JP3709239B2 - Acサーボモータの磁気飽和補正方式 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC装置等で制御される工作機械や産業機械等の機械,装置やロボットの駆動源として使用されるACサーボモータの磁気飽和補正方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は従来から行なわれているACサーボモータの制御系のブロック線図である。位置指令からエンコーダ等で検出される位置フィードバック値を減じて位置偏差を求め、該位置偏差にポジションゲインを乗じて速度指令を求める位置制御(1)を行ない、この速度指令から速度フィードバック値を減じて速度偏差を求め、比例,積分制御等の処理によってトルク指令(電流指令)を求める速度制御(2)を行う。さらに、このトルク指令から電流フィードバック値を減じて電流偏差を求め、比例,積分制御等の処理によって各相の電圧指令を求めてる電流制御(3)を行い、PWM制御等によってACサーボモータ4を制御している。
【0003】
上記制御系において、電流ループとして、従来は例えば3相ACサーボモータの場合では3相電流を別々に制御する方式が一般的である。図15は上記3相電流を別々に制御する電流ループ処理の詳細図である。
【0004】
速度制御(2)で求められたトルク指令(電流指令)に対して、エンコーダ等で検出されたサーボモータのロータ位相θよりU,V,W相に対して電気角でそれぞれ2π/3ずれた正弦波を乗じて各相の電流指令を求め、該電流指令から電流検出器で検出される各相の実電流Iu,Iv,Iwを減じて電流偏差を求め、各相電流制御器5u,5v,5wで比例,積分(PI)制御等を行なって各相の指令電圧Eu,Ev,Ewを電力増幅器6に出力する。電力増幅器6ではインバータ等でPWM制御を行なって各相の電流Iu,Iv,Iwをサーボモータ4に流し駆動することになる。前記従来の電流制御方式は交流方式と呼ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ACサーボモータに供給する電流を大きくすると、モータ内部の磁気回路において磁気飽和が発生する。この磁気飽和により、大きな供給電流にもかかわらずトルク定数が低下して所望のトルクを得ることが困難となるという問題点がある。
【0006】
図16は供給電流とトルクとの関係を説明するための図である。モータ内部の磁気回路において磁気飽和が発生しない場合には、供給電流の増加に伴って発生するトルクTはトルク定数ktに従って増加する。これに対して、例えば供給電流がIqを越えると磁気飽和が発生する場合には、モータが発生することができる最大トルク(図中の破線)は、トルク定数ktにより定まるトルク値より低下し、得られるトルクは図中の破線で示す最大トルク以下となる。
【0007】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決して、大きな電流を供給した場合の磁気飽和の影響を抑制して、トルクの低下を低減するACサーボモータの磁気飽和補正方式を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式は、電流指令の位相を進めることによって磁気飽和の影響を抑制してトルクの低下を低減するものであり、この電流指令の位相を進めるために、モータの電流制御を直流方式で行うd−q変換方式を用いる。
【0009】
磁気飽和の補正を従来の交流方式の電流制御で行うと、定速回転においても高速回転ではより大きな位相遅れが生じる。交流方式によるACサーボモータの電流制御では、位相の遅れ分と磁気飽和の補正分を分離して制御を行うことが困難である。この交流方式に対して、3相電流をd−q変換してd相,q相の2相に変換した後にそれぞれの相を制御する方式があり、このd−q変換を利用する方式は、電流を直流として制御するので制御系の位相遅れがなく、トルク特性が3相電流を別々に制御する場合と比較して改善されることが知られている。
【0010】
本発明は、ACサーボモータの駆動電流とロータ位相からd−q変換によって界磁の作る磁束方向のd相電流と直交するq相電流を求め、d相電流を零としq相電流を電流指令として直流方式で電流制御を行なう電流制御方式を用い、この直流方式の電流制御において、磁気飽和発生時に電流指令の有効成分であるq相電流指令の位相を進めることにより、磁気飽和の影響を抑制してトルクの低下を低減する。
【0011】
さらに、本発明の磁気飽和補正方式は、電流指令の有効成分であるq相電流の位相進め角の大きさをそのq相電流の大きさに応じて定めることができ、これによって、電流指令の増大に応じて増える磁気飽和量を抑制する。また、q相電流の位相は、磁気飽和を発生するq相電流の大きさより大きな電流指令に対して位相を進め、電流指令が磁気飽和を発生するq相電流よりも小さく磁気飽和が発生しない場合には、位相進めを行わず入力されたままの電流指令を使用する。これによって、電流指令の増大に応じて増える磁気飽和量を抑制する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳細に説明する。
本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式は、d−q変換を用いてモータの電流制御を直流方式で行っている。以下、d−q変換による電流制御について説明する。d−q変換による電流制御方式は、3相電流をd−q変換してd相,q相の2相に変換した後にそれぞれの相を制御する方式である。d−q変換においては、d軸は界磁の作る磁束の方向にとることが一般的であり、図1に示すようにロータの永久磁石の磁束の向きにd軸をとり、該d軸に直交する向きにq軸をとっている。
【0013】
このd−q変換を利用する電流制御方法について説明する。次式(1)は3相同期電動機の回路方程式である。
【0014】
【数1】
