JP2000355812A - 吹き出し防止裏地 - Google Patents

吹き出し防止裏地

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JP2000355812A
JP2000355812A JP11166658A JP16665899A JP2000355812A JP 2000355812 A JP2000355812 A JP 2000355812A JP 11166658 A JP11166658 A JP 11166658A JP 16665899 A JP16665899 A JP 16665899A JP 2000355812 A JP2000355812 A JP 2000355812A
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weft
yarn
lining
warp
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JP11166658A
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English (en)
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Hisaharu Takeuchi
久治 竹内
Tsuneo Igarashi
恒夫 五十嵐
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏地表面のイラツキや平滑性を損なうことな
く、且つ裏地の縫い代部分にオーバーロックや縁かがり
縫いを施さなくても裏地の経/緯糸が表地側に吹き出す
ことのない安価でソフトな風合いを有したポリエステル
系長繊維100%裏地及びポリエステル系長繊維とセル
ロース系長繊維の交織裏地及びセルロース系長繊維10
0%裏地を提供する。 【解決手段】 経糸がポリエステル系長繊維又はセルロ
ース系長繊維で、緯糸がポリエステル系長繊維の仮撚加
工糸又はポリエステル系長繊維の原糸、又はセルロース
系長繊維ので構成された織物であって、該織物の緯方向
の伸びが5〜12%、織物表面の動摩擦係数が0.20
〜0.45、下記(1)式で求められ織物緯糸リンプ指
数値が0.003〜0.013の範囲であり、且つ該織
物に対して繊維加工用樹脂製バインダーが0.1〜1.
0wt%付着していることを特徴とする吹き出し防止裏
地。 緯糸のクリンプ率/{経糸密度×(経糸の繊度)1/2 } ・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に春夏向けスー
ツに使用する裏地に関するものであり、具体的には、表
地表面上に裏地の経糸又は緯糸を構成するマルチフィラ
メント繊維が飛び出し、且つピリング状外観を呈したり
する、いわゆる吹き出しを防止したポリエステル系長繊
維100%裏地及びセルロース系長繊維/ポリエステル
系長繊維の交織裏地、セルロース系長繊維100%裏地
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】春夏向けスーツに使用する織物裏地の吹
き出し防止対策としては、従来縫製時に裁断端面の縫い
代をオーバーロックしたり、縁がかり縫い等を行って経
/緯マルチフィラメント繊維束が着用時にホツレない様
な処置がなされていた。しかし、近年衣料品の低価格化
に伴って縫製工程の合理化が計られ、織物裏地の裁断面
は何ら処置されることなく、裁断したそのままの状態で
縫製されている。この様なスーツを着用した場合、表地
の縫い代と裏地の縫い代が摩擦されたり、洗濯する事に
よって裏地縫い代部の経/緯マルチフィラメント繊維束
にホツレが生じ、かつ単糸バラケが起こり、表地側に裏
地が飛び出してくるという問題を抱えている。特に、春
夏向けに使用される表地は、近年特に軽量・清涼化が計
られているため表地の厚みが薄く、且つ織物密度も粗い
ものが主流であり、上記の問題が顕著に現れやすい。又
ファッションの多様化に伴って表地と裏地を異色使いに
した商品は、少しの飛び出しでも裏地の吹き出しがよく
目立ち洋服の外観を損なっている。
【0003】織物裏地に使用する経/緯縫い代部のホツ
レ及び単糸バラケを押さえる対策として、経/緯糸にイ
ンターレース加工を施す方法や追撚を施す方法等が考案
され実施されている。特公平6−60441号公報に於
いては経/緯糸の両方にインターレース加工を施すと共
に、さらに追撚を施した裏地が提案されているがインタ
ーレース加工と追撚の両方を施す為、コストアップとな
っている。又、インターレースの交絡数が10〜100
個/mで且つ追撚数が50〜800回/mであるため、
交絡部によるイラツキや追撚によるざらつき感が生じ、
裏地機能に重要な表面平滑性が低下するという問題も有
していた。これらの課題を解決する裏地として特開平1
1−61594号公報に於いては、追撚を経糸だけにと
どめ、緯糸には低交絡捲縮加工マルチフィラメントを用
い、織物のカバーファクターを適正化することが提案さ
れているが、追撚やインターレース加工を施す必要があ
り、イラツキや表面平滑性は軽微になるものの、やはり
コストアップとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イラ
ツキや表面平滑性を損なうことなく、且つ裏地の縫い代
部分にオーバーロックや縁がかり縫いを施さなくても裏
地の経/緯糸が表地側に吹き出すことのない安価なポリ
エステル系長繊維100%裏地及びポリエステル系長繊
維とセルロース系長繊維の交織裏地及びセルロース系長
繊維100%裏地を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはスーツにつ
いて、裏地が表地側に吹き出し易い部分を確認するた
め、インターレース加工や追撚を施していない通常の裏
地を用いてジャケットを作成し長期着用試験を実施し
た。その結果、最も裏地が吹き出し易い部分は、ジャケ
ットの脇の部分及び袖部の脇と接触する部分であること
が判明した。この部分は、歩行等の運動により最も摩擦
を受けるところである。吹き出しが顕著に発生した上記
2ヶ所についてジャケットを解体して裏地の縫い代部分
の状態を観察したところ、裏地を経糸方向に縫った縫い
代部の経糸がホツレ且つマルチフィラメントの単糸が大
きくバラケており、これらが表地に張り付いていた。
【0006】裏地を緯糸方向に縫った縫い代部(=ジャ
ケットの裾部)の緯糸のホツレや単糸のバラケは上記吹
き出しが顕著に現れた2ケ所に比べると軽微であった。
つまり、実着用における裏地の表地側への吹き出しを防
止するには、経糸のホツレ及び単糸バラケを押さえるこ
とが重要であることが判明した。経糸のホツレや単糸バ
ラケを防止し且つ安価で表面平滑性に優れた裏地を得る
ことを目的に本発明者らが鋭意検討を行った結果、織物
裏地の緯方向に軽度の伸びを有し、且つ経/緯糸のマル
チフィラメント繊維束がバインダーにより接着されてい
ると共に、経糸繊度及び密度と緯糸のクリンプ率や、裏
地表面の平滑性が重要であることを見い出し本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、経糸がポリエステル系
長繊維及び/又はセルロース系長繊維で構成され、緯糸
がポリエステル系長繊維の仮撚加工糸又はポリエステル
