JP3731105B2 - モータシステムおよび該モータシステムを備えた空気調和機ならびにモータの起動方法 - Google Patents

モータシステムおよび該モータシステムを備えた空気調和機ならびにモータの起動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータシステムとこのモータシステムを備えた空気調和機ならびにモータの起動方法に関するもので、特に、直流ブラシレスモータ等の多相モータとインバータ等の駆動周波数を変更可能な駆動回路を備えたモータシステムおよびこのモータシステムを備えた空気調和機とこのような多相モータに適したモータの起動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、例えば、特開平7−337080号公報に示された従来の空気調和機に用いられる送風機用ブラシレスモータシステムの全体構成を簡略化して表したブロック図であり、図において、101はパワートランジスタQ1〜Q6およびこのパワートランジスタを駆動するドライブ回路DRから成るモータ駆動回路、102はモータ駆動回路101によって駆動され送風機のファンを回転させる三相DCブラシレスモータ、103は三相DCブラシレスモータ102の各相に発生する逆起電力をフィルタ回路104を通して回転子の磁極位置検出信号として出力する位置検出回路、105は位置検出回路103から出力された磁極位置検出信号に基いて三相DCブラシレスモータ102の回転数を算出するとともに、回転数指令電圧によって設定された回転数と比較し、モータ駆動回路101を制御する制御回路、106は100Vの交流電流を整流し、モータ駆動回路101にモータ駆動用の直流電力を供給する整流回路である。
【0003】
以下、この従来装置の起動時の動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS101では、三相DCブラシレスモータ102の起動指令が発生しているか否かが判定される。ここで、起動指令がない場合はスタート状態に戻り、起動指令が来ている場合にはステップS102に移行して、現在の三相DCブラシレスモータ102の回転方向が判断され、正転方向(N>94rpm)である場合には、ステップS103の加速処理およびステップS104の速度制御に移行する。
【0004】
一方、ステップS102において、正転でないと判定された場合は、ステップS105に移行して逆転(N<−43rpm)であるか否かが判定され、逆転の場合には、ステップS106で位置検出回路103によって推定された回転子の磁極位置に基いてスイッチング素子をON/OFFすることにより減速方向の同期運転を行ない、このブレーキ動作によってステップS107で回転子を停止させる。その後、ステップS108で回転子と回転磁界の位置を同期させながら正転方向に始動し、始動後、ステップS109で同期運転からブラシレス運転に切り換えて、以後ステップS103の加速処理およびステップS104の速度制御に移行する。
【0005】
また、ステップS105において、停止状態(−43rpm<N<94rpm)と判定された場合には、ステップS110で回転子の磁極とコイルの位置決めが行われた後、ステップS108で回転子の回転数と駆動周波数を同期させながら始動し、ステップS109でブラシレス運転に切り換えて、以後ステップS103の加速処理およびステップS104の速度制御に移行する。
【0006】
こうして、この特開平7−337080号公報に開示された従来の空気調和機用モータシステムでは、起動前に、ファン用モータである三相DCブラシレスモータ102の回転方向を検出し、検出された回転方向に基いて起動方法を変更することにより、起動時のトルク変動による脱調や逆回転の防止を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−337080号公報に開示された従来のモータシステムでは、逆回転時のブレーキ動作を回転子の磁極の位置を検出しながら磁極の位置に同期させてスイッチング素子をON/OFFするよう構成されているため、磁極の位置検出精度が要求されるとともに、例えば、外風の変動等によって回転数が変動するような場合には、回転数と同期した周波数で減速ができず、ブレーキ時間(減速時間)が長くなるといった問題点があった。
【0008】
また、逆回転中に直接正転方向に同期始動するよう制御するため、回転子に作用するトルク変化量が大きくなり、同期が不十分な場合には引き込みができずに脱調するといった問題点があった。また、トルク変化が大きいため、始動時の振動や騒音が発生しやすいといった問題点もあった。
【0009】
さらに、この従来装置においては、位置検出回路103がパワートランジスタQ1〜Q6のOFF時すなわち、各相の通電が休止中で、かつモータ環流電流がなくなった状態での三相DCブラシレスモータ102の誘起電圧(逆電圧)ゼロクロスを検出し、回転子の磁極位置情報を出力するよう構成しているため、通電停止期間を大きく設定(通電電気角180度毎に60度の通電休止期間)する必要があり、この結果、各相への印加電圧の変動が大きくなって、相電流の遅れによるトルクリプルが発生し、騒音や振動が発生するとともに、回転角運動量(慣性モーメント)が小さい起動時には、このトルクリプルによって起動が不安定になるといった問題点があった。