上記式(1)の左辺はモータのU,V,W相の電圧であり、右辺第1項の左側の行列はインピーダンス行例であり、Rは巻線抵抗、L’は巻線の自己インダクタンス、M’は相互インダクタンスで、sは微分演算子である。また、右辺第1項右側のベクトルは各相電流Iu,Iv,Iwのベクトルであり、右辺第2項は各相の巻線が誘起する起電力eu,ev,ewである。なお、laを漏れインダクタンスとすると、L’=la+M’の関係がある。
【0015】
ここで、式(2)で表される3相交流座標系から2相交流座標系に変換する交流行列C1、及び式(3)で表される2相交流座標系から3相交流座標系に変換する交流行列C2を用いて上記式(1)を変換すると、いわゆるd−q変換を行なう式(4)が得られる。
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
なお、上記式(3)において、θはロータの電気角(u相の巻線を基準にして時計回りの方向にとった界磁の角度)であり、式(4)におけるωはロータの角速度(電気角)、Φは巻線鎖交磁束数の最大値であり、また、L=la+3M’/2の関係がある。上記式(4)より、界磁の作る磁束方向のd相電流Idを「0」に制御し、q相電流Iqについてのみ、その大きさを制御するようにすると、直流サーボモータと同じ制御を行うことができる。
図2はACサーボモータの従来の制御をd−q変換して制御するときのブロック線図である。図2に示すACサーボモータの制御では、d相の電流指令を「0」とし、q相の電流指令を速度ループから出力されるトルク指令とし、モータの各u,v,w相の実電流(3相の中からいずれの2相を検出すればよい)及びロータ位置検出器で検出されたロータの位相を用いて、3相電流から2相電流へ変換する手段9でd相,q相の電流Id,Iqを求めて、前記の各相指令値から求めたd相,q相の電流Id,Iqを減じてd相,q相の電流偏差を求め、さらに電流制御器5d,5qで従来と同様にして比例,積分制御を行ってd相指令電圧Vd,及びq相指令電圧Vqを求める。そして、2相電圧から3相電圧に変換する手段8によって、求めたd相,q相の指令電圧Vd,VqからU,V,W相の指令電圧Vu,Vv,Vwを求め、さらに電力増幅器6に出力してインバータ等でサーボモータの各相に対して電流Iu,Iv,Iwを流してサーボモータの制御を行う。
【0019】
また、上記変換行列C1,C2と3相の電圧,電流の合計が「0」である関係、すなわち、Vu+Vv+Vw=0、Iu+Iv+Iw=0の関係から、3相電圧Vu,Vv,Vwと2相電圧Vd,Vq、及び3相電流Iu,Iv,Iwと2相電流Id,Iqの関係は次の式(5),式(6)が成立する。
【0020】
【数5】
【0021】
【数6】
そこで、図2の3相−2相変換器9は、上記式(6)の演算を行って3相電流のIu,Iv,Iwから2相電流のId,Iqを求めて各相の電流フィードバックとし、また、2相−3相変換器8は、上記式(5)の演算を行って2相電圧Vd,Vqから3相電流Vu,Vv,Vwを求めることによって、d−q変換を利用してサーボモータの電流制御を行なうことができる。
【0022】
次に、本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式を実施するための一構成例を図3を用いて説明する。本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式を実施するための構成は、前記図2に示したd−q変換による電流制御ブロック線図において、磁気飽和補正の項10を加えた構成であり、トルク指令Iq*に応じて進め角θmを求め、この進め角θmをロータ位相のブロック7に加えて位相補正した位相角(θ+θm)を求め、求めた位相角(θ+θm)を3相−2相変換器に入力してd相,q相の電流Id,Iqを求め、この位相を進めたq相電流Iqによって電流制御を行う。
【0023】
したがって、図3に示すブロック線図において、d相の電流指令Idを「0」とし、q相の電流指令を速度ループから出力されるトルク指令Iq*とする。トルク指令Iq*は磁気飽和補正のブロック10に入力され、該トルク指令Iq*の大きさに応じた進め角θmを求め、ロータ位相を求めるブロック7に入力する。ロータ位相のブロック7は、ロータ位置検出器で検出されたロータの位相θに磁気飽和補正のブロック10からの進め角θmを加えて位相角(θ+θm)を求め、3相−2相変換器9に送る。
【0024】
3相−2相変換器9は、ACサーボモータMの各u,v,w相の実電流(いずれから2相の実電流を検出し、他の1相は求めた2相から求めることができる)とロータ位相のブロック7からの位相角(θ+θm)を用いて、d−q変換によってd相電流Id,q相電流Iqを求め、さらに指令値Id,Iqからこのd相電流Id,q相電流Iqを減じてd相,q相の電流偏差を求め、この電流偏差をd相電流制御器5dおよびq相電流制御器5qで比例積分制御を行ない、d相指令電圧Vd,q相指令電圧Vqを求める。求めたd相指令電圧Vd,q相指令電圧Vqを、2相−3相変換器8でU,V,W相の電圧Vu,Vv,Vwを求め、さらに電力増幅器6に出力してインバータ等でサーボモータの各相に対して電流Iu,Iv,Iwを流してサーボモータの制御を行う。
【0025】
次に、本発明の磁気飽和補正について説明する。図4,5,6は、モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図であり、前記図1と同様にロータの永久磁石の磁束(主磁束ΦM )の方向をd軸とし、有効電流Iqによって発生する磁束M・Iqの方向をq軸としている。なお、d軸とq軸は互いに直交する軸である。
【0026】
したがって、ロータの永久磁石による主磁束ΦM と有効電流Iqによって発生する磁束M・Iqとをベクトル的に加算して合成磁束を求めると、トルクを形成ための有効磁束Φg となる。このとき発生するトルクTは有効磁束Φg と有効電流Iqの外積によって次式(7)で表される。
