JP3713020B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特にゲート幅の狭いトランジスタにおいて発生する逆ナローチャネル効果の抑制対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置(LSI)の低コスト化のため、LSI中に配置されるSRAM回路の高密度化が強く要望されている。SRAM回路の高密度化のためには、SRAM回路の要素であるトランジスタのゲート長の微細化も重要であるが、各素子間を分離している素子分離幅の縮小化も避けては通れない。そして、素子分離幅の縮小のためには、トランジスタのゲート幅の縮小化が必須となってきている。
【0003】
ここで、トランジスタのゲート幅を縮小していくと、しきい値電圧が低下するという逆ナロー効果が顕著になる。逆ナロー効果が発生すると、ゲート幅が相異なるトランジスタ間でしきい値電圧が相異なることとなり、リーク電流,飽和電流のばらつきが発生したり、回路性能の低下を招くこととなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そこで、従来より、逆ナロー現象を回避する手段として、以下のような半導体装置の製造方法が行なわれている。
【0005】
図5(a)〜図5(e)は、従来の半導体装置の製造工程を示すゲート幅方向における断面図である。
【0006】
図5(a)〜図5(e)に示す半導体装置は、ロジック回路形成領域Rlogcとメモリ回路形成領域Rmemoとを有している。ロジック回路形成領域Rlogcには、約0.4μmという広いゲート幅を有するロジック用MISトランジスタLtrが形成される。メモリ回路形成領域Rmemoには、約0.1μmという狭いゲート幅を有するメモリセルMISトランジスタMtrs と、ゲート幅が約0.4μmとゲート幅の広い周辺用MISトランジスタMtrl とが形成される。
【0007】
まず、図5(a)に示す工程で、P型半導体基板101の全面上に、下敷き酸化膜102及び窒化膜103を順次形成した後、窒化膜103上に活性領域形成領域を覆うレジストマスク104を形成する。
【0008】
次に、図5(b)に示す工程で、レジスト膜104をマスクにして、ドライエッチングにより窒化膜103及び下敷き酸化膜102のエッチングを行ない、保護絶縁膜103a及び下地絶縁膜102aを形成した後、レジスト膜104を除去する。
【0009】
次に、図5(c)に示す工程で、周知のトレンチ分離形成工程により、保護絶縁膜103aをマスクにして、ドライエッチングにより半導体基板101を所定の深さまで掘り込んで分離溝(図示せず)を形成した後、基板の全面上に高密度プラズマ法により酸化膜(HDP−NSG膜)を堆積する。その後、CMP法を用いて、HDP−NSG膜のうち保護絶縁膜103a上に位置する部分を除去した後、エッチングにより、保護絶縁膜103a及び下地絶縁膜102aを選択的に除去する。これにより、分離溝にHDP−NSG膜が埋め込まれた素子分離105が形成される。
【0010】
次に、図5(d)に示す工程で、半導体基板101の活性領域上に酸化膜からなる保護膜106を形成した後、ロジック用MISトランジスタLtrのしきい値電圧を制御するためのP型不純物(例えばボロン(B+ )又はフッ化ボロン(BF2 +))のイオン注入を行ない、ロジック回路形成領域Rlogcに第1の低濃度不純物注入領域107を形成する。このとき、メモリ回路形成領域Rmemoにも第1の低濃度不純物注入領域107が形成される。
【0011】
次に、図5(e)に示す工程で、基板上に、メモリ回路形成領域Rmemoが開口され、ロジック回路形成領域Rlogcを覆うレジスト膜108を形成した後、レジスト膜108をマスクにして、メモリセルMISトランジスタMtrs のしきい値電圧を制御するためのP型不純物(例えばボロン(B+ )又はフッ化ボロン(BF2 +))の追加イオン注入(追加しきい値注入)を行ない、メモリ回路形成領域Rmemoに第2の低濃度不純物注入領域109を形成する。
【0012】
その後、レジスト膜108を除去した後、保護膜106を除去する。その後、ゲート絶縁膜、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等の形成を行なうことによって、ロジック回路形成領域Rlogcにはゲート幅の広いロジック用MISトランジスタLtrが形成され、メモリ回路形成領域Rmemoにはゲート幅の狭いメモリセルMISトランジスタMtrs とゲート幅の広い周辺用MISトランジスタMtrl とが形成される。そして、第1,第2の低濃度不純物注入領域107,109中の不純物は、熱酸化工程や不純物活性化のためのRTA処理などによって拡散し、第1,第2の不純物拡散領域が形成される。
【0013】
この従来の製造方法によれば、ゲート幅の狭い領域で発生するしきい値電圧低下を、追加イオン注入によって制御することが出来る。これにより、ゲート幅の広いロジック用MISトランジスタLtrのしきい値電圧と、ゲート幅の狭いメモリセルMISトランジスタMtrs のしきい値電圧とをほぼ同一のしきい値電圧に制御することができる。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−233729号公報(第2頁、図2−図5)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の製造方法では、図5(e)に示すように、メモリ回路形成領域Rmemoに、しきい値制御用不純物の追加イオン注入を行なうことにより、ゲート幅の広いロジック用MISトランジスタLtrのしきい値制御用不純物拡散領域と、ゲート幅の狭いメモリセルMISトランジスタMtrs のしきい値制御用不純物拡散領域との各不純物濃度を同程度にして、両トランジスタLtr,Mtrs の各しきい値電圧をほぼ同一に制御している。
