JP3740077B2 - プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙を搬送して、その用紙に印字するプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のプリンタの従来の一例を図9に示す。プリンタ100の本体ハウジング101には、用紙Aであるロール紙を収納保持する用紙保持部102、駆動ローラ103とピンチローラ104とを有し用紙Aを搬送する搬送部105、プラテン106と印字ヘッド107とを有し用紙Aに印字する印字部108、印字部108にインクリボンBを供給するインクリボン供給部109などが設けられている。そして、本体ハウジング2には、用紙保持部102から搬送部105及び印字部108を経由して排出口110へ到る用紙経路111が設けられている。
【0003】
このような構造のものは、搬送部105によって用紙Aを引き出して搬送し、その搬送過程で印字部108によって用紙Aに印字を行なう。
【0004】
ここで、印字ヘッド107は、保持部材112に保持されて、この保持部材112とともにヘッドブロック113を構成している。ピンチローラ104は、保持部材114に保持されて、この保持部材114とともにピンチローラブロック115を構成している。これらのヘッドブロック113とピンチローラブロック115とは、用紙経路111の一側方において本体ハウジング101に対して片持ち構造で保持されている。そして、ヘッドブロック113とピンチローラブロック115との自由端側の用紙経路111の他側方が開放されている。これにより、用紙Aの用紙経路111へのセット作業の容易化が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、印字ヘッド107を保持しているヘッドブロック113が本体ハウジング101に対して片持ち構造で保持されているので、ヘッドブロック113が不安定であり、印字の際にヘッドブロック113がふらついてしまい、印字不良が発生するという問題がある。そこで、従来、ヘッドブロック113の自由端を着脱自在な保持部材(図示せず)によって本体ハウジング101に対して固定するということが行なわれている。しかし、この場合、ピンチローラブロック115は、片持ち構造であるので、ピンチローラブロック115は不安定であり、用紙搬送の際にピンチローラブロック115がふらついてしまい、用紙Aを斜行させてしまうという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、用紙の斜行を防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリンタは、本体ハウジングに設けられた用紙経路と、前記本体ハウジングに設けられて回転駆動される駆動ローラと、前記本体ハウジングに設けられたプラテンと、前記駆動ローラに前記用紙経路を介して当接し前記駆動ローラとにより用紙(例えばロール紙)を挟んで前記用紙を搬送するピンチローラを有して、前記用紙経路の一側方において前記本体ハウジングに対して片持ち構造で保持され、片持ち構造側を支点として前記駆動ローラに対する接離方向に回動自在である第一のブロック(例えばピンチローラブロック)と、前記プラテンに対して前記用紙経路を介して上方から当接し前記用紙に印字する印字ヘッドを有して、前記用紙経路の一側方において前記本体ハウジングに対して片持ち構造で保持され、片持ち構造側を支点として前記プラテンに対する接離方向に回動自在である第二のブロック(例えばヘッドブロック)と、前記用紙経路の一側方において前記第二のブロックの上方に位置させて前記本体ハウジングに対して片持ち構造で保持され、前記印字ヘッドと前記プラテンとの間にインクリボンを供給する第三のブロックと、前記第一、第二及び第三のブロックの自由端を前記本体ハウジングに結合させる単一の部材である結合部材と、前記第一、第二及び第三のブロックが前記本体ハウジングに対して位置決めされるように前記結合部材を位置決めする位置決め部材と、前記第一、第二及び第三のブロックの自由端と前記本体ハウジングとを結合させるように前記結合部材を前記第一、第二及び第三のブロックと前記本体ハウジングとに取り外し自在に取り付ける取付部材と、を具備し、前記第一、第二及び第三のブロックの自由端を前記本体ハウジングに対