系長繊維の原糸、又はセルロース系長繊維で構成された
織物であって、該織物の緯方向の伸びが5〜12%、織
物表面の動摩擦係数が0.20〜0.45、下記(1)
式で求められる織物緯糸クリンプ指数値が0.003〜
0.013の範囲であり、且つ該織物に対して繊維加工
用樹脂製バインダーが0.1〜1.0wt%付着してい
ることを特徴とする吹き出し防止裏地である。 緯糸のクリンプ率/{経糸密度×(経糸の繊度)1/2 } ・・・(1) 尚、本発明で規定した緯伸び及び動摩擦係数やクリンプ
率、経糸の密度及び繊度、裏地の曲げかたさは、染色仕
上げ加工を行った仕上げ反を用いて、下記の方法で測定
した値である。
【0008】(1)緯伸び カトーテック(株)製のKES−FB1を用いて、20
cm×20cmの織物を引っ張り速度=0.2mm/秒
で緯方向に伸長し、500g/cmの応力下での伸びS
(%)を次式によって求めた値である。式中、Aは50
0g/cm下で伸びた長さ(cm)を、Bは織物の元の
長さ(20cm)をそれぞれ表す。 S=(A/B)×100 (2)動摩擦係数 カトーテック(株)製のKES−SEを用いて、摩擦面
寸法が1cm×1cmで重量が25gの摩擦子に、かな
きん3号精練上がりの綿布を取り付けて、5cm/mi
nの速度で固定した裏地の表面上をすべらせ、その時の
摩擦抵抗力から、次式によって動摩擦係数(μ)を求め
たものである。式中、Aは摩擦抵抗力の平均値(g)、
Bは摩擦子の荷重(25g)をそれぞれ表す。本発明で
は裏地の経糸方向に滑らせたときの摩擦係数と、緯糸方
向に滑らせたときの摩擦係数の平均値を、裏地の動摩擦
係数とした。 μ=A/B
【0009】(3)緯糸のクリンプ率 緯糸のクリンプ率は、織物の緯糸方向に20cmの印を
付けた後、織物を分解して取り出した緯糸に0.1g/
dの荷重をかけ、その時の長さScmを測定し次式によ
り算出した。 緯糸のクリンプ率(%)={(S−20)/20}×1
00 (4)経糸の密度(本/インチ) 織物密度は、織物1インチ幅当たりのタテ糸の本数を数
えた。 (5)経糸の繊度 織物の経糸繊度は、織物の経糸に0.1g/dの荷重を
かけた状態で90cm長さのサンプルを2本作成し、そ
の重量W(g)を求め下記式より求めた。 経糸の繊度(デニール)=W×900000/180
【0010】(6)織物の緯方向の曲げかたさ カトーテック(株)製のKES−FB2を用いて、20
cm×20cmの織物を有効試料長経20cm×緯1c
mで把持し、最大曲率±2.5cm-1の条件下で曲げた
ときの、曲率が+0.5と+1.5cm-1(表側の曲
げ)の単位幅当たりの曲げモーメント(gf・cm/c
m)の差を曲率(1cm-1)で除した値(gf・cm2
/cm)と−0.5と−1.5cm-1(裏側の曲げ)の
単位幅当たりの曲げモーメント(gf・cm/cm)
の差を曲率(1cm-1)で除した値(gf・cm2 /c
m)の平均値。
【0011】以下に本発明の詳細を説明する。本発明の
目的である裏地の表地側への吹き出しを防止し、且つ表
面平滑性の優れた裏地とするためには裏地の緯方向の伸
びと裏地表面の動摩擦係数が前記で特定した範囲に設計
された織物でなければならない。すなわち本発明の裏地
の緯伸びは、5〜12%が好ましく、さらに好ましくは
6〜10%である。緯伸びが5%未満においては、緯糸
のクリンプによる屈曲が小さい為、裏地が緯糸方向に摩
擦されたとき、経糸のホツレを充分に防止することが出
来ない。一方、12%を越える緯伸びを有する裏地は、
緯糸のクリンプによる屈曲が大きくなる為、表面凹凸感
の強いものになり滑り性が低下し着心地の悪い裏地とな
ってしまう。特に裏地を経糸方向に摩擦した時、緯糸の
クリンプによる屈曲を強く感じるものとなる。また厚ぼ
ったく、がさつき感のある風合いとなってしまう。
【0012】本発明のもう一つの目的である表面平滑性
(滑り性)が満足なものであるためには、裏地表面の動
摩擦係数を0.20〜0.45の範囲にすることが必要
である。動摩擦係数の好ましい範囲は、織物組織によっ
て異なり、平織物組織の場合は0.22〜0.45、綾
織物組織の場合は0.20〜0.38、朱子織物組織の
場合は0.20〜0.35の範囲である。綾織物及び朱
子織物組織の場合は、平織物組織に比べて経糸が緯糸よ
り表面に多く露出するため、経糸方向に摩擦したとき緯
糸のクリンプの大きさの影響を受けにくく、経方向の摩
擦係数が小さくなり上記範囲となる。
【0013】動摩擦係数が0.20未満では、例えばス
カートを着用してイス等に腰掛けた場合に、表地もしく
は素肌やパンティストッキングなどとの滑りが良すぎる
為に、スカートの裾部などがずれやすくなることや椅子
などに腰掛けた時滑りが良すぎるため体がずれやすくな
るなどの支障をきたす。また、0.45を越える動摩擦
係数の裏地は、素肌やパンティーストッキング等とのす
べりが悪くなり、スカートなどの脱着性や肌触りが悪
く、ジャケットやコートの裏地として用いた場合は、下
に着るブラウスやYシャツやジャケットとの滑りが悪く
着心地の悪い物となってしまう。
【0014】本発明の裏地の経/緯糸の裁断端面のホツ
レと滑り性を両立させ、且つ風合いをソフトにするため
には、下記(1)式で示される織物緯糸クリンプ指数値
が特定の範囲に選択される。式から明らかな様に、織物
緯糸クリンプ指数値は、織物の緯伸びと経糸のカバーフ
ァクター(織物表面上に占める経糸の面積割合)に関し
て裏地の構造を特定するパラメータである。 緯糸のクリンプ率/{経糸密度×(経糸の繊度)1/2 } ・・・(1) 本発明の裏地は、織物緯糸クリンプ指数値が0.003
〜0.013の範囲に設計されることが好ましい。織物
緯糸クリンプ指数値の好ましい値は織物組織に依存して
異なる。たとえば、平織物組織の場合は0.004〜
0.013、綾織物組織の場合は0.003〜0.00
11、朱子織物組織の場合は0.003〜0.009で
ある。
【0015】織物緯糸クリンプ指数値が0.003未満
の場合は、緯糸のクリンプ率が小さく緯伸びの小さい裏
地しか得られないか、経糸密度が大きいか或いは経糸繊
度が大きいか或いはその両方のために経糸のカバーファ
クターが大きくなりすぎて裏地が硬くなりソフトな風合
いを持つ裏地が得られない。0.013を越える場合
は、緯糸のクリンプ率が大きい織物構造となったり、経
糸密度が小さいか、或いは緯糸繊度が小さいか或いはそ
の両方であるような織物構造となるため、経糸のカバー
ファクターが小さく緯糸が非常に緩んだ状態の織物構造
が形成されることになる。したがって、裏地が特に経糸
方向に摩擦を受けたとき表面平滑性を欠くざらついた裏
地となり、経糸のカバーファクターが小さい為に、特に
経糸方向の摩擦を受けたとき緯糸のホツレや目寄れが起
きやすいものとなる。
【0016】上記した特定の範囲の織物構造・性能にす
ることによって織物の経/緯方向の裁断端面の縫い代部
のホツレ性能を著しく改善することができるが、通常洋
服の裁断端面は、経/緯糸の地の目に沿って裁断される
ことはなく、いくらか湾曲状や傾斜状に裁断される為、
裁断端面の糸が少しはホツレしまう。このホツレた糸が
単糸バラケを起こし表地側へ吹き出さない様にする本発
明の目的を達成するためには、該織物に対して繊維加工
用樹脂製バインダーが0.1〜1.0wt%付着してい
ることが必要である。
【0017】用いる繊維加工用樹脂製バインダーは、繊
維加工に一般的に用いられている公知の樹脂であり、特