【0016】
しかしながら、図5(e)に示す工程において、メモリ回路形成領域Rmemoの周辺用MISトランジスタMtrl 形成領域にも第2の低濃度不純物注入領域109が形成される。そのため、周辺用MISトランジスタMtrl のしきい値制御用不純物拡散領域の不純物濃度が高くなって、周辺用MISトランジスタMtrl のしきい値電圧が上昇し、同じゲート幅のロジック用MISトランジスタLtrのしきい値電圧よりも高くなってしまうという不具合がある。
【0017】
図6は、従来の技術を用いて形成されたMISトランジスタのゲート幅としきい値電圧の関係を示す図である。図6から明らかなように、メモリ回路形成領域Rmemoの各MISトランジスタMtrs ,Mtrl のしきい値電圧は、追加イオン注入によってロジック回路形成領域Rlogcのロジック用MISトランジスタLtrのしきい値電圧に対して全体的に高くなる。このため、ロジック用MISトランジスタLtrとメモリセルMISトランジスタMtrs は、ほぼ同一のしきい値電圧になるが、周辺用MISトランジスタMtrl はロジック用MISトランジスタLtrよりもしきい値電圧が高くなる(図6に示す例では、しきい値電圧の差が約100meV)。
【0018】
本発明の目的は、ゲート幅の異なる複数のMISトランジスタを有する半導体装置において、ゲート幅の狭いトランジスタにおいて発生する逆ナロー特性を抑制することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、第1の活性領域を有する半導体基板と、上記第1の活性領域に設けられ、第1のゲート幅を有する第1のMISトランジスタとを備え、上記第1のMISトランジスタは、第1導電型不純物を含み,上記第1の活性領域のゲート幅方向に平行な断面における中央部で互いに接触する2つの第1の不純物拡散領域を有するしきい値制御用不純物拡散領域を有している。
【0020】
これにより、2つの大傾角のイオン注入を利用して、逆ナロー現象が生じやすいほど小さい第1のゲート幅を有する第1のMISトランジスタのしきい値電圧を容易に制御することが可能になる。
【0021】
上記第1のMISトランジスタの上記しきい値制御用不純物拡散領域は、実質的に均一な濃度の第1導電型不純物を含む第2の不純物拡散領域をさらに有することにより、不純物濃度をより細やかに制御することができる。
【0022】
上記半導体基板は第2の活性領域を有しており、上記第2の活性領域には、上記第1のゲート幅よりも大きい第2のゲート幅を有する第2のMISトランジスタが設けられており、上記第2のMISトランジスタは、第1導電型不純物を含み,ゲート幅方向に平行な断面における中央部を挟んで互いに離間している2つの第1の不純物拡散領域と、実質的に均一な濃度の第1導電型不純物を含む第2の不純物注入領域とを有していることにより、第1の活性領域における第1導電型不純物の素子分離への吸収に起因する濃度の低下度合が、第2の活性領域における第1導電型不純物の素子分離への吸収に起因する不純物濃度の低下度合よりも大きくても、逆ナロー現象を抑制しつつ、第1,第2のMISトランジスタのしきい値電圧を同じ程度に制御することができる。
【0023】
上記半導体基板は第3の活性領域を有しており、上記第3の活性領域には、上記第1のゲート幅よりも大きい第3のゲート幅を有する第3のMISトランジスタが設けられており、上記第3のMISトランジスタは、実質的に均一な濃度の第1導電型不純物を含む第2の不純物注入領域を有するしきい値制御用不純物拡散領域を有していることにより、第1,第2,第3のMISトランジスタの角しきい値電圧を同じ程度に制御することができる。
【0024】
上記半導体装置は、メモリセル領域及び周辺回路を有するSRAMと、ロジック回路とを備えており、上記第1のMISトランジスタは、上記SRAMのメモリセル領域に配置されるメモリセルトランジスタであり、上記第2のMISトランジスタは、上記SRAMの周辺回路に配置される周辺用トランジスタであり、上記第3のMISトランジスタは、上記ロジック回路に配置されるロジック用MISトランジスタであることにより、特に微細化が要求され、ゲート幅の小さいメモリセルMISトランジスタを有するSRAM,ロジック混載型半導体装置のしきい値電圧を適正に制御することができる。
【0025】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、第1のMISトランジスタの第1の活性領域を覆い、第1の活性領域を囲む素子分離形成領域の上方に位置する部分に開口を有する保護絶縁膜を形成する工程(a)と、上記保護絶縁膜をマスクにして、上記第1の活性領域に、ゲート幅方向に平行な断面において上記半導体基板の主面に垂直な方向に対して互いに逆方向に傾いた2つの方向からしきい値制御用不純物のイオン注入を行なって、第1の活性領域の中央部で接触する2つの第1の不純物注入領域を形成する工程(b)と、上記工程(b)の後に、上記保護絶縁膜をマスクにして上記半導体基板のエッチングを行なって、上記第1の活性領域を囲む分離用溝を形成した後、上記分離用溝内に絶縁膜を埋め込んで素子分離を形成する工程(c)とを含んでいる。