【0027】
ここで、トルクTは、図4,5,6中の面積Sに比例することになる。
【0028】
図4において、q相電流をIqからIq’に増加させると面積はSからS’に増加し、発生するトルクTも増加する。さらにq相電流を増加させると、有効磁束Φg が増加してモータ内部の磁気回路において磁気飽和が発生する。有効磁束が磁気飽和領域に入ると、さらにq相電流Iqを増加させてもそれに比例して有効磁束は大きくならず、したがってトルクが増加しなくなる。図5の磁束ベクトル図において、縦線によるハッチング部分は磁気飽和領域を模式的に示しており、増加したq相電流Iq1 によって形成される磁束Φg は磁気飽和領域内に入ることになり、磁気飽和によって実際に形成される磁束はΦg よりも小さなΦgsとなる。したがって、発生するトルクの大きさを図中の面積Sで比較すると、本来発生すべきトルクは(S1 +S2 )であるのに対して、磁気飽和によって実際に発生するトルクはS1 となり、S2 /(S1 +S2 )分のトルクが減少することになる。
【0029】
そこで、本発明の磁気飽和補正では、q相電流Iqの位相を進めることによって磁束Φg が磁気飽和領域内に進入しないよう制御し、トルク分の減少を抑える。図6の磁束ベクトル図において、q軸方向のq相電流Iqによって形成される磁束Φgsが磁気飽和領域に達しているとき、q相電流Iqをθだけ位相を進めると磁束Φgsと磁気飽和領域との間に余裕が生じ、より大きなq相電流Iq1(θ) を供給することができる。このときの磁束Φgs(θ)はΦgsよりも大きくとることができ、発生するトルクの大きさを図中の面積Sで比較すると、q相電流Iqをθだけ位相を進めて磁気飽和補正を行った場合に発生するトルクは(S1 +S3)となり、磁気飽和補正を行わない場合のに発生するトルクS1 に対して、S3/S1 分のトルクを増加させることができる。
【0030】
この磁気飽和補正による増加トルクは、前記図5,図6において、トルクを面積Sで示した場合にはS3<S2に関係となり、磁気飽和がない場合に得られる最大トルクに達しないもののトルクを増加させることができる。
【0031】
q相電流の位相進めの制御は、実際にはエンコーダによって検出されるロータ位相を進めることによって、制御上のd−q座標を実際のd−q座標より進めることにより行うことができ、制御系からみた制御態様は通常の制御と同様であって、ロータ位相のブロックから出力される位相のみが異なることになる。図7は制御上のd−q座標と実際のd−q座標とを比較するための図である。図7(a)において、q相電流の位相進めの制御は、制御上のd−q座標を実際のd−q座標に対してθmだけ位相を進めることに対応している。図7(b)において、制御系による制御は、実際のd−q座標に対してθmだけ位相を進んでいる制御上のd−q座標上で行われ、該d−q座標のq軸方向にq相電流を流すことによって磁気飽和補正を行うことができる。したがって、制御系からみた場合には、通常の制御と変わらない制御を行うことになる。
【0032】
次に、本発明の磁気飽和補正における位相の進め角θmについて説明する。図8は進め角θmの一例を説明するための図であり、電流指令に対する進め角θmを示している。図において、電流指令Iq* が設定した値Ib以内の場合には進め角θmを0°とし、電流指令Iq* が設定した値Ibを越えた場合には進め角を電流指令Iq* に比例させて増加させている。図8に示す進め角θmは、以下の式(8)により表される。
abs(Iq*)>Ibのとき θm=k・(abs(Iq*)−Ib)・sign(Iq*)
abs(Iq*)<Ibのとき θm=0 …(8)
なお、 Iq*はq相指令電流、Ibは磁気飽和領域に入りはじめる電流指令の大きさを指定する電流値であり、kは比例定数、abs は絶対値、signは符号を表している。ここで、比例定数kは磁気飽和係数であり、モータ毎に異なる磁気飽和特性に応じて決定するものであり、実験により定めることができる。
【0033】
したがって、電流指令Iq* が小さくこの電流指令の大きさでは発生する磁束が磁気飽和領域に入らない場合には、磁気飽和補正を行う必要がないため、進め角θmを0°として電流指令Iq* を位相制御することなくモータ制御を行う。これに対して、電流指令Iq* が大きくなりこの電流指令によって発生する磁束が磁気飽和領域に入る場合には、磁気飽和補正を行う必要が生じるため、進め角θmを磁気飽和の程度に応じて位相を進める制御を行う。この磁気飽和の程度に応じた位相進めは、電流指令Iq* が磁気飽和領域に入りはじめる電流指令の大きさIbを越えた程度に応じて設定することができ、電流指令Iq* と電流Ibの差に従って競ってすることができる。
【0034】
図9は、位相進みと有効磁束との関係を説明するための図であり、電流指令Iq* が順に増加する場合の状態を、図8中に示した位相の進め角θm(符号a〜g)に対応して対応する同符号aからgで示している。例えば、電流指令Iq* がIb より小さなIaの場合(符号a)には、発生する磁束は磁気飽和領域に達していないため、進め角θmは0°に設定して位相進めを行うことなく電流制御を行う。電流指令Iq* が増加してIb に達した場合(符号b)には、発生する磁束は磁気飽和領域に達する。したがって、この磁気飽和領域に達するまでの電流指令Iq* に対しては、進め角θmは0°に設定して位相進めを行うことなく電流制御を行う。さらに電流指令Iq* が増加してIb を越えた場合には、発生する磁束は磁気飽和領域内に入るためこのままでは発生するトルクが抑えられることになる。そこで、電流指令Iq* が増加してIb を越えた時点から進め角θmを増加させ、発生する磁束が図中のc〜gに示す順に磁気飽和領域の境界に接近した状態を維持したまま位相が進むように制御を行う。これによって、磁気飽和領域内への磁束の進入を抑制して発生するトルクを増加させることができる。なお、q相電流の位相を進めることによってd相電流分が発生する。このd相電流分は、熱等の損失分として消費される。
