JP3701985B2 - 酸化物超電導電流リード - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、超電導電流リードに係り、さらに詳しくは、機械的衝撃などに対する耐久性を付与した酸化物超電導体系の超電導電流リードに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、酸化物超電導体の出現によって、超電導材料の臨界温度は、77.3 Kの液体窒素温度を超えるに至った。そして、これらの酸化物超電導体が、液体窒素冷却で、従来の金属系超電導体に匹敵する超電導特性を呈するならば、その応用範囲も格段に広がると期待される。すなわち、金属系超電導体では、液体ヘリウム冷却を必要とし、またこの液体ヘリウム冷却に高度な極低温技術を要するのに較べて、液体窒素による冷却手段の方が簡略化など成し得るからである。
前記酸化物超電導体の有力な応用分野として、電流リードが挙げられる。たとえば超電導マグネットを用いたMRI装置や磁気浮上超電導機器などにおいては、室温領域の電源と、極低温領域(液体ヘリウム中に浸漬)の超電導マグネットとを電気的に接続し、所要の電流を供給するために電流リードが使用される。そして、この種の電流リードには、低抵抗性に着目し、一般的に銅製リードが使用されているが、熱伝導率が大きいために、伝導による定常的な大きな熱侵入があるほか、 Q= I2 ×R ( Iは通電電流,R は電流リードの抵抗)のジュール発熱を生じる。ここで、通電電流 Iが大きくなるほど、多量のジュール発熱を生じ、液体ヘリウムの蒸発ないし消耗(消費)を招来するので、蒸発した液体ヘリウムを再液化する対策を要する。つまり、電流リードを介しての熱侵入量が多いと、装置ないしシステム系のコストアップを招来するばかりでなく、再液化のための冷凍機構(冷凍機など)が大型化して、低消費電力化・小型軽量化という超電導のメリットを充分に活かせなくなるという問題がある。
【0003】
上記電流リードからの熱侵入に起因する問題の解決策として、酸化物超電導セラミックスを電流リードとして使用することも試みられている。すなわち、電流リードが酸化物超電導セラミックスで形成された場合、その電流リードは、酸化物超電導セラミックスの臨界温度以下の低温領域に配置(設置)されるため、電気抵抗がゼロでジュール発熱がなくなり、また、熱伝導度が銅に較べて格段に小さいので、超電導機器への熱侵入が抑制されるので、液体ヘリウムの蒸発を低減・防止することも可能となるからである。図3は酸化物超電導セラミックスを電流リードとした使用例を示したもので、1はクライオスタット、2は前記クライオスタット1内に収容・装着された超電導マグネット、3は前記超電導マグネット2を浸漬・冷却する液体ヘリウム、4はクライオスタット1外の電源側に接続する銅製リード、5は前記銅リード4を挿通・冷却する液体窒素槽、6は前記超電導マグネット2と銅製リード4との間を接続する酸化物超電導体系リードをそれぞれ示す。ここで、酸化物超電導体製リード6は、一般的に、図4に構成の概略を示すごとく、線状もしくは板状の酸化物超電導体6aの両端部に、銅製の端子6bを直接,接続配置した構成を採っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、銅製電流リードを介しての熱侵入に基づく問題は、酸化物超電導体を電流リードとして使用することによって大幅に解消し得る。すなわち、酸化物超電導体(セラミックス)の場合は、熱伝導率が銅より一桁以上も小さいばかりでなく、臨界温度以下に冷却すれば、ジュール熱も発生しないため、銅製リードに代わる次世代の電流リードとして十分に機能し得る。換言すると、前記熱伝導率が低い特性を利用して、酸化物超電導体製電流リードで極低温領域にある超電導線と常温中にある電流リード端子間とを繋ぐことにより、常温中にある電流リード端子から、極低温にある超電導線に熱が侵入するのを防止しながら、所要の電流を供給し得ることになる。
【0005】
ところで、酸化物超電導体系電流リード6の使用態様においては、その径が細て、かつ長い程、熱侵入が低減されるので、可及的に細長い酸化物超電導体(線)6aの使用が望まれる。しかしながら、酸化物超電導体は金属と異なり、一般に塑性変形をほとんどせず、また曲げおよび引っ張り強度も10kg/mm2 程度に過ぎない。したがって、細径化した酸化物超電導体線を外部に暴されたままの状態で用いることは、曲げや引っ張りなどの機械的応力、特に、撃力によって、亀裂を生じたりあるいは折れるなど、破損する恐れが顕著であり、電流リードとしての利用を阻害している。