【0026】
この方法により、工程(b)において、分離用溝を形成するための保護絶縁膜を注入マスクとする2つの大傾角のイオン注入を利用して、逆ナロー現象が生じやすいほど小さい第1のゲート幅を有する第1のMISトランジスタのしきい値電圧を容易に制御することが可能になる。
【0027】
上記工程(c)の後に、上記保護絶縁膜を除去する工程(d)と、上記工程(d)の後に、上記第1の活性領域に、しきい値電圧制御用不純物のイオン注入を行なって、実質的に均一な不純物濃度を有する第2の不純物注入領域を形成する工程(e)とをさらに含むことにより、より細やかに第1のMISトランジスタのしきい値電圧制御することが可能になる。
【0028】
上記工程(a)では、上記第1のゲート幅よりも大きい第2のゲート幅を有する第2のMISトランジスタの第2の活性領域を覆い、第2の活性領域を囲む素子分離形成領域の上方に位置する部分に開口を有するように、上記保護絶縁膜を形成し、上記工程(b)では、上記第2の活性領域に、中央部を挟んで互いに離間する2つの第1の不純物注入領域を形成し、上記工程(c)では、上記第2の活性領域を囲むように、上記分離用溝及び素子分離を形成し、上記工程(e)では、上記第2の活性領域に実質的に均一な不純物濃度を有する第2の不純物注入領域を形成するように、上記しきい値電圧制御用不純物のイオン注入を行なうことにより、共通の注入マスクを用いたイオン注入により、第1のMISトランジスタにおける逆ナロー現象を抑制しつつ、ゲート幅が相異なる第1,第2のMISトランジスタのしきい値電圧を同程度に制御することができる。
【0029】
上記工程(a)では、上記第1のゲート幅よりも大きい第3のゲート幅を有する第3のMISトランジスタの第3の活性領域を覆い、第3の活性領域を囲む素子分離形成領域の上方に位置する部分に開口を有するように、上記保護絶縁膜を形成し、上記工程(b)では、少なくとも上記第3の活性領域を覆うレジストマスクを形成した後、上記保護絶縁膜及び上記レジストマスクをマスクとして、上記しきい値制御用不純物のイオン注入を行ない、上記工程(c)では、上記レジストマスクを除去した後、上記第3の活性領域を囲むように、上記分離用溝及び素子分離を形成し、上記工程(e)では、上記第3の活性領域に、実質的に均一な不純物濃度を有する第2の不純物注入領域を形成するように上記しきい値電圧制御用不純物のイオン注入を行なうことにより、第1,第2,第3のMISトランジスタのしきい値電圧を同程度に制御することができる。
【0030】
上記第1のMISトランジスタとして、SRAMのメモリセル領域に配置されるメモリセルトランジスタを形成し、上記第2のMISトランジスタとして、上記SRAMの周辺回路に配置される周辺用トランジスタを形成し、上記第3のMISトランジスタとして、ロジック回路に配置されるロジック用MISトランジスタを形成することにより、特に微細化が要求され、ゲート幅の小さいメモリセルMISトランジスタを有するSRAM,ロジック混載型半導体装置のしきい値電圧を適正に制御する製造方法の提供を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置の平面図である。図1に示すように、本発明の半導体装置10には、各種演算や制御を行なうロジック回路50と、メモリセル領域52及び周辺回路53とを有するSRAM51と、ロジック回路50及びSRAM51と外部機器との信号の授受を行なうためのI/O回路54とを備えている。
【0032】
図2(a)〜図2(e)は、本発明の実施形態に係る半導体装置10の製造工程を示すゲート幅方向における断面図である。
【0033】
図2(a)〜図2(e)に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、ロジック回路形成領域Rlogcとメモリ回路形成領域Rmemoとを有し、ロジック回路形成領域Rlogcの活性領域Racには、ゲート幅が約0.4μmとゲート幅の広いロジック用MISトランジスタLtrが形成され、メモリ回路形成領域Rmemoの2つの活性領域Racには、それぞれ、約0.1μmという狭いゲート幅を有するメモリセルMISトランジスタMtrs と、約0.4μmという広いゲート幅を有する周辺用MISトランジスタMtrl とが形成される。
【0034】
まず、図2(a)に示す工程で、P型半導体基板1の全面上に、厚さ20nmの酸化膜2と、厚さ100nmの窒化膜3とを順次形成した後、窒化膜3上に、各MISトランジスタの各活性領域Racを覆い、活性領域を囲む素子分離を形成しようとする領域(素子分離形成領域)の上方に開口を有するレジスト膜4を形成する。
【0035】
次に、図2(b)に示す工程で、レジスト膜4をマスクとしてドライエッチングを行なうことにより、窒化膜3及び酸化膜2をパターニングして、各MISトランジスタの各活性領域Racを覆い、素子分離を形成しようとする領域(素子分離形成領域)の上方に開口を有する保護絶縁膜3a(エッチングマスク)及び下敷き絶縁膜2aを形成した後、レジスト膜4を除去する。
【0036】