【0035】
図10は、本発明の実施例を適用したサーボモータ制御系のブロック図であり、その構成は従来のデジタルサーボ制御を行なう装置と同一の構成であるため、概略的に示している。図10において、20はコンピュータを内蔵した数値制御装置(CNC)、21は共有RAM、22はプロセッサ(CPU),ROM,RAM等を有するデジタルサーボ回路、23はトランジスタインバータ等の電力増幅器、MはACサーボモータ、24はACサーボモータMの回転とともにパルスを発生するエンコーダ、25はロータ位相を検出するためのロータ位置検出器である。
図11は上記デジタルサーボ回路22のプロセッサが所定周期毎に実施する電流ループ制御処理のフローチャートである。デジタルサーボ回路22のプロセッサは、数値制御装置(CNC)から指令された位置指令(もしくは速度指令)を共有RAM21を介して読み取り位置ループ処理,速度ループ処理を行ない、トルク指令(電流指令)を作成し、該速度ループ処理によって出力された電流指令(トルク指令)Iq*を読むとともに(ステップS1)、ロータ位置検出器25からロータ位相θとモータ速度wを取り込む(ステップS2)。
次に、ロータ位相のブロックでは、電流指令(トルク指令)の大きさに応じて、その位相を進ませる磁気飽和補正の演算を行う。この磁気飽和補正演算は、前記式(8)を用いた進め角θmを求める演算であり、電流指令の大きさに応じた進め角θmが求められる(ステップS3)。
【0036】
また、電流ループでは、u相,v相の電流フィードバックIu,Ivの取込みを行い(ステップS4)、ステップS2で求めたロータ位相θとともに前記式(6)の演算を行って3相電流のIu,Iv,Iwから2相電流のId,Iqを求めて各相の電流フィードバックとする(ステップS5)。そして、求めたd相電流Idをフィードバック電流とし、d相電流指令を「0」として、通常の電流ループ処理(比例積分制御)を行いd相指令電圧Vdを求め、ステップS1で読み取った電流指令をq相の電流指令とし、ステップS5で算出したq相の電流値Iqをフィードバック電流として電流ループ処理を行ってq相の電圧指令Vqを求める。ここで使用するq相の電流値Iqは磁気飽和補正によって位相進めの制御が行われた値である(ステップS6)。
【0037】
2相−3相変換器8は、上記式(5)の演算によってd−q変換を行って2相電圧Vd,Vqから3相電圧Vu,Vv,Vwを求めて電圧指令とする(ステップS7)。求めた電圧指令出力は電力増幅器6に出力され、インバータ当でPWM制御を行って、各相の電流をACサーボモータ4に供給し駆動する。
【0038】
次に、図12,図13を用いて従来の制御方式と本発明の磁気飽和補正方式との比較を行う。図12,図13は回転数とトルクとの関係を示すトルク特性図であり、モータの各回転数における最大出力例を示している。図12は従来の交流方式の制御によるトルク特性の一例であり、図13は本発明の磁気飽和補正方式の制御によるトルク特性の一例である。本発明の磁気飽和補正方式によれば、高速回転における最大トルクを高めることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大きな電流を供給した場合の磁気飽和の影響を抑制して、トルクの低下を低減するACサーボモータの磁気飽和補正方式を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】d−q変換の座標系を説明する図である。
【図2】電流制御をd−q変換して行なう電流制御部のブロック線図である。
【図3】本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式を実施するための一構成例を説明するためのブロック線図である。
【図4】モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図である。
【図5】モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図である。
【図6】モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図である。
【図7】制御上のd−q座標と実際のd−q座標とを比較するための図である。
【図8】進め角θmの一例を説明するための図である。
【図9】位相進めの程度を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施例のデジタルサーボ系のブロック図である。
【図11】本発明のデジタルサーボ回路のプロセッサが実施する電流ループ処理のフローチャートである。
【図12】従来のACサーボモータの制御方式による回転数とトルクの関係を示すグラフである。
【図13】本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式による回転数とトルクの関係を示すグラフである。
【図14】従来のACサーボモータの制御系のブロック線図である。
【図15】従来のACサーボモータの制御系の3相電流を別々に制御する電流ループ処理の詳細図である。
【図16】従来のACサーボモータの供給電流とトルクとの関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 位相制御ブロック
2 速度制御ブロック
3 電流制御ブロック
4 サーボモータ
5 電流制御器
6 電力増幅器
7 ロータ位相ブロック
8 2相−3相変換器
9 3相−2相変換器
10 磁気飽和補正ブロック