して固定及び固定解除する保持手段と、前記第二のブロックに設けられ、前記保持手段が前記第二のブロックの自由端を前記本体ハウジングに固定した状態で、前記印字ヘッドをヘッドアップ位置に移動させるヘッドアップ機構と、を具備し、前記保持手段が前記第一、第二及び第三のブロックの自由端を前記本体ハウジングに対して固定することにより前記第一、第二及び第三のブロックが前記本体ハウジングに対して位置決めされ、前記保持手段が前記第一、第二及び第三のブロックの自由端の前記本体ハウジングに対する固定を解除することにより前記第一、第二及び第三のブロックの自由端側の前記用紙経路の他側方が開放される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図8に基づいて説明する。本実施の形態は、用紙の位置決め基準を用紙搬送方向に直交する用紙幅方向の中心とするいわゆるセンタ基準のサーマルプリンタへの適用例であり、用紙としてロール紙が適用される。
【0009】
図1は、プリンタの外観を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、このプリンタ1の本体ハウジング2の前面には、印字された後の用紙A(図4参照)が排出される排出口3が形成されている。本体ハウジング2の左側には、各種操作キー4や表示部5などを前面に備え本体ハウジング2の一部を構成する制御ボックス6が設けられている。この制御ボックス6の内部には、プリンタ1が備える各部を駆動制御する図示しない制御部が設けられている。本体ハウジング2の右側には、本体ハウジング2の内部を開放及び閉塞するカバー7が設けられている。このカバー7は、本体ハウジング2の上面の制御ボックス6側に設けられたヒンジ8を中心として上方向へ回動自在に設けられている。
【0010】
図2はカバー7が開けられた状態であって、用紙経路が開放された状態のプリンタ1を概略的に示す斜視図、図3は片持ちユニットが開放位置にある状態を示す斜視図、図4はプリンタ1の内部構造を概略的に示す縦断側面図、図5は保持側板に固定された状態の片持ちユニットを示す斜視図である。なお、図2及び図3は一部の部材を省略して示し、図4は用紙A及びインクリボンBがセットされた状態を示している。
【0011】
図2ないし図5に示すように、プリンタ1の本体ハウジング2の内部には、用紙Aであるロール紙を収納保持する用紙保持部9、駆動ローラ10と第一のブロックとしてのピンチローラブロック11とを有し用紙Aを搬送する搬送部12、プラテン13と第二のブロックとしてのヘッドブロック14とを有し用紙Aに印字する印字部15、印字部15にインクリボンBを供給する第三のブロックとしてのインクリボン供給部16、用紙Aを検出するセンサ17、用紙Aを案内する用紙ガイド部18などが設けられている。そして、本体ハウジング2の内部には、用紙保持部9から用紙ガイド部18、搬送部12、センサ17及び印字部15を経由して排出口3へ到る用紙経路19が設けられている。
【0012】
ピンチローラブロック11及びヘッドブロック14は、用紙搬送方向の一側方に配置された板金フレーム20に取り付けられて一体化され、本体ハウジング2に対して回動自在な片持ちユニット21を構成している。ここで、ピンチローラブロック11とヘッドブロック14とは、それぞれの一端が板金フレーム20に固定されている。即ち、ピンチローラブロック11とヘッドブロック14とは、片持ち構造で板金フレーム20に保持されている。
【0013】
この片持ちユニット21は、印字動作可能な動作位置と、ピンチローラブロック11及びヘッドブロック14が駆動ローラ10及びプラテン13から離反して用紙経路19を開放する開放位置との間で回動自在とされている。なお、片持ちユニット21の自由端は、動作位置において、結合部材としての保持側板22によって本体ハウジング2に固定及び固定解除される。
【0014】
ここで、片持ちユニット21の取り付け構造について説明する。図6は片持ちユニット21の取り付け構造を示す平面図、図7は片持ちユニット21の取り付け構造を示し、(a)は片持ちユニット21が動作位置にある状態を示す正面図、(b)は片持ちユニット21が開放位置にある状態を示す正面図である。
【0015】
