中で分散が不
十分になりやすくなるので、上記熱可塑性樹脂100重
量部に対して、5〜400重量部が好ましい。
【0013】上記熱可塑性樹脂は、請求項4に記載され
ているように、そのガラス転移温度が上記ポリエステル
系樹脂の低温結晶化温度以下であることが好ましい。こ
のようにすることにより、延伸時に熱可塑性樹脂が起点
となって破断する蓋然性が低下し、延伸が容易になる。
【0014】本発明において使用される熱可塑性樹脂と
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂との樹脂混合物には、
必要に応じて、ハロゲン系、ノンハロゲン系、無機系等
の難燃剤;ヒンダードアミン等の酸化防止剤;変性ポリ
オレフィン、各種エラストマー等の改質剤などが添加さ
れてもよい。
【0015】本発明の熱可塑性成形体の製造方法におい
ては、まず、上記熱可塑性樹脂、上記熱可塑性ポリエス
テル系樹脂、及び必要に応じて難燃剤、酸化防止剤、改
質剤などからなる樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂
の融点以上の温度で溶融押出する。
【0016】ついで、溶融押出された樹脂混合物を、上
記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低温結晶
化温度以下の温度で押出方向と略直交する方向に圧力を
加えることにより、圧延する。
【0017】圧延とは、溶融押出された樹脂混合物に、
局所的に圧力を加え、断面積を減少させて押出方向に引
き延ばすことをいい、例えば、樹脂混合物の厚みよりも
狭い隙間を持つ圧延ロールの間に、該混合物を通過させ
てもよいし、加圧プレス等により断面積を減少させても
よい。
【0018】本発明において、圧延の際には、請求項5
に記載されているように、圧延前に対する圧延後の樹脂
混合物の断面積が、50%以下とするのが好ましい。上
記断面積が50%を超えると、ポリエステル系樹脂の分
子配向が弱く、充分な補強効果が得られない。
【0019】本発明において、請求項6に記載されてい
るように、圧延の際に、圧力を加える方向(Z方向とす
る)及び押出方向(X方向とする)と直交する方向(Y
方向とする)の寸法変化率を、±50%以下とするのが
好ましい。
【0020】加圧によりZ方向に圧縮された樹脂混合物
は、加圧方向と直交する方向(X−Y方向)に広がるこ
とで断面積を減少させるが、加圧と同時に押出方向(X
方向)に張力をかけることにより、Y方向への分子配向
を抑制し、X方向への分子配向を優先させることができ
る。
【0021】上記Y方向の寸法変化率が−50%未満で
あると、圧延よりも引っ張りが優先して起こるために、
ポリエステル系樹脂の分子配向が不十分となる。また、
変化が50%を超えるとY方向へ配向する分子が増え、
X方向の強度向上が不十分となる。
【0022】本発明において、圧延の際、ポリエステル
系樹脂の分子配向が起こりやすいよう、ポリエステル系
樹脂の結晶化が抑えられていることが好ましい。結晶化
の抑制は、溶融状態のポリエステルを速やかに結晶化温
度以下に冷却することにより達成される。
【0023】本発明において、圧延は、上記ポリエステ
ル系樹脂のガラス転移温度以上、低温結晶化温度以下の
温度で行われる。圧延温度がガラス転移温度以下だと分
子は配向を変えることができず破断しやすく、低温結晶
化温度を超えると分子は自由に運動できるために引き揃
える効果が弱くなる。
【0024】ガラス転移温度とはガラス質の硬直状態で
存在する重合体のミクロブラウン運動が始まる温度であ
り、ガラス転移温度を超えると分子鎖の炭素−炭素結合
間での回転運動が可能となる。低温結晶化温度とは、非
結晶状態の重合体を昇温し、その無秩序長鎖が結晶配列
を形成する温度である。融点とは結晶状態の重合体が結
晶相をとれなくなる温度である。
【0025】ガラス転移温度、低温結晶化温度、及び、
融点は、JIS K7121に準拠して、示差熱分析
(DTA)等により測定できる。例として非晶形のポリ
エチレンテレフタレートを示差熱分析(昇温)すると、
吸熱、発熱、吸熱の3つのピークを示す。この3つのピ
ークが低温側からそれぞれ、ガラス転移温度(吸熱)、
低温結晶化温度(発熱)、融点(吸熱)となる。
【0026】圧延される樹脂混合物の形態は特には限定
されないが、ストランド状、もしくはシート状とするこ
とにより、圧延が容易となり、かつ連続的に圧延を行う
ことが可能となる。
【0027】本発明において、請求項7に記載されてい