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC装置等で制御される工作機械や産業機械等の機械,装置やロボットの駆動源として使用されるACサーボモータの磁気飽和補正方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は従来から行なわれているACサーボモータの制御系のブロック線図である。位置指令からエンコーダ等で検出される位置フィードバック値を減じて位置偏差を求め、該位置偏差にポジションゲインを乗じて速度指令を求める位置制御(1)を行ない、この速度指令から速度フィードバック値を減じて速度偏差を求め、比例,積分制御等の処理によってトルク指令(電流指令)を求める速度制御(2)を行う。さらに、このトルク指令から電流フィードバック値を減じて電流偏差を求め、比例,積分制御等の処理によって各相の電圧指令を求めてる電流制御(3)を行い、PWM制御等によってACサーボモータ4を制御している。
【0003】
上記制御系において、電流ループとして、従来は例えば3相ACサーボモータの場合では3相電流を別々に制御する方式が一般的である。図15は上記3相電流を別々に制御する電流ループ処理の詳細図である。
【0004】
速度制御(2)で求められたトルク指令(電流指令)に対して、エンコーダ等で検出されたサーボモータのロータ位相θよりU,V,W相に対して電気角でそれぞれ2π/3ずれた正弦波を乗じて各相の電流指令を求め、該電流指令から電流検出器で検出される各相の実電流Iu,Iv,Iwを減じて電流偏差を求め、各相電流制御器5u,5v,5wで比例,積分(PI)制御等を行なって各相の指令電圧Eu,Ev,Ewを電力増幅器6に出力する。電力増幅器6ではインバータ等でPWM制御を行なって各相の電流Iu,Iv,Iwをサーボモータ4に流し駆動することになる。前記従来の電流制御方式は交流方式と呼ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ACサーボモータに供給する電流を大きくすると、モータ内部の磁気回路において磁気飽和が発生する。この磁気飽和により、大きな供給電流にもかかわらずトルク定数が低下して所望のトルクを得ることが困難となるという問題点がある。
【0006】
図16は供給電流とトルクとの関係を説明するための図である。モータ内部の磁気回路において磁気飽和が発生しない場合には、供給電流の増加に伴って発生するトルクTはトルク定数ktに従って増加する。これに対して、例えば供給電流がIqを越えると磁気飽和が発生する場合には、モータが発生することができる最大トルク(図中の破線)は、トルク定数ktにより定まるトルク値より低下し、得られるトルクは図中の破線で示す最大トルク以下となる。
【0007】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決して、大きな電流を供給した場合の磁気飽和の影響を抑制して、トルクの低下を低減するACサーボモータの磁気飽和補正方式を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式は、電流指令の位相を進めることによって磁気飽和の影響を抑制してトルクの低下を低減するものであり、この電流指令の位相を進めるために、モータの電流制御を直流方式で行うd−q変換方式を用いる。
【0009】
磁気飽和の補正を従来の交流方式の電流制御で行うと、定速回転においても高速回転ではより大きな位相遅れが生じる。交流方式によるACサーボモータの電流制御では、位相の遅れ分と磁気飽和の補正分を分離して制御を行うことが困難である。この交流方式に対して、3相電流をd−q変換してd相,q相の2相に変換した後にそれぞれの相を制御する方式があり、このd−q変換を利用する方式は、電流を直流として制御するので制御系の位相遅れがなく、トルク特性が3相電流を別々に制御する場合と比較して改善されることが知られている。
【0010】
本発明は、ACサーボモータの駆動電流とロータ位相からd−q変換によって界磁の作る磁束方向のd相電流と直交するq相電流を求め、d相電流を零としq相電流を電流指令として直流方式で電流制御を行なう電流制御方式を用い、この直流方式の電流制御において、磁気飽和発生時に電流指令の有効成分であるq相電流指令の位相を進めることにより、磁気飽和の影響を抑制してトルクの低下を低減する。
【0011】
さらに、本発明の磁気飽和補正方式は、電流指令の有効成分であるq相電流の位相進め角の大きさをそのq相電流の大きさに応じて定めることができ、これによって、電流指令の増大に応じて増える磁気飽和量を抑制する。また、q相電流の位相は、磁気飽和を発生するq相電流の大きさより大きな電流指令に対して位相を進め、電流指令が磁気飽和を発生するq相電流よりも小さく磁気飽和が発生しない場合には、位相進めを行わず入力されたままの電流指令を使用する。これによって、電流指令の増大に応じて増える磁気飽和量を抑制する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳細に説明する。
本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式は、d−q変換を用いてモータの電流制御を直流方式で行っている。以下、d−q変換による電流制御について説明する。d−q変換による電流制御方式は、3相電流をd−q変換してd相,q相の2相に変換した後にそれぞれの相を制御する方式である。d−q変換においては、d軸は界磁の作る磁束の方向にとることが一般的であり、図1に示すようにロータの永久磁石の磁束の向きにd軸をとり、該d軸に直交する向きにq軸をとっている。
【0013】
このd−q変換を利用する電流制御方法について説明する。次式(1)は3相同期電動機の回路方程式である。
【0014】
【数1】
上記式(1)の左辺はモータのU,V,W相の電圧であり、右辺第1項の左側の行列はインピーダンス行例であり、Rは巻線抵抗、L’は巻線の自己インダクタンス、M’は相互インダクタンスで、sは微分演算子である。また、右辺第1項右側のベクトルは各相電流Iu,Iv,Iwのベクトルであり、右辺第2項は各相の巻線が誘起する起電力eu,ev,ewである。なお、laを漏れインダクタンスとすると、L’=la+M’の関係がある。