【0010】
また、三相DCブラシレスモータ102のインダクタンス成分によって、通電停止後も一定時間環流電流が巻き線内を流れるため、この間、誘起電圧ゼロクロスの検出は不能となる。従って、通電停止後にも長時間環流電流が流れる条件、例えば、大きな相電流が流れる高負荷時後等には、誘起電圧ゼロクロスの検出が不能となり、この結果、三相DCブラシレスモータ102の運転範囲が制約されたり、負荷変動に対する裕度が減少して脱調する等の問題があった。
【0011】
この発明は、従来装置の上記のような問題点を解決するためになされたもので、この発明の第1の目的は、起動時の安定性が高く、脱調等が発生しにくいモータシステムを得ることを目的とする。
【0012】
また、この発明の第2の目的は、起動前のモータの減速動作が安定して行なえるモータシステムを得ることを目的とする。
【0013】
また、この発明の第3の目的は、起動時においても、低振動、低騒音な運転が可能なモータシステムを得ることを目的とする。
【0014】
また、この発明の第4の目的は、起動時の安定性ならびに低振動・低騒音性に優れた空気調和機を得ることを目的とする。
【0015】
また、この発明の第5の目的は、起動時の安定性が高く、脱調等が発生しにくいモータの起動方法を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るモータシステムは、上記の目的を達成するために、多相の交流電流を生成する駆動回路と、前記駆動回路から供給される多相の交流電流によって駆動されるモータと、前記モータの回転数および回転方向を検出する回転情報検出手段と、前記回転情報検出手段から出力される前記モータの回転数および回転方向に基いて前記駆動回路から出力する交流電流の周波数を制御し、前記モータの回転数を制御する制御回路とを備え、前記制御回路が、前記モータの起動時、前記回転情報検出手段から出力される前記モータの回転方向を判別するとともに、前記モータが逆転方向に回転している場合に、前記駆動回路から前記モータに対して逆転周波数の交流電流を供給して引き込みを行い、その後、その周波数を正転方向に変化させることにより前記モータを起動するよう構成したものである。
【0017】
また、この発明に係るモータシステムは、前記制御回路が、起動時に前記駆動回路から出力される交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に応じて変化させるよう構成したものである。
【0018】
また、この発明に係るモータシステムは、起動時に前記駆動回路から出力される交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に対応した電流周波数より逆転方向に大なる周波数に設定したものである。
【0019】
また、この発明に係るモータシステムは、前記回転情報検出手段が、前記モータに流れ込む相電流の位相を検出することにより、前記モータの回転数および回転方向を算出するよう構成したものである。
【0020】
また、この発明に係るモータシステムは、前記回転情報検出手段が、前記モータに流れ込むいずれか二相の相電流の位相に基づいて回転方向を判定するよう構成したものである。
【0021】
また、この発明に係るモータシステムは、前記駆動回路が、直流電源から供給される直流電流を前記モータの各相に対応してON/OFFする複数対のスイッチング手段と、前記スイッチング手段の各々に並列に設けられ、前記スイッチング手段のOFF時に環流電流を流通させる環流ダイオードを備えるとともに、前記回転情報検出手段が、前記スイッチング手段をOFFした時の前記モータの相電圧の極性をサンプリングすることにより、前記モータに流れ込む相電流のゼロクロスを検出し、相電流の位相を検出する電流位相検出部を備えたものである。
【0022】
また、この発明に係るモータシステムは、前記電流位相検出部による相電圧のサンプリング周波数を非可聴周波数領域としたものである。
【0023】
また、この発明に係るモータシステムは、起動前に、前記モータの回転数を減速させるブレーキ手段を備えたものである。
【0024】
また、この発明に係るモータシステムは、前記ブレーキ手段が、前記モータの各相の線間を短絡することにより、短絡電流を発生させ、回転数を減速するよう構成したものである。
【0025】
また、この発明に係るモータシステムは、前記モータの回転方向が正転方向である場合、前記制御回路が前記ブレーキ手段によるブレーキ動作を行なわないよう制御するよう構成したものである。
【0026】
また、この発明に係るモータシステムは、前記モータの回転数が所定の回転数より大きい場合に、前記制御回路が、前記駆動回路により前記モータを駆動しないよう制御するよう構成したものである。
【0027】
また、この発明に係るモータシステムは、前記モータとしてブラシレスモータを、前記駆動回路として電圧型フルブリッジインバータを用いたものである。
【0028】
また、この発明に係る空気調和機は、送風機用モータとして、上記のいずれかに記載のモータシステムを備えたものである。
【0029】