るように、上記圧延された樹脂混合物を、さらに上記ポ
リエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温度で加熱
処理した後、上記ポリエステル系樹脂の融点以下の温度
で賦形するのが好ましい。
【0028】分子配向が引き揃えられたポリエステル系
樹脂を低温結晶化温度〜融点の温度で加熱処理すること
によりポリエステル系樹脂の結晶化が進み、分子の配向
が更に高まると共に安定化し、強度が向上する。
【0029】上記加熱処理する温度は、低温結晶化温度
未満であるとポリエステル系樹脂の結晶化が進まず、融
点を超えると分子配向が乱れる。
【0030】加熱処理を行う際には、張力をかけずに加
熱処理すると、結晶化時に分子の配向が乱れて収縮し、
強度の向上が不十分となるため、延伸方向に張力をかけ
て収縮を抑制した状態で加熱処理を行うことが望まし
い。
【0031】次いで、延伸された樹脂混合物を、上記ポ
リエステル系樹脂の融点以下の温度で、所望の形状に賦
形する。このようにすることにより、得られる成形体は
一方向に配向した分子構造を持つポリエステル系樹脂で
補強された熱可塑性樹脂成形体となる。
【0032】圧延された樹脂混合物を賦形する際には、
請求項8に記載されているように、上記圧延された樹脂
混合物を加熱処理した後、無機質充填材を添加して賦形
するのが好ましい。上記無機質充填材は、引張弾性率の
向上、熱伸縮率の抑制、熱変形温度の向上のために添加
されるもので、一般に、熱可塑性樹脂に対して相溶性が
ない充填材を添加させると、得られる成形体の耐衝撃性
能は低下するが、本発明においては、分子配向したポリ
エステル系樹脂により、衝撃性能低下を抑制することが
できる。
【0033】無機質充填材の添加は、圧延による無機質
充填材の破壊を防ぐために、樹脂混合物の圧延及び必要
に応じて加熱処理を行った後に行うことが好ましい。
【0034】上記無機質充填材としては特に限定される
ものではなく、目的に応じ適宜選択され、例えば、タル
ク、マイカ、グラファイト、層状珪酸塩、水酸化アルミ
ニウム、ガラスフレーク、セリサイト、金属箔等の板状
充填材;炭酸カルシウム、シリカ等の粒状充填材;チタ
ン酸カリウム、ワラストナイト、酸化マグネシウム等の
針状充填材;炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミ
ナ繊維等の強化繊維などがあげられる。上記無機質充填
材の量は、少なすぎると引張弾性率の向上等の効果が小
さく、多すぎると、組成物の流動性を阻害し、成形性が
悪くなるとともに、得られる成形体の表面平滑性も低下
するので、熱可塑性樹脂100重量部に対して、板状充
填材、粒状充填材、及び針状充填材の場合1〜100重
量部、強化繊維の場合1〜40重量部が好ましい。
【0035】
【実施例】本発明を、実施例に基づきさらに詳しく説明
する。
【0036】(実施例1)アクリル変性ポリスチレン
(A&Mスチレン社製、品番「SX200」、ビカット
軟化点100℃)100重量部、及び、ポリエチレンテ
レフタレート(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナイ
トPA−500」、ガラス転移温度80℃、低温結晶化
温度130℃、融点255℃)150重量部からなる樹
脂混合物を混練押出機(プラスチック工学研究所製、型
式「UT−25」)を経て、樹脂通路直径4mmの金型
に供給し、ストランド状に押し出した。成形条件は、押
出機のバレル温度:200〜260℃、金型温度:26
5℃とした。
【0037】押し出されたストランドを、氷水を満たし
た冷却水槽を通過させて、直径2.5mm、樹脂温度1
5℃とした後、雰囲気温度を95℃に設定した圧延槽に
導いて加熱し、隙間0.5mmに調整された100℃の
圧延ロール間を通過させて圧延した。このとき、圧延ロ
ールの回転速度を2.0m/minとした。次いで、圧
延されたストランドを、回転速度6.0m/minの引
き取りロールで引き取り、幅2.5mm、厚み0.5m
mのストランドとした。続けて雰囲気温度を200℃に
設定した加熱結晶化槽にストランドを導き、約60秒間
の加熱を行ってストランド中のポリエチレンテレフタレ
ートを結晶化させるとともに、回転速度6.6m/mi
nの引き取りロールでストランドに張力をかけた状態で
引き取り、ストランド状成形体を得た。。
【0038】(実施例2)実施例1と同様にして得られ
たストランド状成形体を長さ6mm毎に切断してペレッ