【0015】
ここで、式(2)で表される3相交流座標系から2相交流座標系に変換する交流行列C1、及び式(3)で表される2相交流座標系から3相交流座標系に変換する交流行列C2を用いて上記式(1)を変換すると、いわゆるd−q変換を行なう式(4)が得られる。
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
なお、上記式(3)において、θはロータの電気角(u相の巻線を基準にして時計回りの方向にとった界磁の角度)であり、式(4)におけるωはロータの角速度(電気角)、Φは巻線鎖交磁束数の最大値であり、また、L=la+3M’/2の関係がある。上記式(4)より、界磁の作る磁束方向のd相電流Idを「0」に制御し、q相電流Iqについてのみ、その大きさを制御するようにすると、直流サーボモータと同じ制御を行うことができる。
図2はACサーボモータの従来の制御をd−q変換して制御するときのブロック線図である。図2に示すACサーボモータの制御では、d相の電流指令を「0」とし、q相の電流指令を速度ループから出力されるトルク指令とし、モータの各u,v,w相の実電流(3相の中からいずれの2相を検出すればよい)及びロータ位置検出器で検出されたロータの位相を用いて、3相電流から2相電流へ変換する手段9でd相,q相の電流Id,Iqを求めて、前記の各相指令値から求めたd相,q相の電流Id,Iqを減じてd相,q相の電流偏差を求め、さらに電流制御器5d,5qで従来と同様にして比例,積分制御を行ってd相指令電圧Vd,及びq相指令電圧Vqを求める。そして、2相電圧から3相電圧に変換する手段8によって、求めたd相,q相の指令電圧Vd,VqからU,V,W相の指令電圧Vu,Vv,Vwを求め、さらに電力増幅器6に出力してインバータ等でサーボモータの各相に対して電流Iu,Iv,Iwを流してサーボモータの制御を行う。
【0019】
また、上記変換行列C1,C2と3相の電圧,電流の合計が「0」である関係、すなわち、Vu+Vv+Vw=0、Iu+Iv+Iw=0の関係から、3相電圧Vu,Vv,Vwと2相電圧Vd,Vq、及び3相電流Iu,Iv,Iwと2相電流Id,Iqの関係は次の式(5),式(6)が成立する。
【0020】
【数5】
【0021】
【数6】
そこで、図2の3相−2相変換器9は、上記式(6)の演算を行って3相電流のIu,Iv,Iwから2相電流のId,Iqを求めて各相の電流フィードバックとし、また、2相−3相変換器8は、上記式(5)の演算を行って2相電圧Vd,Vqから3相電流Vu,Vv,Vwを求めることによって、d−q変換を利用してサーボモータの電流制御を行なうことができる。
【0022】
次に、本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式を実施するための一構成例を図3を用いて説明する。本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式を実施するための構成は、前記図2に示したd−q変換による電流制御ブロック線図において、磁気飽和補正の項10を加えた構成であり、トルク指令Iq*に応じて進め角θmを求め、この進め角θmをロータ位相のブロック7に加えて位相補正した位相角(θ+θm)を求め、求めた位相角(θ+θm)を3相−2相変換器に入力してd相,q相の電流Id,Iqを求め、この位相を進めたq相電流Iqによって電流制御を行う。
【0023】
したがって、図3に示すブロック線図において、d相の電流指令Idを「0」とし、q相の電流指令を速度ループから出力されるトルク指令Iq*とする。トルク指令Iq*は磁気飽和補正のブロック10に入力され、該トルク指令Iq*の大きさに応じた進め角θmを求め、ロータ位相を求めるブロック7に入力する。ロータ位相のブロック7は、ロータ位置検出器で検出されたロータの位相θに磁気飽和補正のブロック10からの進め角θmを加えて位相角(θ+θm)を求め、3相−2相変換器9に送る。
【0024】
3相−2相変換器9は、ACサーボモータMの各u,v,w相の実電流(いずれから2相の実電流を検出し、他の1相は求めた2相から求めることができる)とロータ位相のブロック7からの位相角(θ+θm)を用いて、d−q変換によってd相電流Id,q相電流Iqを求め、さらに指令値Id,Iqからこのd相電流Id,q相電流Iqを減じてd相,q相の電流偏差を求め、この電流偏差をd相電流制御器5dおよびq相電流制御器5qで比例積分制御を行ない、d相指令電圧Vd,q相指令電圧Vqを求める。求めたd相指令電圧Vd,q相指令電圧Vqを、2相−3相変換器8でU,V,W相の電圧Vu,Vv,Vwを求め、さらに電力増幅器6に出力してインバータ等でサーボモータの各相に対して電流Iu,Iv,Iwを流してサーボモータの制御を行う。
【0025】
次に、本発明の磁気飽和補正について説明する。図4,5,6は、モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図であり、前記図1と同様にロータの永久磁石の磁束(主磁束ΦM )の方向をd軸とし、有効電流Iqによって発生する磁束M・Iqの方向をq軸としている。なお、d軸とq軸は互いに直交する軸である。
【0026】
したがって、ロータの永久磁石による主磁束ΦM と有効電流Iqによって発生する磁束M・Iqとをベクトル的に加算して合成磁束を求めると、トルクを形成ための有効磁束Φg となる。このとき発生するトルクTは有効磁束Φg と有効電流Iqの外積によって次式(7)で表される。
【0027】
ここで、トルクTは、図4,5,6中の面積Sに比例することになる。
【0028】