【0006】
この機械的な問題に対して、図5に断面的に示すごとく、前記酸化物超電導体系電流リード6を、機械的強度の高いステンレス鋼など金属製の保護管7内に、電気絶縁的に挿通・装着する構成も検討されている。しかしながら、この保護管7による強度補強策の場合は、保護管7と酸化物超電導体6aとの熱収縮性の違いから、冷却時において、酸化物超電導体6aが大きな歪みを受けて破断を起こし易いという懸念があり、未だ効果的な手段は開発されていない。たとえば、−196 ℃(77 K)における熱収縮についてみると、銀被覆Bi系酸化物超電導体線:−0.14%、ステンレス鋼:−0.27%、また繊維強化樹脂製(GFRP)の支持材:−0.33%であり、これらの熱収縮性の相違から、熱収縮の歪みが大きく影響して破損などを容易に生じる。たとえば、 100mm長の電流リードおよび SUS(ステンレス鋼)製保護管を用いた場合、熱収縮率の差は0.13%(0.13mm)となり、酸化物超電導体が変形しないものとすると、20 kgf/mm2 以上の応力が生じて破損するなどの問題点も生じる。
【0007】
本発明は上記事情に対処してなされたもので、機械的な特性などの向上を図り、冷却時に生じる歪みや応力に起因する破断,割れ,超電導性の劣化を防止し、信頼性の高い電流通電機能を常に呈し得る酸化物超電導電流リードの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の酸化物超電導電流リードは、酸化物超電導体リード本体と、フレキシブル性を有する超電導体からなり、前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側に配置される導体リード部と、前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側端部に前記導体リード部の一方の端部を直列に接続すると共に、前記酸化物超電導体リード本体の前記端部を保持する接続部と、前記酸化物超電導体リード本体、接続部および導体リード部を内壁面から離隔した形で挿通・装着して周面部を保護する保護管と、前記導体リード部の他方の端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第1の接続端子部と、前記酸化物超電導体リード本体の高温領域側端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第2の接続端子部とを具備することを特徴としている。
本発明に係る第2の酸化物超電導電流リードは、酸化物超電導体リード本体と、フレキシブル性を有する超電導体からなり、前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側に配置される第1の導体リード部と、フレキシブル性を有する超電導体からなり、前記酸化物超電導体リード本体の高温領域側に配置される第2の導体リード部と、前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側端部に前記第1の導体リード部の一方の端部を直列に接続すると共に、前記酸化物超電導体リード本体の前記低温領域側端部を保持する第1の接続部と、前記酸化物超電導体リード本体の高温領域側端部に前記第2の導体リード部の一方の端部を直列に接続すると共に、前記酸化物超電導体リード本体の前記高温領域側端部を保持する第2の接続部と、前記酸化物超電導体リード本体、第1の接続部および第2の接続部、第1の導体リード部および第2の導体リード部を内壁面から離隔した形で挿通・装着して周面部を保護する保護管と、前記第1の導体リード部の他方の端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第1の接続端子部と、前記第2の導体リード部の他方の端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第2の接続端子部とを具備することを特徴としている。
【0009】