また、この発明に係るモータの起動方法は、多相の交流電流によって駆動されるモータの起動方法であって、前記モータの回転数および回転方向を検出するステップと、前記モータが逆転方向に回転している場合に、前記モータに対して逆転周波数の交流電流を供給することにより引き込みを行うステップと、引き込み完了後、交流電流の周波数を正転方向に変化させるステップと、を含むものである。
【0030】
また、この発明に係るモータの起動方法は、前記モータに対して逆転周波数の交流電流を供給することにより引き込みを行うステップにおいて、前記モータに対して供給する交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に対応した電流周波数より逆転方向に大なる周波数に設定したものである。
【0031】
また、この発明に係るモータの起動方法は、起動前に、前記モータの回転数を減速させるステップを含むものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図1〜図3を用いてこの発明の実施の形態1であるモータシステムの構成および動作について説明する。図1は、この発明の実施の形態1であるモータシステムの全体構成を表すブロック図であり、図1において、1はモータ駆動電圧(Vu、Vv、Vw)を出力することにより三相DCブラシレスモータ(以下、モータと称する)2を駆動する駆動部、3はモータ2の各相の相電流(Iu、Iv、Iw)の位相(PhIu、PhIv、PhIw)を検出する回転情報検出手段である電流位相検出部、4は電流位相検出部3で検出された電流の位相に基いて回転数および回転方向を算出するとともに、PWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)信号(Pu、Pv、Pw、Nu、Nv、Nw)を出力することにより駆動部1を制御する制御部、5は駆動部1を介してモータ2に電力を供給する直流電源である。
【0033】
図2には、図1に示した駆動部1の詳細な回路構成図を示す。図2において、10〜15は直流電源5の正極端子Pおよび負極端子N間に接続されたパワートランジスタやMOS FET等からなるスイッチング素子であり、それぞれ、スイッチング素子10および13はモータ2のU相に、スイッチング素子11および14はモータ2のV相に、また、スイッチング素子12および15はモータ2のW相に対応して設けられている。こうして、この駆動部1は、基本的な構成として、電圧型フルブリッジインバータを構成しており、制御部4から出力されるPWM信号(Pu、Pv、Pw、Nu、Nv、Nw)によって各スイッチング素子10〜15のON/OFF状態を適宜切り替えることにより、各スイッチング素子対の出力端からモータ2の各相にモータ駆動電圧(Vu、Vv、Vw)を出力するよう構成されている。
【0034】
また、この駆動部1の各スイッチング素子10〜15には、それぞれ、並列に環流ダイオード16〜21が備えられており、モータ2の各相に対応する2つのスイッチング素子が同時にOFF状態となった場合に、モータ2のインダクタンス成分によって発生する環流電流をこの環流ダイオード16〜21内を環流することにより、スイッチング素子10〜15を保護し、また、相電圧の大幅な上昇を抑制するよう構成されている。
【0035】
図3には、図1に示した制御部4のブロック構成図を示す。図3において、40は駆動部1や電流位相検出部3と信号の入出力を行なう外部インターフェース(I/O)、41は各信号やデータを処理する演算部、42はデータを記憶するメモリ、43はタイマである。図3に示すように、外部インターフェイス40には、電流位相検出部3からモータ2の各相の相電流(Iu、Iv、Iw)の位相を表す出力信号(PhIu、PhIv、PhIw)が供給されるとともに、駆動部1のスイッチング素子10〜15のそれぞれに対して、PWM信号(Pu、Pv、Pw、Nu、Nv、Nw)が出力されている。また、この制御部4は、外部インターフェイス40を介して、駆動部1および電流位相検出部3の双方に、各相に対応する2つのスイッチング素子を同時にOFF状態とする期間を表す信号Toffを供給する(図1参照)。なお、この実施の形態1では、制御部4をマイクロプロセッサによって実現している。
【0036】
次に、図4〜図6を用いてこのモータシステムの動作について説明する。図4は、この実施の形態1のモータシステムのタイミングチャートであり、Puは、U相を直流電源5の正極端子Pに接続するスイッチング素子10に対して供給されるPWM信号の波形を、また、Toffは、全てのスイッチング素子10〜15に対するオフ指令(負論理)の波形を表す。また、VuおよびIuは、それぞれ、駆動部1からU相に印加されるモータ駆動電圧の波形、および、U相を流れる相電流の波形であり、さらに、PhIuは、この時に電流位相検出部3から出力されるU相の相電流の位相を示す信号波形である。
【0037】
図4に示すように、制御部4から所定の周波数でパルス幅(デューティ比)が時間的に変化するPWM信号(Pu、Pv、Pw、Nu、Nv、Nw)を送出すると、駆動部1ではこの信号に基いてスイッチング素子10〜15がON/OFFされ、直流電圧5の正極電圧および負極電圧を適当な時間比率でモータ2の各相に接続することにより、モータ2の各相には図4中にVuで示されたようなパルス状のモータ駆動電圧が印加される。
【0038】
