JP3730914B2 - 携帯通信端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電話機等の比較的小型で簡易な構成の携帯通信端末装置に係わり、特に環境温度の変化に対してその計時精度を向上させた携帯通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)あるいはPDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の比較的小型の通信端末が広く使用されている。
【0003】
これらの携帯通信端末装置は小型であるためと着信があったときに迅速に対応する必要があるため、常に手に持ったりハンドバッグのように手近で常に取り出せるような場所に保管あるいは置いておくことが多い。このため、携帯通信端末装置に備えられている時計機構を用いて時刻の管理を行う者も多く、腕時計を携行しない者も多い。
【0004】
ところが、この種の通常の携帯通信端末装置の計時精度は腕時計と比較すると必ずしも良くない。特に携帯通信端末装置の場合には、小型化と軽量化の要請から電池の重量の増加を抑えるため、電波の受信される時間帯のみ高精度な高速クロックを使用している場合が多い。電波の受信される時間帯以外の時間帯では、低速クロックのみが使用されており、これを用いて時計の制御やその他の制御が行われている。低速クロックは温度補償が行われておらず、また現状では個体差もあり、十分な精度を保てない場合が多い。
【0005】
しかも携帯通信端末装置の場合には、腕時計と異なり使用者の手から離れて各種の場所に置かれる機会が多いため、周囲の温度の影響も受けやすい。このようなことから、通常の携帯通信端末装置の場合は月に1分程度の狂いが生じることが当たり前とされていた。このため、携帯通信端末装置の使用者は時刻をたびたび訂正する必要があった。
【0006】
図5はこのような問題を解決する第1の提案の概要を表わしたものである。特開平9−197070号公報に開示されたこの提案では、基地局101が基準時計102を内蔵している。基地局101は、基準時計102が出力する時刻情報103を第1〜第Nの移動局1041〜104Nに送信するようにしている。
【0007】
図6は第1の移動局の要部を表わしたものである。図5に示した第2〜第Nの移動局1042〜104Nもこれと同一の構成となっている。第1の移動局1041はこの時刻情報103等の信号をアンテナ111から受信機112で受信し、復調器113で復調して伝送情報識別器114で時刻情報を抽出する。抽出した時刻情報115は内蔵時計116に送られて表示器117に表示される時刻情報118の補正が行われることになる。
【0008】
ところが、このような第1の提案では、基地局101が高精度の基準時計102を必要とするだけでなく、第1〜第Nの移動局1041〜104Nに時刻情報103を適宜送信する回路装置が必要である。また第1〜第Nの移動局1041〜104Nではこの時刻情報103を受信して修正を行うので、伝送情報識別器114が新たに必要とされるだけでなく、時刻情報118の修正機構も必要となる。更に、第1〜第Nの移動局1041〜104Nの中で電源をオフにしている装置あるいは基地局101が時刻情報103を送信したタイミングで電源がオフとなっている装置は長期間、時刻の修正を行うことができない。
【0009】
特開平11−118961号公報では、GPS(Global Positioning System:グローバル位置測定システム)衛星を使用して海上局が基準時刻を発生させ、これを海底局が受信してその図示しない時計回路の時刻を修正するようにしている。この提案も第1の提案と同様に特別の設備を必要とする。したがって、このようなシステムを簡易な携帯通信端末装置に適用するのは困難である。
【0010】
図7は、このような問題を解決するために高速クロックを用いて低速クロックの計時動作を修正するようにした第2の提案を説明するためのものである。特開2000−278752号公報に開示されたこの提案では、システムクロック生成回路120の出力する高精度のシステムクロック121がタイミング補正回路122の一方の入力端子に入力されるようになっている。また、低速クロック生成回路123の出力する低速で温度に対する補償も行われていない精度のよくない時計用クロック124は、タイマ125を経てタイミング補正回路122の他方の入力端子に入力される他、周波数偏差推定回路126内のラッチ回路127のクロック入力端子Cに供給されるようになっている。
【0011】
周波数偏差推定回路126は、システムクロック生成回路120の出力するシステムクロック121を入力して、これを所定数ずつカウントするカウンタ128を備えている。このカウンタ128の出力するカウント値129はラッチ回路127の入力端子Dに供給されるようになっている。ラッチ回路127は、このカウント値を時計用クロック124の立ち上がりのエッジごとにラッチしてそれらの値をΔf検出回路131に入力する。Δf検出回路131は、それぞれの時計用クロック124の立ち上がりごとのカウント値を入力することで、周波数偏差Δfを検出する。τ推定回路133はこの周波数偏差Δfを表わした周波数偏差データ134を用いてタイミング補正量τを推定し、これを表わしたタイミング補正量データ135を制御回路136に供給する。