ト状とし、200℃に加熱した混練ロールに、該ペレッ
ト状成形体100重量部、アクリル変性ポリスチレン
(A&Mスチレン社製、品番「SX200」、ビカット
軟化点100℃)155部、及びタルク(勝光山工業所
製、商品名「ビクトリライトSK2BB」)45重量部
を供給して混練し、ポリスチレン65重量%、ポリエチ
レンテレフタレート20重量%、タルク15重量%から
なる混練物を得、次いで、190℃で押圧成形し、厚み
2mmの板状成形体を得た。
【0039】(実施例3)上記ペレット状成形体100
重量部、ポリスチレン(A&Mスチレン社製、品番「H
8672」、熱変形温度75℃)170重量部、及び、
ガラス繊維チョップ(日東紡社製、品番「CS3PE9
56」、繊維長4mm)30重量部を混練してポリスチ
レン70重量%、ポリエチレンテレフタレート20重量
%、ガラス繊維10重量%からなる混練物としたこと以
外は実施例2と同様にして板状成形体を得た。
【0040】(実施例4)ガラス繊維チョップに代え
て、炭素繊維チョップ(東邦レーヨン社製、商品名「ベ
スファイトHTAC6SR」、繊維長6mm)を用いた
こと以外は実施例3と同様にして板状成形体を得た。
【0041】(実施例5)ガラス繊維チョップに代え
て、ジアステアリルジメチルアンモニウムクロライド変
成膨潤性マイカ(コープケミカル社製、品番「MAE1
00」)を用いたこと以外は実施例3と同様にして板状
成形体を得た。
【0042】(実施例6)ガラス繊維チョップに代え
て、カーボングラファイト(日本黒鉛社製、品番「CP
−B」)を用いたこと以外は実施例3と同様にして板状
成形体を得た。
【0043】(実施例7)アクリル変性ポリスチレン
(A&Mスチレン社製、品番「SX200」、ビカット
軟化点100℃)100重量部とポリエチレンテレフタ
レート(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナイトPA
−500」、ガラス転移温度80℃、低温結晶化温度1
30℃、融点255℃)150重量部とからなる樹脂混
合物とタルク(勝光山工業所製、商品名「ビクトリライ
トSK2BB」)112.5重量部とを混練押出機(プ
ラスチック工学研究所製、型式「UT−25」)に供給
したこと以外は実施例1と同様にして混練物のストラン
ド状成形体を得た。
【0044】(実施例8)実施例7と同様にして得られ
たストランド状成形体を長さ6mm毎に切断してペレッ
ト状とし、200℃に加熱した混練ロールに、該ペレッ
ト状成形体100重量部、アクリル変性ポリスチレン
(A&Mスチレン社製、品番「SX200」、ビカット
軟化点100℃)107部を供給して混練し、ポリスチ
レン65重量%、ポリエチレンテレフタレート20重量
%、タルク15重量%からなる混練物を得、次いで、1
90℃で押圧成形し、厚み2mmの板状成形体を得た。
【0045】(実施例9)アクリル変性ポリスチレンに
代えて耐衝撃ポリスチレン(A&Mスチレン社製、品番
「H8672」、加重たわみ温度75℃)を用いたこと
以外は実施例1と同様にして混練物のストランド状成形
体を得た。
【0046】(実施例10)ストランド状成形体とし
て、実施例9と同様にして得られたものを用い、アクリ
ル変性ポリスチレンに代えて耐衝撃ポリスチレン(A&
Mスチレン社製、品番「H8672」、加重たわみ温度
75℃)を用いたこと以外は実施例2と同様にして板状
成形体を得た。
【0047】(実施例11)アクリル変性ポリスチレン
に代えてポリプロピレン(モンテル・エスディーケイ・
サンライズ社製、商品名「サンアロマーPB170
A」、融点170℃)を用いたこと以外は実施例1と同
様にして混練物のストランド状成形体を得た。
【0048】(実施例12)アクリル変性ポリスチレン
に代えてポリエチレン(日本ポリオレフィン社製、商品
名「ジェイレクスKE051Z、」、融点130℃)を
用いたこと以外は実施例1と同様にして混練物のストラ
ンド状成形体を得た。
【0049】(実施例13)アクリル変性ポリスチレン
に代えてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体(テクノポリマー社製、商品名「テクノABS17
0」、加重たわみ温度90℃)を用いたこと以外は実施
例1と同様にして混練物のストランド状成形体を得た。
【0050】(実施例14)アクリル変性ポリスチレン
に代えてポリメチルメタクリレート(アトフィナ・ジャ
パン社製、商品名「オログラスHFI−10」、加重た