図4において、q相電流をIqからIq’に増加させると面積はSからS’に増加し、発生するトルクTも増加する。さらにq相電流を増加させると、有効磁束Φg が増加してモータ内部の磁気回路において磁気飽和が発生する。有効磁束が磁気飽和領域に入ると、さらにq相電流Iqを増加させてもそれに比例して有効磁束は大きくならず、したがってトルクが増加しなくなる。図5の磁束ベクトル図において、縦線によるハッチング部分は磁気飽和領域を模式的に示しており、増加したq相電流Iq1 によって形成される磁束Φg は磁気飽和領域内に入ることになり、磁気飽和によって実際に形成される磁束はΦg よりも小さなΦgsとなる。したがって、発生するトルクの大きさを図中の面積Sで比較すると、本来発生すべきトルクは(S1 +S2 )であるのに対して、磁気飽和によって実際に発生するトルクはS1 となり、S2 /(S1 +S2 )分のトルクが減少することになる。
【0029】
そこで、本発明の磁気飽和補正では、q相電流Iqの位相を進めることによって磁束Φg が磁気飽和領域内に進入しないよう制御し、トルク分の減少を抑える。図6の磁束ベクトル図において、q軸方向のq相電流Iqによって形成される磁束Φgsが磁気飽和領域に達しているとき、q相電流Iqをθだけ位相を進めると磁束Φgsと磁気飽和領域との間に余裕が生じ、より大きなq相電流Iq1(θ) を供給することができる。このときの磁束Φgs(θ)はΦgsよりも大きくとることができ、発生するトルクの大きさを図中の面積Sで比較すると、q相電流Iqをθだけ位相を進めて磁気飽和補正を行った場合に発生するトルクは(S1 +S3)となり、磁気飽和補正を行わない場合のに発生するトルクS1 に対して、S3/S1 分のトルクを増加させることができる。
【0030】
この磁気飽和補正による増加トルクは、前記図5,図6において、トルクを面積Sで示した場合にはS3<S2に関係となり、磁気飽和がない場合に得られる最大トルクに達しないもののトルクを増加させることができる。
【0031】
q相電流の位相進めの制御は、実際にはエンコーダによって検出されるロータ位相を進めることによって、制御上のd−q座標を実際のd−q座標より進めることにより行うことができ、制御系からみた制御態様は通常の制御と同様であって、ロータ位相のブロックから出力される位相のみが異なることになる。図7は制御上のd−q座標と実際のd−q座標とを比較するための図である。図7(a)において、q相電流の位相進めの制御は、制御上のd−q座標を実際のd−q座標に対してθmだけ位相を進めることに対応している。図7(b)において、制御系による制御は、実際のd−q座標に対してθmだけ位相を進んでいる制御上のd−q座標上で行われ、該d−q座標のq軸方向にq相電流を流すことによって磁気飽和補正を行うことができる。したがって、制御系からみた場合には、通常の制御と変わらない制御を行うことになる。
【0032】
次に、本発明の磁気飽和補正における位相の進め角θmについて説明する。図8は進め角θmの一例を説明するための図であり、電流指令に対する進め角θmを示している。図において、電流指令Iq* が設定した値Ib以内の場合には進め角θmを0°とし、電流指令Iq* が設定した値Ibを越えた場合には進め角を電流指令Iq* に比例させて増加させている。図8に示す進め角θmは、以下の式(8)により表される。
abs(Iq*)>Ibのとき θm=k・(abs(Iq*)−Ib)・sign(Iq*)
abs(Iq*)<Ibのとき θm=0 …(8)
なお、 Iq*はq相指令電流、Ibは磁気飽和領域に入りはじめる電流指令の大きさを指定する電流値であり、kは比例定数、abs は絶対値、signは符号を表している。ここで、比例定数kは磁気飽和係数であり、モータ毎に異なる磁気飽和特性に応じて決定するものであり、実験により定めることができる。
【0033】
したがって、電流指令Iq* が小さくこの電流指令の大きさでは発生する磁束が磁気飽和領域に入らない場合には、磁気飽和補正を行う必要がないため、進め角θmを0°として電流指令Iq* を位相制御することなくモータ制御を行う。これに対して、電流指令Iq* が大きくなりこの電流指令によって発生する磁束が磁気飽和領域に入る場合には、磁気飽和補正を行う必要が生じるため、進め角θmを磁気飽和の程度に応じて位相を進める制御を行う。この磁気飽和の程度に応じた位相進めは、電流指令Iq* が磁気飽和領域に入りはじめる電流指令の大きさIbを越えた程度に応じて設定することができ、電流指令Iq* と電流Ibの差に従って競ってすることができる。
【0034】
図9は、位相進みと有効磁束との関係を説明するための図であり、電流指令Iq* が順に増加する場合の状態を、図8中に示した位相の進め角θm(符号a〜g)に対応して対応する同符号aからgで示している。例えば、電流指令Iq* がIb より小さなIaの場合(符号a)には、発生する磁束は磁気飽和領域に達していないため、進め角θmは0°に設定して位相進めを行うことなく電流制御を行う。電流指令Iq* が増加してIb に達した場合(符号b)には、発生する磁束は磁気飽和領域に達する。したがって、この磁気飽和領域に達するまでの電流指令Iq* に対しては、進め角θmは0°に設定して位相進めを行うことなく電流制御を行う。さらに電流指令Iq* が増加してIb を越えた場合には、発生する磁束は磁気飽和領域内に入るためこのままでは発生するトルクが抑えられることになる。そこで、電流指令Iq* が増加してIb を越えた時点から進め角θmを増加させ、発生する磁束が図中のc〜gに示す順に磁気飽和領域の境界に接近した状態を維持したまま位相が進むように制御を行う。これによって、磁気飽和領域内への磁束の進入を抑制して発生するトルクを増加させることができる。なお、q相電流の位相を進めることによってd相電流分が発生する。このd相電流分は、熱等の損失分として消費される。
【0035】