【0012】
制御回路136はこのタイミング補正量データ135を記憶しておき、タイミング補正量データ137としてタイマ125に供給する。この結果、システムクロック生成回路120から高精度のシステムクロック121が出力されていない時間帯では、低速クロック生成回路123から出力される時計用クロック124がタイマ125によってタイミングを補正された補正時計用クロック138がタイミング補正回路122からクロック信号139として出力されることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
この図7に示した第2の提案では、高精度のシステムクロック121を用いて低速クロック生成回路123から出力される時計用クロック124を補正するので、第1の提案のように基地局101から特別に用意された信号を抽出しなくても時刻を正確に保持することができる。
【0014】
しかしながらこの第2の提案では、τ推定回路133の回路動作が複雑になり、このために時刻を補正する回路の規模が大きくなるという問題があった。すなわち、第2の提案のτ推定回路133は所定数ずつカウントするカウンタ128のカウント値を入力している。このため、低速クロック生成回路123の時計用クロック124のリードエッジと次のリードエッジの間でカウント値がリセットする場合の影響を無くすための回路が必要となり、回路を複雑にしてコストアップに繋がるという問題があった。
【0015】
そこで本発明の目的は、簡易な回路構成で低速のクロックを高精度で所定の時間帯でしか動作しない高速のクロックを用いて修正することのできる携帯通信端末装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)第1の周波数で出力されるべき比較的低速で比較的低精度の低速クロック信号を常時生成する低速クロック信号生成手段と、(ロ)所定の時間帯にのみ比較的高速で比較的高精度の第2の周波数の高速クロック信号を生成する高速クロック信号生成手段と、(ハ)高速クロック信号の出力が開始される時間帯ごとに低速クロックおよび高速クロックの両信号のクロックのカウントをそれぞれ開始するクロックカウント開始手段と、(ニ)低速クロック信号の周波数が第1の周波数に誤差なく一致していると仮定した際の対応する第2の周波数の高速クロック信号のカウント値を基準として、低速クロック信号を予め定めた所定数だけカウントした時点における高速クロック信号のカウント値が、この基準の値から正負どの方向にどれだけの値ずれたかを表わす偏差量を求めると共に、クロックカウント開始手段によって低速クロックおよび高速クロックの両信号のクロックのカウントが開始されるたびに、これにより求められるそれぞれの偏差量を逐次更新する偏差量計測手段と、(ホ)この偏差量計測手段によって計測された偏差量を基にして低速クロック信号の周波数を修正する低速クロック信号周波数修正手段とを携帯通信端末装置に具備させる。
【0017】
すなわち請求項1記載の発明では、クロックカウント開始手段が、低速クロック信号と高速クロック信号の双方が生成されるタイミングで両信号のクロックのカウントをそれぞれ開始し、低速クロック信号を予め定めた所定数だけカウントした時点での高速クロック信号のカウント値を求めて、これが低速クロック信号の周波数が第1の周波数に誤差なく一致していると仮定した際の対応する第2の周波数の高速クロック信号のカウント値を基準として正負どの方向にどれだけの値ずれたかを表わす偏差量を偏差量計測手段によって計測する。すなわち、通常の手法では精度の高い高速クロック信号のクロック数を所定数だけカウントしたり、予め設定された時間内の低速クロック信号のクロック数を計測するが、本発明では精度の低い低速クロック信号のクロック数が予め定めた所定数だけカウントされた時点における高速クロック信号のカウント値を求め、低速クロック信号の周波数が狂いないと仮定した場合の高速クロック信号のカウントされるべき基準値との偏差量を求めることにしている。そして、この偏差量に基づいて低速クロック信号周波数修正手段によって低速クロック信号の周波数を修正することにして、高速クロック信号の使用されない回路装置においても低速クロック信号の周波数を十分高精度に保持できるようにしている。ここで、温度等の環境の影響による低速クロックの周波数の変動を補償するために、クロックカウント開始手段は高速クロック信号の出力が開始される時間帯ごとに低速クロックおよび高速クロックのカウントを開始してそれぞれの時点における偏差量を求め、偏差量計測手段がこれにより求められるそれぞれの偏差量を逐次更新することで、環境の変化に適応した修正を行えるようにしている。