一方、このパルス状のモータ駆動電圧(Vu、Vv、Vw)はモータ内部のインピーダンス等によって高周波成分が除去されるため、モータ2内の巻き線等の回路には実質的に正弦波状の交流の相電圧と相電流が発生することとなり、制御部4からU相、V相およびW相のスイッチング素子に出力するPWM信号の位相を制御し、各相の正弦波状の相電圧間に120度の位相差が生じるよう設定しておけば、この位相差によって生じる磁界の回転により、モータ2の回転子が回転する。なお、図4中のモータ駆動電圧Vuの波形が一部パルス形状から変形している部分は、後述するオフ指令ToffによってPWM信号のON中にスイッチング素子がOFFされたための効果である。
【0039】
次に、電流位相検出部3の動作について説明する。モータ2の起動時もしくは運転中、モータ2に電流が流れている時に、図4に示すオフ指令Toffによって各相に対応する2つのスイッチング素子が共にOFF状態にされると、それらのスイッチング素子と並列に設けられている環流ダイオードの何れかがON状態となり環流電流が流れる。例えば、モータ2のU相に、駆動部1側からモータ2側へ向かう相電流が流通(以下、この方向を「正方向」と称す)している状況下で2つのスイッチング素子10および13が共にOFF状態とされると、スイッチング素子13と並列に設けられている環流ダイオード19がON状態となって環流電流が流通し、上記の環流電流が流通している間、U相の相電圧は直流電源5の負極電位Nに固定される。
【0040】
また、モータ2のU相に、モータ2側から駆動部1側へ向かう相電流が流通(以下、この方向を「逆方向」と称す)している状況下で2つのスイッチング素子10および13が共にOFF状態とされると、スイッチング素子10と並列に設けられた環流ダイオード16がON状態となって環流電流が流通し、上記の環流電流が流通している間、U相の相電圧は直流電源5の正極電位Pに固定される。
【0041】
例えば、相電流の時間的変化を図4中の Iuのように仮定すると、1番目および2番目のToff時はIuの極性が負であるためこの極性を表す信号PhIu(負論理)はHighとなり、3番目のToff時にIuの極性が正となるためこの時点で信号PhIu(負論理)がLowとなる。こうして、モータ2の運転中にオフ指令Toffによって全スイッチング素子を微少時間OFFするとともに、これと同期して電流位相検出部3が各相の相電圧(極性)を検出することにより、環流電流の方向およびモータ2の各相に流れ込む相電流の流通方向が検出され、従って、所定の時間間隔でオフ指令Toffを送出し、相電流の方向をサンプリングすれば、相電流のゼロクロス点を検出することが可能となる。なお、この実施の形態1では、OFF時間は1μs、オフ指令Toffのサンプリング周波数は非可聴周波数領域である20kHz(サンプリング周期=50μs)に設定されている。
【0042】
以上のように、電流位相検出部3によって保持される相電圧の極性情報は、相電流が正方向に流通している状況下では負となり、相電流の流通方向が逆方向に変化した後、正となる。すなわち、電流位相検出部3が保持する相電圧の極性情報は、相電流の極性に対応した情報であり、また、相電流の位相情報を含むものである。従って、電流位相検出部3から出力された極性情報を処理することにより、各相の相電流の位相情報(PhIu、PhIv、PhIw)、すなわち、モータ2の回転子の回転位置を表す電流位相情報を生成することができ、この情報から回転数等の種々の情報を得ることができる。
【0043】
次に、図5を用いてこのモータシステムの起動時の動作について説明する。図5においてモータ2を起動する旨の指示が出されると、制御部4は、ステップS1で、まず、駆動部1の下側のスイッチング素子13、14、15を全て3秒間ON(閉成)するようPWM信号(Pu、Pv、Pw、Nu、Nv、Nw)を送出する。これにより、モータ2は三相短絡状態となり、回転子が回転中であれば誘起電圧による短絡電流が流れ、制動トルクが発生して、短時間で回転子の回転数が低下する。
【0044】
次に、3秒間経過後、ステップS2に移行し、制御部4が下側のスイッチング素子13、14、15を騒音が発生しない非可聴周波数でON/OFFし、電流位相検出部3がスイッチング素子13、14、15のOFF時の相電圧をサンプリングすることにより、相電流の電流ゼロクロスを検出する。そして、電流位相検出部3から出力された出力信号(PhIu、PhIv、PhIw)が制御部4に入力されると、制御部4では、内蔵されたタイマ43によって電流ゼロクロスの周期および2相間の電流ゼロクロスの位相差が計測され、さらに、電流ゼロクロスの周期から電流周波数(finit)が、また、電流の位相差の関係から回転子の回転方向に対応した電流の回転方向が算出される。
【0045】
続いて、ステップS3では、制御部4の演算部41によりステップS2で得られた電流の位相差から回転方向の正逆が判定され、モータ2が所望の回転方向と逆方向に回転している場合はステップS4に移行して、ステップS2で計測された電流周波数(finit)よりさらに3Hzだけ高い逆転方向に加速する電流周波数(以下、逆転方向に回転する場合の周波数を逆転周波数と呼ぶ)を新しい電流周波数として設定し、この新しい電流周波数でモータ2を駆動するようPWM信号を変更して駆動部1の各スイッチング素子を制御する。なお、駆動部1からモータ2に出力されるモータ駆動電圧(Vu、Vv、Vw)の大きさは任意の固定電圧とする。