に制限はない。例えば、酢酸ビニル系、アクリル系、ウ
レタン系、シリコーン系、ポリエステル系、尿素系、メ
ラミン系樹脂等が挙げられる。これら繊維加工用樹脂製
バインダーの付着量としては、織物に対して樹脂純分と
して0.1〜1.0wt%が必要であり、好ましくは
0.15〜0.8wt%の範囲である。バインダーの付
着量が0.1wt%未満の場合は、マルチフィラメント
間の接着力が弱く、単糸バラケを防止できず裏地が吹き
出してしまう。1.0wt%を超える場合は、マルチフ
ィラメント間の接着力が強く吹き出し防止効果は達成す
るが、バインダーの付着量が多いため風合いが硬い裏地
となってしまう。
【0018】本発明の裏地の織物組織としては、平織、
綾織、朱子織などが挙げられるが、何れを採用するかは
用途、要求特性などによって適宜決定される。例えば婦
人服に関しては、薄くてソフトな風合が好まれることか
ら、平織組織の裏地が特に好ましい。本発明の経糸に用
いるポリエステル系長繊維としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート,ポリトリメ
チレンテレフタレートなどの繊維形成性を有するポリエ
ステル重合体からなる繊維が用いられる。ここで言うポ
リエステル重合体にはホモポリマーのみならず共重合体
も含まれる。これらの重合体または共重合体に制電剤、
難燃剤、耐熱剤、耐光剤、酸化チタン等の添加剤を加え
ることは何らさしつかえない。断面形状に関しては特に
制限はなく、丸型の他に、三角型、L型、Y型、T型、
の多角形型でも良いし、多葉型、中空型や扁平型、不定
形型のような物でも良い。
【0019】経糸に用いるセルロース系長繊維には、銅
アンモニア法レーヨン、ビスコース法レーヨン、ポリノ
ジックレーヨン、アセテート繊維等が挙げられる。経糸
に用いるポリエステル系長繊維、セルロース系長繊維の
トータルデニールとしては30〜120デニール、好ま
しくは50〜100デニールであり、単糸デニールとし
ては特に限定されるものではないが0.5〜10デニー
ル、好ましくは0.5〜5デニールの範囲である。これ
ら経糸は、無撚糸で且つ原糸を用いることが好ましい
が、収束性アップの為の軽度の撚り(10〜200T/
M程度)やインターレース加工が施されていていたり、
仮撚りや空気噴射加工等の捲縮かさ高加工処理が施され
ていてもかまわない。特別な表面効果、触感効果を得る
目的で、経糸に強撚した糸を用いることもできる。
【0020】本発明の緯糸に用いる繊維は、ポリエステ
ル系長繊維の仮撚加工糸やポリエステル系長繊維の原
糸、又はセルロース系長繊維であるが、経糸と緯糸の組
み合わせについては何ら制限ないが、下記する組み合わ
せによる織物が例示として挙げられる。 経糸がポリエステル系長繊維100%で、緯糸がポ
リエステル系長繊維の仮撚加工糸100%又はポリエス
テル系長繊維の原糸100%、又はセルロース系長繊維
100%の織物。 経糸がセルロース系長繊維100%で、緯糸がポリ
エステル系長繊維仮撚加工糸100%又はポリエステル
系長繊維の原糸100%、又はセルロース系長繊維10
0%の織物。
【0021】 経糸がポリエステル系長繊維とセルロ
ース系長繊維で、緯糸がポリエステル系長繊維の仮撚加
工糸100%又はポリエステル系長繊維の原糸100
%、又はセルロース系長繊維100%の裏地。より具体
的には、経糸のポリエステル系長繊維とセルロ−ス系長
繊維が1本交互に1:1で配列した構造や2本づつ交互
に配列した構造が挙げられるが経糸の配列方法及びその
使用比率は任意に選ばれる。 経糸がポリエステル系長繊維100%で、緯糸がポ
リエステル系長繊維の仮撚加工糸又はポリエステル系長
繊維の原糸、又はセルロース系長繊維の組み合わせより
なる織物で緯糸の配列方法やその使用比率は任意であ
る。 経糸がセルロース系長繊維100%で、緯糸がポリ
エステル系長繊維の仮撚加工糸又はポリエステル系長繊
維の原糸、又はセルロース系長繊維の組み合わせよりな
る織物で緯糸の配列方法やその使用比率は任意である。
【0022】上記〜の組み合わせの織物裏地につい
て、いずれの組み合わせを選択するかは、用いられる服
種や使用される部位、取り扱い方(水洗濯かドライクリ
ーニングか)等によって適宜選定すれば良い。例えば、
安価でイージケアー性(水洗濯しても寸法変化が小さく
皺になりにくい)や着用頻度の高い衣服の裏地として用
いられる場合は、経糸がポリエステル系長繊維100%
で、緯糸がポリエステル系長繊維の仮撚加工糸100%
又はポリエステル系長繊維の原糸100%よりなる組み
合わせのポリエステル系繊維100%裏地が好ましい。
一方、実着用時の快適性(吸放湿性能や制電性)やドレ
ープ性が要求される高価な衣服の場合は、経/緯糸とも
セルロース系長繊維の組み合わせよりなるセルロース系
繊維100%の裏地が好ましい。
【0023】以下本発明の裏地の好ましい製造方法につ
いて詳細に説明する。本発明の緯糸に用いるポリエステ
ル系長繊維の仮撚加工糸は、特に限定される物ではな
く、工業的規模で生産される一般的な仮撚加工糸であれ
ばよい。具体的には通常の仮撚加工で用いるスピンドル
方式や外接式摩擦仮撚方式、ベルト仮撚方式などによっ
て得られた加工糸を採用することが出来、仮撚加工条件
等も制限されることはなく1ヒーター加工糸及び2ヒー
ター加工糸どちらでも良い。仮撚加工糸の捲縮性を左右
する仮撚条件としては、仮撚数、第1ヒーター温度、第
2ヒーター温度、第2ヒーターフィード率などの条件が
挙げられるが、これらの条件にも特に限定はない。一
方、緯糸に用いる仮撚加工糸には、より集束性の向上を
図る目的でのインターレース加工や追撚が施されていて
もかまわない。繊維の断面形状に関しても何ら制限はな
く、丸型の他に三角型、L型、Y型、T型など多角形型
でも、多葉型、中空型や扁平型、不定形型の断面をもつ
繊維から任意に選択できる。
【0024】本発明の緯糸に用いるポリエステル系長繊
維の原糸とは、コンベ法、スピンドローテークアップ
法、高速紡糸法などによって紡糸された糸であって、仮
撚り、押し込み、賦型、ニットデニット、タスラン加工
などの捲縮嵩高加工処理が施されていない糸を言う。但
し原糸の収束性を上げる為に一般的に施されているイン
ターレース加工された糸や追撚を施した糸は、本発明の
原糸の範疇に入る。ここで言うポリエステル系長繊維の
原糸は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどの
繊維形成性を有するポリエステル重合体からなる繊維で
ある。このポリエステル重合体にはホモポリマーのみな
らず共重合体も含まれる。これらの重合体または共重合
体に制電剤、難燃剤、耐熱剤、耐光剤、酸化チタン等の
添加剤を加えることは何らさしつかえない。尚、上記し
たポリエステル系長繊維の原糸は、緯糸に用いる仮撚加
工糸の元糸としても使用される。
【0025】緯糸にポリエステル系長繊維の原糸を用い
る場合に、本発明の緯伸び5〜12%を達成する裏地と
するためには、曲げ柔らかい原糸を緯糸に使うことが好
ましい。原糸が丸断面の場合には、単糸デニールが小さ
い、すなわち単糸径が小さい方が好ましい。そのためマ
ルチフィラメント原糸を用いることが望ましい。具体的
には丸断面の場合、トータルデニールとしては30〜1
00の範囲、単糸デニールとしては0.1〜3.0の範
囲が好ましく用いられる。更に好ましくは0.2〜2.