【0018】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の携帯通信端末装置で、低速クロック信号周波数修正手段は、低速クロック信号を基にした所定の単位時間ごとにそれぞれの時点における最新のクロック偏差データを足し合わせた累計値を記憶する累計値記憶手段と、累計を行った回数を記憶する累計回数記憶手段と、累計値記憶手段の記憶した累計値を累計回数と単位時間の積で除して累計を行った期間におけるクロック偏差の平均を求める平均クロック偏差算出手段とを備え、平均クロック偏差算出手段で求められたクロック偏差の平均を用いて低速クロック信号の周波数あるいは時刻を修正することを特徴としている。
【0019】
すなわち請求項2記載の発明では、低速クロック信号周波数修正手段が所定の単位時間ごとにそれぞれの時点における最新のクロック偏差データを足し合わせてクロック偏差データの累積値を算出し、これを累計回数で割って1回当たりのクロック偏差データを算出することにしている。これを単位時間で更に割り算すると累計を行った期間におけるクロック偏差の平均が求められる。そこでこれを用いて低速クロック信号の周波数を直接修正したり、現在時刻を修正することが可能になる。
【0020】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の携帯通信端末装置で、前記した所定の時間帯は、相手先との通信が行われる時間帯であることを特徴としている。
【0021】
すなわち請求項3記載の発明では、相手先との通信が行われる時間帯に高速クロック信号が発生することを示している。これ以外の場合には、低速クロック信号のみが使用されることで、携帯通信端末装置全体の消費電力が低減される。
【0024】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の携帯通信端末装置が、(イ)低速クロック信号を入力して時刻の管理を行う時刻管理手段と、(ロ)この時刻管理手段によって管理される時刻を表示する表示手段を更に具備することを特徴としている。
【0025】
すなわち請求項4記載の発明では、低速クロック信号が一例として時刻の管理を行う時刻管理手段で使用される場合を示しており、この場合には表示手段に時刻を表わした情報が表示されることを示している。時刻の管理には常に計時動作のためのクロックが必要なので、これに低速クロック信号を使用することで消費電力を下げる一方、高速クロックが動作していたときの偏差量で低速クロックの修正を行って、表示される時刻の誤差を高速クロックを使用する場合と同等にしている。
【0026】
請求項5記載の発明では、請求項1記載の携帯通信端末装置の高速クロック信号生成手段が温度に対する周波数の変動を補正した温度補償手段を具備することを特徴としている。
【0027】
これにより、低速クロック信号生成手段が温度補償回路を備えなくても、温度変化に対して十分な精度を保つことができるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
【0029】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施例における携帯通信端末装置としての携帯電話機の回路構成の要部を表わしたものである。携帯電話機201は、図示しない基地局と通信を行う送受信部202を有している。送受信部202は、その動作時には高速クロック回路203から温度補償の行われた高精度の高速クロック信号204の供給を受けるようになっている。制御部205は、この携帯電話機201の各部を制御する部分であり、図示しないCPU(中央処理装置)等の回路を配置している。CPUはメモリ部206に格納された制御プログラムを実行することで、各種の制御を行うようになっている。メモリ部206には、CPUの制御に必要なデータを一時的に格納する作業用メモリ領域も備えられている。作業用メモリ領域の一部には、後に説明するクロック偏差データを格納するクロック偏差データ格納部207が設けられている。
【0031】
制御部205は、表示部208の表示制御を行ったり、時刻管理部209の時刻管理の制御も行うようになっている。図示しない水晶発振子を備えた高速クロック回路203の出力する高速クロック信号204は、制御部205がデータの送受信のための制御を行う状態でその制御に使用されるが、これ以外の時点では消費電力を低減するために、同じく図示しない水晶発振子を備えた低速クロック回路211の出力する低速クロック信号212が制御部205で使用される。この低速クロック信号212は時刻管理部209にも供給され、時刻の管理に利用されている。低速クロック回路211は温度変化に対する補償が行われておらず、個々の回路の個体差や環境温度にもよるが低速クロック信号212の精度は計時動作に対して十分なものとは言えない場合が多い。
【0032】
ただし、本実施例の携帯電話機201では制御部205内にクロック偏差検出部214が配置されており、高速クロック信号204に対する低速クロック信号212の偏差が検出され、低速クロック信号212の修正が行われるようになっている。クロック偏差データ格納部207に格納されるクロック偏差データはこのために使用される。