図10は、本発明の実施例を適用したサーボモータ制御系のブロック図であり、その構成は従来のデジタルサーボ制御を行なう装置と同一の構成であるため、概略的に示している。図10において、20はコンピュータを内蔵した数値制御装置(CNC)、21は共有RAM、22はプロセッサ(CPU),ROM,RAM等を有するデジタルサーボ回路、23はトランジスタインバータ等の電力増幅器、MはACサーボモータ、24はACサーボモータMの回転とともにパルスを発生するエンコーダ、25はロータ位相を検出するためのロータ位置検出器である。
図11は上記デジタルサーボ回路22のプロセッサが所定周期毎に実施する電流ループ制御処理のフローチャートである。デジタルサーボ回路22のプロセッサは、数値制御装置(CNC)から指令された位置指令(もしくは速度指令)を共有RAM21を介して読み取り位置ループ処理,速度ループ処理を行ない、トルク指令(電流指令)を作成し、該速度ループ処理によって出力された電流指令(トルク指令)Iq*を読むとともに(ステップS1)、ロータ位置検出器25からロータ位相θとモータ速度wを取り込む(ステップS2)。
次に、ロータ位相のブロックでは、電流指令(トルク指令)の大きさに応じて、その位相を進ませる磁気飽和補正の演算を行う。この磁気飽和補正演算は、前記式(8)を用いた進め角θmを求める演算であり、電流指令の大きさに応じた進め角θmが求められる(ステップS3)。
【0036】
また、電流ループでは、u相,v相の電流フィードバックIu,Ivの取込みを行い(ステップS4)、ステップS2で求めたロータ位相θとともに前記式(6)の演算を行って3相電流のIu,Iv,Iwから2相電流のId,Iqを求めて各相の電流フィードバックとする(ステップS5)。そして、求めたd相電流Idをフィードバック電流とし、d相電流指令を「0」として、通常の電流ループ処理(比例積分制御)を行いd相指令電圧Vdを求め、ステップS1で読み取った電流指令をq相の電流指令とし、ステップS5で算出したq相の電流値Iqをフィードバック電流として電流ループ処理を行ってq相の電圧指令Vqを求める。ここで使用するq相の電流値Iqは磁気飽和補正によって位相進めの制御が行われた値である(ステップS6)。
【0037】
2相−3相変換器8は、上記式(5)の演算によってd−q変換を行って2相電圧Vd,Vqから3相電圧Vu,Vv,Vwを求めて電圧指令とする(ステップS7)。求めた電圧指令出力は電力増幅器6に出力され、インバータ当でPWM制御を行って、各相の電流をACサーボモータ4に供給し駆動する。
【0038】
次に、図12,図13を用いて従来の制御方式と本発明の磁気飽和補正方式との比較を行う。図12,図13は回転数とトルクとの関係を示すトルク特性図であり、モータの各回転数における最大出力例を示している。図12は従来の交流方式の制御によるトルク特性の一例であり、図13は本発明の磁気飽和補正方式の制御によるトルク特性の一例である。本発明の磁気飽和補正方式によれば、高速回転における最大トルクを高めることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大きな電流を供給した場合の磁気飽和の影響を抑制して、トルクの低下を低減するACサーボモータの磁気飽和補正方式を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】d−q変換の座標系を説明する図である。
【図2】電流制御をd−q変換して行なう電流制御部のブロック線図である。
【図3】本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式を実施するための一構成例を説明するためのブロック線図である。
【図4】モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図である。
【図5】モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図である。
【図6】モータのd−q座標上での磁束ベクトルを示す図である。
【図7】制御上のd−q座標と実際のd−q座標とを比較するための図である。
【図8】進め角θmの一例を説明するための図である。
【図9】位相進めの程度を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施例のデジタルサーボ系のブロック図である。
【図11】本発明のデジタルサーボ回路のプロセッサが実施する電流ループ処理のフローチャートである。
【図12】従来のACサーボモータの制御方式による回転数とトルクの関係を示すグラフである。
【図13】本発明のACサーボモータの磁気飽和補正方式による回転数とトルクの関係を示すグラフである。
【図14】従来のACサーボモータの制御系のブロック線図である。
【図15】従来のACサーボモータの制御系の3相電流を別々に制御する電流ループ処理の詳細図である。
【図16】従来のACサーボモータの供給電流とトルクとの関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 位相制御ブロック
2 速度制御ブロック
3 電流制御ブロック
4 サーボモータ
5 電流制御器
6 電力増幅器
7 ロータ位相ブロック
8 2相−3相変換器
9 3相−2相変換器
10 磁気飽和補正ブロック
Claims (3)
- ACサーボモータの電流制御方法において、
ACサーボモータの駆動電流とロータ位相からd−q変換によって界磁の作る磁束方向のd相電流と直交するq相電流を求め、d相電流を零としq相電流を電流指令として電流制御を行なう電流制御方式であって、磁気飽和発生時のq相電流の位相を進めることを特徴とするACサーボモータの磁気飽和補正方式。 - 前記q相電流の位相進め角を、該q相電流の大きさに応じて定めることを特徴とする請求項1記載のACサーボモータの磁気飽和補正方式。
- 前記q相電流の位相は、磁気飽和が発生するq相電流以上の電流指令に対して進めることを特徴とする請求項1,又は2記載のACサーボモータの磁気飽和補正方式。
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