すなわち、本発明は、保護管内に挿通・装着された電流通電用の酸化物超電導体リード本体に対して、少なくとも一端側に、超電導体製のフレキシブル性を有する導体リード部を直列に接続した構成を採ることにより、酸化物超電導体リード本体および保護管の熱収縮性の相違に起因する歪みを吸収させることを骨子としている。
【0010】
本発明において、酸化物超電導体リード本体およびフレキシブル性を有する導体リード部を、内壁面から離隔した形で挿通・装着し、機械的な保護に寄与する保護管としては、たとえば繊維強化樹脂製筒体、ポリフッ化エチレン樹脂製筒体、セラミック製筒体、もしくは電気的な絶縁処理を施した金属製円筒体などが挙げられる。ここで、セラミック製筒体としては、たとえばアルミナ製筒体やマグネシア製筒体が、また金属製筒体としては、たとえばステンレス鋼、銅や真鍮などの銅合金、アルミニウム,亜鉛,錫もしくはこれらの合金など、一般的に非磁性材料製が好ましいが、鉄,コバルト,ニッケル,もしくはこれらの合金など磁性材料製でもよい。そして、その断面形状は、円形,楕円形,方形などの多角形でもよい。また、保護管の側壁面に適宜貫通孔を穿設、もしくはスリットを形設しておくと、保護管を通しての熱伝導による熱侵入量を低減できる。また、電流リードの組み立てが簡便になり、さらに計測線の配置などにも都合よい。
【0011】
本発明において、酸化物超電導体リード本体を構成する酸化物超電導体としては、たとえばLa系酸化物超電導体、 Y系酸化物超電導体、Bi系酸化物超電導体、Tl系酸化物超電導体などが挙げられる。そして、この酸化物超電導体リード本体の形状は、円柱状,角柱状,板状,円筒状もしくは線状などでもよく、またその形態は、純粋に酸化物超電導体のみにより形成されずに、たとえば銀シース被覆型、もしくは導電性金属やセラミックスを支持体として酸化物超電導体をコーティングした構成を採ってもよい。
【0012】
さらに、本発明において、フレキシブル性を有する導体リード部は、超電導体からなる。ここで、超電導体としては、たとえばNb3Sn系,NbTi系など金属系超電導体が挙げられ。そして、前記フレキシブル性は、導体リード部を、たとえばスプリング状,ジグザグ状の折り曲げ,もしくはメッシュ状などの形態を採ることによって付与し得る。なお、このフレキシブル性を有する導体リード部は、酸化物超電導体リード本体の少なくとも一端側に直列に接続配置され、導電リードとして機能し、金属系超電導体製の導体リード部は、超電導装置側(低温側)に設置するのが望ましい。そして、これら両者を設けることは(図1(b)参照)、さらに有効である。また、保護管内でリードが振動しないように、スペーサーを配置してもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る酸化物超電導体リードは、保護管で一体化された部分の外側で、電源接続側および超電導装置接続側の少なくとも一方を、たとえばメッシュ状導体などフレキシブルな導体を直列に接続した構成を採ることも可能であり、この場合は、電流リードとこの電流リードにフレキシブルな導体を介して接続された超電導装置(超電導マグネットなど)との間の前記熱収縮性に起因する歪みの吸収、および外部衝撃に起因する悪影響の排除などさら新たな効果が得られる。
【0014】
【作用】
上記のように本発明によれば、酸化物超電導体をリード本体とし、これにフレキシブル性を有する導体リード部を直列に接続して、これらを保護管内に内壁面と非接触に挿通・装着した構成を成している。こうした構成を採ったことにより、超電導マグネットを浸漬している液体ヘリウム(極低温領域)などへの熱侵入量の低減を容易に図り得る。一方、この酸化物超電導体リード本体は、その軸方向に沿って外周面側が保護管によって外からの機械的な衝撃などから保護される。つまり、曲げや引っ張りなど外部から加わる機械的な応力は、保護管によって遮られ、酸化物超電導体リード本体に加わる機械的な負荷が軽減され、前記外からの機械的な衝撃などによる破断,破損は容易に回避されることになる。また、冷却時における保護管と酸化物超電導体リード本体との熱収縮差は、酸化物超電導体リード本体に直列・接続した導体リードのフレキシブル性部にて、容易かつ確実に吸収され、またスペーサーによって振動も抑制される。したがって、前記熱収縮性差に起因する酸化物超電導体リード本体の割れや折れなども防止ないし回避されるので、前記熱侵入量の低減性などと相俟って、高い信頼性および超電導特性を備えた超電導電流リードとして機能することが可能となる。