【0033】
図2は、クロック偏差検出部によるクロック偏差データの検出原理を示したものである。図1に示したクロック偏差検出部214には、図2(a)に示したような低速クロック信号212と、同図(b)に示したような高速クロック信号204が供給されるようになっている。このうち低精度の低速クロック信号212は本実施例の場合ほぼ32.768KHzの周波数となっている。また、高精度の高速クロック信号204は、本実施例の場合14.4MHzとなっている。このため、一例として低速クロック信号212の1310回分の周期Tは、ほぼ40ms(ミリ秒)の時間間隔に相当する。
【0034】
この周期Tが正確に40msに対応している場合、すなわち低速クロック信号212に誤差が生じていない理想的な場合には、高速クロック信号204のクロックカウント数はこの周期Tに対して576000回となる。しかしながら、実際には低速クロック信号212の周波数が変動する結果として、低速クロック信号212が1310回カウントされる周期Tの区間で高速クロック信号204のカウントされる回数は変動する。この変動量をαとすると、周期Tに高速クロック信号204のカウント数CHは、次の(1)式で表わされることになる。
【0035】
CH=576000±α ……(1)
【0036】
そこで、高速クロック信号204と低速クロック信号212とが共にクロック偏差検出部214に入力されるタイミングで、低速クロック信号212をたとえば1310回カウントし、この周期Tにおける高速クロック信号204のカウント数CHの変動量αを求めれば、これを用いて低速クロック信号212を修正することができることになる。1回の測定における低速クロック信号212のカウント数は、この1310回に限定されるものではなく、高速クロック信号204が同時に出力されているという条件の下では更に多くの回数を基にしてより精度の良い修正を行うことができる。また、図1に示す送受信部202が動作するたびに変動量αを算出してクロック偏差データ格納部207に格納するクロック偏差データを更新すれば、環境温度が変動してもこれに対する誤差を最小なものに抑えることができる。
【0037】
図3は、クロック偏差検出部をハードウェアで構成した場合の回路の要部を示したものである。クロック偏差検出部214は、低速クロック信号212を入力する第1のゲート221と高速クロック信号204を入力する第2のゲート222の2つのゲート回路を備えている。第1のゲート221の出力側にはこれを通過する低速クロック信号212Aをカウントする第1のカウンタ223が配置されており、第2のゲート222の出力側にはこれを通過する高速クロック信号204Aをカウントする第2のカウンタ224が配置されている。
【0038】
図1に示した制御部205内の図示しない回路部分は、送受信部202を前記した周期Tよりも長い時間作動させるタイミングで、偏差測定信号231を出力する。この偏差測定信号231は第1および第2のゲート221、222ならびに第1および第2のカウンタ223、224に供給される。第1および第2のゲート221、222は偏差測定信号231を入力するとこのタイミングでゲートを開き、低速クロック信号212Aまたは高速クロック信号204Aを通過させる。第1および第2のカウンタ223、224はこの偏差測定信号231の入力されたタイミングでそれぞれのカウント値をリセットして、それ以後入力される低速クロック信号212Aまたは高速クロック信号204Aのカウントを開始する。
【0039】
第1のカウンタ223は、周期Tをカウントするカウンタであり、低速クロック信号212Aを1310回カウントするとその出力側からカウント完了信号232を出力するようになっている。このカウント完了信号232は第2のカウンタ224の出力側に配置されたラッチ回路233に供給され、このタイミングで第2のカウンタ224の出力するカウント値234をラッチする。このラッチ回路233の出力するカウント値235は減算器236に供給されて、カウント値から数値576000を差し引く処理が行われる。この減算器236から出力されるクロック偏差データ237が変動量αを表わしたデータである。このクロック偏差データ237は図1に示したクロック偏差データ格納部207に格納される。
【0040】
時刻管理部209では、低速クロック回路211の出力する低速クロック信号212を入力して現在時刻の管理を行う。このため、時刻管理部209は低速クロック信号212を基にして1分ごとに制御部205に割り込みをかける。そして、24時間に1回ずつまとめて時刻の修正処理を行うことにしている。
【0041】