0デニールの範囲である。
【0026】単糸の断面は、丸形形状、異形断面などい
ずれであっても使用でき異形断面の場合、三角形型、L
型、Y型、T型等の多角形型でも良いし、多葉型、中空
型、不定形型のような形状の物も使用できる。異型断面
では特定の方向に曲げ柔らかい楕円型や扁平型が特に好
ましい。ここで言う扁平型とは、単なる扁平型ばかりで
なく、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型等の
実質的に扁平であり特定の方向に曲げ柔らかい断面構造
を有する原糸も含んでいる。上記の異形断面単糸は、曲
げ柔らかさをさらに増すために、マルチフィラメントの
形態が好ましく用いられる。楕円型、扁平型の場合、単
糸デニールは0.5〜4.0、好ましくは0.5〜3デ
ニールの原糸を用いることが好ましい。
【0027】本発明の緯糸に用いるセルロース系長繊維
は、銅アンモニア法レーヨン、ビスコース法レーヨン、
ポリノジックレーヨンや酢酸セルロース繊維などが挙げ
られる。特に好ましくは、水浸漬による膨潤度の大きい
銅アンモニア法レーヨン、ビスコース法レーヨンは、所
定の高緯伸び織物を得られ易いセルロース繊維である。
用いられるセルロース系長繊維は、単糸が0.5〜10
デニール、好ましくは0.5〜5デニールで構成される
30〜120デニール、好ましくは50〜100デニー
ルの無撚原糸、無撚糸を収束性アップの為のインターレ
ース付与糸もしくは原糸に軽度の追撚(10〜200T
/M程度)が好適であるが、仮撚加工や空気噴射加工等
の捲縮かさ高加工処理が施されていても何ら差し支えな
い。
【0028】本発明の緯伸びと織物の表面平滑性を両立
させる製造方法としては、経糸及び緯糸を拘束した状態
で織物の組織収縮を起こさせる加工方法が好ましい。具
体的には、製織後の織物を精練前又は精練後に、幅入れ
した状態で熱処理を行う方法である。より具体的には、
緯糸がポリエステル系長繊維の仮撚加工糸やポリエステ
ル系長繊維の原糸で構成された織物の場合は、製織後の
織物幅に対して、精練前又は精練後に5〜30%幅入れ
した状態で、160〜210℃の熱処理を行うことによ
り得られる。幅入れとは、例えば一般的に織物加工時の
熱処理機として用いられているピンテンター型のヒート
セッターで熱処理する場合に、製織後の織物の幅両端を
固定した状態で熱処理するのであるが、その固定した幅
を製織後の織物幅よりも狭くして処理することを言い、
幅入れ率とは下式によって求められる値である。 幅入れ率=〔(製織後の織物幅−幅入れ後の織物幅)/
製織後の織物幅〕×100
【0029】好ましい範囲としては、緯糸が仮撚加工糸
の場合は、1ヒーターで仮撚加工された加工糸なのか、
2ヒーターで仮撚加工された加工糸なのかによって違っ
てくる。これはそれぞれの仮撚加工糸が持つ糸自身の乾
熱収縮率と捲縮発現による組織収縮率が異なることによ
るものである。2ヒーター仮撚加工糸を用いた場合は5
〜10%の幅入れ率が好ましく、1ヒーター仮撚加工糸
を用いた場合は7〜15%の幅入れ率が好ましい。5%
未満の幅入れ率で熱処理を行うと、緯伸びを付与させる
ための捲縮発現による組織収縮が小さく、本発明の伸び
の織物が得られない。15%以上の幅入れ率で熱処理を
行うと、熱処理をする段階で緊張状態とならないため
に、織物がたるんだ状態で熱処理されることから、シワ
が発生する問題点や表面凹凸感の強いものとなったり、
ヨコ糸が湾曲してしまう目曲がりなどの問題が発生し好
ましくない。
【0030】緯糸がポリエステル系長繊維の原糸の場合
の幅入れ率は5〜30%の範囲であり、より好ましくは
10〜25%の範囲である。幅入れ率の好ましい範囲
は、緯糸に用いる原糸の曲げ柔らかさによって違ってく
る。又、原糸自身の乾熱収縮率の影響も受ける為、原糸
の物性を調べた上で5〜30%の範囲内で最適幅入れ率
を選択することが肝要である。幅入れ率が5%未満の場
合には緯伸び4%未満の裏地しか得ることが出来ない。
幅入れ率が30%を越えてしまうと織物にシワが発生し
たり緯糸の地の目が大きく曲がる(目曲がり)と言った
問題が起こる。また、緯糸のクリンプが大きくなりすぎ
緯糸が浮き立った構造の裏地となってしまう。その為ざ
らつき感の強い着心地の悪い裏地となってしまい好まし
くない。
【0031】緯糸がセルロース系長繊維で構成された織
物の場合は、精練前の織物に水を付与した後、製織後の
生機織物幅に対して5〜15%幅入れした状態で、熱処
理を100〜210℃で行うことにより緯伸び5〜12
%を持った本発明の裏地を得ることができる。精練前の
生機に水を付与するには、織物に均一に水を付与できる
方法が用いられる。適当な手段として浸漬法やスプレー
法やキスロール法などが挙げられるが、水付与加工の安
定性及び加工コストを考慮すると浸漬法による水付与が
好ましい。浸漬法は、走行中の織物を水槽等の中に連続
的に通常1〜30秒程度で容易に均一に水付与できる。
セルロース系長繊維の膨潤をさらに大きくするため水槽
の中に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性化合物を0.5
〜10wt%程度添加することが出来る。水浸漬槽の温
度は何ら限定されるものではなく、常温から100℃の
範囲が好ましい。
【0032】水を付与した後、連続的に幅入れ熱処理す
る前に予め織物表面の過剰な水をマングル等の脱液装置
を浸漬槽と熱処理機の間に付加することは品質を安定さ
せる上で好ましい。製織後の織物の熱処理は、織物の組
織収縮を緊張下で最大限に行わせると同時に、収縮した
組織を熱固定する目的があり重要である。この熱処理で
組織の固定が充分に行われないと、熱処理後の工程(例
えば染色工程等)で緯糸が仮撚加工糸の場合は、捲縮発
現による織物の組織収縮が起き、シボの発生原因とな
る。この時点で発生したシボは、最後の仕上げ工程で緊
張状態で熱処理しても、完全になくすことは出来なくな
る。緯糸がポリエステル系長繊維の場合は、緯伸びが不
足したり皺などのトラブルが発生しやすくなる。緯糸が
ポリエステル系長繊維の仮撚加工糸や原糸の場合、熱固
定を充分に行う熱処理温度としては、160℃〜210
℃が好ましく、より好ましくは180℃〜200℃であ
る。熱処理温度が160℃未満では、熱固定が不十分と
なり、上述した様な問題が発生し、好ましくない。熱処
理温度が210℃を越えると、繊維への熱によるダメー
ジが強くなり、裏地となった時の機械物性等が低下した
り、風合いの硬い織物に仕上がってしまう。
【0033】本発明の幅入れ熱処理を行う処理時間とし
ては、使用する緯糸に応じた組織収縮&熱固定を完全に
行うことが出来る時間であれば良く、熱処理温度が高い
時には繊維へのダメージを考え短い処理時間で行うが、
低い温度で処理する場合には時間を長くして処理すれば
良い。好ましい熱処理時間としては、180〜190℃
の場合30秒〜60秒の時間である。上記熱処理を行う
手段としては、織物の幅方向に緊張状態で処理ができる
装置で有れば特に限定されないが、一般的な織物の熱処
理で汎用的に用いられている両端にピンがついたピンテ
ンター型のヒートセッターが好ましい。
【0034】本発明における精練とは、製織後の織物に
付着している紡糸オイルやタテ糸糊剤などをを除去する
工程であり、この精練で用いられる処理液としては、水
または界面活性剤とアルカリを含む水溶液が良い。該精
練を行う方法としては特に限定されないが、一般的に織
物の精練で用いられているオープンソーパー型連続精練
機液流型染色機、浴中懸垂型連続処理機、ウインス染色
機、ソフサ精練機などが好ましい。本発明の裏地を好ま
しく製造しうる方法としては、精練前に幅入れ熱処理を
行うことが好ましい。この方法に於いては、後の精練で
上記に挙げたどのような機械を用いても本発明の目的を
達成できる。
【0035】精練を本発明の熱処理の前に行う場合に
は、例えばオープンソーパー型連続精練機等のように、
織物のタテ方向に張力が掛かった状態で処理が出来る装
置が良い。液流型染色機等の様に、織物のタテ・ヨコ方
向共に張力が掛からない様な装置で行うと、特に緯糸が
仮撚加工糸の場合には織物表面にシボが発生してしまい
好ましくない。本発明の方法で熱処理を行った後の工程
としては、一般的な裏地の加工工程である染色・仕上げ
の工程を行うことにより、本発明の裏地を製造すること
が出来る。風合をよりソフトにする場合には、ポリエス
テル系長繊維100%よりなる織物の場合は、アルカリ
減量加工を行っても差し支えない。
【0036】本発明のポリエステル系長繊維100%よ
りなる裏地の染色加工としては、一般的なポリエステル
系長繊維で構成されている従来の裏地の染色加工と同様
で良く、その方法としては、液流型染色機、ジッガー染
色機、ビーム染色機、ウインス染色機などが挙げられる
が、染色品の品位の面からは、液流染色機で加工するこ
とが好ましい。仕上げ加工としては、染色加工と同様に
一般的なポエステル系長繊維を用いた裏地仕上げ加工と
同様で良いが、気をつけなければならないのは、最終仕
上げの工程で皺をなくす為にピンテンター等により幅出
しして熱処理を行う際に、幅出しする割合を大きくとっ
てしまうと、希望とする裏地の伸びに対して低い伸びの
裏地となってしまうので、例えば染色後の幅に対して1
〜2cmの幅出を行い、シワが取れる程度にすることが
望ましい。
【0037】本発明のセルロース系長繊維/ポリエステ
ル系長繊維やポリエステル系長繊維/セルロース系長繊
維よりなる交織裏地の場合の染色加工工程は、まず上記
と同様な方法で精練及びポリエステル系長繊維の染色を
行った後、引き続いてセルロース系長繊維の染色を行う
必要があるが、ポリエステル系長繊維を染色した染色機
と同機を用いて染色してもよいし、又コールドパッドバ
ッチ法やパッドスチーム法、パッドロール法による別の
染色機を用いて染色してもかまわない。セルロース系長
繊維100%よりなる裏地の染色加工方法としては、上
記に記載した染色方法を適宜選択すればよい。
【0038】セルロース系長繊維が含まれている織物の
場合、染色終了後の仕上げ加工は、通常のセルロース繊
維の加工で実施されている、洗濯収縮率、湿摩擦堅牢度
を向上させるための樹脂加工を施すことが好ましい。繊
維加工用樹脂製バインダーの付与方法は、染色終了後の
段階で付与することが好ましく、浸漬法やコーテイング
法、スプレー法、プリント法等が挙げられるが、ポリエ
ステル系長繊維100%よりなる織物の場合は、最終の
仕上げ加工の段階で、帯電防止剤、撥水剤、吸汗剤など
と併用して用いる方法が好ましい。また、織物表面の光
沢、平滑性、風合いを改善するために、仕上げ剤付与後
にカレンダー処理などを適用しても良い。セルロース系
長繊維を含む織物の場合は、洗濯収縮率、湿摩擦堅牢度
を向上させるための樹脂加工と併用して施すことが好ま
しい。
【0039】
【作用】本発明の裏地を洋服などに用いることにより、
従来の裏地で問題となっていた裏地の表地側への吹き出
しがなく、且つ風合いがソフトで表面平滑性の良好なポ
リエステル系長繊維100%裏地及びポリエステル系長
繊維とセルロース系長繊維の交織裏地及びセルロース系
長繊維100%裏地を提供することができる。
【0040】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の数値及び製品の特徴の判定基準は
以下の評価法で行った。 (緯伸び)カトーテック(株)製のKES−FB1を用
いて、20cm×20cmの織物を引っ張り速度=0.