次に、図2(c)に示す工程で、基板上に、メモリ回路形成領域Rmemoの上方に開口を有し、ロジック回路形成領域Rlogcを覆うレジスト膜5を形成する。その後、レジスト膜5及び保護絶縁膜3aを注入マスクとして用い、メモリセルMISトランジスタMtrs のしきい値電圧を制御するためのP型不純物(例えばボロン(B+ )又はフッ化ボロン(BF2 +))のイオン注入(しきい値制御用不純物の注入)を行なうことにより、メモリ回路形成領域Rmemoの各活性領域Racに第1の低濃度不純物注入領域6を形成する。このとき、P型不純物のイオン注入は、ゲート幅方向に平行な断面において半導体基板1の主面に垂直な方向から角度10°〜30°程度傾いた方向から、加速エネルギー10〜30keV,ドーズ量1×1012cm-2〜1×1013cm-2,4ステップの条件により注入する。
【0037】
このとき、メモリ回路形成領域RmemoのメモリセルMISトランジスタMtrs の活性領域Racにおいては、ゲート幅方向に平行な断面において、保護絶縁膜3a及び下敷き絶縁膜2aの下方において、半導体基板1の主面に垂直な方向から互いに逆方向に傾いた2つの方向からのイオン注入によって形成された2つの第1の低濃度不純物注入領域6がオーバーラップするようにイオン注入を行なう。このときの適正な傾き角は、保護絶縁膜3a及び下敷き絶縁膜2aの厚さによっても変わるが、一般には、10°以上で30°以下であることが好ましい。また、ゲート幅方向に平行な断面において、メモリ回路形成領域Rmemoの周辺用MISトランジスタMtrl の活性領域Racにおける保護絶縁膜3aの各端部下方に位置する領域にも、2つの第1の低濃度不純物注入領域6が形成されているが、両者は中央部を挟んで互いに離間している。一方、ロジック回路形成領域Rlogcは、イオン注入の際にレジスト膜5によって覆われているので、低濃度不純物注入領域は形成されない。
【0038】
ここで、図2(c)に示す工程における第1の低濃度不純物注入領域6の形成の際に、4ステップのイオン注入を行なっているので、図2(c)に示す断面とは異なるゲート長方向に平行な断面においても、素子分離7に近接する部分に第1の低濃度不純物注入領域6が形成される。つまり、4つの第1の低濃度不純物注入領域6が形成されることになるが、ゲート長方向に平行な断面においては、ソース・ドレイン領域となる領域の周辺部のみに第1の低濃度不純物注入領域6が形成され、その後のソース・ドレイン領域形成の際の第2導電型不純物(ヒ素,リンなどのN型不純物)の注入によって、ゲート長に平行な断面において形成される第1の低濃度不純物注入領域6は、N型に変化する。よって、ゲート長に平行な断面におけるしきい値制御用不純物注入領域の存在は考慮する必要がない。
【0039】
次に、図2(d)に示す工程で、レジスト膜5を除去した後、周知のトレンチ分離形成工程により、保護絶縁膜3aをマスクにして、ドライエッチングにより半導体基板1の一部を所定の深さ(例えば、深さ250〜300nm)までエッチングを行なって分離用溝を形成した後、半導体基板1上の全面に高密度プラズマ法により厚さ600nmのシリコン酸化膜(HDP−NSG膜)を堆積する。その後、CMPによる平坦化工程により、HDP−NSG膜のうち保護絶縁膜3a上に位置する部分を除去した後、保護絶縁膜3a及び下敷き絶縁膜2aを選択的に除去する。これにより、分離用溝にHDP−NSG膜が埋め込まれ、活性領域Racを囲む素子分離7が形成される。その後、半導体基板1の熱酸化を行なって、半導体基板1の活性領域Rac上にシリコン酸化膜からなる保護膜8を形成する。このとき、半導体基板1内に注入されたP型不純物(例えばボロン)が拡散するので、第1の低濃度不純物注入領域6中の不純物が拡散した第1の低濃度不純物拡散領域6’が形成される。
【0040】
次に、図2(e)に示す工程で、半導体基板1内に、ロジック用MISトランジスタLtrのしきい値電圧を制御するためのP型不純物(例えばボロン(B+ )又はフッ化ボロン(BF2 +))のイオン注入(しきい値注入)を行ない、ロジック回路形成領域Rlogcに第2の低濃度不純物注入領域9を形成する。このとき、P型不純物のイオン注入は、半導体基板1の主面に実質的に垂直な方向(傾き角度7°以下)から、加速エネルギー10〜30keV,ドーズ量1×1012cm-2〜1×1014cm-2の条件により注入する。
【0041】
このイオン注入の直後において、メモリ回路形成領域RmemoのメモリセルMISトランジスタMtrs の活性領域Racには、第1導電型不純物であるボロンを含み,ゲート幅方向の断面における各端部から延びて中央部で互いにオーバーラップする2つの第1の低濃度不純物拡散領域6’と、実質的に均一な濃度の第1電型不純物であるボロンを含む第2の低濃度不純物注入領域9とが混在している。
【0042】
また、メモリ回路形成領域Rmemoの周辺用MISトランジスタMtrl の活性領域Racには、ゲート幅方向の断面における各端部から延びて中央部を挟んで互いに離間する2つの第1の低濃度不純物拡散領域6’と、実質的に均一な濃度の第1電型不純物であるボロンを含む第2の低濃度不純物注入領域9とが混在している。
【0043】
一方、ロジック回路形成領域Rlogcのロジック用MISトランジスタLtrの活性領域Racには、実質的に均一な濃度の第1電型不純物であるボロンを含む第2の低濃度不純物注入領域9が存在している。
【0044】
その後、保護膜6を除去した後、ゲート絶縁膜、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等の形成を行なうことによって、ロジック回路形成領域Rlogcには、ゲート幅の広いロジック用MISトランジスタLtrが形成され、メモリ回路形成領域Rmemoにはゲート幅の狭いメモリセルMISトランジスタMtrs とゲート幅の広い周辺用MISトランジスタMtrl が形成される。そのとき、第2の低濃度不純物拡散領域9中の不純物も活性化されるとともに拡散して、第2の低濃度不純物拡散領域9’(図3(a)参照)が形成される。