図4は、クロック偏差データ格納部を具体的に表わしたものである。クロック偏差データ格納部207は、最新のクロック偏差データを格納する最新偏差データ格納エリア207Aと、クロック偏差データを1分ごとに累計する累計値格納エリア207Bと、累計した回数を格納する累計回数エリア207Cから構成されている。最新偏差データ格納エリア207Aには、最新のクロック偏差データ237がクロック偏差検出部214によって検出されるたびに格納される。このとき、前に格納されていたクロック偏差データに上書きされることになる。
【0042】
累計値格納エリア207Bはクロック偏差データ237の1分ごとの累計値を格納するエリアである。今までの累計値をβとすると、前記した割り込みによって最新偏差データ格納エリア207Aに格納されている最新のクロック偏差データ237が1分ごとに読み出されると、累計値格納エリア207Bに格納されている累計値βが読み出され、その値に読み出されたクロック偏差データ237が加算され、新たな累計値βとして累計値格納エリア207Bに格納される。したがって、たとえば携帯電話機の送受信部202が比較的長い時間、送信も受信も行わない状態に保持されている場合には、最新偏差データ格納エリア207Aに格納されている同一のクロック偏差データ237が1分ごとに繰り返し読み出され、新たな累計値βが求められていくことになる。
【0043】
累計回数エリア207Cには、累計値格納エリア207Bに累計値βが格納されるたびに、累計した回数γが格納される。本実施例では1分ごとに割り込みが行われるので、累計回数エリア207Cには累計の行われた時間としての分の合計値が格納されていくことになる。前記したように24時間に1回の補正が行われるので、累計した回数γが24時間分の値(=24×60×60)に到達したときに、累計値βを累計した回数γで除算すると、平均の変動量α*が求められる。補正を秒単位で行う場合には、その補正量t(秒)は、次の(2)式で求めることができる。
【0044】
t=24×60×60×[±α*/14.4(MHz)]/40(ms) ……(2)
【0045】
時刻管理部209はこの(2)式で求められた補正量tで時刻の補正を行う。これにより、高速クロック信号204と同等の精度に低速クロック信号212を修正することができ、時刻の管理を高精度に行うことができる。
【0046】
以上説明した実施例では図3に示したクロック偏差検出部214内に減算器236を配置して、クロック偏差データ237を求めるための減算処理を行った。この代わりに、偏差測定信号231が出力されるたびに第2のカウンタ224に周期Tに対応するクロックカウント数(先の例の場合には“576000”)だけ減算した数値(“−576000”)をプリセットするようにしてもよい。これにより、第2のカウンタ224の出力するカウント値234はクロック偏差データ237そのものとなり、減算器236による減算処理が不要になる。
【0047】
また、実施例では制御部205のクロック偏差検出部214をハードウェアで構成したが、制御プログラムを用いてソフトウェアで同様の制御を行うことができる。この場合には、たとえばCPUが高速クロック信号204の出力されるタイミングで高速クロック信号204と低速クロック信号212のカウントを開始し、低速クロック信号212が1310回カウントされた時点の高速クロック信号204のカウント値を算出して、これを基にしてクロック偏差データ237を算出するようにすればよい。
【0048】
更に実施例では時刻の補正を24時間に一度行うことにしたが、任意の時間間隔で行ってもよいことは当然である。また、割り込み処理を行うことは必ずしも必要ない。たとえば低速クロック信号212が1310回あるいはその複数倍発生するたびに時刻管理部209に時刻補正データを送出するような制御を行うことも可能である。一例として低速クロック信号212が1310回発生するたびに時刻補正データが時刻管理部209に送出された場合、その値はクロック偏差データと等しくなる。
【0049】
この例の場合、制御部205はクロック偏差データ格納部207に格納されるクロック偏差データ237が変更されるとそれに応じてその都度、時刻補正データの内容を変更する。すなわち、時刻補正データが正の値であればこれを加算して低速クロック信号212を実質的に周波数を高める方向に修正する。また、負の値であればこの値を減算し(負の値をそのまま加算し)、実質的に周波数を低める方向に修正する。
【0050】
このため、時刻管理部209は常に高速クロック信号204によって補正された低速クロック信号212を基にした時刻データを制御部205に送出することができる。制御部205はこれを内部データとして利用する他、表示部208に送出して時刻の表示制御を行わせることになる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1〜請求項5記載の発明によれば、高速クロックと低速クロックが共に出力されている時間帯で得られた情報を基にして低速クロックの精度を高速クロック並に修正することにしているので、高速クロックを必要最小限の時間だけ発生させればよく、携帯通信端末装置全体の消費電力の節減を効果的に図ることができる。しかも携帯通信端末装置自体に備わっている高速クロック信号生成手段を用いて低速クロック信号の修正を行うので、このために基地局等の他の装置の負担を要しないという利点もある。しかも、偏差量を求める手法がシンプルなので、回路構成が簡略化され、携帯通信端末装置のコストアップを特に招かないという効果がある。