図6及び図7に示すように、板金フレーム20には、制御ボックス6側の一面から制御ボックス6の側板23を貫通し制御ボックス6の内部に延びて用紙搬送方向において間隔を開けて対向する一対のアーム24,25が形成されている。これらのアーム24,25が用紙経路19の一側方であって制御ボックス6の内部に設けられた支軸26によって回動自在に保持されている。この支軸26の軸方向は、用紙搬送方向と同じとされている。そして、片持ちユニット21は、支軸26を支点として回動する。
【0016】
片持ちユニット21は、引っ張りバネとして機能するコイルバネ27a,27bによって動作位置から開放位置へ回動するように上方向へ引っ張られている。これらのコイルバネ27a,27bは、それぞれアーム24,25と本体ハウジング2の上部とに支持されている。片持ちユニット21は、動作位置に位置しているときには、固定部材(図示せず)によってコイルバネ27a,27bの引っ張り力に抗して位置固定されている。固定部材は、片持ちユニット21及び本体ハウジング2にそれぞれ設けられた一対の磁石により構成され、それらの磁力により片持ちユニット21を動作位置で位置固定する。
【0017】
このようなプリンタ1の本体ハウジング2の内部に設けられている各部について、以下に詳しく説明する。
【0018】
まず印字部15を説明する。図2ないし図4に示すように、印字部15を構成するヘッドブロック14は、印字ヘッドとしてのサーマルヘッド28、ヘッド圧力調節機構29、及び、これらのサーマルヘッド28とヘッド圧力調節機構29とを保持するヘッドブロックカバー30により構成されている。ヘッドブロックカバー30は、板金フレーム20に所定の間隔を開けて対向する補助側板31を有し板金フレーム20に固定されている。サーマルヘッド28は、プラテン13に対して用紙経路19を介して接離自在となるように板金フレーム20とヘッドブロックカバー30の補助側板31とにより保持されている。ここで、サーマルヘッド28は、片持ちユニット21が動作位置にある状態でプラテン13に当接する。ヘッド圧力調節機構29は、サーマルヘッド28を押圧することによりサーマルヘッド28のプラテン13に当接する圧力を調節する。そして、印字部15では、ヘッド圧力調節機構29により押圧されたサーマルヘッド28と用紙Aとの間にインクリボンB(図4参照)が介在され、サーマルヘッドの発熱体が発熱することにより印字が行なわれる。
【0019】
加えて、ヘッドブロック14には、特に図示しないが、ヘッドアップ機構が設けられている。ヘッドアップ機構は、印字動作においてサーマルヘッド28による印字はされずに用紙Aが搬送される際に、ヘッドを用紙Aから離反させたヘッドアップ位置に移動させる。
【0020】
プラテン13は、図2に示すように、制御ボックス6の側板23と、この側板23に対向するように本体ハウジング2の底板に立設され本体ハウジング2の一部を構成する側板32とにより回転自在に保持されている。プラテン13は、制御ボックス6の内部に設けられた図示しないモータにより回転駆動される。そして、プラテン13が回転駆動されることにより、サーマルヘッド28とプラテン13との間に挟まれた用紙Aが用紙経路19に沿って搬送される。即ち、プラテン13は、用紙Aを搬送する搬送部としても機能する。
【0021】
次に、搬送部12について説明する。図2ないし図4に示すように、搬送部12を構成するピンチローラブロック11は、ピンチローラ体33と、このピンチローラ体33を保持するローラブロックカバー34とにより構成されている。ローラブロックカバー34は、板金フレーム20に所定の間隔を開けて対向する補助側板35を有し板金フレーム20に固定されている。ピンチローラ体33は、用紙経路19を介して駆動ローラ10に対向配置され、板金フレーム20とローラブロックカバー34の補助側板35とにより駆動ローラ10に対して接離自在になるように保持されている。
【0022】
ピンチローラ体33は、ピンチローラブロック11に設けられた付勢手段(図示せず)により駆動ローラ10に当接するように付勢されている。ここで、ピンチローラ体33は、片持ちユニット21が動作位置にある状態で駆動ローラ10に当接する。このピンチローラ体33は、駆動ローラ10に対して用紙搬送方向の上流側及び下流側に所定の間隔で配置された2つのピンチローラ36a,36bと、これらのピンチローラ36a,36b間に掛け渡されたエンドレスベルトであるゴムベルト37とから構成されておりピンチローラとして機能する。
【0023】