【0045】
なお、図2(a)〜図2(e)に示す断面図においては、Nチャネル型MISトランジスタのみが図示されているが、各回路にはPチャネル型MISトランジスタも設けられている。ただし、Pチャネル型MISトランジスタの場合、しきい値制御用不純物拡散領域にヒ素などのN型不純物がドープされるが、N型不純物の場合,特にヒ素の場合には、逆ナロー現象が顕著になるほど素子分離用絶縁膜に吸い込まれることがないので、本実施形態においては、図示を省略している。
【0046】
図3(a),(b)は、それぞれ順に、上述の工程の結果形成された半導体装置のゲート幅方向に平行な断面及びゲート長方向に平行な断面における構造を示す断面図である。図3(a),(b)においても、Nチャネル型MISトランジスタのみが図示されているが、各回路にはPチャネル型MISトランジスタも設けられている。
【0047】
図3(a),(b)に示すように、ロジック回路形成領域Rlogcのロジック用MISトランジスタLtrは、半導体基板1の上に設けられた厚さ2nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜21aと、ゲート絶縁膜21aの上に設けられたポリシリコン膜からなるゲート長が0.1μmのゲート電極22aと、ゲート電極22aの側面を覆うサイドウォール26aと、半導体基板1内におけるゲート電極22aの両側方に位置する領域に設けられたN型不純物を含むソース・ドレイン領域23aと、ソース・ドレイン領域23a間に設けられた濃度7×1017atoms ・cm-3のP型不純物を含むしきい値制御用不純物拡散領域24aとを有している。ここで、ソース・ドレイン領域23aは、濃度1×1020atoms ・cm-3のN型不純物を含むエクステンション領域と濃度1×1021atoms ・cm-3のN型不純物を含む高濃度ソース・ドレイン領域とによって構成されている。また、しきい値制御用不純物拡散領域24aには、第2の低濃度不純物注入領域9から拡散した実質的に均一な濃度の第1導電型不純物(ボロン)を含む第2の低濃度不純物拡散領域9’が存在している。
【0048】
また、メモリ回路形成領域RmemoのメモリセルMISトランジスタMtrs は、半導体基板1の上に設けられた厚さ2nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜21bと、ゲート絶縁膜21bの上に設けられたポリシリコン膜からなるゲート長が0.1μmのゲート電極22bと、ゲート電極22bの側面を覆うサイドウォール26bと、半導体基板1内におけるゲート電極22bの両側方に位置する領域に設けられたN型不純物を含むソース・ドレイン領域23bと、ソース・ドレイン領域23b間に設けられた濃度9×1017atoms ・cm-3のP型不純物を含むしきい値制御用不純物拡散領域24b(チャネル領域を含む)とを有している。ここで、ソース・ドレイン領域23bは、濃度1×1020atoms ・cm-3のN型不純物を含むエクステンション領域と濃度1×1021atoms ・cm-3のN型不純物を含む高濃度ソース・ドレイン領域とによって構成されている。また、しきい値制御用不純物拡散領域24bには、第1導電型不純物であるボロンを含み,ゲート幅方向の断面における各端部から延びて中央部で互いにオーバーラップする2つの第1の低濃度不純物拡散領域6’と、実質的に均一な濃度の第1電型不純物であるボロンを含む第2の低濃度不純物拡散領域9’とが混在している。
【0049】
また、メモリ回路形成領域Rmemoの周辺用MISトランジスタMtrl は、半導体基板1の上に設けられた厚さ2nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜21cと、ゲート絶縁膜21cの上に設けられたポリシリコン膜からなるゲート長が0.1μmのゲート電極22cと、ゲート電極22cの側面を覆うサイドウォール26cと、半導体基板1内におけるゲート電極22cの両側方に位置する領域に設けられたN型不純物を含むソース・ドレイン領域23cと、ソース・ドレイン領域23c間に設けられた濃度7×1017atoms ・cm-3のP型不純物を含むしきい値制御用不純物拡散領域24cとを有している。ここで、ソース・ドレイン領域23cは、濃度1×1020atoms ・cm-3のN型不純物を含むエクステンション領域と濃度1×1021atoms ・cm-3のN型不純物を含む高濃度ソース・ドレイン領域とによって構成されている。また、しきい値制御用不純物拡散領域24cには、ゲート幅方向の断面における各端部から延びて中央部を挟んで互いに離間する2つの第1の低濃度不純物拡散領域6’と、実質的に均一な濃度の第1電型不純物であるボロンを含む第2の低濃度不純物注入領域9とが混在している。ただし、第1の低濃度不純物拡散領域6’の面積は、しきい値制御用不純物拡散領域24c全体の面積に比較して極めて小さいので、しきい値制御用不純物拡散領域24cの不純物濃度は、ロジック用MISトランジスタのしきい値制御用不純物拡散領域24aの不純物濃度と実質的にはほとんど同じと考えてよい。
【0050】