2mm/秒で緯方向に伸長し、500g/cmの応力下
での伸びS(%)を次式によって求めた値である。式
中、Aは500g/cm下で伸びた長さ(cm)を、B
は織物の元の長さ(20cm)をそれぞれ表す。 S=(A/B)×100
【0041】(動摩擦係数)カトーテック(株)製のK
ES−SEを用いて、摩擦面寸法が1cm×1cmで重
量が25gの摩擦子に、かなきん3号精練上がりの綿布
を取り付けて、5cm/minの速度で固定した裏地の
表面上をすべらせ、その時の摩擦抵抗力から、次式によ
って動摩擦係数(μ)を求めたものである。式中、Aは
摩擦抵抗力の平均値(g)、Bは摩擦子の荷重(25
g)をそれぞれ表す。本発明では裏地の経糸方向に滑ら
せたときの摩擦係数と、緯糸方向に滑らせたときの摩擦
係数の平均値を、裏地の動摩擦係数とした。 μ=A/B
【0042】(緯糸のクリンプ率)緯糸のクリンプ率
は、織物の緯糸方向に20cmの印を付けた後、織物を
分解して取り出した緯糸に0.1g/dの荷重をかけ、
その時の長さScmを測定し次式により算出した。 緯糸のクリンプ率(%)={(S−20)/20}×1
00 (経糸の密度:本/インチ)織物密度は、織物1インチ
幅当たりのタテ糸の本数を数えた。 (経糸の繊度)織物の経糸繊度は、織物の経糸に0.1
g/dの荷重をかけた状態で90cm長さのサンプルを
2本作成し、その重量W(g)を求め下記式より求め
た。 経糸の繊度(デニール)=W×900000/180
【0043】(織物の緯方向の曲げかたさ)カトーテッ
ク(株)製のKES−FB2を用いて、20cm×20
cmの織物を有効試料長、経20cm×緯1cmで把持
し、最大曲率±2.5cm-1の条件下で曲げたときの、
曲率が+0.5と+1.5cm-1(表側の曲げ)の単位
幅当たりの曲げモーメント(gf・cm/cm)の差を
曲率(1cm-1)で除した値(gf・cm2 /cm)
と、曲率が−0.5と−1.5cm-1(裏側の曲げ)の
単位幅当たりの曲げモーメント(gf・cm/cm)の
差を曲率(1cm-1)で除した値(gf・cm2 /c
m)の平均値。
【0044】(裏地の吹き出し性能)経25cm×緯2
5cmの裏地を経方向に二つ折りにし本縫いミシンを用
いて上部を残して2辺を縫い代10mmで袋状に縫製す
る。同様サイズの毛100%表地(目付:138g/m
2 、厚み:0.29mm、密度:経/緯=62/50本
/インチ、組織:タフタ)についても同様に縫製し縫い
代が袋の内側になるようにひっくり返す。続いて毛10
0%表地袋状物の中に、袋状に縫製した裏地を挿入する
(このとき裏地の縫い代と表地の縫い代が袋の中で合い
対する様に挿入する)。次に袋状の裏地の内側にICI
ピリング試験に使用するゴム製チューブを挿入し、最後
に表地と裏地の袋状物の解放口を本縫いミシンにより縫
製する。引き続いて上記で作成したサンプルをICIピ
リング試験機に入れ10時間処理する。処理後の表地側
への裏地の吹き出しを下記判定基準に基づいて判定す
る。 5級:裏地の吹き出しが全く見られない。 4級:裏地の吹き出しがわずかに認められるが毛玉の発
生はない。 3級:裏地の吹き出しが認められ且つ毛玉もわずかに発
生している。 2級:裏地の吹き出し及び毛玉も数多く発生している。 1級:毛玉の発生が著しく多い。
【0045】(表面性・外観)しわ・シボ等の発現状態
を中心に、肉眼及び触感で下記判定基準に基づいて判定
を行った。 ◎:表面性・外観がきわめて良好。 ○:表面性・外観がが良好。 △:表面性・外観やや悪い。 ×:表面性・外観が悪い。
【0046】(風合い)手で触ったときの官能評価で下
記判定基準に基づいて判定した。 ◎:風合い・厚み感なくがきわめて良好。 ○:風合い・厚み感とも良好。 △:風合いやや硬く厚み感もある。 ×:風合い硬く・厚み感も大きい。 (バインダー付着量)繊維加工用樹脂製バインダー固形
分の織物に対する付着量は、20℃×65%RH環境下
での付与前後の20cm×20cmの大きさの織物重量
を測定し、付与前の織物重量を基準に算出した。
【式1】
【0047】以下に実施例1〜5、比較例1〜6におい
て緯糸にポリエステル系長繊維の仮撚加工糸を用いた場
合の平組織の織物の実施例及び比較例を記載する。
【実施例1】タテ糸に50デニール24フィラメントの
ポリエチレンテレフタレート、ヨコ糸に75デニール3
6フィラメントのポリエチレンテレフタレートの2ヒー
ター仮撚加工糸(仮撚数3350T/m、1ヒーター温
度220℃、2ヒーター温度180℃、2ヒーターゾー
ンフィード率+20%)を用いて、タテ糸密度100本
/インチ、ヨコ糸密度81本/インチ、目付50g/m
2 、製織後の織物幅131.5cmの織物を製織した。
得られた織物をピンテンターにより、190℃×30秒
の条件で製織後の織物幅に対して10%の幅入れを行っ
た。次に2g/lの炭酸ソーダと2g/lのスコアロー
ル(花王(株)社製;商品名)を投入した液で、液流染
色機によって130℃×10分の精練を行った。その
後、液流染色機により表1記載の条件で染色を行い、次
に余分な染料除去や織物のpH調整のための還元洗浄し
乾燥を行った。仕上げ加工は表2記載の条件で加工を行
った。
【0048】
【実施例2】タテ糸に50デニール24フィラメントの
ポリエチレンテレフタレート、ヨコ糸に75デニール3
6フィラメントのポリエチレンテレフタレートの1ヒー
ター仮撚加工糸(仮撚数3300T/m、1ヒーター温
度220℃)を用いて、タテ密度121本/インチ、ヨ
コ密度82本/インチ、目付59g/m2 、生機幅12
3.0cmの織物を製織した。得られた織物をピンテン
ターにより、190℃×30秒の条件で生機幅に対して
10%の幅入れを行った。その後は実施例1と同様に行
った。
【0049】
【実施例3】タテ糸に50デニール30フィラメントの
銅アンモニア法レーヨン長繊維、ヨコ糸に75デニール
36フィラメントのポリエチレンテレフタレートの1ヒ
ーター仮撚加工糸(仮撚数3300T/M、1ヒーター
温度220℃)を用いて、タテ密度131本/インチ、
ヨコ密度82本/インチ、目付63g/m2 、生機幅1
32.0cmの織物を製織した。得られた織物を190
℃×30秒の条件で生機幅に対して10%の幅入れを行
った。その後、表3記載の条件で糊抜き精練を行った
後、引き続き表5記載の条件で染色した後、表6記載の
条件で樹脂加工を実施した。
【0050】
【実施例4】経糸に75d/36fのポリエチレンテレ
フタレート、緯糸に75d/36fのポリエチレンテレ
フタレートの1ヒーター仮撚加工糸(仮撚数3300T
/m、1ヒーター温度220℃)を用いて経糸密度が1
21本/インチ、緯糸密度82本/インチ、目付59g
/m2 、生機幅123cmの平組織の織物を製織した。
この生機を実施例1と同様な条件で幅入れ、精練、染
色、仕上げ加工を行って裏地を得た。
【0051】
【実施例5】実施例3の樹脂バインダーをアクリル系樹
脂(ボンコート3020,大日本インキ化学工業(株)
製、固形分50wt%)2wt%sol.に変更した以外は
実施例3と同一の条件で製織、幅入れ、精練、染色、仕
上げ加工を行いで裏地を得た。
【0052】
【比較例1】実施例4の精練前の熱処理を行わなかった
こと以外は、すべて実施例4と同様に行った。この時の
仕上げ幅は、101cmとなり製織後の織物幅からの幅
入れ率は18%であった。