駆動ローラ10は、側板23,32により回転自在に保持されている。駆動ローラ10は、制御ボックス6の内部に設けられた図示しないモータにより回転駆動される。そして、駆動ローラ10が回転駆動されることにより、駆動ローラ10とピンチローラ体33との間に挟まれている用紙Aが用紙経路19に沿って搬送される。
【0024】
次に、インクリボン供給部16は、図2及び図4に示すように、未使用のインクリボンBを保持し印字部15へ供給するリボン供給軸38と、使用済のインクリボンBを巻き取るリボン巻取軸39とから構成されている。リボン供給軸38及びリボン巻取軸39は、用紙経路19の一側方において制御ボックス6の側板23に片持ち構造で回転自在に保持されており、制御ボックス6の内部に設けられた図示しないモータにより回転駆動される。リボン供給軸38に保持され印字部15へ供給されるインクリボンBは、サーマルヘッド28とプラテン13との間を経由してリボン巻取軸39に巻き取られる。
【0025】
次に、保持側板22を図5及び図8に基づいて説明する。ここで、図8は、片持ちユニット21から取り外された状態の保持側板22を示す斜視図である。
【0026】
図5及び図8に示すように、保持側板22は、片持ちユニット21を側板32に固定する固定位置(図5)と、片持ちユニット21の側板32への固定を解除する固定解除位置(図8)との間で側板32に対して回動自在に取り付けられている。つまり、保持側板22は、側板32における制御ボックス6側とは反対側の面に設けられたヒンジ40を中心として用紙経路19の他側方に対する接離方向に回動自在に設けられている。また、保持側板22は、ヒンジ40によって用紙幅方向に移動自在とされている。具体的には、保持側板22側に設けられたヒンジ部材に形成された係合孔40aが、側板32側に設けられたヒンジ部材の支軸40bに用紙幅方向に移動自在に係合している。
【0027】
保持側板22には、側板32用の基準ピン41,42、ヘッドブロック14用の基準ピン43,44、ピンチローラブロック11用の基準ピン45,46、リボン供給軸38用の基準孔47、及び、リボン巻取軸39用の基準孔48が形成されている。
【0028】
側板32用の基準ピン41,42は、側板32に形成された基準孔49,50に嵌合する。ヘッドブロック14用の基準ピン43,44は、ヘッドブロックカバー30の補助側板31に形成された基準孔51,52に嵌合する。ピンチローラブロック11用の基準ピン45,46は、ローラブロックカバー34の補助側板35に形成された基準孔53,54に嵌合する。リボン供給軸38用の基準孔47は、リボン供給軸38の自由端側の端面にリボン供給軸38に対して回転自在に設けられた基準ピン55に嵌合する。リボン巻取軸39用の基準孔48は、リボン巻取軸39の自由端側の端面にリボン巻取軸39に対して回転自在に設けられた基準ピン56に嵌合する。
【0029】
上述した基準ピン41〜46,55,56は、基準孔49〜54,47,48に対して着脱自在とされている。ここで、基準ピン41〜46,55,56は、凸部として機能し、基準孔47〜54は、凹部として機能する。
【0030】
基準ピン41〜46,55,56と、基準孔49〜54,47,48とが嵌合している状態においては、ピンチローラブロック11、ヘッドブロック14、リボン供給軸38及びリボン巻取軸39は、本体ハウジング2の側板32に対して位置決めされる。ここに、基準ピン41〜46,55,56と、基準孔47〜54とが位置決め部材として機能する。
【0031】
ここで、上述した保持側板22、基準ピン41〜46,55,56、及び、基準孔47〜54により保持手段57が構成されている。
【0032】
次に、用紙保持部9について説明する。図2及び図4に示すように、用紙保持部9には、用紙Aを保持する用紙保持軸58と、用紙保持軸58によって保持される用紙Aの幅方向の移動を規制する一対のサイドフェンス59a,59bとが設けられている。
【0033】
加えて、本体ハウジング2の内部のプラテン13よりも用紙搬送方向下流側には、図4に示すように、用紙Aとして台紙上にラベルが所定間隔で貼り付けられたラベル用紙が使用される際にラベルを台紙から剥離させるための剥離板60が設けられている。特に図示しないが、ラベル用紙が剥離された後の台紙は、本体ハウジング2の下側に設けられた台紙巻き取り部に巻き取られる。
【0034】