そして、各MISトランジスタのしきい値制御用不純物拡散領域24a,24b,24cを比べると、メモリ回路形成領域RmemoのメモリセルMISトランジスタMtrs のしきい値制御用不純物拡散領域24bのP型不純物の濃度は、互いにオーバーラップする2つの第1の低濃度不純物拡散領域6’と第2の低濃度不純物拡散領域9’との各不純物濃度が加算された不純物濃度になっているので、ロジック用MISトランジスタLtrのしきい値制御用不純物拡散領域24aや、周辺用MISトランジスタMtrl のしきい値制御用不純物拡散領域24cよりも高濃度のP型不純物を含んでいる。
【0051】
一般に、半導体装置の製造工程においては、図2(d)に示す熱酸化工程や、その後のゲート絶縁膜の形成のための熱酸化工程、あるいは必要に応じて行なわれる不純物拡散のための熱処理(RTA)などのたびに、しきい値制御用不純物拡散領域24a〜24c中のボロンが素子分離7のシリコン酸化膜に吸い込まれる。その結果、特にゲート幅が狭い(つまり面積が小さい)メモリセルMISトランジスタMtrs のしきい値制御用不純物拡散領域24bにおけるボロン濃度の低下割合は、比較的ゲート幅が広い他のMISトランジスタLtr,Mtrl のしきい値制御用不純物拡散領域24a,24cにおけるボロン濃度の低下割合よりも大きい。
【0052】
しかし、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、図2(c)に示す工程で、斜めイオン注入を利用して、メモリセルMISトランジスタMtrs を形成しようとする領域に、逆方向からのイオン注入によって2つの第1の低濃度不純物注入領域6を互いにオーバーラップするように形成している。したがって、図2(e)に示す工程で、ロジック回路形成領域Rlogc及びメモリ回路形成領域Rmemoに対して、同じ条件で第2の低濃度不純物注入領域9を形成すると、メモリセルMISトランジスタMtrs のゲート幅方向に平行な断面における活性領域Racは、ロジック用MISトランジスタ及び周辺用MISトランジスタMtrl のゲート幅方向に平行な断面における各活性領域Racよりも高い不純物濃度を有している。したがって、その後の熱処理によって不純物の拡散が行なわれた後においても、図3(a),(b)に示す状態で、メモリセルMISトランジスタMtrs のしきい値制御用不純物拡散領域24bにおける不純物濃度は、素子分離7へのボロンの吸収を考慮しても、ロジック用MISトランジスタLtr,周辺用MISトランジスタMtrl の各しきい値制御用不純物拡散領域24a,24cの不純物濃度と同等もしくはそれ以上になっている。よって、本実施形態の半導体装置においては、熱処理の際にボロンが素子分離用絶縁膜に吸い込まれることに起因するしきい値制御用不純物拡散領域24bの濃度低下を補償して、閾低電圧の低下を抑制することができる。
【0053】
従来の技術では、ロジック用MISトランジスタLtrのしきい値制御用不純物拡散領域24aの不純物注入量と、メモリセルMISトランジスタMtrs 及び周辺用MISトランジスタMtrl の各不純物拡散領域24b,24cとで、不純物注入量を異ならせることは可能であった。しかし、メモリセルMISトランジスタMtrs 及び周辺用MISトランジスタMtrl の各不純物拡散領域24b,24cの注入量を異ならせることは困難であった。メモリセルMISトランジスタMtrs 及び周辺用MISトランジスタMtrl の各不純物拡散領域24b,24cに対して、個別の注入マスクを用い,ドーズ量を相異ならせてイオン注入を行なうことは、両者が近接していることから実際上各種の不具合を招くおそれがあるからである。
【0054】
それに対し、本実施形態では、メモリセルMISトランジスタMtrs のゲート幅がロジック用MISトランジスタLtr及び周辺用MISトランジスタMtrl のゲート幅よりも大幅に小さい点に着目し、図2(c)に示す工程で、共通の注入マスクである保護絶縁膜3aを用いた斜めイオン注入を利用して、ゲート幅の小さいメモリセルMISトランジスタMtrs を形成しようとする領域に、逆方向からのイオン注入によって2つの第1の低濃度不純物注入領域6を互いにオーバーラップするように形成している。これにより、個別の注入マスクを用いたイオン注入を行なわなくても、メモリセルMISトランジスタMtrs のゲート幅方向に平行な断面における活性領域Racの不純物濃度を、周辺用MISトランジスタMtrl のゲート幅方向に平行な断面における活性領域Racの不純物濃度よりもよりも高くすることができる。よって、上述の作用効果を発揮することができるのである。
【0055】
図4は、本実施形態の半導体装置における各MISトランジスタのゲート幅としきい値電圧との関係を示す図である。図4から明らかなように、メモリ回路形成領域RmemoのメモリセルトランジスタMtrs のしきい値電圧は、ロジック用トランジスタLtrのしきい値電圧に対して、ゲート幅が0.3μm以上では同程度である。しかし、ゲート幅が0.3μm未満になると、ロジック回路領域RlogcのMISトランジスタのしきい値電圧は、ゲート幅が狭くなるほど低下する。これは、素子分離7を構成するシリコン酸化膜にボロンが吸収されるためと考えられる。一方、メモリ回路領域Rmemoにおいては、ゲート幅が狭くなるほど、図2(c)に示す2つの第1の低濃度不純物注入領域6のオーバーラップ量が大きくなるので、ゲート幅が狭くなるほど不純物の注入量が増大する。そして、メモリ回路形成領域Rmemoにおいては、ゲート幅の縮小に対するしきい値制御用不純物(ボロン)の注入量の増大と、素子分離7へのボロンの吸収量とが相殺されるので、しきい値電圧の低下が抑制されるのである。言い換えると、本実施形態の半導体装置においては、ゲート幅が0.3μm以下になると、メモリ回路形成領域RmemoのMISトランジスタのしきい値電圧と、ロジック回路形成領域RlogcのMISトランジスタのしきい値電圧との差は、ゲート幅が狭くなるほど大きくなる。