【比較例2】実施例4で製織した織物(123cm)
を、実施例4と同様の精練液を用いて液流染色機で13
0℃×10分の精練を行った後に、ピンテンターにより
190℃×30秒の条件で、製織後の織物幅に対して1
0%の幅入れ率と同じ幅(111cm)で熱処理を行
い、その後の染色、仕上げ加工については、実施例4と
同様に行った。
【0053】
【比較例3】実施例4と同様に製織した織物を、3%で
幅入れした以外は、すべて実施例4と同様に行った。
【比較例4】タテ糸に50デニール24フィラメントの
ポリエステル長繊維(鞘芯構造制電糸)、ヨコ糸に75
デニール36フィラメントのポリエステル長繊維丸断面
原糸を用いて、タテ糸密度120本/インチ、ヨコ糸密
度80本/インチ、目付50g/m2 、製織後の織物幅
133cmの平組織の織物を製織した。得られた織物を
表3記載の条件で精練を行った。その後、123cm幅
(幅入れ率=8%)で190℃×10秒のプレセットを
行い、続いて液流染色機により表1記載の条件で染色を
行い、次に余分な染料除去のための還元洗浄し乾燥を行
った。仕上げ加工は表2記載の条件で加工を行った。
【0054】
【比較例5、6】実施例4の樹脂バインダー濃度を変更
した以外は、全て実施例4と同様の条件で加工を行い裏
地を得た。尚用いた樹脂バインダー溶液の濃度は下記の
条件で行った。 比較例5:ボンコート3020;0.4wt%sol. 比較例6:ボンコート3020;7.0wt%sol. 実施例1〜5および比較例1〜6で得られた織物の伸
び、動摩擦係数、クリンプ率÷{(経糸繊度d)1/2 ×
経糸密度}の値、吹き出し性能、外観、風合の評価結果
をまとめて表7に示した。表7から明らかなように本発
明の裏地は、比較例に比べて極めて裏地の吹き出しが起
こりにくく、且つ表面性も良好で滑り性が良く、且つ風
合いも良好なことがが判る。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】以下の実施例6〜8において緯糸がポリエ
ステル系長繊維の仮撚加工糸を用いた場合の綾組織の織
物の実施例を記載する。用いた綾組織の織物はいずれも
2/1右上がりのものである。
【実施例6】タテ糸に50デニール24フィラメントの
ポリエチレンテレフタレート、ヨコ糸に75デニール3
6フィラメントのポリエチレンテレフタレートの2ヒー
ター仮撚加工糸(仮撚数3350T/m、1ヒーター温
度220℃、2ヒーター温度180℃、2ヒーターゾー
ンフィード率+20%)を用いて、タテ糸密度150本
/インチ、ヨコ糸密度82本/インチ、製織後の織物幅
132cmの綾組織の織織物を製織した。得られた織物
をピンテンターにより、190℃×30秒の条件で製織
後の織物幅に対して12%の幅入れを行った。次に2g
/lの炭酸ソーダと2g/lのスコアロール(花王
(株)社製)を投入した液で、液流染色機によって13
0℃×10分の精練を行った。その後、液流染色機によ
り表1記載の条件で染色を行い、次に余分な染料除去の
ための還元洗浄し乾燥を行った。仕上げ加工は表2記載
の条件で加工を行った。
【0059】
【実施例7】タテ糸に75デニール24フィラメントの
ポリエチレンテレフタレート、ヨコ糸に75デニール3
6フィラメントのポリエチレンテレフタレートの1ヒー
ター仮撚加工糸(仮撚数3300T/m、1ヒーター温
度220℃)を用いて、タテ密度124本/インチ、ヨ
コ密度82本/インチ、生機幅123.0cmの綾組織
の織物を製織した。得られた織物をピンテンターによ
り、190℃×30秒の条件で生機幅に対して15%の
幅入れを行った。次に表3記載の条件でオープンソーパ
型の連続精練機を用いて精練を行った。その後表4記載
の条件でアルカリ減量加工を行い、染色・仕上げ加工は
実施例6と同様に行った。
【0060】
【実施例8】タテ糸に75デニール33フィラメントの
ビスコース法レーヨン長繊維、ヨコ糸に75デニール3
6フィラメントのポリエチレンテレフタレートの1ヒー
ター仮撚加工糸(仮撚数3300T/m、1ヒーター温
度220℃)を用いて、タテ密度135本/インチ、ヨ
コ密度82本/インチ、生機幅132.0cmの綾組織
の織物を製織した。得られた織物を190℃×30秒の
条件で生機幅に対して15%の幅入れを行い、その後実
施例3と同様な方法で糊抜き精練・染色・樹脂加工を行
った。実施例6〜8で得られた織物の伸び、動摩擦係
数、クリンプ率÷{( 経糸繊度d)1/2×経糸密度}の
値、吹き出し性能、外観、風合の評価結果をまとめて表
8に示した。表8から明らかなように本発明の裏地は、
極めて裏地の吹き出しが起こりにくく、且つ表面性も良
好で滑り性が良く、且つ風合いも良好なことがが判る。
以下に実施例9〜11、比較例7において緯糸がポリエ
ステル系長繊維の原糸を用いた場合の平組織の織物の実
施例を記載する。
【0061】
【実施例9】タテ糸に50デニール36フィラメントの
ポリエステル長繊維(三角断面糸)、緯糸に75デニー
ル30フィラメントのポリエステル長繊維W断面原糸を
用いてタテ糸密度120本/インチ、ヨコ糸密度82本
/インチ、製織後の織物幅145.5cmの平組織の織
物を製織した。この時ヨコ糸に用いたW断面糸の長径、
短径の長さ比は3:1であった。この時点での生機織物
の緯糸のクリンプ率を測定したところ1.9%であっ
た。得られた織物をピンテンターで、製織後の織物幅に
対して20%の幅入れを190℃×30秒の条件で行っ
た。次に表3記載の条件でオープンソーパー型連続精練
機によって精練を行った。その後、表4記載の条件で8
%のアルカリ減量加工を実施し、引き続き液流染色機に
より表1記載の条件で染色を行い、次に余分な染料除去
のための還元洗浄を行いし乾燥した。仕上げ加工は表2
記載の条件で加工を行った。
【0062】
【実施例10】実施例9の織物の経糸密度を100本/
インチとした以外は、実施例9と同一の条件で染色仕上
げ加工を行った。但し減量加工は実施しなかった。この
時の生機織物の緯糸のクリンプ率は1.7%であった。
【実施例11】タテ糸に50デニール30フィラメント
の銅アンモニア法レーヨン長繊維、ヨコ糸に75デニー
ル30フィラメントのポリエステル長繊維W断面原糸を
用いてタテ密度145本/インチ、ヨコ密度82本/イ
ンチ、生機幅132.0cmの平組織の織物を製織し
た。この時ヨコ糸に用いたW断面糸の長径、短径の長さ
比は3:1であった。この時点での生機織物の緯糸のク
リンプ率は2.2%であった。得られた織物を190℃
×30秒の条件で織物幅に対して20%の幅入れを行
た。その後、表3記載の条件で糊抜き精練を行った後、
実施例3と同様の条件で染色・樹脂加工を実施した。
【0063】
【比較例7】タテ糸に50デニール24フィラメントの
ポリエステル長繊維(鞘芯構造制電糸)、ヨコ糸に75
デニール36フィラメントのポリエステル長繊維丸断面
原糸を用いて、タテ糸密度120本/インチ、ヨコ糸密
度80本/インチ、織後の織物幅145.5cmの平組
織の織物を製織した。この時点での生機織物の緯糸のク
リンプ率は0.8%であった。得られた織物をピンテン
ターにて、製織後の織物幅に対して15%の幅入れを1
90℃×30秒の条件で行った。次に2g/lの炭酸ソ
ーダと2g/lのスコアロール(花王(株)社製)を投
入した液で、液流染色機によって130℃×10分の精
練を行った。その後、液流染色機により表1記載の条件