わみ温度80℃)を用いたこと以外は実施例1と同様に
して混練物のストランド状成形体を得た。
【0051】(比較例1)圧延、及び、加熱槽による加
熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして
ストランド状成形体を得た。
【0052】(比較例2)ストランド状成形体として、
比較例1と同様にして得られたものを用いたこと以外は
実施例2と同様にして板状成形体を得た。
【0053】(比較例3)圧延ロールに代えて繰り出し
ロール(回転速度2.0mm/min)を用い、たこと
以外は実施例7と同様にして、ストランド状成形体を作
製したが、ストランドが破断して、連続してストランド
状成形体を得ることができなかった。
【0054】・物性評価 (ストランド状成形体の引張弾性率)実施例1、7、
9、11〜14、比較例1で得られたストランド状成形
体を材料試験機(オリエンテック社製、商品名「テンシ
ロンUCT−5T」)を用い、JIS K 7113に
準拠して引張弾性率を測定し、表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】(板状成形体の衝撃強度)実施例2〜6、
8、10比較例2で得られた板状成形体をアイゾット衝
撃試験機(東洋精機製作所製)を用い、衝撃強度を測定
し、表2に示した。
【0057】(板状成形体の融着強度)実施例2、10
で得られた板状成形体と厚み0.1mmのアクリロニト
リル−エチレン−スチレン共重合体シート(テクノポリ
マー社製、商品名「テクノAES W220」)とを積
層し、加熱プレス(加熱温度200℃、加圧50kP
a)により融着させ、融着強度を碁盤目剥離試験により
測定し、100箇所中、剥離した箇所の数を表2に示し
た。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法
は、該熱可塑性樹脂の成形可能温度より高い融点を有す
る熱可塑性ポリエステル系樹脂との樹脂混合物を、該ポ
リエステル系樹脂の融点以上の温度で溶融押出した後、
溶融押出された樹脂混合物を、上記ポリエステル系樹脂
のガラス転移温度以上、低温結晶化温度以下の温度で押
出方向と略直交する方向に圧力を加えることにより、圧
延するものであるから、溶融状態で液晶構造を取らない
汎用樹脂であるポリエステル系樹脂を、高度に分子配向
した状態で熱可塑性樹脂に分散させることにより、引張
弾性率、衝撃強度等、機械的物性に優れた成形材料を得
ることができる。
【0060】さらに、本発明において、請求項2に記載
されているように、上記熱可塑性樹脂がビニル芳香族系
炭化水素重合体を主成分とすると、成形体表面にアクリ
ル系樹脂やスチレン系共重合樹脂等の融着被覆が可能と
なり、屋外使用時等の耐候性が向上する。
【0061】さらに、本発明において、請求項3に記載
されているように、上記ポリエステル系樹脂がポリエチ
レンテレフタレートであると、熱可塑性樹脂として、様
々な汎用樹脂と組み合わせて用いることが容易であり、
さらに、ポリエチレンテレフタレート製ボトル(所謂
「ペットボトル」)等の回収樹脂を利用することによ
り、環境負荷を低減することができる。
【0062】さらに、本発明において、請求項4に記載
されているように、上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度
が上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度以下である
と、延伸時に熱可塑性樹脂が起点となって破断する蓋然
性が低下し、延伸が容易になる。
【0063】さらに、本発明において、請求項5に記載
されているように、圧延前に対する圧延後の樹脂混合物
の断面積を、50%以下とすると、ポリエステル系樹脂
が強度に分子配向し、充分な補強効果が得られる。
【0064】さらに、本発明において、請求項6に記載
されているように、圧延の際に、圧力を加える方向及び
押出方向と直交する方向の寸法変化率を、±50%以下
とすると、押出方向の強度向上が十分となる。
【0065】さらに、本発明において、請求項7に記載
されているように、上記圧延された樹脂混合物を、さら
に上記ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温
度で加熱処理した後、上記ポリエステル系樹脂の融点以
下の温度で賦形することにより、ポリエステル系樹脂の
結晶化が進み、分子の配向が更に高まると共に安定化
し、強度が向上する。