【0056】
その結果、図4に示すように、本実施形態の工程によって形成された半導体装置においては、ロジック用MISトランジスタLtr,メモリセルMISトランジスタMtrs 及び周辺用MISトランジスタMtrl のしきい値電圧がほぼ同一に保持されることになる。よって、ゲート幅の大きい周辺用MISトランジスタのしきい値電圧の上昇を抑制しつつ,ゲート幅の狭いメモリセルMISトランジスタにおける逆ナロー現象を防止することができる。
【0057】
ただし、図4に示すように、ゲート幅が0.1μm以下になると、素子分離7へのボロンの吸い込みなどに起因するしきい値電圧の低下がみられるが、ゲート幅の変化に対するしきい値電圧の変化パターンは、図2(c)に示すイオン注入工程におけるイオン注入の方向と半導体基板1の主面に垂直な方向との角度の調整によって変更させることが可能である。
【0058】
上記実施形態においては、図2(c)に示す工程において、2つの第1の低濃度不純物注入領域6がゲート幅方向に平行な断面における活性領域Racの中央部で互いにオーバーラップするように、イオン注入を行なったが、その際には2つの第1の低濃度不純物注入領域6が互いに接触していれば、半導体装置の製造工程が終了した時点で、2つの低濃度不純物注入領域6から拡散した不純物が存在する2つの第1の低濃度不純物拡散領域6’が互いにオーバーラップするので、本発明の効果を発揮することは可能である。ただし、半導体装置の製造工程全体が終了した段階で、ゲート電極の下方において、しきい値制御用不純物拡散領域24bの不純物濃度ができるだけ均一であることが好ましい。半導体装置の種類によって熱処理条件が異なるが、一般には、ゲート電極の下方において、しきい値制御用不純物拡散領域24bの不純物濃度が均一であるためには、図2(c)に示す工程において、2つの第1の低濃度不純物注入領域6がオーバーラップしていることが、その後の熱処理条件を複雑化する必要がない点で好ましい。
【0059】
図2(c)に示すイオン注入の際、ゲート幅方向に平行な断面における半導体基板の主面に垂直な方向から10°〜30°傾いた方向から行なうことが好ましい。また、図2(c)に示すイオン注入の条件は、加速電圧(注入エネルギー)が5keV〜30keV,ドーズ量が1×1012atoms ・cm-3〜1×1014atoms ・cm-3が一般的である。
【0060】
また、保護絶縁膜3aの厚さは、5nm〜30nmの範囲にあることが好ましい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、小さいゲート幅を有するMISトランジスタのしきい値を制御するために、分離用溝を形成するためのエッチングマスクを用いた大傾角角のイオン注入により、ゲート幅方向に平行な断面における活性領域の中央部で互いに接触するように2つの低濃度不純物注入領域を形成したので、逆ナロー現象が生じやすいほど小さいゲート幅を有するMISトランジスタのしきい値電圧を容易に制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示すゲート幅方向に平行な断面における断面図である。
【図3】(a),(b)は、それぞれ順に、本発明の実施形態の製造工程の結果形成された半導体装置のゲート幅方向に平行な断面及びゲート長方向に平行な断面における構造を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態の半導体装置における各MISトランジスタのゲート幅としきい値電圧との関係を示す図である。
【図5】(a)〜(e)は、従来の半導体装置の製造工程を示すゲート幅方向における断面図である。
【図6】従来の技術を用いて形成されたMISトランジスタのゲート幅としきい値電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 酸化膜
2a 下敷き絶縁膜
3 窒化膜
3a 保護絶縁膜
4 レジスト膜
5 レジスト膜
6 第1の低濃度不純物注入領域
6’ 第1の低濃度不純物拡散領域
7 素子分離
8 保護膜
9 第2の低濃度不純物注入領域
9’ 第2の低濃度不純物拡散領域
21 ゲート絶縁膜
22 ゲート電極
23 ソース・ドレイン領域
24 しきい値制御用不純物拡散領域
26 サイドウォール
Rac 活性領域
Rlogc ロジック回路形成領域
Rmemo メモリ回路形成領域
Ltr ロジック用MISトランジスタ
Mtrs メモリセルMISトランジスタ
Mtrl 周辺用MISトランジスタ

Claims (8)

  1. 第1の活性領域及び第2の活性領域を有する半導体基板と、
    上記第1の活性領域に設けられ、第1のゲート幅を持つ第1のゲート電極を有する第1のMISトランジスタと、
    上記第2の活性領域に設けられ、上記第1のゲート幅よりも大きい第2のゲート幅を持つ第2のゲート電極を有する第2のMISトランジスタとを備え、
    上記第1のゲート電極の下方に位置する上記第1の活性領域部分に、上記第1のゲート電極のゲート幅方向の両端部から各々伸び且つ中央部において互いに接触する2つの第1の不純物拡散領域と、均一な不純物濃度を有する第2の不純物拡散領域とを備える第1のしきい値制御用不純物拡散領域が形成されていると共に、