で染色を行い、次に余分な染料除去のための還元洗浄を
行いし乾燥した。仕上げ加工は表2記載の条件で加工を
行った。
【0064】実施例9〜11および比較例7で得られた
織物の伸び、動摩擦係数、クリンプ率÷{( 経糸繊度
d)1/2×経糸密度}の値、吹き出し性能、外観、風合の
評価結果をまとめて表9に示した。表9から明らかなよ
うに本発明の裏地は、比較例に比べて極めて裏地の吹き
出しが起こりにくく、且つ表面性も良好で滑り性が良
く、且つ風合いも良好なことがが判る。
【0065】以下に実施例12〜14において緯糸がポ
リエステル系長繊維の原糸を用いた場合の綾組織の織物
の実施例を記載する。用いた綾組織の織物はいずれも2
/1右上がりのものである。
【実施例12】タテ糸に50デニール24フィラメント
のポリエステル長繊維(鞘芯構造の制電糸)、ヨコ糸に
50デニール30フィラメントのポリエステル長繊維の
W断面原糸を用いて、タテ糸密度150本/インチ、ヨ
コ糸密度100本/インチ、製織後の織物幅145.5
cmの綾組織の織物を製織した。この時ヨコ糸に用いた
W断面糸の長径、短径の長さ比は3:1であった。この
時点での生機織物の緯糸のクリンプ率を測定したところ
3.1%であった。得られた織物をピンテンターにて、
製織後の織物幅に対して17%の幅入れを190℃×3
0秒の条件で行った。次に表3記載の条件でオープンソ
ーパー型連続精練機によって精練を行った。その後、液
流染色機により表1記載の条件で染色を行い、次に余分
な染料除去のための還元洗浄し乾燥を行った。仕上げ加
工は表2記載の条件で加工を行った。
【0066】
【実施例13】実施例12の経糸密度を105本/イン
チとし、熱処理時の幅入れ率を23%とした以外は、す
べて実施例12と同様に行った。生機織物の緯糸のクリ
ンプ率を測定したところ2.8%であった。
【0067】
【実施例14】タテ糸に50デニール30フィラメント
の銅アンモニア法レーヨン長繊維とヨコ糸に75デニー
ル30フィラメントのポリエステル長繊維W断面原糸を
用いてタテ密度131本/インチ、ヨコ密度82本/イ
ンチ、生機幅132.0cmの綾組織の織物を製織し
た。この時ヨコ糸に用いたW断面糸の長径、短径の長さ
比は3:1であった。この時の生機織物の緯糸のクリン
プ率を測定したところ1.7%であった。得られた織物
を190℃×30秒の条件で織物幅に対して20%の幅
入れを行た。その後、表3記載の条件で糊抜き精練を行
った後、引き続き実施例3と同様の条件で染色・樹脂加
工を実施した。実施例12〜14で得られた織物の緯伸
び、動摩擦係数、クリンプ率÷{( 経糸繊度d)1/2×経
糸密度}の値、吹き出し性能、外観、風合の評価結果を
まとめて表10に示した。表10から明らかなように本
発明の裏地は、比較例に比べて極めて裏地の吹き出しが
起こりにくく、且つ表面性も良好で滑り性が良く、且つ
風合いも良好なことが判る。
【0068】以下実施例15〜17、比較例8〜9にお
いて緯糸がセルロース系長繊維の場合の平組織の織物の
実施例及び比較例を記載する。
【実施例15】タテ糸に50デニール20フィラメント
のビスコース法レーヨン長繊維、ヨコ糸に75デニール
33フィラメントビスコース法レーヨン長繊維を用いて
タテ糸密度127本/インチ、ヨコ糸密度82本/イン
チ、製織後の織物幅145cmの平組織の織物を製織し
た。得られた織物を、25℃の水に約5秒浸漬した後、
引き続き脱液機にて絞り率70%にしたあと連続的にピ
ンテンターにて、製織後の織物幅に対して7%の幅入れ
を190℃×30秒の条件で行った。次に表3記載の条
件でオープンソーパー型連続精練機によって精練を行っ
た。その後、引き続き表11記載の条件で染色した後、
表6記載の条件で樹脂加工を実施した。
【0069】
【実施例16】タテ糸に50デニール30フィラメント
の銅アンモニア法レーヨン長繊維、ヨコ糸に75デニー
ル45フィラメントの銅アンモニア法レーヨン長繊維を
用いてタテ糸密度130本/インチ、ヨコ糸密度82本
/インチ、製織後の織物幅145cmの平組織の織物を
製織した。得られた織物を、25℃の水に約5秒浸漬し
た後、引き続き脱液機にて絞り率65%にしたあと連続
的にピンテンターにて、製織後の織物幅に対して12%
の幅入れを190℃×30秒の条件で行った。次に表3
記載の条件でオープンソーパー型連続精練機によって精
練を行った。その後、引き続き表11記載の条件で染色
した後、表6記載の条件で樹脂加工を実施した。
【実施例17】実施例16の幅入れ率を6%とした以外
は、全て実施例16と同一の条件で行った。
【0070】
【比較例8】実施例16で得られた生機織物をピンテン
ターにて、製織後の織物幅に対して水付与することな
く、いきなり7%の幅入れを190℃×30秒の条件で
行った。その他の条件は、実施例16と同様の条件で処
理した。
【比較例9】実施例16の幅入れ率を4%とした以外
は、すべて実施例16と同一の条件で行った。実施例1
5〜17および比較例8〜9で得られた織物の伸び、動
摩擦係数、クリンプ率÷{( 経糸繊度d)1/2×経糸密
度}の値、吹き出し性能、外観、風合の評価結果をまと
めて表12に示した。表12から明らかなように本発明
の裏地は、比較例に比べて極めて裏地の吹き出しが起こ
りにくく、且つ表面性も良好で滑り性が良く、且つ風合
いも良好なことが判る。
【0071】以下実施例18〜20において緯糸がセル
ロース系長繊維の原糸を用いた場合の綾組織の織物の実
施例を記載する。用いた綾組織の織物はいずれも2/1
右上がりのものである。
【実施例18】タテ糸に50デニール30フィラメント
の銅アンモニア法レーヨン長繊維、ヨコ糸に75デニー
ル45フィラメントの銅アンモニア法レーヨン長繊維を
用いて、タテ糸密度166本/インチ、ヨコ糸密度82
本/インチ、、 製織後の織物幅145cmの綾組織の織
物を製織した。得られた織物を、25℃の水に約5秒浸
漬した後、引き続き脱液機にて絞り率65%にしたあと
連続的にピンテンターにて、製織後の織物幅に対して7
%の幅入れを190℃×30秒の条件で行った。次に表
3記載の条件でオープンソーパー型連続精練機によって
精練を行った。その後、表11記載の条件で染色した
後、表6記載の条件で樹脂加工を実施した。
【0072】
【実施例19】タテ糸に50デニール36フィラメント
のポリエステル長繊維(三角断面糸)、緯糸に120デ
ニール72フィラメントの銅アンモニア法レーヨン長繊
維を用いてタテ糸密度146本/インチ、ヨコ糸密度6
5本/インチ、製織後の織物幅145cmの平組織の織
物を製織した。得られた織物を、25℃の水に約5秒浸
漬した後、引き続き脱液機にて絞り率52%にしたあと
連続的にピンテンターにて、製織後の織物幅に対して1
3%の幅入れを190℃×30秒の条件で行った。次に
表3記載の条件でオープンソーパー型連続精練機によっ
て精練を行った。引き続き表5記載の条件で染色した
後、表6記載の条件で樹脂加工を実施した。
【0073】
【実施例20】タテ糸に50デニール20フィラメント
のビスコース法レーヨン長繊維、ヨコ糸に75デニール
33フィラメントビスコース法レーヨン長繊維を用いて
タテ糸密度120本/インチ、ヨコ糸密度82本/イン
チ、製織後の織物幅145cmの綾組織の織物を製織し
た。得られた織物を、25℃の水に約5秒浸漬した後、