【0015】
【実施例】
以下、図1 (a), (b)および図2を参照して本発明の実施例を説明する。
【0016】
実施例1
図1 (a)は本発明に係る酸化物超電導電流リードの構造例を、軸方向に断面的に示したもので、8は電流通電用の酸化物超電導体リード本体、たとえば直径 5mm程度,長さ 100mm程度の3本の Y系酸化物超電導体棒8a、9は前記 Y系酸化物超電導体リード本体8に銅製の接続部8bを介して電気的に直列に接続したフレキシブル性を有する導電リード部、たとえばコイル状に巻かれたNbTi系超電導線、10は前記 Y系酸化物超電導体リード本体8およびフレキシブル性を有する導電リード部9が、内壁面から離隔した形で挿通・配置された筒状の絶縁性保護管、たとえば外径 mm,内径 mm,長さ mmの繊維強化樹脂製の円筒体である。なお、図1 (a)において、8c,8dは接続端子部、11は一方の被接続部 12aと、前記接続端子部8cとの間を直列に接続するフレキシブル性を有するリード線、13は前記接続部8bの周面と保護管10の内壁面間に介在し、接続部8bの振れを防止するスペーサーである。
【0017】
そして、この酸化物超電導電流リード14は、次のような手順で構成されている。先ず、前記 Y系酸化物超電導体棒8a、この Y系酸化物超電導体棒8aの一端部を集束的に接続保持する接続部8b、前記接続部8bに一端側が接続されるフレキシブル性を有する導電リード部9、前記導電リード部9の他端側が接続する端子部8c、前記 Y系酸化物超電導体棒8aの他端側を集束的に接続保持する端子部8d、および軸方向に2分割した(縦割り)繊維強化樹脂製の円筒体(保護管)10などを素材として用意する。
【0018】
次いで、前記 Y系酸化物超電導体棒8aの一端側を接続部8bに集束的に接続し、さらにその接続部8bに、他端を端子部8cに予め接続させたフレキシブル性を有する導電リード部9の一端側を電気的に接続する。また、 Y系酸化物超電導体棒8aの他端側を端子部8dに集束的に接続して、リード本体部を組み立てる。その後、前記リード本体部を、要すればスペーサー13を配置しながら繊維強化樹脂製の円筒体(保護管)10内に、同軸的に配置・一体化することにより、酸化物超電導電流リード14を構成する。このように組み立て,構成した超電導電流リード14は、接続用端子部8cをたとえば超電導マグネット側(低温側)に、接続用端子部8dを外部電源側(高温側)に、それぞれ接続して使用される。
【0019】
なお、前記酸化物超電導電流リードの構成に用いた Y系酸化物超電導体棒8aは、次のようにして製作したものである。すなわち、 Y2 O 3 ,BaCO3 , CuOを原料とし、 Y:Ba:Cu= 1: 2: 3の比率になるように調製・混合して、 900℃で, 50h仮焼を行った。前記仮焼終了時の降温過程では超電導相を生成させるため、 600℃から 400℃まで、 2℃/min.の割合でゆっくり降温させた。このようにして得た仮焼粉を細かく粉砕し、プレス治具によって直径 5mm,長さ 100mmに圧粉成型した。この圧粉成型体を大気中, 925℃× 200 hの1次熱処理を行った後、中間プレスを行ってから、端部に銀ペーストを塗布し、再度 925℃× 200 hの熱処理を行って Y系酸化物超電導体棒8aを得た。この Y系酸化物超電導体棒8aについて、液体窒素中で4端子法により臨界電流Icを測定したところ、Ic=80 Aの値を示した。
【0020】
上記構成の酸化物超電導電流リードを、液体窒素アンカーを持つリードの77 K−4.2K部分に使用し評価したところ、熱侵入量は銅製リードの 1/ 4程度に低減されながら、 200 Aの電流を安定的に流しえることが確認された。
【0021】
なお、上記構成においては、フレキシブル性を有する導電リード部9を、酸化物超電導電流リード本体8の一端側に直列に接続したが、たとえば図1(b)に示すごとく、酸化物超電導電流リード本体8の両端側に、フレキシブル性を有する導電リード部9をそれぞれ直列に接続した構成とすることも可能で、また同様の作用・効果が得られる
【0022】
参考