【0052】
また請求項2記載の発明によれば、低速クロック信号周波数修正手段が所定の単位時間ごとにそれぞれの時点における最新のクロック偏差データを足し合わせてクロック偏差データの累積値を算出するので、平均的なクロック偏差データを求めることができる。また、24時間に1回等の所定の時間単位で時刻の補正を行うので、たとえば携帯通信端末装置の使用が行われない可能性の高い深夜等に時刻の調整を行うことができ、調整時の時間の瞬間的なずれの影響を回避させることができる。
【0053】
また請求項5記載の発明によれば、高速クロック信号生成手段が温度に対する周波数の変動を補正した温度補償手段を具備しているので、低速クロック信号生成手段が特に温度補償回路を備えなくても、温度変化に対して十分な精度を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における携帯通信端末装置としての携帯電話機の回路構成の要部を表わしたブロック図である。
【図2】クロック偏差検出部によるクロック偏差データの検出原理を示した波形図である。
【図3】クロック偏差検出部をハードウェアで構成した場合の回路の要部を示したブロック図である。
【図4】本実施例のクロック偏差データ格納部を具体化したブロック図である。
【図5】従来の第1の提案の概要を表わしたシステム構成図である。
【図6】第1の提案における第1の移動局の要部を表わしたブロック図である。
【図7】高速クロックを用いて低速クロックの計時動作を修正するようにした第2の提案を示すブロック図である。
【符号の説明】
201 携帯電話機
202 送受信部
203 高速クロック回路
204 高速クロック信号
205 制御部
206 メモリ部
207 クロック偏差データ格納部
208 表示部
209 時刻管理部
211 低速クロック回路
212 低速クロック信号
214 クロック偏差検出部
223 第1のカウンタ
224 第2のカウンタ
237 クロック偏差データ
α 変動量
Claims (5)
- 第1の周波数で出力されるべき比較的低速で比較的低精度の低速クロック信号を常時生成する低速クロック信号生成手段と、
所定の時間帯にのみ比較的高速で比較的高精度の第2の周波数の高速クロック信号を生成する高速クロック信号生成手段と、
前記高速クロック信号の出力が開始される時間帯ごとに低速クロックおよび高速クロックの両信号のクロックのカウントをそれぞれ開始するクロックカウント開始手段と、
前記低速クロック信号の周波数が第1の周波数に誤差なく一致していると仮定した際の対応する第2の周波数の高速クロック信号のカウント値を基準として、低速クロック信号を予め定めた所定数だけカウントした時点における前記高速クロック信号のカウント値が、この基準の値から正負どの方向にどれだけの値ずれたかを表わす偏差量を求めると共に、前記クロックカウント開始手段によって低速クロックおよび高速クロックの両信号のクロックのカウントが開始されるたびに、これにより求められるそれぞれの偏差量を逐次更新する偏差量計測手段と、
この偏差量計測手段によって計測された偏差量を基にして前記低速クロック信号の周波数を修正する低速クロック信号周波数修正手段
とを具備することを特徴とする携帯通信端末装置。 - 前記低速クロック信号周波数修正手段は、前記低速クロック信号を基にした所定の単位時間ごとにそれぞれの時点における最新のクロック偏差データを足し合わせた累計値を記憶する累計値記憶手段と、累計を行った回数を記憶する累計回数記憶手段と、累計値記憶手段の記憶した累計値を累計回数と前記単位時間の積で除して累計を行った期間におけるクロック偏差の平均を求める平均クロック偏差算出手段とを備え、平均クロック偏差算出手段で求められたクロック偏差の平均を用いて低速クロック信号の周波数あるいは時刻を修正することを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末装置。
- 前記所定の時間帯は、相手先との通信が行われる時間帯であることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末装置。
- 前記低速クロック信号を入力して時刻の管理を行う時刻管理手段と、この時刻管理手段によって管理される時刻を表示する表示手段を具備することを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末装置。
- 前記高速クロック信号生成手段は温度に対する周波数の変動を補正した温度補償手段を具備することを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末装置。
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