【0046】
上記ステップS4の操作により、設定された電流周波数に対して回転子の回転がほぼ同期し、引き込みが完了した時点で、ステップS5に移行し、制御部4から出力されるPWM信号の電流周波数を逆転方向から徐々に正転方向の周波数に変化させることにより、回転子の回転数を所望の回転数まで引き上げて起動を完了する。
【0047】
一方、ステップS3においてモータ2の回転方向が逆転以外の場合(正転方向及び停止状態)には、ステップS6に移行して、電流周波数を1Hzに設定し、制御部4が1Hzの電流周波数でモータ2を駆動するようPWM信号を生成し、駆動部1の各スイッチング素子を制御する。
【0048】
そして、上記ステップS6の操作により、回転子が回転し始め、回転がほぼ同期するとステップS7に移行し、制御部4から出力されるPWM信号の電流周波数を正転方向に徐々に上昇させることにより、回転子の回転数を所望の回転数まで引き上げて起動を完了する。
【0049】
なお、上記逆転および正転のいずれの場合も、起動が完了し、回転子の回転数が所望の回転数まで引き上げられた後は、電流位相検出部3から出力される相電流の位相情報(PhIu、PhIv、PhIw)と制御部4が自ら生成しているモータ駆動電圧(Vu、Vv、Vw)の位相情報とに基づいて、相電流と相電圧の位相差が一定になるよう制御(力率制御)され、これにより定常運転時においては一層高い効率で運転を行なうことができるよう構成されている。
【0050】
図6には、上記した力率制御に関連し、モータ2のひとつの相(例えばU相)に印加される実質的な相電圧30と相電流31および電流位相検出部3から出力される電流位相信号32の関係を示す。ブラシレスモータ2の回転子は永久磁石を備えているため、回転子の回転に伴ってこの永久磁石の磁極がモータ2の各相のコイルと近接・離間を繰り返すことにより、各相のコイルには、磁界の変化に起因する誘起電圧が発生する。このため、モータ2の各相には、駆動部1から印加される相電圧30と回転子の位置および回転速度に応じて生ずる誘起電圧との合計電圧が作用するとともに、各相のインダクタンスによって決定される相電流31が流れるようになり、相電圧30と相電流31との間には、図6に示すような位相差(θ)が発生する。従って、この実施の形態1によれば、電流位相検出部3から出力される相電流の位相情報を表す信号(PhIu、PhIv、PhIw)と制御部4が自ら生成しているモータ駆動電圧の位相情報とから、この位相差(θ)に相当する時間を制御部4のタイマ43によって計測することにより、相電圧と相電流との位相差が算出でき、力率制御を行なうことが可能である。
【0051】
また、この相電圧と相電流との位相差(θ)は、回転子の位置情報を含んでいるため、この位相差情報からモータ2の回転数や回転方向に関する情報を抽出し、この情報に基いて上記図5に示した起動時の制御を行なうことも可能である。
【0052】
以上、この実施の形態1によれば、モータ2が逆転方向に回転している場合に、一旦、逆転方向に駆動してから徐々に正転方向に回転方向を転換するよう構成したため、逆回転時に直接正転方向の電圧を印加する場合に比べて回転子の角運動量の変化(回転子に作用するトルク)を小さくすることができ、脱調等が発生しにくく、より確実に引き込みができるとともに、起動時の安定性に優れたモータシステムが得られる効果がある。また、大きなトルクの発生にともなう振動や騒音を抑制できる効果がある。
【0053】
また、電流位相検出部3および制御部4で算出された回転子の回転数に基いてモータ2に供給する交流電流の逆転周波数の初期値を設定し、より高い逆転周波数で駆動するよう構成したため、回転子の逆転周波数とモータ2に供給される交流電流の電流周波数の差が小さくなって、より脱調等が発生しにくくなり、起動時の安定性がさらに向上する効果がある。
【0054】
また、回転子の回転とモータ駆動電圧の電流周波数を同期させながら、電流周波数を所望の周波数まで連続的に変化させてゆくよう構成したため、回転子の回転と印加電圧の周波数の開離が小さくなり、効率良くトルクを発生させることができるため、回転子の回転数を円滑かつ安定して変更できる効果がある。
【0055】
また、回転子の回転方向を検出し、逆回転時とその他の場合とで起動方法を変えたため、逆回転時以外の起動時間を短縮できる効果がある。
【0056】
また、ブレーキ動作をした後に、モータ2を駆動するよう構成したため、回転子2が逆方向に回転中であっても短時間で回転数を低下させることができ、モータ2の起動時間を短縮できる効果がある。
【0057】
また、スイッチング素子13、14、15をONし、モータ2を三相短絡状態にしてブレーキ動作を行なうよう構成したため、より確実にブレーキ動作が行われる効果がある。
【0058】
また、回転数計測時のスイッチング素子のON/OFF周波数を非可聴周波数領域である20kHzとしたため、計測時の電流リプルに起因するトルクリプルが無く無音で起動できる効果がある。
【0059】