図2は、参考例としての酸化物超電導電流リードの構造例を、軸方向に断面的に示したもので、8は電流通電用の酸化物超電導体リード本体、たとえば直径5mm程度,長さ50mm程度のBi系酸化物超電導体棒、9′は前記Bi系酸化物超電導体リード本体8に銅製の接続部8bを介して電気的に直列に接続したフレキシブル性を有する導電リード部、たとえば銅線を素線として成る編み線、10′は前記Bi系酸化物超電導体リード本体8およびフレキシブル性を有する導電リード部9′が、内壁面から離隔した形で挿通・配置された筒状の絶縁性保護管、たとえば外径17mm,内径15mm,長さ100mmの絶縁処理したステンレス鋼製の円筒体である。なお、図2において、11は一方の被接続部12aと12a′間、および他方の被接続部12bと12b′間を直列に接続するフレキシブル性を有するリード線である。そして、この超電導電流リード14は、次のような手順で構成されている。先ず、前記Bi系酸化物超電導体棒8、このBi系酸化物超電導体棒8aの一端部に接続保持する接続部8b、前記接続部8bに一端側が接続されるフレキシブル性を有する導電リード部9′、前記導電リード部9′の他端側が接続する銅製の端子部(高温側)8d、前記Bi系酸化物超電導体棒8aの他端側に接続する端子部(低温側)8c、および軸方向に2分割した(縦割り)ステンレス鋼製の円筒体(保護管)10′などを素材として用意する。
【0023】
次いで、前記Bi系酸化物超電導体棒8aの一端側を接続部8bに接続し、さらにその接続部8bに、他端を端子部8dに予め接続させたフレキシブル性を有する導電リード部9′の一端側を電気的に接続する。また、Bi系酸化物超電導体棒8aの他端側を端子部8cに接続して、リード本体部を組み立てる。その後、前記リード本体部を、前記ステンレス鋼製の円筒体(保護管)10′に同軸的に配置し、保護管10′を成す分割片を、たとえば端子部8c,8dで電気的な絶縁を採りながら、ボルト締め15して一体化することにより、超電導電流リード14を構成する。このように組み立て,構成した超電導電流リード14は、接続用端子部8cをたとえば超電導マグネット側(低温側)に、接続用端子部8dを外部電源側(高温側)に、フレキシブル部分を介して、それぞれ接続して使用される。
【0024】
なお、前記酸化物超電導電流リードの構成に用いたBi系酸化物超電導体棒8aは、次のようにして製作したものである。すなわち、Bi2 O 3 ,SrCO3 ,CaCO3 , CuOを原料とし、Bi:Sr:Ca:Cu= 2: 2: 1: 2の比率になるように調製・混合して、 800℃で,20 h仮焼を行った。このようにして得た仮焼粉を細かく粉砕し、冷間静水圧プレスによって、直径 7mm,長さ 100mmの棒状に成型した。この成型体を大気中, 840℃×50 h焼結した後、この焼結棒を原料棒として、CO2 レーザーを加熱源とした浮遊溶融法での溶融成長により、結晶バルクが長手方向に配向した直径 5mmのBi系酸化物超電導体棒を得た。このBi系酸化物超電導体棒を長さ50mmに切り出し、端部10mmに銀ペーストを塗布し、焼き付けてBi系酸化物超電導体棒8aを得た。このBi系酸化物超電導体棒8aについて、液体窒素中で4端子法により臨界電流Icを測定したところ、Ic= 150 Aの値を示した。
【0025】
上記構成の酸化物超電導電流リード14を、冷凍機で冷却する超電導マグネットの電流リードのうち、40 K−4.2K部分に使用し評価したところ、熱侵入量は銅製リードの 1/10程度に低減されながら、 130 Aの電流を安定的に流し得ることが確認された。
【0026】
本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、いろいろの変形を採り得る。たとえば、保護管10,10′は円筒状に限られず、断面が方形など多角形でもよい。つまり、酸化物超電導リード本体などを、内壁面に対して被接触に挿通・装着し得るならばその断面形状は特に限定されない。
【0027】
【発明の効果】