    上記第2のゲート電極の下方に位置する上記第2の活性領域部分に、上記第2のゲート電極のゲート幅方向の両端部から各々伸び且つ中央部を挟んで互いに離間している2つの第3の不純物拡散領域と、均一な不純物濃度を有する第4の不純物拡散領域とを備える第2のしきい値制御用不純物拡散領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項に記載の半導体装置において、
    上記半導体装置は、メモリセル領域及び周辺回路を有するSRAMを備えており、
    上記第1のMISトランジスタは、上記SRAMのメモリセル領域に配置されるメモリセルトランジスタであり、
    上記第2のMISトランジスタは、上記SRAMの周辺回路に配置される周辺用トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    上記半導体基板は第3の活性領域を有しており、
    上記第3の活性領域に設けられ、上記第1のゲート幅よりも大きい第3のゲート幅を持つ第3のゲート電極を有する第3のMISトランジスタを更に備え
    上記第3のゲート電極の下方に位置する上記第3の活性領域に、均一な不純物濃度を有する第5の不純物拡散領域からなる第3のしきい値制御用不純物拡散領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項3記載の半導体装置において、
    上記半導体装置は、ロジック回路をさらに備えており、
    上記第3のMISトランジスタは、上記ロジック回路に配置されるロジック用MISトランジスタであることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記第1〜第5の不純物拡散領域は、それぞれボロンが拡散されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 半導体基板上に、第1のMISトランジスタの第1の活性領域及び第2のMISトランジスタの第2の活性領域を覆い、上記第1の活性領域及び上記第2の活性領域を囲む素子分離形成領域の上方に位置する部分に開口部を有する保護絶縁膜を形成する工程(a)と、
    上記保護絶縁膜をマスクにして、上記第1の活性領域及び上記第2の活性領域、上記半導体基板の主面に垂直な方向に対してゲート幅方向に互いに逆方向に傾いた2つの方向から第1のしきい値制御用不純物をイオン注入する工程(b)と、
    上記工程(b)の後に、上記保護絶縁膜をマスクにして上記半導体基板のエッチングを行なって、上記第1の活性領域及び上記第2の活性領域をそれぞれ囲む分離用溝を形成した後、上記分離用溝内に絶縁膜を埋め込んで素子分離を形成する工程(c)と、
    上記工程(c)の後に、上記保護絶縁膜を除去する工程(d)と、
    上記工程(d)の後に、上記第1の活性領域及び上記第2の活性領域に、上記半導体基板の主面に垂直な方向から第2のしきい値制御用不純物をイオン注入する工程(e)とを備え、
    上記工程(b)において、上記第1のMISトランジスタにおける上記第1の活性領域に、上記第1のMISトランジスタのゲート幅方向の両端部から各々伸び且つ中央部にお いて互いに接触する2つの第1の不純物拡散領域を形成すると共に、上記第2のMISトランジスタにおける上記第2の活性領域に、上記第2のMISトランジスタのゲート幅方向の両端部から各々伸び且つ中央部を挟んで互いに離間している2つの第2の不純物拡散領域を形成し、
    上記工程(e)において、上記第1の活性領域に、均一な不純物濃度を有する第3の不純物拡散領域を形成する共に、上記第2の活性領域に、均一な不純物濃度を有する第4の不純物拡散領域を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(a)では、上記第1のゲート幅よりも大きい第3のゲート幅を有する第3のMISトランジスタの第3の活性領域を覆い、上記第3の活性領域を囲む素子分離形成領域の上方に位置する部分に開口を有するように、上記保護絶縁膜を形成し、
    上記工程(b)では、少なくとも上記第3の活性領域を覆うレジストマスクを形成した後、上記保護絶縁膜及び上記レジストマスクをマスクとして、上記第1のしきい値制御用不純物のイオン注入を行ない、
    上記工程(c)では、上記レジストマスクを除去した後、上記第3の活性領域を囲むように、上記分離用溝及び素子分離を形成し、
    上記工程(e)では、上記第3の活性領域に、均一な不純物濃度を有する第の不純物拡散領域を形成するように上記第2のしきい値制御用不純物のイオン注入を行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項記載の半導体装置の製造方法において、
    上記第1のMISトランジスタとして、SRAMのメモリセル領域に配置されるメモリセルトランジスタを形成し、
    上記第2のMISトランジスタとして、上記SRAMの周辺回路に配置される周辺用トランジスタを形成し、
    上記第3のMISトランジスタとして、ロジック回路に配置されるロジック用MISトランジスタを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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