このような構成において、用紙経路19への用紙Aのセットにおいては、まず、保持側板22を固定解除位置に回動させて、片持ちユニット21の側板32に対する固定を解除し、用紙経路19の他側方を開放する。次に、片持ちユニット21を開放位置へ回動させて、用紙経路19を開放する。そして、用紙保持部9に保持されている用紙Aを駆動ローラ10及びプラテン13に沿わせるようにして引き出す。次に、片持ちユニット21を開放位置から印字可能位置へ回動させる。用紙Aが用紙経路19にセットされる。次に、保持側板22を固定位置に回動させて、片持ちユニット21を側板32に固定する。これにより、ピンチローラブロック11、ヘッドブロック14及びインクリボン供給部16の自由端が本体ハウジング2に対して位置決めされた状態で固定され、用紙Aに対して印字が可能な状態となる。
【0035】
印字動作においては、上述のように用紙A及びインクリボンBを用紙経路19及び印字部15にセットした状態で、駆動ローラ10及びプラテン13を回転駆動させることにより、用紙Aを用紙経路19に沿って搬送し、その搬送の過程において、リボン供給軸38及びリボン巻取軸39を回転駆動させてリボンを印字部15に供給し、サーマルヘッド28の所定の発熱体を発熱させてインクリボンBに塗布されたインクを溶融させることによって印字が行なわれる。このとき、センサ17によって、用紙経路19に印字すべき用紙Aがあるか否かが検出される。また、用紙がラベル用紙の場合には、センサ17は、ラベルを検出したり用紙Aの裏面に所定間隔で印刷されたブラックマークを検出する。
【0036】
このように、本実施の形態では、ピンチローラブロック11の自由端が、本体ハウジング2に対して位置決めされた状態で固定されるので、ピンチローラブロック11の位置決め精度の向上及び取り付け剛性の向上が図られている。これにより、用紙を正確に搬送することができ、用紙Aの斜行を防止することができる。
【0037】
また、片持ちユニット21の側板32に対する固定を解除することにより、用紙経路19の他側方が開放されるので、用紙Aの用紙経路19へのセット作業、用紙Aやラベルのジャム処理作業などの各種作業のための作業空間が拡大でき、それらの作業の容易化を図ることができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、保持側板22がヒンジ40によって側板32に回動自在に保持されている例を説明したが、保持側板22としてはこれに限るものではなく、例えば、保持側板22は、側板32に対しても着脱自在であってよい。さらには、保持側板22の機能をカバー7に持たせてもよい。これにより、片持ちユニット21の固定操作及び固定解除操作の容易化を図ることができる。
【0039】
また、本実施の形態では、側板32用の基準ピン41,42、ヘッドブロック14用の基準ピン43,44、ピンチローラブロック11用の基準ピン45,46、リボン供給軸38用の基準孔47、及び、リボン巻取軸39用の基準孔48が保持側板22に形成され、基準孔49,50、基準孔51,52、基準孔53,54、基準ピン55、及び、基準ピン56がそれぞれ側板32、補助側板31、補助側板35、リボン供給軸38、及び、リボン巻取軸39に形成された例を説明したが、これに限るものではなく、これらは、それぞれ逆の関係で各部材に形成されていてもよい。
【0040】
このように本実施の形態においては、印字ヘッドとしてのサーマルヘッド28を有して用紙経路19の一側方において本体ハウジング2に対して片持ち構造で保持されている第二のブロックとしてのヘッドブロック14を具備し、保持手段57は、ヘッドブロック14の自由端を本体ハウジング2に対して固定及び固定解除し、保持手段57がヘッドブロック14の自由端を本体ハウジング2に対して固定することによりヘッドブロック14が本体ハウジング2に対して位置決めされ、保持手段57がヘッドブロック14の自由端の本体ハウジング2に対する固定を解除することによりヘッドブロック14の自由端側の用紙経路19の他側方が開放されることにより、保持手段57によてヘッドブロック14の自由端を本体ハウジング2に対して固定することでヘッドブロック14の位置決め精度の向上及び取り付け剛性の向上がなされ、印字品質を高めることができる。一方、保持手段57によりヘッドブロック14の自由端の本体ハウジング2に対する固定を解除することにより、用紙Aの用紙経路19へのセット作業、用紙Aやラベルのジャム処理作業などの各種作業のための作業空間が拡大でき、それらの作業の容易化を図ることができる。