また、モータ2の運転中に、極めて短い時間(1μs)だけ各相に対応する2つのスイッチング素子を同時にOFF状態とすることで、電流位相検出部3が各相の相電流の位相情報(PhIu、PhIv、PhIw)を検出し、回転数および回転方向を検出するよう構成したため、電圧印加休止時間に起因するモータ2のトルクリプルを抑制することができ、モータ2を、静粛に、効率良く、かつ、安定に駆動できる効果がある。また、モータ負荷が高い場合でも、安定して動作するモータシステムを得ることができる。
【0060】
また、電流位相検出部3が各相の相電流の位相情報(PhIu、PhIv、PhIw)を検出することにより、回転数および回転方向を検出するよう構成したため、回転数検出用のホール素子等の位置センサが不要となり、化合物半導体や電子部品等の廃棄物を削減できる。
【0061】
また、モータ2の起動時には、相電流の位相情報(PhIu、PhIv、PhIw)から算出される回転数と回転方向に基いてモータ2に供給される交流電流の周波数を制御するとともに、所定の回転数に到達した後は、より効率の高い力率制御に切り換えるよう構成したため、起動時のトルクリプルが小さくなって起動の安定性が向上するとともに起動後の効率が高いモータシステムが得られる効果がある。
【0062】
なお、上記実施の形態1では、モータ2としてDCブラシレスモータを用いた例を示したが、モータ2は、これに限定されるものではなく、誘導モータ等の他の多相モータであっても同様の効果を奏することができる。また、三相以外の相数のモータにも適用できることは言うまでもない。
【0063】
また、起動時に駆動部1から出力されるモータ駆動電圧を、通常運転時より高目の電圧に設定しておけば、外乱等によるトルク変動や加速中のトルクアップに対しても同期状態からはずれることが少なくなり、より安定して起動することができる効果がある。
【0064】
また、上記実施の形態1では、回転情報検出手段として、回転数および回転方向の検出を電流ゼロクロス検出回路3からの位相信号(PhIu、PhIv、PhIw)に基いて行なうよう構成した例を示したが、従来装置と同様にモータ2に発生する誘起電圧(逆起電力)等を検出してもよく、この他、ホール素子等の位置検出素子の利用等、種々の形態が可能である。
【0065】
また、上記実施の形態1では、3つの相の全部について位相信号(PhIu、PhIv、PhIw)を計測したが、三相モータの原理から、この内のいずれか2相の位相が分かれば、他の1相を導出することができ、回転数および回転方向を判定することが可能である。
【0066】
さらに、上記実施の形態1では、起動時の回転数検出を電流ゼロクロス検出回路3からの位相信号(PhIu、PhIv、PhIw)により、また、通常運転時は、相電流と相電圧間の位相差による力率制御により構成した例を示したが、通常運転時も電流ゼロクロス検出回路3からの位相信号(PhIu、PhIv、PhIw)に基いて制御するよう構成してもよく、この場合、起動時と通常運転時の回路とが兼用できるため起動用の新たな回路が不要となり、コスト低減が可能となる効果がある。
【0067】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、ステップS1においてスイッチング素子を常時ON(閉成)し、ブレーキ動作を行なった後、ステップS2で電流周波数および回転方向の計測を行なうよう構成した例を示したが、スイッチング素子を断続的にON/OFFするよう構成してもよく、この場合、ブレーキ動作と同時に回転数等の計測もできるため、起動時間がさらに早くなる効果がある。
【0068】
また、上記実施の形態1では制御部4がステップS1において常に3秒間ブレーキ動作を行なうよう構成したが、このように構成された実施の形態2によればブレーキ操作を行いながら回転数等を検出できるため、回転数が所定の値以下(この実施の形態2では、100rpmに設定)となった場合にステップS3に移行するよう構成すれば、起動時間がさらに短縮できるとともに、確実に減速してから起動動作を行なうことができるため、起動時の安定性がより向上する効果がある。
【0069】
実施の形態3.
また、上記実施の形態1では、ブレーキ操作(ステップS1)後に回転方向を検出(ステップS2)し、起動方法を変更(ステップS3)するよう構成したが、ブレーキ動作前に回転方向を検出し、例えば、モータ2が正転方向に十分な速度で回転している場合には、ステップS2で計測された電流周波数と所望の運転周波数を比較し、その大小によってステップS2で計測された電流周波数より1Hzだけ高い(計測された周波数<所望周波数の場合)もしくは1Hzだけ低い(計測された周波数>所望周波数の場合)正転周波数を新しい電流周波数として設定し、制御部4がこの新しい電流周波数でモータ2を駆動し、徐々に回転数を変更するよう構成すれば、正転方向に回転している回転子2を一旦減速させる必要がなくなり、起動時間がさらに短縮される効果がある。
【0070】
実施の形態4.
また、上記実施の形態1では、起動前に必ずブレーキ動作(ステップ1)を行なうよう構成した例を示したが、ブレーキ操作前に回転数を検出するよう構成するとともに、この結果に基いて、回転子の回転数が非常に高い場合(この実施の形態4では、500rpmに設定)には、モータ2を起動させないよう構成してもよく、この場合、高速で逆回転する回転子を制動する際に駆動部1に過大電流あるいは高電圧が発生し、駆動部1の回路が故障することを防止できる効果がある。
【0071】
実施の形態5.