引き続き脱液機にて絞り率71%にしたあと連続的にピ
ンテンターにて、製織後の織物幅に対して13%の幅入
れを190℃×30秒の条件で行った。引き続き実施例
18と同一の条件で精練・染色・樹脂加工を実施した。
実施例18〜20で得られた織物の伸び、動摩擦係数、
クリンプ率÷{( 経糸繊度d)1/2×経糸密度}の値、吹
き出し性能、外観、風合の評価結果をまとめて表13に
示した。表13から明らかなように本発明の裏地は、極
めて裏地の吹き出しが起こりにくく、且つ表面性も良好
で滑り性が良く、且つ風合いも良好なことが判る。
【0074】以下の実施例21〜23において緯糸がポ
リエステル系長繊維の仮撚加工糸及びポリエステル系長
繊維の原糸及びセルロース系長繊維を用いた場合の朱子
組織の織物の実施例を記載する。用いた朱子組織の織物
はいずれも経3飛び5枚緯飛びのものである。
【実施例21】タテ糸に50デニール24フィラメント
のポリエチレンテレフタレート長繊維、ヨコ糸に75デ
ニール36フィラメントのポリエチレンテレフタレート
の1ヒーター仮撚加工糸(仮撚数3300T/m、1ヒ
ーター温度220℃)を用いて、タテ密度250本/イ
ンチ、ヨコ密度85本/インチ、生機幅123.0cm
の朱子組織の織物を製織した。得られた織物をピンテン
ターにより、190℃×30秒の条件で生機幅に対して
7%の幅入れを行った。次に表3記載の条件でオープン
ソーパ型の連続精練機を用いて精練を行った。その後、
液流染色機により表1記載の条件で染色を行い、次に余
分な染料除去のための還元洗浄を行い乾燥した。仕上げ
加工は表2記載の条件で加工を行った。
【0075】
【実施例22】タテ糸に50デニール24フィラメント
のポリエステル長繊維(鞘芯構造の制電糸)、ヨコ糸に
50デニール30フィラメントのポリエステル長繊維の
W断面原糸を用いて、タテ糸密度210本/インチ、ヨ
コ糸密度100本/インチ、製織後の織物幅145cm
の朱子織物を製織した。この時ヨコ糸に用いたW断面糸
の長径、短径の長さ比は3:1であった。この時点での
生機織物の緯糸のクリンプ率は、3.6%であった。得
られた織物をピンテンターにて、製織後の織物幅に対し
て15%の幅入れを190℃×30秒の条件で行った。
次に表3記載の条件でオープンソーパー型連続精練機に
よって精練を行った。その後、液流染色機により表1記
載の条件で染色を行い、次に余分な染料除去のための還
元洗浄を行い乾燥した。仕上げ加工は表2記載の条件で
加工を行った。
【0076】
【実施例23】タテ糸に75デニール45フィラメント
の銅アンモニアレーヨン長繊維、ヨコ糸に50デニール
30フィラメントの銅アンモニアレーヨン長繊維を用い
て、タテ糸密度160本/インチ、ヨコ糸密度100本
/インチ、、 製織後の織物幅142cmの朱子組織の織
物を製織した。得られた織物を、25℃の水に約5秒浸
漬した後、引き続き脱液機にて絞り率68%にしたあと
連続的にピンテンターにて、製織後の織物幅に対して7
%の幅入れを190℃×30秒の条件で行った。次に表
3記載の条件でオープンソーパー型連続精練機によって
精練を行った。引き続き表11記載の条件で染色した
後、表6記載の条件で樹脂加工を実施した。実施例21
〜23で得られた織物の伸び、動摩擦係数、クリンプ率
÷{( 経糸繊度d)1/2×経糸密度}の値、吹き出し性
能、外観、風合の評価結果をまとめて表14に示した。
表14から明らかなように本発明の裏地は、極めて裏地
の吹き出しが起こりにくく、且つ表面性も良好で滑り性
が良く、且つ風合いも良好なことがが判る。
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【0081】
【発明の効果】本発明の裏地は、裏地の表地側への吹き
出しを防止し、ソフトで滑り性がよく肌触りが良好なポ
リエステル系長繊維100%裏地及びポリエステル系長
繊維とセルロース系長繊維の交織裏地及びセルロース系
長繊維100%裏地を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B035 AA23 AB15 AD02 AD03 AD11 AD20 4L033 AA02 AA07 AB01 AB03 AB05 AC03 AC06 BA00 CA00 CA33 CA36 DA07 4L048 AA07 AA21 AB07 BA01 BA02 CA00 CA02 CA09 DA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸がポリエステル系長繊維及び/又は
    セルロース系長繊維で構成され、緯糸がポリエステル系
    長繊維の仮撚加工糸又はポリエステル系長繊維の原糸、
    又はセルロース系長繊維で構成された織物であって、該
    織物の緯方向の伸びが5〜12%、織物表面の動摩擦係
    数が0.20〜0.45、下記(1)式で求められらる
    織物緯糸クリンプ指数値が0.003〜0.013の範
    囲であり、且つ該織物に対して繊維加工用樹脂製バイン
    ダーが0.1〜1.0wt%付着していることを特徴と
    する吹き出し防止裏地。 緯糸のクリンプ率/{経糸密度×(経糸の繊度)1/2 } ・・・(1)
  2. 【請求項2】 織物が平織物であって、織物表面の動摩
    擦係数が0.22〜0.45であり、(1)式で求めた
    値が0.004〜0.013の範囲であることを特徴と
    する請求項1記載の裏地。
  3. 【請求項3】 織物が綾織物であって、織物表面の動摩
    擦係数が0.20〜0.38であり、(1)式で求めた
    値が0.003〜0.011の範囲であることを特徴と
    する請求項1記載の綾織物裏地。
  4. 【請求項4】 織物が朱子織物であって、織物表面の動
    摩擦係数が0.20〜0.35であり、(1)式で求め
    た値が0.003〜0.009の範囲であることを特徴
    とする請求項1記載の裏地。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102963048A (zh) * 2012-12-03 2013-03-13 吴江市鼎佳纺织有限公司 一种抗菌服装面料
CN103498252A (zh) * 2013-09-22 2014-01-08 吴江市锦邦纺织品有限公司 一种多功能吸汗透气面料
CN103767197A (zh) * 2014-01-03 2014-05-07 浙江金三发粘合衬有限公司 一种超大点羊绒粘合衬的制备工艺
CN103767201A (zh) * 2014-01-06 2014-05-07 浙江金三发粘合衬有限公司 一种全毛面料抗静电粘合衬的制备工艺
CN104223538A (zh) * 2014-10-17 2014-12-24 湖州菁诚纺织品有限公司 一种消光复合四面弹面料
CN105350159A (zh) * 2015-11-09 2016-02-24 吴江市鼎盛丝绸有限公司 一种具有自身粘合功能的丝绸提花宋锦织物
WO2020175193A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 旭化成株式会社 民族衣装サリー用再生セルロース緯糸強撚織物

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