以上記述したごとく、本発明に係る超電導電流リードによれば、電流通電用の酸化物超電導体リード本体は、その超電導体リード本体周面部に軸方向に沿わせて離隔配設させた保護管によって、機械的強度に脆弱な酸化物超電導体リード本体が保護される一方、軸方向などの熱収縮がフレキシブルな電流リード部で容易に吸収される。つまり、電流を通電する酸化物超電導体リード本体は、長さ方向に対する垂直方向からの機械的な外力が遮蔽されているため、機械的な衝撃によって破損する恐れも解消される。また、また、冷却時における保護管と酸化物超電導体リード本体との熱収縮差は、酸化物超電導体リード本体に直列・接続した導体リードのフレキシブル部にて、容易かつ確実に吸収される。したがって、前記熱収縮性差に起因する酸化物超電導体リード本体の割れや折れなども防止ないし回避される。しかも、外部からの熱侵入も低減し得るので、極低温維持(保持)に要する冷却機構の低消費電力化などにも大きく寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a), (b)は本発明に係る酸化物超電導電流リードの互いに異なる要部構成例を示す軸(長さ)方向の断面図。
【図2】本発明に係る酸化物超電導電流リードの他の要部構成例を示す軸(長さ)方向の断面図。
【図3】従来の超電導電流リードを装備して成る超電導装置の要部構成を示す断面図。
【図4】従来の超電導電流リードの要部構成例を示す断面図。
【図5】従来の超電導電流リードの他の要部構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1…クライオスタッド 2…超電導マグネット 3…液体ヘリウム 4…銅リード 5…液体窒素槽 6,14…酸化物超電導体電流リード 7,10′…金属製保護管 8…酸化物超電導体電流リード本体 8a…酸化物超電導体棒 8b…接続部 8c,8d…接続端子部 9…フレキシブルな導電リード部 10…絶縁樹脂製の保護管 11…リード線 12a, 12b, 12a′, 12b′…被接続部 13…スペーサー

Claims (2)

  1. 酸化物超電導体リード本体と、
    フレキシブル性を有する超電導体からなり、前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側に配置される導体リード部と、
    前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側端部に前記導体リード部の一方の端部を直列に接続すると共に、前記酸化物超電導体リード本体の前記端部を保持する接続部と、
    前記酸化物超電導体リード本体、接続部および導体リード部を内壁面から離隔した形で挿通・装着して周面部を保護する保護管と
    前記導体リード部の他方の端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第1の接続端子部と、
    前記酸化物超電導体リード本体の高温領域側端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第2の接続端子部と
    を具備することを特徴とする酸化物超電導電流リード。
  2. 酸化物超電導体リード本体と、
    フレキシブル性を有する超電導体からなり、前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側に配置される第1の導体リード部と、
    フレキシブル性を有する超電導体からなり、前記酸化物超電導体リード本体の高温領域側に配置される第2の導体リード部と、
    前記酸化物超電導体リード本体の低温領域側端部に前記第1の導体リード部の一方の端部を直列に接続すると共に、前記酸化物超電導体リード本体の前記低温領域側端部を保持する第1の接続部と、
    前記酸化物超電導体リード本体の高温領域側端部に前記第2の導体リード部の一方の端部を直列に接続すると共に、前記酸化物超電導体リード本体の前記高温領域側端部を保持する第2の接続部と、
    前記酸化物超電導体リード本体、第1の接続部および第2の接続部、第1の導体リード部および第2の導体リード部を内壁面から離隔した形で挿通・装着して周面部を保護する保護管と、
    前記第1の導体リード部の他方の端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第1の接続端子部と、
    前記第2の導体リード部の他方の端部に接続され、前記保護管と電気的に絶縁されて一体化された第2の接続端子部と
    を具備することを特徴とする酸化物超電導電流リード。
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