【0041】
また、本実施の形態においては、用紙経路19の一側方において本体ハウジング2に対して片持ち構造で保持されサーマルヘッド28とプラテン13との間にインクリボンBを供給する第三のブロックとしてのインクリボン供給部16を具備し、保持手段57は、インクリボン供給部の自由端を本体ハウジング2に対して固定及び固定解除し、保持手段57がインクリボン供給部16の自由端を本体ハウジング2に対して固定することによりインクリボン供給部16が本体ハウジング2に対して位置決めされ、保持手段57がインクリボン供給部16の自由端の本体ハウジング2に対する固定を解除することによりインクリボン供給部16の自由端側の用紙経路19の他側方が開放されることにより、保持手段57によりインクリボン供給部16の自由端を本体ハウジング2に対して固定することで、インクリボン供給部16の位置決め精度の向上及び取り付け剛性の向上がなされ、サーマルヘッド28とプラテン13との間に確実にインクリボンBを供給することができる。一方、保持手段57によりインクリボン供給部16の自由端の本体ハウジング2に対する固定を解除することにより、インクリボンBのインクリボン供給部16へのセット作業、用紙Aの用紙経路19へのセット作業、用紙Aやラベルのジャム処理作業などの各種作業のための作業空間を拡大でき、それらの作業の容易化を図ることができる。
【0042】
また、本実施の形態においては、保持手段57は、ピンチローラブロック11、ヘッドブロック14及びインクリボン供給部16の自由端を本体ハウジング2に結合させる結合部材としての保持側板22と、ピンチローラブロック11、ヘッドブロック14及びインクリボン供給部16が本体ハウジング2に対して位置決めされるように保持側板22を位置決めする位置決め部材としての基準ピン41〜46,55,56及び基準孔47〜54と、ピンチローラブロック11、ヘッドブロック14及びインクリボン供給部16の自由端と本体ハウジング2とを結合させるように保持側板22をピンチローラブロック11、ヘッドブロック14、インクリボン供給部16及び本体ハウジング2に取り外し自在に取り付ける取付部材としての基準ピン41〜46,55,56及び基準孔49〜54,47,48と、を具備することにより、簡単な構造で保持手段57を実現させることができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、取付部材は、互いに嵌合及び嵌合解除自在な凹部としての基準孔49〜54,47,48と凸部としての基準ピン41〜46,55,56とを含み、位置決め部材として機能することにより、部品点数を削減することができる。
【0044】
また、本実施の形態においては、保持側板22は、単一の部材であることにより、部品点数を削減することができる。また、保持側板22の着脱操作を簡略化することができる。
【0045】
また、本実施の形態においては、保持側板22は、用紙経路19の他側方に対する接離方向に回動自在となるように本体ハウジング2により保持されていることにより、保持側板22をピンチローラブロック11、ヘッドブロック14、インクリボン供給部16及び本体ハウジング2から取り外した状態において保持側板22を紛失することを防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、ピンチローラブロック11及びヘッドブロック14は、片持ち構造側を支点として駆動ローラ10及びプラテン13に対する接離方向に回動自在であることにより、ピンチローラブロック11及びヘッドブロック14を駆動ローラ10及びプラテンから離反させることができ、用紙Aの用紙経路19へのセット作業、用紙Aやラベルのジャム処理作業などの各種作業のための作業空間をさらに拡大でき、それらの作業のさらなる容易化を図ることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明のプリンタによれば、ピンチローラを有して片持ち構造で保持された第一のブロックの自由端を保持手段により保持することにより、第一のブロックの位置決め精度の向上及び取り付け剛性の向上を図ることができ、これにより、用紙を正確に搬送することができ、用紙の斜行を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のプリンタの外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】カバーが開けられた状態であって、用紙経路が開放された状態のプリンタを概略的に示す斜視図である。