図7には、この発明の実施の形態5として、上記実施の形態1に記載のモータシステムを室外機のファンの駆動用に用いた空気調和機の構成図を示す。図において、50は空気調和機の室外機であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。また、2は上記実施の形態1に記載のブラシレスモータ、51は上記実施の形態1に示した駆動部1、電流位相検出部3および制御部4からなるモータ駆動装置、52はブラシレスモータ2によって回転されるプロペラファン、53はプロペラファン52の回転によって送風される外気と冷媒との間で熱交換を行なう熱交換器、54は冷媒を圧縮する圧縮機であり、ブラシレスモータ2、モータ駆動装置51およびプロペラファン52により送風機55が構成されている。
【0072】
このように、この実施の形態5によれば、室外機50のファンを駆動するモータシステムとして上記実施の形態1に記載したモータシステムを用いたため、例えば、プロペラファン52が外風によって逆回転している場合でも、プロペラファン52を安定して起動することができる効果がある。
【0073】
なお、上記実施の形態5において、モータシステムとして上記実施の形態4を用いれば、プロペラファン52が強い外風で高速に逆回転している場合には、モータ2が起動しないため、モータ駆動装置51の回路が保護されるとともに、モータ2を回転させなくとも外風によって熱交換が行われるため、モータ2の消費電力を節約することができ、より省電力となる効果がある。
【0074】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0075】
多相の交流電流を生成する駆動回路と、前記駆動回路から供給される多相の交流電流によって駆動されるモータと、前記モータの回転数および回転方向を検出する回転情報検出手段と、前記回転情報検出手段から出力される前記モータの回転数および回転方向に基いて前記駆動回路から出力する交流電流の周波数を制御し、前記モータの回転数を制御する制御回路とを備え、前記制御回路が、前記モータの起動時、前記回転情報検出手段から出力される前記モータの回転方向を判別するとともに、前記モータが逆転方向に回転している場合に、前記駆動回路から前記モータに対して逆転周波数の交流電流を供給して引き込みを行い、その後、その周波数を正転方向に変化させることにより前記モータを起動するよう構成したため、脱調等が発生しにくく、より確実に引き込みができるとともに、起動時の安定性に優れたモータシステムが得られる効果がある。
【0076】
また、前記制御回路が、起動時に前記駆動回路から出力される交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に応じて変化させるよう構成したため、前記モータの回転数と前記モータに供給される交流電流の電流周波数の差が小さくなって、より脱調等が発生しにくくなり、起動時の安定性が向上する効果がある。
【0077】
また、前記駆動回路が、直流電源から供給される直流電流を前記モータの各相に対応してON/OFFする複数対のスイッチング手段と、前記スイッチング手段の各々に並列に設けられ、前記スイッチング手段のOFF時に環流電流を流通させる環流ダイオードを備えるとともに、前記回転情報検出手段が、前記スイッチング手段をOFFした時の前記モータの相電圧の極性をサンプリングすることにより、前記モータに流れ込む相電流のゼロクロスを検出し、相電流の位相を検出する電流位相検出部からの出力により回転数および回転方向を検出するよう構成したため、回転数および回転方向を検出するための電圧印加休止時間を短くすることができ、電圧印加休止時のトルクリプルによるモータ駆動時の騒音や振動を低減できる効果がある。
【0078】
また、前記電流位相検出部による相電圧のサンプリング周波数を非可聴周波数領域としたため、より低騒音化が可能となる効果がある。
【0079】
また、起動前に、前記モータの回転数を減速させるブレーキ手段を備えたため、前記モータが逆方向に回転していても短時間で回転数を低下させることができ、前記モータの起動時間を短縮できる効果がある。
【0080】
また、前記ブレーキ手段が、前記モータの各相の線間を短絡することにより、短絡電流を発生させ、回転数を減速するよう構成したため、より確実に前記モータの回転数を減速できる効果がある。
【0081】
また、前記モータの回転方向が正転方向である場合、前記ブレーキ手段がブレーキ動作を行なわないよう構成したため、正転方向に回転している場合の起動時間をさらに短縮できる効果がある。
【0082】
また、前記モータの回転数が所定の回転数より大きい場合に、前記制御回路が、前記駆動回路により前記モータを駆動しないよう構成したため、前記駆動回路に過大電流あるいは高電圧が発生して、前記駆動回路が故障することを防止できる効果がある。
【0083】
また、空気調和機の送風機用モータとして、上記のいずれかに記載のモータシステムを備えたため、前記モータに装着されたプロペラファンが外風で逆回転している場合でも、プロペラファンを安定して起動することが可能な空気調和機が得られる効果がある。
【0084】
また、多相モータの起動時、前記モータの回転数および回転方向を検出するステップと、前記モータが逆転方向に回転している場合に、前記モータに対して逆転周波数の交流電流を供給することにより引き込みを行うステップと、引き込み完了後、交流電流の周波数を正転方向に変化させるステップと、を含むよう構成したため、脱調等が発生しにくく、より安定して起動できる効果がある。
【0085】
また、前記モータに対して逆転周波数の交流電流を供給することにより引き込みを行うステップにおいて、前記モータに対して供給する交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に対応した電流周波数より逆転方向に大なる周波数に設定したため、起動時の安定性が一層向上する効果がある。
【0086】
また、起動前に、前記モータの回転数を減速させるステップを含むよう構成したため、前記モータが逆方向に回転していても短時間で回転数を低下させることができ、前記モータの起動時間を短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のモータシステムの全体構成を表すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1のモータシステムの駆動部の構成を表す回路図。
【図3】 この発明の実施の形態1のモータシステムの制御部の構成を表す回路図。
【図4】 この発明の実施の形態1のモータシステムの動作を表すタイミングチャート。