【0066】さらに、本発明において、請求項8に記載
されているように、圧延された樹脂混合物を加熱処理し
た後、無機質充填材を添加して賦形することにより、引
張弾性率の向上、熱伸縮率の抑制、熱変形温度の向上を
図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 101/00 101/00 // B29K 25:00 B29K 25:00 67:00 67:00 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA22 AA45 AA46 AA84 AA86 BB03 BB06 BC01 BC06 4F201 AA03 AA24K AR06 BA02 BC01 BC03 BC12 BC15 BC37 BD05 BL13 BL44 4F207 AA13D AA24 AB16 AR12 KA01 KA17 KK52 KL76 KM06 KM16 KW41 4F210 AA24 AB16 AG14 QA04 QG18 QM02 QN01 QW21 4J002 BB03W BB12W BC03W BE06W BG06W BN15W CF05X CF06X CF07X CF08X CH07W CL01W

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂の成形可
    能温度より高い融点を有する熱可塑性ポリエステル系樹
    脂との樹脂混合物を、該ポリエステル系樹脂の融点以上
    の温度で溶融押出した後、溶融押出された樹脂混合物
    を、上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上、低
    温結晶化温度以下の温度で押出方向と略直交する方向に
    圧力を加えることにより、圧延することを特徴とする熱
    可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】上記熱可塑性樹脂が、ビニル芳香族系炭化
    水素重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1記
    載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】上記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテ
    レフタレートであることを特徴とする請求項1又は2記
    載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記
    ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度以下であることを
    特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の熱可塑性樹
    脂成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】圧延前に対する圧延後の樹脂混合物の断面
    積を、50%以下とすることを特徴とする請求項1乃至
    4何れか1項記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】圧延の際に、圧力を加える方向及び押出方
    向と直交する方向の寸法変化率を、±50%以下とする
    ことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の熱可
    塑性樹脂成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】上記圧延された樹脂混合物を、さらに上記
    ポリエステル系樹脂の低温結晶化温度〜融点の温度で加
    熱処理した後、上記ポリエステル系樹脂の融点以下の温
    度で賦形することを特徴とする請求項1乃至6何れか1
    項記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】上記延伸された樹脂混合物を加熱処理した
    後、無機質充填材を添加して賦形することを特徴とする
    請求項7記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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