【図3】片持ちユニットが開放位置にある状態を示す斜視図である。
【図4】プリンタの内部構造を概略的に示す縦断側面図である。
【図5】保持側板に固定された状態の片持ちユニットを示す斜視図である。
【図6】片持ちユニットの取り付け構造を示す平面図である。
【図7】片持ちユニットの取り付け構造を示し、(a)は片持ちユニットが動作位置にある状態を示す正面図、(b)は片持ちユニットが開放位置にある状態を示す正面図である。
【図8】片持ちユニットから取り外された状態の保持側板を示す斜視図である。
【図9】従来のプリンタの一例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…プリンタ、2…本体ハウジング、10…駆動ローラ、11…第一のブロック(ピンチローラブロック)、13…プラテン、14…第二のブロック(ヘッドブロック)、16…第三のブロック(インクリボン供給部)、19…用紙経路、22…結合部材(保持側板)、28…印字ヘッド(サーマルヘッド)、33…ピンチローラ(ピンチローラ体)、41〜46,55,56…位置決め部材,取付部材,凸部(基準ピン)、47〜54…位置決め部材,取付部材,凹部(基準孔)、57…保持手段、A…用紙、B…インクリボン
Claims (3)
- 本体ハウジングと、
前記本体ハウジングに設けられた用紙経路と、
前記本体ハウジングに設けられて回転駆動される駆動ローラと、
前記本体ハウジングに設けられたプラテンと、
前記駆動ローラに前記用紙経路を介して当接し前記駆動ローラとにより用紙を挟んで前記用紙を搬送するピンチローラを有して、前記用紙経路の一側方において前記本体ハウジングに対して片持ち構造で保持され、片持ち構造側を支点として前記駆動ローラに対する接離方向に回動自在である第一のブロックと、
前記プラテンに対して前記用紙経路を介して上方から当接し前記用紙に印字する印字ヘッドを有して、前記用紙経路の一側方において前記本体ハウジングに対して片持ち構造で保持され、片持ち構造側を支点として前記プラテンに対する接離方向に回動自在である第二のブロックと、
前記用紙経路の一側方において前記第二のブロックの上方に位置させて前記本体ハウジングに対して片持ち構造で保持され、前記印字ヘッドと前記プラテンとの間にインクリボンを供給する第三のブロックと、
前記第一、第二及び第三のブロックの自由端を前記本体ハウジングに結合させる単一の部材である結合部材と、前記第一、第二及び第三のブロックが前記本体ハウジングに対して位置決めされるように前記結合部材を位置決めする位置決め部材と、前記第一、第二及び第三のブロックの自由端と前記本体ハウジングとを結合させるように前記結合部材を前記第一、第二及び第三のブロックと前記本体ハウジングとに取り外し自在に取り付ける取付部材と、を具備し、前記第一、第二及び第三のブロックの自由端を前記本体ハウジングに対して固定及び固定解除する保持手段と、
前記第二のブロックに設けられ、前記保持手段が前記第二のブロックの自由端を前記本体ハウジングに固定した状態で、前記印字ヘッドをヘッドアップ位置に移動させるヘッドアップ機構と、
を具備し、
前記保持手段が前記第一、第二及び第三のブロックの自由端を前記本体ハウジングに対して固定することにより前記第一、第二及び第三のブロックが前記本体ハウジングに対して位置決めされ、
前記保持手段が前記第一、第二及び第三のブロックの自由端の前記本体ハウジングに対する固定を解除することにより前記第一、第二及び第三のブロックの自由端側の前記用紙経路の他側方が開放される、
プリンタ。 - 前記取付部材は、互いに嵌合及び嵌合解除自在な凹部と凸部とを含み、前記位置決め部材として機能する請求項1記載のプリンタ。
- 前記結合部材は、前記用紙経路の他側方に対する接離方向に回動自在に前記本体ハウジングにより保持されている請求項1又は2記載のプリンタ。
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