【図5】 この発明の実施の形態1のモータシステムの起動時の動作手順を表すフローチャート。
【図6】 この発明の実施の形態1のモータシステムの通常運転時の相電圧、相電流および相電流位相信号の関係を表す波形図。
【図7】 この発明の実施の形態5の空気調和機の室外機の構成を表す構成図。
【図8】 従来のモータシステムの全体構成を表すブロック図。
【図9】 従来のモータシステムの起動時の動作を表すフローチャート。
【符号の説明】
1 駆動部(駆動回路、ブレーキ手段)
2 三相DCブラシレスモータ(モータ)
3 電流位相検出部(回転情報検出手段)
4 制御部(制御回路、回転情報検出手段)
5 直流電源
10、11、12、13、14、15 スイッチング素子(スイッチング手段)
16、17、18、19、20、22 環流ダイオード
30 相電圧の波形
31 相電流の波形
32 電流位相検出部からの出力波形
40 外部インターフェース
41 演算部
42 メモリ
43 タイマ
50 室外機
51 モータ駆動装置
52 プロペラファン
53 熱交換器
54 圧縮機
55 送風機

Claims (16)

  1. 多相の交流電流を生成する駆動回路と、
    前記駆動回路から供給される多相の交流電流によって駆動されるモータと、
    前記モータの回転数および回転方向を検出する回転情報検出手段と、
    前記回転情報検出手段から出力される前記モータの回転数および回転方向に基いて前記駆動回路から出力する交流電流の周波数を制御し、前記モータの回転数を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路が、前記モータの起動時、前記回転情報検出手段から出力される前記モータの回転方向を判別するとともに、前記モータが逆転方向に回転していると判別された場合に、前記駆動回路から前記モータに対して前記モータを前記逆転方向に増速するように加速する逆転周波数の交流電流を供給して前記モータの回転が前記逆転周波数にほぼ同期するように引き込みを行い、その後、その周波数を正転方向に変化させることにより前記モータを起動するよう構成したことを特徴とするDCブラシレスモータのモータシステム。
  2. 前記制御回路が、起動時に前記駆動回路から出力される交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に応じて変化させることを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
  3. 起動時に前記駆動回路から出力される交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に対応した電流周波数より逆転方向に大なる周波数に設定したことを特徴とする請求項2に記載のモータシステム。
  4. 前記回転情報検出手段が、前記モータに流れ込む相電流の位相を検出することにより、前記モータの回転数および回転方向を算出することを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
  5. 前記回転情報検出手段が、前記モータに流れ込むいずれか二相の相電流の位相に基づいて回転方向を判定することを特徴とする請求項4に記載のモータシステム。
  6. 前記駆動回路が、直流電源から供給される直流電流を前記モータの各相に対応してON/OFFする複数対のスイッチング手段と、前記スイッチング手段の各々に並列に設けられ、前記スイッチング手段のOFF時に環流電流を流通させる環流ダイオードを備えるとともに、前記回転情報検出手段が、前記スイッチング手段をOFFした時の前記モータの相電圧の極性をサンプリングすることにより、前記モータに流れ込む相電流のゼロクロスを検出し、相電流の位相を検出する電流位相検出部を備えたことを特徴とする請求項4に記載のモータシステム。
  7. 前記電流位相検出部による相電圧のサンプリング周波数を非可聴周波数領域としたことを特徴とする請求項6に記載のモータシステム。
  8. 起動前に、前記モータの回転数を減速させるブレーキ手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
  9. 前記ブレーキ手段が、前記モータの各相の線間を短絡することにより、短絡電流を発生させ、回転数を減速するよう構成したことを特徴とする請求項8に記載のモータシステム。
  10. 前記モータの回転方向が正転方向である場合、前記制御回路が前記ブレーキ手段によるブレーキ動作を行なわないよう制御することを特徴とする請求項8に記載のモータシステム。
  11. 前記モータの回転数が所定の回転数より大きい場合に、前記制御回路が、前記駆動回路により前記モータを駆動しないよう制御することを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
  12. 前記モータがブラシレスモータであり、前記駆動回路が電圧型フルブリッジインバータを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のモータシステム。
  13. 送風機用モータとして、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のモータシステムを備えたことを特徴とする空気調和機。
  14. 多相の交流電流によって駆動されるDCブラシレスモータの起動方法であって、
    前記モータの回転数および回転方向を検出するステップと、
    この検出ステップにより前記モータが逆転方向に回転していることが検出された場合に、前記モータに対して前記モータを前記逆転方向に増速するように加速する逆転周波数の交流電流を供給することにより引き込みを行うステップと、
    引き込み完了後、交流電流の周波数を正転方向に変化させるステップと、
    を含むことを特徴とするモータの起動方法。
  15. 前記モータに対して逆転周波数の交流電流を供給することにより引き込みを行うステップにおいて、前記モータに対して供給する交流電流の前記逆転周波数の初期値を、前記モータの起動前の回転数に対応した電流周波数より逆転方向に大なる周波数に設定したことを特徴とする請求項14に記載のモータの起動方法。
  16. 起動前に、前記モータの回転数を減速させるステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の多相モータの起動方法。
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